JP3892095B2 - 注射器 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
薬液カートリッジを収納するタイプの注射器、例えば、歯科用注射器およびそれに使用される両頭針を備える注射針、およびその廃棄容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、歯科用などでは、薬液カートリッジの装着および離脱が可能であり、金属などの滅菌可能な材料により形成された再利用可能な注射器が用いられている。注射器の先端部には、注射針ハブ取付部が形成されており、通常、取付部は、ネジ山を有している。このような注射器に使用される注射針は、先端および後端に刃面を有する中空針(両頭針)と、その中間部に固着され、後端が開口した注射針ハブからなるものが用いられている。注射針のハブの後端内面には、注射器の注射針取付部のネジ山に螺合するネジ溝が形成されており、両者の螺合により、注射針は注射器に固定される。注射器に装着される薬液カートリッジは、先端側に注射針の後端側刃先によって刺通可能な閉塞部材と後端側に摺動可能なガスケットとを備え、内部には薬液、例えば、歯科用麻酔剤が充填されている。注射器は、薬液カートリッジのガスケットを押圧するためのプランジャーを備える。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した注射針の取付けには、注射針ハブを回転させて行うことが必要であり、注射器は再利用されるので、使用後は、注射針を取り外さなければならない。取り外し作業においても、注射針ハブを回転させることが必要となり、作業が容易ではない。この時に不注意に作業を行うと、誤って指に刺す危険性もあった。また、歯科では、口腔内という狭い部位に注射を行うため、注射針の針を意図的に湾曲あるいは屈曲させて使用するケースが多く、一度曲げた針を元の形状に戻すことが困難なため、1つの薬液カートリッジの使用途中で注射針を交換することも多い。この時においても、螺合による注射針の取付けシステムでは、注射針の交換作業は容易なものではなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、薬液カートリッジの装着および離脱が可能であり、再利用可能な注射器であって、両頭針を備える注射針の着脱を螺合およびその解除といった作業を行う必要がなく、注射針の着脱が極めて容易に行える注射器およびそれに用いられる注射針および注射器より安全かつ容易に注射針の離脱とその収容ができる注射針廃棄容器を提供するものである。
【0005】
上記目的を達成するものは、薬液カートリッジ収納部と、薬液カートリッジ内のガスケットを押すためのプランジャーと、注射針取付部とを備え、ハブと先端側に形成された穿刺針部と後端側に形成されたカートリッジ刺通針部を備える中空針と該中空針の中間部に固着されたハブとを備える注射針を装着可能な注射器であって、前記注射針取付部は、注射針ハブを保持するハブ保持部と、注射器の後端側に移動可能な移動部材と、該移動部材が注射器の後端側に移動すると前記ハブ保持部による注射針ハブの保持が解除され、前記移動部材が注射器の先端側に位置すると前記ハブ保持部による注射針ハブの保持が可能となるハブ着脱機構を備え、そして、前記移動部材は、外筒部材と、該外筒部材と同軸的に設けられた内筒部材を有し、該内筒部材は、注射針装着時にハブ内に侵入し、装着された注射針のハブのガタツキを抑制するためのハブ内侵入可能部と、後端側に伸びるカートリッジ押圧部とを有する注射器である。
【0006】
そして、前記移動部材は、前記ハブ保持部を収納し、さらに、該移動部材内には、該移動部材と前記ハブ保持部とにより圧縮されたバネ部材を有していることが好ましい。また、前記ハブ保持部は、複数のハブ保持用爪を備えるハブ保持部材と、該ハブ保持部材と一体あるいは該ハブ保持部材に固着され、注射針のカートリッジ刺通針部が挿通可能な誘導路形成部材を有することが好ましい。さらに、前記ハブ保持用爪は、移動部材が注射器の後端側に移動することにより、外方に押し広げられるように変形するものであることが好ましい。また、前記注射針ハブは、後端部に形成されたフランジを有し、前記ハブ保持用爪は、先端部に形成されたハブ誘導用傾斜部と、該傾斜部より後方に形成され、前記ハブのフランジと係合するフランジ係合部とを有することが好ましい。そして、前記注射針取付部は、注射針装着時に注射針ハブと接触し、注射針の回転を抑制するための注射針回転抑制部を有することが好ましい。さらに、前記注射針回転抑制部は、前記移動部材の軸に対してほぼ直交するように、かつ注射針装着時に注射針ハブと接触可能な位置に形成された平板部の表面に形成され、注射針ハブの後端部と係合可能なリブであることが好ましい。
そして、前記ハブ保持部は、例えば、先端側にハブ保持用爪を備える複数のハブ保持部材と、カートリッジ刺通針部が挿通可能な誘導路を有し、かつ該ハブ保持部材の後端部を回動可能に支持もしくは保持するハブ保持部材支持部材と、該ハブ保持部材支持部材と前記ハブ保持部材とにより圧縮され前記ハブ保持部材をハブを保持可能な方向に付勢するための弾性部材とを備えるものである。また、前記移動部材が注射器の後端側に移動することにより、前記ハブ保持部材を付勢する弾性部材は圧縮され、前記ハブ保持部材は、注射針ハブの保持が解除される方向に前記ハブ保持部材支持部材に対して回動するものである。
【0007】
また、上記目的を達成するものは、先端および後端に刃面が形成された中空針と、該中空針の中間部に固定され、後端側が開口した注射針ハブとからなる注射針であって、前記ハブは、該注射針が取り付けられる注射器の注射針取付部に形成された注射針回転抑制部と接触するハブ側のハブ回転抑制部を備える注射針である。
