JP3890881B2 - 扁平チューブ切断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、扁平チューブを高速切断することが可能な扁平チューブ切断装置に関するもので、特に熱交換器用扁平チューブとして使用される扁平多穴管を高速切断することが可能な扁平多穴管切断装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、熱交換器用扁平チューブとしては、扁平状に形成された外周壁とその内部を幅方向に仕切る多数の仕切り壁を有する扁平多穴管が使用されている。このような構造の扁平多穴管は、多数の冷媒流路を形成する雄型ダイスと外周壁と仕切り壁を形成する雌型ダイスとを組み合わせた複合型の押し出し成形用ダイスを用いた押し出し成形方法により製造されている。
【0003】
そして、押し出し成形用ダイスにより製造された長尺の扁平多穴管を所定の長さに切断する切断装置としては、連続的に送り込まれる扁平チューブの上下に配置されたローラカッターが切断面に沿って、扁平チューブの送り方向に対して直角方向に横切ることで、長尺の扁平チューブを所定の長さに切断する扁平チューブの切断装置(特開平8−71838号公報)が存在する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の扁平チューブの切断装置において、ローラカッターが扁平チューブの幅分の距離を横切っている間は、ローラカッター装置を載せたスライダーが扁平チューブの送りスピードと同じスピードで扁平チューブの進行方向に進む必要がある。
【0005】
これを実現するためにスライダーをクランク機構で往復運動させて、チューブの進行方向と同じ方向に動くと共に、扁平チューブの送りスピードと一致している間に、ローラカッターが扁平チューブの幅分の距離を横切ることができるようにする機構が必要であった。そのために、機構が複雑になると共に、各部位の動作量が大きくなってしまうという理由で、近年の更なる高速化という要望に対して対応できないという問題が生じている。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、扁平チューブの厚さ方向に一対の切断刃具を両側から食い込ませて切断することにより、一対の切断刃具を動かす機構を簡素化することができ、且つ扁平チューブを高速で切断することのできる扁平チューブ切断装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、扁平チューブの厚さ方向の両側(例えば上下方向の上方側と下方側、あるいは水平方向の右側と左側)にそれぞれ配されて、回転軸と一体的に回転する一対のガイドローラの外周に、扁平チューブに食い込む量が扁平チューブの厚さの半分程度の一対の切断刃具を設けて、一対のガイドローラ間に送り込まれる扁平チューブの厚さ方向の両側から一対の切断刃具を食い込ませて扁平チューブを所定の長さで切断することで、一対の切断刃具の扁平チューブへの食い込み量は扁平チューブの厚さの半分程度で済み、ほんの僅かな時間で扁平チューブを所定の長さで切断することができる。
【0008】
それによって、一対の切断刃具の動作量が少なくなるので、一対の切断刃具を動かす機構の簡素化を実現できる。また、一対の切断刃具が扁平チューブに食い込み始めると同時に、一対の切断刃具を扁平チューブの切断面に沿ってガイドローラの回転軸方向に動かして扁平チューブを所定の長さで切断することにより、扁平チューブを一対の切断刃具で潰すことなく高速切断することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、一対の切断刃具により扁平チューブを切断する扁平チューブ切断時期に合わせて扁平チューブを一対のガイドローラ間に送り込む扁平チューブ移動速度と同じ回転速度で一対のガイドローラを回転させることで、一対の切断刃具の動作量が少なくなり、一対のガイドローラ間に送り込まれる扁平チューブの高速切断を実現できる。