JP3888720B2 - 農薬粉剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、効力促進や効力の増強がなされた農薬粉剤、特に、農薬活性成分として殺虫性グアニジン誘導体を含有する粉剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
農薬を例えば殺虫の目的で植物の茎や葉に散布することが行われている。
害虫防除能力を有する農業用殺虫剤として、グアニジン誘導体が合成され、優れた薬効を示すものが製造されている。例えば、特開平3−157308号公報に示された化合物は、低薬量で優れた害虫防除能力を有する農業用殺虫剤である。
害虫防除を目的として、例えば粉剤として成型された害虫防除剤を植物に直接施用する場合、粉剤中の農薬活性成分の薬効は、施用直後には現われず、充分な薬効が発揮されるためには、数日を要することがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
農薬粉剤の施用の初期における高い薬効を期待すれば、例えば、主薬を増量することが考えられる。しかしながら、価格が高くなり、不経済である。また、安価で高活性な製剤を望むユーザーにとっても不利である。
主薬の使用量を増やすことなく、効力の促進や増強がなされた農薬粉剤、特に農薬活性成分としてグアニジン誘導体を含有する効力促進や効果の増強がなされた農薬粉剤の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の事情に鑑み鋭意研究検討した結果、農薬活性成分(特に上記のグアニジン誘導体)を含有する農薬粉剤を製造するに際して、製剤中にスルホン酸塩を配合することにより、施用直後から該農薬活性成分の薬効が促進・増強されることを見い出した。本発明者らは、この知見に基づき、さらに研究した結果、本発明を完成した。
【0005】
即ち、本発明は、
(1)一般式(I)
【化5】
〔式中、R1は置換されていてもよい同素または複素環基を、nは0または1を、R2は水素または置換されていてもよい炭化水素基を、R3は第一,第二または第三アミノ基を、Xは電子吸引基をそれぞれ示す。〕で表わされるグアニジン誘導体(I)またはその塩およびスルホン酸塩を含有してなる速効性農薬粉剤、
(2)グアニジン誘導体(I)が式(II)
【化6】
で表わされる化合物(II)である上記(1)項記載の農薬粉剤、
(3)スルホン酸塩がスルホン酸塩型の界面活性剤である上記(1)項記載の農薬粉剤、
(4)スルホン酸塩型の界面活性剤がアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、油溶性アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、イゲボンおよびスルホコハク酸ジエステル塩からなる群から選ばれる1種または2種以上の界面活性剤である上記(3)項記載の農薬粉剤、
(5)スルホン酸塩がスルホコハク酸ジエステル塩である上記(1)項記載の農薬粉剤、
(6)スルホコハク酸ジエステル塩がジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩である上記(5)記載の農薬粉剤、
(7)粒度が150μm以下である上記(1)項記載の農薬粉剤、
【0006】
(8)一般式(I)
【化7】
〔式中、R1は置換されていてもよい同素または複素環基を、nは0または1を、R2は水素または置換されていてもよい炭化水素基を、R3は第一,第二または第三アミノ基を、Xは電子吸引基をそれぞれ示す。〕で表わされるグアニジン誘導体(I)またはその塩を含有する農薬粉剤用であるスルホン酸塩からなる効力増強剤、
(9)スルホン酸塩を配合してなる一般式(I)
【化8】
〔式中、R1は置換されていてもよい同素または複素環基を、nは0または1を、R2は水素または置換されていてもよい炭化水素基を、R3は第一,第二または第三アミノ基を、Xは電子吸引基をそれぞれ示す。〕で表わされるグアニジン誘導体(I)またはその塩を含有する農薬粉剤の効力増強方法、
(10)スルホン酸塩を含有することを特徴とする農薬粉剤の効力の促進剤、および
(11)スルホン酸塩を含有することを特徴とする農薬粉剤の効力の増強剤である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の粉剤において、グアニジン誘導体(I)におけるR1は置換されていてもよい同素または複素環基を示す。R1で示される同素または複素環基は、同一原子のみを含有する環状基または異なる2種以上の原子を含有する環状基であって、環状炭化水素基または複素環基を意味する。
R1で示される環状炭化水素基としては、たとえばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-8シクロアルキル基、たとえばシクロプロペニル、1−シクロペンテニル、1−シクロヘキセニル、2−シクロヘキセニル、1,4−シクロヘキサジエニル等のC3-8シクロアルケニル基、たとえばフェニル,1−または2−ナフチル,1−,2−または9−アントリル,1−,2−,3−,4−または9−フェナントリル,1−,2−,4−,5−または6−アズレニル等のC6-14アリール基等が用いられる。
好ましい環状炭化水素基は、たとえば芳香族のものであり、フェニル等のC6-14アリール基等である。
【0008】
