JP4414030B2 - 筆記具用部材およびそれを用いた筆記具 - Google Patents
筆記具用部材およびそれを用いた筆記具 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、筆記具用部材およびそれを用いた筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】
シャープペンシル等の筆記具において、図1に示したように、筆記具1の本体を構成する軸筒2の周囲にグリップ用の弾性部材3を設けたものが知られている。このような筆記具は、円筒状の弾性部材3を予め別部材として形成し、これを軸筒2の周囲に嵌め込むことによって構成されていた。しかし、そのような製造方法では、軸筒2にグリップ用の弾性部材3を嵌め込む工程を要するとともに、使用中の汗等により劣化して弾性部材3が緩んで回ったり、めくれたりして非常に使用しにくくなる等の問題があるため、近年では、軸筒2を成形型で成形した後、型割の前に成形型の一部のみを取り替えて、軸筒2の周囲に新たに生じた空間にグリップ用弾性部材3を射出成形する二色成形法や、予め金型を用いて射出成形により形成した軸筒2を別の金型内に配置した状態でグリップ用弾性部材3を射出成形により形成する、軸筒を金型内に配置して行うインサート成形と呼ばれる方法が一般に行われている。
【0003】
しかしながら、上記のような方法では、いずれも2段階の成形となり製造効率が悪いとともに、軸筒成形用の金型とグリップ用弾性部材成型用の金型との2種類の金型が必要になったり、或いは複雑な形状の金型が必要となり、コスト増につながるものであった。また、グリップ用弾性部材に絵付けを行うことも不可能であり、さらには、軸筒の外表面に施される「図柄」、「商品名」、「製造会社」、「使用上の注意」等の加飾も別工程により転写を行うしかないものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明が解決すべき技術的課題は、二色成形に使用されるような複雑な成形型を必要とすることなく単一の成形型で製造することができ、製造工程の増加を招くことなく、グリップ機能を付加したり、加飾を施すことができる筆記具用部材を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段・作用・効果】
本発明は、上記課題を有効に解決するために創案されたものであり、以下の特徴を有する筆記具用部材を提供するものである。
【0006】
本発明の筆記具用部材は、「筆記具本体を構成する熱可塑性樹脂製の軸筒」と「軸筒の周囲に巻付固着されたグリップ機能を有する弾性シート」とから構成される。弾性シートは、成形型内に予め配置した当該弾性シートの内側に軸筒を形成することにより軸筒周囲に固着されている。
【0007】
この筆記具用部材においては、グリップ機能を有する弾性シートを予め成形型内に配置しておき、その内側で軸筒が型成形される。したがって、軸筒を型成形すると同時に軸筒表面にグリップ部(スベリ止め部材)が設けられることとなるので、二色成形法に必要とされるような複雑な形状の金型を使用することなく、簡単な製造工程により低コストで筆記具用部材を製造することができる。また、弾性シートは軸筒との接触面全体に渡って軸筒に固着されるので、単に円筒状のグリップ部材を軸筒の外表面に嵌め込んだ場合とは異なり、グリップ部が緩んで回ったり、めくれたりするという不都合も起こり難い。
【0008】
弾性シートの一端は、軸筒の一方の端縁にまで延在していることが好ましい。筆記具の持ち方には個人個人のクセがあり、筆記具の最先端を掴む人もいるので、グリップ部が当該最先端にまで延在していることが都合よい。
【0009】
また、本発明により、「筆記具本体を構成する熱可塑性樹脂製の軸筒」と「軸筒の周囲に巻付固着された加飾シート」とから構成される筆記具用部材が提供される。加飾シートは、成形型内に予め配置した当該加飾シートの内側に軸筒を形成することにより軸筒周囲に固着されている。
【0010】
この筆記具用部材においては、加飾が施された加飾シートが予め成形型内に配置され、その内側で軸筒が型成形される。したがって、軸筒を型成形すると同時に軸筒表面に加飾が施されることとなるので、転写等の別工程を必要とすることなく、筆記具用部材に加飾を施すことができる。この筆記具用部材は、上述の弾性シートをさらに備えていてもよい。
【0011】
加飾シートに施される加飾は、シート材の軸筒と固着される側の面に施されていることが好ましい。かかる構成を採用すると、軸筒周囲に巻付固着されるシート材の外表面には加飾が露出しないので、長期間の使用によっても加飾が薄れることがなくなり、加飾の耐久性を向上させることができる。なお、上記のグリップ用弾性シートに予め加飾を施しておくことも可能であり、この場合にも、加飾は、シート材の軸筒と固着される側の面に施すことが好ましい。
【0012】
さらに本発明により、上記いずれかの筆記具用部材を備えてなる筆記具が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る筆記具用部材10を示す斜視図である。この筆記具用部材に、破線で示したペン先やノック部が取り付けられて、最終的に筆記具が構成される。筆記具用部材10は、軸筒20の周囲に加飾シート30および弾性シート40を巻付固着してなる。弾性シート40は、筆記具のグリップ部として機能するものである。弾性シート40としては、オレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマー、EPT(エチレン・プロピレンゴム)、シリコンゴム等を使用することが好ましい。
【0014】
