JP3890883B2 - エネルギー分散型x線検出装置及びこれを用いた走査型電子顕微鏡及び電子線マイクロアナライザー - Google Patents

エネルギー分散型x線検出装置及びこれを用いた走査型電子顕微鏡及び電子線マイクロアナライザー Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料表面から発生する特性X線を検出することで、試料の元素分析を行うエネルギー分散型X線検出装置に係わり、特に、蛍光X線装置や電子線マイクロアナライザーなどに用いられる半導体X線検出素子を保持する先端部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子線を試料の表面に照射すると電子と物質との相互作用の結果、特性X線、反射電子、あるいは二次電子などの量子を発生する。これらの量子は試料の性質を示す情報の媒体である。その中で主に特性X線を検出して試料の微小領域を非破壊で元素分析する装置に電子線マイクロアナライザー(EPMA)がある。
EPMAは、電子照射系、試料ステージ、X線分光器、電子走査装置、コンピュータ制御装置とデータ処理系から構成されている。電子線を扱う部分は照射系あるいは鏡筒と呼ばれ、約10−3〜10−4Pa程度の真空に保たれ、電子線は、フィラメント、ウェネルト円筒、陽極からなる電子銃から放射され、通常1〜50kVの電圧で加速される。この電子線は集束レンズ及び対物レンズの電磁レンズ作用で細く絞られ(電子プローブ)、試料室内の試料に照射される。試料上での電子線は、直径40Å〜1μm程度になるが、分析目的に応じ径100μm以上に電磁レンズの励磁を変えて調整できる。試料上の目的とする任意の分析場所に電子プローブを照射するため、試料は、水平動、上下動、回転などの移動機構を備えた試料ステージに装着される。分析位置は、通常、照射系内(又は試料室内)に組み込まれた電子走査装置でブラウン管上の走査像を観察して決められる。
電子プローブで照射された試料表面から発生するX線には、試料を構成する元素に固有の波長をもつ特性X線が含まれている。特性X線の波長λは、原子番号と次式Moseleyの法則で結びつけられている。
λ=C/(Z−σ)、Z:原子番号、C、σ:定数
λをX線分光器で測定すれば、Zを知ることができ、従って試料を構成する元素が分かる。また、X線のエネルギーEはλ(Å)とE(KeV)≒12.4/λの関係があるので、エネルギーの値より元素を知ることができる。X線分光器には、波長分散形分光器(WDS)と半導体検出器で直接X線エネルギーを検出するエネルギー分散形分光器(EDS)がある。ここでは後者のEDSについて説明する。
EDSでは半導体検出器に入ったX線は、そのエネルギーに比例した数の電子―正孔対を半導体中につくり、電気信号を発生させる。この電気信号の大きさを多重波高分析器で識別することにより、X線のエネルギー値Eを知り試料構成元素を検出することができる。
【0003】
図4にエネルギー分散型X線検出装置の構造を示す。電子銃20からの電子ビームが試料21に照射され、試料21から特性X線が発せられる。通常半導体X線検出素子1は、エンドキャップ24と呼ばれる円筒形の肉厚の薄い部材に収められ、エンドキャップ24とコールドフィンガ7との間は真空状態に保たれる。そして、半導体X線検出素子1は、測定性能を向上させるために、コールドフィンガ7の先端に取り付けられて、デュア35に貯められた液体窒素でその温度近くまで冷却される。そして、試料21から発せられた特性X線は、コリメータ22の穴を通り、極めて薄い部材で作られたX線入射窓23を透過して素子ホルダ4内に備えられた半導体X線検出素子1で検出される。コリメータ22は穴径の異なる穴が複数個設けられ、特性X線の強度に応じて選択設定される。コリメータ22は支持シャフト26により保持されている。そして、支持シャフト26はOリング28によって筐体29内部の真空と外気の大気圧とを遮断している。