JP3888647B2 - 再パルプ化可能なコンタクト型接着剤 - Google Patents

再パルプ化可能なコンタクト型接着剤 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、再パルプ化可能な、コンタクト型接着剤及びテープ、ラベル又は接触すると接着する他の物品、それらで処理されたすべてのもの及び配合物に関する。これらは、再パルプ化可能な(repulpable)、再生可能な(recyclable)製品として製紙工業及び紙加工工業で主として使用される。
【0002】
【従来の技術】
製紙、変性及び印刷での処理のために、例えばコーティングライン又は印刷機械において、既に加工されたこおり(梱)(bale)の末端ウエブに引っ張られるべき新しい紙こおりのウエブを粘着させる(stick)ことを意図するならば、紙ウエブをスプライシングすることがしばしば必要である。これらのスプライスの機械的負荷は非常に大きく異なることがある。スプライシングプロセスを行うならば、例えば操作期間中変える場合に、今日では通常である1500m/分以下のウエブ速度及び低い接合圧(例えば、エアブラシ)は、高度に粘着性の(tacky)、柔軟なコンタクト型接着剤フイルムの使用を必要とする。他方、接着剤の結合が、紙こおりにおいて高い巻き取り張力(winding tension)及び圧力の下に比較的長期間にわたり寸法的に安定であるべきであるならば、紙の中に浸透する成分を放出しない硬質耐剪断性コンタクト型接着剤フイルムが必要である。できるかぎり小さいスプライス厚さが一般に望まれる。これは、種々の加工操作(コーティング、カレンダリング等)において面倒な事のないプロセスシーケンスを可能とする。従って、必要な接着剤の性質は、できるだけ薄く且つ好ましくは支持体のないコンタクト型接着剤フイルムにより達成されなければならない。これらの極端な場合の他に、意図する用途に依存して中間の段階がある。しみ(specks)及び残留タック(residual tack)のない接着剤により結合した紙の満足な再生が、場合により熱応力の下ですら、接着剤結合の長いエージング時間にわたり保証されなければならない。製紙工場及び紙の処理水中に存在しそして架橋により接着剤材料の再生可能性に不利に影響することがあるCa++、Mg++及びAl+++のような多価カチオンは、接着剤結合の再生可能性に対して不利な効果を与えてはならない。
【0003】
過去において、上記の要求を達成することを目的とした多くの開発がなされた。これは、部分的にしか満足すべきものではなく、それ故改良された全体の解決に対する要求が依然としてある。
【0004】
このタイプの最初開示されたコンタクト型接着剤は米国特許第2,838,421号(Sohl)に記載されている。それは、ポリプロピレングリコールで可塑化されたポリアクリル酸から成っていて、水溶性のコンタクト型接着剤を与える。米国特許第3,441,430号(Peterson)は再パルプ化可能な粘着テープ(self−adhesive tape)を記載しており、そのコンタクト型接着剤材料は、少なくとも1つのエーテル官能性を有する水溶性可塑剤により粘着性化(tacky)されるアクリル酸/エチルアクリレートコポリマーから成る。
【0005】
米国特許第3,661,874号(Olson)は、第二級モノアミンと反応させたそして水溶性可塑剤により粘着性化されるエポキシ化ゴムを記載している。ドイツ公開公報第2,360,441号(Blake)は、アクリレートとビニルカルボン酸、該ビニルカルボン酸は液体ポリオキシエチレン化合物及び/又は酸性ロジンとアルカノールアミンとの反応生成物により部分的に中和されている、のコポリマーを記載している。コンタクト型接着剤の凝集力(cohesion)は、特に、ドイツ公開公報第3,105,894号(Gleichenhagen等)に記載の如き、酸性骨格ポリマーと相容性であるエトキシル化ジアミンを、粘着付与性(tackifying)可塑剤としてのエトキシル化モノアミンと一緒に使用することにより増加させることができる。
【0006】
ヨーロッパ特許第0,141,504号(Blake)は、カーボンレス紙(carbonless papers)に使用することもでき且つ特に耐浸透性である再パルプ化可能なコンタクト型接着剤材料を記載している。それは、部分的にNaOH及び/又はLiOHで中和されそしてリン酸及びジアミンのエトキシル化生成物により粘着性化されるビニルカルボン酸/アクリレートコポリマーから成る。
【0007】
