JP3891814B2 - 表面形状が変形する可動式人工壁の変形機構及び壁の固定方法 - Google Patents

表面形状が変形する可動式人工壁の変形機構及び壁の固定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フリークライミング等に使用される人工壁に関し、特にその壁面の形状を所望の形状に容易に変形させるための人工壁の変形機構、及び変形後の壁の固定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フリークライミングの対象として用いられる人工壁は、登はん用人工構造物、登はん用壁とも呼ばれ、その基本的な構造は、登る際の手がかり又は足がかりとなるホールドがコンクリート壁面に配置されるものであり、壁面は全高にわたって直壁であって、ホールドはランダムに配置されて壁面に固定された部材が用いられる場合が多い。
【0003】
人工壁の登はんをより興趣に富んだものにするために、ホールドに用いる部材の配置を変更したり、様々な部材を用いることが行われており、近年においては可動式の人工壁や、壁面に凹凸形状を形成したものが提案されている。
【0004】
特開平11−347170号には、室内などの狭い場所においても設置することができるフリークライミング用の人工壁が提案されており、表面に複数のホールドが固定された無端状のシャッタがフレームの上端部及び下端部において軸支され、前記シャッタは、駆動手段によって表面が下がるように回転可能とされ、かつ前記シャッタの表面がフリークライミング用の壁部を構成すると共に、前記フレームの傾斜角度を調節する角度調節手段が設けられており、前記シャッタの回転中に、前記角度調節手段によって前記フレームの角度を調節できるように構成されたものである。
【0005】
同様に無端形状のシャッタを回転させる構造を備える人工壁は米国特許第5,919,117号や、米国特許第5,549,195号及び米国特許第5,125,877号でも提案されている。米国特許第5,256,116号において示されるものは、複数の壁面を備える装置を回転させることによって複数の壁面を利用できるようにしたものであり、例えば6角柱の6つの面をそれぞれ登はん用の壁面として、6角柱の中心において回転可能にするようにして複数の壁面を利用できるようにしたものが提案されている。また特開平10−155961号には、実際の岩肌に似た形状、岩肌を備えたフリークライミング用人工壁が提案されており、所定形状の平面パネルと、複数種類の曲線パターンとを有する曲面パネルを組み合わせ、あらかじめ構築していた骨組構造のパネル支持金物に隙間なく取り付けることにより、前記骨組構造の周囲を覆う登はん用壁面を構成したものである。同様の凹凸を備えた人工壁は米国特許第5,254,058号でも提案されている。
【0006】
加えて壁面形状を変更する可動式の人工壁としては、正方形又は長方形のプレートを複数備えたものであって、前記プレートの辺において他のプレートと直列に接続して、傾斜を壁面の中途部において傾斜を変更するすることができるものがあった。
【0007】
従来表面が凹凸形状を有しかつ可動式の人工壁はなかったため、登はん訓練やトレーニングにおいて、自由度の高い高度の成果は得られなかった。即ち可動式の人工壁においては、登はんする面はほとんど平坦な直壁状であり、壁面の変化に関しては登はんする面の全体的な角度を変更することに限られており、壁面が固定であるために興趣はなく、繰り返し利用すると飽きてしまう欠点があった。ホールドの位置を変えることにより難易度を変化させることもできるが、トレーニングのバリエーションは非常に限られたものであった。また、壁面に凹凸形状を形成した人工壁においては、実際の岩肌を登るような感覚は得られるが、凹凸の形状やホールドの位置を変更するには非常に手間を要するものであった。従って、競技において直ちに凹凸形状を変更することは難しく、また競技中に凹凸形状を変更することもできなかった。また、複数のプレートを備えた可動式の人工壁においては、傾斜を壁面の中途部において傾斜を変更するすることはできても、人工壁の壁面に凹凸形状を形成することはできなかった。
【0008】
