JP3890572B1 - 造形用または建築用の無機質組成物及びその製造方法と使用方法 - Google Patents

造形用または建築用の無機質組成物及びその製造方法と使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 廃棄物としての問題が生じないような無機質で、比較的比重が小さく強靱性を備え、軽くて薄い三次曲面が形成できる組成物とし、水に溶け易いカルシウム化合物を配合することなく、発錆を促進する強酸を使用しないで、常温常圧下で且つ短時間で弱アルカリ性製品を造形し得るFRPに近づく性能を備えた製品の成型技術を提供する。また、社会問題となっている、建築物のアスベスト飛散防止用耐火材及び耐火被覆材を提供する。
【解決手段】 本発明の造形用または建築用の無機質組成物は、酸化亜鉛5〜40重量%、酸化マグネシウム20〜60重量%、塩化マグネシウム5〜50重量%の3種類と、酸化アルミニウムもしくは硫酸バリウムもしくは珪酸マグネシウムの1種類〜3種類を5〜30重量%を配合して成ることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、塩化マグネシウムの3種類と、酸化アルミニウムもしくは硫酸バリウムもしくは珪酸マグネシウムの1種類〜3種類を配合して成る造形用または建築用の無機質組成物及びその製造方法と使用方法に関する。
FRPは、ガラス繊維、カーボン繊維などの繊維類に、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂類を含侵、硬化させて製造される繊維強化プラスチックである。後述する表4に示すように、比重が小さく、圧縮強度が大きいことから、軽量で、折損し難く、柔軟性を保持した材料であることは一般に良く知られている。この特徴を生かして、FRPは遊園地や公園の遊具や造形物あるいは建築物の装飾材などに利用されている。
しかしながら、建築に使用する場合その可燃性が問題視され、かつFRPなどプラスチック製品は腐敗しないので、劣化した場合には燃焼させる廃棄方法が取られて、その結果、有毒ガスが発生し、又、使用中にも揮発性有機化合物VOCが形成されて、環境を悪化させる原因となっている。
一方、本発明者は、材料がガラス繊維補強石膏(GRG)やガラス繊維補強セメント(GRC)を扱っており、この材料は、石膏やコンクリートの無機質にガラス繊維等を加えたものである。このGRGやGRCの物性は、前記表4に示す通りで、美術館などでは優美な装飾品や造形品として演出され、また洋風建築物では天井埋め込み型間接照明用天井装飾材や、ローマ柱等の三次曲面に対応した内装工事が施工され、市場に提供されている。
しかし、これをそのまま前記FRPの代替品として利用しようとすると、比重が大きいので、重量物となって施工性が悪く、且つ、石膏を原料に含むGRGでは水に可溶となり、屋外での使用にはまったく使用出来ない等の問題点が残される。
これに対し従来技術には、無機質で軽量であり、且つ、厚さの薄い構造物が特許文献1に提案されている、
即ち、酸化マグネシウムと塩化マグネシウムと硫酸カルシウムも組成の一つとしたカルシウム化合物とを常温常圧且つ、強酸の存在化で混合して12時間以上で造形し、マグネシウム・カルシウム構造体を形成している。
しかし、当該技術を上記FRPの代替品として使用しようとすると、該構造体の骨格を形成するカルシウム化合物は、構造体の歪を抑える働きがあり、強固な構造体であるが、石膏と同様にカルシウム化合物であるため、雨水などを吸収して溶解し易い性質を有する。従って、屋内品などの用途に限定され、屋外の利用には不向きとなっている。また、マグネシウム・カルシウム構造体を形成するときに添加される強酸は、該構造体のpHを小さくしてしまい、この構造体で製造された建築材料は劣化が早く、鉄筋など金属を錆びさせてしまう、等の欠点が生じてしまう。