【0008】
また、上記目的を達成するものは、上述の注射器に装着されるための注射針であって、該注射針は、先端および後端に刃面が形成された中空針と、該中空針の中間部に固定され、後端側が開口した注射針ハブとを備え、さらに、前記ハブは、前記注射器の注射針取付部に形成された注射針回転抑制部と係合するハブ側のハブ回転抑制部を備える注射針である。そして、前記ハブ側のハブ回転抑制部は、前記ハブの後端部に形成され、前記リブと係合可能な溝部であることが好ましい。前記ハブの内面は、ねじ溝を有していることが好ましい。
【0009】
また、上記目的を達成するものは、上述の注射器のための注射針廃棄容器であって、該廃棄容器は、廃棄容器本体と、該廃棄容器本体の上面部に設けられた筒状の注射針離脱用部材からなり、該離脱用部材は、離脱用部材内に前記注射器の注射針取付部を誘導するための誘導部と、誘導部より下方に形成され、前記注射針取付部の少なくとも先端部分を収納可能な内部空間と、この内部空間を形成する離脱用部材の内側面より内方に突出し、ハブ保持部と実質的に接触することなく、かつ移動用部材の通過を阻止するリブを有する注射針廃棄容器である。
【0010】
【発明の実施の形態】
そこで、本発明の注射器および注射針を図面に示した実施例を用いて説明する。
図1は、注射針を取り付けた平面図である。図2は、注射針を取り付けた状態の本発明の注射器の先端部の拡大断面図である。図3は、図2に示した注射器の注射針取付部を構成するハブ保持部材の平面図であり、図4は、図3に示したハブ保持部材の正面図である。図5は、図2に示した注射器の注射針取付部を構成する移動部材の平面図であり、図6は、図5に示した移動部材のA−A線断面図である。
【0011】
この注射器1は、薬液カートリッジ収納部3と、薬液カートリッジ内のガスケットを押すためのプランジャー4と、注射針取付部5を備える。注射針取付部5は、注射針ハブを保持するハブ保持部6と、注射器の後端側に移動可能な移動部材7と、移動部材7が注射器1の後端側に移動するとハブ保持部6による注射針ハブの保持が解除され、移動部材7が注射器の先端側に位置するとハブ保持部6による注射針ハブの保持が可能となるハブ着脱機構(注射針着脱機構)を備える。
注射針2は、先端および後端に刃面が形成された中空針21と、中空針21の中間部に固定され、後端側が開口した注射針ハブ22とからなる。
【0012】
図1に示すように、注射器1は、薬液カートリッジ収納部3を有する注射器本体11と、薬液カートリッジ9内のガスケット91を押すためのプランジャー4と、このプランジャー4の後端に固定されたプランジャー押圧部12と、注射器本体11の後端部に設けられ、指をかけるための把持部13と、注射針取付部5を有する。図1に示す状態では、プランジャー4の先端部は、薬液カートリッジ9内に侵入しており、ガスケット91と接触している。プランジャー4を後方に下げることにより、薬液カートリッジは収納部3より離脱可能である。
【0013】
次に、本発明の注射器の注射針取付部および注射針着脱機構を図面を参照して具体的に説明する。
注射針取付部5は、図2に示すような構造をしている。なお、図2は、注射針取付部5に注射針が取り付けられた状態を示している。薬液カートリッジ9を装着した注射器1に注射針2が取り付けられた状態では、図2に示すように、注射針2の中空針21の後端側刃先21cは、カートリッジ9の先端部を閉塞する封止部材92を刺通し、カートリッジ内の薬液を吐出可能となっている。
この注射器の注射針取付部5は、注射針のハブ22を螺合によることなく装着でき、かつその離脱も容易である。いわゆる注射器への注射針のワンタッチ装着およびワンタッチ離脱(ワンタッチ着脱)が可能となっている。注射針取付部5は、注射針ハブを保持するハブ保持部6と、注射器の後端側に移動可能な移動部材7とを備える。
【0014】
ハブ保持部6は、図4および図3に示すような形状をしており、ハブ保持用爪62を備えるハブ保持部材60と注射針のカートリッジ刺通針部21bのための筒状の誘導路形成部材61からなり、両者は固着されている。なお、あらかじめ一体物により作成してもよい。
【0015】
ハブ保持部材60は、図4および図3に示すように、円筒部65と、この円筒部65の上面周縁部に等角度間隔に設けられた複数(具体的には、3つ)のハブ保持用爪62を備え、爪62は、上から、ハブ誘導用傾斜部62b、この傾斜部62bの終端部に形成され、ハブ22のフランジ23と係合するフランジ係合部62a、爪62を外方に広がるように変形させるために設けられた内方突出部62cと、この内方突出部62cの前方に形成された第2の傾斜面62eと、爪62の変形および変形後の復帰を容易にするために形成された変形容易部62dを備える。また、円筒部65の後端部内面には、注射器の本体部11の先端部外面に形成されたねじ山11aと螺合するねじ溝66が形成されている。
【0016】
誘導路形成部材61は、ハブ保持部材60に固定するための円盤状部68と、この円盤状部68の中心部より突出する筒状部63と、円盤状部68の筒状部63の基端付近に形成された2つの切欠部67a,67bを有する。筒状部63の内部には、注射針のカートリッジ刺通針部21bのための誘導路61aが形成されている。
【0017】
