JP3891861B2 - ヒダ付き横ピロー包装体の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本願発明は、横ピロー包装して包装が完了して切り離された包装体を90度回転させると、底面部の周縁にヒダが垂下して底面部を隠し安定した自立性を有しタイトな包装形態を感得しうるヒダ付き包装体を得るヒダ付き横ピロー包装体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の横形製袋充填包装方法は、包材の原反ロールから包材を繰り出してフォーマーに掛けて角トンネル筒状に曲成して包材の両端縁を合掌状に重ねるか又は前後に重ねてヒートシールして包装筒とするとともに搬入コンベアにより移送される被包装物をフォーマー内に所要間隔で送り込んで包装筒に対して被包装物と被包装物の間を二条にエンドシールしてかつ二条のヒートシール間をカットするものである。
そして、前記二条ヒートシールを施すときにエンドシーラーの閉じ合わせ動作に先行してエンドシーラーの包材移送方向両側の際の高さ中段に突っ込み棒を突き込んでガセットを付けてガセット付き横ピロー包装体に製造することが行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の横形製袋充填包装方法により製造されるガセット付き横ピロー包装体は、例えば被包装品がレンズ付きカメラであるような場合にガセットを付けることで袋幅が広がらない包装形態の採択になりうるものである。
しかしながら、このガセット付き横ピロー包装体は、一般的にはガセットが入ったエンドシールが合掌形状でありエンドシールが横に倒されて包装体が90度回転されて横に倒されたエンドシールが底面部になって棚に載置されることはなく、仮にそのように載置される場合、エンドシールが横倒された底面部は前面側と後面側に丸みが出て安定した自立性を有さず、タイトな包装形態を感じさせることができない。
【0004】
本願発明は、横ピロー包装して包装が完了して切り離された包装体を90度回転させると、底面部の周縁にヒダが垂下して底面部を隠し安定した自立性を有しタイトな包装形態を感得しうるヒダ付き包装体を得ることができるヒダ付き横ピロー包装体の製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
[請求項1]に記載の発明は、包材の連続する方向に対して直角方向に延びるヒダであって折り返し部分の内面同士が接着され横倒されたヒダを有するヒダ付き包材をフォーマーに掛けて角筒状に曲成して包材の両端縁を直接ヒートシール接続するか又は包材の両端縁の内側に通す帯状の目貼りテープに対してヒートシールして角トンネル状の包装筒として連続移送するとともに、搬入コンベアにより被包装品をヒダとヒダとの間に位置するようにフォーマー内側に形成される前記包装筒内に送給し、次いで、フォーマーの下流側において包装筒の被包装品間位置に二条のヒートシーラにより二条のヒートシールを施すとともに二条のヒートシールの間に袋切り離しのカットを入れることを特徴とするヒダ付き横ピロー包装体の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本願発明のヒダ付き横ピロー包装体の製造方法について図1を参照して説明する。
図1は、ヒダ付き横ピロー包装体を製造できる逆ピロータイプの横形製袋充填包装装置の概略の全体斜視図を示す。
図1において、原反ロールRはヒダ付き包材の原反ロールであり、少なくとも内面がヒートシール性を有している包材からなり連続する方向に対して直角方向に帯状に延在するヒダhが所要ピッチに形成されているヒダ付き包材Fであって、ヒダhは、内面同士が合掌状に折り重ねられてヒートシールされ繰り出し方向上流側に倒されてかつ製袋時に連続する方向に対して直角方向にカットされる各カット予定位置から包材繰り出し方向に袋底面部の形成に必要な所要寸法離れた位置に設けられている。
【0007】
