JP3890613B2 - 多孔質ビーズの製造方法及び該ビーズからなる吸着剤 - Google Patents

多孔質ビーズの製造方法及び該ビーズからなる吸着剤 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、多孔質ビーズの製造方法、該多孔質ビーズからなる吸着剤並びに該吸着剤を用い有機物を含む流体の流れの中から有機物を分離する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、吸着剤は、気相や液相中の不純物の除去等に多量に利用されてきている。例えば、炭化水素、ハロゲン化炭化水素等の有機溶剤で汚染されたガス中からこれらの有機物質を回収することは経済的にも、環境的にも重要なことであり、また、水中に存在する有機物を分離回収することも工業的に重要なプロセスである。特に医薬等に有用な有機物を発酵液等の水溶液から回収する際には吸着剤は不可欠なものと言える。
【0003】
これまで、汚染されたガスから有機溶剤等を回収するための吸着剤としては、活性炭がしばしば用いられてきた。しかしながら有機溶剤を吸着した活性炭は、その強い吸着力のために再生の際には高温度の水蒸気が必要であり、例えば塩素系溶剤を吸着した場合には、溶剤の分解等を引き起し、また、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤を吸着した場合には、触媒作用により発火等を引き起しやすいという問題があった。
このため、活性炭等の従来の吸着剤に代るものとして合成樹脂系吸着剤が挙げられ、その検討が行われてきている。
【0004】
例えば、特公昭62−16136号公報では、合成吸着剤の多孔性を向上させるために、マクロレティキュラービーズを不活性有機溶剤で膨潤させた後、フリーデルクラフツ触媒の存在下二官能性架橋剤により後橋かけ結合する方法が開示されている。しかしながらこの方法では、架橋共重合体ビーズの表面積は十分ではなく吸着剤として用いた場合の有機溶剤蒸気の吸着性は必らずしも満足できるものではなかった。
【0005】
特開平2−274702号公報では、軽度に架橋したスチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体をクロロメチル化したものを分離精製し、不活性溶剤で膨潤させフリーデルクラフツ触媒の存在下後橋かけ結合させることにより高表面積の吸着剤を得る方法が開示されている。また、東ドイツ公開特許第249703号公報では、2−8%のジビニルベンゼンを含むスチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体をクロロメチル化したものを不活性溶媒中で膨潤させ、フリーデルクラフツ触媒の存在下後架橋反応を行うことにより高表面積の吸着剤を得る方法が開示されている。しかしながらこれらの方法で得られる吸着剤はいずれも、母体重合ポリマーが多孔質構造を有していないゲル型のものであり、クロロメチル化反応あるいは後架橋反応の際に吸着剤ビーズが破砕しやすく、工業的な使用に耐え得る十分な機械的強度を有するものであるとは言えなかった。
【0006】
西ドイツ公開特許第4215741号公報では、有機溶剤の存在下スチレン−ジビニルベンゼンを共重合することにより得られる架橋共重合体をクロロメチル化したものを不活性溶媒中で膨潤させ、フリーデルクラフツ触媒の存在下後橋かけ結合反応を行うことにより高表面積の吸着剤ビーズを得る方法が開示されている。しかしながらこの方法においても、母体となる重合ポリマーの多孔性が不十分であるために製造の際に重合体ビーズの破砕が起りやすく、工業的な使用に十分耐えうる吸着性に優れた合成吸着剤を得ることは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、単位重量当りの表面積が大きくかつ機械的強度にも優れた多孔質ビーズの製造方法を提供することにある。また、本発明のもう1つの目的はかかる多孔質ビーズからなる吸着性に優れた十分な実用的強度を有する吸着剤を提供すること、更に、かかる吸着剤を用いる有機物の回収方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、その要旨は、
a)主としてモノビニル化合物とポリビニル化合物からなり、且つ、該ポリビニル化合物が1−6重量%(対全モノマー)であるモノマー混合物を線状高分子の存在下重合し、
