JP3891880B2 - 2次イオン分析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,例えば半導体表面の薄膜層に含まれる微量不純物の分析等に用いられる2次イオン分析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
真空中に配置された半導体等の試料に,数百eVから25keV程度の運動エネルギーを持つイオンビームや大出力パルスレーザのレーザビーム等のビーム(以下,入射ビームという)を照射すると,該入射ビームのイオン(1次イオン)は,前記試料内に侵入して前記試料の表面層を構成する原子(以下,試料原子という)との力学的相互作用と電子的相互作用との2種類の衝突過程を経ながら最後は前記試料内で停止するか,或いは前記試料表面から飛散する。一方,前記試料原子は,前記入射ビームとの弾性衝突の結果,運動エネルギーをもらい受け,そのエネルギーが結晶格子のポテンシャルエネルギー(通常,5〜25eV)以上になると格子点からはじき出され,さらに近くの前記試料原子と順次衝突を繰り返す。この衝突の連鎖が前記試料の表面に達し,背面方向成分のエネルギーが前記試料原子の結合エネルギーを越えると,前記試料原子のイオン(2次イオン)は前記試料の外部(真空中)に飛散する。
【0003】
従来,前記試料の表面に形成される薄膜層等の微量不純物を高精度で検出するために,前記入射ビームを前記試料に照射し,該試料表面から飛散する2次イオンを電界によるレンズ系を用いて捕捉し,捕捉した2次イオンを四重極電極により生成される電場に通過させ,該電場を通過した2次イオンをイオン検出器で検出することにより2次イオン個々の質量差を直接測定し,その測定結果によって前記試料の表面元素の同定を行う2次イオン質量分析(Q−SIMS)が普及している。このような従来のQ−SIMSの例が,特開平5−89817号公報に示されている。前記公報に示される2次イオン分析装置は,真空容器内の試料にイオン源やパルスレーザによる前記入射ビームを照射することにより,前記試料表面から飛散した2次イオンを所定の入射レンズで取り込み,取り込んだ2次イオンを前記入射レンズの後方に配置された四重極質量分析計(前記四重極電極及び前記イオン検出器を具備する分析計)によって2次イオンの質量分析を行う機能と,前記試料に対して前記入射ビームを短パルスで断続的に照射することにより前記試料表面から散乱した散乱イオンを,前記入射レンズで捕捉後に前記四重極分析計を通過させ,前記試料から十分な距離をとった位置で検出することにより,前記試料からの2次イオンの飛行距離(飛行時間)に応じて前記散乱イオンの質量分析を行う機能とを併せ持つ複合型分析装置である。さらに,前記試料からスパッタされる2次粒子には,2次イオンに限らず中性粒子も多く含まれるため,前記試料に前記イオンビームと同時にレーザパルスを照射して,イオン化を増強することによって2次イオンの検出感度を向上させたSIMSも実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,従来のいずれの技術においても,前記試料の表面から飛散する2次イオンの捕捉には電界によるレンズ系を用いていており,このような光学原理に基づく限り,前記試料の表面から各方向へ飛散する2次イオンのうち,一部の方向(前記レンズ系を配置した方向)に飛散した2次イオンしか捕捉できないため,2次イオンの捕捉率が低いという問題点があった。この場合,前記捕捉率は高々20%程度以下と見積もられる。
