JP3894805B2 - 排熱回収方法および排熱回収システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コジェネレーションシステムなどに用いるために、ディーゼルエンジン、スターリングエンジン、ミラーサイクルガスエンジンなどのエンジンとか、燃料電池などから発生する排熱を回収して電力や動力を取り出す排熱回収方法および排熱回収システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のシステムとしては、従来一般に、エンジンから発生する排気ガスとの熱交換により水蒸気を発生させ、この水蒸気で水蒸気タービンを駆動して動力や電力を得るように構成されている。
ところが、水蒸気を発生させた後の排ガスの温度が 200℃以上もあるにもかかわらず、何ら利用されずに捨てられていた。また、同様に、エンジンからのエンジン冷却後のジャケット冷却水も、その温度が85℃以上あるにもかかわらず、何ら利用されずに捨てられていた。
【0003】
このような問題を解消するものとして、本出願人は、特開平11−350920号公報に開示されるものを提案した。
この公報例のものによれば、図2の従来例の概略構成図に示すように、エンジン01を冷却した後のジャケット冷却水により水とそれよりも沸点が低いアンモニアから成るアンモニア−水系混合流体を加熱して再生器02でアンモニア−水系混合流体のアンモニア蒸気を発生させ、その再生器02で発生した蒸気を吸収冷凍機の作動熱源に利用するように構成している。
【0004】
また、エンジン01からの排気ガスの高温排熱により高温蒸気発生装置03で水蒸気を発生させ、その水蒸気で水蒸気タービン04を駆動するとともに、水蒸気タービン04を経た水蒸気を復水器05に戻すように構成している。
更に、吸収冷凍機の凝縮器06からの低温蒸気成分と吸収器07からのアンモニア−水系混合流体との混合液を、熱交換器08により、高温蒸気発生装置03を経た排ガスで加熱し、アンモニア−水系混合流体の蒸気を発生させ、その蒸気によって蒸気タービン09を駆動し、水蒸気タービン04および蒸気タービン09を同軸にして発電機010を駆動するように構成している。
【0005】
そして、吸収冷凍機の蒸発器011において、冷凍用媒体取り出し配管012を介して7〜8℃以下の低温の冷凍用媒体などの冷熱を取り出すようにしている。更に、蒸発器011と復水器05とを冷却水配管013を介して接続し、7〜8℃以下の低温のアンモニア−水系混合流体の低温蒸気成分で復水器05を冷却し、水蒸気を水に戻すように構成している。
【0006】
また、上記構成に改良を加え、動力のみを取り出すようにしてシステム構成を安価にするものをも提案している(特願2001−17281号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した公報例および提案例の場合のいずれにおいても、水蒸気を作動媒体とする系と、アンモニア−水系混合流体を作動媒体とする系とをそれぞれ独立した回路で構成し、高温の水蒸気によって水蒸気タービン04を作動し、水蒸気よりも低温のアンモニア系蒸気によって蒸気タービン09を作動している。
【0008】
このため、水蒸気を水に戻す復水器05と、アンモニア系蒸気を液化する凝縮器06とを必要とし、また、水蒸気を作動媒体とする系では、純水を用いるために純水ポンプや純水化装置が必要であり、構成部品点数が多くなって高価になる問題がある。
【0009】
また、水蒸気を作動媒体として水蒸気ランキンサイクルを構成する水の場合では、復水器05で水蒸気を水に戻すときに負圧になるため、復水器05への外気の侵入を防止するために、シール構造や真空ポンプとして高性能のものが必要になって高価になる。更に、純水ポンプの駆動に動力を要するなど、設備コストおよび運転コストが高くなり、改善の余地があった。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、請求項1および請求項2に係る発明は、安価な構成で排熱を有効に回収できるようにすることを目的とし、また、請求項3に係る発明は、構成簡単にして動力を取り出せるようにすることを目的する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述のような問題を解決するために鋭意研究をした結果、次のような知見を得た。
すなわち、アンモニア−水系混合流体においてアンモニア濃度が減少する程性質が水に近づき、その低濃度のアンモニア−水系混合液を蒸発させれば水蒸気と同様の高温蒸気を発生させることができる、ということを見出すに至った。