その他にはアルカリ土類金属炭酸塩を含有することを特徴とした組成物(例えば、特許文献2参照。)。もともと焼結をする事が前提の、窒化ケイ素を含有することを特徴とした組成物(例えば、特許文献3参照。)。シリカサンドを含有することを特徴とした組成物(例えば、特許文献4参照。)等がある。
請求項1に記載した配合を実際に使用するに当り、原価の低減を図るため、増量をする。作業性を向上させるため、化学変化を促進、または遅延させる。製品の価値を高めるため、着色をする。軽量で大きな製品を製造する場合、割れ難くする。屋外で製品を使用する場合、吸水性及び吸放湿性を抑える。等の必要性が生まれる。
そこで、請求項2に記載したことは、請求項1の配合に他の物質を混合することにより現実の経済活動に即した内容になっている。
さらに製造過程において、強度、精度を高めるため、圧力を加える。作業性を向上させるため、温度を高くする(化学変化が促進し、硬化が早まる)。または温度を低くする(化学変化が抑制され、硬化が遅くなる)。等の必要性も生まれると考えられる。
また、本発明の不燃特性と吹付け性能を生かし、社会問題でもあるアスベストの対策に利用できる。建築業界においては、アスベストの撤去には多大な経費を必要とする他、膨大な物件数にのぼり、工事がその需要に追いつかない状態である。したがって一部では、アスベストの撤去を将来に延ばし、その封じ込めを先行する動きがおきている。しかし、現在確定した技術はなく、各建設会社が盛んに試行実験を繰り返しているところである。
特開2002−173356号公報 特開昭58−79857号公報 特開平02−069361号公報 米国特許第5004505号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、火災や廃棄物の問題が生じないような無機質で、比較的比重が小さく強靱性を備え、水や酸性雨に難溶性となるようカルシウム化合物を配合することなく、発錆を促進する強酸を使用しないで、常温常圧下で且つ、短時間で弱アルカリ性製品を造形し得る、FRPに近づく性能を備えた製品の成型技術を提供するものである。また、社会問題でもあるアスベストの封じ込め対策やアスベスト撤去後の耐火被覆材にも適応する。
上記目的を達成するために、請求項1及び請求項2記載の造形用または建築用の無機質組成物は、酸化亜鉛5〜40重量%、酸化マグネシウム20〜60重量%、塩化マグネシウム5〜50重量%と、酸化アルミニウムもしくは硫酸バリウムもしくは珪酸マグネシウムを5〜30重量%を主に配合して成ることを特徴とする。
請求項3記載の造形用または建築用の無機質組成物の製造方法は、酸化亜鉛5〜40重量%、酸化マグネシウム20〜60重量%、塩化マグネシウム5〜50重量%と、酸化アルミニウムもしくは硫酸バリウムもしくは珪酸マグネシウムを5〜30重量%を主に配合混合して、型に流し込み、比較的肉薄な三次曲面を常温常圧下で化学反応にて形成する。また可燃物等に吹付け、もしくは塗り付ける事を特徴とする。
本発明の造形用または建築用組成物は、各配合材料の比重が小さいので、軽量の無機質組成物を形成することができる。水に溶解するカルシウム化合物を使用していないので、雨水が掛かる屋外でも使用できる。また、組成物は弱アルカリ性を保持し、硫酸や塩酸などの酸を使わない結晶化反応であるので、組成物の劣化が起き難く、鉄筋などの金属も錆び難い。且つ、不燃である。
その製造方法は、常温常圧下で結晶化反応が徐々に進行するので、急激な膨張、収縮や歪みがなく、且つ、強度が大きい組成物を形成することができる。質感は天然石に似た光沢のある白色を示す。天然石に似ているので緻密であり、磨くと光沢が増す。
また三次曲面を有する型に施工することにより、三次曲面や彫刻などあらゆる形を自由に形成できる。大きさにおいては、厚さ2〜8mm、1辺3000mm程度の三次曲面を容易に形成することができる。それ以上の大きさは運搬上現実的ではない。また、可燃性の素材に塗布することにより防火性能を付与させることができる。