原反ロールRから繰り出されるヒダ付き包材Fは、ガイドロール1に掛けられてから図示しないサーボモータにより増減速駆動される包材繰り出しロール2と回転自在なニップロール3により挟圧され繰り出されるように通され、次いで、ガイドロール4、段差ロール5、ガイドロール6、蛇行矯正ロール7に掛けられる。
段差ロール5は、下流側からのヒダ付き包材Fの繰り出しに対して繰り出し抵抗を軽くて一定に保つ役目をする。包材繰り出しロール2は、段差ロール5が下限位置に下がるとフィルムの繰り出し量を少なくし、又、上限位置に上がるとフィルムの繰り出し量を多くするようにサーボモータにより回転される。
【0008】
次いで、蛇行矯正ロール7に掛けられたヒダ付き包材Fは、上面が開かれた断面C形のフォーマー8に対し下方から上に被さるように掛けられ、ガイド部材9,9の押さえ込みによりフォーマー8の入口でフォーマー8の内面側に折り返されフォーマー8の内面から離れないように移行してかつ包材両端縁がフォーマー8の上面のスリットを内側から塞ぐように横架されたアンビルプレート10の上面幅中央で突き合わされるとともに、両面シーラントフィルムからなる三層の接続テープを巻いてなるリールWから繰り出される該接続テープTがガイドロール11,12,13,14,15を介してアンビルプレート10の上面に導かれて突き合せ隙間を目張りするように包材両端縁の下敷きになり、ヒートシールロール16がアンビルプレート10を受台として包材Fの両端縁を接続テープTに対して挟圧してヒートシールすることにより包材Fの端縁同士が接続シールされて包装筒Hとなる。
なお、ヒダ付き包材Fは、ヒダhが移送方向後方へ倒れているので、フォーマー8の入口での折り返し時に引っ掛からないで円滑に曲成される。ヒダ付き包材Fは、ヒダhが移送方向後方へ倒れていることは、好ましいということであり限定されるものではない。ヒダhが移送方向前方へ倒れていてもフォーマー8の入口での折り返し時に引っ掛からないで円滑に曲成されるからである。
ヒダhが設けられるピッチは、原則として、袋高さ寸法とヒダからボトムヒートシールまでの底面部を形成するための寸法(好ましくはサイドガセットの折り込み寸法と略同寸法)とボトムヒートシールに必要な寸法との合計寸法に等しい長さである。
【0009】
フォーマー8の上流側の搬入コンベア17は、例えばエンドレスチェーン17aに一定ピッチに付設された搬送爪17bでレーンテーブル17cに載置供給される被包装品A,A,・・を押動するようになっていて、フォーマー8の入口へ送り込んでヒダh間の所要位置に位置する所定ピッチとなるようにフォーマー8の内側に形成される包装筒H内に送給する。
【0010】
次いで、フォーマー8のところで形成される包装筒Hは、フォーマー8の下流側半部の下側に設けられたバキューム機能付き包材牽引用ベルトコンベア18により吸引されて走行されるようになっており、引き続き、搬送用シャトルコンベア19により搬送され、さらに、ボックスモーションタイプのエンドシールカッター装置20の下流側の搬出用シャトルコンベア21により搬送されるようになっている。
エンドシールカッター装置20は、ヒートシーラー20a,20bが開いた状態から包装筒Hに対して被包装物と被包装物の間に位置するように包装筒Hの移送に同調して移動しつつ互いに近接移動して包装筒Hの高さ中央で噛み合って二条ヒートシールを行ない引き続き包装筒Hの移送に同調して移動しつつ一方のヒートシーラー20bに組み込まれたカッター20cが二条ヒートシールの中央をカットし、その後ヒートシーラー20a,20bが互いに離間して上流へ復帰移動するボックスモーションを行なうようになっている。
コンベア19,21がシャトルコンベア構造であるのは、エンドシールカッター装置20がボックスモーションタイプであることに対応しており、下側のヒートシーラー20aが上昇してくるとき隙間を空けて該隙間位置をヒートシーラー20aの移動に同調して変動し、エンドシール・カットが終了して下側のヒートシーラー20aが下降すると隙間を解消する。なお、エンドシールカッター装置は回転ヒートシール・カッタータイプであっても良い。
