JP2000088809A - 固体中の特定原子の検出方法及び検出装置 - Google Patents

固体中の特定原子の検出方法及び検出装置

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JP2000088809A
JP2000088809A JP10258484A JP25848498A JP2000088809A JP 2000088809 A JP2000088809 A JP 2000088809A JP 10258484 A JP10258484 A JP 10258484A JP 25848498 A JP25848498 A JP 25848498A JP 2000088809 A JP2000088809 A JP 2000088809A
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Yasuhiro Okada
康弘 岡田
Masafumi Yorozu
雅史 萬
Nobuhisa Yokogawa
伸久 横川
Toshihiko Yamanishi
敏彦 山西
Masataka Nishi
正孝 西
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Japan Atomic Energy Agency
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Japan Atomic Energy Research Institute
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微量の特定原子を、感度よく検出することが
可能な固体中の特定原子の検出方法を提供する。 【解決手段】 検出対象原子を含む測定対象物に、該検
出対象原子の吸収波長のレーザを照射し、アブレーショ
ンを起こさせる。アブレーションを起こさせる工程で測
定対象物から飛散した飛散物質中の検出対象原子のイオ
ンを検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体中の特定原子
の検出方法及び検出装置に関し、特にレーザを用いてア
ブレーションを起こさせ、飛散した物質中の特定原子を
検出する方法及び検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平10−48370号公報に、トリ
チウムを含む材料の表面に紫外レーザを照射してアブレ
ーションを生じさせ、飛散したトリチウムの量を測定す
る方法が開示されている。飛散したトリチウムの量を測
定する方法として、四重極質量分析、電離箱等による方
法が例示されている。
【0003】核融合炉は、水素同位体であるデューテリ
ウム(D)とトリチウム(T)を燃料としており、これ
らの元素の核融合反応を生じさせるためには、約1億度
以上のプラズマ状態を保持する必要がある。プラズマの
保持は、真空容器内につくられる磁場によって行われ
る。そのプラズマに面しているプラズマ対向機器の材料
表面は、これらの燃料ガス(D、T)及びそのプラズマ
に直接晒されることとなり、その材料中にこれらの元素
が溶け込んでいくこととなる。
【0004】図6は、炉心周辺の燃料の流れを模式的に
示した図である。超電導コイル55で囲まれた真空容器
51内に燃料注入装置52からデューテリウム、トリチ
ウムが供給される。真空容器51内は、真空排気装置5
3により真空排気される。真空容器51の内部空間にプ
ラズマ63を発生させ、そのプラズマを種々の励起手段
によって1億度以上の温度に加熱する。真空容器51の
内面の一部に、ダイバータ板61が取り付けられてい
る。ダイバータ板61は、プラズマ周辺部の粒子を中性
化する。真空容器51、ダイバータ板61には燃料ガス
及びそのプラズマが直接接することとなり、その材料中
に燃料ガスの元素が溶け込むこととなる。
【0005】一方、トリチウムは放射性元素であり、核
融合炉全体の安全管理上、真空容器51等の材料に含ま
れるトリチウム量を把握しておく必要がある。上記特開
平10−48370号公報に開示された方法では、トリ
チウムを分析可能な形で取り出し、四重極質量分析等に
より、取り出されたトリチウムを検出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】四重極質量分析による
方法では、感度が低く、微量の特定原子を検出すること
が困難である。
【0007】本発明の目的は、微量の特定原子を、感度
よく検出することが可能な固体中の特定原子の検出方法
及び検出装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点による
と、検出対象原子を含む測定対象物に、該検出対象原子
の励起波長のレーザを照射し、アブレーションを起こさ
せる工程と、前記アブレーションを起こさせる工程で前
記測定対象物から飛散した飛散物質中の前記検出対象原
子のイオンを検出する工程とを有する固体中の特定原子
の検出方法が提供される。
【0009】アブレーションを起こさせるためのレーザ
の波長が、検出対象原子の励起波長にされているため、
検出対象原子を効率的にイオン化することができる。こ
のため、検出対象原子を、高感度に検出することができ
る。
【0010】本発明の他の観点によると、測定対象物の
周囲の空間に引出電界を発生させる引出電極と、測定対
象物にレーザを照射するレーザ光源と、測定対象物から
飛散した飛散物質中のイオンのうち、前記引出電界によ
り引き出されたイオンを分析する飛行時間型質量分析計