R1で示される複素環基としては、たとえば酸素原子,硫黄原子,窒素原子などのヘテロ原子を1〜5個含む5〜8員環またはそれとの縮合環などが用いられる。その具体例としては、たとえば2−または3−チエニル,2−または3−フリル,2−または3−ピロリル,2−,3−または4−ピリジル,2−,4−または5−オキサゾリル,2−,4−または5−チアゾリル,3−,4−または5−ピラゾリル,2−,4−または5−イミダゾリル,3−,4−または5−イソオキサゾリル,3−,4−または5−イソチアゾリル,3−または5−(1,2,4−オキサジアゾリル),1,3,4−オキサジアゾリル,3−または5−(1,2,4−チアジアゾリル),1,3,4−チアジアゾリル,4−または5−(1,2,3−チアジアゾリル),1,2,5−チアジアゾリル,1,2,3−トリアゾリル,1,2,4−トリアゾリル,1H−または2H−テトラゾリル,N−オキシド−2−,3−または4−ピリジル,2−,4−または5−ピリミジニル,N−オキシド−2−,4−または5−ピリミジニル,3−または4−ピリダジニル,ピラジニル,N−オキシド−3−または4−ピリダジニル,ベンゾフリル,ベンゾチアゾリル,ベンゾオキサゾリル,トリアジニル,オキソトリアジニル,テトラゾロ〔1,5−b〕ピリダジニル,トリアゾロ〔4,5−b〕ピリダジニル,オキソイミダジニル,ジオキソトリアジニル,ピロリジニル,ピペリジニル,ピラニル,チオピラニル,1,4−オキサジニル,モルホリニル,1,4−チアジニル,1,3−チアジニル,ピペラジニル,ベンゾイミダゾリル,キノリル,イソキノリル,シンノリニル,フタラジニル,キナゾリニル,キノキサリニル,インドリジニル,キノリジニル,1,8−ナフチリジニル,プリニル,プテリジニル,ジベンゾフラニル,カルバゾリル,アクリジニル,フェナントリジニル,フェナジニル,フェノチアジニル,フェノキサジニルなどが用いられる。
複素環基の好ましいものは、たとえば2−,3−または4−ピリジル,2−,4−または5−チアゾリル等の5−又は6−員含窒素複素環基である。
【0009】
これらR1で示される同素または複素環基は、同一又は相異なる置換基を1〜5個(好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1個)有していてもよい。このような置換基としてはたとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル等のC1-15アルキル、たとえばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-10シクロアルキル、たとえばビニル、アリル、2−メチルアリル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−オクテニル等のC2-10アルケニル、たとえばエチニル、2−プロピニル、3−ヘキシニル等のC2-14アルキニル、たとえばシクロプロペニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等のC3-10シクロアルケニル、たとえばフェニル、ナフチル、ベンツヒドリル、トリチル等のC6-14アリール、たとえばベンジル、フェニルエチル等のC7-19アラルキル、ニトロ,水酸基,メルカプト,オキソ,チオキソ、シアノ、カルバモイル、カルボキシル、たとえばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等のC1-4アルコキシ−カルボニル、スルホ、たとえばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン、たとえばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ等のC1-4アルコキシ、たとえばフェノキシ等のC6-14アリールオキシ、たとえばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、t−ブチルチオ等のC1-4アルキルチオ、たとえばフェニルチオ等のC6-14アリールチオ、たとえばメチルスルフィニル、エチルスルフィニル等のC1-4アルキルスルフィニル、たとえばフェニルスルフィニル等のC6-14アリールスルフィニル、たとえばメチルスルホニル、エチルスルホニル等のC1-4アルキルスルホニル、たとえばフェニルスルホニル等の C6-14アリールスルホニル、アミノ、たとえばアセチルアミノ、プロピオニルアミノ等のC2-6アシルアミノ、たとえばメチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のモノ−又はジ−C1-4アルキルアミノ、たとえばシクロヘキシルアミノ等のC3-6シクロアルキルアミノ、たとえばアニリノ等のC6-10アリールアミノ、たとえばアセチルなどのC2-4アシル、たとえばベンゾイル等のC6-14アリール−カルボニル、たとえば2−または3−チエニル、2−または3−フリル、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソオキサゾリル、2−、4−または5−イミダゾリル、1,2,3−または1,2,4−トリアゾリル、1Hまたは2H−テトラゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−または5−ピリミジニル、3−または4−ピリダニジル、キノリル、イソキノリル、インドリル等の酸素、硫黄、窒素から選ばれたヘテロ原子を1〜4個含む5〜6員複素環基もしくはそれらとの縮合環基が挙げられる
【0010】