アスベスト等の有害耐火被覆材に本発明の組成物を吹付けると、万一火災が発生した場合においても、その飛散を防ぐことが出来る。
酸化亜鉛5〜40重量%、酸化マグネシウム20〜60重量%、塩化マグネシウム5〜50重量%の3種類と、酸化アルミニウムもしくは硫酸バリウムもしくは珪酸マグネシウムの1種類〜3種類を5〜30重量%を配合して成ることを特徴とする造形用または建築用の無機質組成物である。
請求項1記載の組成物の製造過程において、請求項1記載の無機質組成物を主体に、他の物質を混和した組成物である。例えば、パーライト、ガラス発泡材、発泡スチロール、発泡ウレタン、高炉スラグ、製紙スラッジ、染料、顔料等や、ガラス、カーボン、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、綿、麻、金属、紙等で製造された繊維等や、有機にて組成されるエマルジョン化した樹脂、化学薬品等の請求項1記載の組成物以外の物質を請求項1記載の組成物に混和して、請求項1記載の組成物を加工した物質である。
請求項1及び請求項2記載の配合にて混合して型に流し込み、または吹付け、比較的肉薄な三次曲面を温度、摂氏5度から105度で形成することを特徴とする請求項1記載の造形用または建築用の無機質組成物の製造方法である。
可燃性のある物質や熱可塑性のある物質に、請求項1記載の無機質組成物を混合後、硬化前に皮膜するよう吹付けもしくは塗り付けをし、耐熱性能または耐火性能を向上させることを目的として使用する方法である。
建築物に、請求項1及び請求項2記載の組成物の製造過程において、請求項1及び請求項2記載の組成物を吹付け、もしくは塗り付けをし、不燃耐火材として使用する方法である。
改装工事等で既存するアスベストに、請求項1及び請求項2記載の組成物を吹付け、もしくは塗り付けをし、飛散防止処理用耐火物として用いる方法である。
そこで本発明は、安価に購入できる金属酸化物を配合し、化学反応により造形用または建築用の無機質組成物として一体化するが、その製造方法を以下に説明する。
最初に、本発明では、造形用または建築用組成物として、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、塩化マグネシウムの3種類と、酸化アルミニウムもしくは硫酸バリウムもしくは珪酸マグネシウムの1種類〜3種類の全てを用いることとし、これに言及する。
先ず、各選定材料の特徴について記述する。
酸化マグネシウムの配合量は20〜60重量%で、配合剤のなかでは最も多い。酸化マグネシウムは、組成物の白さを出す配合剤であり、その白さを際立たせるために配合量を多くする。また、組成物とりわけ酸化アルミニウムもしくは硫酸バリウムもしくは珪酸マグネシウムは、固溶体を形成し易くすると共に、引いては、緻密で光沢のある天然石状に一体化する働きをする。更に、硫酸バリウム以外は水にはわずかしか溶けないので、形成される組成物は屋外においても、使用可能であり、風化し難い。
次に、塩化マグネシウムの性状は、色は白色で固体であるが、6水和物であるので吸湿性が強く液状に成り易いが、近年無水塩化マグネシウムも存在する。本発明を構成する他の組成材料の沈殿防止剤であると共に、中性〜弱アルカリ性に調整する調整剤である。その結果、組成物の化学反応を進み易くする機能を有し、酸化マグネシウム、酸化亜鉛と、酸化アルミニウムもしくは硫酸バリウムもしくは珪酸マグネシウムを結合させる接着剤的な働きを行う。その配合量は、5〜50重量%である。
更に、酸化亜鉛の配合量は5〜40重量%で、他の組成材料と反応して、強固な組成物を形成するための骨格となる。5〜40重量%としたのは、5重量%以下の過小な量であったり、40重量%以上の過多な量であったりすると、脆い組成物となってしまうからである。また、組成物として一体化できたとしてもひびが入り易いからである。