とを有する特定原子検出装置が提供される。
【0011】飛行時間型質量分析計を用いることによ
り、微量のイオン種をも検出することが可能になる。
【0012】本発明の他の観点によると、検出対象原子
を含む測定対象物に、第1のレーザを照射してアブレー
ションを起こさせるとともに、アブレーションにより飛
散した飛散物質に、該飛散物質中に含まれる前記検出対
象原子の励起波長の第2のレーザを照射し、前記検出対
象原子をイオン化する工程と、前記飛散物質中の前記検
出対象原子のイオンを、飛行時間型質量分析計で検出す
る工程とを有する固体中の特定原子の検出方法が提供さ
れる。
【0013】第2のレーザにより、検出対象原子を選択
的に、かつ効率的にイオン化することができる。飛行時
間型質量分析計で検出対象原子のイオンを検出すること
により、微量のイオンを高感度で検出することができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施例による検
出装置の概略図を示す。真空容器1内に、引出電極2a
及び2bが配置されている。引出電極2a及び2bは、
相互にほぼ平行に配置され、両者に挟まれた空間内に測
定対象物5が保持される。一方の引出電極2aに正電圧
が印加され、他方の引出電極2bに負電圧が印加されて
いる。この電圧により、引出電極2a及び2bに挟まれ
た空間内に引出電界が発生する。負電圧が印加されてい
る引出電極2bはメッシュ状にされている。
【0015】レーザ光源10から放射されたレーザが、
レンズ11で集光され、レーザ導入窓13を透過して真
空容器1内に導入される。真空容器1内に導入されたレ
ーザは、測定対象物5を照射する。レーザ光源10は、
例えば波長可変の色素レーザ装置である。レンズ11
は、例えば焦点距離300mmの凸レンズである。
【0016】測定対象物5にレーザが照射されるとアブ
レーションが生じ、測定対象物5の表面層の一部が飛散
する。飛散物質中には、測定対象物5を構成する原子、
測定対象物5に含まれている不純物原子、及びこれらの
イオンが含まれている。正のイオンは、引出電界により
メッシュ状の引出電極2bに引き寄せされ、真空容器1
に取り付けられた飛行時間型質量分析計20に導入され
る。
【0017】図2は、飛行時間型質量分析計20の概略
断面図を示す。真空容器1内に引出電極2a及び2bが
配置されており、引出電極2bよりも下流側(図2の左
側)に、飛行時間型質量分析計20が配置されている。
飛行時間型質量分析計20は、真空ダクト40、及びそ
の内部に配置された加速電極25、スリット26、2
7、28、マイクロチャネルプレート(MCP)29、
アノード(コレクタ)30、及び電流計31を含んで構
成される。
【0018】真空ダクト40の上流側開口部に引出電極
2bが取り付けられている。加速電極25、スリット2
6、27、28、MCP29、及びアノード30は、上
流側から下流側に向かってこの順番に配置されている。
例えば、引出電極2aとアブレーション位置Pとの距離
L1は40mm、アブレーション位置Pと引出電極2b
との距離L2は10mmである。引出電極2bと加速電
極25との間隔L3は30mm、加速電極25とスリッ
ト26との間隔L4は114mm、スリット26とスリ
ット27との間隔L5は140mm、スリット27とM
CP28との間隔は70mmである。
【0019】MCP29は、内壁を抵抗体とした細いガ
ラスパイプを多数束ねた二次元構造を有する。それぞれ
のガラスパイプは、独立した二次電子増倍器を形成して
いる。各ガラスパイプの入射側の端部からイオンが入射
し、その内壁に衝突すると、内壁から二次電子が放出さ
れる。MCP29の両端には電圧が印加されており、放
出された二次電子は、この電圧により生ずる電界によっ
て加速され、再び内壁に衝突し二次電子を放出する。こ
の過程がガラスパイプに沿って繰り返され、出力側から
多数の二次電子が放出される。
【0020】例えば、引出電極2aに0Vの電位が印加
され、引出電極2bに−300Vの電位が印加され、加
速電極25、スリット26、27、28、及びMCP2
9の入口29aに−2300Vの電位が印加され、MC
P29の出口29b及びアノード30に−300Vの電
位が印加されている。
【0021】位置Pにおいてアブレーションにより生成
した飛散物質中の正イオンは、引出電極2bに引き寄せ
られ、加速電極25で加速されてスリット26、27、
28を通過し、MCP29に入射する。入射するイオン
の量に応じた二次電子がMCP29の出口29bから放
出される。この二次電子がアノード30に補足され、電
流計31により検出される。
【0022】加速電極25により加速されたイオンの速
さは、q/mに比例する。ここで、qはイオンの電荷
量、mはイオンの質量である。イオン種によりMCP2
9に到達するまでの時間が相違するため、飛散物質に含
まれるイオンを、イオン種ごとに検出することができ
る。また、イオン電流の大きさにより、飛散物質中の当
該イオン濃度を知ることができる。すなわち、測定対象
物に含まれる特定原子の濃度に関する情報を得ることが
できる。
【0023】次に、図1及び図2に示す検出装置を用い
て、固体の測定対象物中の特定原子を検出する方法につ
いて説明する。ここでは、加速器によりデューテリウム
を打ち込んだグラファイト中に含まれるデューテリウム
を検出する場合を例にとって説明する。
【0024】図1に示す測定対象物5に、デューテリウ
ムの励起波長の波長域のパルスレーザを照射する。実施
例で用いたレーザは、1パルス当たりのエネルギ100
μJ、パルスの繰り返し周波数10Hz、波長243.