そしてベースブロック30に設けられたOリング28と支持ブロック25に支えられ、先端に取り付けられているコリメータ22を駆動レバー32で回転し、コリメータ穴を選択設定している。一方、半導体X線検出素子1を内蔵する円筒形のエンドキャップ24は、X線感度を調整できるようにするため、試料21と半導体X線検出素子1との距離を調整できるように、エンドキャップ24の他端に取り付けられた検出器本体ブロック34がレール31に固定され、ハンドル33を回すことにより前後に駆動される。そして、エンドキャップ24は、Oリング27によって筐体29内部の真空と外気の大気圧とを遮断している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のエネルギー分散型X線検出装置は、以上のように構成されているが、半導体X線検出素子1の性能を維持するため、液体窒素を貯めたデュア35からの液体窒素冷却を必要とし、この液体窒素をデュア35からコールドフィンガ7と呼ばれる部材に送って、先端部の素子ホルダ4内に備えられた半導体X線検出素子1を冷却し、コールドフィンガ7が先端部を支持している。
このとき、検出効率を高めるために、半導体X線検出素子1を試料21にできるだけ近づける必要があるため、このコールドフィンガ7とそれを内蔵したエンドギャップ24はその長さを長くとる必要がある。
一方、その電気的雑音を少なくするため、半導体X線検出素子1にできるだけ近い位置のフィンガ本体6内に、初段信号増幅のためのFET11が設けられている。
従って、半導体X線検出素子1および初段のFET11は、長いコールドフィンガ7の先端に備えられることになり、その半導体X線検出素子1やFET11の保持方法によっては、それらが極めて振動に対して弱くなる構造になる。そのため、これらの部材の固定方法が複雑化し、部品点数が多くなり、加工条件も厳しくなるため、コストがかさんでしまうという問題がある。
一方、一般的に、初段のFET11が最も低雑音の特性を示す温度は、液体窒素温度で冷却されているコールドフィンガ7の温度よりも数十度程度高いことが知られている。従って、この初段のFET11に備えられたヒータの温度を最適化することでFET11の雑音特性を向上させ、高分解能のエネルギー分散型X線検出装置が可能となる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、従来の構造より耐振動性にすぐれ、かつ低コストを実現し、さらにFETのヒータ温度を最適化することにより低雑音高分解能の検出器先端部の構造を有するエネルギー分散型X線検出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のエネルギー分散型X線検出装置は、電子ビームやX線などを試料に照射して、試料表面から発生する特性X線を検出して元素分析を行うエネルギー分散型X線検出装置において、金属素材によって製作され、半導体X線検出素子を収納し円筒状のめねじを設けた素子ホルダと、金属素材によって製作され、前記半導体X線検出素子からの信号を増幅するための初段FETを有する基板を収納し冷却機構を有しておねじを設けたフィンガ本体とを備え、前記めねじと前記おねじによって素子ホルダとフィンガ本体を締結し前記半導体X線検出素子を固定するように構成したものである。
【0007】
さらに、本発明のエネルギー分散型X線検出装置は、請求項1記載のエネルギー分散型X線検出装置において、半導体X線検出素子を収める前記素子ホルダを熱膨張係数の大きい金属素材によって製作し、一方、初段FETを有する基板を収めた前記フィンガ本体を前記素子ホルダに比べて熱膨張係数の小さい金属素材によって製作したものである。
【0008】
そして、本発明のエネルギー分散型X線検出装置は、電子ビームやX線などを試料に照射して、試料表面から発生する特性X線を検出して元素分析を行うエネルギー分散型X線検出装置において、半導体X線検出素子を収納し円筒状のめねじを設けた素子ホルダと、前記半導体X線検出素子からの信号を増幅するための初段FETを有する基板を収納し冷却機構を有しておねじを設けたフィンガ本体とを備え、前記めねじと前記おねじによって素子ホルダとフィンガ本体を締結し前記半導体X線検出素子を固定するように構成したことを特徴とするエネルギー分散型X線検出装置において、半導体X線検出素子の電極に電圧を供給するための高電圧配線を前記素子ホルダに通すことができるように前記素子ホルダにスリット状開口部を設けたものである。