これらの置換基が、たとえばC6-14アリール、 C7-19アラルキル、C3-10シクロアルキル、C3-10シクロアルケニル、C6-14アリールオキシ、 C6-14アリールチオ、C6-14アリールスルフィニル、C6-14アリールスルホニル、C6-14アリールアミノ、複素環基等である場合には、さらに、上記のようなハロゲン、水酸基、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル等のC1-4アルキル、たとえばビニル、アリル、2−メチルアリル等のC2-4アルケニル、たとえばエチニル、2−プロピニル等のC2-4アルキニル、C6-14アリール、C1-4アルコキシ、フェノキシ、C1-4アルキルチオ、フェニルチオ等で1〜5個置換されていてもよい。また、該同素または複素環基の置換基がC1-15アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルチオ、C1-4アルキルスルフィニル、C1-4アルキルスルホニル、アミノ、モノ−又はジ−C1-4アルキルアミノ、C3-6シクロアルキルアミノ,C6-14アリールアミノ等である場合には、さらに、上記のようなハロゲン、水酸基、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルチオ等で1〜5個置換されていてもよい。
R1の好ましい例は、たとえばハロゲンで1ないし2個置換されていてもよいピリジル、チアゾリル等の5または6員含窒素複素環である。特に、ハロゲノチアゾリルが好ましく、なかでも、2−ハロゲノ−5−チアゾリル、特に、2−クロロ−5−チアゾリルが好ましい。
nは0または1を示すが、1の場合が好ましい。
【0011】
R2で示される「置換されていてもよい炭化水素基」における炭化水素基としては、C1-19炭化水素基が好ましく、なかでも、R1について前述したC1-15アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルケニル基、C6-14アリール基、C7-19アラルキル基等が用いられる。
また、R2で示される「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基としては、R1で示される同素または複素環基の置換基として前述したものと同様のもの等が用いられる。
R2の好ましい例としては、たとえば水素、たとえばメチル、エチル、プロピル等のC1-4アルキル基が挙げられる。特に、水素が好ましい。
【0012】
R3は第一、第二または第三アミノ基を示し、その例としては、たとえば式(III)
【化9】
〔式中、R4及びR5は、同一または相異なり、水素または置換されていてもよい炭化水素基を、あるいはR4及びR5は一緒になって隣接した窒素と共に環状アミノ基を示す。〕で表わされる基等が用いられる。
ここにおいて、第一アミノ基とはたとえば上記式で言えばR4及びR5が水素である無置換アミノ基を、第二アミノ基とはR4かR5のいずれかが水素であるモノ置換アミノ基を、第三アミノ基とはR4とR5のどちらも水素でないジ置換アミノ基を意味する。
R4及びR5で示される「置換されていてもよい炭化水素基」としては、たとえば上記R2で述べたものと同一のもの等が用いられる。
また、R4及びR5が一緒になって隣接窒素と共に示す環状アミノ基としては、たとえばアジリジノ,アゼチジノ,ピロリジノ,モルホリノ,チオモルホリノ基等のC3-8環状アミノ基が好ましい。
R3の好ましい例としては、たとえば無置換アミノ基、たとえばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ等のモノ−C1-4アルキルアミノ基、たとえばジメチルアミノ、エチルメチルアミノ等のジ−C1-4アルキルアミノ基、たとえばホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド等のC1-4アシルアミノ基等が挙げられる。なかでも、モノ−C1-4アルキルアミノ基が好ましい。
【0013】
Xで示される電子吸引基としては、たとえばシアノ、ニトロ、アルコキシカルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等のC1-4アルコキシ−カルボニル等)、ヒドロキシカルボニル、C6-10アリール−オキシカルボニル(例、フェノキシカルボニル等)、複素環オキシカルボニル(複素環基としては上記のもの等が用いられ、たとえばピリジルオキシカルボニル、チエニルオキシカルボニル等)、たとえばハロゲン(Cl、Br等)等で置換されていてもよいC1- 4アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、エチルスルホニル等)、スルファモイル、ジ−C1-4アルコキシホスホリル(例、ジエトキシホスホリル等)、たとえば(Cl、Br、F等)等で置換されていてもよいC1-4アシル(例、アセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル等)、C6-10アリール−カルボニル(例、ベンゾイル等)、カルバモイル、C1-4アルキルスルホニルチオカルバモイル(例、メチルスルホニルチオカルバモイル等)等が用いられる。
好ましい電子吸引基としては、たとえばニトロ、トリフルオロアセチル、シアノが挙げられる。なかでも、ニトロが好ましい。
【0014】
グアニジン誘導体(I)またはその塩の好ましい例としては、たとえば一般式(Ia)
【化10】
〔式中、R1bはピリジル基、ハロゲノピリジル基またはハロゲノチアゾリル基を示し、R2c,R4a,R5aは同一または相異なり、水素、メチル基、エチル基、 ホルミル基またはアセチル基を示す。〕で表わされる化合物(Ia)またはその塩等が挙げられる。
【0015】
式(Ia)で表わされる化合物(Ia)において、R1bはたとえば3−ピリジル基を、たとえば6−クロロ−3−ピリジル、6−ブロモ−3−ピリジル、5−ブロモ−3−ピリジル等のハロゲノピリジル基を、または2−クロロ−5−チアゾリル、2−ブロモ−5−チアゾリル等のハロゲノチアゾリル基を示す。特に、2−クロロ−5−チアゾリルが好ましい。
該グアニジン誘導体(I)の最も好ましいものとしては、上記式(II)で表わされる化合物が挙げられる。該化合物としては、なかでも、(E)−1−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン〔以下、化合物(IIa)と称することもある〕が好ましい。