07〜243.08nmのものである。
【0025】図3(A)は、飛行時間型質量分析計20
により得られた信号強度を示す。横軸はイオンの飛行時
間を単位「μs」で表し、縦軸は信号強度を任意目盛り
で表す。飛行時間約8μs、約1.1μs、約2.3μ
sの位置に、それぞれ水素イオン(H+ )、デューテリ
ウム(D+ )、及び炭素イオン(C+ )に対応するピー
クが現れている。デューテリウムイオンに相当するピー
クの有無を判定することにより、測定対象物中のデュー
テリウムの有無を判断することができる。さらに、その
ピークの高さを測定することにより、測定対象物中に含
まれるデューテリウム濃度に関する情報を得ることがで
きる。
【0026】図3(B)は、レーザの波長を、243n
mとした場合の測定結果を示す。この場合には、デュー
テリウムイオンに対応するピークが現れていない。これ
は、使用したレーザ波長がデューテリウムの励起波長と
異なるため、デューテリウムがイオン化されにくく、飛
行時間型質量分析計で検出できなかったためと考えられ
る。
【0027】測定対象物をアブレーションさせるための
レーザとして、デューテリウムの励起波長のものを用い
ることにより、測定対象物をアブレーションさせるとと
もに、デューテリウムを効率的にイオン化することがで
きる。このため、微量なデューテリウムを高感度に検出
することが可能になる。
【0028】なお、上記実施例による方法を用いると、
質量数が同一の原子もしくは分子を弁別することが可能
になる。一般的な質量分析法では、質量数の同じ原子も
しくは分子を弁別することは困難である。例えばT原子
とHD分子とは、共に質量数が3であるから、一般的な
質量分析法でこの2種の粒子を弁別することは困難であ
る。上記実施例による方法を用いる場合には、いずれか
一方の粒子の励起波長のレーザ光を用いてアブレーショ
ンさせることにより、当該一方の粒子を優先的に検出す
ることができる。
【0029】一般的に、デューテリウムの励起波長と
は、一光子で励起する場合には、デューテリウム原子の
吸収スペクトルにおいて、光吸収を示す波長に一致す
る。多数の光子で励起する場合には、吸収波長の整数倍
になる。ただし、本実施例の場合には、デューテリウム
の励起波長は、後述するように、デューテリウム原子の
吸収スペクトルにおいて吸収を示す波長とはややずれ
る。
【0030】水素原子の吸収スペクトルの波長λは、
【0031】
【数1】1/λ=R(1/m2 −1/n2 ) と表される。ここで、Rはリュードベリ定数、mは、
1、2、3、・・・、nはm+1、m+2、m+3、・
・・である。上記の式において、m=1、n=2とする
と、λ(1,2)≒121.5nmとなる。実施例で用
いたレーザの波長243.07〜243.08nmは、
励起波長λ(1,2)の約2倍の波長に相当する。
【0032】ここで、リュードベリ定数Rは、原子の換
算質量uに比例する。また、水素同位体の換算質量u
は、原子核の質量をN、電子の質量をme とした場合、
【0033】
【数2】1/u=1/N+1/me と表される。陽子と中性子の質量を等しいと近似し、そ
れをMとすると、Hの場合にはN=M、Dの場合にはN
=2×M、Tの場合にはN=3×Mとなる。この換算質
量を用いて、各同位体D及びTの励起波長とHの励起波
長との関係を求めることができる。M=1000MeV
/C2 、me =0.5MeV/C2 、Hの励起波長を2
43.13nmとすると、Dの励起波長は243.07
nm、Tの励起波長は243.05となる。
【0034】上記実施例では、アブレーション用のレー
ザがデューテリウムのイオン化用のレーザを兼ねている
が、アブレーション用のレーザとイオン化用のレーザを
分けてもよい。この場合には、イオン化用のレーザの波
長を、デューテリウムの励起波長とする。
【0035】図4は、レーザの波長と、デューテリウム
イオンに対応するピークの高さとの関係を示す。横軸は
レーザの波長を単位「nm」で表し、縦軸は飛行時間型
質量分析計で得られた信号強度を任意目盛りで表す。図
4中の実線は、グラファイトにレーザを照射してアブレ
ーションを起こさせる上記実施例による方法でデューテ
リウムを検出した場合を示し、破線は、デューテリウム
を含むガスにイオン化用のレーザを照射してデューテリ
ウムを検出した場合を示す。
