JP3890357B2 - 遠紫外線露光用ポジ型フォトレジスト組成物 - Google Patents

遠紫外線露光用ポジ型フォトレジスト組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は遠紫外線、特に170nm〜220nmという非常に短波長の光で露光する場合に好適なポジ型フォトレジスト組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体素子等の微細加工を必要とする各種電子デバイス製造の分野においては、デバイスのますますの高密度化、高集積化に関する要求が高まっている。これに伴いパターンの微細化を実現するためのフォトグラフィー技術に対する要求性能は厳しさを極めている。この微細化技術の一翼を担っているのがフォトレジストの高解像力化であり、また露光光の短波長化である。
【0003】
一般に、光学系の解像度(Res)はレーリーの式、すなわちRes=k・λ/NA(kはプロセスファクター、λは露光光源の波長、NAはレンズの開口数)で表すことができる。この式からより再現線幅を小さくし、微細なパターンを解像するためには(すなわち高解像力を得るためには)、露光時の波長を短くすればよいことがわかる。確かに、最小再現線幅の縮小とともに露光波長は高圧水銀灯のg線(436nm)、i線(365nm)へと移行し、更にKrFエキシマレーザー(248nm)を使用したデバイス製造が検討されている。そして、更なる微細加工に対してはより短波なエキシマレーザー、中でもArF(193nm)の利用が有望視されている。
【0004】
一方、この短波長光で露光されるフォトレジストの方に目を移すと、従来製造化につながってきた単層レジストではなく、表面リソグラフィーを利用した2層以上の多層レジスト系での高集積化も検討されている。しかし、これまで多層レジストの実用化を阻んできたプロセスの煩雑化は依然として問題である。
また、KrFエキシマレーザーを初めとするエキシマレーザーの場合、ガス寿命が短いこと、そもそも露光装置自体が高価なことのため、レーザーのコストパフォーマンスを高める必要があると一般にされている。
これに答えたのがKrFエキシマレーザー露光用途から主流となったいわゆる化学増幅型レジストである。化学増幅型レジストは露光により系内の触媒量存在する光酸発生剤から酸が発生し、その触媒量の酸によりバインダーあるいは低分子化合物のアルカリ可溶性基の保護基を触媒反応的に脱離させ、アルカリ現像液に対する溶解性のディスクリミネーションを確保するという仕組みである。化学増幅型レジストは光反応により発生した酸を触媒反応的に利用することから高感度化が期待できる。
【0005】
化学増幅系レジストは一般に、主に光酸発生剤と酸の作用により分解するアルカリ可溶性基の保護基を分子内に有する樹脂を組み合わせた通称2成分系、上記2つに酸の作用により分解するアルカリ可溶性基の保護基を分子内に有する低分子化合物を更に含有する2.5成分系、光酸発生剤とアルカリ可溶性樹脂、酸の作用により分解するアルカリ可溶性基の保護基を分子内に有する低分子化合物を含有する3成分系に大別される。
【0006】
上記化学増幅系レジストにおいて、酸の作用により分解するアルカリ可溶性基の保護基を分子内に有する樹脂(酸分解性基を有する樹脂)には以下のような点が要求される。
(1)塗布溶剤に対する溶解性
(2)製膜性(ガラス転位点)
(3)露光光に対する透明性
(4)発生酸に対する酸分解基の分解性
(5)アルカリ現像性、膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)
(6)未露光部の基板への密着性
(7)ドライエッチング耐性
等である。
【0007】
上記(7)のドライエッチング耐性に関してはこれまで芳香環の示す高いドライエッチング耐性を利用してきた。例えばノボラック樹脂やポリヒドロキシスチレン類を挙げることができる。ところが、芳香環は一般的には、本発明のターゲットとするところの遠紫外線、特に170〜220nmの領域に高い光吸収を有し、露光後この吸収はほとんど変化しない(光ブリーチ性がない)ことから(3)露光光に対する透明性の観点では好適でない。このため、光透明性を有し、かつドライエッチング耐性の高い樹脂の開発が待望された。
これに対する回答の一つが脂肪族環状化合物の導入であり、今一つが芳香族化合物の一つであるナフタレン骨格の利用である。脂肪族環状化合物によりドライエッチング耐性と透明性が両立可能であることは、Journal of Photopolymer Science and technology, vol 3, p439, 1992 をはじめ数々の報告例がある。
【0008】
ところで、脂肪族環状化合物によるドライエッチング耐性確保には問題がある。一つは高い疎水性のために水系での現像性が劣化する点である。これに対しては、例えば現像液にアルコールを添加することにより解決を図ろうとしている(SPIE vol.2438, p.422, 1995)。今一つは、未露光部での基板への密着性劣化する点である。この基板密着性はこれまで主にメタクリル酸やヒドロキシエチルメタクリレートの共重合物添加により改良されてきたが、メタクリル酸の共重合物ではアルカリ現像後のパターンプロファイルの膜べりやドライエッチング耐性の劣化などの幣害も大きく、ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合物では露光部の一部ネガ化が見られることから一概に満足いく結果は得られなかった。
【0009】
また、特開平7−199467には高感度で、解像性およびドライエッチング耐性を示す化学増幅型レジストを得ることを目的とし、樹脂として▲1▼脂環式アルキル基または脂環式エポキシ基を有する単量体、▲2▼酸により解裂し、極性変換を起こす基を有する単量体、および▲3▼アクリレートまたはメタクリレート系から選ばれる単量体の三成分からなる三元重合体を使用する方法が提案されている。
しかし、この方法においてはパターンの膜べりが悪く、またパターンと基板との密着性も十分でなく、実用的に満足し得るものではなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、化学増幅系レジスト組成物における酸分解性基を有する樹脂に要求される性能のうち