また,一般にSIMS分析の対象となる2次イオンの元素は,前記試料表面から飛散する2次粒子のうちの微量元素であり,残りの多数を占めるのは前記試料の母材元素であることから,SIMS分析における2次イオンの検出感度は,ノイズとなる前記母材元素(即ち,多数元素)の除去性能或いはその発生の抑制性能で定まるが,前述した従来の技術ではノイズとなる特定イオン(多数元素)の除去性能を高める手段を有していない。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,試料から飛散する2次イオンの捕捉率を高めるとともに,測定対象以外のノイズとなるイオンの除去性能を高めた2次イオン分析装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は,真空容器内の試料に所定の入射ビームを照射することにより前記試料表面から2次イオンを飛散させ,該2次イオンを四重極電極による電場に通過させた後にイオン検出器により検出する2次イオン分析装置において,少なくとも前記試料から前記入射ビーム上流側の所定領域に前記入射ビームと平行な磁場を発生させる磁場発生手段を具備し,前記四重極電極がその電場に前記入射ビームを通過させるよう前記平行な磁場内に配置され,前記イオン検出器の検出部が,前記四重極電極よりも前記入射ビーム上流側の前記真空容器内に配置されてなることを特徴とする2次イオン分析装置として構成されるものである。
これにより,フレミングの法則に従って,前記試料から飛散した2次イオンのうちその運動方向が前記入射ビームと平行な(即ち,前記磁場発生手段による磁場(磁束)方向と平行な)ごく一部の2次イオンは前記入射ビームに沿ってその上流側に直進し,その他の大部分の2次イオンは前記入射ビームに沿った磁束線に直交する方向の力を受けるために前記入射ビームの周りを螺旋運動しながらやはり前記入射ビームの上流側へ遡る。その結果,前記試料から飛散した2次イオンのほぼ全てが前記入射ビームを中心とした所定範囲内でその上流方向へ進行し,その進行過程に前記四重極電極の電場が配置されているので,前記試料から飛散したほぼ全ての2次イオンを前記四重極電極の電場に通過させて前記イオン検出器により測定対象となる2次イオンを検出できる。
【0006】
また,前記四重極電極における四重極高周波電場の周波数が,前記試料から飛散する前記2次イオンのうち,分析対象である2次イオン以外の所定の種類の2次イオンの元素のサイクロトロン周波数の整数倍となるよう構成されたものも考えられる。
これにより,前記四重極電極の電場内で螺旋運動する2次イオンのうち,前記四重極高周波電場の周波数に対応するサイクロトロン周波数を有する2次イオンは,電場内で共鳴が生じてその回転運動が増幅され,螺旋運動の半径が大きくなる或いは螺旋運動を維持できなくなる結果,前記四重極電極に衝突或いはその外部へ発散する。従って,例えば,前記試料表層に含まれる微量の不純物等の2次イオンを測定対象とする場合に,前記四重極電極における四重極高周波電場の周波数を,前記試料の母材の元素又は前記試料から飛散する前記2次イオンのうち多数を占めるイオン(測定対象以外)の元素(通常は,母材の元素が最多数を占める元素となる)が有するサイクロトロン周波数の整数倍とすれば,測定対象以外の多数イオン(即ち,ノイズ)がより確実に除去された2次イオンを前記イオン検出器で検出することができ,分析対象となる微量の2次イオンを高感度で検出することが可能となる。
【0007】
また,前記イオン検出器の検出部が,前記平行な磁場の領域よりも前記入射ビーム上流側に配置され,円筒状又は前記入射ビーム上流側から下流側に向かって末広がりの筒状に形成されて前記入射ビームを通過させるよう構成されたものも考えられる。
これにより,前記平行な磁場の領域よりもさらに前記イオンビーム上流側では前記磁場発生手段による磁束線(磁場)が放射状に前記入射ビームから離れていくため,その磁束線に沿って移動する2次イオンが,前記イオン検出部の内面に対して垂直に近い角度で衝突するため,2次イオンが効率よく前記イオン検出部に流れ込む(電流として流れる)。
【0008】
また,2次イオンの螺旋運動の範囲(回転半径)を一般的な前記四重極電極の電場の範囲内に抑えるため,前記磁場発生手段としては,1テスラ以上の磁場を発生させるものが望ましい。そのようにすれば,アルゴン・イオン以上の重い2次イオンであっても前記回転半径を10mm程度以下に抑えることができ,それを通過させる前記四重極電極として,一般的な四重極電極を用いることができる。