b)重合後線状高分子を含有する架橋共重合体ビーズから線状高分子を除去し、
c)得られた架橋共重合体ビーズをハロアルキル化し、
d)反応混合物からハロアルキル化架橋共重合体ビーズを分離し、
e)ハロアルキル化架橋共重合体ビーズを不活性有機溶媒中で膨潤し、フリーデルクラフツ触媒の存在下後橋かけ結合させることを特徴とする多孔質ビーズの製造方法に存する。
【0009】
以下、本発明につき、詳細に説明する。
本発明におけるポリビニル化合物としては、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等が挙げられるが、ジビニルベンゼンが特に好適である。これらのポリビニル化合物の量は、全ビニル化合物に対して、1〜6重量%であり、好ましくは1.5〜5重量%である。これよりも多い量では十分な有機物吸着容量が得られにくく、これよりも少ない量では十分な機械的強度を有する多孔質ビーズが得られにくい。
【0010】
本発明におけるモノビニル化合物としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、クロロメチルスチレン等が挙げられ、これらのものを単独又は混合物として用いることができるが、スチレンが特に好ましい。
また、前記ジビニルベンゼンの市販品は一般に10〜50重量%程度のエチルスチレンが含まれており、モノビニル化合物としてスチレンと共にエチルスチレンが用いられることが多い。
【0011】
本発明においては、線状高分子が多孔質化剤として用いられる。線状高分子は重合により得られる架橋共重合体を、十分に多孔質化するために重合系に添加される。
線状高分子は、モノマー混合物に可溶であってかつ、モノマー混合物から生成する架橋共重合体とは化学結合しないものである。
【0012】
本発明において、多孔質化剤として線状高分子でなく沈殿溶媒等を用いた場合は、得られる多孔質ビーズの吸着性及び機械的強度は充分ではない。
線状高分子としては、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート等のポリメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のポリアクリレート等が挙げられるが、ポリスチレンが特に好ましい。
【0013】
ポリスチレンとしては分子量が1000〜1000万のものが用いられる。線状高分子の添加量はモノビニル化合物とポリビニル化合物の総和に対して5〜100重量%である。
モノビニル化合物とポリビニル化合物との重合の方法は公知の種々の方法を採用できるが、水性懸濁重合が好ましい。すなわち不飽和単量体、多孔質化剤、重合開始剤からなる混合物の油性相を、水を主成分とする水性相中に懸濁して油性相の液滴を発生させ、重合系を昇温してラジカル重合を開始、完結させることにより、線状高分子を含有する架橋共重合体ビーズを得ることができる。
【0014】
重合開始剤としてはジベンゾイルパーオキシド、ジラウロイルパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシド等の有機過酸化物や、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等の有機アゾビス化合物が好ましい。重合開始剤の使用量は不飽和単量体総量に対して、0.01〜10重量%、好ましくは、0.1〜5重量%である。
【0015】
水性相には油性相液滴の懸濁状態を安定化させるためにポリビニルアルコール、カルボキシセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン等の分散安定剤を加えることが好ましい。また、水性相には油性相成分の水性相への分配を抑制するために、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム等の無機塩類を加えておくことが好ましい。油性相と水性相の体積比は、1:1〜1:10、好ましくは、1:2〜1:5の範囲とするのが好ましい。
【0016】
重合反応の温度は50〜90℃が適当であり、重合時間は1〜12時間である。重合により得られる共重合体ビーズの粒子径は、30〜5000μmである。重合後、得られた線状高分子を細孔中に含有する架橋共重合体ビーズを、水等で洗浄後、線状高分子を除去する。線状高分子の除去には、一般に、線状高分子を溶解しうる溶剤で洗浄して取り除く方法が用いられる。
