JP3889144B2 - ホルダ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筆記芯やインキ等の筆記媒体や、消ゴム、固形糊、パス、アイライナ、アイブロー、口紅等の棒状物を保持するホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のホルダでは、その外筒の表面に商品価値を高めるために通常、模様が施されている。
この模様は、転写印刷、シルク印刷、回転ホットスタンプ等の手法によって外筒に印刷される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来品では、印刷された模様がはがれ易く、長期間使用すると、摩擦等によってほとんどなくなってしまうという課題がある。また、外筒にポリプロピレンやポリエチレンのような合成高分子材料を用いた場合にあっては、接着が効かない為にその対策として表面を荒らすとかして密着性を良くする等の工夫を施すことが考えられるが、このような工夫を施しても印刷された模様は剥がれ易い等の欠点がある。
【0004】
また、印刷による模様では、外筒を握ったときのクッション性能を与えることはできない。
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、請求項1及び2記載の発明は、外筒の表面に変化を施すことができ、その変化を長期間使用しても維持することができるホルダを提供することをその目的とする。
【0005】
また、請求項2記載の発明は、上記目的に加えて、クッション性能を合わせ持つことができるホルダを提供することをその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のうち請求項1記載の発明は、先部材と後部材とから外筒が構成され、外筒の内部に筆記媒体や棒状物が保持されて先部材の先端から突出する筆記媒体や棒状物が使用に供されるホルダにおいて、先部材と後部材とは互いに軸線方向に重なり合う部分を有しており、この重なり合いの内側に配置されるいずれか一方の部材は、少なくとも合成高分子材料からなる基質部と該基質部の材料と異なる合成高分子材料からなる皮質部とが二色成形で成形されたものからなり、該一方の部材の皮質部は、その成形時の合成高分子材料のゲートが、他方の部材と重なり合う部分に位置づけられ、該ゲートから前記一方の部材の裏面側を通り、前記他方の部材と重なり合わない部分の表面へと露出するように設けられることを特徴とする。
【0007】
合成高分子材料は、合成樹脂、合成ゴム及び熱可塑性エラストマーを含む。また、顔料等の着色材をも含むものとする。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記皮質部は弾性体であり、少なくとも外筒の握り部において表面へと露出することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明に係るホルダの第1の実施の形態を表す全体図であり、図2はその外筒の模様を表す展開図、図3はホルダの全体断面図を示している。
この実施の形態においては、アイライナ、アイブロー、口紅、消ゴム、固形糊またはパス等の棒状物を保持するホルダ10を例としており、ホルダ10の外筒11は、互いに相対回転可能な先部材である先筒12と後部材である後筒15とから構成される。
【0009】
図3に示したように、外筒11の内部には棒状物20が保持されていて、棒状物20が繰り出されて先筒12の先端から突出した状態で突出された棒状物20を使用することができるようになっている。
棒状物20の繰出を行うために、外筒11内には、後筒15に回り止めされる中筒16と、中筒16の内周面に形成された雌ネジ16aに螺合される雄ネジ18aを有するネジ軸18と、ネジ軸18に連結され棒状物20の一端を受ける棒状物受部22とが収容されている。先筒12の中心孔12bの内周面には軸線方向に伸びる4つの縦溝12cが形成されており、この縦溝12cをネジ軸18の縦リブ18b及び棒状物受部22の挟持片22aが摺動することで、先筒12とネジ軸18とは相対回転不能及び軸方向移動可能となっている。
【0010】
先筒12を後筒15に対して(またはその逆に)相対回転させると、中筒16が後筒15と共に回転し、且つ先筒12とネジ軸18とは相対回転不能となっているから、中筒16とネジ軸18との間で相対回転が生じ、中筒16の雌ネジ16aとネジ軸18の雄ネジ18aとの螺合により、ネジ軸18及び棒状物受部22が中筒16及び先筒12に対して軸線方向に移動し、棒状物20を先筒12の先端から繰り出すことができるようになっている。
【0011】