本発明は、上記の点に着目しながら、排熱回収効率を向上したものである。
【0012】
請求項1に係る発明の排熱回収方法は、上述のような目的を達成するために、循環回路内に封入されたアンモニア−水系混合流体を低温排熱と熱交換した後、アンモニア濃度が高い高濃度流体と、濃度が低い低濃度流体とに分離し、分離された高濃度流体を供給して低温蒸気タービンを駆動し、かつ、分離された低濃度流体を高温排熱と熱交換して高温蒸気を発生させ、その高温蒸気を供給して高温蒸気タービンを駆動する排熱回収方法であって、
分離された低濃度流体を、高温排熱と熱交換させる前に、低温排熱と熱交換させる前のアンモニア−水系混合流体と熱交換して温度を低下させ、その低温の低濃度流体によって、過給機を経た燃焼用空気を冷却することを特徴としている。
【0013】
高温排熱と低温排熱とは、例えば、ガスエンジンの高温排ガスとジャケット冷却水とから成る組み合わせ、あるいは、高温排ガスから熱を回収するときに最初に熱交換する排熱と、その熱交換後の低温部分と熱交換する排熱とから成る組み合わせとか、燃料電池において、反応ガスの排熱と冷却水の排熱とから成る組み合わせなど、要するに、温度の異なる二種の排熱のうち、温度の高い側の排熱を高温排熱と称し、温度の低い側の排熱を低温排熱と称する。
【0014】
(作用・効果)
請求項1に係る発明の排熱回収方法の構成によれば、アンモニア−水系混合流体からアンモニア濃度が低い低濃度流体を分離して水に近い性質の流体を得、その低濃度流体を高温排熱と熱交換して水蒸気と同等の高温蒸気を発生させ、その高温蒸気により高温蒸気タービンを駆動する。一方、アンモニア−水系混合流体からアンモニア濃度が高い高濃度流体を分離し、それにより従来同様に低温蒸気タービンを駆動する。
また、分離された低濃度流体の熱を低温排熱と熱交換させる前のアンモニア−水系混合流体に回収させ、それによって温度の低下した低温の低濃度流体で過給機を経た燃焼用空気を冷却する。
この構成により、高温蒸気タービンを駆動する作動媒体と低温蒸気タービンを駆動する作動媒体として同じアンモニア−水系混合流体を用いることができるから、水による専用の回路を構成せずに済み、純水ポンプや純水装置を不用にできるとともに、蒸気を液化するための復水器などの個数を半減でき、更に、従来の水蒸気系の回路におけるような真空度を維持するためのシール構造や真空ポンプとして高性能のものが不用になり、設備コストを低減できる。
また、純水ポンプの駆動を不用にできて運転コストも低減でき、全体として経済性を大幅に向上できる。
そのうえ、このような排熱回収において、分離された低濃度流体の熱を低温排熱と熱交換させる前のアンモニア−水系混合流体に回収するから、排熱回収効率を向上でき、更に、低温になった低濃度流体を、過給機を経た燃焼用空気の冷却に利用するから、燃焼用空気を冷却する冷却水の供給量を減少できる。
【0015】
また、請求項2に係る発明の排熱回収システムは、上述のような目的を達成するために、
アンモニア−水系混合流体が封入された循環回路と、
アンモニア濃度が高い高濃度流体と、濃度が低い低濃度流体とに分離する流体分離手段と、
前記循環回路に設けられて前記流体分離手段に供給されるアンモニア−水系混合流体を低温排熱と熱交換して低温蒸気を発生させる低温蒸気発生装置と、
前記循環回路に設けられて前記流体分離手段で分離された低濃度流体を高温排熱と熱交換して高温蒸気を発生させる高温蒸気発生装置と、
前記高温蒸気発生装置から取り出される高温蒸気を供給して駆動される高温蒸気タービンと、
前記低温蒸気発生装置から取り出される低温蒸気を供給して駆動される低温蒸気タービンと、
過給機を備えたエンジンとを備えた排熱回収システムであって、
前記流体分離手段と高温蒸気発生装置とを接続する配管に介装されて前記低温蒸気発生装置に供給される前のアンモニア−水系混合流体によって低濃度流体の熱を回収する予熱用熱交換器と、
前記配管の前記予熱用熱交換器よりも下流側に介装されて前記予熱用熱交換器を経た低濃度流体の冷熱により前記過給機を経た燃焼用空気を冷却するインタークーラーとを備えて構成する。
【0016】
(作用・効果)
請求項2に係る発明の排熱回収システムの構成によれば、ひとつの循環回路内に封入されたアンモニア−水系混合流体からアンモニア濃度が低い低濃度流体を流体分離手段で分離して水に近い性質の流体を得、その低濃度流体を高温蒸気発生装置で高温排熱と熱交換して水蒸気と同等の高温蒸気を発生させ、その高温蒸気により高温蒸気タービンを駆動する。一方、アンモニア−水系混合流体からアンモニア濃度が高い高濃度流体を流体分離手段で分離し、それにより従来同様に低温蒸気タービンを駆動する。