該グアニジン誘導体(I)またはその塩は、例えば、特開平3−157308号公報(特許公報第2546003号)に記載の方法等により製造することができる。
【0016】
グアニジン誘導体(I)またはその塩は、Xの位置に関してシス体(Z体)とトランス体(E体)の立体異性体を生じ、また、R2が水素である場合及びR3が第一又は第二アミノ基である場合は理論的に互変異性体を生じるが、これらいずれの異性体も本発明のグアニジン誘導体(I)またはその塩に含まれる。
グアニジン誘導体(I)の塩としては、例えば塩酸,臭化水素酸,ヨウ化水素酸,リン酸,硫酸,過塩素酸などの無機酸、例えばギ酸,酢酸,酒石酸,リンゴ酸,クエン酸,シュウ酸,コハク酸,安息香酸,ピクリン酸,p−トルエンスルホン酸などの有機酸との塩が用いられる。
【0017】
本発明の粉剤におけるグアニジン誘導体(I)またはその塩の含有量は、製剤全体に対し、通常約0.01〜5重量%、好ましくは約0.05〜3重量%、より好ましくは約0.1〜2重量%である。
【0018】
本発明の粉剤に用いられるスルホン酸塩としては、例えば、スルホン酸塩型の界面活性剤を用いることができる。
該スルホン酸塩としては、具体的には例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、油溶性アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、イゲポンT、スルホコハク酸ジエステル塩などが挙げられ、これらの1種でもよいし、あるいは2種以上のスルホン酸塩を用いてもよい。
【0019】
該アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの例としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラプロピレンベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
該油溶性アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムなどが挙げられる。
該α−オレフィンスルホン酸塩としては、例えば、プロピレンスルホン酸ナトリウム、エチルエチレンスルホン酸ナトリウム、1−ペンテンスルホン酸ナトリウム、2−メチル−2−ブテンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
該イゲポンT(商品名)は、オレイン酸クロライドとN−メチルタウリンとを反応させ得られた界面活性剤である。
【0020】
該スルホコハク酸ジエステル塩としては、例えば、一般式(IV)
【化11】
〔式中、R6およびR7はそれぞれ直鎖状または分枝状のC1-10アルキル基を示す。〕で表わされるジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩などが好適である。
R6およびR7で表わされる直鎖状または分枝状のC1-10アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシルなどが用いられる。なかでも、直鎖状または分枝状のC6-10アルキル基などが好ましく、特に、2−エチルヘキシルなどが好ましい。
上記のスルホン酸塩の中でも、特にスルホコハク酸ジエステル塩などが好ましい。
【0021】
上記ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩は、通常、各種溶剤に希釈された液体状態或いはその液体を粉末に吸着させた粉末状態で市販されている。本発明においては、このどちらの状態でもその効果が発揮され、形状の違いを限定する必要はないが、具体的には、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム塩であるネオコールSW−C(商品名)、ネオコールYSK(商品名)〔以上、第一工業製薬(株)製〕、ニューカルゲンEP−60P(商品名)、ニューカルゲンEP−70G(商品名)、ニューカルゲンEX−70(商品名)〔以上、竹本油脂(株)製〕、エアロールCT−1(商品名)〔東邦化学(株)製〕、サンモリンOT−70(商品名)〔三洋化成(株)製〕、DOS−75P(商品名)〔日本油脂(株)製〕などの市販の界面活性剤などが好適である。
【0022】
本発明の農薬粉剤においては、スルホン酸塩を1種または2種以上で使用することができる。本発明の粉剤におけるスルホン酸塩の使用量(2種以上を使用する場合は総量として)は、粉剤全量に対して、通常約0.05〜15.0重量%、好ましくは約0.1〜5.0重量%である。
【0023】
本発明の製剤において、農薬活性成分がグアニジン誘導体(I)またはその塩を含有する場合、組成物の適応範囲を広げるために、さらに、1種又は2種以上の他の農薬活性成分を含有させてもよい。他の農薬活性成分としては、常温で固体、液体を問わず、殺虫剤、殺菌剤などいずれの農薬活性成分であっても良い。これに該当する農薬活性成分としては、上記した農薬活性成分1.〜3.を挙げることができるが、または、次に挙げるものであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0024】
(a)殺虫剤:
