JP3892181B2 - 内燃機関のベーン式バルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のベーン式バルブタイミング制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関のベーン式バルブタイミング制御装置に関し、詳しくは、カムシャフトに固定されるベーンを進角又は遅角側に付勢する弾性体を備えてなるベーン式バルブタイミング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ベーン式バルブタイミング制御装置として、特開平10−141022号公報や特開平10−068306号公報に開示されるようなものがあった。
【0003】
このものは、カムスプロケットに固定される筒状のハウジングの内周面に凹部を形成する一方、カムシャフトに固定されるベーンを前記凹部に収容させ、前記凹部内で前記ベーンが移動できる範囲内でカムシャフトがカムスプロケットに対して相対的に回転できるよう構成する。
【0004】
そして、前記ベーンが前記凹部を回転方向の前後に区画して形成される一対の油圧室(進角側油圧室及び遅角側油圧室)に対して、スプールバルブにより相対的に油を給排することで前記凹部内におけるベーンの位置を変化させ、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を連続的に制御するように構成される。
【0005】
ここで、前記スプールバルブの制御値は、回転位相を保持するための一定の中立制御値(基本制御値)に、実際の回転位相が目標に一致するようにPID制御されるフィードバック補正値を加算して決定され、該決定された制御値にディザ信号を重畳して前記スプールバルブのアクチュエータに出力する構成となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記特開平10−068306号公報に開示されるように、ベーンを進角側又は遅角側に付勢する渦巻きばね等の弾性体を備えて構成される場合、従来のように、中立制御値を目標の回転位相に関わらずに一定とする構成では、圧力バランスを確保することができずに定常偏差が発生するという問題があった。
【0007】
即ち、ベーンを付勢する渦巻きばね等の弾性体を備える構成では、回転位相によって前記弾性体の保持力が変化するため、回転位相に関わらずに一定の中立制御値を用いると、回転位相を保持できずに定常偏差を生じ、目標の回転位相を保持するためには、前記回転位相に応じた保持力の変化に対応する特性で常に油を流し続けるようなバルブ位置に制御することが要求されるものである。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、ベーンをカムスプロケットに対して進角側又は遅角側に付勢する弾性体を備えてなるベーン式バルブタイミング制御装置において、定常偏差を発生させることなく目標の回転位相を精度良く保持できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのため請求項1記載の発明は、カムシャフトに固定されるベーンの回転方向前後に進角側油圧室と遅角側油圧室とを形成し、前記進角側油圧室と遅角側油圧室における作動油の給排を切換弁で制御することで、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を連続的に制御する構成であって、前記ベーンをカムスプロケットに対して進角側又は遅角側に付勢する弾性体を備えてなり、前記前記切換弁が所定の中立位置であるときに、前記進角側油圧室及び遅角側油圧室における油の給排が停止され、前記切換弁を前記中立位置から一方に変位させると、前記進角側油圧室に油が供給され前記遅角側油圧室から油が排出されることで回転位相が進角側に変化し、前記切換弁を前記中立位置から他方に変位させると、前記遅角側油圧室に油が供給され前記進角側油圧室から油が排出されることで回転位相が遅角側に変化し、前記切換弁の制御値を、前記回転位相を保持するための中立制御値と、前記回転位相の検出値と目標値とに基づくフィードバック補正分とから設定する内燃機関のベーン式バルブタイミング制御装置において、前記中立制御値を、前記回転位相の目標値に応じて切り換えるよう構成した。
【0010】
かかる構成によると、目標の回転位相、換言すれば、前記弾性体の保持力に応じてバルブの中立制御値(基本制御値)が切り換えられ、回転位相を保持させるときに前記中立制御値でバルブを制御させる。
【0011】
請求項2記載の発明では、前記弾性体が渦巻きばねである構成とした。
かかる構成によると、渦巻きばねによってベーンをカムスプロケットに対して進角側又は遅角側に付勢し、回転位相による前記渦巻きばねの保持力の違いに応じて中立制御値が切り換えられる。