先筒12と後筒15とは、先筒12の後部が後筒15の前部内に挿入されて互いにその一部が軸線方向に重なり合っている。この重なり合う部分において、先筒12の環状突起12aに後筒15の環状溝15aが嵌合することで、先筒12と後筒15とは相対回転可能に連結されている。この互いに一部が重なり合う先筒12と後筒15の中で、重なり合いの内側に配置される先筒12を図4等を用いて詳細に説明する。
【0012】
先筒12は、合成高分子材料からなる基質部13と、該基質部13の合成高分子材料と異なる合成高分子材料からなる皮質部14と、からなる二色成形で成形されたものである。皮質部14は、その成形時の合成高分子材料のゲート14aが後筒15と重なり合う部分12d(図1)に位置づけられており、該ゲート14aから先筒12の裏面側である内周面へ抜ける第1横断部14bと、第1横断部14bから先筒12の裏面側である内周面を軸線方向に伸びる裏道部14cと、裏道部14cから再び先筒12の表面へ抜ける2本の第2横断部14dと、先筒12の表面に露出する露出部14eとを有している。表面に露出した露出部14eは図2に示したような特別な形状をなしていて、外筒11の模様を構成している。
【0013】
図5は先筒12の2色成形の説明図である。図5(A)は基質部13を成形する1次成形の説明図であり、中心孔12bを形成するコアピンC1と型M1,M2で形成される空間内に、ゲート13aから溶融材料が注入される。後で皮質部14となる第1横断部14b、第2横断部14dや露出部14eは型M1またはM2によって塞がれており、また、裏道部14cはコアピンC1によって塞がれている。次に、図5(B)は皮質部14を成形する2次成形の説明図であり、コアピンC2と型M3で形成される空間内に、ゲート14aから溶融材料が注入され、第1横断部14b、裏道部14c、第2横断部14d及び露出部14eが形成される。以上のプロセスは、例えば、従来の1次成形用と2次成形用のキャビティ/コアのセットを設けた二色成形機を用いて実施することができる。
【0014】
以上のように構成されるホルダ10では、二色成形によって外筒11の表面に変化を付けて模様とするために、使用の際に生じる摩擦によって消失することはなく永久的に鮮明な模様を保持することができる。また、接着剤を用いないために、印刷に不向きであったポリプロピレンやポリエチレンを基質部13の合成高分子材料として使用することができる。その他、基質部13の合成高分子材料としては、ABS、アクリル、AS、PVC等の通常軸として用いられる合成高分子材料を用いることができる。または、熱可塑性エラストマーのような合成高分子材料を用いて弾性体とすることも可能である。
【0015】
皮質部14の合成高分子材料は、基質部13の材料と色のみが異なるもの、種類のみが異なるものでもよく、または色及び種類が両方異なるものでもよい。
皮質部14として例えば、熱可塑性エラストマーを用いて、図示したように露出部14eを、外筒10を操作者が手に持ったときに握り部となる先筒12の先端部付近にくるように配置すると、操作者がホルダ10を握ったときの、把持の感覚をやわらかくし、また把持したときの滑りを防止するというクッション性能を皮質部14に合わせ持たせることができる。熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系、スチレン系エラストマー等を1種または2種以上用いることができる。
【0016】
皮質部14は、第1横断部14b、裏道部14c及び第2横断部14dとを有し、露出部14eとゲート14aの軸線方向位置を離して、ゲート14aを、先筒12の後筒15と重なり合う部分12dの表面に位置づけているため、先筒12と後筒15とが組み立てられた後は、ゲート14aが外から見えず見栄えを損なうことない。尚、基質部13のゲート13aも重なり合う部分12dに位置づけているため、ゲート13aも外から見えない。
【0017】
図6は、本発明に係るホルダの第2の実施の形態を表す全体図及び全体断面図である。尚、第1の実施の形態と同一の部材は同一の符号を付し、その詳細説明を省略する。
図において、ホルダ30の外筒31は、先部材である先筒32と後部材である後筒35とから構成される。先筒32の後端が後筒35内に挿入されて互いにその一部が軸線方向に重なり合っており、先筒32の環状突起32aに後筒35の環状溝35aが嵌合することで、先筒32と後筒35とは相対回転可能に連結されている。
【0018】
先筒32は、合成高分子材料からなる基質部33と、該基質部33の合成高分子材料と異なる合成高分子材料からなる皮質部34と、からなる二色成形で成形されたもので、皮質部34の成形時の合成高分子材料のゲート34aは、先筒32の後端となっており、先筒32の後筒35と重なり合う部分32bに位置づけられている。皮質部34は、ゲート34aから、先筒32の裏面側である内周面を軸線方向に伸びる裏道部34bと、裏道部34bから先筒32の表面へ抜ける複数の横断部34cと、後筒35と重なり合わない部分の表面へ露出する複数の露出部34dとを有している。
【0019】