注射器の後端側に移動可能な移動部材7は、図5および図6に示すように、外筒部材70と、この外筒部材70の中央に同心的に固定された内筒部材71からなる。外筒部材70は、中央より若干先端側となる位置に形成された平板部70aを備え、平板部70aの中央は、内筒部材71の挿通のために開口しており、さらに、平板部70aの周縁部には、等角度間隔に形成された複数(具体的には、3つ)の切欠部74を有している。この切欠部74は、上述した爪62を通過させるための開口である。なお、爪62および切欠部74は、2つでもよく、また4つ以上でもよい。好ましくは、製造上の利点および強度面より3つである。
【0018】
注射針取付部5は、注射針装着時に注射針ハブ22と接触し、注射針の回転を抑制するための注射針回転抑制部を有する。具体的には、平板部70aの中央開口部付近(内筒部材71に近接する部位)の表面には、後述する注射針ハブ22の回転防止用溝24と係合する注射針回転防止用リブ72を有している。この実施例では、等角度間隔に形成された4つのリブ72が形成されている。このリブ72は、長手方向に垂直に切断したときの断面が三角形となるようなリブとなっている。なお、リブ72はひとつでもよいが、より確実にハブの回転を防止するためには、複数設けられる事が好ましく、2〜10個程度が好適である。特に、好ましくは、3〜8個である。また、平板部70aの中央開口部付近(内筒部材71に近接する部位)の裏面には、環状の凹部75が形成されており、内筒部材71の外面と共同して、後述する弾性部材(バネ部材)8の端部の収納部を形成している。
【0019】
内筒部材71は、内部に誘導路形成部材61の筒状部63を挿通するための通路71aを備え、中央部付近には、移動用外筒部材70との接合のために肩部71bと、注射針装着時にハブ22内に侵入しハブ22のガタツキを抑制するためのハブ内侵入可能部71cと、後端側に伸びる2本のカートリッジを押し下げるためのカートリッジ押圧部73a、73bを備える。このカートリッジ押圧部73a、73bは、図5に破線で示すように、断面形状がほぼ三日月状となっている。このカートリッジ押圧部73a,73bは、図3に示されている切欠部67a,67bを貫通して、下方に移動可能となっている。なお、カートリッジ押圧部は1本でもよいが、上述のように複数(2本)設けることにより、カートリッジの移動を容易にする。ハブ内侵入可能部71cは、円筒状に形成されているが、多角筒状であってもよい。また、ハブ内侵入部71cは、ハブ22の内に両側面が係合しないように挿入可能な大きさおよび形状となっている。
【0020】
この注射器1の注射針取付部5は、図2に示すように、上述した移動部材7内に、弾性部材(バネ部材)8とハブ保持部6が収納されることにより組み立てられている。弾性部材としてはバネ部材が用いられている。バネ部材としては、ほぼ移動部材7の2本のカートリッジ押圧部73a、73bを被包する筒状のものが用いられている。なお、弾性部材は、バネ部材に限定されるものではなく、たとえば、ゴムチューブなどでもよい。また、ハブ保持部6の3つの爪62は、移動部材7の平板部70aに形成された3つの切欠部74より突出する。移動部材7とハブ保持部6は、両者間に介装されたバネ部材8により、両者間が広がるように付勢されている。しかし、注射針を取り付けない状態では、爪62の係合部62aが移動部材7の平板部70aと当接(係合)するため、両者は分離しない。言い換えれば、爪62の係合部62aが移動部材7の平板部70aと係合することによりバネ部材は圧縮された状態となっている。
【0021】
そして、注射針のカートリッジ刺通針部21bを誘導路61a内に挿入し、押し進めると、注射針のハブ22のフランジ23が爪62の傾斜面62bに接触する。さらに、押し進めると、ハブ22のフランジ23により、爪62が外方に広がるように変形し、フランジ23が爪62の係合部62aを乗り越えると、爪62が元の状態に復帰し、図2のように、注射針取付部5に注射針が固定される。この状態では、注射針を取り付ける以前より移動部材7は若干基端側に移動した状態となり、注射針ハブは、フランジが爪62の係合部62aと移動部材7の平板部70aとの間に挟まれ、かつ圧縮されたバネ部材の反発力により狭圧されることにより、保持されている。
【0022】
注射針2は、中空針21とハブ22からなる。中空針21は、先端側に患者へ穿刺するための穿刺針部21aと後端側にカートリッジの閉塞部材を刺通するためのカートリッジ刺通針部21bを備えるいわゆる両頭針である。ハブ22は、図7および図8に示すように、中空針挿通用通路22aと、フランジ23と、ハブの後端面に環状に均等に形成された多数の放射状に伸びる溝24を有する。この環状に形成された多数の溝24は、上述した移動部材7の平板部70aに形成された注射針回転防止用リブ72と係合し、注射針の回転を抑制する。また、ハブ22の側面部25の内面には、通常の注射器への螺合による取り付けを可能とするために、ねじ溝26が形成されており、また、側面部25は、螺合のための回転を容易とするために、図8に破線で示すように多角形状(具体的には、八角形)に形成されている。
注射針取付部5を含む注射器1の全体は、オートクレーブ滅菌可能な程度の耐久性のある材料、例えば、金属(具体的には、ステンレス鋼)、硬質かつ耐熱性樹脂などで形成されている。
【0023】