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、扁平チューブとして、内部が区画され、複数の流路を有する熱交換器用扁平チューブを用いても良い。なお、熱交換器用扁平チューブとしては、冷凍サイクルに使用される冷媒凝縮器(コンデンサ)、エンジン冷却装置の放熱器として使用されるラジエータ、温水式暖房装置の放熱器として使用されるヒータコア等の熱交換器用扁平チューブ(扁平多穴管)が望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態の構成〕
図1ないし図9は本発明の第1実施形態を示したもので、図1は扁平チューブ高速切断装置の主要構造を示した図で、図2および図3は一対の切断刃具の切断形態を示した図で、図4ないし図6は扁平チューブ高速切断装置の全体構造を示した図である。
【0013】
ここで、冷凍サイクルに使用される冷媒凝縮器(コンデンサとも言う)の熱交換部(コア部とも言う)は、図7(a)、(b)に示したように、内部を冷媒が流れる複数本の扁平チューブ10と、これらの扁平チューブ10の間に介在されて冷媒と空気との熱交換を促進させるコルゲートフィン60とから構成されている。そして、扁平チューブ10は、扁平状に形成された外周壁71とその内部を幅方向に仕切る多数の仕切り壁72を有する扁平多穴管である。このような構造の熱交換器用扁平チューブ10は、多数の冷媒流路73を形成する雄型ダイスと外周壁71と仕切り壁72を形成する雌型ダイスとを組み合わせた複合型の押し出し成形用ダイスを用いた押し出し成形方法により製造される。
【0014】
本実施形態の扁平チューブ高速切断装置は、上述した押し出し成形用ダイスにより製造された長尺の扁平チューブ10を必要長さで切断することが可能な一対の切断刃具1、2と、これらの切断刃具1、2を軸方向の反対方向に、つまり逆方向に擦れ違うように動かす切断刃具作動機構と、扁平チューブ10の厚さ方向の上方側と下方側とにそれぞれ配された一対のガイドローラ3、4と、これらのガイドローラ3、4の回転速度をチューブ送り装置(図示せず)の送り速度と同期させるガイドローラ駆動機構とを備えた扁平多穴管高速切断装置である。
【0015】
本実施形態の扁平チューブ高速切断装置のスタンド9は、図示しないベース上に立設されている。このスタンド9には、複数本の固定ボルト61、62を用いて切断刃具作動機構が締め付け固定されている。また、スタンド9には、切断刃具作動機構が嵌め込まれる複数の嵌合穴63、64が形成されている。これらの嵌合穴63、64は、円形状の貫通穴である。
【0016】
一対のガイドローラ3、4は、例えばSKD11等の合金工具鋼によりそれぞれ製造され、切断刃具作動機構の内周部に回転自在に支持された回転軸(駆動軸)13、14の軸方向の一端部に一体的に設けられている。これらのガイドローラ3、4の外周面には、これらの間を扁平チューブ10が挿通できるように周方向溝15、16が形成されている。
【0017】
また、ガイドローラ3、4の外周には、切断刃具1、2を移動自在に保持する一対の切断刃具ホルダ11、12が複数本の固定ボルト17、18を用いて締め付け固定されている。これらの切断刃具ホルダ11、12は、例えばSKD11等の合金工具鋼によりそれぞれ製造され、内部に軸方向に貫通する方形状の貫通孔(中空部)20、21を有している。そして、ガイドローラ3、4の内周には、所定の形状の凹状部22、23が形成されている。
【0018】
ガイドローラ駆動機構は、一対のガイドローラ3、4の回転軸13、14の外周に取り付けられた従動歯車(ギヤ)26、27と、この従動歯車27を回転駆動する駆動歯車が取り付けられた出力軸を有するサーボモータ(駆動源)と、このサーボモータの出力軸の回転速度を制御するガイドローラ制御装置(図示せず)とから構成されている。なお、従動歯車26、27は、一対のガイドローラ3、4の回転軸13、14が同時に同じだけ回転するように、回転軸13、14の軸方向の他端部に設けられた径小部24、25の外周に取り付けられている。また、従動歯車26、27は、ガタが無い状態で噛み合っている。なお、26a、26bはキーである。