上述のような問題を解決するため、本出願人の先の出願に係る特願2000−245035にて、三角形または多角形のプレートを組み合わせて成る、壁面の形状を容易にかつ自由に変更することができるようにした人工壁が提案されているが、該人工壁を変形させる方法として、壁面の背後に、隣接する三角形パネル2つの互いに接する辺を回転軸とし、その回転をステップモーターなどの駆動機構で制御する方法が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる壁面の背後に駆動機構を搭載させる方式では、次のような問題がある。
【0010】
すなわち、駆動機構を搭載することによって人工壁自体の重さが約2倍(1〜2トン)と大きくなり、より大きなパワーが制御のために要求され、機構そのものがより大型になっていくという問題がある。
【0011】
また、変形時に、それぞれの三角形のパネルの変形が互いに他に影響を与えないように制御する方法が複雑である。そのためには、それぞれの駆動機構に互いの変形情報を伝えあって協調動作を行う必要があり、約80枚のパネルすべてが故障なく動作し続けなければならず、安定運用に困難さを伴うという問題もある。
【0012】
本発明は、かかる三角形または多角形のプレートを組み合わせて成る人工壁の壁面の形状を、所望の形状に容易に変形させるための人工壁の変形機構を提供することを目的とし、併せて、変形後の人工壁の固定方法を提供することをも目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、多角形の形状をしたプレートと前記プレートの辺を軸として枢軸接続する接続手段により多数接続した多数個のプレートからなり、前記プレートの少なくとも二辺のそれぞれ一辺の全辺には他のプレートの一辺の全辺が接続されており、前記プレートを多数接続して形成した多数個のプレートは、少なくとも1個の前記多角形のプレートの少なくとも1つの頂点の周囲について隙間無く接続された可動式人工壁の表面形状の変形機構であって、前記変形機構は、前記可動人工壁を構成する各プレートに少なくとも1本ずつ接続されて人工壁を懸架するワイヤと、前記各ワイヤにそれぞれ接続されたカウンタウェイトと、前記プレートとカウンタウェイトの間に配置され、プレートを引っ張る方向を反転させるための滑車と、前記カウンタウェイトの上下位置を制御するカウンタウェイト位置制御手段とを有することを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の表面形状が変形する可動式人工壁の変形機構において、特に、前記カウンタウェイト位置制御手段が、前記ワイヤを引っ張ったり緩めたりすることによってカウンタウェイトを上下に動かすモータと、前記各プレートの位置情報がそれに対応するカウンタウェイトの位置情報に変換されて格納されているデータベースを有し、該データベースのデータに基づいて前記モータを動かして前記カウンタウェイトの位置を制御する制御装置とで構成されていることを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、前記多角形のプレートを特に三角形のプレートとした場合の人工壁の変形機構である。
【0016】
さらに、請求項4に記載の発明に係る可動式人工壁は、請求項1乃至3のいずれかに記載された変形機構によって表面形状が変形することを特徴とするものである。
【0017】
次に、請求項5に記載の発明は、角形の形状をしたプレートと前記プレートの辺を軸として枢軸接続する接続手段により多数接続した多数個のプレートからなり、前記プレートの少なくとも二辺のそれぞれ一辺の全辺には他のプレートの一辺の全辺が接続されており、前記プレートを多数接続して形成した多数個のプレートは、少なくとも1個の前記角形のプレートの少なくとも1つの頂点の周囲について隙間無く接続された可動式人工壁を固定する方法であって、該方法は、前記人工壁の外周の三角形プレートの頂点を固定部材によって支柱に固定するものであり、かつ、前記人工壁を構成する外周の三角形プレートの頂点のうち、他のプレートと接合していない単独の頂点を全部と、複数のプレートの頂点が重なる接合点においては、2個の頂点が重なる箇所は全部、3個の頂点が重なる箇所は全部か若しくは1箇所おきに固定することを特徴とするものである。
【0019】