更に、酸化アルミニウムもしくは硫酸バリウムもしくは珪酸マグネシウムの配合量は5〜30重量%とした。酸化アルミニウムもしくは硫酸バリウムもしくは珪酸マグネシウムは艶のある柔らかい質感を出現させる材料である。酸化アルミニウムもしくは硫酸バリウムもしくは珪酸マグネシウムの配合量が5〜30重量%であると白色〜乳白色を呈し、融点を上昇させ、ひび割れ防止効果が出てくる。しかし、配合量が30重量%超とすると結合し難くなり、ひび割れが起きる。5重量%未満だと脆くなってしまう。
製造方法としては、各配合材をボール(容器)に入れ、撹拌する。更に、水を加えながら良く混合した後、型に吹付け、もしくは塗り付け、もしくは流し込む。2〜8mm厚さとして、常温常圧下で化学変化させ、ひび割れの発生しないセラミック組成物を生成する。この組成物は、比較的肉薄な三次曲面を形成することが可能となる。ここで、本発明でいう三次曲面とは、多くは、湾曲した凹凸のある立体的な形状を指すが、表面が平坦な壁材等も含める意である。
また、本配合剤にガラス繊維を混ぜれば、更なる補強ができる。しかも高炉スラグや製紙スラッジ等も配合剤として添加することが可能である。
この発明の実施例を、上記実施の形態に基づいて製作した。その実施状況を表1、表2および表3に従って説明する。
上記の形態に基づいて製作した造形用または建築用の無機質組成物を形成するための配合表を表1に示す。
ポリエチレン製の容器に、酸化亜鉛35g(21.9重量%)、酸化マグネシウム50g(31.2重量%)、塩化マグネシウム30g(18.8重量%)、珪酸マグネシウム10g(6.2重量%)を混合し、ガラスさじで撹拌しながら水35g(21.9重量%)を投入する。その後、三次曲面を有する型に流し込み、常温常圧で20時間放置し、乾燥後型から外した。その結果、生成した組成物は厚さ5mmの白色セラミック組成物となり、比重は1.8、圧縮強度は25.0N/mmであった。
Figure 0003890572
上記の形態に基づいて製作した造形用または建築用無機質組成物を形成するための比較配合表を表2に示す。実施例1に比べて酸化亜鉛量を増量し、酸化マグネシウム量を減少した。
ポリエチレン製の容器に、酸化亜鉛40g(27.6重量%)、酸化マグネシウム30g(20.7重量%)、塩化マグネシウム30g(20.7重量%)、珪酸マグネシウム10g(6.9重量%)を混合し、ガラスさじで撹拌しながら水35g(24.1重量%)を投入する。その後、三次曲面を有する型に流し込み、常温常圧で20時間放置し、乾燥後型から外した。その結果、生成した組成物は厚さ5mmの白色セラミック組成物となって艶がなくなった。比重は1.9と大きくなり、圧縮強度は20.0N/mmと小さくなった。
Figure 0003890572
上記の形態に基づいて製作した造形用または建築用の無機質組成物を形成するための比較配合表を表3に示す。実施例1に比べて酸化マグネシウム量を減らし、珪酸マグネシウム量を増量した。
ポリエチレン製の容器に、酸化亜鉛35g(24.1重量%)、酸化マグネシウム30g(20.7重量%)、塩化マグネシウム30g(20.7重量%)、珪酸マグネシウム15g(10.3重量%)を混合し、ガラスさじで撹拌しながら水35g(24.1重量%)を投入する。その後、三次曲面を有する型に流し込み、常温常圧で20時間放置し、乾燥後型から外した。その結果、生成した組成物は滑りのある質感で、厚さ5mmで艶のある白色〜乳白色セラミック組成物が形成できた。比重は1.7と小さくなり、圧縮強度は51.2N/mmと大きくなった。
Figure 0003890572
実施例1及び実施例2及び実施例3の形態に基づいて製作した造形用または建築用の無機質組成物の試験状況を表4および図1に従って説明する。