(5)アルカリ現像性、膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)
(6)未露光部の基板への密着性
(7)ドライエッチング耐性
に関しては、これらをすべて満足する技術は確率されていないのが現状といえる。
従って、本発明の目的は、遠紫外線露光用ポジ型フォトレジスト組成物において、脂肪族環状部位(脂環有機基)により改善されたドライエッチング耐性を大きく劣化させることなく、未露光部の密着性と膜べりを改善することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記諸特性に留意し鋭意検討した結果、下記構成により上記目的が達成されることを見いだし、この知見に基づき本発明に到った。
(1)下記一般式〔I〕で表される繰り返し構造単位を少なくとも1種と、酸の作用により分解しアルカリ現像液中での溶解性を増大させる基とを含有する樹脂、および活性光線または放射線の照射により分解して酸を発生する化合物を含むことを特徴とする遠紫外線露光用ポジ型フォトレジスト組成物。
一般式
【0012】
【化2】
Figure 0003890357
【0013】
1 ;水素原子、アルキル基、
A;アルキレン基、置換アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレア基の単独の基あるいはこれら2つ以上を組み合わせた基、
を表す。
(2)前記樹脂が、更に分子内に脂肪族環状炭化水素部位を有する繰り返し構造単位を含有する樹脂であることを特徴とする上記(1)記載の遠紫外線露光用ポジ型フォトレジスト組成物。
【0014】
【発明の実施の形態】
上記一般式〔I〕におけるR1 のアルキル基としてはメチル基、エチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。Aのアルキレン基、置換アルキレン基としては、下記で示される基を挙げることができる。
【0015】
【化3】
Figure 0003890357
【0016】
式中、
5 、R6 :水素原子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよく、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基よりなる群から選択された置換基を表す。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。nは1〜10の整数を表す。
本発明において、上記一般式〔I〕で表される繰り返し構造単位としては、具体的には下記一般式〔I−A〕〜〔I−J〕で表される繰り返し構造単位が挙げられる。
【0017】
【化4】
Figure 0003890357
【0018】
上記式中のR5 、R6 、nは上記と同義であり、mは1〜3の数を表す。
更に上記一般式〔I〕で表される繰り返し構造単位の具体例を以下に挙げる。しかしながら、本発明の内容がこれらに限定されるものではない。
【0019】
【化5】
Figure 0003890357
【0020】
【化6】
Figure 0003890357
【0021】
【化7】
Figure 0003890357
【0022】
【化8】
Figure 0003890357
【0023】
上記式中のmは上記と同義である。
また、酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解性を増大させる基としては、露光により発生した酸により分解する基であればいずれでもよい。酸の作用により分解し、アルカリ可溶性となる基としては具体的には、シリルエーテル基、アセタール基、テトラヒドロピラニルエーテル基、テトラヒドロフラニルエーテル基、エノールエーテル基、エノールエステル基、テトラヒドロピラニルエステル基、テトラヒドロフラニルエステル基、3級アルキルエーテル基、3級アルキルエステル基、3級アルキルカーボネート基、1−アルコキシアルキルエステル基、3−オキソシクロヘキシルエステル基、2−オキソシクロヘキシルエステル基等を挙げることができる。
露光により発生した酸により分解する基として好ましくは、エノールエステル基、テトラヒドロピラニルエステル基、テトラヒドロフラニルエステル基、3級アルキルエステル基、1−アルコキシアルキルエステル基、3−オキソシクロヘキシルエステル基、2−オキソシクロヘキシルエステル基である。
【0024】
本発明において、上記一般式〔I〕で示される繰り返し構造単位の樹脂中の含有量としては、全繰り返し単位の量を基準として、好ましくは1〜50モル%であり、より好ましくは3〜40モル%である。1モル%未満では本発明の効果である基板との密着性向上が得られず、50モル%を超えるとドライエッチング耐性の劣化や未露光部の膜べりが見られ好ましくない。
本発明において、上記酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解性を増大させる基を有する繰り返し構造単位の樹脂中の含有量としては、全繰り返し単位の量を基準として、好ましくは3〜55モル%であり、より好ましくは5〜50モル%である。3モル%未満では十分な画像が得られず、また55モル%を超えるとドライエッチング耐性の劣化が見られ好ましくない。
【0025】
本発明において、上記樹脂には、更に分子内に脂肪族環状炭化水素部位を有する繰り返し構造単位を含有することが好ましい。これにより、遠紫外線特に170nm〜220nmの波長の露光光に対する透明性を損なうことなく、ドライエッチング耐性を向上させることができる。
そのような脂肪族環状炭化水素部位を有する繰り返し構造単位としては、下記一般式[II]あるいは一般式[III] で示される繰り返し構造単位が好ましい。
【0026】
一般式[II]
【化9】
Figure 0003890357
【0027】
式中、R2 :1価の脂肪族環状炭化水素置換基よりなる群から選択された置換基を表す。
【0028】
一般式[III]
【化10】
Figure 0003890357
【0029】
式中、