また、請求項に記載の発明に係る可動式人工壁の固定方法は、請求項に記載の可動式人工壁の固定方法において、さらに、人工壁を構成する外周のプレートの縦の頂点の列から壁の内部に向かって2列目ごとに、その列に属する頂点の全部若しくは1箇所おきに固定することを特徴とするものである。これによって安定性の良い人工壁が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の表面形状が変形する人工壁の変形機構についての発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0021】
図1は本発明にかかる変形機構を採用した人工壁の一例における全体構成の模式図を示しており、人工壁を正面から見た図である。図中、人工壁10は複数枚の正三角形のプレート11(黒で表示)が互いに辺で接している他のプレート(白で表示)と、ヒンジ12によって各辺を軸として枢軸接続されて構成されている。
【0022】
人工壁10は後述する変形機構によって凹凸形状を変化させることができ、該変形機構によって形状、位置が調整された後に、固定部材21によって支柱20に固定される。ワイヤ30は人工壁の表面の凹凸形状を変化させたり、壁全体の傾斜、位置を調整するためのものである。
【0023】
図2は本発明に係る人工壁を側面(図1のX方向)から見た模式図である。
【0024】
人工壁10を構成している前記各プレート11にはワイヤ30が接続され、該ワイヤ30は滑車40を介してカウンターウェイト50に接続され、さらには定トルクモータ60に接続されている。該定トルクモータ60は制御装置100に接続され、人工壁10の形状を所定の制御プログラムによって変化させることができるように構成されている。制御装置100には、汎用のパーソナルコンピュータ(パソコン)が使用可能である。なお、本明細書において使用する「ワイヤ」の語には、それらを複数本撚り合わせた「ロープ」の意も含むものとする。
【0025】
図3は本発明に係る人工壁を上面(図1のY方向)から見た模式図である。
【0026】
尚、本実施例では、正三角形のプレート11が示されているが、形状は正三角形に限定されるものではなく、プレートの少なくとも二辺のそれぞれの一辺の全辺に他のプレートの全辺が接続されてあり、プレートを多数接続した多数個のプレートが、少なくとも1個の多角形のプレートの少なくとも1つの頂点の周囲について隙間無く接続されたものであれば、三角形(例えば、正三角形、二等辺三角形、直角三角形、直角二等辺三角形、その他の三角形)であっても四角形以上の多角形(正方形、長方形、ひし形、正方形及び長方形及びひし形を除くその他の4角形、5角形、6角形、7角形、8角形、9角形、10角形等)のプレートであってもよい。さらには、上記の多角形のプレートを隙間無く組み合わせて形成した人工壁の辺縁にあっては、直線状でなくてもよく、曲線状であってもよい。
【0027】
加えて三角形のプレートであっても、四角形以上の多角形のプレートであっても、一部に曲線を有するプレートであっても、辺縁において直線部分を有しプレートの辺において接する他のプレートと直線部分を軸として枢軸的に接続する接続手段を有するものであれば可動式の人工壁を構成することはできる。
【0028】
図4は本発明に係る人工壁の変形機構の原理を示した図であり、この図を参照しつつ説明する。
【0029】
図4(A)中、プレート11aに駆動点13aで接続されたワイヤ30aを矢印の方向(上方向)に引っ張り上げると、プレート11aはヒンジABを軸として矢印方向に回転し、ABはいわゆる「谷折り」状態となる。すなわち、プレート11a、11b、11cがすべて同一平面上にある初期状態から、辺ABが凹んだ状態になる。このような状態を折り紙の分野では「谷折り」と称しているが、本明細書においては、これに倣い、プレートの凹凸状態を折り紙の用語を用いて説明する。
【0030】
また、このとき、プレート11aは辺BCの中点に近い駆動点13aで引っ張られ、かつ、プレート11bは自重によりバランスしているから、辺BCはヒンジにより「山折り」状態(谷折りの逆)となる。なお、このとき、プレート11bはヒンジBCにおいてプレート11aと繋がっているから、プレート11aが持ち上げられると、それに付随してプレート11bも一緒に少し持ち上げられる。すると、ワイヤ30bに接続されたカウンタウェイトは自重で下がり、ワイヤ30bは少したるむことになるが、図4(B)に示したように、ワイヤ30bは定トルクモータ60bにより常に軽く引っ張られているため、たるみは吸収され、常にピンと張った状態に戻される。このようにしてバランスが保たれている。