このような実施の形態でも、多様な模様を基質部33と皮質部34とからなる二色成形で形成できる。
以上のように本発明の各実施の形態によれば、表から見ると孤立しているように見える皮質部14、34が裏道部14c、34bを通り、後筒と重なり合う部分にあるゲート14a、34aに連通しているために、ゲートは外側から見えず、見栄えを良好なものとすることができる。
【0020】
尚、以上の各実施の形態では、棒状物20を繰り出すものについて説明したが、これに限るものではなく、棒状物、筆記芯またはレフィールが固定で常に先筒の先端から突出していて使用できる状態にあるものであってもよく、または後筒を先筒に対して軸線方向にノックすることにより、棒状物、筆記芯またはレフィールが前進するものでもよいことは勿論である。
【0021】
さらに、先部材である先筒12、32と後部材である後筒15、35が各々複数の部材から構成されるものであってもよい。また、本発明の2色成形は、皮質部が1種類だけでなく、さらに色または種類の異なる複数の合成高分子からなる多色成形も含むものである。
先筒12、32には、必要に応じてキャップを取り付けても良く、特に透明なキャップを取り付けた場合には、キャップを介して基質部と皮質部とからなる模様が見えるため、本発明が有用である。
【0022】
また、第1の実施の形態において、先筒12は、後筒15から着脱可能とすることもできる。即ち、先筒12は、中筒16、ネジ軸18、棒状物20及び棒状物受部22と共に、後筒15から着脱可能とすれば、棒状物20が消耗した場合に、新しい棒状物20を収容する先筒12と交換することができる。この場合には、環状突起12aと環状溝15aとの嵌合を軽くし、一般ユーザが外すことができる程度とすればよい。また、使い捨てとする場合には、先筒12と後筒15との嵌合を強く設定すればよい。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1または2記載の発明によれば、外筒を構成する先部材と後部材の一方の部材を、基質部と皮質部とを二色成形で成形したものとすることにより、異なる合成高分子材料からなる基質部と皮質部の組み合わせによって、外筒の表面に変化を付けることができる。成形によって変化を付けるために、使用による摩擦でこの変化が消失することはなく半永久的に保持することができる。
【0024】
皮質部の露出する部分と、ゲートとを離間させて、ゲートを他方の部材と重なり合う部分に位置づけることにより、ゲートが外側から見えることはなく、見栄えを悪化させることはない。
また、請求項2記載の発明によれば、皮質部を弾性体とし、少なくとも外筒の握り部において表面へと露出することとすることにより、皮質部に、把持の感覚をやわらかくし且つ把持したときの滑りを防止するというクッション性能を合わせ持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るホルダの第1の実施の形態を表す全体図である。
【図2】ホルダの外筒の模様を表す展開図である。
【図3】ホルダの全体断面図である。
【図4】(A)はホルダの先筒の断面図、(B)は図4(A)のB−B線に沿って見た端面図、(C)はホルダの部分側面図である。
【図5】(A)は先筒の基質部を成形する1次成形の説明図、(B)は先筒の皮質部を成形する2次成形の説明図である。
【図6】(A)は本発明に係るホルダの第2の実施の形態を表す全体断面図、(B)はその全体図である。
【符号の説明】
10、30 ホルダ
11、31 外筒
12、32 先筒(先部材)
12d、32b 重なり合う部分
13、33 基質部
14、34 皮質部
14a、34a ゲート
15、35 後筒(後部材)
20 棒状物
【発明の属する技術分野】
本発明は、筆記芯やインキ等の筆記媒体や、消ゴム、固形糊、パス、アイライナ、アイブロー、口紅等の棒状物を保持するホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のホルダでは、その外筒の表面に商品価値を高めるために通常、模様が施されている。
この模様は、転写印刷、シルク印刷、回転ホットスタンプ等の手法によって外筒に印刷される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来品では、印刷された模様がはがれ易く、長期間使用すると、摩擦等によってほとんどなくなってしまうという課題がある。また、外筒にポリプロピレンやポリエチレンのような合成高分子材料を用いた場合にあっては、接着が効かない為にその対策として表面を荒らすとかして密着性を良くする等の工夫を施すことが考えられるが、このような工夫を施しても印刷された模様は剥がれ易い等の欠点がある。
【0004】
また、印刷による模様では、外筒を握ったときのクッション性能を与えることはできない。