ピリダフェンチオン、ジメトエート、PMP、CVMP、ジメチルビンホス、サリチオン、DEP、NAC、MTMC、MIPC、PHC、MPMC、XMC、ベンダイオカルブ、ピリミカルブ、メソミル、オキサミル、チオジカルブ、シペルメトリン、カルタップ塩酸塩、チオシクラム、ベンスルタップ、ジフルベンズロン、テフルベンズロン、クロルフルアズロン、ブプロフェジン、ヘキシチアゾクス、酸化フェンブタスズ、ピリダベン、クロフェンテジン、ニテンピラム、シアノホス(CYAP)、フェンチオン(MPP)、フェニトロチオン(MEP)、ジクロフェンチオン(ECP)、ピリミホスメチル、エトリムホス、ダイアジノン、キナルホス、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、クロルピリホスメチル、クロルピリホス、オキシデプロホス(ESP)、バミドチオン、プロフェノホス、マラチオン(マラソン)、フェントエート(PAP)、ジメトエート、ホルモチオン、チオメトン、ジスルホトン(エチルチオメトン)、ホサロン、ホスメット(PMP)、メチダチオン(DMTP)、プロチオホス、スルプロホス、ピラクロホス、ジクロルボス(DDVP)、モノクロトホス、ナレッド(BRP)、テトラクロルビンホス(CVMP)、ジメチルビンホス、クロルフェンビンホス(CVP)、プロパホス、アセフェート、イソフェンホス、EPN、エチオン、レスメトリン、ベルメトリン、シペルメトリン、シフルトリン、フェンプロパトリン、シクロプロトリン、フルバリネート、フルシトリネート、シハロトリン、フェンバレレート、エトフェンプロックス、アクリナトリン、シラフルオフェン等。
【0025】
(b)殺菌剤:
ジラム、チウラム、キャプタン、TPN、フサライド、トルクロホスメチル、ホセチル、チオファネートメチル、ベノミル、カルベンダゾール、チアベンダゾール、ジエトフェンカルブ、イプロジオン、ビンクロゾリン、プロシミドン、フルオルイミド、オキシカルボキシン、メプロニル、フルトラニル、ペンシクロン、メタラキシル、オキサジキシル、トリアジメホン、ヘキサコナゾール、トリホリン、ブラストサイジンS、カスガマイシン、ポリオキシン、バリダマイシンA、ミルディオマイシン、PCNB、ヒドロキシイソキサゾール、ダゾメット、ジメチリモール、ジクロメジン、トリアジン、フェリムゾン、プロベナゾール、イソプロチオラン、トリシクラゾール、ピロキロン、オキソリニック酸、イプロベンホス(IBP)、エジフェンホス(EDDP)、ピラゾホス等。
【0026】
他の農薬活性成分(上記の1.〜3.および/または(a),(b))を含有する本発明のグアニジン誘導体(I)またはその塩を含有する粉剤におけるグアニジン誘導体(I)またはその塩および上記の他の農薬活性成分の量は、それらの総量が、製剤全体に対し、通常約1〜95重量%、好ましくは約2〜50重量%、より好ましくは約3〜20重量%となるのが好ましい。
【0027】
さらに、本発明の農薬粉剤には、殺ダニ剤、殺線虫剤、植物ホルモン剤、植物発育調節剤、共力剤、誘引剤、忌避剤、色素、肥料などを配合し、混合使用することもできる。これらの添加量は、農薬活性成分に対し、1:0.01〜1:10(重量比)、さらに好ましくは、1:0.05〜1:5(重量比)である。
【0028】
さらに、本発明の農薬粉剤には、分散、湿潤を目的としてスルホン酸塩以外の界面活性剤を用いてもよい。例えば、非イオン性界面活性剤及び陰イオン性界面活性剤などを用いてもよく、具体的には、石鹸類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類〔例、ノイゲンEA142(商品名);第一工業製薬(株)製、ノナール(商品名);東邦化学(株)製〕、ポリエチレングリコールエーテル類〔例、ノニポール85、ノニポール110、ノニポール160(商品名);三洋化成(株)製〕、多価アルコールエステル類〔例、トゥイーン20、トゥイーン80(商品名);花王(株)製〕などが挙げられる。この界面活性剤を用いる際には、製剤全体に対して、通常0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜10重量%の範囲で用いられる。
【0029】
本発明の粉剤を製造する際には、担体・補助成分等の通常の粉剤に用いられる添加剤が用いられる。これらは、特に制限されないが、例えば、増量剤としては、クレー類(例、微粉末クレー等)、タルク類(例、滑石粉、ロウ石粉等)、シリカ類(例、珪藻土粉、雲母粉等)などの鉱物性粉末、例えば、大豆粉、タバコ粉、小麦粉、木粉等の植物性粉末の他に、炭酸カルシウム、硫黄粉末、尿素粉末などを1種または2種以上混合して用いることができる。また、これらに限定されるわけではなく、農薬製剤に使用される通常の増量剤は全て使用できる。
増量剤は、製剤全体に対して、通常10〜99重量%、好ましくは20〜95重量%の範囲で用いられる。
【0030】
さらに、所望により、例えば、流動助剤、固結防止剤、凝集剤、酸化防止剤、水分除去剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、防腐剤を使用することもでき、これらは使用される農薬活性成分の種類に応じて選択すればよい。
該流動助剤としては、例えばPAP助剤(例、イソプロピルアシッドホスフェート)、タルクなどが必要に応じて用いられる。
該固結防止剤としては、例えばホワイトカーボン、珪藻土、ステアリン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化チタン等が必要に応じて用いられ、特にホワイトカーボンなどが好適である。
該凝集剤としては、例えば流動パラフィン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、イソブチレン重合体(例、IPソルベント2835:登録商標;出光石油化学(株)製)等が必要に応じて用いられ、特にIPソルベント2835などが好適である。
【0031】
該酸化防止剤としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン、4,4−チオビス−6−tert−ブチル−3−メチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、パラオクチルフェノール、モノ(またはジまたはトリ)(a−メチルベンジル)フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル〕メタンなどが必要に応じて用いられる。