【0031】
同様に、プレート11cに接続されたワイヤ30cが矢印方向(上方向)に引っ張り上げられると、辺AEは「谷折り」状態、辺ABは「山折り」状態となる。
【0032】
これとは逆に、プレート11bにおいて、ワイヤ30bを緩めるとプレート11bは自重により、ヒンジBCを軸として矢印方向に回転し、辺BCは出っ張った状態、すなわち「山折り」状態になる。
【0033】
このようにして、各ワイヤを引っ張ったり緩めたりすることにより、隣り合うプレートとの間を「谷折り」もしくは「山折り」状態にして、人工壁10に凹凸形状を形成させるのである。
【0034】
なお、プレート11aにおいて、駆動点13aを辺BCのほぼ中点にしているのは以下の理由による。(プレート11b、11cにおいて、駆動点をそれぞれ辺CD、ABのほぼ中点にしているのも同じ理由である。)
すなわち、プレート11aを回転させるときに、同じ駆動力で最大の回転モーメントを発生させるためには、回転軸から最も遠いところに駆動点を設けることになる。そのため、回転軸とは対頂となる頂点が最小の駆動力で最大の回転モーメントを発生させられる点となる。回転軸をABとすれば、対する頂点はCとなるが、回転軸をACとすれば、対する頂点はBとなる。従って、上方向、横方向の双方の動きを考慮すれば、BとCの中点が適切となる。
【0035】
また、駆動力としてワイヤによる上方向への引っ張り力のほかに、プレートの自重により下方向へ引っ張られる力があるが、重力はプレートの重心にかかると仮想的に考えられるため、下方向へ回転させるときには重心位置より下方にプレートを支える支点が必要となる。このためにも下方向の回転軸となる辺BCの中点付近が下方向の回転のためにも効率的である。
【0036】
以上のことより、プレート11aをすべての回転軸に沿って上下、左右に回転させるためには、辺BCの中点付近にワイヤの支点(駆動点)があることが、少ない駆動力で最大の回転モーメントを発生でき、滑らかな変形を促すことができる。
【0037】
図4(B)は人工壁の凹凸形状を決定するカウンタウェイトの位置を制御する機構を図示したものである。
【0038】
プレート11に接続されたワイヤ30は滑車40を介してカウンタウェイト50に接続され、さらにはワイヤ30は一定のトルクで引っ張る定トルクモータ60に接続されている。カウンタウェイト50の重さは1枚のプレート11の自重よりもわずかに軽く設定されており、定トルクモータで軽く引っ張ってバランスをとっている。
【0039】
ワイヤ30を引っ張り上げてプレートを持ち上げるときは、定トルクモータ60のトルクを少し上げ、プレートを下げるときはモータ60のトルクを下げてワイヤ30を緩ませて、プレートの自重によってプレートを下げるようになっている。
【0040】
さらに、定トルクモータ60には(図示しない)ワイヤ長検出手段が設けられており、ワイヤ長を電気信号として取り出すことができるようになっている。
【0041】
ここで、ワイヤ長の変化を検出するのは、カウンタウェイト位置の変化はワイヤ30の長さの変化としてとらえることができるからである。ワイヤ長検出手段としては、例えばポテンショメータが利用できる。
【0042】
またさらに、定トルクモータ60は制御装置100(例えばパソコン)に接続され、所望の凹凸形状になるようにワイヤ30の長さが制御される。
【0043】
このような構成において、どのようして所望の人工壁の凹凸形状が形成されるのかを説明する。
【0044】
まず始めに、目的とする凹凸形状に対応した各プレートごとのカウンタウェイトの位置情報のデータを、予め制御装置100の記憶装置に格納しておく。凹凸形状に対応したカウンタウェイトの位置情報のデータは、目的とする凹凸形状の各プレートの頂点の座標から計算によって求めたり、人工壁10の相似模型(マスター模型)を作っておき、それを所望の形に凹凸変形させ、それに取り付けられた角度センサ、位置センサ、またはそれを撮した画像から画像処理によって各頂点の座標を求め、それをもとにしてカウンタウェイトの位置を計算することも可能である。さらには、実際の岩場の3Dデータや画像データから各頂点の座標を求め、そこから必要なカウンタウェイトの位置を算出することも可能である。