また,前記入射ビームとしては,イオンビーム又は大出力パルスレーザによるレーザビーム等が考えられる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る2次イオン分析装置Xの概略構成を表す図,図2は本発明の実施の形態に係る2次イオン分析装置Xを構成する四重極電極の概略断面図である。
【0010】
まず,図1を用いて,本発明の実施の形態に係る2次イオン分析装置Xの構成について説明する。
本2次イオン分析装置Xは,真空容器である分析チャンバ20と,該分析チャンバ20内の分析対象となる試料1に照射するイオンビーム2(前記入射ビームの一例)を出射するイオン源12と,該イオン源12から出射されたイオンビーム2から前記試料1に照射する数100eVから数keVのイオンを弁別する偏向電磁石15と,超電導ソレノイドコイル7とポールピース(磁極)8,9と磁性体であるリターンヨーク10とから構成され前記分析チャンバ20内に前記イオンビーム2と平行な約1テスラ以上の強磁場を発生させる磁場発生器(前記磁場発生手段の一例)と,前記分析チャンバ20内に配置された四重極電極4及びこれの電源5と,前記試料1表面から飛散する2次イオンを捕捉する電極等であるイオン検出部13及び該イオン検出部13で捕捉された2次イオンによる電流を検出する微小電流計14からなるイオン検出器とを具備している。ここで,前記イオン検出器は,前記イオン検出部13に引き込み電位電極で皮膜したシンチレータと光電子増倍管とを用い,これらにより増幅された2次イオンによる電流を電流計で検出するもの等であってもよい。
前記磁場発生器7〜10は,これを構成する一方の前記ポールピース8が前記分析チャンバ20の前記イオンビーム2方向下流側に,もう一方の前記ポールピース9が同上流側に対向して配置され,前記ポールピース9に設けられた開孔9aを通じて前記イオンビーム2が前記試料1に照射されるとともに,前記ポールピース8から9への間に前記イオンビーム2と平行な磁場を発生させるよう構成されている。これにより,前記試料1から前記イオンビーム2上流側の前記ポールピース9までの領域(以下,平行磁場領域という)に前記イオンビーム2と平行な強磁場(以下,並行磁場という)が発生する。
また,前記四重極電極4は,4つの電極間に生成される電場の中心軸(4つの電極間の中心軸)に前記イオンビーム2を通過させるように前記平行磁場領域内に配置されている。図2は,前記四重極電極4の概略断面を表す。図2に示すように,前記四重極電極4への電源5は,交流電圧を印加する交流電源5aとバイアス直流電圧を印加する直流電源5bとから構成されている。
また,前記イオンビーム2上流側の前記ポールピース8には,前記開孔9aの前記イオンビーム2下流側に溝が設けられ,前記分析チャンバ20は前記溝への突出部20aを有した形状となっている。そして,前記イオンビーム2を通過させる開口を有し,前記イオンビーム2の上流側から下流側に向かって末広がりの筒状に形成された前記イオン検出部13が前記突出部20a内に配置されている。
【0011】
次に,本2次イオン分析装置Xの作用について説明する。
前記偏向電磁石15により弁別された前記イオンビーム2は,前記イオン検出部13の開口及び前記平行磁場領域内にある前記四重極電極4の中心軸を通って前記試料1表面に照射される。このとき,前記磁場発生器による強磁場は,前記イオンビーム2と平行であるので,前記イオンビーム2は前記磁場の影響を受けずに直進して前記試料1表面に到達する。
一方,前記試料1表面から飛散した全ての2次イオン3は,その飛散方向やエネルギー(〜100eV程度)に関わらず,前記平行磁場領域において前記イオンビーム2に沿った磁束線に巻き付くように螺旋運動しながら(ごく一部は前記イオンビーム2に沿って)前記イオンビーム2上流方向へ遡る。この螺旋運動の軌道半径は,一般にラーマ半径といわれ,前記平行磁場の強度を,超電導を適用した前記磁場発生器により発生可能な1テスラとし,2次イオン3をアルゴン・イオン程度の重イオンとすると,そのラーマ半径は10mm程度と見積もられる。