該水分除去剤としては、例えば無水石膏、シリカゲル粉末等が必要に応じて用いられる。
該紫外線吸収剤としては、例えば2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−エトキシ−2'−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物等が必要に応じて用いられる。該紫外線散乱剤としては、例えば二酸化チタン等が必要に応じて用いられる。該防腐剤としては、例えばブチルパラベン、ソルビン酸カリウム等が用いられる。
【0032】
流動助剤が用いられる場合には、製剤全体に対して、通常0.05〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%の範囲で用いられる。固結防止剤が用いられる場合には、製剤全体に対して、通常0.05〜50重量%、好ましくは0.1〜20重量%の範囲で用いられる。凝集剤が用いられる場合には、製剤全体に対して、通常0.05〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%の範囲で用いられる。酸化防止剤が用いられる場合には、製剤全体に対して、通常0.01〜50重量%、好ましくは0.05〜20重量%の範囲で用いられる。水分除去剤が用いられる場合には、製剤全体に対して、通常0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%の範囲で用いられる。紫外線吸収剤が用いられる場合には、製剤全体に対して、通常0.05〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%の範囲で用いられる。紫外線散乱剤が用いられる場合には、製剤全体に対して、通常0.05〜90重量%、好ましくは0.1〜20重量%の範囲で用いられる。防腐剤が用いられる場合には、製剤全体に対して、通常0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%の範囲で用いられる。
【0033】
本発明の粉剤は、それ自体公知あるいはそれに準じる方法によって製造することができる。例えば、上記の各成分を自動乳鉢などで混合することによって製造することができる。
さらに、本発明の粉剤は、例えば、アトマイザー等の粉砕機を用いて、粒度が150μm以下となるように微粉砕することができる。
このように、粒度が150μm以下とすることにより、粉剤の流動性が良好となり、取扱い性および散布性に優れたものとなる。
【0034】
本発明の農薬粉剤は、粉剤中の農薬活性成分の種類などに応じて、それ自体公知の方法に従って使用することができる。
例えば、本発明の粉剤が農業用殺虫剤として用いる場合、その利用量は、粉剤中の農薬活性成分が10アールあたり約1〜500gが適当である。農業用殺虫剤として用いる場合、本発明の粉剤は、植物の茎葉に直接散布する方法、植物の根元に散布し処理する方法、箱処理する方法などの方法によって用いられる。本発明の粉剤が農業用殺虫剤として用いる場合、本発明の粉剤は、例えば、イネ、トウモロコシ(コーン)、甜菜(シュガービート)、綿(コットン)、野菜〔例、キャベツ、ハクサイ、ダイコン、キュウリ、ジャガイモ(ポテト)、なす等〕、果樹(例、みかん、なし、もも等)、茶、タバコなどに諸害虫が発生した時期に、散布または処理することにより、害虫を除去することできる。また、予め散布または処理することにより、長時間にわたって諸害虫の発生を防ぐことができる。このような害虫としては、例えば、鱗翅目のニカメイガ、コブノメイガ、アワヨトウ、ヨトウガ、コナガ、チャノホソガ、チャノコカクモンハマキなど、鞘翅目のイネミズゾウムシ、イネゾウムシ、イネドロオイムシ、ウリハムシなど、半翅目のツマグロヨコバイ、セジロウンカ、トビイロウンカ、ヒメトビウンカなどが挙げられる。
例えば、特に、本発明のグアニジン誘導体(I)またはその塩を含有する農薬粉剤は、稲に諸害虫(例、ツマグロヨコバイ、センロウンカ、トビイロウンカ、ヒメトビウンカ、イネミズゾウムシなど)が発生した時期に施用(例、散布)することにより、害虫を駆除することができる。
【0035】
また、予め害虫が発生する前に施用することにより、長期間にわたって諸害虫の発生を防ぐことができる。
農園芸用殺虫剤として用いる場合、その使用量は、グアニジン誘導体(I)またはその塩を含有する農薬粉剤が10a(アール)あたり約1〜50gが適当である。本発明の粉剤は、植物の茎葉に直接散布する方法、植物の根元に散布し処理する方法、箱処理する方法などの方法によって用いられる。
また、本発明の粉剤は、植物に対して薬害が実質的に無く、また、人や動物に対しても施用時または施用後い害はなく、安全に使用できる。
このようにして得られる本発明の粉剤は、施用の初期に農薬活性成分の作用を発揮させることができるので、農薬活性成分が本来もっている優れた作用を充分に引き出すことができるものである。
【0036】
本発明は、さらに、スルホン酸塩を含有することを特徴とする農薬粉剤の効力の促進剤、およびスルホン酸塩を含有することを特徴とする農薬粉剤の効力の増強剤に関する。
該スルホン酸塩は、上記と同様のものが用いられる。
農薬粉剤に使用される農薬活性成分としては、例えば下記のものを挙げることができる。
1.液状の農薬活性成分:
(1)殺虫剤:
(a)カーバメイト系:フラチオカルブ(furathiocarb)、カルボスルファン(carbosulfan)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、BPMC、フェノブカルブ(fenobucarb)など。