【0045】
以上は各頂点の座標からカウンタウェイトの位置を算出する場合を述べたが、隣り合うプレートの連結角度(例えば図9におけるθ)からカウンタウェイトの位置を計算することもできる。
【0046】
次に、定トルクモータ60のワイヤ長検出手段から読み込んだ現在のワイヤ長値から変換したカウンタウェイトの現在位置情報と、目的とする凹凸形状に対応したカウンタウェイトの位置情報とを各プレートごとに比較し、現在のカウンタウェイトの位置が低いときは定トルクモータ60のトルクを下げ、プレートの自重によってプレートを下げることによってカウンタウェイトの位置を上げ、現在のカウンタウェイトの位置の方が高いときはモータのトルクを上げ、ワイヤを巻き上げることによりカウンタウェイトの位置を下げる。
【0047】
このようにして、各カウンタウェイトの位置が所定の位置になるように、制御装置100がカウンタウェイトの位置の制御を行う。その結果、カウンタウェイトが所定の位置におさまり、人工壁10を所望の凹凸形状に変形させることができる。
【0048】
図5は本発明に係る変形機構を採用した表面形状が変形する人工壁の実施例であり、1辺が1.2mの正三角形のプレートを1列20枚、4列で計80枚使用したものである。ワイヤの本数は、最上段の4枚のプレートのみ各2本ずつ使用されているので、計84本となっている。ワイヤ1本に対して定トルクモータが1台使用されているので、モータは計84台使用されている。
【0049】
なお、最上段のプレートには駆動点が2個ずつついているが、このうち上の駆動点は凹凸を変化させるためのものではなく、人工壁10全体の傾斜・上下位置を変化させるために使用されるものである。図2に示すように、人工壁は傾いており、この傾きを変えることにより登はんの難易度を調整することが可能となる。
【0050】
以上のようにして、人工壁の凹凸形状、上下位置、傾きを変化させた後に、この状態を保持させるために、図1に示すように、固定部材21によって、支柱20に人工壁10全体を固定する。このように固定しないと、人間が登はんしたときに人間の体重によって形状が変化したり、壁が下がったりするからである。
【0051】
図6は、人工壁外周の頂点を固定する方法であり、全部で25箇所で固定する。その内訳は、単独のプレートの頂点(図6のイ)が2箇所、2枚のプレートの接合点(図6のロ)が5箇所、3枚のプレートの接合点(図6のハ)が18箇所である。これは壁の周辺部にしか固定する場所がない場合にとられる方法である。
【0052】
また、図7は3枚のプレートの接合点を1箇所おきに固定した場合であり、これでも図6の場合と同じ効果が得られる。なぜならば、図6において、例えば固定部材A、B、Cで固定した状態から、固定部材Bを除去したとしても、固定部材A、Cによって固定されているため、その間にある固定部材Bによって固定されていた点は動くことはできず、実質的には固定部材Bによって固定されているのと同じ効果を持つからである。固定箇所は全部で15箇所になる。
【0053】
以上は、理論的な場合であって、現実には固定部材は完全な剛体ではないので、補助的に人工壁の中間部分にも固定する必要が生ずる場合がある。図8は人工壁の中間部分にも固定箇所を設けた場合を示したものである。図8において、外周から2列目に固定箇所を設けたのは、上述のように、1箇所おきに固定しても同じ効果が得られるからである。また、2列目において1個おきに固定箇所を設けてあるのも、同じ理由からである。なお、2列目においてすべての接合点において固定してもよいことは言うまでもない。
【0054】
図10は本発明に係る変形機構を採用した人工壁の実験モデルの写真であり、プレートに繋がれた糸を上下させることにより、人工壁の凹凸を変形させることができることを確認した。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、プレート自体に駆動機構を設ける必要がないので、壁全体の重量を軽くすることができ、変形に要する力も小さくて済むという効果がある。
【0056】
