JP3895587B2 - 相変化型光ディスクのフォーマット方法とその方法によりフォーマットされた相変化型光ディスク - Google Patents

相変化型光ディスクのフォーマット方法とその方法によりフォーマットされた相変化型光ディスク Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、相変化型光ディスクのフォーマット方法とその方法によりフォーマットされた相変化型光ディスクに関する。
【0002】
【従来技術】
光磁気ディスクを扱う光磁気ディスクドライブは、フォーマット中にディスクにある欠陥セクタをドライブが判別して、ディスク上のプライマリーディフェクトリスト(PDL)と呼ばれる1次欠陥リストに登録し、そのセクタは交代処理されるようになっているため、フォーマットしたディスクを大量生産することが容易である。
しかし、CD−RWドライブは、ドライブ自体がフォーマット中の欠陥セクタを判別し交代処理をするようになっていないため、CD−RWドライブを動かすアプリケーションが、リカバードエラー(Recovered error)、リードエラー(Read error)、ライトエラー(Write error)などのエラーが発生した時に交代処理するようになっており、フォーマットしたディスクを大量に生産することは、光磁気ディスクに比べ困難であった。しかも、それらのエラーを交代処理する/しないというような処理及び条件、並びに交代処理する場合の具体的な方法がアプリケーションに依存しているため、複数のアプリケーションに対応してフォーマットした記録媒体を大量生産することが困難であった。
【0003】
更に、フォーマットしたディスクは、ユーザーが所有する様々の会社のドライブで記録、再生されるため、ファイル構造やアプリケーションデータなどの必ず再生される領域の信号品質を良好にする必要があるが、CD−RWディスクなどの相変化材料を使用したディスクの場合は、記録線速度によりオーバーライト特性が異なり、1倍、2倍、4倍記録が可能なマルチスピードCD−RWディスクの場合、例えば4倍速で初回記録した後に4倍速でオーバーライトを行なうと記録信号のジッターが大きく増加するが、1倍速、2倍速又は4倍速で初回記録し、その上に2倍速でオーバーライトしてもジッターの増加は殆んど見られず、4倍速記録時に比べて顕著ではない。
アプリケーション(DirectCD、abCD、B’s CLiPなどのパケットライトソフト)を使ってフォーマットを行なう場合、ファイル構造やアプリケーションデータは、全面フォーマット(初回記録)後にオーバーライトを行なうが、このようにして作成したフォーマットディスクは、上記の理由により大量生産に不向きであることや、ファイル構造やアプリケーションデータが記録された領域は、フォーマット部分よりもジッターが増加し記録信号が劣化しているため、他のドライブで再生した場合に再生できないなどの不具合が発生する可能性がある。
【0004】
上記の課題に対して、特開2000−353317号公報の発明が提案されている。この発明では、データの記録を行なうドライブの記録パワーよりも低い記録パワーでフォーマットを行ない、データの記録時には本来の記録パワーによりオーバーライトを行なうことにより、オーバーライトした記録信号のジッターを低減させてユーザーデータの信頼性を向上させることができるため、フォーマットされたディスクを大量にしかも良好なディスク品質で提供できる有効な方法である。
しかしながら、プログラムメモリーエリア(PMA)領域の記録品質に関しては特に最適な記録を行なう手段は開示されていない。ディスクがドライブにロードされディスクが認識されると、ドライブはPMA領域の情報の読み出しを行ない、PMAの内容が正しく再生できた場合に始めてプログラム領域に記録を行なうことができる。正しく再生できない場合には、記録できずにエラーとなってしまうため、PMAの記録品質に関しても最適な条件で記録を行なう必要がある。
フォーマットを行うためのフォーマットユニットコマンド(Format Unit Command)がホストから発行されると、ドライブはパワーキャリブレーションを行ない、プログラム領域がフォーマットされた後、プログラム領域の最外周から最内周のPMA領域にシークが行われPMAの記録が行われる。シークは距離の大きな動作になるため、シーク後にピックアップの光軸ずれが発生し易く、プログラム領域と同一の記録パワーで記録した場合、記録信号が滲みジッターが悪化し易い傾向にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような状況下において、大量にフォーマットしたCD−RWディスク及びアプリケーションデータを記録したCD−RWディスクを供給するために考案されたものであり、ファイル構造やアプリケーションデータなどを含んだCD−RWディスクであって、ユーザーが使用する他のドライブで安定に記録、再生できる高品質のフォーマットされたCD−RWディスクを供給する方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、次の1)〜3)の発明によって解決される。