比較的高い温度でのスプライス強度を改良するために、ドイツ公開公報第3,901,690号及びヨーロッパ特許第0,081,846号(Eskay)には、上記ポリマー構築ブロックの他にアクリルアミドが請求されている。DE−C3423446に記載のN−ビニルラクタム又はN−ビニルアミド、アクリル酸及びアルキルビニルエーテルのターポリマーは、同じ目的を果たす。ヨーロッパ特許特許第0,352,442号(Czech)に記載の如く、アクリル酸の代わりにアクリロイルオキシプロピオン酸の使用は、同じ目的を達成する。PCT/US92/06731は、例えば、酸又はヒドロキシアルキルエステルのような極性モノマー及び例えばアクリレートをベースとするアルキルエステルのような極性の少ないモノマー及びビニル基を有する重合可能な水溶性マクロマー(macromer)、好ましくはポリエトキシオキサゾリン、ポリ−N−ビニルピロリドン又はポリアルキレンオキシド誘導体から成るターポリマーを記載しており、このターポリマーは水溶性可塑剤と混合されてコンタクト型接着剤材料を与える。それは広いpH範囲内で再パルプ化可能である。
【0008】
上記した製品のよくある欠点は、パルプ水中の多価カチオンの上記含有量によるものであり、その架橋の潜在力は、再パルプ化可能なコンタクト型接着剤中のカルボキシル基と一緒になって、再生期間中しみ(specks)の形成(粘着)をもたらす。この非常に深刻な問題は、コンタクト型接着剤の十分な凝集力(cohesion)を達成するために、上記特許文献に従ってカルボキシル基を介する部分的架橋が既に存在している場合及び/又は部分的架橋がエージングプロセス(aging processes)により官能基間に形成されている場合に起こり、従ってこの問題はエージングされた製品においてより高い程度に起こる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、これらの問題を緩和すること、特に、薄い層においてすら顕著な接着性を有し、硬水においてすら満足な再パルプ化可能性を確実にし、そしてこれらの性質を比較的長い期間にわたり且つ短期間の熱応力の下に、品質を失うことなく保持する再パルプ化可能なコンタクト型接着剤材料を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的は、更に詳細に特許請求の範囲で特徴付けられたコンタクト型接着剤材料を提供することにより達成される。このコンタクト型接着剤材料は、好ましくは、下記の成分から成る。
【0011】
a)1)アクリル酸15〜95重量%と、
2)直鎖状又は僅かに分岐状の炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキルアクリレート、好ましくはエチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート又はそれらの混合物0〜70重量%
のコポリマーに、
3)分子内で中和されるか(ベタイン構造)又はアルカリ金属塩として存在するスルホ基をそのアルキル基が有している(メタ)アクリレート3〜20重量%、この2つの中和形態は個々に存在するか又は混合物として存在することが可能である、がグラフト結合開始剤によってグラフト化される、
グラフトポリマー100重量部。
【0012】
b)水溶性可塑剤80〜280重量部。アミノ基の水素原子がエポキシセグメントにより置換されておりそして溶融範囲が実質的に0℃以下であるエトキシル化水溶性アルキルモノアミンは好ましい。更に、これらの可塑剤に加えて、室温で液体であるポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールを加えて使用することもできる。
【0013】
a)3に記載の(メタ)アクリレート誘導体とのグラフト重合は、できる限りランダムな分布でポリマー鎖に結合したスルホン酸塩構造によって、硬水中ですらコンタクト型接着剤の欠点のない再パルプ化可能性を確実にし、これはこれらの構造の意外に低い含有量で達成され得る。更に、スルホベタイン構造は、再パルプ化可能性に不利な影響を与えないで望ましい方法でコンタクト型接着剤材料の凝集力を増加する。
【0014】
グラフト化プロセスによって、モノマー群a)2とa)3との非常に異なる重合パラメーター及び非常に異なる溶解性パラメーターの望ましくない影響を回避する。三元共重合においては、モノマーのこの非相容性は、ポリマー鎖間のモノマーセグメントの不均一な分布を引き起こし、これは、異なる大きさの極性を持ったポリマー間の相分離に導くことがある。これは、容易に再パルプ化可能なポリマー鎖のみならずあまり容易に再パルプ化できないポリマー鎖も含有するコンタクト型接着剤をもたらす。あまり容易に再パルプ化できないポリマー鎖は、核として作用しそして抄紙機において有害な粘着性の生成を開始することがある。
a)3の上記の誘導体の中でも、好ましくは、下記の化合物が使用される。
【0015】
1.2−プロピオン酸3−スルホプロピルエステル(3−スルホプロピル)アクリルエステルカリウム塩
略号:SPA
(CAS 命名法)
2.1−プロパンアミニウム−N、N−ジメチル−N−[2−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)−オキソ]−エチル]−3−スルホ、水酸化物内部塩
略号;SPR
(CAS命名法)