【0019】
ガイドローラ制御装置は、一対の切断刃具1、2により扁平チューブ10を切断するタイミング(扁平管切断時期)に合わせて一対のガイドローラ3、4の周方向溝15、16間の隙間に扁平チューブ10を送り込むチューブ送り装置の送りスピード(扁平管移動速度)と同じ周速(回転速度)となるように、一対のガイドローラ3、4の回転軸13、14を従動歯車26、27を介して回転駆動するサーボモータの回転速度を制御する。
【0020】
切断刃具作動機構は、スタンド9の嵌合穴63、64内に嵌め込まれる溝カム5、6、および一端部で切断刃具1、2を保持し、他端部で一対の倣いローラ31、32を回転自在に支持する刃具アーム7、8等から構成されている。溝カム5、6は、スタンド9の一端面に複数本の固定ボルト61、62を用いて締め付け固定される円環板形状のフランジ部33、34と、ガイドローラ3、4の回転軸13、14をベアリング等の軸受部53〜56を介して回転自在に支持するスリーブ部35、36とから構成されている。
【0021】
なお、スリーブ部35、36の外周面には、図4、図5、図6および図8(a)、(b)に示したように、倣いローラ31、32を誘導するガイド溝(カム溝)37、38が周設されている。これらのガイド溝37、38は、切断刃具1、2が扁平チューブ10に食い込み始めると同時に、切断刃具1、2を扁平チューブ10の切断面に沿って軸方向(互いに交差する方向)に動かすような溝形状となるように作られている。すなわち、溝カム5、6のスリーブ部35、36と刃具アーム7、8とからカム機構が構成されている。
【0022】
一対の倣いローラ31、32は、刃具アーム7、8にナット39、40を用いて固定された支持軸41、42の外周に回転自在に装着されている。刃具アーム7、8の一端側は、切断刃具ホルダ11、12に設けられた貫通孔20、21内に摺動自在に嵌め合わされており、刃具アーム7、8の他端側は、貫通孔20、21よりも外側に突出している。そして、刃具アーム7、8の一端側には、倣いローラ31、32がガイド溝37、38の中で弾むのを防止する弾み防止ばね43、44に当接する突起部45、46が形成されている。なお、47、48は弾み防止ばね43、44をガイドするためのばねガイドピンである。
【0023】
一対の切断刃具1、2は、例えばSKD11等の合金工具鋼またはSKH4等の高速度工具鋼によりそれぞれ製造され、一対の刃具アーム7、8の一端部に連結ピン51、52を用いて保持固定されたスライドカッターである。これらの切断刃具1、2は、切断刃具ホルダ11、12の貫通孔(中空部)20、21内において、刃具アーム7、8と一体的に軸方向に往復移動可能に設けられている。また、一対の切断刃具1、2の先端部は、一対の切断刃具ホルダ11、12の外周面に形成されて貫通孔20、21に連通する一文字状の開口部28、29より常に外部へ突出している。すなわち、切断刃具1、2の先端部は、ガイドローラ3、4および切断刃具ホルダ11、12の周方向溝15、16の底面よりも所定の量だけ突出している。
【0024】
〔第1実施形態の作用〕
次に、本実施形態の扁平チューブ高速切断装置の作用を図1ないし図10に基づいて簡単に説明する。ここで、図9(a)〜図9(c)は扁平チューブ高速切断装置の切断形態を示した図で、図10(a)〜図10(c)は一対の切断刃具の切断形態を示した図である。
【0025】
前工程から送り込まれた長尺の扁平チューブ10は、チューブ送り装置から一対のガイドローラ3、4の周方向溝15、16間の隙間に送り込まれる。このとき、長尺の扁平チューブ10を切断する箇所が近づくまで、一対のガイドローラ3、4の回転軸13、14はガイドローラ駆動機構のサーボモータによって回転駆動されず、一対のガイドローラ3、4の回転は停止したままである。