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、請求項1及び2記載の発明は、外筒の表面に変化を施すことができ、その変化を長期間使用しても維持することができるホルダを提供することをその目的とする。
【0005】
また、請求項2記載の発明は、上記目的に加えて、クッション性能を合わせ持つことができるホルダを提供することをその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のうち請求項1記載の発明は、先部材と後部材とから外筒が構成され、外筒の内部に筆記媒体や棒状物が保持されて先部材の先端から突出する筆記媒体や棒状物が使用に供されるホルダにおいて、先部材と後部材とは互いに軸線方向に重なり合う部分を有しており、この重なり合いの内側に配置されるいずれか一方の部材は、少なくとも合成高分子材料からなる基質部と該基質部の材料と異なる合成高分子材料からなる皮質部とが二色成形で成形されたものからなり、該一方の部材の皮質部は、その成形時の合成高分子材料のゲートが、他方の部材と重なり合う部分に位置づけられ、該ゲートから前記一方の部材の裏面側を通り、前記他方の部材と重なり合わない部分の表面へと露出するように設けられることを特徴とする。
【0007】
合成高分子材料は、合成樹脂、合成ゴム及び熱可塑性エラストマーを含む。また、顔料等の着色材をも含むものとする。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記皮質部は弾性体であり、少なくとも外筒の握り部において表面へと露出することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明に係るホルダの第1の実施の形態を表す全体図であり、図2はその外筒の模様を表す展開図、図3はホルダの全体断面図を示している。
この実施の形態においては、アイライナ、アイブロー、口紅、消ゴム、固形糊またはパス等の棒状物を保持するホルダ10を例としており、ホルダ10の外筒11は、互いに相対回転可能な先部材である先筒12と後部材である後筒15とから構成される。
【0009】
図3に示したように、外筒11の内部には棒状物20が保持されていて、棒状物20が繰り出されて先筒12の先端から突出した状態で突出された棒状物20を使用することができるようになっている。
棒状物20の繰出を行うために、外筒11内には、後筒15に回り止めされる中筒16と、中筒16の内周面に形成された雌ネジ16aに螺合される雄ネジ18aを有するネジ軸18と、ネジ軸18に連結され棒状物20の一端を受ける棒状物受部22とが収容されている。先筒12の中心孔12bの内周面には軸線方向に伸びる4つの縦溝12cが形成されており、この縦溝12cをネジ軸18の縦リブ18b及び棒状物受部22の挟持片22aが摺動することで、先筒12とネジ軸18とは相対回転不能及び軸方向移動可能となっている。
【0010】
先筒12を後筒15に対して(またはその逆に)相対回転させると、中筒16が後筒15と共に回転し、且つ先筒12とネジ軸18とは相対回転不能となっているから、中筒16とネジ軸18との間で相対回転が生じ、中筒16の雌ネジ16aとネジ軸18の雄ネジ18aとの螺合により、ネジ軸18及び棒状物受部22が中筒16及び先筒12に対して軸線方向に移動し、棒状物20を先筒12の先端から繰り出すことができるようになっている。
【0011】
先筒12と後筒15とは、先筒12の後部が後筒15の前部内に挿入されて互いにその一部が軸線方向に重なり合っている。この重なり合う部分において、先筒12の環状突起12aに後筒15の環状溝15aが嵌合することで、先筒12と後筒15とは相対回転可能に連結されている。この互いに一部が重なり合う先筒12と後筒15の中で、重なり合いの内側に配置される先筒12を図4等を用いて詳細に説明する。
【0012】
先筒12は、合成高分子材料からなる基質部13と、該基質部13の合成高分子材料と異なる合成高分子材料からなる皮質部14と、からなる二色成形で成形されたものである。皮質部14は、その成形時の合成高分子材料のゲート14aが後筒15と重なり合う部分12d(図1)に位置づけられており、該ゲート14aから先筒12の裏面側である内周面へ抜ける第1横断部14bと、第1横断部14bから先筒12の裏面側である内周面を軸線方向に伸びる裏道部14cと、裏道部14cから再び先筒12の表面へ抜ける2本の第2横断部14dと、先筒12の表面に露出する露出部14eとを有している。表面に露出した露出部14eは図2に示したような特別な形状をなしていて、外筒11の模様を構成している。
【0013】
