JP3894542B2 - 圧電部品の気密容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば水晶振動子などの圧電素子や、発振回路部品を持つ圧電発振器を構成する気密状態で圧電部品を収納することができる圧電部品の気密容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から用いられている各種電子機器のクロック信号源には、安価で安定した周波数制御信号が取り出せる素子として水晶振動子等の圧電素子が多用されている。これらの素子は、一般にその素子を被う容器内部が真空状態、或いは窒素等の不活性ガスが充填された状態の容器内に気密封止する必要があり、各種圧電部品の気密容器が提案されている。
【0003】
その一例としては、金属ベースとリード端子をガラスで保持するハーメチックシールの形態に金属の蓋体とで気密環境を実現するものや、最近では半導体集積回路(IC)に用いられているセラミック容器や樹脂材料で気密環境を実現する容器が主流となっている。
【0004】
一方、圧電素子の利用分野で注目を浴びているのが携帯電話などの移動体通信端末である。携帯電話の機能も日々豊かになることに加え、携帯電話本体のより小型化が進んでいる。このような携帯電話に搭載する圧電発振器は携帯電話の端末(いわゆる携帯電話の本体)と携帯電話インフラの基地局間とでの通信により通話を行うことから、携帯電話に搭載する圧電発振器には特に温度補償を強化した温度補償型圧電発振器を搭載していることなども知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、各種電子機器の小型化に伴い、電子機器を構成する各種電子部品においても、さらなる小型化が求められ、水晶振動子や水晶フィルタ、水晶発振器といった圧電素子により構成される電子部品もその例外ではなく、特に、最近では電子部品のより一層の薄型化(低背化)が求められており、この手の圧電部品の気密容器としての標準的地位を占める容器形態としては表面実装型が主流でもある。
【0006】
ここで、昨今の水晶振動子や水晶フィルタ、水晶発振器の外形寸法の一例を示すと縦7.0mm×横5.0mmの表面積から縦3.2mm×横2.0mmと言うように小型化の傾向が強く、厚さ(高さ)で見た場合には0.7mm〜1.1mm程度にまで薄型化することも求められている。
【0007】
このように水晶振動子や水晶フィルタ、水晶発振器のより一層の小型化と薄型化を実現するためには、気密容器自体の薄型化を実現する必要があり、このことは同時に製造工程時、あるいはユーザにおける実装基板上への搭載工程(実装工程)での取り扱い(ハンドリング)で、特に圧電部品の表裏判別と言う点で不具合を招く要因を持っている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述する不具合や課題を改善するために成されたものであり、その一形態として、容器本体部と蓋部とを接合することにより、その内部に収納した圧電体を気密封止する圧電部品の気密容器において、この容器本体部と蓋部とに外部接続用電極が形成されており、容器本体部に形成された外部接続用電極を実装面に向けたときと、気密容器を手前方向に180度回転させて、蓋部に形成された外部接続用電極を実装面に向けたときとで、容器本体部に形成された外部接続用電極と蓋部に形成された外部接続用電極とが同一の機能を有する配列となっていることを特徴とする圧電部品の気密容器である。
【0009】
又、上述した気密容器とは別の形態として、容器本体部と蓋部とを接合することにより、その内部に収納した圧電体を気密封止する圧電部品の気密容器において、この容器本体部と蓋部とに外部接続用電極が形成されており、容器本体部に形成された外部接続用電極を実装面に向けたときと、気密容器を左右方向に180度回転させて、蓋部に形成された外部接続用電極を実装面に向けたときとで、容器本体部に形成された外部接続用電極と蓋部に形成された外部接続用電極とが同一の機能を有する配列となっていることを特徴とする圧電部品の気密容器である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従ってこの発明の実施例を説明する。なお、各図において同一の符号は同様の対象を示すものとする。図1は本発明の圧電部品の気密容器で、容器本体部1と蓋部2と外部接続用電極から構成された状態を示した斜視図である。気密容器の内部には特に図示しないが振動子や発振回路を収納することで、水晶振動子や水晶フィルタ、水晶発振器の形態を実現する。