また、予熱用熱交換器により、分離された低濃度流体の熱を低温排熱と熱交換させる前のアンモニア−水系混合流体に回収させ、それによって温度の低下した低濃度流体の冷熱によりインタークーラーで過給機を経た燃焼用空気を冷却する。
この構成により、高温蒸気タービンを駆動する作動媒体と低温蒸気タービンを駆動する作動媒体として、一つの循環回路内に封入した同じアンモニア−水系混合流体を用いることができるから、水による専用の回路を構成せずに済み、純水ポンプや純水装置を不用にできるとともに、蒸気を液化するための復水器などの個数を半減でき、更に、従来の水蒸気系の回路におけるような真空度を維持するためのシール構造や真空ポンプとして高性能のものが不用になり、かつ、コンパクトに構成でき、設備コストを大幅に低減できる。
また、純水ポンプの駆動を不用にできて運転コストも低減でき、全体として経済性を大幅に向上できる。
そのうえ、このような排熱回収において、分離された低濃度流体の熱を低温排熱と熱交換させる前のアンモニア−水系混合流体に予熱用熱交換器で回収するから、排熱回収効率を向上でき、更に、インタークーラーにより、低温になった低濃度流体を、過給機を経た燃焼用空気の冷却に利用するから、燃焼用空気を冷却する冷却水の供給量を減少できる。
【0017】
また、請求項3に係る発明の排熱回収システムは、上述のような目的を達成するために、
請求項2に記載の排熱回収システムにおいて、
高温蒸気タービンと低温蒸気タービンとを同一駆動装置の駆動源に構成する。
【0018】
(作用・効果)
請求項3に係る発明の排熱回収システムの構成によれば、濃度が異なるだけで、一つの循環回路内に封入した同じアンモニア−水系混合流体を作動媒体とする高温蒸気タービンと低温蒸気タービンとで同一駆動装置を駆動する。
従来のように作動媒体が異なっている場合、水蒸気系の回路にアンモニア−水系混合流体が混入することを回避するために両タービン間でのシール構造として高精度のものを用いる必要があったが、この請求項3に係る発明の構成によれば、高温蒸気タービンと低温蒸気タービンとが、一つの循環回路内に封入した同じ作動媒体であるアンモニア−水系混合流体であるから、混入による弊害が無く、両タービン間でのシール構造として簡単な構成で済み、構成簡単にして動力を取り出すことができ、経済性をより向上できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る排熱回収方法の実施に供する排熱回収システムの実施例を示す概略構成図であり、過給機TCを備えたエンジン1に、カップリング2を介して発電機3が連動連結されている。
【0020】
過給機TCに排ガス配管4が接続され、その排ガス配管4に、高温蒸気発生装置としての蒸気ボイラ5が介装され、エンジン1から取り出される排ガスの熱によって、後述する配管系で構成される循環回路内に封入されたアンモニア−水系混合流体のうちのアンモニア濃度が低い低濃度流体の蒸気、すなわち、ほぼ水蒸気と同等の蒸気を発生するように構成されている。図中6は、NOx成分を除去する脱硝装置を示している。
【0021】
蒸気ボイラ5の一方には、アンモニア−水系混合流体からアンモニア濃度が低い低濃度流体を分離する流体分離手段としての分留器7が第1のポンプ8を介装した第1の配管9を介して接続され、蒸気ボイラ5の他方には、高温蒸気タービン10が第2の配管11を介して接続されている。
【0022】
高温蒸気タービン10には、復水器12が第3の配管13を介して接続されている。復水器12と分留器7とが、第2のポンプ14を介装した第4の配管15を介して接続されている。
【0023】
上記構成により、分留器7→第1の配管9→蒸気ボイラ5→第2の配管11→高温蒸気タービン10→第3の配管13→復水器12→第4の配管15→分留器7という、アンモニア−水系混合流体の低濃度流体の蒸気(ほぼ水蒸気)のランキンサイクルが構成されている。
これにより、分留器7により分離したアンモニア−水系混合流体の低濃度流体を蒸気ボイラ5に供給し、その蒸気ボイラ5で発生させた水蒸気とほぼ同等のアンモニア−水系混合流体の低濃度流体の蒸気によって高温蒸気タービン10を駆動するとともに、高温蒸気タービン10を経た後の蒸気を復水器12で液化するようになっている。
【0024】
分留器7には、第5の配管16を介して低温蒸気タービン17が接続されている。第3の配管13の途中箇所と低温蒸気タービン17とが第6の配管18を介して接続されている。
