JP3890595B2 - 車両用情報提供装置 - Google Patents
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さらに、モニタ画面による表示では遠近感がつかみにくいため、モニタ画面上で確認した対象物を現実に視認している風景中では特定しにくかった。
また、「広域名称」とは、地域名称等の空間的な拡がりをもつ範囲を特定する名称を意味する。
このような構成によれば、対象物の名称がその対象物の名称(例えば、ホテル○○)から広域名称(例えば、×○温泉)に変更されるのに伴って、矢印等の位置が、広域名称に対応した位置(例えば、×○温泉の中心)を差す位置に移動されるので、乗員に与える違和感がより小さくなる。
このような構成によれば、例えば、×○温泉にある表示の対象の複数のホテルが見かけ上、隣接(接近)しているときには、これらのホテルを差す矢印に広域名称「×○温泉」とホテル2件の文字が付される。
例えば、「×○温泉」の「ホテル○○」と、「□□商店街」の「コンビニ△△店」の見かけ上の位置が隣接しているときには、広域名称である「×○温泉」および「□□商店街」を含む更に広域の名称である「×○×海岸」が表示される。
また、この車両用情報提供システムには、車両用情報提供装置1に対して情報の提供等を行う情報センタ(サーバ)2が設けられている。車両用情報提供装置1、各地域に設置された通信局3を経由して、インターネット4に接続可能であり、地図情報、バーチャル画像(画像情報)に関する情報を含む種々の情報を情報センタ2から受信できるように構成されている。
図2に示されているように、データベース12には、地図データ14、施設関連データ16、顧客データ18等が含まれる。地図データ12には、道路に関する情報の他、建物の大きさなどの三次元データが含まれている。従って、本実施形態では、この三次元データに基づいて、道路上の各位置から周囲の建物、風景がどのように見えるかを推定することができる。施設関連データ16には、本実施態様で位置情報が提供される「対象物」の位置、名称、特徴等のデータが含まれる。
また、顧客データ18には、情報提供を受ける車両の乗員に関するデータ、この乗員が設定した目的地、経路に関するデータ等が含まれる。顧客データ18は、さらに、この乗員が結んでいる情報配信の契約内容に関する情報配信契約データ20、この乗員が設定したバーチャル画像の形態等に関する仮想表示用データ22等を含んでいる。
また、車両用情報提供装置1は、地図情報、建物情報、バーチャル画像に関する情報等の各種の情報を情報センタ2からインターネット4を経由して受信し、且つ、種々の情報を車両側から情報センタ2に送信するための送受信装置32を備えている。この送受信装置32は、例えば、自動車電話、携帯電話あるいは専用の無線送受信機によって構成される。また、この送受信装置32は、複数台によるグループ走行時に、グループの他の車両との間で、音声・情報の送受信を行うコミュニケーション手段としても機能する。
運転席の近傍のAピラーには、スピーカ58が取付けられており、このスピーカ58により、乗員への音声ガイダンス、通知等が行われる。スピーカ58に隣接してマイク60が配置され、乗員(特に運転者)からの音声による指示を、CPU30に送ることができるように構成されている。
運転席シート62、助手シート64および図示しない他のシートには、乗員検知センサが組み込まれ、シート毎に乗員の有無を検出できるように構成されている。
バーチャル画像による情報提供を受けることを希望する乗員(例えば運転者)であるユーザは、事前に、自宅にパソコン6等から情報センタ2にアクセスすることにより、バーチャルインリアルシステムの情報提供の形態等を特定するイニシャル(初期)設定(ステップS1)を行う。このバーチャルインリアルシステムは、車載端末に無線通信で情報を提供する所謂「テレマティクス」の一態様であり、提供を受ける情報の量等に応じた料金をユーザが情報料として支払う有料のシステムである。尚、ユーザが、住所・氏名等の必要な個人情報の登録を既に行っているものとする。
次いで、「アイポジション登録」の項を選択すると、乗車時に、車載のアイカメラ50から得られた画像に基づいて車両のシートに着座した状態におけるユーザの目の位置が登録されることになる。なお、運転者に関しては、シートの位置およびルームミラーの角度から目の位置を推定する構成でもよい。