【0026】
そして、長尺の扁平チューブ10を切断する箇所が近づくと、ガイドローラ駆動機構のサーボモータが通電されて、一対の切断刃具1、2により扁平チューブ10を切断するタイミングに合わせて一対のガイドローラ3、4の周方向溝15、16間の隙間に扁平チューブ10を送り込むチューブ送り装置の送りスピードと同じ周速(回転速度)となるように、一対のガイドローラ3、4の回転軸13、14が回される。
【0027】
そして、図9(a)に示したように、扁平チューブ10に一対の切断刃具1、2の刃先が食い込み始めると同時に、切断刃具作動機構の一対のガイド溝37、38内を一対の倣いローラ31、32が回転しながら互いに向き合う側に案内される(図8参照)。これにより、他端部に一対の倣いローラ31、32を回転自在に保持した一対の刃具アーム7、8が互いに擦れ違うように逆方向(軸方向)に動き始める。したがって、一対の刃具アーム7、8の一端部に保持された一対の切断刃具1、2は、図10(a)に示したように、扁平チューブ10の切断面に沿って軸方向に、しかも互いに擦れ違うように逆方向に動き始める。
【0028】
そして、一対のガイドローラ3、4が回転を続けることにより、一対のガイドローラ3、4の外周に一体的に取り付けられた切断刃具ホルダ11、12に軸方向に移動自在に保持された一対の切断刃具1、2は、図9(b)および図10(b)に示したように、一対の切断刃具1、2の刃先が向かい合い隙間が極めて少なくなることで、長尺の扁平チューブ10が必要な長さで切断される。
【0029】
そして、更に一対のガイドローラ3、4が回転すると、図9(c)に示したように、一対の切断刃具1、2の刃先が扁平チューブ10より離れると共に、一対の切断刃具1、2の刃先が扁平チューブ10の先頭側10aと後方側10bとを切り離す。そして、切断刃具作動機構の一対のガイド溝37、38の溝形状に応じて、図10(c)に示したように、一対の切断刃具1、2はストローク端まで動き、その後は元の位置へ戻る。
【0030】
〔第1実施形態の効果〕
以上のように、本実施形態の扁平チューブ高速切断装置は、複数の仕切り壁72を有する扁平チューブ10を必要長さに切断するための切断加工を、送り込まれる扁平チューブ10の厚さ方向の両側に設けた一対のガイドローラ3、4に内蔵した一対の切断刃具1、2により扁平チューブ10を挟み込むと同時に、切断刃具1、2が扁平チューブ10の切断面に沿って、つまり扁平チューブ10の送り方向に対して直角方向(軸方向)に動くことで、扁平チューブ10を潰すことなく、高速切断が可能となる。
【0031】
そして、扁平チューブ10の厚さ方向の両側に配されて、回転軸13、14と一体的に回転する一対のガイドローラ3、4の外周に、扁平チューブ10に食い込む量が扁平チューブ10の厚さの半分程度の一対の切断刃具1、2を設けて、一対のガイドローラ3、4の周方向溝15、16間の隙間に送り込まれる扁平チューブ10の厚さ方向の両側から一対の切断刃具1、2を食い込ませて扁平チューブ10を必要長さで先端側と後方側とに切り離すことで、一対の切断刃具1、2の扁平チューブ10への食い込み量は扁平チューブ10の厚さの半分程度で済み、ほんの僅かな時間で扁平チューブ10を高速切断することができる。
【0032】
それによって、一対の切断刃具1、2の動作量が少なくなるので、一対の切断刃具1、2を動かす機構の簡素化を実現できる。また、一対の切断刃具1、2が扁平チューブ10に食い込み始めると同時に、一対の切断刃具1、2を扁平チューブ10の切断面に沿って軸方向に、しかも互いに擦れ違うように逆方向に動かして長尺の扁平チューブ10を必要長さで先端側と後方側とに切り離すことにより、扁平チューブ10を一対の切断刃具1、2で潰すことなく、高速切断することができる。
【0033】