スルホ基を有するモノマーは、好ましくは、それらの塩の形態で使用される。何故ならば、それらの塩のみが比較的長期間の化学的安定性及び長い保存寿命を有するからである。
【0016】
グラフト化に使用される開始剤は熱分解すると遊離基を発生し、この遊離基は、その高い反応性により、飽和しているポリマー鎖からH原子を引き抜くことができ、かくして遊離基官能性をポリマー鎖に転移させる。次いで鎖遊離基は、グラフト化されるべきモノマーとグラフト化することにより反応し、グラフトはモノマーの反応性及びその濃度により従って成長する。
【0017】
高いグラフト化収率のための開始剤の好適性は下記の方法により決定される。正確に0.1モルの開始剤の溶液をHe雰囲気下にn−ペンタデカン中で分解する。反応時間は、それが選ばれた温度で特定の開始剤の半減期の10倍に相当するように選ばれる。これは、開始剤の実質的に完全な分解を確実にする。次いで、形成された二量体ペンタデカンの量をGLCにより測定する。百分率は、グラフト化効率の目安として表される。通常、反応温度は、試験されるべき開始剤の半減期がこの温度で15分であるように選ばれる。この方法は、J.D.van Drumpt and H.H.J. Oosterwijk(Journal of Polymer Science,Polymer Chemistry Edtion,Vol.14,No.6,June 1976,pp1495〜1511)による刊行物に基づく。
【0018】
本発明の方法では、グラフト化は、比較的低い温度で高いグラフト化収率を与える開始剤を使用して行うのが好ましい。それ故、60℃で24という高いグラフト化収率を有するビス−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート(アクゾ・ヘミーの商標名:ペルカドックス16)は、群a)3のモノマーとのグラフト化反応に特に好ましい。28という同様なグラフト化効率が92℃で達成される。51という実質的により高いグラフト化効率がジクミルペルオキシドにより達成できるけれども、これは128℃の温度に達するまで達成されないので、その使用はこの温度範囲での高レベルの副反応により好ましくない。
【0019】
開始剤は、グラフト化反応期間中、例えばアセトンのような有機溶媒中の溶液として計量して送り込まれるのが好ましい。グラフト化されるべき群a)3のモノマーは、群a)1とa)2のモノマーのコポリマーの完全に重合した溶液中に水性溶液として計量して送り込まれ、反応温度は50℃乃至95℃の範囲に調節される。遊離基架橋反応を介してのゲル形成を避けるために、最初に導入されるコポリマーの濃度は、十分に低く、好ましくは40%以下に設定される。更に、グラフト開始剤の実際に有効な濃度は十分に低く保たれるべきである。
【0020】
群a)1及びa)2のモノマーとの重合は、少なくとも部分的に水と混和性の有機溶媒中の遊離基機構により、特に50℃乃至95℃、好ましくは55℃〜70℃の温度範囲で行われる。好ましく使用される溶媒は、アセトン及びアセトンと水及び例えばエタノールのようなアルコールの低級同族体との混合物である。鎖長調節のために、比較的少量のイソプロパノール又は他の公知の調節剤を使用することもできる。
【0021】
これらのコポリマーは実質的に線状ポリマー鎖から構成されるべきであるので、それらの合成は、開始剤の遊離基が比較的低いエネルギー含有量を有しており従ってポリマー鎖での水素引き抜きを決して引き起こさないか又はまれにしか引き起こさない開始剤、従ってそのグラフト化効率が0になる傾向がある開始剤を使用して行うのが好ましい。故に、例えば、アゾビスイソブチロニトリル又は2,2−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)のようなアゾ開始剤が好ましく使用される。
【0022】
a)1及びa)2に述べたモノマーに加えて、これらのモノマーと共重合可能な他のモノマーを、コポリマーの製造のために少量使用することもできる。例えば、(メタ)アクリルアミド誘導体又はN−ビニルラクタムのようなアミド基を含有するモノマーを、この目的に使用するのが好ましい。
【0023】
ポリマーのK値(H.Fikentscherに従う)は60乃至95であるべきである。
【0024】
これは、25℃で2.031〜4.871の相対粘度に相当する。
【0025】
ポリマーの溶液がb)で述べた可塑剤と混合された後、溶媒混合物中の水の量は実質的に50重量%を越えるべきではない。これは、パーティング表面へのコンタクト型接着剤溶液の直接コーティングに特に当てはまる。あまりにも大量の水は湿潤誤差(wetting errors)をもたらす。
【0026】
特に、高い剪断強度を有するコンタクト型接着剤配合物には、架橋性化合物の添加が推奨される。しかしながら、架橋密度は、再パルプ化可能性が保持されるように非常に低い程度に調節されるべきである。2個のグリシジル基がOH基のエーテル化によりビスフェノールに結合しているビスフェノールAの誘導体は好適である。アルミニウムアセチルアセトネートも好適である。架橋性物質は、コンタクト型接着剤のポリマー及び可塑剤含有率を基準として、特に、約0.01重量%〜1.5重量%のオーダーの量で使用することができる。