図5は先筒12の2色成形の説明図である。図5(A)は基質部13を成形する1次成形の説明図であり、中心孔12bを形成するコアピンC1と型M1,M2で形成される空間内に、ゲート13aから溶融材料が注入される。後で皮質部14となる第1横断部14b、第2横断部14dや露出部14eは型M1またはM2によって塞がれており、また、裏道部14cはコアピンC1によって塞がれている。次に、図5(B)は皮質部14を成形する2次成形の説明図であり、コアピンC2と型M3で形成される空間内に、ゲート14aから溶融材料が注入され、第1横断部14b、裏道部14c、第2横断部14d及び露出部14eが形成される。以上のプロセスは、例えば、従来の1次成形用と2次成形用のキャビティ/コアのセットを設けた二色成形機を用いて実施することができる。
【0014】
以上のように構成されるホルダ10では、二色成形によって外筒11の表面に変化を付けて模様とするために、使用の際に生じる摩擦によって消失することはなく永久的に鮮明な模様を保持することができる。また、接着剤を用いないために、印刷に不向きであったポリプロピレンやポリエチレンを基質部13の合成高分子材料として使用することができる。その他、基質部13の合成高分子材料としては、ABS、アクリル、AS、PVC等の通常軸として用いられる合成高分子材料を用いることができる。または、熱可塑性エラストマーのような合成高分子材料を用いて弾性体とすることも可能である。
【0015】
皮質部14の合成高分子材料は、基質部13の材料と色のみが異なるもの、種類のみが異なるものでもよく、または色及び種類が両方異なるものでもよい。
皮質部14として例えば、熱可塑性エラストマーを用いて、図示したように露出部14eを、外筒10を操作者が手に持ったときに握り部となる先筒12の先端部付近にくるように配置すると、操作者がホルダ10を握ったときの、把持の感覚をやわらかくし、また把持したときの滑りを防止するというクッション性能を皮質部14に合わせ持たせることができる。熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系、スチレン系エラストマー等を1種または2種以上用いることができる。
【0016】
皮質部14は、第1横断部14b、裏道部14c及び第2横断部14dとを有し、露出部14eとゲート14aの軸線方向位置を離して、ゲート14aを、先筒12の後筒15と重なり合う部分12dの表面に位置づけているため、先筒12と後筒15とが組み立てられた後は、ゲート14aが外から見えず見栄えを損なうことない。尚、基質部13のゲート13aも重なり合う部分12dに位置づけているため、ゲート13aも外から見えない。
【0017】
図6は、本発明に係るホルダの第2の実施の形態を表す全体図及び全体断面図である。尚、第1の実施の形態と同一の部材は同一の符号を付し、その詳細説明を省略する。
図において、ホルダ30の外筒31は、先部材である先筒32と後部材である後筒35とから構成される。先筒32の後端が後筒35内に挿入されて互いにその一部が軸線方向に重なり合っており、先筒32の環状突起32aに後筒35の環状溝35aが嵌合することで、先筒32と後筒35とは相対回転可能に連結されている。
【0018】
先筒32は、合成高分子材料からなる基質部33と、該基質部33の合成高分子材料と異なる合成高分子材料からなる皮質部34と、からなる二色成形で成形されたもので、皮質部34の成形時の合成高分子材料のゲート34aは、先筒32の後端となっており、先筒32の後筒35と重なり合う部分32bに位置づけられている。皮質部34は、ゲート34aから、先筒32の裏面側である内周面を軸線方向に伸びる裏道部34bと、裏道部34bから先筒32の表面へ抜ける複数の横断部34cと、後筒35と重なり合わない部分の表面へ露出する複数の露出部34dとを有している。
【0019】
このような実施の形態でも、多様な模様を基質部33と皮質部34とからなる二色成形で形成できる。
以上のように本発明の各実施の形態によれば、表から見ると孤立しているように見える皮質部14、34が裏道部14c、34bを通り、後筒と重なり合う部分にあるゲート14a、34aに連通しているために、ゲートは外側から見えず、見栄えを良好なものとすることができる。
【0020】
尚、以上の各実施の形態では、棒状物20を繰り出すものについて説明したが、これに限るものではなく、棒状物、筆記芯またはレフィールが固定で常に先筒の先端から突出していて使用できる状態にあるものであってもよく、または後筒を先筒に対して軸線方向にノックすることにより、棒状物、筆記芯またはレフィールが前進するものでもよいことは勿論である。
【0021】
さらに、先部材である先筒12、32と後部材である後筒15、35が各々複数の部材から構成されるものであってもよい。また、本発明の2色成形は、皮質部が1種類だけでなく、さらに色または種類の異なる複数の合成高分子からなる多色成形も含むものである。
先筒12、32には、必要に応じてキャップを取り付けても良く、特に透明なキャップを取り付けた場合には、キャップを介して基質部と皮質部とからなる模様が見えるため、本発明が有用である。
【0022】