ここで、本実施形態では、一対の切断刃具1、2が扁平チューブ10に食い込み始めると同時に、一対の切断刃具1、2を扁平チューブ10の切断ライン方向に動かしながら挟み切るようにしている。この作動は、仮に上型に設けた切断刃具と下型に設けた切断刃具とを、扁平チューブの厚さ方向に上下動させて扁平チューブを切断するプレス成形機とは切断刃具1、2の動作方向が異なる。また、扁平多穴管よりなる扁平チューブ10の場合、仕切り壁72が綺麗に切断されないと、潰れた仕切り壁72が冷媒流路73を塞いでしまう可能性があるが、本実施形態のように竹を刀で切るように切断刃具1、2を引きながら切断刃具1、2を押さえることで、扁平チューブ10を潰し切るだけでなく、摩擦を加えて扁平チューブ10の素材組織が裂け易く、潰れ難くしている。
【0034】
また、リンク機構等では作動部が多く、高速で動かすと無理が有り、耐久性とコストと共に幾分大掛かりな構成になるという不具合があるが、本実施形態の切断刃具作動機構、すなわち、カム機構は構造がシンプルで作動部が少なく、高速で動かしても無理がなく耐久性が高く、低コストでコンパクトに構成できる。
【0035】
〔第2実施形態〕
図11(a)、(b)は本発明の第1、第2実施形態を示したもので、一対の切断刃具の切断形態を示した図である。
【0036】
第1実施形態では、図11(a)に示したように、一対の切断刃具1、2の刃先を突き合わせているが、一対の切断刃具1、2の刃先を突き合わせる場合、刃具取付調整が困難である。例えば突き合わせの切断刃具1、2の刃先が離れていると、多数の仕切り壁72を有する扁平チューブ10を完全に切断することができない。また、突き合わせの切断刃具1、2の刃先が出過ぎると、お互いの刃先が干渉して破損する恐れがある。このため、一対の切断刃具1、2の刃先間隔は限りなく「0」に近づける(ゼロ狙い)ことが望ましい。
【0037】
そこで、第2実施形態では、図11(b)に示したように、一対の切断刃具1、2の刃先が向かい合う時に、一対の切断刃具1、2の刃先が重なり合うようにすることで、一対の切断刃具1、2の刃先がお互いに重なり合っても、一対の切断刃具1、2の刃先が干渉しないように一対の切断刃具1、2の刃先を幾分ずらしている。
【0038】
〔第3、第4実施形態〕
図12(a)、(b)は本発明の第3、第4実施形態を示したもので、一対の切断刃具の切断形態を示した図である。
【0039】
第3実施形態では、図12(a)に示したように、一対の切断刃具1、2が扁平チューブ10に食い込み始めると同時に、一対の切断刃具1、2を扁平チューブ10の切断面に沿って軸方向に、しかも同じ方向に動かしている。また、第4実施形態では、図12(b)に示したように、一対の切断刃具1、2を重ね合わせる場合、一対の切断刃具1、2の刃先に所定角度θの傾きを設けている。
【0040】
〔他の実施形態〕
本実施形態では、切断される扁平チューブとして、図7(a)に示したような押し出し成形により製造された扁平多穴管を扁平チューブ高速切断装置により高速切断する例を説明したが、切断される扁平チューブとして図13に示したように、端部を内部へと折り曲げ、内部を複数の流路に区画した扁平チューブ90を扁平チューブ高速切断装置により高速切断するようにしても良い。
【0041】
すなわち、扁平チューブ90とコルゲートフィン91とを交互に配した熱交換器において、その扁平チューブ90の幅方向の一端部に、第1、第2側壁部92a、92bおよび連結部92cよりなるU字状の溝部92を設け、また、扁平チューブ90の幅方向の他端部に、内側に折り曲げられ、溝部92内に差し込まれる挿入部93を設けてろう付け等の接合手段を用いて構成している。なお、溝部92の第1、第2側壁部92a、92bには、両側の第1、第2流路94、95内に突出するように第1、第2突起部96a、96bが形成されている。
【0042】