3 :2価の脂肪族環状炭化水素部位を含有する連結基よりなる群から選択さ
れた連結基を表す。
X :COOH、OH、COOR4 、OR4よりなる群から選択された置換基
を表す。
1 は上記と同義である。
【0030】
2 の1価の脂肪族環状置換基としては、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、トリシクロデカニル基、ジシクロペンテニル基、ノルボルナン エポキシ基、シクロヘキシル基、メンチル基等を挙げることができる。
3 の2価の脂肪族環状部位を含有する連結基の脂肪族環状部位としては以下
のような部分構造を挙げることができる。
【0031】
【化11】
Figure 0003890357
【0032】
また上記脂肪族環状部位とエステル残基、X基をつなぐR3 内の連結基としては単結合、アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルフォンアミド基等の2価の有機連結基を挙げることができる。ただし、連結基は1つあるいは2つ以上を組み合わせて用いることができる。
4 はt−ブチル基、t−アミル基等の3級アルキル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、−CH(CH3)OCH2CH3 、−CH(CH3)OCH2 CH(CH3)2 等のアルコキシエチル基、−CH2 OCH3 、−CH2 OCH2 CH3 等のアルコキシメチル基等の酸の作用により分解する置換基よりなる群から選択された置換基を表す。
【0033】
一方、ドライエッチング耐性を付与することを目的とした共重合単量体である脂肪族環状炭化水素基を含有する単量体において、一般式[II]の単量体の樹脂中の添加量は、全繰り返し単位の量を基準として好ましくは70モル%以下であり、更に好ましくは60モル%以下である。70モル%を超える場合には密着性や現像性の劣化を招き好ましくない。また、一般式[III] の単量体の樹脂中の添加量は、全繰り返し単位の量を基準として好ましくは95モル%以下であり、更に好ましくは90モル%以下である。95モル%を超える場合には密着性や現像性の劣化を招き好ましくない。
但し、一般式[II]+一般式[III] の単量体の添加量は、好ましくは20モル%以上、更に好ましくは30モル%以上である。20モル%未満の場合にはドライエッチング耐性が不十分となり好ましくない。
【0034】
また、上記単量体以外にも下記の様な単量体を繰り返し単位として共重合させることができるが、これらに限られるものではない。これにより、前記樹脂に要求される性能、特に(1)塗布溶剤に対する溶解性、(2)製膜性(ガラス転位点)、(5)アルカリ現像性、膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、(6)未露光部の基板への密着性、(7)ドライエッチング耐性、の微調整が可能である。
【0035】
このような共重合単量体としては以下のようなものを挙げることができる。例えば、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物である。
【0036】
このような単量体の添加量は前記一般式〔I〕の構造単位、酸の作用により分解しアルカリ現像液中での溶解性を増大させる基および脂肪族環状部位を含有する構造単位の総モル数に対して99モル%以下が好ましく、より好ましくは90モル%以下であり、さらに好ましくは80モル%以下である。99モル%を越えた場合には、本発明の効果が発現しない。
【0037】
このような他の単量体としては、具体的には、例えばアクリル酸エステル類、例えばアルキル(アルキル基の炭素原子数は1〜10のものが好ましい)アクリレート(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸アミル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレートなど);
【0038】
メタクリル酸エステル類、例えばアルキル(アルキル基の炭素原子数は1〜10のものが好ましい。)メタクリレート(例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレートなど);
【0039】
アクリルアミド類、例えばアクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、(アルキル基としては炭素原子数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、ベンジル基などがある。)N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素原子数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、エチルヘキシル基、シクロヘキシル基などがある。)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミドなど;
【0040】
メタクリルアミド類、例えばメタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては炭素原子数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、エチルヘキシル基、ヒドロキシエチル基、シクロヘキシル基などがある。)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としてはエチル基、プロピル基、ブチル基などがある。)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミドなど;
【0041】
アリル化合物、例えばアリルエステル類(例えば酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノールなど;
【0042】
ビニルエーテル類、例えばアルキルビニルエーテル(例えばヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテルなど);