【0017】
溶剤としては、架橋共重合体ビーズを膨潤させると共に、線状高分子の良溶媒から適宜選択でき、例えば、トルエン、二塩化エチレン、THF等が用いられる。線状高分子と抽出溶剤を除去後、架橋共重合体ビーズは乾燥される。
線状高分子を除去した後の架橋共重合体ビーズに対するハロアルキル化法としては既知のハロアルキル化反応を利用することができ、ルイス酸触媒の存在下、クロロメチルメチルエーテル、ブロモメチルメチルエーテル、p−キシレンジクロライド、4,4′ビスクロロメチルジフェニル等のハロアルキル化剤が用いられる。
【0018】
中でもクロロメチルメチルエーテルが好ましい。ルイス酸触媒としては、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、塩化第二錫、塩化亜鉛等が挙げられる。クロロメチル化反応においては、架橋共重合体を膨潤させ、かつクロロメチル化反応を阻害しない有機溶媒を使用しても良い。かかる有機溶媒としては、二塩化エチレン、二塩化プロピレン等がある。クロロメチル化反応の温度は、30〜80℃であるが、クロロメチル化反応における架橋反応を避けるために、40〜50℃であることが好ましい。クロロメチル化反応の時間は通常1〜12時間である。
【0019】
ハロアルキル化反応を終了後、反応混合物からハロアルキル化架橋共重合体ビーズを分離する。
分離後ハロアルキル化架橋共重合体は、水洗、溶媒洗浄等により精製される。精製後乾燥により水分等を除去するかまたは次工程で用いられる不活性溶媒で置換する。こうした精製により、後の工程での後架橋反応がより効果的に行なわれる。
【0020】
精製後、ハロアルキル化架橋共重合体を、不活性有機溶媒中で膨潤させ、フリーデル・クラフツ触媒を加えて後橋かけ結合し多孔質ビーズを得る。不活性有機溶媒としては、二塩化エチレン、二塩化プロピレン等が挙げられる。フリーデル・クラフツ触媒としては、塩化アルミニウム、塩化第二錫、塩化亜鉛、塩化第二鉄等が挙げられる。フリーデル・クラフツ触媒は、乾燥したハロメチル化架橋重合体ビーズ1gに対して、1〜10gが使用される。
【0021】
後架橋反応の温度は、50℃から不活性有機溶媒の沸点までの温度から選ばれる。反応時間は1〜10時間である。
本発明の方法により得られる後架橋共重合体である多孔質ビーズは、比表面積1000〜1800m2 /g、細孔容積0.5〜1.5ml/gの細孔物性を有し、ビーズの直径は50〜5000μmである。
【0022】
また、本発明の多孔質ビーズの押しつぶし強度は、100g/粒以上、好ましくは、150g/粒以上、特に好ましくは200g/粒以上である。上記押しつぶし強度は粒径600〜660μm程度のビーズ(通常は600μmの大きさの篩の網目に詰ったビーズを用いて測定する。)を水膨潤状態でCHATILLONモデルLTCM−II(John Chatillon and Sons、New York製)を用いて、負荷を0.2kg/sで加えながら破砕点の強度を測定し60粒について平均値を算出する。
【0023】
本発明の方法で得られる多孔質ビーズは、各種有機物質を吸着する吸着剤として有用である。本発明の吸着剤を用い、有機物を含む流体の流れの中から有機物を回収する場合、吸着剤が充填された層に、適当な流速で有機物を含む流体を通ずる。流体としては、例えば有機溶剤蒸気により汚染された空気や窒素ガス等あるいは、発酵液等の水溶液、セファロスポリンC、ビシクロマイシン等の抗生物質を含む溶液、ナリンギン等の苦味成分を含むジュース、ステビア等の甘味料の溶液、色素を含む溶液等が挙げられる。有機溶剤蒸気としては、例えばメチルエチルケトン、トルエン、スチレン、シクロヘキサノン、アセトン等の非ハロゲン系溶剤、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン系溶剤の蒸気が挙げられる。
【0024】
本発明の分離方法においては、吸着剤に有機物を吸着後、更に脱着することで、流体から有機物を回収することができる。有機物を吸着している吸着剤から有機物を脱着する場合、吸着における温度より高い温度、例えば40〜150℃程度で有機物を含まない窒素あるいは水蒸気を吸着剤の充填層に流することにより脱着することができる。また、有機物を吸着している吸着剤の充填層を減圧することにより脱着することもできる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0026】