本実施形態では、熱交換器用扁平チューブとして、冷凍サイクルに使用される冷媒凝縮器(コンデンサ)の扁平チューブ10を用いたが、熱交換器用扁平チューブとして、エンジン冷却装置の放熱器として使用されるラジエータ、温水式暖房装置の放熱器として使用されるヒータコア等の扁平チューブ(扁平多穴管)を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】扁平チューブ高速切断装置の主要構造を示した側面図である(第1実施形態)。
【図2】一対の切断刃具の切断形態を示した説明図である(第1実施形態)。
【図3】一対の切断刃具の切断形態を示した説明図である(第1実施形態)。
【図4】扁平チューブ高速切断装置の全体構造を示した斜視図である(第1実施形態)。
【図5】扁平チューブ高速切断装置の全体構造を示した平面図である(第1実施形態)。
【図6】扁平チューブ高速切断装置の全体構造を示した断面図である(第1実施形態)。
【図7】(a)は冷凍サイクルに使用される冷媒凝縮器の主要構造を示した斜視図で、(b)は扁平チューブを必要長さで切断した際の切断面形状を示した断面図である(第1実施形態)。
【図8】(a)、(b)は一対のカムローラのガイド溝の溝形状を示した展開図である(第1実施形態)。
【図9】(a)〜(c)は扁平チューブ高速切断装置の切断形態を示した説明図である(第1実施形態)。
【図10】(a)〜(c)は一対の切断刃具の切断形態を示した説明図である(第1実施形態)。
【図11】(a)、(b)は一対の切断刃具の切断形態を示した説明図である(第1、第2実施形態)。
【図12】(a)、(b)は一対の切断刃具の切断形態を示した説明図である(第3、第4実施形態)。
【図13】熱交換器の主要構造を示した斜視図である(他の実施形態)。
【符号の説明】
1 切断刃具
2 切断刃具
3 ガイドローラ
4 ガイドローラ
7 刃具アーム
8 刃具アーム
10 扁平チューブ
13 回転軸
14 回転軸
73 冷媒流路

Claims (3)

  1. 扁平チューブの搬送方向に回転する一対の回転軸と、
    前記回転軸と一体的に回転し、前記扁平チューブの厚さ方向の両側にそれぞれ配される一対のガイドローラと、
    前記各ガイドローラの外周面の周方向に形成され、前記扁平チューブが送り込まれる周方向溝と、
    前記扁平チューブに食い込む量が前記扁平チューブの厚さ半分程度となるように、前記各ガイドローラの外周に、前記回転軸の軸方向に移動自在に保持された一対の切断刃具と、
    一端側に前記断刃具が保持され、他端に倣いローラが回転自在に支持される一対の刃具アームと、
    前記各ガイドローラと同軸に配されるスリーブ部と、
    これらのスリーブ部の外周面に形成され、前記倣いロ一ラが摺動するガイド溝と、
    前記各ガイドローラの外周に固定され、前記切断刃具が前記周方向溝の底面よりも突出した状態で前記回転軸の軸方向に移動可能に保持される一対の切断刃具ホルダとを有し、
    前記ガイド溝は、前記ガイドローラが回転して前記一対の切断刃具が前記扁平チューブの厚さ方向の両側から前記扁平チューブに食い込み始めると同時に、前記一対の切断刃具が前記扁平チューブの切断面に沿って前記回転軸の軸方向に動く形状を有し、
    前記扁平チューブを所定の長さで切断する点を特徴とする扁平チューブ切断装置。
  2. 請求項1に記載の扁平チューブ切断装置において、
    前記一対の切断刃具により前記扁平チューブを切断する扁平チューブ切断時期に合わせて前記一対のガイドローラ間に前記扁平チューブを送り込む扁平チューブ移動速度と同じ回転速度で前記一対のガイドローラを回転させるガイドローラ作動機構を備えたことを特徴とする扁平チューブ切断装置。
  3. 請求項1または請求項に記載の扁平チューブ切断装置において、
    前記扁平チューブは、熱交換用扁平チューブとして使用され、内部が区画され、複数の流路を有していることを特徴する扁平チューブ切断装置。
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