そして、注射針取付部5は、ハブ保持部6の後端内周面に形成されたねじ溝66を注射器本体11の先端部側面に形成されたねじ山11aに螺合させることにより、図2および図9のように取り付けられる。図2に図示されているように、移動部材が注射器の先端側に位置し、ハブ着脱機構によりハブ保持部により注射針ハブが保持された状態では、移動部材は、フランジが形成された注射針ハブの後端部を被包している。図9は、注射針2を注射器1より離脱させる時の状態を示している。図9に図示されているように、移動部材が注射器の後端側に移動し、ハブ保持部による注射針ハブの保持が解除された状態では、移動部材は、フランジが設けられた後端部を含む注射針ハブを露出させる。そして、ハブ保持部材60およびハブ保持部材60に固着された誘導路形成部材61は、注射器本体11に対して移動不能である。しかし、移動部材7は、注射器本体11およびハブ保持部6に固定されていないので、バネ部材8を圧縮できる力を持って移動部材7を注射器の後端方向(図9の矢印方向)に押せば、移動部材7は注射器の後端側に移動する。この移動部材7の後端側への移動により、移動用外筒部材70の平板部70aに形成された切欠部74は、ハブ保持部材60の爪62の内面に沿って後方に移動するとともに、爪62は、後端側に向かって徐々に肉厚となることにより形成された第2の傾斜面62eが切欠部74の内側内面74aに接触することにより、徐々に外方に押し広げられ、そして、突出部62cの平坦面と切欠部74の内側内面74aが接触し、爪62の係合部62aと注射針のハブ22のフランジは実質的に接触せず、両者の係合は解除されている。この状態が図9に示す状態である。
【0024】
そして、移動用外筒部材70に固定された内筒部材71も後端方向に移動する。このとき内筒部材71の後端部に形成されているカートリッジ押圧部73a、73bは、ハブ保持部材60の切欠部67a,67bを通過して後端側に移動し、カートリッジ9の先端面に当接しカートリッジを後端側に押し下げる。移動部材7の後方への移動距離は、図2に示すA(カートリッジ刺通針部21bがカートリッジ内に侵入している長さ)より長いものとなっているため、カートリッジ9の封止部材92の先端面は、注射針のカートリッジ刺通針部21bの刃先21cより後端側となり、実質的に、注射針のカートリッジ刺通針部21bは、カートリッジと接触しなくなる。これにより、注射針2と注射針取付部5との関係は、注射針ハブ22の基端部内にハブ保持部6の筒状部材61の先端が侵入しその中に注射針のカートリッジ刺通針部21bが侵入した状態およびハブ侵入可能部71cの先端部のみがハブの後端部に侵入した状態となり、注射針ハブと注射針取付部とは係合していない状態となるので、注射針2を容易に注射針取付部5より離脱させることができる。このように、この注射器では、注射針取付部5と注射針ハブ22との係合の解除とカートリッジの封止部材92へのカートリッジ刺通針部21bの刺通状態の解除とが同時に行えるため、いわゆるワンタッチで注射針を注射器より取り外すことができる。
【0025】
また、図10に示すような廃棄容器51を用いることが好ましい。
この廃棄容器51は、廃棄容器本体52と、廃棄容器本体52の上面部に設けられた筒状の注射針離脱用部材53からなる。離脱用部材53は、離脱用部材内に注射器1の注射針取付部5を誘導するために、離脱用部材53の上端開口部付近に設けられた下方に向かって縮径するテーパー部(誘導部)54と、このテーパー部54と連続し、注射針取付部5の少なくとも先端部分を収納可能な内部空間55と、この内部空間55を形成する離脱用部材53の内側面より内方に突出し、ハブ保持部6に実質的に接触することなく、移動部材7の通過を規制する環状リブ56を有する。この環状リブ56の内径は、注射針取付部5の先端部(移動部材の外筒部の先端部)の外径より小さく、かつ、ハブ保持部のハブ保持用爪62には実質的に接触しないように形成されている。離脱用部材53内に挿入された注射器1の注射針取付部5は、リブ56に当接し、その状態でさらに注射器を下方に押すと、上述のように、注射針取付部5の移動部材7のみは、その状態を維持し、他の部分は、廃棄容器の下方に移動する。このため、相対的には、移動部材7のみが、注射器の後方に移動したのと同じ状態となり、注射針取付部5による注射針2の保持状態が解除され、注射針2に加わる重力および注射針取付部5の後方への移動時の振動などにより、注射針2は、注射器1より離脱し下方に自然に落下する。よって、このような、注射針取付部5の移動部材7の移動補助機能を有する廃棄容器を用いることにより、実質的に注射針に触れる事なく、注射器1からの離脱と廃棄が同時に行える。
【0026】
なお、廃棄容器本体52は、一体物に限られず、筺体とこの筺体の開口部を閉塞するように設けられ、かつ離脱用部材53を備える蓋部材とにより形成してもよい。また、リブ56は、環状ではなく、点在する突起であってもよい。
【0027】
次に、本発明の他の実施例の注射器を説明する。なお、取り付けられている注射針は、上述したものと同じである。
図11は、注射針を取り付けた状態の本実施例の注射器の平面図である。図12は、注射針を取り付けた状態の注射器の先端部の拡大部分断面図である。図13は、注射器の注射針取付部の構成部品を説明するための説明図である。図14は、ハブ保持部材を保持する保持機構を備えたハブ保持部材支持部材の平面図である。図15は、図14のB−B線断面図である。図16は、ハブ保持部材の平面図である。図17は、図16のC−C線断面図である。図18は、この実施例の注射器より注射針を離脱する時の作用を説明するための説明図である。
【0028】
この注射器100は、上述した実施例と同様に、図11に示すように、薬液カートリッジ収納部3と、薬液カートリッジ内のガスケットを押すためのプランジャー4と、注射針取付部5を備える。注射針取付部5は、注射針ハブを保持するハブ保持部6と、注射器の後端側に移動可能な移動部材7と、移動部材7が注射器1の後端側に移動するとハブ保持部6による注射針ハブの保持が解除され、移動部材7が注射器の先端側に位置するとハブ保持部6による注射針ハブの保持が可能となるハブ着脱機構(注射針着脱機構)を備える。