この程度のラーマ半径であれば,通常の実用的な前記四重極電極14の開口ボーア径を2次イオン3のラーマ半径より大きく構成することは可能であり,そのように構成すれば,前記試料1表面から飛散した全ての2次イオン3が,前記四重極電極14の電場を通過してさらに前記イオンビーム2上流側の前記イオン検出部13に到達する。即ち,ほぼ100%の捕捉率で2次イオン3を捕捉できる。ここで,前記磁場発生器による前記平行磁場の強度は,測定対象とする2次イオン3の種類にもよるが,少なくとも1テスラ以上とすれば,アルゴン・イオン以上の重い2次イオンでも前記ラーマ半径を約10mm以下にすることができるので,一般的な前記四重極電極14を用いることができ好適である。
ここで,前記平行磁場領域のさらに前記イオンビーム2上流側である前記分析チャンバ20の突出部20aでは,前記磁場発生器による磁束線(磁場)が前記ポールピース9の外側に設けられた前記リターンヨーク10に向かって放射状に前記イオンビーム2から離れていく。従って,その磁束線に沿って移動する2次イオン3が,前記突出部20aにおいて前記イオンビーム2の下流側に向かって末広がりの筒状に形成された前記イオン検出部13の内面に対して垂直に近い角度で衝突するため,2次イオン3が効率よく前記イオン検出部13に流れ込む(電流として流れる)。もちろん前記イオン検出部13を円筒状や前記イオンビーム2を通過させる開口を設けた円盤状等に構成しても,2次イオン3を検出することに特に問題はない。
【0012】
次に,前記四重極電極4の作用について説明する。
前記四重極電極4は,四重極高周波電場の振幅と四重極静電場の強さとを適当に組み合わせることにより,特定の電荷質量比を有する2次イオン3を選択的に通過させるようにするものである。即ち,前記直流電源5bによるバイアス電圧Uと前記交流電源5aによる高周波電圧Vとの比を所定の値(例えば,U/V=0.1678)に保持しながら走引すると,特定の電荷質量比を有する2次イオン3のみが安定軌道を保って前記四重極電極4の電場を前記イオンビーム2上流方向へ通過するが,その他の電荷質量比を有する2次イオン3はその軌道が不安定にり,途中で前記四重極電極4に衝突或いはその外部へ発散する。従って,四重極高周波電場の振幅と四重極静電場の強さとを,分析対象とする2次イオン3を選択的に通過させるよう設定すれば,前記イオン検出器による検出ノイズを抑えられる。しかしながら,このように前記四重極高周波電場と前記四重極静電場とを設定しても,前記四重極電極4の電場を通過する2次イオン3には,分析対象である2次イオン(前記試料1表層に含まれる不純物等のイオン)以外の多数を占める他の2次イオン(以下,多数イオンという)が含まれる。該多数イオンは,一般に前記試料1の母材を構成する元素のイオンであり,2次イオン分析のノイズとなる。
前述したように,前記試料1から飛散した2次イオン3は,前記イオンビーム2に沿った磁束線の周りを螺旋運動するが,この螺旋運動の回転周期は,前記並行磁場の強度と2次イオン3の質量/電荷比によって一意に決まり,一般にサイクロトロン周波数といわれる。前記平行磁場の強度が2テスラで,2次イオン3がアルゴン程度の重イオンである場合,前記サイクロトロン周波数は1MHz程度となる。ここで,前記四重極電極4による四重極高周波電場の周波数(即ち,駆動する交流電源5aの周波数)を,前記サイクロトロン周波数の整数倍とすると,螺旋運動する2次イオン3に共鳴が生じてその回転運動が増幅され,そのラーマ半径が大きくなる結果,前記四重極電極4に衝突或いはその外部へ発散する。そこで,前記四重極高周波電場の周波数を,前記試料1の母材等である前記多数イオンのサイクロトロン周波数の整数倍に設定することにより,前記多数イオン(即ち,ノイズ)が除去された2次イオン3を前記イオン検出部13で捕捉することができ,分析対象となる微量の2次イオンを高感度で検出することが可能となる。
【0013】
【実施例】