【0010】
さらに、請求項に記載された発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載されたエネルギー分散型X線検出装置を備えた走査型電子顕微鏡または電子線マイクロアナライザーである。
【0011】
本発明のエネルギー分散型X線検出装置は、上記のように構成されており、金属素材によって製作され、半導体X線検出素子を収納し円筒状のめねじを設けた素子ホルダと、金属素材によって製作され、前記半導体X線検出素子からの信号を増幅するための初段FETを有する基板を収納し冷却機構を有しておねじを設けたフィンガ本体とをねじによって締結し、半導体X線検出素子を固定するように構成し、さらに、半導体X線検出素子を収める素子ホルダを熱膨張係数の大きい金属素材によって製作し、一方、初段FETを有する基板を収めた前記フィンガ本体を前記素子ホルダに比べて熱膨張係数の小さい金属素材によって製作し、そして、半導体X線検出素子の電極に電圧を供給するための高電圧配線を前記素子ホルダに通すことができるようにスリット状開口部を備えている。そのため、半導体X線検出素子を備えた素子ホルダとよばれる部材と、FETを設けた基板を接着した主要構成材であるフィンガ本体とよばれる部材とを締結する構造にし、これら2つの熱膨張係数の異なる部材で製作することにより、FETを設けた基板に直接半導体X線検出素子を押し当て接触固定することで、従来からのばねによる半導体X線検出素子を固定する方法に特有の耐振動特性を改善し、ばね成分を無くし、耐振動特性を向上させることができる。さらに、主要構成材であるフィンガ本体に、半導体X線検出素子を収めた素子ホルダを直接ねじによって締結することにより、固定方法を簡素化し、部品点数を減らし、低コストなフィンガ本体の構造を実現することができる。さらに、このシンプルな構造は素子への熱伝導を良くし、素子の冷却を促し、より高分解能を得ることができるようになる。この際、素子ホルダを締結するにあたり、高電圧印加用の高電圧配線が、締結によりねじれることがあったが、スリット状開口部を素子ホルダに開けることにより、高電圧配線のねじれのない構造とすることができる。そのことにより、配線がひろう雑音を極力少なくすることが可能となり、高分解能型のエネルギー分散型X線検出装置を実現することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のエネルギー分散型X線検出装置の一実施例を図1、図2を参照しながら説明する。図1は本発明のエネルギー分散型X線検出装置の半導体X線検出素子1を収納した素子ホルダ4とフィンガ本体6の先端内部の検出部の構造展開図を示し、図2はその断面図を示す。
本エネルギー分散型X線検出装置は、従来の装置と比べて、コールドフィンガ7の先端に装着されたフィンガ本体6と素子ホルダ4で締結された検出部の内部構造が異なり、図1及び図2に示す構造をしている。他の各部の構成は図4に示すものと同じである。
【0013】
本装置は、コールドフィンガ7の先端に装着されデュア35に貯められた液体窒素でその温度近くまで冷却され、肉厚の薄い円筒状の真空にされたエンドキャップ24に内蔵されて、素子ホルダ4とフィンガ本体6が締結され内部に半導体X線検出素子1と基板5上にFET11とヒータ抵抗12を設けた検出部と、その検出部を前後させるレール31、ハンドル33と、支持シャフト26の先端に装着されたコリメータ22と、そのコリメータ22の穴を選択するための駆動レバー32と、エンドキャップ24と支持シャフト26を渡設する支持ブロック25とから構成されている。
【0014】