上記の形態に基づいて製作した造形用または建築用の無機質組成物、FRPおよび天然石の物性比較を比重の小さい物から順に並べた。その結果を表4に示す。
本発明の造形用または建築用組成物の実施例3種の比重は、FRPにほぼ等しいので、軽量であることを表している。圧縮強度はFRPのほぼ2倍であるので、FRPのような可撓性はないが、強固であることを示している。また、FRPと同様にガラス繊維を配合したGRGやGRCの比重は、基本配合剤の石膏やポルトランドセメントの影響により本実施例やFRPより大きく、圧縮強度は本実施例とFRPの中間位の値を示していることから、GRGやGRCはセラミック特有の重さがFRPに替われなかったことを表している。
また、本発明の硬度が天然石とほぼ同じであることから、天然石に似た光沢のある白色質感を示す。天然石に似ているので緻密であり、磨くと光沢が増す。
上記を要約すると、本発明は比重が小さくFRP程度であり、硬度、圧縮強度が大きいので、軽くて硬く、折れ難い材料となっていることを示している。
Figure 0003890572
FRP:ガラス繊維に樹脂を含侵、硬化させる繊維強化プラスチックをいう。
GRG:ガラス繊維で補強した石膏で、ガラス繊維補強石膏という。
GRC:ガラス繊維で補強したセメントで、ガラス繊維補強セメントという。
表3の配合に基づいて製作した本発明の造形用または建築用組成物と石膏をそれぞれ1辺5cmの立方体に成形した後、水に投入して、溶解試験を行った。
その結果を図1に示す。
20℃の水を張った2個のプラスチック製のボウル(直径28cm)に、本発明の実施例1と石膏をそれぞれ投入し、30日毎にその重量を計量した。計量にあたり、水から取り出した試験体は5分間、ドライヤーにて乾燥した。試験は90日間行い、試験体の溶融状況を比較した。
その結果、本発明の組成物には重量変化がなく、90日間継続して225gを示し、ボウル内の水の白濁もなかった。劣化が全く起きていないことを示し、水に強い組成物であることを表している。一方、石膏は、試験前後で重量変化があり、試験前に290gであった試験体が90日後には210gに減少した。その減少率は27.6%であった。更に、ボウル内の水は白濁し、試験体の表面にザラザラ感が現れた。また試験体の角などは簡単に崩れてしまい、劣化が進行していることを示している。
図2において、表3の配合に基づいて調合した材料を直径3000mmであるドーム形をしたウレタンゴム製の型にリシンガンで1mm程度の厚みになるよう吹付け、300mm×300mm程度に切断されたガラス繊維製のネットを隙間なく貼りこみ、さらにリシンガンで表3の配合に基づいて配合された材料を、ネットを埋めるよう吹付け、その後鏝で空気を追い出すようによく押さえた。さらに急激な乾燥をさせないようポリエチレン製のフイルムを全体に掛けた。翌日型から外したところ厚み約3mmで、たわみが有るものの充分な強度であった。
図3において、表3の配合に基づいて配合された材料をポリエチレン製の容器に入れ、撹拌したのち3〜5mmの発泡スチロールの粒(表3配合材料の総重量比の10%)を混入し、さらによく撹拌し、ベニヤ板で制作した25cm×25cm,厚み3cmの型枠に流し込んだ。18時間後に型枠からはずしたところ充分な強度が有り、比重は0.75になった。体積は2.5倍であった。
図3において、表3の配合に基づいて配合された材料をポリエチレン製の容器に入れ、撹拌したのち3〜5mmの発泡ガラス粒(表3配合材料の総重量比の30%)を混入し、さらによく撹拌し、ベニヤ板で制作した25cm×25cm、厚み3cmの型枠に流し込んだ。18時間後に型枠からはずしたところ 充分な強度が有り、比重は1.24になった。体積は3倍であった。
発泡ガラス粒とは、廃ガラスビンを粉砕した後、貝殻の粉末を5〜10%混ぜ、900℃で加熱して出来たものである。