マレイン酸あるいはフマール酸のジアルキルエステル類(例えばジメチルマレレート、ジブチルフマレートなど)又はモノアルキルエステル類;
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル等がある。
【0043】
その他、一般式〔I〕あるいは一般式〔II〕もしくは一般式[III] で示される繰り返し単位と共重合可能である付加重合性不飽和化合物であればよい。
【0044】
本発明における樹脂としては、好ましくは以下の一般式[IV]で表される化合物を挙げることができるが、これに限られるものではない。
【0045】
一般式[IV]
【化12】
Figure 0003890357
【0046】
ここで、
1 〜R3 、R5 、Xは上記と同じ。
6 ;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基
a;0〜70
b;0〜95
c;1〜50
d;3〜55
e;0〜40
f;0〜20
a+b+c+d+e+f=100
a+b≧40
1≦c+f≦50
を表す。
本発明における上記樹脂の重量平均分子量は、2,000〜200,000が好ましい。重量平均分子量が2,000未満では耐熱性やドライエッチング耐性の劣化が見られるため好ましくなく、200,000を越えると現像性が劣化したり、粘度が極めて高くなるため製膜性が劣化するなど好ましくない。
【0047】
また本発明における一般式〔I〕で示される構造の繰り返し単位を含む樹脂の組成物中の添加量は、全固形分に対して40〜99重量%であり、好ましくは50〜97重量%である。
本発明における樹脂は、アゾ化合物などを開始剤とするラジカル重合をはじめとする通常の方法により合成できる。
【0048】
本発明における上記一般式〔I〕の繰り返し単位と酸分解性基を分子内に有する樹脂は、活性光線または放射線の照射により分解して酸を発生する化合物(光酸発生剤)との組み合わせでポジ型フォトレジストを形成する。
【0049】
次にこの光酸発生剤について説明する。
光酸発生剤の必要要件は、(1)露光光に対する透明性(ただし光ブリーチ性がない場合)、(2)レジスト感度を確保するために十分な光分解性である。
これら2つの要件は相矛盾する性能である。しかし、この矛盾する必須要件を満たす分子設計指針は明確でないのが現状であるが、以下のような化合物を本発明の光酸発生剤として挙げることができる。
例えば、特開平7−25846号公報、特開平7−28237号公報、特開平7−92675号公報、特開平8−27102号公報記載の2−オキソシクロヘキシル基を有するアルキルスルフォニウム塩類、および、N−ヒドロキシスクシンイミドスルフォネート類、さらには J. Photopolym. Sci. Technol., Vol 7, No3, p 423 (1994) 等に記載されている下記一般式[V] で示されるスルフォニウム塩、下記一般式[VI]で示されるジスルフォン類、下記一般式[VII] で表される化合物を挙げることができる。
【0050】
【化13】
Figure 0003890357
【0051】
ここで、R10〜R13は同じでも異なってもよく、アルキル基、環状アルキル基を表す。
【0052】
また、N−ヒドロキシマレインイミドスルフォネート類も好適である。
上記N−ヒドロキシマレインイミドスルフォネート類の中でも下記一般式[VIII]で示される化合物が好ましい。
【0053】
一般式[VIII]
【化14】
Figure 0003890357
【0054】
上記一般式[VIII]において、R14、R15はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基(ただし、R14とR15がアルキレン基を介して結合して環を形成しても良い)を表す。
16はアルキル基、ペルフルオロアルキル基、シクロアルキル基を表す。
上記一般式[VIII]におけるR14、R15の炭素数1〜6個のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基を挙げることができる。中でも好ましいのはメチル基、エチル基、プロピル基であり、メチル基、エチル基が更に好ましい。シクロアルキル基としてはシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基を挙げることができる。好ましくはシクロペンチル基、シクロヘキシル基である。R14、R15がアルキレン鎖により互いに環を形成する場合としては、例えばシクロヘキシル基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基を形成する場合を挙げることができる。
【0055】
16のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基を初めとする直鎖の炭素数1〜20個のアルキル基や、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基を初めとする分岐した炭素数1〜20個のアルキル基を挙げることができる。好ましくは炭素数1〜16個の直鎖あるいは分岐したアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数4〜15個の直鎖あるいは分岐したアルキル基である。ペルフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基を初めとする直鎖の炭素数1〜20個のペルフルオロアルキル基や、ヘプタフルオロイソプロピル基、ノナフルオロtert−ブチル基を初めとする分岐した炭素数1〜20個のペルフルオロアルキル基を挙げることができる。好ましくは炭素数1〜16個の直鎖あるいは分岐したペルフルオロアルキル基である。シクロアルキル基としてはシクロペンチル基、シクロヘキシル基の様な単環状の環状のアルキル基や、デカリル基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基のような複数環状のアルキル基が挙げられる。
以下に一般式[VIII]で表される化合物の具体例を示すが、本発明の内容がこれらに限定されるものではない。