また、コンピュータにより自動制御されるので、同じ凹凸形状を再現させることも容易に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる変形機構を採用した人工壁の一例における全体構成の模式図である。
【図2】本発明に係る人工壁を側面(図1のX方向)から見た模式図である。
【図3】本発明に係る人工壁を上面(図1のY方向)から見た模式図である。
【図4】本発明に係る人工壁の変形機構の原理を示した図である。
【図5】本発明に係る変形機構を採用した表面形状が変形する人工壁の実施例である。
【図6】人工壁外周のすべての頂点(凹部を除く)において固定した場合を示す図である。
【図7】3枚の三角プレートの接合点における固定を1箇所おきにした場合の図である。
【図8】人工壁の中間部分にも固定箇所を設けた場合を示す図である
【図9】隣り合うプレートの連結角度を説明した図である。
【図10】本発明に係る変形機構を採用した人工壁の実験モデルの写真である。
【符号の説明】
10 人工壁
11 プレート
12 ヒンジ
13 駆動点
20 支柱
21 固定部材
30 ワイヤ
40 滑車
50 カウンタウェイト
60 定トルクモータ
100 制御装置

Claims (6)

  1. 多角形の形状をしたプレートと前記プレートの辺を軸として枢軸接続する接続手段により多数接続した多数個のプレートからなり、前記プレートの少なくとも二辺のそれぞれ一辺の全辺には他のプレートの一辺の全辺が接続されており、前記プレートを多数接続して形成した多数個のプレートは、少なくとも1個の前記多角形のプレートの少なくとも1つの頂点の周囲について隙間無く接続された可動式人工壁の表面形状の変形機構であって、前記変形機構は、前記可動人工壁を構成する各プレートに少なくとも1本ずつ接続されて人工壁を懸架するワイヤと、前記各ワイヤにそれぞれ接続されたカウンタウェイトと、前記プレートとカウンタウェイトの間に配置され、プレートを引っ張る方向を反転させるための滑車と、前記カウンタウェイトの上下位置を制御するカウンタウェイト位置制御手段とを有することを特徴とする表面形状が変形する可動式人工壁の変形機構。
  2. 前記カウンタウェイト位置制御手段が、前記ワイヤを引っ張ったり緩めたりすることによってカウンタウェイトを上下に動かすモータと、前記各プレートの位置情報がそれに対応するカウンタウェイトの位置情報に変換されて格納されているデータベースを有し、該データベースのデータに基づいて前記モータを動かして前記カウンタウェイトの位置を制御する制御装置とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の表面形状が変形する可動式人工壁の変形機構。
  3. 前記多角形のプレートが三角形のプレートである請求項1又は2に記載の表面形状が変形する可動式人工壁の変形機構。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された変形機構によって表面形状が変形することを特徴とする可動式人工壁。
  5. 角形の形状をしたプレートと前記プレートの辺を軸として枢軸接続する接続手段により多数接続した多数個のプレートからなり、前記プレートの少なくとも二辺のそれぞれ一辺の全辺には他のプレートの一辺の全辺が接続されており、前記プレートを多数接続して形成した多数個のプレートは、少なくとも1個の前記角形のプレートの少なくとも1つの頂点の周囲について隙間無く接続された可動式人工壁を固定する方法であって、該方法は、
    前記人工壁の外周の三角形プレートの頂点を固定部材によって支柱に固定するものであり、かつ、前記人工壁を構成する外周の三角形プレートの頂点のうち、他のプレートと接合していない単独の頂点を全部と、複数のプレートの頂点が重なる接合点においては、2個の頂点が重なる箇所は全部、3個の頂点が重なる箇所は全部か若しくは1箇所おきに固定することを特徴とする可動式人工壁の固定方法。
  6. 請求項に記載の可動式人工壁の固定方法において、さらに、人工壁を構成する外周のプレートの縦の頂点の列から壁の内部に向かって2列目ごとに、その列に属する頂点の全部若しくは1箇所おきに固定することを特徴とする可動式人工壁の固定方法。
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