(b)合成ピレスロイド系:シフルトリン(cyfluthrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルバリネート(fluvalinate)、シラフルオフェン(silafluofen)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、アレスリン(allethrin)、エトフェンプロックス(ethofenprox)など。
(c)有機リン系:EPN、MPP、フェンチオン(fenthion)、MEP、フェニトロチオン(fenitrothion)、プロパホス(propaphos)、シアノホス(cyanophos)、プロチオホス(prothiofos)、スルプロホス(sulprofos)、プロフェノホス(profenofos)、エチルチオメトン(disulfoton)、チオメトン(thiometon)、PAP、フェントエート(phenthoate)、マラソン(malathion)、ピラクロホス(pyraclofos)、BRP、ナレッド(naled)、CVP、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、ピリミホスメチル(pirimiphosmethyl)、ダイアジノン(diazinon)、エトリムホス(etrimfos)、イソキサチオン(isoxathion)、キナルホス(quinalphos)、DMTP、メチダチオン(methidathion)など。
(2)殺菌剤:
(a)有機リン系:エジフェンホス(edifenphos)、イプロベンホス(iprobenfos)など。
【0037】
2.固状の農薬活性成分:
(1)殺虫剤:
(a)カーバメイト系:MIPC、イソプロカルブ(isoprocarb)、XMC、NAC、カルバリル(carbaryl)、ベンダイオカルブ(bendiocarb)、カルボフラン(carbofuran)など。
(b)合成ピレスロイド系:シペルメトリン(cypermethrin)など。
(c)有機リン系:シアノフェンホス(cyanofenphos)、CVMP、テトラクロルビンホス(tetrachlorvinphos)など。
(d)有機塩素系:ベンゾエピン(endosulfan)など。
(e)グアニジン誘導体(例、クロチアニジン)
(f)その他:ベンスルタップ(bensultap)、ブプロフェジン(buprofezin)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、イミダクロプリド(imidacloprid)など。
【0038】
(2)殺菌剤:
(a)N−ヘテロ環系エルゴステロール阻害剤:トリホリン(triforine)など。
(b)カルボキシアミド系:メプロニル(mepronil)、フルトラニル(flutoluanil)、ペンシクロン(pencycuron)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)など。
(c)ジカルボキシイミド系:イプロジオン(iprodione)、ビンクロゾリン(vinclozolin)、プロシミドン(procymidone)など。
(d)ベンゾイミダゾール系:ベノミル(benomyl)など。
(e)ポリハロアルキルチオ系:キャプタン(captan)など。
(f)有機塩素系:フサライド(fthalide)、TPN、クロロタロニル(chlorothalonil)など。
(g)硫黄系:ジネブ(zineb)、マンネブ(maneb)など。
(h)その他:ジクロメジン(diclomezin)、トリシクラゾール(tricyclazole)、プロベナゾール(probenazole)、アニラジン(anilazine)、オキソリニック酸(oxolinic acid)、フェリムゾン(ferimzone)など。
【0039】
3.水溶性の農薬活性成分:
(i)殺虫剤:
(a)カーバメイト系:PHC、プロポキスル(propoxur)、MTMC、メトルカルブ(metolcarb)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、ピリミカーブ(pirimicarb)、メソミル(methomyl)など。
(b)有機リン系:アセフェート(acephate)、ESP、オキシデプロポス(oxydeprofos)、ジメトエート(dimethoate)、バミドチオン(vamidothion)、DEP、トリクロルホン(trichlorfon)、DDVP、ジクロルボス(dichlorvos)など。
(c)その他:チオシクラム(thiocyclam)、ニテンピラム(nitenpyram)、カルタップ塩酸塩(cartap)など。
(ii)殺菌剤:
(a)抗生物質剤:カスガマイシン(kasugamycin)、ミルディオマイシン(mildiomycin)、バリダマイシンA(validamycin A)など。
(b)その他:ピロキロン(pyroquilon)、ジメチリモール(dimethirimol)など。
【0040】
本発明においては、上記の水難溶性農薬活性成分と、固状農薬活性成分とを組み合わせて用いてもよい
上記農薬活性成分の含有量は、組成物全体に対して通常約0.01〜20重量%、好ましくは約0.05〜15重量%である。
上記の農薬粉剤の製造時における他の成分、農薬粉剤の製造方法、農薬粉剤の使用方法、農薬粉剤の効果等は、前記したものと同様のものが挙げられる。
【0041】
【実施例】