エンドシールカッター装置20に付随して一対のガセット形成用突き込み爪22a,22bが設けられている。該一対のガセット形成用突き込み爪22a,22bは、前記二条ヒートシールを施すときにヒートシーラー20a,20bの閉じ合わせ動作に先行してヒートシーラー20a,20bの包材移送方向両側の際の高さ中段に突き込んでガセット(マチ)を付ける。
【0011】
以上の工程により包装が完了する。切り離された包装体を90度回転させると、底面部の周縁にヒダが垂下して底面部を隠し安定した自立性を有しタイトな包装形態を感得しうるヒダ付き横ピロー包装体となる。図2は、ヒダ付き横ピロー包装体の単体についての包装工程を示す図である。
簡略説明すると、(a)に示すように、内面側がシーラントフィルムである包材に、袋の上下方向に対して直角方向に延びていて帯状に三枚重ねとなるように折り返して該折り返し部分の内面重なり面を溶着してなる外面側に垂れ下がるヒダhを設けてなるヒダ付き包材Fを用いる。 (b)に示すように、ヒダ付き包材Fを前面部、後面部、右側面部と左側面部を有する角筒状に折り曲げ、かつ後面部の中央で包材の両端縁を突き合わせてその内側に両面シーラントフィルムからなる三層の接続テープTを目張りするように配して包材の両端縁を接続テープTに対してヒートシールしてヒダ付き角筒とする。次いで、被包装品(図示しない)を収容してから(b)に示すヒダhより端部側部分23の両側面にガセットを入れつつボトムヒートシールを施し、同様に反対側の両側面にもガセットを入れつつトップヒートシールを施すと、(c)に示すように、ボトムヒートシール24とトップシール25を施してなるヒダ付きガセット付き横ピロー包装袋として完成する。(d)に示すように、90度回転してボトムヒートシール24を施した面を底面部にすると、ヒダhが一周にわたり垂下して底面部とボトムヒートシールを隠し安定した自立性を有する包装用袋となる。
【0012】
本願発明の周辺範囲について説明する。
上記実施の形態は逆ピロータイプの横型製袋充填包装を示しているが、正ピロータイプの横型製袋充填包装も含まれる。又、上記実施の形態は、予めヒダ付けをした原反を用いているが、インラインでヒダを付ける場合も含まれる。さらに、上記実施の形態は、包材の両端縁の内側に通す帯状の目貼りテープに対してヒートシールして角トンネル状の包装筒としているが、包材の両端縁が合掌型ヒートシールであるか、又は一方の端縁の外面に他方の端縁の内面を密着して接着する、いわゆる封筒張りシールである直接ヒートシール接続により角トンネル状の包装筒とする場合も含まれる。さらに、上記実施の形態は、ガセットを付ける例を示しているが、ガセットは付けなくとも、ヒダから下側部分をヒダの内側に隠すように折り畳めるので、ガセットは付けることは必須ではない。ヒダ幅(包材が連続する方向の重なり接着部分の長さ)が大きくても小さくてもどちらも適用できる。ヒダ幅が大きい原反を用いるときは、ヒダ幅の最大が、原則としてヒダの基端からエンドシールまでの長さを側面部の幅の半分に収めてこれより短くなるように決める。そうして、ヒダ幅が大きい原反を用いると、出来上がった横ピロー包装体はヒダの内側が空っぽの上げ底状態になるから多段に積み上げて棚に展示することが出来る。
【0013】
ヒダ付き包材Fは例えば以下のような積層フィルムからなる。
(1) OPP 20μm/接着剤/LLDPE 20μm ・・・・(外層/内層:シーラント)
(2) OPP 20μm/接着剤/一軸延伸または二軸延伸HDPE/接着剤/LLDPE・・・・(外層/中間層/内層:シーラント)
(3) OPP 20μm/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/LLDPE 20μm・・・・(外層/中間層/内層:シーラント)
(4) OPP(シリカ又はアルミナ蒸着層)/接着剤/一軸延伸または二軸延伸HDPE/接着剤/LLDPE 20μm・・・・(外層/中間層/内層:シーラント)