表3の配合に基づいて配合された材料をポリエチレン製の容器に入れ、撹拌したのちセメント用顔料であるバイエル社(ドイツ)製205茶色(表3配合材料の総重量比の5%)を投入し、さらによく撹拌した。シリコンゴムで製作した凹型の型に流しこみ硬化を待ち型から外したところ、強度は充分であった。発色はやや鈍かったが、建材としては使える色合いであった。
表3の配合に基づいて配合された材料をポリエチレン製の容器に入れ、撹拌したのち関西ペイント社製の水性アクリル塗料の黄色(表3配合材料の総重量比の5%)を投入し、さらによく撹拌した。シリコンゴムで製作した凹型の型に流しこみ硬化を待ち型から外したところ、強度は充分であり、発色は鮮やかであった。
図4において、表3の配合に基づいて配合された材料をポリエチレン製の容器に入れ、撹拌したのち40cm×20cm、厚さ0.5cmの容量をもつ鉄製の型に流しこみ、上部から鉄製の内蓋を載せ、その上から重さ100kgで圧力を加えた。3日間放置した後、型から外した。歪みは全く無く、強度は72.3N/mmを示した
図5において、表3の配合に基づいて配合された材料をポリエチレン製の容器に入れ、撹拌したのち20cm×20cm、厚さ3mmのガラス板の上に上記材料を2〜5mm程度の厚さにひろげ、その後、電熱線を配した蓋をかぶせ、湿度を80%〜90%に保って70℃の温度を加えたところ、1時間30分後には硬化が終了していた。
図6において、20cmの立方体に切断した発泡スチロールに、塗装用のエアーガンを使い、表3の配合に基づいて調合した材料を1〜2mm程度の厚さで吹付け、1週間ほど放置した。その後市販のカセット式ガスバーナーで火を着けた。30秒後表面がややオレンジ色に光りだし、熱が完全に伝わったと思われた。そこで火を消し温度の低下するのを15分ほど待って観察した。表面の0.1mm〜0.2mmの層に熱による崩壊が見られたが、強度は失われてはいなかった。小さなハンマーで叩いて割ってみたところ、内部の熱の影響を受けた部分の発泡スチロールは溶けて空洞化していた。
表3の配合に基づいて製作した本発明の造形用または建築用組成物に、水性シリコン樹脂を塗布してから水中に入れ1ヶ月間放置して、水中から取り出したところ、水分を弾き本発明の組成物には何の影響も見られなかった。
表3の配合に基づいて製作した本発明の造形用または建築用組成物に、ガラス発泡体を混練りしたものを建築のリフォーム現場において、アスベストに塗装用吹付けガンにて吹付けた。一週間後確認した所、アスベストの飛散のない状態で十分な強度が得られた。ガスバーナーをあて、耐熱性を確認した所、まったく燃えなく煙もでなかった。
表3の配合の珪酸マグネシウムを酸化アルミニウムに代え製作した本発明の造形用または建築用組成物をシリコンゴムで製作した凹型の型に流し込み、硬化を待ち型から外した。強度は充分であった。
表3の配合の珪酸マグネシウムを硫酸バリウムに代え製作した本発明の造形用または建築用組成物をシリコンゴムで製作した凹型の型に流し込み、硬化を待ち型から外した。強度は充分であった。
表3の配合に基づいて製作した本発明の造形用または建築用組成物に、二酸化鉄を混入し、よく攪拌した後、30cm×30cm厚み3mmの鉄板に吹き付けた。硬化後の強度は充分であった。その後水に浸し数週間放置して、吹付け部位を剥がしてみたが鉄板に傷みは見られなかった。
表3の配合に基づいて製作した本発明の造形用または建築用組成物に、高炉スラグを10重量%混入し、よく攪拌した後、シリコンゴムで製作した凹型の型に流し込み、硬化を待ち型から外した。強度は充分であった。
表3の配合に基づいて製作した本発明の造形用または建築用組成物に、製紙スラッジを5重量%混入し、よく攪拌した後、シリコンゴムで製作した凹型の型に流し込み、硬化を待ち型から外した。強度は充分であった。