【0056】
【化15】
Figure 0003890357
【0057】
【化16】
Figure 0003890357
【0058】
一般式[VIII]で表される化合物は、G.F.Jaubert 著、Ber., 28, 360 (1895)の方法、D.E.Ames等著、J.Chem.Soc.,3518 (1955) の方法、あるいはM.A.Stolberg等著 J.Am.Chem.Soc., 79.2615 (1957)の方法等に従い合成されたN−ヒドロキシイミド化合物とスルフォン酸クロリドとを塩基性条件下、例えば L.Bauer等著、J.Org.Chem., 24. 1294. (1959) の方法に従って合成することが可能である。
【0059】
上記光酸発生剤の中でも、一般式[VIII]で表されるN−ヒドロキシマレインイミドスルフォネート類が好ましい。
光酸発生剤の添加量は、ポジ型フォトレジスト組成物の全固形分中で0.1〜20重量%であり、好ましくは0.5〜15重量%、更に好ましくは1〜10重量%である。
また、上記光酸発生剤以外にも以下に示すような光酸発生剤を併用してもよい。ただし、これらの光酸発生剤を併用する場合には、その添加量は全レジスト固形分中で2重量%以下にすべきである。更に好ましくは1重量%以下である。
【0060】
この様な光酸発生剤としては、たとえば S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal etal,Polymer,21,423(1980) 等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055 号、同4,069,056号、同 Re 27,992号、特願平3-140,140号等に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker etal,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988) 、米国特許第4,069,055 号、同4,069,056 号等に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello etal,Macromorecules,10(6),1307(1977) 、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988) 、欧州特許第104,143 号、米国特許第339,049 号、同第410,201 号、特開平2-150,848 号、特開平2-296,514 号等に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello etal,Polymer J.17,73(1985) 、J.V.Crivello etal.J.Org.Chem.,43,3055(1978) 、W.R.Watt etal,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984) 、J.V.Crivello etal,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello etal,Macromorecules,14(5),1141(1981) 、J.V.Crivello etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693 号、同3,902,114 号、同233,567 号、同297,443 号、同297,442 号、米国特許第4,933,377 号、同161,811 号、同410,201 号、同339,049 号、同4,760,013 号、同4,734,444 号、同2,833,827 号、獨国特許第2,904,626 号、同3,604,580 号、同3,604,581 号等に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello etal,Macromorecules,10(6),1307(1977) 、J.V.Crivello etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed., 17,1047(1979) 等に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988) 等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815 号、特公昭46-4605 号、特開昭48-36281号、特開昭55-32070号、特開昭60-239736 号、特開昭61-169835 号、特開昭61-169837 号、特開昭62-58241号、特開昭62-212401 号、特開昭63-70243号、特開昭63-298339 号等に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier etal,J.Rad.Curing,13(4),26(1986)、T.P.Gill etal,Inorg.Chem.,19,3007(1980)、D.Astruc,Acc.Chem.Res.,19(12),377(1896) 、特開平2-161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、S.Hayase etal,J.Polymer Sci.,25,753(1987)、 E.Reichmanis etal,J.Pholymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,23,1(1985)、 Q.Q.Zhu etal,J.Photochem.,36,85,39,317(1987)、 B.Amit etal,Tetrahedron Lett.,(24)2205(1973)、D.H.R.Barton etal,J.Chem Soc.,3571(1965)、 P.M.Collins etal,J.Chem.SoC.,Perkin