図3は、加飾シート30を示す斜視図である。加飾シート30は、軸筒を形成する樹脂と接着性を有する樹脂からなるフィルムが主に用いられ、例えば、軸筒がポリプロピレン樹脂の場合、ポリプロピレンフィルム単体に絵柄を印刷したものが一般的に用いられる。また、接着性を有しないフィルムにおいて、内表面にヒートシール層を設けた構成としたものでもよい。さらに、内表面が精度を有する加飾面であり、射出樹脂により影響を受けてしまう場合には、2枚のフィルムを用いて、その間に加飾面を形成してもよい。この場合には軸筒側に位置するフィルムは軸筒を形成する樹脂と接着性を有するものを選択することが好ましい。図3において、内表面30aは、軸筒20の外周面に固着される側の面であり、外表面30bは、加飾シート30が軸筒20の周囲に固着されたときに外部に露出する側の面である。図示の筆記具用部材10は加飾シート30および弾性シート40の両方を備えているが、いずれか一方のみを備えた筆記具用部材も本発明に含まれる。また、弾性シート40自体にさらに加飾を施したものを用いてもよい。
【0015】
図4を参照して、図2に示した筆記具用部材10の製法を説明する。図4は、筆記具用部材10の製造に使用される金型を模式的に示す要部断面図である。金型は、50〜54の固定側金型と、60〜65の可動側金型、及びその内側に固定側、可動側それぞれから1本づつコアピン70、71が突き出る構成となっており、その突き合せ面に位置する固定側金型50と可動側金型60とコアピン70、71により、軸筒形成部である円筒状キャビティ90が形成されている。キャビティ90は、小径のキャビティ部90aおよび大径のキャビティ部90bから構成されている。また、可動側には射出完了後に成形品を金型内から取り出すための突き出しピン72が備えられている。流動樹脂は、ゲート91を通過して、キャビティ90内に導入され軸筒を形成するのであるが、その前に、図4に示したように、加飾シート30および弾性シート40が金型内に配置される。各シート材30、40は、金型内の円筒状キャビティ90の内周面に吸引保持されている。すなわち、図示はしていないが、固定側金型50および可動側金型60の内表面には負圧源に連通する全周スリット開口が設けられており、これにより各シート材が吸引保持される。
【0016】
この後、ゲート91からキャビティ90内に樹脂が射出されて、図2に示した筆記具用部材10が製造される。このような方法で、軸筒20の周囲に加飾シート30および弾性シート40を設けると、軸筒の成形と同時に軸筒表面への加飾およびグリップ部の成形も完了することとなり、製造工程が簡単になる。また、加飾シート30の加飾が施された側の面30aは外部に露出しない面であるため、長期間の使用によっても加飾が薄れたりすることはない。同様の理由で、弾性シート40に加飾を施す場合にも、当該シート内表面40aに加飾を施すことが好ましい。
【0017】
本発明においては、加飾シート30および弾性シート40は、軸筒20との接触面全体に渡って軸筒20に固着するため、単に円筒状部材を軸筒の外表面に嵌め込んだ場合とは異なり、シート材が緩んで回ったり、めくれたりするという不都合も起こり難い。各シート30および40は、当該シート自体が融着することにより軸筒周囲に固着させてもよいし、シート内表面にヒートシール層その他の接着層を設けておいてこれらの層を介して軸筒周囲に固着するようにしてもよい。
【0018】
なお、軸筒20上における弾性シート40の固着位置は、図2に示したように軸筒の最先端にまで延在することとするのが好ましい。このことは、図4に示したように、金型内において弾性シート40をキャビティ90の最も左端の位置に適宜の方法で位置決めすることにより達成できる。筆記具の持ち方には個人個人のクセがあり、筆記具の最先端を掴む人もいるので、このようにグリップ部が当該最先端にまで延在していることが都合よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の筆記具用部材を示す斜視図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係る筆記具用部材を示す斜視図である。
【図3】 図2の筆記具用部材の周囲に巻付固着される加飾シートを示す斜視図である。
【図4】 図2の筆記具用部材の製造に使用される金型を模式的に説明する要部断面図である。
【符号の説明】
1 筆記具用部材
2 軸筒
3 弾性部材
10 筆記具用部材
20 軸筒
30 加飾シート
30a 加飾シート内表面
30b 加飾シート外表面
40 弾性シート
40a 弾性シート内表面
50〜54 固定側金型
60〜65 可動側金型
70、71 コアピン
72 突き出しピン
90 金型内のキャビティ
91 ゲート
Claims (5)
- 筆記具本体を構成する熱可塑性樹脂製の軸筒(20)と、軸筒の周囲に巻付固着されたグリップ機能を有する弾性シート(40)と、から構成される筆記具用部材であって、
上記弾性シート(40)は、成形型内に予め配置した当該弾性シートの内側に軸筒(20)を形成することにより軸筒周囲に固着され、
上記弾性シート(40)には、上記軸筒(20)と固着される側の面に加飾が施されていることを特徴とする、筆記具用部材。 - 上記弾性シート(40)の一端が軸筒の一方の端縁にまで延在していることを特徴とする、請求項1に記載の筆記具用部材。
- 筆記具本体を構成する熱可塑性樹脂製の軸筒(20)と、軸筒の周囲に巻付固着された加飾シート(30)と、から構成される筆記具用部材であって、
上記加飾シート(30)は、成形型内に予め配置した当該加飾シートの内側に軸筒(20)を形成することにより軸筒周囲に固着され、
上記加飾シート(30)には、上記軸筒(20)と固着される側の面(30a)に加飾が施されていることを特徴とする、筆記具用部材。 - 請求項1又は2に記載の弾性シートをさらに備えてなることを特徴とする、請求項3に記載の筆記具用部材。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載の筆記具用部材を備えている、筆記具。
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JP26543299A JP4414030B2 (ja) | 1999-09-20 | 1999-09-20 | 筆記具用部材およびそれを用いた筆記具 |
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1999
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