また、第1の実施の形態において、先筒12は、後筒15から着脱可能とすることもできる。即ち、先筒12は、中筒16、ネジ軸18、棒状物20及び棒状物受部22と共に、後筒15から着脱可能とすれば、棒状物20が消耗した場合に、新しい棒状物20を収容する先筒12と交換することができる。この場合には、環状突起12aと環状溝15aとの嵌合を軽くし、一般ユーザが外すことができる程度とすればよい。また、使い捨てとする場合には、先筒12と後筒15との嵌合を強く設定すればよい。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1または2記載の発明によれば、外筒を構成する先部材と後部材の一方の部材を、基質部と皮質部とを二色成形で成形したものとすることにより、異なる合成高分子材料からなる基質部と皮質部の組み合わせによって、外筒の表面に変化を付けることができる。成形によって変化を付けるために、使用による摩擦でこの変化が消失することはなく半永久的に保持することができる。
【0024】
皮質部の露出する部分と、ゲートとを離間させて、ゲートを他方の部材と重なり合う部分に位置づけることにより、ゲートが外側から見えることはなく、見栄えを悪化させることはない。
また、請求項2記載の発明によれば、皮質部を弾性体とし、少なくとも外筒の握り部において表面へと露出することとすることにより、皮質部に、把持の感覚をやわらかくし且つ把持したときの滑りを防止するというクッション性能を合わせ持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るホルダの第1の実施の形態を表す全体図である。
【図2】ホルダの外筒の模様を表す展開図である。
【図3】ホルダの全体断面図である。
【図4】(A)はホルダの先筒の断面図、(B)は図4(A)のB−B線に沿って見た端面図、(C)はホルダの部分側面図である。
【図5】(A)は先筒の基質部を成形する1次成形の説明図、(B)は先筒の皮質部を成形する2次成形の説明図である。
【図6】(A)は本発明に係るホルダの第2の実施の形態を表す全体断面図、(B)はその全体図である。
【符号の説明】
10、30 ホルダ
11、31 外筒
12、32 先筒(先部材)
12d、32b 重なり合う部分
13、33 基質部
14、34 皮質部
14a、34a ゲート
15、35 後筒(後部材)
20 棒状物
Claims (2)
- 先部材と後部材とから外筒が構成され、外筒の内部に筆記媒体や棒状物が保持されて先部材の先端から突出する筆記媒体や棒状物が使用に供されるホルダにおいて、
先部材と後部材とは互いに軸線方向に重なり合う部分を有しており、この重なり合いの内側に配置されるいずれか一方の部材は、少なくとも合成高分子材料からなる基質部と該基質部の材料と異なる合成高分子材料からなる皮質部とが二色成形で成形されたものからなり、該一方の部材の皮質部は、その成形時の合成高分子材料のゲートが、他方の部材と重なり合う部分に位置づけられ、該ゲートから前記一方の部材の裏面側を通り、前記他方の部材と重なり合わない部分の表面へと露出するように設けられることを特徴とするホルダ。 - 前記皮質部は弾性体であり、少なくとも外筒の握り部において表面へと露出することを特徴とする請求項1記載のホルダ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP02125398A JP3889144B2 (ja) | 1998-02-02 | 1998-02-02 | ホルダ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02125398A JP3889144B2 (ja) | 1998-02-02 | 1998-02-02 | ホルダ |
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JPH11216984A JPH11216984A (ja) | 1999-08-10 |
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Family
ID=12049930
Family Applications (1)
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JP02125398A Expired - Fee Related JP3889144B2 (ja) | 1998-02-02 | 1998-02-02 | ホルダ |
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-
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JPH11216984A (ja) | 1999-08-10 |
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