1) プログラム領域を有する相変化型光ディスクのフォーマットにおいて、プログラム領域をフォーマットする時の記録パワーよりも高い記録パワーでプログラムメモリーエリア領域の記録を行なうことを特徴とする相変化型光ディスクのフォーマット方法。
2) プログラムメモリーエリア領域の記録を、パワーキャリブレーションを行なった後に行ない、その後、フォーマットを行うための記録パワーを設定し、プログラム領域をフォーマットすることを特徴とする1)記載のフォーマット方法。
3) 1)又は2)記載のフォーマット方法によりフォーマットされた相変化型光ディスク。
【0007】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
実施例及び比較例では、リコー製1−4xCD−RWディスク、リコー製MP7040A(4倍速CD−RWドライブ)を使用した。
【0008】
実施例1
ディスクをドライブにマウントし、記録スピードを最高速(4倍速)に設定した後、1セクター当り64キロバイト(KByte)のフィックストパケット(Fixed Packet)でフォーマットを行なえるようにモードセレクトコマンド(Mode Select Command)で設定した。
次いで、パワーキャリブレーションを実行し、リザーブトラックコマンド(Reserve Track Command)によりPMAの記録を行った。
この時のPMAの記録パワーは、パワーキャリブレーションにより求められた記録パワーである。
次いで、PMAを記録した記録パワーよりも低い記録パワーをドライブに設定し、クローズトラックコマンド(Close Track Command)によりディスク全面(プログラム領域)をフィックストパケットでフォーマットした。
その後、クローズセッションコマンド(Close Session Command)によりリードイン(Lead in)、リードアウト(Lead out)を記録しフォーマットを完了した。
続いて、ドライブの記録スピードをセットCDスピードコマンド(Set CD Speed Command)にて2倍速に設定し、4倍速で求めた記録パワーに係数を乗じて2倍速記録時の記録パワーを設定し、2倍速でUDFデータを所定のアドレスにライトコマンドで記録し、フォーマット済みCD−RWディスクを得た。
【0009】
比較例1
ディスクをドライブにマウントし、記録スピードを最高速(4倍速)に設定した後、1セクター当り64キロバイトのフィックストパケットでフォーマットを行なえるようにモードセレクトコマンドで設定した。
次いで、パワーキャリブレーションを実行し、求めた記録パワーよりも低い記録パワーをドライブに設定し、フォーマットユニットコマンドによりディスク全面をフィックストパケットでフォーマットした。この時のPMAの記録は、フォーマットユニットコマンドの場合、プログラムエリア、PMA、リードイン、リードアウトの順に記録が行われる。記録パワーはこれらの領域で同一である。
次いで、ドライブの記録スピードをセットCDスピードコマンドにて2倍速に設定し、4倍速で求めた記録パワーに係数を乗じて2倍速記録時の記録パワーを設定し、2倍速でUDFデータを所定のアドレスにライトコマンドで記録し、フォーマット済みCD−RWディスクを得た。
【0010】
比較例2
パケットライトソフトをインストールしてあるPCにドライブを接続し、ディスクのフォーマットを行った。
バスモニターにてシーケンスをモニターした結果、1セクター当り64キロバイトのフィックストパケットでフォーマットを行なえるようにモードセレクトコマンドで設定後、フォーマットユニットコマンドによりディスク全面のフォーマットを行い、ライトコマンドにて所定のアドレスにUDFデータを記録した。この場合、4倍速の記録スピードでPMA、プログラム領域、リードイン、リードアウトが記録され、パワーキャリブレーションにより求められた記録パワーにより全領域が記録されており、UDFデータの記録も同一記録パワーであった。
【0011】
上記実施例1及び比較例1、2で作成したフォーマットディスクのUDF記録部、PMA記録部の信号観察及びプログラム領域にデータをオーバーライト記録した後のジッターの評価を行った。結果を次の表1に示す。
【表1】
Figure 0003895587
上記表1から分るように、本発明の実施例は何れにおいても良好な結果であった。
【0012】
【発明の効果】
本発明によれば、プログラム領域を有する相変化型光ディスクのフォーマットにおいてPMA領域及びプログラム領域にそれぞれ最適な記録を行うことができる。

Claims (3)

  1. プログラム領域を有する相変化型光ディスクのフォーマットにおいて、プログラム領域をフォーマットする時の記録パワーよりも高い記録パワーでプログラムメモリーエリア領域の記録を行なうことを特徴とする相変化型光ディスクのフォーマット方法。
  2. プログラムメモリーエリア領域の記録を、パワーキャリブレーションを行なった後に行ない、その後、フォーマットを行うための記録パワーを設定し、プログラム領域をフォーマットすることを特徴とする請求項1記載のフォーマット方法。
  3. 請求項1又は2記載のフォーマット方法によりフォーマットされた相変化型光ディスク。
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