【0012】
請求項3記載の発明では、前記中立制御値を、回転位相の目標値及び油圧に応じて切り換えるよう構成した。かかる構成によると、回転位相を保持するためバルブの中立制御値を、目標の回転位相による弾性体の保持力の変化に応じて切り換えると共に、油圧の違いによっても中立制御値を切り換える。
【0013】
請求項4記載の発明では、前記ベーン式バルブタイミング制御装置が機関駆動のオイルポンプを用いる構成であって、前記油圧を機関回転速度に基づいて推定する構成とした。
【0014】
かかる構成によると、オイルポンプが機関駆動されることで、機関回転速度とポンプの回転速度とが比例するので、機関回転速度から油圧を推定して、中立制御値の切り換え制御に用いる。
【0015】
請求項5記載の発明では、前記中立制御値を、油温に応じて補正するよう構成した。かかる構成によると、目標の回転位相(及び油圧)に応じて設定される中立制御値が、油温、即ち、作動油の粘性に応じて補正される。
【0016】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によると、回転位相による弾性体の保持力の違いに対応して中立制御値を変化させて、前記保持力に対応する特性で常に油を供給し続けることができ、定常偏差の発生を抑制できるという効果がある。
【0017】
請求項2記載の発明によると、渦巻きばねによりベーンを付勢する構成において、回転位相により渦巻きばねの保持力が変化しても、回転位相を精度良く保持できる位置にバルブを制御できるという効果がある。
【0018】
請求項3記載の発明によると、油圧の変化による中立制御値の要求の違いに対応でき、油圧変化によって定常偏差が生じることを回避できるという効果がある。
【0019】
請求項4記載の発明によると、機関回転速度から油圧を推定するので、油圧センサを設ける必要がなく、システムコストを低減できるという効果がある。
請求項5記載の発明によると、油温による作動油の粘性変化に応じて中立制御値を切り換えられるので、油温変化で定常偏差が生じることを回避できるという効果がある。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施形態における内燃機関のバルブタイミング制御装置の機構部分を示すものであり、吸気側カムシャフトと排気側カムシャフトとの2つを備える機関において、吸気バルブ側のカムシャフトに適用して吸気バルブのバルブタイミングを可変に制御するものである。
【0021】
図1に示すバルブタイミング制御装置は、機関のクランクシャフト(図示省略)によりタイミングチェーンを介して回転駆動されるカムスプロケット1(タイミングスプロケット)と、カムシャフトの端部に固定されてカムスプロケット1内に回転自在に収容された回転部材3と、該回転部材3をカムスプロケット1に対して相対的に回転させる油圧回路4と、カムスプロケット1と回転部材3との相対回転位置を所定位置で選択的にロックするロック機構10とを備えている。
【0022】
前記カムスプロケット1は、外周にタイミングチェーン(又はタイミングベルト)が噛合する歯部を有する回転部(図示省略)と、該回転部の前方に配置されて前記回転部材3を回転自在に収容するハウジング6と、該ハウジング6の前後開口を閉塞するフロントカバー,リアカバー(図示省略)とから構成される。
【0023】
前記ハウジング6は、前後両端が開口形成された円筒状を呈し、内周面の周方向の90°位置には、4つの隔壁部13が突設されている。この隔壁部13は、横断面台形状を呈し、それぞれハウジング6の軸方向に沿って設けられて、各両端縁がハウジング6の両端縁と同一面になっていると共に、基端側には、回転部とハウジング6とフロントカバー,リアカバーとを軸方向に一体的に結合させるためのボルトが挿通する4つのボルト挿通孔14が軸方向へ貫通形成されている。更に、各隔壁部13の内端面中央位置に軸方向に沿って切欠形成された保持溝13a内に、シール部材15が嵌合保持されている。
【0024】
前記回転部材3は、固定ボルト26によってカムシャフトの前端部に固定されており、中央に前記固定ボルト26が挿通するボルト挿通孔を有する円環状の基部27と、該基部27の外周面周方向の90°位置に一体に設けられた4つのベーン28a,28b,28c,28dとを備えている。
【0025】
前記第1〜第4ベーン28a〜28dは、それぞれ断面が略逆台形状を呈し、各隔壁部13間の凹部に配置され、前記凹部を回転方向の前後に隔成し、ベーン28a〜28dの両側と各隔壁部13の両側面との間に、進角側油圧室32と遅角側油圧室33を構成する。
【0026】