[実施例1]
(架橋共重合体ビーズの製造)
スチレン97.1g、ジビニルベンゼン(純度56.5%、他はエチルビニルベンゼン)5.5g、ジベンゾイルパーオキシド(純度75%、他は水)1.37g、ポリスチレン(平均分子量45000)25.6gを混合し、ポリビニルアルコール0.64g、メチレンブルー0.04gを含む脱塩水667ml中に添加し、攪拌して油滴を形成させた。これを80℃に昇温した後、80℃で8時間保持して重合を行い、架橋ポリスチレン粒子を得た。得られた粒子は水洗、トルエン洗浄後、トルエンを留去し、更に乾燥させた。
【0027】
(架橋共重合体ビーズのハロアルキル化)
乾燥した架橋ポリスチレン粒子40gを、クロロメチルメチルエーテル中に1時間懸濁させた。次に、塩化亜鉛20gを添加し、更に1時間攪拌した後、50℃に昇温し、8時間保持した。反応器を冷却し、水を添加して反応を停止し、更に水洗の後、クロロメチル化架橋共重合体を乾燥させた。
【0028】
(多孔質ビーズの製造)
クロロメチル化架橋共重合体ビーズ50gを二塩化エチレン350ml中で1時間膨潤させた。そこに塩化第二鉄15gを添加し更に1時間攪拌した。80℃に昇温後更に8時間保持した後冷却し反応を停止した。二塩化エチレンを留去した後、後架橋共重合体の多孔質ビーズを乾燥し製品とした。
【0029】
得られた多孔質ビーズの表面積を窒素吸着法により測定したところ、1620m2 /gであり、細孔容積は0.91ml/gであった。粒径600μmのビーズについて水膨潤状態で、押しつぶし強度(CHATILLON;JOHN CHATILLON AND SONS NEW YORK製)を測定したところ、274g/粒であった。
【0030】
(メチルエチルケトン吸着性)
約5gの多孔質ビーズからなる吸着剤をカラムに充填し、カラムオーブン内で30℃に保温した。このカラムに30℃で窒素をバブリングすることにより発生させたメチルエチルケトン(MEK)蒸気を通気することにより、各MEK蒸気濃度におけるMEK吸着量を測定した。表−1にその結果を示す。同様の方法で、活性炭(白鷺Sx;武田薬品製)のMEK蒸気吸着量を測定した結果を多孔質ビーズについての結果とともに図−1に示す。本発明の多孔質ビーズからなる吸着剤は、高濃度で活性炭以上の吸着量を示すことがわかる。
【0031】
【表1】
Figure 0003890613
【0032】
(吸着したMEKを脱着することによる回収性)
実施例1の方法で製造した多孔質ビーズからなる吸着剤と、活性炭(白鷺Sx;武田製)に対して、上記と同様の方法でMEKを吸着させた。多孔質ビーズからなる吸着剤に対しては、5940ppmのMEK蒸気を通気したところ、吸着量は272mg/g−吸着剤であった。活性炭に対しては、6030ppmのMEK蒸気を通気したところ、吸着量は306mg/g−吸着剤であった。
【0033】
次に、カラム温度を80℃に保温し、窒素を2.0l/minで通気することにより吸着しているMEKを脱着させた。
結果を図−2に示す。また、50min通気後の脱着量、脱着率を表−2に示す。
本発明の方法で製造された多孔質ビーズからなる吸着剤は、活性炭に比較し良好な脱着性であることが図−2よりわかり、また脱着率にも優れていることが表−2よりわかる。
【0034】
【表2】
Figure 0003890613
【0035】
[実施例2]
スチレン188.4g、ジビニルベンゼン(純度56.5%、他はエチルビニルベンゼン)7.0g、ジベンゾイルパーオキシド(純度75%、他は水)1.3g、ポリスチレン(平均分子量45000)48.8gを混合し、ポリビニルアルコール0.43g、メチレンブルー0.03gを含む脱塩水中で重合した他は、実施例1と同様の方法で後架橋共重合体の多孔性ビーズを得た。窒素吸着法による比表面積は、1630m2 /gであった。
【0036】
(セファロスポリンC吸着)
水膨潤状態の実施例2の多孔性ビーズからなる吸着剤をメスシリンダに取り、沈降した吸着剤体積を5mlとした。吸着剤を濾別し、残余の付着水分を遠心器を用いて除去した後、セファロスポリンC2000ppmを含む水溶液100mlとともにフラスコにいれ、密栓して25℃で5時間振盪した。上澄み液の260nmにおける吸光度を測定し、別途作成した検量線より上澄み液中に残存したセファロスポリンC量を算出して、多孔質ビーズからなる吸着剤のセファロスポリンC吸着量を求めたところ、120g/Ll−吸着剤であった。