【0011】
この場合、最近主流の容器寸法が縦7.0mm×横5.0mmの表面積から縦3.2mm×横2.0mmと言うように小型化の傾向が強く、厚さ(高さ)で見た場合には0.7mm〜1.1mm程度にまで薄型化することから、製造工程、検査工程、あるいはユーザにおける実装基板上への搭載工程での容器の表裏の判別を考慮せずに、確実に圧電部品の実装後の導通を確保するために、容器本体部1と蓋部2とに同一機能を有する外部接続用電極を、容器本体部1と蓋部2とに同一機能を有する該電極を形成することを特徴するものである。
【0012】
前述のことを図2で説明すると、図2(a)は、気密容器4を手前方向に180度回転させたときに、該気密容器4の表裏で該接続用電極2が両面双方で兼用接続が可能となっていることを示し、図2(b)では、気密容器4を左右方向に180度回転させたときに、該気密容器4の表裏で該接続用電極2が両面双方で兼用接続が可能となっていることを示したものである。
【0013】
本実施例の説明では、図2(a)では紙面上下方向に気密容器4を180度回転させた場合を表現し、図2(b)はの紙面左右方向に気密容器4を180度回転させた場合を表現している。このように気密容器4を180度回転させたときに、気密容器4の主面両面が、同じ端子配列(接続した場合に同一機能、同一端子の電極構成)となることから、気密容器4の主面両面に同一機能を持つ接続用電極2が配置されていることが分かる。
【0014】
この図2に示すように、外部接続用電極2は、容器本体部1と蓋部2とに同一機能を有する電極2が形成されていることを特徴し、同一機能の電極2を実現するためには図1に一例とした描画する本体部の電極2と蓋部の電極2とが交叉する格好に導通された電極構造となっている。
【0015】
以上のように、容器自体の小型化に伴う容器の取り扱い(ハンドリング)で、特に圧電部品の表裏判別と言った点で、図3に示すような従来容器では外部接続用電極が容器のいち片面にしか形成されていないことから、容器の表裏判別は不可欠であるものの、容器が非常に小型化する傾向にあることからその取り扱いが容易でないことも相俟って、電極の形成されていない面が偶発的に実装それた場合の導通不具合を解消するものである。なお、本実施例では容器自体の材質には制限を受けるものでは無く、圧電部品以外を収納する容器の場合であっても同様の効果を奏するのは言うまでも無い。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の圧電部品の気密容器に形成する外部接続用電極により、容器の外形寸法の小型化と厚み方向の薄型化(低背化)とを実現する上で、特に容器の取り扱いを容易にすることで、製造工程や検査工程あるいはユーザにおける実装工程時の改善を行い、同時に導通不具合も解消することで、社内工程あるいはユーザでの製造工程での工程改善と能率の向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電部品の気密容器を示した斜視図である。
【図2】本発明の気密容器の実装状態をイメージする斜視図である。
【図3】従来の圧電部品の気密容器の斜視図である。
【符号の説明】
1 容器本体部
2 蓋部
3 外部接続用電極
4 気密容器
Claims (2)
- 容器本体部と蓋部とを接合することにより、その内部に収納した圧電体を気密封止する圧電部品の気密容器において、
前記容器本体部と前記蓋部とに外部接続用電極が形成されており、
前記容器本体部に形成された前記外部接続用電極を実装面に向けたときと、前記気密容器を手前方向に180度回転させて、前記蓋部に形成された前記外部接続用電極を実装面に向けたときとで、前記容器本体部に形成された前記外部接続用電極と前記蓋部に形成された前記外部接続用電極とが同一の機能を有する配列となっていることを特徴とする圧電部品の気密容器。 - 容器本体部と蓋部とを接合することにより、その内部に収納した圧電体を気密封止する圧電部品の気密容器において、
前記容器本体部と前記蓋部とに外部接続用電極が形成されており、
前記容器本体部に形成された前記外部接続用電極を実装面に向けたときと、前記気密容器を左右方向に180度回転させて、前記蓋部に形成された前記外部接続用電極を実装面に向けたときとで、前記容器本体部に形成された前記外部接続用電極と前記蓋部に形成された前記外部接続用電極とが同一の機能を有する配列となっていることを特徴とする圧電部品の気密容器。
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