各ベーン28a〜28dの外周面の中央に軸方向に切欠された保持溝29にハウジング6の内周面に摺接するシール部材30がそれぞれ嵌着保持されている。前記ロック機構10は、ロックピン34が、回転部材3の最大遅角側の回動位置において係合孔(図示省略)に係入するようになっている。
【0027】
また、前記回転部材3(ベーン28a〜28d)は、図2に示すように、一端がフロントカバーに固定され、他端が基部27にピンで固定される弾性体としての渦巻きばね(ゼンマイ)36によって遅角側に付勢されるようになっている。
【0028】
尚、前記回転部材3(ベーン28a〜28d)を付勢する弾性体としては、渦巻きばね(ゼンマイ)36に代えて、引張・圧縮コイルばね,ねじりコイルばね,板ばね等を用いても良い。
【0029】
前記油圧回路4は、進角側油圧室32に対して油圧を給排する第1油圧通路41と、遅角側油圧室33に対して油圧を給排する第2油圧通路42との2系統の油圧通路を有し、この両油圧通路41,42には、供給通路43とドレン通路44a,44bとがそれぞれ通路切り換え用の電磁切換弁45を介して接続されている。前記供給通路43には、オイルパン46内の油を圧送する機関駆動のオイルポンプ47が設けられている一方、ドレン通路44a,44bの下流端がオイルパン46に連通している。
【0030】
前記第1油圧通路41は、回転部材3の基部27内に略放射状に形成されて各進角側油圧室32に連通する4本の分岐路41dに接続され、第2油圧通路42は、各遅角側油圧室33に開口する4つの油孔42dに接続される。
【0031】
前記電磁切換弁45は、内部のスプール弁体が各油圧通路41,42と供給通路43及びドレン通路44a,44bとを相対的に切り換え制御するようになっていると共に、コントローラ48からの制御信号によって切り換え作動されるようになっている。
【0032】
具体的には、図3に示すように、シリンダブロック49の保持孔50内に挿通固定された筒状のバルブボディ51と、該バルブボディ51内の弁孔52に摺動自在に設けられて流路を切り換えるスプール弁体53と、該スプール弁体53を作動させる比例ソレノイド型の電磁アクチュエータ54とから構成されている。
【0033】
前記バルブボディ51は、周壁の略中央位置に前記供給通路43の下流側端と弁孔52とを連通する供給ポート55が貫通形成されていると共に、該供給ポート55の両側に前記第1,第2油圧通路41,42の他端部と弁孔52とを連通する第1ポート56及び第2ポート57がそれぞれ貫通形成されている。また、周壁の両端部には、両ドレン通路44a,44bと弁孔52とを連通する第3,第4ポート58,59が貫通形成されている。
【0034】
前記スプール弁体53は、小径軸部の中央に供給ポート55を開閉する略円柱状の第1弁部60を有していると共に、両端部に第3,第4ポート58,59を開閉する略円柱状の第2,第3弁部61,62を有している。また、スプール弁体53は、前端側の支軸53aの一端縁に有する傘部53bと弁孔52の前端側内周壁に有するスプリングシート51aとの間に弾装された円錐状の弁ばね63によって、図中右方向、つまり第1弁部60で供給ポート55と第2油圧通路42とを連通する方向に付勢されている。
【0035】
前記電磁アクチュエータ54は、コア64,移動プランジャ65,コイル66,コネクタ67などを備え、移動プランジャ65の先端に前記スプール弁体53の傘部53bを押圧する駆動ロッド65aが固定されている。
【0036】
前記コントローラ48は、機関回転速度を検出する回転センサ101や吸入空気量を検出するエアフローメータ102からの信号によって現在の運転状態(負荷、回転)を検出すると共に、クランク角センサ103及びカムセンサ104からの信号によってカムスプロケット1とカムシャフトとの相対回動位置、即ち、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を検出する。
【0037】
前記コントローラ48は、前記電磁アクチュエータ54に対する通電量をディザ信号が重畳されたデューティ制御信号に基づいて制御する。
例えば、コントローラ48から電磁アクチュエータ54にデューティ比0%の制御信号(OFF信号)を出力すると、スプール弁体53が弁ばね63のばね力で図で最大右方向に移動する。これによって、第1弁部60が供給ポート55の開口端55aを開成して第2ポート57と連通させると同時に、第2弁部61が第3ポート58の開口端を開成すると共に、第4弁部62が第4ポート59を閉止する。このため、オイルポンプ47から圧送された作動油は、供給ポート55,弁孔52,第2ポート57,第2油圧通路42を通って遅角側油圧室33に供給されると共に、進角側油圧室32内の作動油が、第1油圧通路41,第1ポート56,弁孔52,第3ポート58を通って第1ドレン通路44aからオイルパン46内に排出される。
【0038】