本装置の検出部は、前面に特性X線を入射させる検出口15の穴を有し、円筒状の円周部に高電圧配線8を通すスリット状開口部10が設けられ、反対側の開口部にめねじが加工された素子ホルダ4と、内部に電極2と半導体X線検出素子1を収める円筒状の絶縁体3と、特性X線を検知する半導体X線検出素子1と、それに高電圧を印加するための高電圧配線8及び電極2と、先端部とデュア35を熱的に接続することで半導体X線検出素子1を冷却し保持するコールドフィンガ7と、内部に基板5を装着し円筒状の一端の外周におねじ14を加工し素子ホルダ4とおねじ14によって締結する銅などの熱伝導性の良い素材で作られたフィンガ本体6と、半導体X線検出素子1からの信号を初段増幅するためのFET11とそのFET11のゲートに接続されたゲート電極13とそのFET11の動作温度をコントロールするヒータ抵抗12とを搭載し外部との信号の送受をするFET配線9とを備えた基板5とから構成されている。
【0015】
エンドキャップ24は、試料21が筐体29の試料室にセットされており、筐体29に取り付ける取付フランジから試料21までの距離が長いため、挿入するエンドキャップ24の長さも長くなる。軽量にするためにも、その肉厚は薄く円筒状に作られ、内部を真空にして、冷却された半導体X線検出素子1とコールドフィンガ7が内蔵されている。そして、筐体29内側では、先端に特性X線を透過する薄いX線入射窓23を有し、筐体29外部の他端は検出器本体ブロック34に装着されている。そして、真空の筐体29内側と筐体29外側をOリング27でシールしている。検出器本体ブロック34はレール31に固定され、ハンドル33を回すことによりエンドキャップ24が前後する。それにより半導体X線検出素子1が試料21に近づいたり遠ざかったりする。
【0016】
半導体X線検出素子1は、入射した特性X線がそのエネルギーに比例した数の電子―正孔対を半導体中につくり、電気信号を発生させるもので、Si(Li)結晶が使われ、X線測定時は、性能を上げる(熱雑音を下げる)ために液体窒素を用いて冷却される。本装置では液体窒素をデュア35に貯め、真空にされたエンドキャップ24内に、コールドフィンガ7の部材で先端に装着された半導体X線検出素子1を液体窒素温度近くに冷却している。先端部の半導体X線検出素子1が収められている素子ホルダ4とフィンガ本体6は、コールドフィンガ7によって支持され、液体窒素のデュア35につながっており、X線検出時は、FETの熱雑音をおさえるため、液体窒素温度近くにまで冷却されて使用される。
そして、高電圧配線8が素子ホルダ4に設けられたスリット状開口部10を通り、さらに、絶縁体3を通って電極2に接続され、半導体X線検出素子1に高電圧が印加される構造であり、その半導体X線検出素子1は、外部と絶縁するために、例えばBN(窒化ボロン)などで作られる絶縁体3に電極2と共に入れられ素子ホルダ4に収められる。そして、めねじが加工された素子ホルダ4とおねじ14が加工されたフィンガ本体6とを締結する時に、半導体X線検出素子1は、電極2とゲート電極13の間に挟まれて、半導体X線検出素子1の出力端と基板5に設けられたゲート電極13が電気的に接触固定される。それによって、半導体X線検出素子1の出力信号は、基板5に設けられたゲート電極13によってFET11からその信号が取り出される。
【0017】
基板5は、半導体X線検出素子1からの信号を初段増幅するためのFET11のチップと、それを加熱するヒータ抵抗12が備えられ、FET11のゲート端子が基板5の端面に設けられたゲート電極13に電気的に接続され、FET配線9によって後段のプリアンプ(図示せず)に接続される。FET11のチップは基板5に設けられたヒータ抵抗12によって動作時の温度が制御され、暖められる構造をしている。そして、基板5は、フィンガ本体6に加工された取付け位置に接着剤によって固定される。
【0018】