まず、「仮想物体表示」の項で「ON」または「OFF」のいずれかを選択して、バーチャル画像の表示を行うか否かを設定する。「OFF」の場合には、このシステムが作動しないこととなる。「ON」を選択したときには、「NAVI表示」、「伝言表示」、「広告表示」のそれぞれの項で、「ON」または「OFF」のいずれかを選択することにより、どのようなバーチャル画像の提供を受けるかを決定する。
また、所定の設定を行うことにより、図8に示されているように、設定された対象物である「ガソリンスタンド」、「レストラン」、「公園」がフロントガラス越しに視認可能な位置に到達すると、これらの対象物の画像(イラスト、写真等)が現実の風景中の「ガソリンスタンド」、「レストラン」、「公園」の見かけ上の位置に、現実の風景に重なるように表示され、さらに、各画像を差す矢印と、各対象物の関する情報「ガソリンスタンド」、「目的地のレストランです。残り13kmです」、「○△公園」が現実の風景に重ねて仮想表示される。対象物の画像を表示するか否か等の表示形態の設定は、以下の項目で行われる。
又、本実施態様では、「NAVI表示」、「伝言表示」、「広告表示」を、地域ごとに選択できるように構成されている。例えば、一般的に地元では、地理に明るいので「NAVI表示」は不要となるので、特定の地域でのみ、「NAVI表示」を「OFF」とできる。また、初めて行く目的地にドライブするとき、その目的地の周辺地域でのみ、「NAVI表示」を「ON」とすることもできる。「伝言表示」、「広告表示」についても、同様である。
また、「合計時間」は、視認可能となった対象物(富士山)が、道路が曲がっている等の理由で視認不可能となり、再度、視認可能となったときのような複数回の表示の合計時間を規制するものであり、図6の例では、「3分」が選択されている。したがって、図7の例では、走行中、矢印と「目的地の富士山です」のバーチャル画像を、最長で合計3分しか表示されない。
「音声案内の併用」をONとすると、図7の例で、「目的地の富士山です」とのバーチャル画像が表示されると同時、「目的地の富士山です」との音声ガイダンスが実行される。
また、本実施態様は、対象物の見かけ上の位置をバーチャル画像の矢印と名称で示す構成が基本であるが、「オブジェクト表示併用」をONとすると、図8のように、写真、イラスト等による「ガソリンスタンド」のバーチャル画像がオブジェクト表示として、現実の風景中のガソリンスタンドの位置に仮想表示され、このバーチャル画像(オブジェクト)を差す矢印と名称が表示される。
「目的地」をONとしておくと、経路誘導において設定された目的地が、バーチャル画像の表示対象となる。すなわち、「富士山」を目的地とした経路誘導中に、富士山が視認できるようなると、図7のようなバーチャル画像が仮想表示される。
「施設」をONとすると、ガソリンスタンド、コンビニエンスストア、レストラン、ホテル、温泉地、公共或いはその他の建物などの施設が、バーチャル画像が仮想表示される対象物として設定される。どのような施設に対して表示が行われるかは、他の項目で設定する。また、「施設」ONのときに、選択可能となる「詳細情報」をONとすると、各施設の詳細情報が、バーチャル画像の矢印に加えて、表示される。例えば、施設が温泉ホテルであれば、その温泉の泉質に関する情報が表示される。
「誘導矢印」をONとすると、バーチャル画像による矢印で、経路誘導が行われる。すなわち、現実の風景に重畳されるバーチャル画像の矢印によって、公知のナビゲーション装置のモニタ画面上に表示される矢印と同様の経路誘導が行われる。
「目印」をONとすると、経路誘導中に、経路上の目印となるような建物等が、バーチャル画像による矢印で指示される。
「登録施設」は、ユーザがマニュアルで別途、設定した施設を通知の対象として設定するための項である。この項を使って、例えば、目的地までの経路にあるレストランを登録しておくことができる。また、「コンビニ」、「ガソリンスタンド」では、詳細設定で、特定チェーン(例えば、セブンイレブン)のコンビニエンスストアや特定の石油会社(エネオス)のガソリンスタンドを設定可能となっている。また、「飲食関係」では、詳細設定で、フランス料理、和食、寿司、うどん等の提供される料理の種別を特定可能となっている。さらに、「イベント関係」、「名所」においても同様に、詳細なジャンルを特定可能とされている。