I,1695(1975)、 M.Rudinstein etal,Tetrahedron Lett.,(17),1445(1975)、 J.W.Walker etalJ.Am.Chem.Soc.,110,7170(1988)、 S.C.Busman etal,J.Imaging Technol.,11(4),191(1985)、 H.M.Houlihan etal,Macormolecules,21,2001(1988)、P.M.Collins etal,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,532(1972)、S.Hayase etal,Macromolecules,18,1799(1985)、 E.Reichmanis etal,J.Electrochem.Soc.,Solid State Sci.Technol.,130(6)、 F.M.Houlihan etal,Macromolcules,21,2001(1988)、欧州特許第0290,750号、同046,083 号、同156,535 号、同271,851 号、同0,388,343 号、 米国特許第3,901,710 号、同4,181,531 号、特開昭60-198538 号、特開昭53-133022 号等に記載のo−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、M.TUNOOKA etal,Polymer Preprints Japan,35(8)、G.Berner etal,J.Rad.Curing,13(4)、 W.J.Mijs etal,Coating Technol.,55(697),45(1983),Akzo 、 H.Adachi etal,Polymer Preprints,Japan,37(3)、欧州特許第0199,672号、同84515 号、同199,672 号、同044,115 号、同0101,122号、米国特許第618,564 号、同4,371,605 号、同4,431,774 号、特開昭64-18143号、特開平2-245756号、特願平3-140109号等に記載のイミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61-166544 号等に記載のジスルホン化合物を挙げることができる。
【0061】
また、これらの光により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖または側鎖に導入した化合物、たとえば、M.E.Woodhouse etal,J.Am.Chem.Soc.,104,5586(1982) 、S.P.Pappas etal,J.Imaging Sci.,30(5),218(1986) 、S.Kondoetal,Makromol.Chem.,Rapid Commun.,9,625(1988)、Y.Yamadaetal,Makromol.Chem.,152,153,163(1972) 、J.V.Crivello etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed., 17,3845(1979) 、米国特許第3,849,137 号、獨国特許第3914407 号、特開昭63-26653号、特開昭55-164824 号、特開昭62-69263号、特開昭63-146038 号、特開昭63-163452 号、特開昭62-153853 号、特開昭63-146029 号等に記載の化合物を用いることができる。
【0062】
さらにV.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad etal,Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、D.H.R.Barton etal,J.Chem.Soc.,(C),329(1970) 、米国特許第3,779,778 号、欧州特許第126,712 号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
【0063】
上記併用可能な活性光線または放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の中で、特に有効に用いられるものについて以下に説明する。
(1)トリハロメチル基が置換した下記一般式(PAG1)で表されるオキサゾール誘導体または一般式(PAG2)で表されるS−トリアジン誘導体。
【0064】
【化17】
Figure 0003890357
【0065】
式中、R201 は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、R202 は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、アルキル基、−C(Y)3をしめす。Yは塩素原子または臭素原子を示す。
具体的には以下の化合物を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0066】
【化18】
Figure 0003890357
【0067】
【化19】
Figure 0003890357
【0068】
【化20】
Figure 0003890357
【0069】
(2)下記の一般式(PAG3)で表されるヨードニウム塩、または一般式(PAG4)で表されるスルホニウム塩。
【0070】
【化21】
Figure 0003890357
【0071】
式中、Ar1 、Ar2 は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。ここで、好ましい置換基としては、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヒロドキシ基、メルカプト基およびハロゲン原子が挙げられる。
【0072】