前記2次イオン分析装置Xでは,前記試料1に照射する入射ビームとして,前記イオン源12及び前記偏向電磁石15によるイオンビーム2を用いたが,これに代えて,大出力パルスレーザのレーザビームを前記試料1への入射ビームとしてもよい。高強度のパルスレーザ(CsレーザやO2レーザ等)のレーザビームを前記試料1に照射すると,前記試料1表層から2次イオンや前記試料元素(中性原子,分子)等の2次粒子が飛散するが,前記パルスレーザの出力を大きくするほど,前記試料1表層で大量の2次粒子の飛散が生じる(レーザアブレーション現象)とともに,前記2次粒子に占める2次イオンの比率が高くなるため,より高感度で2次イオン分析が可能となる。前記大出力パルスレーザとしては,例えば,YAGレーザの3倍高調波(≧数J/nsec)等を用いればよい。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,試料への入射ビームに平行な強磁場を発生させることにより,試料から飛散する2次イオンの全てが入射ビームに沿った磁束線の周りに螺旋運動しながら入射ビームの上流側へ遡り,これをイオン検出器で捕捉するので,ほぼ100%の捕捉率で2次イオンを捕捉できる。さらに,2次イオンを通過させる四重極電極の周波数を,試料から飛散する2次イオンに含まれる分析対象以外の多数イオンの元素のサイクロトロン周波数の整数倍とすることにより,ノイズとなる多数イオンの除去性能が高まる。その結果,非常に高感度で2次イオン分析を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る2次イオン分析装置Xの概略構成を表す図。
【図2】本発明の実施の形態に係る2次イオン分析装置Xを構成する四重極電極の概略断面図。
【符号の説明】
1…試料
2…イオンビーム(入射ビーム)
3…2次イオン
4…四重極電極
5…電源
5a…交流電源
5b…直流電源(バイアス用)
7…超電導ソレノイドコイル
8,9…ポールピース(電極)
9a…イオンビーム上流側のポールピースの開口
10…リターンヨーク
11…磁束線
12…イオン源
13…イオン検出部
14…微小電流計
15…偏向電磁石
20…分析チャンバ
20a…分析チャンバの突出部

Claims (6)

  1. 真空容器内の試料に所定の入射ビームを照射することにより前記試料表面から2次イオンを飛散させ,該2次イオンを四重極電極による電場に通過させた後にイオン検出器により検出する2次イオン分析装置において,
    少なくとも前記試料から前記入射ビーム上流側の所定領域に前記入射ビームと平行な磁場を発生させる磁場発生手段を具備し,
    前記四重極電極がその電場に前記入射ビームを通過させるよう前記平行な磁場内に配置され,
    前記イオン検出器の検出部が,前記四重極電極よりも前記入射ビーム上流側の前記真空容器内に配置されてなることを特徴とする2次イオン分析装置。
  2. 前記四重極電極における四重極高周波電場の周波数が,前記試料から飛散する前記2次イオンのうち,分析対象である2次イオン以外の所定の種類の2次イオンの元素のサイクロトロン周波数の整数倍となるよう構成されてなる請求項1に記載の2次イオン分析装置。
  3. 前記分析対象である2次イオン以外の所定の種類の2次イオンの元素が,前記試料の母材の元素又は前記試料から飛散する前記2次イオンのうち多数を占めるイオンの元素である請求項2に記載の2次イオン分析装置。
  4. 前記イオン検出器の検出部が,前記平行な磁場の領域よりも前記入射ビーム上流側に配置され,円筒状又は前記入射ビーム上流側から下流側に向かって末広がりの筒状に形成されて前記入射ビームを通過させるよう構成されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の2次イオン分析装置。
  5. 前記磁場発生手段が,1テスラ以上の磁場を発生させるものである請求項1〜4のいずれかに記載の2次イオン分析装置。
  6. 前記入射ビームが,イオンビーム又は大出力パルスレーザによるレーザビームである請求項1〜5のいずれかに記載の2次イオン分析装置。
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