この注射器100と上述した注射器1との相違は、ハブ保持機構の相違のみであり、注射針2については、同じである。なお、同じ部材については、同じ符号を付す。
【0029】
注射針取付部5は、図12および図13に示すような構造をしている。なお、図12は、注射針取付部5に注射針が取り付けられた状態を示している。薬液カートリッジ9を装着した注射器100に注射針2が取り付けられた状態では、図2に示すように、注射針2の中空針21の後端側刃先21cは、カートリッジ9の先端部を閉塞する封止部材92を刺通し、カートリッジ内の薬液を吐出可能となっている。
【0030】
この注射器の注射針取付部5は、注射針のハブ22を螺合によることなく装着でき、かつその離脱も容易である。いわゆる注射器への注射針のワンタッチ装着およびワンタッチ離脱(ワンタッチ着脱)が可能となっている。
注射針取付部5は、図13に示すように、注射針ハブを保持するハブ保持部6と、注射器の後端側に移動可能な移動部材7と、両者間にて圧縮される弾性部材(この実施例では、バネ部材)8とを備える。
【0031】
ハブ保持部6は、図12に示すような構造をしている。ハブ保持部6は、図13および図12に示すように、先端側にハブ保持用爪を備える複数(具体的には、3つ)のハブ保持部材162と、ハブ保持部材162の後端部162eを回動可能に保持する保持機構(この実施例では、保持溝161aと切欠部161cにより構成されている)とカートリッジ刺通針部が挿通可能な誘導路171を有するハブ保持部材支持部材161と、支持部材161とハブ保持部材162とにより圧縮され、ハブ保持部材162をハブ22を保持可能な方向に付勢するための弾性部材115を備える。
【0032】
ハブ保持部材支持部材161は、図12、図13、図14および図15に示すように、円盤状部168と、この円盤状部168上に、等角度間隔で設けられた複数(例えば、3または4)のハブ保持部材の保持機構が形成されている。ハブ保持部材の保持機構は、図14および図15に示すように、円盤状部168上に形成されたフランジ状突出部161bと、円盤状部168との間に形成されたハブ保持部材保持用溝161aと、フランジ状突出部161bの周縁に等角度間隔形成された部分的な切欠部(ハブ後端部収納部)161cとにより構成されている。フランジ状突出部161bの切欠部分および切欠部161cと円盤状部168との間の溝161aにより構成されるハブ保持機構内に後述するハブ保持部材162の後端部分162eが回動可能に収納される。
【0033】
また、円盤状部168の中心部より、後述する誘導路171を形成する筒状部163が突出している。円盤状部168の筒状部163の基端付近には2つの切欠部167a,167bが形成されている。筒状部163の内部には、注射針のカートリッジ刺通針部21bのための誘導路171が形成されている。また、円盤状部168の後端側には、図15に示すように、円筒部165および円筒部165と円盤状部168との間には、段差部169が形成されており、円筒部165の後端部内面には、注射器の本体部11の先端部外面に形成されたねじ山と螺合するねじ溝166が形成されている。段差部169は、後述するハブ保持部材162をハブを保持可能な方向に付勢するための弾性部材115(例えば、バネ部材)との当接面を構成する。
【0034】
ハブ保持部材162は、図12および図13に示すように、ハブ保持用爪162aを備え、爪162aは、先端側からハブ誘導用傾斜部162b、この傾斜部162bの終端部に形成され、ハブ22のフランジ23と係合するフランジ係合部162c、ハブ保持部材162の外側面に形成されており後述する移動部材7と係合するための突起162d、後端に形成されており上述したハブ保持部材支持部材161の切欠部161cの下側(後端側)に位置する部分のハブ保持部材保持用溝161a内に収納される突起162e、突起162eの底面に形成されておりハブ保持部材162の回動を可能とするために先端側に傾斜した傾斜部162fを備えている。図11に示したように、ハブ保持部材162は、後端の突起162eがハブ保持部材支持部材161のハブ保持部材保持用溝161a内に収納された状態において、軸方向に対して、移動部材7と係合するための突起162dが外方に突出した状態となる。突起162dの先端面は、移動部材(正確には、後述する移動部材7の平板部70aの周縁部に形成された切欠部74の外側端部75a)との係合面であり、後端面は、ハブ保持部材162をハブを保持可能な方向に付勢するための弾性部材115との当接面となっている。
【0035】
注射針を取り付けた図12の状態では、ハブ保持部材162の後端部の突起162eの底面は斜面162fとなっているので、ハブ保持部材支持部材の円盤状部168の上面にその先端のみが接触しており、その他の部分は接触せず、空間となっている。このため、ハブ保持部材162は、突起162eの傾斜底面162f全体が円盤状部168の上面と接触するまで、回動可能である。
【0036】
そして、図12に示すように、ハブ保持部材支持部材161とハブ保持部材162とにより圧縮され、ハブ保持部材162をハブ22を保持可能な方向に付勢するための弾性部材115が設けられている。弾性部材としてバネ部材が用いられており、バネ部材115の先端側はハブ保持部材162の突起162dの後端面に当接し、バネ部材115の後端側は、円筒部165と円盤状部168との間の段差部169に当接し、両者により圧縮された状態となっている。このため、バネ部材の復元力によりハブ保持部材は、後端の突起162eの先端部分を軸としてハブ方向(言い換えれば、ハブ保持部の内側方向)に付勢された状態となっている。なお、弾性部材はさらに圧縮可能である。なお、弾性部材は、バネ部材に限られるものではなく、ゴムチューブなどであってもよい。