【0025】
第4の配管15の第2のポンプ14の下流側箇所と分留器7とが第7の配管19を介して接続され、その第7の配管19の途中箇所に第1の低温蒸気発生装置20が介装され、この第1の低温蒸気発生装置20に、第3のポンプ21を介装した、エンジン1からのエンジン冷却後のジャケット冷却水を取り出す冷却水配管22が伝熱可能に接続されている。また、排ガス配管4の蒸気ボイラ5の下流側に、蒸気ボイラ5を経た後の排ガスからの排熱を取り出す第2の低温蒸気発生装置23が介装され、その第2の低温蒸気発生装置23に、第4の配管15が伝熱可能に接続されている。
【0026】
上記構成により、分留器7→第5の配管16→第6の配管18→第3の配管13→復水器12→第4の配管15→第2の低温蒸気発生装置23→分留器7、および、分留器7→第5の配管16→第6の配管18→第3の配管13→復水器12→第7の配管19→第1の低温蒸気発生装置20→分留器7という、水よりも低温で蒸発を開始するアンモニア−水系混合流体のアンモニアの高濃度流体による動力回収サイクルが構成されている。この動力回収サイクルには、第2の低温蒸気発生装置23で蒸発させた後に分離されるアンモニア−水系混合流体のアンモニアの高濃度流体の蒸気も利用される。
【0027】
これにより、ジャケット冷却水の熱、ならびに、蒸気ボイラ5を経た後の排ガスの熱(約 200℃)によって、第1および第2の低温蒸気発生装置20,23でアンモニア−水系混合流体の気液混合蒸気を発生させ、分留器7でアンモニア−水系混合流体の気液混合蒸気からアンモニアの高濃度流体による低温蒸気を分離し、その低温蒸気成分によって低温蒸気タービン17を駆動するとともに、低温蒸気タービン17を経た後の低温蒸気成分を復水器12で液化するようになっている。
【0028】
排ガス配管4の蒸気ボイラ5の下流側に、蒸気ボイラ5を経た後の排ガスからの排熱を取り出す低温蒸気発生装置23が介装され、その低温蒸気発生装置23に、第7の配管19の第2のポンプ15の下流箇所と分留器17とを接続する第4の配管15が伝熱可能に接続され、蒸気ボイラ5を経た後の排ガスからの排熱(約 200℃)によってアンモニア−水系混合流体の高温の気液混合蒸気を発生させ、分留器17に供給するようになっている。
【0029】
過給機TCからエンジン1に燃焼用空気を供給する給気管25に第1および第2のインタークーラーC1,C2が設けられ、その第1のインタークーラーC1に、第1の配管9の高温蒸気タービン10と復水器12との中間箇所が導入され、復水器12から高温蒸気タービン10に供給される水の冷熱を燃焼用空気の冷却に利用するように構成されている。また、第2のインタークーラーC2には冷却水供給管25が導入され、第1のインタークーラーC1で所望の冷却が行えないときに不足分の冷却を行うようになっている。
復水器12にも、クーリングタワーからの冷却水供給管26が導入されている。
【0030】
第7の配管19には、第1の低温蒸気発生装置20よりも上流側で予熱用熱交換器27が介装され、この予熱用熱交換器27に第1の配管9が導入され、分留器7から蒸気ボイラ5に供給されるアンモニア−水系混合流体のアンモニアの低濃度流体の熱を回収し、排熱回収効率を向上できるように構成されている。
【0031】
高温蒸気タービン10および低温蒸気タービン17が同一の動力取出軸27に設けられ、その動力取出軸28に駆動装置としての発電機29が連動連結されている。駆動装置としては、発電機29に限らず、ポンプや圧縮機や各種の機械装置が適用できる。また、高温蒸気タービン10および低温蒸気タービン17それぞれに個別に動力取出軸を設け、その動力取出軸それぞれに個別に駆動装置を連動連結するようにしても良い。
【0032】
次に、上記実施例の排熱回収システムのシミュレーションの結果について説明する。
出力 6,000kwで効率40%、空気比 1.7のエンジン1を用い、第2の低温蒸気発生装置23への入口での排ガス温度が 200℃、ジャケット冷却水から第1の蒸気発生装置20への入熱がエンジン1の入力エネルギーの20%であるとした。また、低温蒸気タービン17の断熱効率が80%、発電機28の発電効率が90%であるとした。
【0033】
上記の結果、低温蒸気タービン17(高温蒸気タービン10を除く)で得られる発電量は、エンジン1の入力エネルギーの約 2.3%であった。これは、本出願人が先に提案した排熱回収システム(特願2001−017281号)に比べて5%以内の低下で済むことが明らかであった。