【0036】ガス中のデューテリウムを検出する場合に
は、波長243.069nm近傍でピークを示す。これ
に対し、アブレーションを起こさせてデューテリウムを
検出する場合には、ピークがブロードになり、その最大
値を与える波長が約243.076nmになる。図4の
グラフから、アブレーションを起こさせて固体中のデュ
ーテリウムを検出する場合には、レーザの波長を24
3.070〜243.081nmとすることが好ましい
ことがわかる。理由は明らかではないが、固体中のデュ
ーテリウムを、アブレーション現象を利用して検出する
場合と、ガス中のデューテリウムを検出する場合とで、
用いるレーザの最適波長が異なることがわかった。
【0037】次に、測定対象物の深さ方向のデューテリ
ウムの濃度分布を測定する方法について説明する。測定
対象物の表面の特定の箇所にパルスレーザを繰り返し照
射し、飛行時間型質量分析計により飛散物質の質量分析
を行った。
【0038】図5は、デューテリウムイオンに対応する
ピークの信号強度と、パルスレーザのショット回数との
関係を示す。横軸はショット回数を表し、縦軸は信号強
度を任意目盛りで表す。図5中の実線a、b、cは、そ
れぞれレーザ波長を243.074nm、243.08
0nm、及び243.060nmとした場合の信号強度
を示す。用いたレーザは、1パルスあたりのエネルギ1
00μJ、パルスの繰り返し周波数10Hzのものであ
る。
【0039】測定対象物にレーザを照射すると、アブレ
ーションが生じて表面に微小な窪みができる。ショット
回数を増加させると、この窪みが深くなる。すなわち、
ショット回数は、測定対象物の深さに対応していると考
えることができる。
【0040】レーザ波長を243.074nmまたは2
43.080nmとした場合、ショット回数が300〜
340回近傍の領域で信号強度が大きくなっている。こ
れは、ショット回数300〜340回程度の照射により
形成された窪みの深さに相当する位置に、デューテリウ
ムが多く分布していることを表している。このように、
信号強度を、パルスレーザのショット回数と関連付けて
測定することにより、深さ方向のデューテリウムの濃度
分布に関する情報を得ることができる。
【0041】なお、レーザ波長を243.060nmと
した場合には、図4からも予測されるように、デューテ
リウムイオンに対応するピークは観測されない。
【0042】上記実施例では、デューテリウムを検出す
る場合を説明したが、同様の方法でトリチウムを検出す
ることもできる。このとき、換算質量から求めたDとT
の励起波長、及びDを検出するための好適なレーザ波長
との関係から、Tを検出するための好適なレーザ波長
は、243.050〜243.060nmであると予測
される。
【0043】上記実施例では、グラファイト中のデュー
テリウムを検出する場合を説明したが、同様の方法を用
いて固体中の特定原子を検出することが可能である。こ
のとき、測定対象物に照射するレーザの波長を、検出す
べき特定原子が、アブレーションにより飛散した飛散物
質中にある場合の励起波長とする。これにより、特定原
子を効率的にイオン化させ、飛行時間型質量分析計を用
いて、特定原子を高感度に検出することが可能になる。
【0044】アブレーションにより飛散した物質中に含
まれる特定原子の励起波長は、ガス中の当該特定原子の
励起波長と異なることがある点に注意を要する。ガス中
の当該特定原子の励起波長の近傍でレーザの波長を変化
させ、特定原子に対応するピークの信号強度を測定する
ことにより、アブレーションを利用する場合の好適な波
長域を決定することができる。例えば、Cu原子を検出
する場合には、レーザ波長を231.82nm近傍と
し、Fe原子を検出する場合には、レーザ波長を22
3.83nm近傍とし、Al原子を検出する場合には、
レーザ波長を228.15nm近傍とする。
【0045】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
測定対象物に照射するレーザの波長を好適化することに
より、固体中の特定原子を高感度に検出することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いられる検出装置の概略図である。
【図2】飛行時間型質量分析計の概略を示す断面図であ
る。
【図3】図3(A)は、レーザの波長を好適化したとき