次に、本装置の特徴を請求項にそって説明する。請求項1では、基板5と素子ホルダ4の間に半導体X線検出素子1を配し、基板5に設けられたゲート電極13に直接半導体X線検出素子1をあて、金属素材によって製作され、めねじを備えた素子ホルダ4を、金属素材によって製作され、おねじを備えたフィンガ本体6に直接締結する構造によって、半導体X線検出素子1を固定することを特徴としており、このような簡単な構造をとることで、部品点数を少なくし、製作コストを小さくしたことを特徴とする。また、このことで、フィンガ本体6と半導体X線検出素子1の熱伝導を良くし、半導体X線検出素子1の冷却をより促すことができるようになるため、高分解能の測定を行うには有利となる。本装置では、基板5とフィンガ本体6の接着、及び素子ホルダ4とフィンガ本体6の締結によって、ばね成分のない構造をとっている。このばね成分を持たない構造をとることにより、耐振動特性は格段に向上することができる。
【0019】
各部材は、液体窒素温度にまで冷却されるために熱収縮を起こす。このため、従来の構造は、半導体X線検出素子1とゲート電極13の間にばねを入れたり、あるいは、基板5を接着せずに基板5とフィンガ本体6との間にばねを入れるなどして、各部材が熱収縮を起こしても、半導体X線検出素子1とゲート電極13の電気的接触を保てるようにする構造をとることが一般的であった。しかしながら、ばね成分を持つ構造においては、耐振動特性が劣り、振動に弱い検出部となってしまう。
【0020】
請求項2では、素子ホルダ4は、例えば、アルミニウムなどの熱膨張係数が大きい部材を用い、一方、フィンガ本体6は素子ホルダ4に比較して熱膨張係数が小さい、例えば、銅、真鍮などの部材を用いる。これにより液体窒素に冷却された場合、熱収縮率が大きい素子ホルダ4の方がフィンガ本体6より縮むことで、半導体X線検出素子1を固定する方向に働き、液体窒素温度でも半導体X線検出素子1及び絶縁材3は、金属にくらべて熱収縮率は無視できるほど小さいので、ゲート電極13と半導体X線検出素子1との電気的コンタクトを損なうことがない。
【0021】
請求項3では、素子ホルダ4をフィンガ本体6に締結する場合、電極2に高電圧を供給する高電圧配線8がねじれてしまったり、不用意に長い配線となることは、雑音を拾う一つの原因になる。そこで、本装置においては高電圧配線8を通すために設けられた素子ホルダ4の配線導入口を、スリット状にしたスリット状開口部10を備えたことを特徴とする。この配線導入口が従来のような単に穴だけであると、締結後の素子ホルダ4の向きと、配線先のコネクタ(図示せず)などの向きとが、最大180°違うことが発生する。この時、コールドフィンガ7の半周分のねじれが高電圧配線8に生じることになる。本装置では、この開口をスリット状としたことで、締結後の向きが何れの方向であっても、高電圧配線8が通る向きを配線先のコネクタの向きにあわせることができるため、常に、真っ直ぐな最短での配線路をとることができる。従って、高電圧配線8のねじれなどによる雑音を極力押さえることができる。
【0022】
次に、本装置の操作の一例を説明する。まず、試料21を試料ステージに載せ、試料室の所定の場所にセットし、筐体29内部を真空にする。電子銃20からの走査電子で試料表面の状態をモニタで観察し、分析する位置を決める。決めた位置を試料ステージを動かして、分析ターゲット位置にセットする。先端に備えられた半導体X線検出素子1が正常に冷却されているかを確認し、さらに、フィンガ本体6内に設けられた基板5上に搭載されたFET11を暖めるヒータ抵抗12に最適な電圧が印加されていることを確認し(自動設定の場合不要)、そして、電子銃20から電子ビームを試料21にあて、そこから特性X線を発生させる。まず、ハンドル33を回して、半導体X線検出素子1を内蔵したエンドキャップ24を試料21に近づける。そして、駆動レバー32を回して、コリメータ22のコリメータ穴を選択する。試料21から発生する特性X線の強度によって測定可能なレベルに設定して測定する。その電気信号を多重波高分析器にかけてエネルギースペクトルを得る。
【0023】
【発明の効果】