【0037】
[実施例3]
スチレン181.5g、ジビニルベンゼン(純度56.7%)13.8g、ジベンゾイルパーオキシド1.3g、ポリスチレン(平均分子量45000)39.0gを使用した以外は実施例2と同様にして多孔質ビーズを得た。窒素吸着法により比表面積を測定したところ、1600m2 /gであった。多孔質ビーズからなる吸着剤のセファロスポリンC吸着量は、142g/L−吸着剤であった。
【0038】
[比較例1]
スチレン167.7g、ジビニルベンゼン(純度56.7%)27.7g、ポリスチレン(平均分子量45000)27.3gを使用した以外は実施例1と同様にして後架橋共重合体のビーズを得た。窒素吸着法により比表面積を測定したところ、561m2 /gであった。多孔質ビーズからなる吸着剤のセファロスポリンC吸着量は、39g/L−吸着剤であった。
【0039】
[比較例2]
スチレン93.3g、ジビニルベンゼン(純度56.7%)1.5g、ジベンゾイルパーオキシド1.26gを用い、多孔質化剤であるポリスチレンは用いない他は実施例1と同様の方法で後架橋共重合体のビーズを得た。窒素吸着法による比表面積は、1070m2 /gであった。MEK蒸気吸着量は、蒸気濃度6000ppmにおいて205mg/gであった。実施例1に示した方法での押しつぶし強度は71g/粒であった。
【0040】
[比較例3]
スチレン97.1g、ジビニルベンゼン(純度56.7%)5.5g、ジベンゾイルパーオキシド1.37gを用い、多孔質化剤であるポリスチレンは用いない他は実施例1と同様の方法で後架橋共重合体のビーズを得た。MEK蒸気の吸着量は、蒸気濃度6000ppmにおいて270mg/gであった。実施例1に記載の方法による押しつぶし強度は59g/粒であった。
【0041】
[比較例4]
スチレン97.1g、ジビニルベンゼン(純度56.7%)5.5g、ジベンゾイルパーオキシド1.37g、トルエン34.2g、イソオクタン34.2gを用いた他は実施例1と同様の方法で後架橋共重合体のビーズを得た。MEK蒸気の吸着量は、蒸気濃度6000ppmにおいて230mg/gであった。実施例1記載の方法による押しつぶし強度は、25g/粒以下であった。
【0042】
【発明の効果】
本発明の方法により製造される後架橋共重合体の多孔質ビーズは吸着剤として有用であり、有機物の吸着量が非常に大きく、吸着性に優れまた、十分な機械的な強度を有している。また、本発明の多孔質ビーズからなる吸着剤は、吸着性及び脱着性に優れており、有機物を含む流体の流れの中から有機物を吸着させ、更に脱着することで有機物を回収するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法で製造された多孔性ビーズからなる吸着剤と活性炭とのメチルエチルケトン蒸気に対する30℃における吸着等温線を示す図
【図2】本発明の方法で製造された多孔性ビーズからなる吸着剤と活性炭とにそれぞれ吸着したメチルエチルケトンの脱着性を示す図

Claims (4)

  1. a)主としてモノビニル化合物とポリビニル化合物からなり、且つ、該ポリビニル化合物が1−6重量%(対全モノマー)であるモノマー混合物を線状高分子の存在下重合し、
    b)重合後線状高分子を含有する架橋共重合体ビーズから線状高分子を除去し、
    c)得られた架橋共重合体ビーズをハロアルキル化し、
    d)反応混合物からハロアルキル化架橋共重合体ビーズを分離し、
    e)ハロアルキル化架橋共重合体ビーズを不活性有機溶媒中で膨潤し、フリーデルクラフツ触媒の存在下後橋かけ結合させることを特徴とする多孔質ビーズの製造方法。
  2. モノビニル化合物がスチレンであり、ポリビニル化合物がジビニルベンゼンである請求項1に記載の多孔質ビーズの製造方法。
  3. 線状高分子がポリスチレンである請求項1又は2に記載の多孔質ビーズの製造方法。
  4. ハロアルキル化がクロロメチルメチルエーテルを用いるクロロメチル化である請求項1ないし3のいずれかに記載の多孔質ビーズの製造方法。
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