また、「合計時間」は、視認可能となったもの(ガソリンスタンド)が、道路が曲がっている等の理由で一旦、視認不可能となり、再度、視認可能となったときのような複数回の表示の合計時間を規制するものであり、図9の例では、「3分」が選択されている。
まず、グループ走行を行う他の車両に搭載されている車両用情報提供装置1のID(例えば0001、0002、00341、0055)を入力することにより、グループ走行を行うメンバーを特定する。次いで、グループ中のリーダを特定する。次いで、登録したグループ内で共通して表示する「グループメンバーで表示する施設」を設定する。この設定方法は、上記「表示施設設定」と同一である。ここで設定された施設に関する情報は、登録されているグループ全員に一律に提供されることになる。
本実施態様では、「情報が共有できる状態になったら通知する」、「通知しない」を選択し、「情報が共有できる状態になったら通知する」を選択したときには、通知方法として、表示の色が変わる「色」と、「全車両から富士山が見えるようになりました」等の音声ガイダンスが行われる「音声」のいずれかが選択される。
ユーザの車両の車両用情報提供装置1は、送信されてきた加工済みの地図データを受信し、これに基づいて、目的地への経路誘導を開始する(ステップS5)。
この判定は、GPS受信機44等の検出結果に基づく自車位置と受信した加工済み地図データ内に表示すべき対象物及びその位置に関する情報等に基づいて行う。ステップS6でYESのときには、ステップS7に進み、車両の乗員がその対象物または伝言等の背景となる区域を視認可能であるか否かを判定する。「視認可能」には、現実の風景中で、対象物を肉眼で直接、識別可能な場合の他に、対象物が車両から離れているため、対象物が小さすぎて肉眼で識別することはできないが、この対象物が存在している場所(位置)を見渡すことができる状態が含まれる。
この判定は、自車の位置および方向、地図情報に含まれる車両の現在位置周辺の建物、地形等三次元データ、対象物の位置情報、CCDカメラ54による前方車両の存否の検出結果等に基づいて行われる。ステップS6またはステップS7でNOのときは、ステップS6に戻る。
具体的には、乗員(例えば、運転者)の目の位置をアイカメラの映像等から推定し、この目の位置、車両の現在位置及び方向、地図データ等に基づいて、乗員が視認している現実の風景中の所定位置にバーチャル画像が配置されるように、バーチャル画像の配置位置が演算される。
この際、乗員が複数いる場合には、各乗員の目の位置を検出し、乗員毎にバーチャル画像の表示位置を設定する構成であるのが好ましい。
さらに、バーチャル画像の大きさも設定される、大きさの設定は、図6に沿って説明した「拡大率」の項での設定等に基づいて行われる。
ステップS11では、例えば、図7および図8に示されているようなバーチャル表示がステップS1で設定に基づいて実行される。バーチャル画像が、友人等の他人からの伝言表示であったときには、伝言表示を実行した旨を情報センタ2を介して送り主の友人等に伝える機能を備えたものであってもよい。
さらに、ステップS14に進み、目的地に到着したか否かを判定し、目的地に到着したときは処理を終了し、到着していないときには、ステップS6に戻る。
この要因は、車両側の要因と、対象物側の要因に大別できる。車両側の要因としては、悪路走行によって車両が上下に振動したとき、ハンドル操作によって車両の向き(挙動)が変化したとき、乗員が姿勢を変えて目の位置が変化したとき、GPS(GDOP)の精度不良により車両の現在位置特定精度が悪化したとき等がある。また、対象物側の要因としては、対象物が見かけ上小さく矢印がズレてしまうとき、表示すべき対象物が複数、隣接しているためどの矢印がどの対象物を差しているかが不明確になるとき等がある。
物の見かけ上の大きさ、表示すべき対象物までの距離を想定される要因とし、これらの要因のそれぞれに所定の重み付けをして、対象物毎の最終的な特定精度を算出するように構成されている。
尚、これらの全てを用いない構成、または、他の要因を用いた構成でもよい。
ステップS21で「悪い」と判定されると、ステップS24に進み、特定精度が悪い場合の表示形態を設定する。