以下に実施例、参考例および実験例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、ここにおいて用いられている部は、特にことわりのない限り重量部を示す。また、以下で用いた(E)−1−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン〔化合物(IIa)と称する〕は、特開平3−157308号公報(特許第2546003号公報)の実施例に記載の方法(表−4、化合物No.19)に従って製造されたものを用いた。
【0042】
実施例1
化合物(IIa) 0.15部
ニューカルゲンEP−60P 2.0 部
IPソルベント 0.2 部
ホワイトカーボン 1.5 部
炭酸カルシウムを加えて合計100部とした。
上記の原料を乳鉢で充分混合した後、バンタムミルで解砕して化合物(IIa)含有粉剤DLを製造した。
【0043】
実施例2
化合物(IIa) 0.15部
カルタップ塩酸塩 2.0 部
ニューカルゲンEP−60P 0.1 部
IPソルベント 1.0 部
ホワイトカーボン 1.5 部
微粉末クレーを加えて合計100部とした。
上記の原料を乳鉢で充分混合した後、実施例1と同様に操作して、化合物(IIa)・カルタップ混合粉剤DLを製造した。
【0044】
実施例3
化合物(IIa) 0.15部
カルタップ塩酸塩 2.0 部
バリダマイシンA 0.3 部
フェリムゾン 2.0 部
フサライド 1.5 部
ニューカルゲンEP−60P 0.1 部
IPソルベント 1.0 部
ホワイトカーボン 1.5 部
微粉末クレーを加えて合計100部とした。
上記の原料を乳鉢で充分混合した後、実施例1と同様に操作して、化合物(IIa)・カルタップ・フェリムゾン・フサライド・バリダマイシン混合粉剤DLを製造した。
【0045】
実施例4
化合物(IIa) 0.15部
カルタップ塩酸塩 2.0 部
バリダマイシンA 0.3 部
ニューカルゲンEP−60P 0.1 部
IPソルベント 1.0 部
ホワイトカーボン 1.5 部
微粉末クレーを加えて合計100部とした。
上記の原料を乳鉢で充分混合した後、実施例1と同様に操作して、化合物(IIa)・カルタップ・バリダマイシン混合粉剤DLを製造した。
【0046】
実施例5
化合物(IIa) 0.15部
ベンスルタップ 2.0 部
ニューカルゲンEP−60P 2.0 部
IPソルベント 0.2 部
ホワイトカーボン 1.5 部
炭酸カルシウムを加えて合計100部とした。
上記の原料を乳鉢で充分混合した後、実施例1と同様に操作して、化合物(IIa)・ベンスルタップ混合粉剤DLを製造した。
【0047】
実施例6
化合物(IIa) 0.15部
ベンスルタップ 2.0 部
バリダマイシンA 0.3 部
ニューカルゲンEP−60P 2.0 部
IPソルベント 0.2 部
ブチルパラベン 0.1 部
ホワイトカーボン 1.5 部
炭酸カルシウムを加えて合計100部とした。
上記の原料を乳鉢で充分混合した後、実施例1と同様に操作して、化合物(IIa)・ベンスルタップ・バリダマイシン混合粉剤DLを製造した。
【0048】
参考例1
実施例1の処方において、ニューカルゲンEP−60P 2部を省略したものにつき、実施例1と同様の操作を行い、化合物(IIa)含有粉剤DLを得た。
【0049】
参考例2
実施例1の処方における化合物(IIa) 0.15部を化合物(IIa) 0.2部に変更し、更にニューカルゲンEP−60P 2部を省略して、実施例1と同様の操作を行い、化合物(IIa)含有粉剤DLを得た。
【0050】
実験例1
実施例1、2及び参考例1、2の粉剤について、以下に示した方法でトビイロウンカに対する薬効を評価した。
6葉期の日本晴れ(稲)1株(10本植え)を1/10000aポットに定植し、トビイロウンカの3令幼虫を10頭放虫した。翌日、粉剤(実施例1の粉剤、実施例2の粉剤、参考例1の粉剤または参考例2の粉剤)50mgをスプレーガンを用いて散布し、散布1日後及び7日後に生存虫数を調査して死虫率を算出した。結果を〔表1〕に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
〔表1〕より明らかな如く、本発明の農薬粉剤は、スルホン酸塩を含有しない粉剤に比べ、農薬活性成分の濃度が低いにもかかわらず、トビイロウンカに対する初期の殺虫効果が大きく増強されていることが認められた。
【0053】
【発明の効果】
本発明の農薬粉剤は、散布直後から、農薬活性成分の作用を発揮するという農薬活性成分の効力の促進および増強がみられるので、農薬製剤として有利に使用することができる。
従来の粉剤の使用にあたっては、農薬活性成分の効果は、散布時より遅れて発揮されるとの認識のもとに行なわれていた。本発明の粉剤におけるこのような効果は、予想外の効果である。
一方、粒剤は、水に溶解され施用されるため、溶液が根から吸収され、それにより、速効性が発揮されることが知られている。粒剤は、粉剤とは施用方法が異なるため、農薬活性成分の効果は、全く別なものとして表われてくる。本発明の粉剤の速効性は、従来の技術のいずれにも示されておらず、本発明者らによる実験により初めて見いだされたものである。
Claims (7)
- スルホコハク酸ジエステル塩がジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩である請求項1に記載される農薬粉剤。
- 粒度が150μm以下である請求項1または2に記載される農薬粉剤。
- スルホコハク酸ジエステル塩がジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩である請求項4に記載される効力増強剤。
- スルホコハク酸ジエステル塩がジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩である請求項6に記載される効力増強方法。
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