(5)PET20μm/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/OPP20μm/接着剤/LLDPE 20μm・・・・(外層/中間層/中間層/中間層/内層:シーラント)
(6) 紙/接着剤LLDPE 50μm・・・・(外層/内層:シーラント)
(7) PET 12μm/接着剤/LLDPE 20μm ・・・・(外層/内層:シーラント)
(8) AL 9μm/接着剤/LLDPE 70μm・・・・(外層/内層:シーラント)
(9) PET・SiOx 12μm/接着剤/LLDPE 100μm ・・・・(外層/内層:シーラント)
(10) CPP 5μm・OPP 30μm共押出し/接着剤/CPP 20μm ・・・・(外層/内層;内外面シーラント)
ヒダhをヒートシールにより形成するために、包材Fの構成は、上記の積層フィルムの例示から分かるように内面がシーラントフィルムとなっている。なお、包材Fはシーラントフィルム単体より構成されていても良い。
【0014】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本願発明のヒダ付き横ピロー包装体の製造方法は、ヒダ付き包材を用いて横形製袋充填包装を行なうものであり、横ピロー包装して包装が完了して切り離された包装体を90度回転させると、特にヒダとしての独立した外観を呈さず周面部と一平面を形成してタイトな包装形態を感じさせ、底面部の周縁にヒダが垂下して底面部を隠し安定した自立性を有しタイトな包装形態を感得しうるヒダ付き包装体を得ることができ、包装形態として美観に優れており、ヒダ部分の完全密封が確保され液体容器としても適する形態のヒダ付き横ピロー包装体を連続的に量産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかるヒダ付き横ピロー包装体を製造できる横形製袋充填包装装置の概略の全体斜視図を示す。
【図2】ヒダ付き横ピロー包装体の単体についての包装工程図である。
【符号の説明】
R・・・ヒダ付き包材の原反ロール、h・・・ヒダ、F・・・ヒダ付き包材、1・・・ガイドロール、2・・・包材繰り出しロール、3・・・ニップロール、4・・・ガイドロール、5・・・段差ロール、6・・・ガイドロール、7・・・蛇行矯正ロール、8・・・フォーマー、9・・・ガイド部材、10・・・アンビルプレート、11,12,13,14,15・・・ガイドロール、16・・・ヒートシールロール、T・・・接続テープ、17・・・搬入コンベア、17a・・・エンドレスチェーン、17b・・・搬送爪、17c・・・レーンテーブル、A・・・被包装品、H・・・包装筒、18・・・バキューム機能付き包材牽引用ベルトコンベア、19・・・搬送用シャトルコンベア、20・・・エンドシールカッター装置、20a,20b・・・ヒートシーラー、20c・・・カッター、21・・・搬出用シャトルコンベア、22a,22b・・・ガセット形成用突き込み爪、23・・・ヒダより端部側部分、24・・・ボトムヒートシール、25・・・トップヒートシール、
Claims (1)
- 包材の連続する方向に対して直角方向に延びるヒダであって折り返し部分の内面同士が接着され横倒されたヒダを有するヒダ付き包材をフォーマーに掛けて角筒状に曲成して包材の両端縁を直接ヒートシール接続するか又は包材の両端縁の内側に通す帯状の目貼りテープに対してヒートシールして角トンネル状の包装筒として連続移送するとともに、搬入コンベアにより被包装品をヒダとヒダとの間に位置するようにフォーマー内側に形成される前記包装筒内に送給し、次いで、フォーマーの下流側において包装筒の被包装品間位置に二条のヒートシーラにより二条のヒートシールを施すとともに二条のヒートシールの間に袋切り離しのカットを入れることを特徴とするヒダ付き横ピロー包装体の製造方法。
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