表3の配合に基づいて調合した材料(あらかじめ水にジメチル・フェニル・スルファミドを主成分とした有機系カビ止め剤を2重量%混合)をポリエチレン製の容器に入れ、攪拌したのち3〜5mmの発泡スチロールの粒(表3配合材料の総重量比の10%)を混入し、さらによく攪拌し、1辺5cmの立方体の型枠に流し込んだ。硬化後型から外し、20℃前後の温度で高湿度の所に3ヶ月放置し、防カビの試験を行ったところカビの発生は認められず、本発明の組成物には何の影響も見られなかった。
本発明は、FRPの代替品としての使用が可能で、例えば遊園地や公園の遊具や擬岩、美術工芸品あるいは装飾用窓枠、装飾柱や内外壁材、天井材など一般建築物にも利用できる。また現在社会問題になっているアスベスト対策には特に適している。
本発明実施例の造形用または建築用の無機質組成物と石膏の溶解比較試験である。 本発明実施例の造形用または建築用の無機質組成物の試験方法を説明するための図である。 本発明実施例の造形用または建築用の無機質組成物の試験方法を説明するための図である。 本発明実施例の造形用または建築用の無機質組成物の試験方法を説明するための図である。 本発明実施例の造形用または建築用の無機質組成物の試験方法を説明するための図である。 本発明実施例の造形用または建築用の無機質組成物の試験方法を説明するための図である。
符号の説明
A ウレタンゴム製型
B リシンガン
C 発泡ガラス粒
D 型枠の断面
E 鉄製蓋の断面
F 100kg
G 材料
H 鉄製型の断面
I 蓋の断面
J 電熱線
K ガラス板の断面
L 材料
M 発泡スチロールの表面に材料を吹付けて固めてある物体
N ガスバーナー

Claims (10)

  1. 酸化亜鉛5〜40重量%、酸化マグネシウム20〜60重量%、塩化マグネシウム5〜50重量%、水5〜50重量%の4種類と、酸化アルミニウムもしくは硫酸バリウムもしくは珪酸マグネシウムの1種類〜3種類を5〜30重量%から成ることを特徴とする造形用または建築用の無機質組成物。
  2. 請求項1記載の組成物にさらに、パーライト、ガラス発泡材、発泡スチロール、発泡ウレタン、高炉スラグ、製紙スラッジ、染料、顔料、もしくはガラス、カーボン、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、綿、麻、金属、紙で製造された繊維、および/または、有機にて組成されるエマルジョン化した樹脂を配合してなる組成物
  3. 請求項1記載の無機組成物を混合して型に流し込みまたは吹付け、肉薄な三次曲面を温度、摂氏5度から105度で形成することを特徴とする成形体の製造方法。
  4. 可燃性物質または熱可塑性物質に、請求項1記載の無機質組成物を混合後、硬化前に皮膜するよう吹付けもしくは塗り付けをし、耐熱性能または耐火性能を向上させることを目的として使用する方法。
  5. 建築物に請求項1記載の組成物を混合後未硬化の状態で吹付けもしくは塗り付けをし、不燃耐火材として使用する方法。
  6. 請求項1記載の組成物を、改装工事既存するアスベストに吹付けもしくは塗り付けをし、飛散防止処理用耐火物として用いる方法。
  7. 請求項2記載の無機組成物を混合して型に流し込みまたは吹付け、肉薄な三次曲面を温度、摂氏5度から105度で形成することを特徴とする成形体の製造方法。
  8. 可燃性物質または熱可塑性物質に、請求項2記載の組成物を混合後、硬化前に皮膜するよう吹付けもしくは塗り付けをし、耐熱性能または耐火性能を向上させることを目的として使用する方法。
  9. 建築物に請求項2記載の組成物を混合後未硬化の状態で吹付けもしくは塗り付けをし、不燃耐火材として使用する方法。
  10. 請求項2記載の組成物を、改装工事既存するアスベストに吹付けもしくは塗り付けをし、飛散防止処理用耐火物として用いる方法。
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