このデータ70では、施設(対象物)の名称と、施設(対象物)の位置情報(経度、緯度、標高)、施設(対象物)のジャンル、変更態様(特定精度悪化時における表示態様)、広域名称(特定精度悪化時に使用される名称)、最大広域名称(更に広い広域名称)、広域位置情報(広域名称表示時の矢印の先の位置(経度、緯度、標高))等が登録施設毎に記憶されている。
このとき、広域表示の「□□商店街」に、対象物の個別の名称である「コンビニ○×△店」、「コンビニ△△店」を、目立たないような表示形態で付加する構成でもよい。
さらに、本実施態様では、乗員が個別に入力した特定の対象物に関しては、広域名称への名称の変更を行わない。例えば、経路誘導の目的地として設定されている「富士山」は、広域名称に変更されない。この結果、矢印が現実の風景内の富士山からずれても、バーチャル画像による名称表示は「富士山」のままである。
なお、「ホテル○○」と「コンビニ△△店」を同一の広域表示で表せるときには、図15に示されているように、データ70の最大広域表示に基づいて、「×○×海岸」という、両者を共通して含めることができる、より広い広域名称が提供される。
2:情報センタ
4:インターネット
10:ホストコンピュータ
12:データベース
30:CPU
32:送受信装置
50:アイカメラ
52:バーチャル画像表示装置
Claims (8)
- 車両の乗員に、予め設定された対象物の位置情報を視覚的に提供する車両用情報提供装置であって、
前記車両の走行中、前記乗員が前記設定された対象物を視認可能であるか否かを判定する視認判定手段と、
前記設定された対象物が視認可能であると判定されたときに、該視認可能な対象物を差す指示表示と該対象物の名称を、前記乗員が視認している現実の風景内の前記対象物の見かけ上の位置に該現実の風景と重畳して表示することによって、該乗員に前記対象物の見かけ上の位置を視覚的に知らせる位置情報表示手段と、
車両の現在位置特定精度、表示すべき複数の対象物の見かけ上の間隔、表示すべき対象物の見かけ上の大きさ、及び、表示すべき対象物までの距離のうちの少なくとも一つに基づいて、前記画像が前記対象物を指す正確さを表す特定精度を算出する精度検出手段と、
算出された前記特定精度をしきい値と比較して、前記特定精度が悪いと判定されたときには、前記視認可能な対象物のうち、少なくとも一部の対象物について、前記対象物の名称を広域名称に変更し、前記指示表示の表示位置を、前記広域名称に対応した位置に変更する名称変更手段と、を備えている、
ことを特徴とする車両用情報提供装置。 - 前記名称変更手段は、所定のジャンルの対象物に関しては、前記広域名称への名称変更を行わない、
請求項1に記載の車両用情報提供装置。 - 前記名称変更手段は、同一の広域名称に含まれる複数の対象物の見かけ上の位置が隣接しているときには、これら複数の対象物について、一の広域名称を表示し、さらに、該広域名称の表示に加えて、前記複数の対象物の件数を表示させる、
請求項1又は2に記載の車両用情報提供装置。 - 前記名称変更手段は、前記特定精度が悪いと判定されたときには、変更した広域名称に加えて、前記対象物の名称を表示する、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の車両用情報提供装置。 - 前記名称変更手段は、表示すべき複数の対象物の見かけ上の位置が隣接しているときには、いずれかの対象物に関する広域名称を表示する、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の車両用情報提供装置。 - 前記名称変更手段は、表示すべき複数の対象物の見かけ上の位置が隣接しているときには、各対象物に共通する広域名称を表示する、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の車両用情報提供装置。 - 前記名称変更手段は、前記乗員が個別に入力した特定の対象物に関しては、前記広域名称への名称の変更を行わない、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の車両用情報提供装置。 - 前記名称変更手段は、自車から対象物までの距離が所定距離より近いときには、前記広域名称への変更を行わない、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の車両用情報提供装置。
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