【0037】
注射器100の後端側に移動可能な移動部材7は、図12,図13,図16および図17に示すように、外筒部材70と、この外筒部材70の中央に同心的に固定された内筒部材71とからなる。外筒部材70は、中央より若干先端側となる位置に形成された平板部70aを備え、平板部70aの中央は、内筒部材71の挿通のために開口しており、さらに、平板部70aの周縁部には、等角度間隔に形成された複数(具体的には、3つ)の切欠部74を有している。この切欠部74は、上述したハブ保持部材162の爪162aを通過させるための開口である。なお、爪162aおよび切欠部74は、2つでもよく、また4つもしくはそれ以上でもよい。好ましくは、製造上の利点および強度面より3つである。
【0038】
注射針取付部5は、注射針装着時に注射針ハブ22と接触し、注射針の回転を抑制するための注射針回転抑制部を有する。具体的には、平板部70aの中央開口部付近(内筒部材71に近接する部位)の表面には、後述する注射針ハブ22の回転防止用溝24と係合する注射針回転防止用リブ72を有している。この実施例では、等角度間隔に形成された4つのリブ72が形成されている。このリブ72は、長手方向に垂直に切断したときの断面が三角形となるようなリブとなっている。なお、リブ72はひとつでもよいが、より確実にハブの回転を防止するためには、複数設けられる事が好ましく、2〜10個程度が好適である。特に、好ましくは、3〜8個である。また、平板部70aの中央開口部付近(内筒部材71に近接する部位)の裏面には、環状の凹部75が形成されており、内筒部材71の外面と共同して、後述する弾性部材(バネ部材)8の端部の収納部を形成している。
【0039】
内筒部材71は、内部にハブ保持部材支持部材161の筒状部163を挿通するための通路71aを備え、軸方向中央部付近の外面には、移動用外筒部材70との接合のための肩部71b、この肩部71bより先端側には注射針装着時にハブ22内に侵入しハブ22のガタツキを抑制するためのハブ内侵入可能部71c、後端側に伸びる2本のカートリッジを押し下げるためのカートリッジ押圧部73a、73bを備える。このカートリッジ押圧部73a、73bは、図16に破線で示すように、断面形状がほぼ三日月状となっている。このカートリッジ押圧部73a,73bは、図14に示されている切欠部67a,67bを貫通して、下方に移動可能となっている。なお、カートリッジ押圧部は1本でもよいが、上述のように複数(2本)設けることにより、カートリッジの移動を容易にする。ハブ内侵入可能部71cは、円筒状に形成されているが、多角筒状であってもよい。また、ハブ内侵入部71cは、ハブ22の内にがたつきを抑制しつつ両側面が係合しないように挿入可能な大きさおよび形状となっている。
【0040】
この注射器100の注射針取付部5は、図12に示すように、上述した移動部材7内に、弾性部材(バネ部材)8と弾性部材115を含むハブ保持部6が収納されることにより組み立てられている。弾性部材としてはバネ部材が用いられている。バネ部材としては、移動部材7の2本のカートリッジ押圧部73a、73bをほぼ被包する筒状のものが用いられている。なお、弾性部材8は、バネ部材に限定されるものではなく、たとえば、ゴムチューブなどでもよい。また、ハブ保持部材162の3つの爪162aは、移動部材7の平板部70aに形成された3つの切欠部74より突出する。移動部材7とハブ保持部6は、両者間に介装されたバネ部材8により、両者間が広がるように付勢されている。しかし、注射針を取り付けない状態では、爪162aの係合部162cが移動部材7の平板部70aと当接(係合)するため、両者は分離しない。言い換えれば、爪162の係合部162が移動部材7の平板部70aと係合することによりバネ部材は圧縮された状態となっている。
【0041】
そして、注射針のカートリッジ刺通針部21bを誘導路171内に挿入し、押し進めると、注射針のハブ22のフランジ23が爪162aの傾斜面162bに接触する。さらに、押し進めると、ハブ22のフランジ23により、ハブ保持部材162が外方に広がるように回動し、フランジ23が爪162aの係合部162cを乗り越えると、爪162aが元の状態に復帰し、図12のように、注射針取付部5に注射針が固定される。この状態では、注射針を取り付ける以前より移動部材7は若干基端側に移動した状態となり、注射針ハブ22は、フランジ23が爪162の係合部162cと移動部材7の平板部70aとの間に挟まれ、かつ圧縮されたバネ部材の反発力により狭圧されることにより、保持されている。
【0042】
注射針2は、中空針21とハブ22からなる。中空針21は、先端側に患者へ穿刺するための穿刺針部21aと後端側にカートリッジの閉塞部材を刺通するためのカートリッジ刺通針部21bを備えるいわゆる両頭針である。ハブ22は、図7および図8に示すように、中空針挿通用通路22aと、フランジ23と、ハブの後端面に環状に均等に形成された多数の放射状に伸びる溝24を有する。この環状に形成された多数の溝24は、上述した移動部材7の平板部70aに形成された注射針回転防止用リブ72と係合し、注射針の回転を抑制する。また、ハブ22の側面部25の内面には、通常の注射器への螺合による取り付けを可能とするために、ねじ溝26が形成されており、また、側面部25は、螺合のための回転を容易とするために、図8に破線で示すように多角形状(具体的には、八角形)に形成されている。
【0043】
注射針取付部5を含む注射器100の全体は、オートクレーブ滅菌可能な程度の耐久性のある材料、例えば、金属(具体的には、ステンレス鋼)、硬質かつ耐熱性樹脂などで形成されている。