従って、遅角側油圧室33の内圧が高、進角側油圧室32の内圧が低となって、回転部材3は、ベーン28a〜28bを介して最大遅角側に回転し、この結果、吸気バルブの開時期が遅くなり、排気バルブとのオーバーラップが小さくなる。
【0039】
一方、コントローラ48から電磁アクチュエータ54にデューティ比100%の制御信号(ON信号)を出力すると、スプール弁体53が弁ばね63のばね力に抗して図で左方向へ最大に摺動して、第3弁部61が第3ポート58を閉止すると同時に、第4弁部62が第4ポート59を開成すると共に、第1弁部60が、供給ポート55と第1ポート56とを連通させる。このため、作動油は、供給ポート55、第1ポート56、第1油圧通路41を通って進角側油圧室32内に供給されると共に、遅角側油圧室33内の作動油が第2油圧通路42、第2ポート57、第4ポート59、第2ドレン通路44bを通ってオイルパン46に排出され、遅角側油圧室33が低圧になる。
【0040】
このため、回転部材3は、ベーン28a〜28dを介して進角側へ最大に回転し、これによって、吸気バルブの開時期が早くなり(進角され)、排気バルブとのオーバーラップが大きくなる。
【0041】
尚、コントローラ48から電磁アクチュエータ54にデューティ比50%の制御信号を出力すると、第1弁部60が供給ポート55を閉止し、かつ、第3弁部61が第3ポート58を閉止し、かつ、第4弁部62が第4ポート59を閉止する位置となる。
【0042】
前記コントローラ48は、クランク角センサ103及びカムセンサ104からの信号に基づいて検出されるカムスプロケット1とカムシャフトとの相対回動位置(回転位相)と、運転状態に応じて設定した前記相対回動位置(回転位相)の目標値(目標進角値)とを一致させるためのフィードバック補正分PIDDTYを比例・積分・微分(PID)動作によって設定し、所定のベースデューティ比BASEDTY(中立制御値)とフィードバック補正分PIDDTYとの加算結果を最終的なデューティ比VTCDTYとし、該デューティ比VTCDTYの制御信号を電磁アクチュエータ54に出力するようにしてある。
【0043】
つまり、前記相対回動位置(回転位相)を遅角方向へ変化させる必要がある場合には、前記フィードバック補正分PIDDTYによりデューティ比が減少され、オイルポンプ47から圧送された作動油が遅角側油圧室33に供給されると共に、進角側油圧室32内の作動油がオイルパン46内に排出されるようになり、逆に、前記相対回動位置(回転位相)を進角方向へ変化させる必要がある場合には、前記フィードバック補正分PIDDTYによりデューティ比が増大され、作動油が進角側油圧室32内に供給されると共に、遅角側油圧室33内の作動油がオイルパン46に排出されるようになる。そして、前記相対回動位置(回転位相)を現状の状態に保持する場合には、前記フィードバック補正分PIDDTYの絶対値が減ることで、ベースデューティ比付近のデューティ比に戻るよう制御される。
【0044】
ここで、前記コントローラ48によるバルブタイミング制御を図4のフローチャートに従って説明する。
S1では、回転センサ101からの検出信号に基づいて機関回転速度Neを算出する。
【0045】
S2では、回転位相の目標値を、例えば機関負荷や機関回転速度Neに応じて設定する。
S3では、水温センサ105からの検出信号に基づいて機関の冷却水温度Twを検出する。
【0046】
S4では、予め前記目標値と機関回転速度Neとに応じて、ベースデューティ比BASEDTY(中立制御値)を記憶したマップから、そのときの目標値と機関回転速度Neとに対応するベースデューティ比BASEDTYを検索する。
【0047】
前記目標値に応じたベースデューティ比BASEDTYの切り換えは、回転位相(回転体3の回動位置)によって渦巻きばね36の保持力が変化し、回転位相を保持するために要求されるベースデューティ比BASEDTYが回転位相によって変化することに対応するものであり、これにより、渦巻きばね36の保持力に応じたバランス特性で油を供給し続けることができ、定常偏差の発生を抑制できる。
【0048】
また、機関回転速度Neに応じたベースデューティ比BASEDTYの切り換えは、機関回転速度Neから油圧を推定し、油圧に応じてベースデューティ比BASEDTYの切り換えを行うものである。前述のように、オイルポンプ47は機関駆動され、ポンプ回転速度が機関回転速度Neに比例することから機関回転速度Neから油圧を推定できる一方、回転位相を保持するために要求されるベースデューティ比BASEDTYが油圧に応じて変化することから、機関回転速度Neに応じてベースデューティ比BASEDTYを切り換えるものである。但し、油圧を直接検出する油圧センサを備える構成であっても良いし、また、簡易的には、上記の油圧(機関回転速度Ne)に応じたベースデューティ比BASEDTYの切り換えを省略するようにしても良い。