この結果、本発明では、出力をほとんど低下させずに構成を簡単にできるとともに動力消費量を減少でき、イニシャルコストおよびランニングコストのいずれをも低下できることが明らかであった。
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
上述エンジン1としては、ミラーサイクルガスエンジンやディーゼルエンジンやスターリングエンジンなど各種のガスエンジンを用いることができる。
【0045】
また、上記実施例では、エンジン1によって発電機3を駆動して電力を取り出す、いわゆるコジェネレーションシステムを示したが、エンジン1によって各種の機械装置を駆動する場合にも適用できる。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように 請求項1に係る発明の排熱回収方法および請求項2に係る発明の排熱回収システムによれば、高温蒸気タービンを駆動する作動媒体と低温蒸気タービンを駆動する作動媒体として同じアンモニア−水系混合流体を用いることができるから、水による専用の回路を構成せずに済み、純水ポンプや純水装置を不用にできるとともに、蒸気を液化するための復水器などの個数を半減でき、更に、従来の水蒸気系の回路におけるような真空度を維持するためのシール構造や真空ポンプとして高性能のものが不用になり、かつ、コンパクトに構成でき、設備コストを大幅に低減できる。
また、純水ポンプの駆動を不用にできて運転コストも低減でき、全体として経済性を大幅に向上できる。
そのうえ、このような排熱回収において、分離された低濃度流体の熱を低温排熱と熱交換させる前のアンモニア−水系混合流体に回収するから、排熱回収効率を向上でき、更に、低温になった低濃度流体を、過給機を経た燃焼用空気の冷却に利用するから、燃焼用空気を冷却する冷却水の供給量を減少できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る排熱回収システムの実施例を示す概略構成図である。
【図2】 従来例の排熱回収システムを示す概略構成図である。
【符号の説明】
1…エンジン
5…蒸気ボイラ(高温蒸気発生装置)
7…分留器(流体分離手段)
10…高温蒸気タービン
17…低温蒸気タービン
20…第1の低温蒸気発生装置
23…第2の低温蒸気発生装置
27…予熱用熱交換器
29…発電機(駆動装置)
C1…第1のインタークーラー
TC…過給機
Claims (3)
- 循環回路内に封入されたアンモニア−水系混合流体を低温排熱と熱交換した後、アンモニア濃度が高い高濃度流体と、濃度が低い低濃度流体とに分離し、分離された高濃度流体を供給して低温蒸気タービンを駆動し、かつ、分離された低濃度流体を高温排熱と熱交換して高温蒸気を発生させ、その高温蒸気を供給して高温蒸気タービンを駆動する排熱回収方法であって、
分離された低濃度流体を、高温排熱と熱交換させる前に、低温排熱と熱交換させる前のアンモニア−水系混合流体と熱交換して温度を低下させ、その低温の低濃度流体によって、過給機を経た燃焼用空気を冷却することを特徴とする排熱回収方法。 - アンモニア−水系混合流体が封入された循環回路と、
アンモニア濃度が高い高濃度流体と、濃度が低い低濃度流体とに分離する流体分離手段と、
前記循環回路に設けられて前記流体分離手段に供給されるアンモニア−水系混合流体を低温排熱と熱交換して低温蒸気を発生させる低温蒸気発生装置と、
前記循環回路に設けられて前記流体分離手段で分離された低濃度流体を高温排熱と熱交換して高温蒸気を発生させる高温蒸気発生装置と、
前記高温蒸気発生装置から取り出される高温蒸気を供給して駆動される高温蒸気タービンと、
前記低温蒸気発生装置から取り出される低温蒸気を供給して駆動される低温蒸気タービンと、
過給機を備えたエンジンとを備えた排熱回収システムであって、
前記流体分離手段と高温蒸気発生装置とを接続する配管に介装されて前記低温蒸気発生装置に供給される前のアンモニア−水系混合流体によって低濃度流体の熱を回収する予熱用熱交換器と、
前記配管の前記予熱用熱交換器よりも下流側に介装されて前記予熱用熱交換器を経た低濃度流体の冷熱により前記過給機を経た燃焼用空気を冷却するインタークーラーと、
を備えたことを特徴とする排熱回収システム。 - 請求項2に記載の排熱回収システムにおいて、
高温蒸気タービンと低温蒸気タービンとを同一駆動装置の駆動源に構成してある排熱回収システム。
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