そして、注射針取付部5は、ハブ保持部材支持部材161の後端内周面に形成されたねじ溝166を注射器本体11の先端部側面に形成されたねじ山11aに螺合させることにより、図12および図18のように取り付けられる。図18は、注射針2を注射器100より離脱させる時の状態を示している。ハブ保持部材支持部材161およびこのハブ保持部材支持部材161により保持されたハブ保持部材162は、注射器本体11に対して移動不能である。しかし、移動部材7は、注射器本体11およびハブ保持部6に固定されていないので、バネ部材8を圧縮できる力を持って移動部材7を注射器の後端方向(図18の矢印方向)に押せば、移動部材7は注射器の後端側に移動する。この移動部材7の後端側への移動により、移動用外筒部材70の平板部70aに形成された切欠部74もハブ保持部材162の後方に移動し、ハブ保持部材162は、後端側に向かって徐々に肉厚となることにより形成された傾斜面が切欠部74の内側内面74aに接触することにより、徐々に外方に押され、やがて、移動部材7の平板部70aの切欠部74の外側部分(肩部75a)がハブ保持部材162の突起162dと当接(係合)し、弾性部材115が圧縮され、ハブ保持部材162の回動が進行し、3つのハブ保持部材の先端が離間する方向(言い換えれば、注射針ハブの保持が解除される方向)に開き(言い換えれば、ハブ保持部材支持部材161に対して回動し)、ハブ保持部材162の係合部162cと注射針のハブ22のフランジ23は実質的に接触せず、両者の係合が解除される。この状態が図18に示す状態である。
【0044】
そして、移動用外筒部材70に固定された内筒部材71も後端方向に移動する。このとき内筒部材71の後端部に形成されているカートリッジ押圧部73a、73bは、ハブ保持部材60の切欠部67a,67bを通過して後端側に移動し、カートリッジ9の先端面に当接しカートリッジを後端側に押し下げる。移動部材7の後方への移動距離は、カートリッジ刺通針部21bがカートリッジ内に侵入している長さより長いものとなっているため、カートリッジ9の封止部材92の先端面は、注射針のカートリッジ刺通針部21bの刃先21cより後端側となり、実質的に、注射針のカートリッジ刺通針部21bは、カートリッジと接触しなくなる。これにより、注射針2と注射針取付部5との関係は、注射針ハブ22の基端部内にハブ保持部6の筒状部163の先端が侵入しその中に注射針のカートリッジ刺通針部21bが侵入した状態およびハブ侵入可能部71cの先端部のみがハブの後端部に侵入した状態となり、注射針ハブと注射針取付部とは係合していない状態となるので、注射針2を容易に注射針取付部5より離脱させることができる。このように、この注射器では、注射針取付部5と注射針ハブ22との係合の解除とカートリッジの封止部材92へのカートリッジ刺通針部21bの刺通状態の解除とが同時に行えるため、いわゆるワンタッチで注射針を注射器より取り外すことができる。
【0045】
この実施例の注射器では、ハブ保持部材支持部材とハブ保持部材を別部材にて形成し、ハブ保持部材を弾性部材により、内側に付勢したものとなっている。このため、ハブ保持部材は、いずれの部材にも固定されておらず、その動きが容易であり、このため、移動部材の移動時における抵抗が少なく、注射針の着脱がより容易となる。
【0046】
【発明の効果】
本発明の注射器は、薬液カートリッジ収納部と、薬液カートリッジ内のガスケットを押すためのプランジャーと、注射針取付部とを備え、ハブと先端側に形成された穿刺針部と後端側に形成されたカートリッジ刺通針部を備える中空針と該中空針の中間部に固着されたハブとを備える注射針を装着可能な注射器であって、前記注射針取付部は、注射針ハブを保持するハブ保持部と、注射器の後端側に移動可能な移動部材と、該移動部材が注射器の後端側に移動すると前記ハブ保持部による注射針ハブの保持が解除され、前記移動部材が注射器の先端側に位置すると前記ハブ保持部による注射針ハブの保持が可能となるハブ着脱機構を備える。このため、両頭針を備える注射針の着脱を螺合およびその解除といった作業を行う必要がなく、注射針の着脱が極めて容易に行える。
【0047】
本発明の注射針は、先端および後端に刃面が形成された中空針と、該中空針の中間部に固定され、後端側が開口した注射針ハブとからなる注射針であって、前記ハブは、該注射針が取り付けられる注射器の注射針取付部に形成された注射針回転抑制部と接触するハブ側のハブ回転抑制部を備える。このため、螺合によることなく注射器に注射針が取りつけられるタイプの注射器に用いても、注射針が回転することがなく、注射操作が容易である。
【0048】
また、本発明の注射針廃棄容器は、上述した注射器のための注射針廃棄容器であって、該廃棄容器は、廃棄容器本体と、該廃棄容器本体の上面部に設けられた筒状の注射針離脱用部材からなり、該離脱用部材は、離脱用部材内に前記注射器の注射針取付部を誘導するための誘導部と、誘導部より下方に形成され、前記注射針取付部の少なくとも先端部分を収納可能な内部空間と、この内部空間を形成する離脱用部材の内側面より内方に突出し、ハブ保持部と実質的に接触することなく、かつ移動部材の通過を阻止するリブを有する。この廃棄容器によれば、注射針を取り付けた状態の注射器の注射針取付部を廃棄容器の注射針離脱用部材内に押し込むことにより、実質的に注射針に触れる事なく、注射器より注射針を極めて容易に離脱させることができかつ離脱と同時に注射針収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、注射針を取り付けた状態の本発明の注射器の一実施例の平面図である。