【0049】
S5では、水温センサ105で検出される機関の冷却水温度Twに基づいて、水温Twに応じて、前記ベースデューティ比BASEDTYを補正設定するための補正係数を設定する。
【0050】
前記水温Twは、作動油の温度を代表する温度として用いており、これにより、作動油の温度(粘性)によって異なるベースデューティ比BASEDTYの要求に対応して、ベースデューティ比BASEDTYを補正設定することができる。
【0051】
S6では、前記ベースデューティ比BASEDTYを前記補正係数で補正して、最終的なベースデューティ比BASEDTYを決定する。
S7では、目標値と実際の回転位相とに基づくPID制御によってフィードバック補正分PIDDTYを設定する。
【0052】
そして、S8では、前記ベースデューティ比BASEDTYにフィードバック補正分PIDDTYを加算してデューティ比を最終決定し、電磁アクチュエータ54に前記決定したデューティ比の制御信号を出力する。
【0053】
ところで、上記の構成は吸気バルブのバルブタイミングを制御するものとして説明したが、排気バルブのバルブタイミングを制御する構成であっても良く、その場合には、電磁アクチュエータ54にデューティ比100%の制御信号(ON信号)を出力すると遅角され(オーバーラップ量が最大)、デューティ比0%の制御信号(OFF信号)を出力すると進角される(オーバーラップ量が最小)よう構成すると共に、渦巻きばね36によってベーン(回転体3)が進角側に付勢されるようにすると良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態におけるバルブタイミング制御装置の機構部分を示す断面図。
【図2】上記バルブタイミング制御装置におけるベーンの付勢機構を示す断面図。
【図3】上記バルブタイミング制御装置における電磁切換弁を示す縦断面図。
【図4】上記バルブタイミング制御装置における電磁切換弁の制御機能を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…カムスプロケット
3…回転部材
4…油圧回路
6…ハウジング
13…隔壁
28a〜28d…ベーン
32…進角側油圧室
33…遅角側油圧室
45…電磁切換弁
47…オイルポンプ
48…コントローラ
101…回転センサ
102…エアフローメータ
103…クランク角センサ
104…カムセンサ
105…水温センサ

Claims (5)

  1. カムシャフトに固定されるベーンの回転方向前後に進角側油圧室と遅角側油圧室とを形成し、前記進角側油圧室及び遅角側油圧室における作動油の給排を切換弁で制御することで、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を連続的に制御する構成であって、前記ベーンをカムスプロケットに対して進角側又は遅角側に付勢する弾性体を備えてなり、
    前記切換弁が所定の中立位置であるときに、前記進角側油圧室及び遅角側油圧室における油の給排が停止され、前記切換弁を前記中立位置から一方に変位させると、前記進角側油圧室に油が供給され前記遅角側油圧室から油が排出されることで回転位相が進角側に変化し、前記切換弁を前記中立位置から他方に変位させると、前記遅角側油圧室に油が供給され前記進角側油圧室から油が排出されることで回転位相が遅角側に変化し、
    前記切換弁の制御値を、前記回転位相を保持するための中立制御値と、前記回転位相の検出値と目標値とに基づくフィードバック補正分とから設定する内燃機関のベーン式バルブタイミング制御装置において、
    前記中立制御値を、前記回転位相の目標値に応じて切り換えるよう構成したことを特徴とする内燃機関のベーン式バルブタイミング制御装置。
  2. 前記弾性体が渦巻きばねであることを特徴とする請求項1記載の内燃機関のベーン式バルブタイミング制御装置。
  3. 前記中立制御値を、回転位相の目標値及び油圧に応じて切り換えるよう構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関のベーン式バルブタイミング制御装置。
  4. 前記ベーン式バルブタイミング制御装置が機関駆動のオイルポンプを用いる構成であって、前記油圧を機関回転速度に基づいて推定することを特徴とする請求項3記載の内燃機関のベーン式バルブタイミング制御装置。
  5. 前記中立制御値を、油温に応じて補正するよう構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の内燃機関のベーン式バルブタイミング制御装置。
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