の、飛行時間型質量分析計による信号強度を表すグラフ
であり、図3(B)は、レーザの波長を好適範囲からず
らしたときの、飛行時間型質量分析計による信号強度を
表すグラフである。
【図4】デューテリウムイオンに対応するピークの信号
強度とレーザ波長との関係を示すグラフである。
【図5】デューテリウムイオンに対応するピークの信号
強度とパルスレーザのショット回数との関係を示すグラ
フである。
【図6】核融合炉の炉心周辺の燃料の流れを示す断面図
である。
【符号の説明】
1 真空容器 2a、2b 引出電極 5 測定対象物 10 レーザ光源 11 レンズ 13 レーザ導入窓 20 飛行時間型質量分析計 25 加速電極 26、27 スリット 28 MCP 29 減速電極 30 アノード 31 電流計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 萬 雅史 東京都田無市谷戸町2丁目1番1号 住友 重機械工業株式会社田無製造所内 (72)発明者 横川 伸久 東京都田無市谷戸町2丁目1番1号 住友 重機械工業株式会社田無製造所内 (72)発明者 山西 敏彦 茨城県那珂郡那珂町向山字中原801番地 日本原子力研究所 那珂研究所 核融合工 学部 トリチウム工学研究室内 (72)発明者 西 正孝 茨城県那珂郡那珂町向山字中原801番地 日本原子力研究所 那珂研究所 核融合工 学部 トリチウム工学研究室内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出対象原子を含む測定対象物に、該検
    出対象原子の励起波長のレーザを照射し、アブレーショ
    ンを起こさせる工程と、 前記アブレーションを起こさせる工程で前記測定対象物
    から飛散した飛散物質中の前記検出対象原子のイオンを
    検出する工程とを有する固体中の特定原子の検出方法。
  2. 【請求項2】 前記検出対象原子のイオンを検出する工
    程において、飛行時間型質量分析計でイオンの検出を行
    う請求項1に記載の固体中の特定原子の検出方法。
  3. 【請求項3】 前記レーザがパルスレーザであり、前記
    アブレーションを起こさせる工程において、前記測定対
    象物のある箇所に、該パルスレーザを繰り返し照射し、 前記検出対象原子を検出する工程において、前記パルス
    レーザの繰り返し照射回数と関連付けて、前記検出対象
    原子を検出する請求項1または2に記載の固体中の特定
    原子の検出方法。
  4. 【請求項4】 前記検出対象原子がデューテリウムであ
    り、前記レーザの波長が243.070〜243.08
    1nmである請求項1または2に記載の固体中の特定原
    子の検出方法。
  5. 【請求項5】 前記検出対象原子がトリチウムであり、
    前記レーザの波長が243.050〜243.060n
    mである請求項1または2に記載の固体中の特定原子の
    検出方法。
  6. 【請求項6】 測定対象物の周囲の空間に引出電界を発
    生させる引出電極と、 測定対象物にレーザを照射するレーザ光源と、 測定対象物から飛散した飛散物質中のイオンのうち、前
    記引出電界により引き出されたイオンを分析する飛行時
    間型質量分析計とを有する特定原子検出装置。
  7. 【請求項7】 前記レーザ光源が、波長243.070
    〜243.081nmのレーザを放射する請求項6に記
    載の特定原子検出装置。
  8. 【請求項8】 前記レーザ光源が、波長243.050
    〜243.060nmのレーザを放射する請求項6に記
    載の特定原子検出装置。
  9. 【請求項9】 検出対象原子を含む測定対象物に、第1
    のレーザを照射してアブレーションを起こさせるととも
    に、アブレーションにより飛散した飛散物質に、該飛散
    物質中に含まれる前記検出対象原子の励起波長の第2の
    レーザを照射し、前記検出対象原子をイオン化する工程
    と、 前記飛散物質中の前記検出対象原子のイオンを、飛行時
    間型質量分析計で検出する工程とを有する固体中の特定
    原子の検出方法。
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