【図2】図2は、注射針を取り付けた状態の本発明の注射器の先端部の拡大断面図である。
【図3】図3は、図2に示した注射器の注射針取付部を構成するハブ保持部材の平面図である。
【図4】図4は、図3に示したハブ保持部材の正面図である。
【図5】図5は、図2に示した注射器の注射針取付部を構成する移動部材の平面図である。
【図6】図6は、図5に示した移動部材のA−A線断面図である。
【図7】図7は、本発明の注射針に使用される注射針ハブの部分断面図である。
【図8】図8は、本発明の注射針に使用される注射針ハブの底面図である。
【図9】図9は、本発明の注射器より注射針を離脱する時の作用を説明するための説明図である。
【図10】図10は、本発明の注射針廃棄容器の一実施例の断面図である。
【図11】図11は、注射針を取り付けた状態の他の実施例の注射器の平面図である。
【図12】図12は、注射針を取り付けた状態の注射器の先端部の拡大部分断面図である。
【図13】図13は、注射器の注射針取付部の構成部品を説明するための説明図である。
【図14】図14は、ハブ保持部材を保持する保持機構を備えたハブ保持部材支持部材の平面図である。
【図15】図15は、図14のB−B線断面図である。
【図16】図16は、ハブ保持部材の平面図である。
【図17】図17は、図16のC−C線断面図である。
【図18】図18は、この実施例の注射器より注射針を離脱する時の作用を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 注射器
3 薬液カートリッジ収納部
4 プランジャー
5 注射針取付部
6 ハブ保持部
7 移動部材
8 バネ部材
60 ハブ保持部材
61 誘導路形成部材
62 ハブ保持用爪
70 移動用外筒部材
71 内筒部材
100 注射器
161 ハブ保持部材支持部材
162 ハブ保持部材
115 弾性部材

Claims (11)

  1. 薬液カートリッジ収納部と、薬液カートリッジ内のガスケットを押すためのプランジャーと、注射針取付部とを備え、ハブと先端側に形成された穿刺針部と後端側に形成されたカートリッジ刺通針部を備える中空針と該中空針の中間部に固着されたハブとを備える注射針を装着可能な注射器であって、
    前記注射針取付部は、注射針ハブを保持するハブ保持部と、注射器の後端側に移動可能な移動部材と、該移動部材が注射器の後端側に移動すると前記ハブ保持部による注射針ハブの保持が解除され、前記移動部材が注射器の先端側に位置すると前記ハブ保持部による注射針ハブの保持が可能となるハブ着脱機構を備え、そして、前記移動部材は、外筒部材と、該外筒部材と同軸的に設けられた内筒部材を有し、該内筒部材は、注射針装着時にハブ内に侵入し、装着された注射針のハブのガタツキを抑制するためのハブ内侵入可能部と、後端側に伸びるカートリッジ押圧部とを有することを特徴とする注射器。
  2. 前記移動部材は、前記ハブ保持部を収納し、さらに、該移動部材内には、該移動部材と前記ハブ保持部とにより圧縮されたバネ部材を有している請求項1に記載の注射器。
  3. 前記ハブ保持部は、複数のハブ保持用爪を備えるハブ保持部材と、該ハブ保持部材と一体あるいは該ハブ保持部材に固着され、注射針のカートリッジ刺通針部が挿通可能な誘導路形成部材を有する請求項1または2に記載の注射器。
  4. 前記ハブ保持用爪は、移動部材が注射器の後端側に移動することにより、外方に押し広げられるように変形するものである請求項3に記載の注射器。
  5. 前記注射針ハブは、後端部に形成されたフランジを有し、前記ハブ保持用爪は、先端部に形成されたハブ誘導用傾斜部と、該傾斜部より後方に形成され、前記ハブのフランジと係合するフランジ係合部とを有する請求項3または4に記載の注射器。
  6. 前記注射針取付部は、注射針装着時に注射針ハブと接触し、注射針の回転を抑制するための注射針回転抑制部を有する請求項1ないしのいずれかに記載の注射器。
  7. 前記注射針回転抑制部は、前記移動部材の軸に対してほぼ直交するように、かつ注射針装着時に注射針ハブと接触可能な位置に形成された平板部の表面に形成され、注射針ハブの後端部と係合可能なリブである請求項に記載の注射器。
  8. 前記移動部材は、前記ハブ保持部を収納し、さらに、該移動部材内には、該移動部材と前記ハブ保持部とにより圧縮された弾性部材を有している請求項1に記載の注射器。
  9. 前記ハブ保持部は、先端側にハブ保持用爪を備える複数のハブ保持部材と、カートリッジ刺通針部が挿通可能な誘導路を有し、該ハブ保持部材の後端部を回動可能に支持するハブ保持部材支持部材と、該ハブ保持部材支持部材と前記ハブ保持部材とにより圧縮され前記ハブ保持部材をハブを保持可能な方向に付勢するための弾性部材とを備える請求項1,2,のいずれかに記載の注射器。
  10. 前記注射器は、前記移動部材が前記注射器の後方に移動した状態では、前記注射針取付部による前記注射針の保持状態が解除されるものである請求項1に記載の注射器。
  11. 前記注射針ハブは、後端部に形成されたフランジを有し、前記移動部材は、前記移動部材が前記注射器の先端側に位置し、前記ハブ着脱機構により前記ハブ保持部により前記注射針ハブが保持された状態では、前記注射針ハブの前記後端部を被包し、前記移動部材が前記注射器の後端側に移動し前記ハブ保持部による前記注射針ハブの保持が解除された状態では、前記後端部を含む前記注射針ハブを露出させるものである請求項1ないし10のいずれかに記載の注射器。
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