203 、R204 、R205 は各々独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。好ましくは、炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜8のアルキル基およびそれらの置換誘導体である。好ましい置換基としては、アリール基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒロドキシ基およびハロゲン原子であり、アルキル基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基である。
【0073】
- は対アニオンを示し、CF3 SO3 - 等のパーフルオロアルカンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオンを示す。
【0074】
またR203 、R204 、R205 のうちの2つおよびAr1、Ar2はそれぞれの単結合または置換基を介して結合してもよい。
【0075】
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0076】
【化22】
Figure 0003890357
【0077】
【化23】
Figure 0003890357
【0078】
【化24】
Figure 0003890357
【0079】
【化25】
Figure 0003890357
【0080】
【化26】
Figure 0003890357
【0081】
【化27】
Figure 0003890357
【0082】
【化28】
Figure 0003890357
【0083】
【化29】
Figure 0003890357
【0084】
一般式(PAG3)、(PAG4)で示される上記オニウム塩は公知であり、たとえばJ.W.Knapczyk etal,J.Am.Chem.Soc.,91,145(1969) 、A.L.Maycok etal,J.Org.Chem.,35,2532,(1970)、E.Goethas etal ,Bull.Soc.Chem.Belg.,73,546,(1964) 、H.M.Leicester 、 J.Ame.Chem.Soc.,51,3587(1929) 、J.V.Crivello etal,J.Polym.Chem.Ed.,18,2677(1980)、米国特許第2,807,648 号および同4,247,473 号、特開昭53-101,331号等に記載の方法により合成することができる。
【0085】
(3)下記一般式(PAG5)で表されるジスルホン誘導体または一般式(PAG6)で表されるイミノスルホネート誘導体。
【0086】
【化30】
Figure 0003890357
【0087】
式中、Ar3、Ar4は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。R206 は置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換もしくは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基を示す。
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0088】
【化31】
Figure 0003890357
【0089】
【化32】
Figure 0003890357
【0090】
【化33】
Figure 0003890357
【0091】
【化34】
Figure 0003890357
【0092】
【化35】
Figure 0003890357
【0093】
本発明のフォトレジスト組成物には系のアルカリ溶解性を向上させる目的や、系のガラス転移温度を調節し、膜がもろくなったり、耐熱性が劣化したりすることを防ぐ目的で適当なアルカリ可溶性の低分子化合物を添加してもよい。このアルカリ可溶性低分子化合物としては、ジアルキルスルフォンアミド化合物やジアルキルスルフォニルイミド(−SO2 −NH−CO−)化合物、ジアルキルジスルフォニルイミド(−SO2 −NH−SO2 −)化合物などの分子内に酸性基を含有する化合物を挙げることができる。このアルカリ可溶性の低分子化合物の含有量は、上記酸によりアルカリ現像液に対する溶解性を増大させる置換基を有する樹脂に対して、40重量%以下が好ましく、より好ましくは30重量%以下であり、更に好ましくは25重量%以下である。
【0094】
本発明において用いる溶剤として好ましいものは、上記樹脂と光酸発生剤からなる成分が充分に溶解し、かつその溶液がスピンコート法などの方法で均一な塗布膜が形成可能な有機溶媒であればいかなる溶媒でもよい。また、単独でも2種類以上を混合して用いても良い。具体的には、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、ターシャル−ブチルアルコール、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸2−メトキシブチル、酢酸2−エトキシエチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、N−メチル−2−ピロリジノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノール、メチルエチルケトン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、などが挙げられるが、もちろんこれらだけに限定されるものではない。
【0095】
また本発明のフォトレジスト組成物の「基本的な」構成成分は、上記の光酸発生剤、酸分解性基含有樹脂、溶媒(必要に応じてアルカリ可溶性低分子化合物)であるが、必要に応じて界面活性剤、色素、安定剤、塗布性改良剤、染料などの他の成分を添加しても構わない。
【0096】