本発明のエネルギー分散型X線検出装置は上記のように構成されており、金属素材によって製作され、半導体X線検出素子を収納した素子ホルダと、金属素材によって製作され、初段FETを有する基板を収納したフィンガ本体とをねじによって締結して、半導体X線検出素子を固定し、さらに、素子ホルダを熱膨張係数の大きい金属素材とし、フィンガ本体を素子ホルダに比べて熱膨張係数の小さい金属素材とし、そして、高電圧配線を素子ホルダに通すことができるようにスリット状開口部を備えている。そのため、フィンガ本体に、素子ホルダを直接ねじによって締結することにより、簡単な構造で半導体X線検出素子への熱伝導を良くして冷却を促し、より高分解能を得ることができるようになる。そして、固定方法を簡素化して部品点数を減らし、低コストなフィンガ本体の構造を実現することができる。そして、FETを設けた基板に直接半導体X線検出素子を押し当て接触固定することで、ばね成分を無くし、熱膨張係数の違いによる固定法で耐振動特性を向上させることができる。さらに、高電圧配線が素子ホルダ締結時に、ねじれることが無いように、スリット状開口部を設けているので、配線がひろう雑音を極力少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のエネルギー分散型X線検出装置の一実施例を示す図である。
【図2】 本発明のエネルギー分散型X線検出装置のフィンガ先端部の断面をを示す図である。
【図3】 本発明のエネルギー分散型X線検出装置のFET加熱用のヒータ電圧に対する分解能の実験データを示す図である。
【図4】 従来のエネルギー分散型X線検出装置を示す図である。
【符号の説明】
1…半導体X線検出素子
2…電極
3…絶縁体
4、4a…素子ホルダ
5…基板
6、6a…フィンガ本体
7…コールドフィンガ
8…高電圧配線
9…FET配線
10…スリット状開口部
11…FET
12…ヒータ抵抗
13…ゲート電極
14…おねじ
15…検出口

Claims (4)

  1. 電子ビームやX線などを試料に照射して、試料表面から発生する特性X線を検出して元素分析を行うエネルギー分散型X線検出装置において、
    金属素材によって製作され、半導体X線検出素子を絶縁体を介して収納し円筒状のめねじを設けた素子ホルダと、
    金属素材によって製作され、前記半導体X線検出素子からの信号を増幅するための初段FETを有する基板を収納し冷却機構を有しておねじを設けたフィンガ本体とを備え、
    前記めねじと前記おねじによって素子ホルダとフィンガ本体を締結し前記半導体X線検出素子を固定するように構成したことを特徴とするエネルギー分散型X線検出装置。
  2. 請求項1記載のエネルギー分散型X線検出装置において、半導体X線検出素子を収める前記素子ホルダを熱膨張係数の大きい金属素材によって製作し、一方、初段FETを有する基板を収めた前記フィンガ本体を前記素子ホルダに比べて熱膨張係数の小さい金属素材によって製作したことを特徴とするエネルギー分散型X線検出装置。
  3. 電子ビームやX線などを試料に照射して、試料表面から発生する特性X線を検出して元素分析を行うエネルギー分散型X線検出装置において、半導体X線検出素子を収納し円筒状のめねじを設けた素子ホルダと、前記半導体X線検出素子からの信号を増幅するための初段FETを有する基板を収納し冷却機構を有しておねじを設けたフィンガ本体とを備え、前記めねじと前記おねじによって素子ホルダとフィンガ本体を締結し前記半導体X線検出素子を固定するように構成したことを特徴とするエネルギー分散型X線検出装置において、半導体X線検出素子の電極に電圧を供給するための高電圧配線を前記素子ホルダに通すことができるように前記素子ホルダにスリット状開口部を設けたことを特徴とするエネルギー分散型X線検出装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたエネルギー分散型X線検出装置を備えたことを特徴とする走査型電子顕微鏡または電子線マイクロアナライザー。
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