また、本発明を用いて微細パターンの形成を行う場合の現像液としては、本発明で使用する高分子化合物の溶解性に応じて適当な有機溶媒、またはその混合溶媒、あるいは適度な濃度のアルカリ溶液、水溶液またはその混合物、あるいはアルカリ溶液と適当な有機化合物、有機溶媒との混合物を選択すれば良い。使用される有機溶媒、有機化合物としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、3−メチル−2−シクロペンタノンなどのケトン類、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、3,5−ジメチルシクロヘキサノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオールなどのアルコール類、そのほか、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、ベンゼン、トルエン、キシレン、フェノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドなどの有機溶剤が挙げられる。また、使用されるアルカリ溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニアなどの無機アルカリ類や、エチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、などの有機アミン類、そしてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシメチルアンモニウムヒドロキシド、トルエチルヒドロキシメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシドなどの有機アンモニウム塩などを含む水溶液、または有機溶剤、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらだけに限定されるものではない。
【0097】
本発明のフォトレジスト組成物は基板上に塗布され、薄膜を形成する。この塗膜の膜厚は0.4〜1.5μmが好ましい。本発明において、露光手段としては、ArFエキシマレーザーステッパー露光など、露光波長が170〜220nmの範囲に含まれるものが好ましい。特に好ましいのはArFエキシマレーザーステッパーである。
【0098】
【実施例】
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明の内容がこれらに限定されるものではない。
(1)樹脂Aの合成
メタクリル酸の代わりに上記〔I−B−2〕に相当する構造の共栄社化学製ライトエステルHO−MSを用いた他は公開特許公報7−199467の実施例2に従って、トリシクロデカニルメタクリレートとt−ブチルメタクリレートとの共重合体、樹脂Aを得た。ポリスチレン換算の重量平均分子量は22000であった。
【0099】
(2)樹脂Bの合成
メタクリル酸の代わりに下記構造のメタクリレートモノマーを用いた他は公開特許公報7−199467の実施例2に従って、トリシクロデカニルメタクリレートとt−ブチルメタクリレートとの共重合体、樹脂Bを得た。ポリスチレン換算の重量平均分子量は21000であった。
【0100】
【化36】
Figure 0003890357
【0101】
(3)樹脂Cの合成
公開特許公報7−199467の実施例2に従って、メタクリル酸、トリシクロデカニルメタクリレートとt−ブチルメタクリレートとの3元共重合体、樹脂Cを合成した。
(4)ポジレジストの調製と評価
上記合成例で合成した樹脂A〜C1.2gとトリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート0.1gをシクロヘキサノンに溶解し固形分17%とした後、0.1μmのミクロフィルターで濾過、ポジレジストを調製した。得られたレジスト溶液をスピンコーターを利用してシリコンウエハー上に塗布し、120℃で90秒乾燥、約0.5μmのレジスト膜を作成、ArFエキシマレーザー露光を、110℃で90秒露光後加熱処理を行った後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液て現像、蒸留水でリンスし、レジストパターンプロファイルを得た。
密着性に関しては、上で得たレジストパターンプロファイルを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、残存している細線線幅をもって評価した。すなわち、密着性がより高いものは、より細い線幅のパターンが残存するが、逆に密着性の劣るものはより細い線ほど基板界面で密着できず、パターンがはがれてしまう。
また、未露光部の膜べり量に関しては現像後の膜厚を測定し、露光前と現像後の膜厚の変化を測定し、露光前の膜厚で割った変化率として膜べり量を評価した。その結果を下記表1に示す。
【0102】
【表1】
Figure 0003890357
【0103】
以上のように、比較例の樹脂C(共重合体)は膜べり、密着性のいずれかに問題があるが、本発明の樹脂A及びBはすべてに良好であり、ArFエキシマレーザー露光をはじめとする遠紫外線を用いたリソグラフィーに好適である。
【0104】
【発明の効果】
本発明のポジ型フォトレジスト組成物は遠紫外線露光用として好適であり、未露光部の膜べり量と基板密着性に優れている。また、ドライエッチング耐性を劣化させることなく、170nm〜220nmの光を利用したリソグラフィー用の素材として好適である。

Claims (2)

  1. 分子内に脂肪族環状炭化水素部位を有する繰り返し構造単位、カルボキシル基を一つ有する、下記一般式〔I〕で表される繰り返し構造単位を少なくとも1種と、酸の作用により分解しアルカリ現像液中での溶解性を増大させる基とを含有する樹脂、および活性光線または放射線の照射により分解して酸を発生する化合物を含むことを特徴とする遠紫外線露光用ポジ型フォトレジスト組成物。
    一般式
    Figure 0003890357
    1 ;水素原子、アルキル基、A;アルキレン基、置換アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレア基の単独の基あるいはこれら2つ以上を組み合わせた基、を表す。
  2. 請求項1記載の遠紫外線露光用ポジ型フォトレジスト組成物によりレジスト膜を形成し、遠紫外線を用いて該レジスト膜を露光、現像することを特徴とするポジ型パターン形成方法。
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