【0027】
接着力を増加させるために、特に120より大きい酸価と極性溶媒中の十分な溶解性を有する極性接着性樹脂を単独で又は混合物として、配合物と混合することができる。コンタクト型接着剤フイルム中のそれらの量は特に3重量%乃至30重量%であることができる。コンタクト型接着剤溶液は、当業界の公知の方法により処理して一側又は両側で接着する粘着物品(self−adhesivearticles)を与えることができる。
【0028】
このようなコンタクト型接着剤フイルムの試験方法を以下に述べそして更に本発明を説明するために実施例を説明する。
【0029】
試験方法
1.再パルプ化可能性の試験
この試験は、水に分散性の粘着テープ(self−adhesive tapes)の再生可能性についての試験方法Tappi UM 213に従って行う。接着に使用する試験紙は、カーティス・ペーパー・ディビイジョン(Curtis Paper Division)からの“ジェームス・リバー・パルプ・テスティング・ペーパー・ホワイト(James River Pulp Testing Paper white)417−01−50”である。水の硬度は300mg CaO/1リットルH2Oであり、これは30dHに相当する。
【0030】
2.静的剪断試験
剥離紙にコンタクト型接着剤溶液を塗布しそして塗膜を乾燥する(95℃で25分間)ことによりコンタクト型接着剤層を製造した。乾燥したフイルムの厚さは45μm乃至55μmであった。13×20mmの接合表面をこのフイルムから切り取り、そして20mmの幅と約100mmの長さを有する2枚のグラビア印刷紙ストリップ[ターボ−プレスT54G フェルドミュール社(Turbo−Press T54G Feldmuhle AG)の間にラミネートする。長方形接合表面の長い方の側を、それらがこの紙ストリップの長い側に平行でありそしてストリップ縁から3.5mm離れるように配列する。接合区域に5回2kgの重量の鋼製ローラを圧延する(0.2m/秒)ことにより生成されたスプライスを、23℃及び55%相対湿度で48時間状態調節する(標準気候、DIN50014−23/50−1)。次いで、スプライスを紙ストリップの長手方向において接合表面に平行な引張力にさらす。10Nの引張荷重において時間の関数としてのスプライスにおける平行な変位距離(コンタクト型接着剤フイルムは高い剪断強度を有する)及び5Nの荷重において接着結合の完全な剪断切れ(shearing off)に必要な時間(柔軟性フイルムは高いタックを有する)を測定する。
【0031】
180°の引き離し角度での接着力
220×50mm(約2mm厚さ)の寸法の鋼製シートを、高度に耐粘着性(pick−resistant)の、非常に滑らかな、高度にカレンダー加工されたラベル用紙と一側でしっかりと接合させる。コンタクト型接着剤フイルムを静的剪断試験で述べたようにして製造しそして剥離紙から55gのコーテッド原紙(base paper)に転写する。45〜55μm厚さのコンタクト型接着剤フイルムを有するこのようにして処理されたコーテッド原紙を約300mmの長さの20mm幅のストリップに裁断する。このストリップを、長手方向において粘着側がラベル用紙表面上になるようにして置き、そして2kgの重量の鋼製ローラにより10回以上圧延することにより(0.2m/秒)ラベル用紙に接合させる。試験片を23℃及び55%相対湿度(標準環境)で48時間招待調節するる。次いで、それらを引張試験機にクランプし、そして180°の引き離し角度及び300mm/分の引き離し速度でラベル用紙から粘着テープを除去するのに必要な引き離し力を、1cmの結合幅を基準として、決定する。
【0032】
タックの測定
長さ950mm及び幅15mmを有しておりそして接着力の測定用の試験片に対応して作成されたテープ状試験片を、接着剤塗膜が外側に向くようにホイール(駆動ホイール)の周(1m)に沿って固定する。ラベル用紙(試験ベース)を試験ホイールの周(196mm)の上に積み重ね、そして該試験ホイールを、駆動ホイール上に、回転軸の垂直に上方の頂点に置き、その結果両ホイールの回転軸は正確に平行となり、そして駆動ホイール上に存在する試験されるべき接着性塗膜は、その幅にわたり試験ホイールとの接触点で試験ベースにより完全に覆われる。試験ホイールによって接着性コートに加えられる圧力を釣り合い重りによって5gに調節する。次いで、駆動ホイールを16cm/秒の周速度で回転させ、そして接着性接着剤材料と接触している試験ホイールに該接着性接着剤材料により及ぼされる引張力を、試験ホイールの軸に加えられる負荷セルにより決定する。測定距離は試験ホイールの周に相当する。測定距離にわたり平均した値を表す。
【0033】
【実施例】
実施例1
1.1 親水性骨格ポリマーの製造
アクリル酸315g、2−エチルヘキシルアクリレート112.5g、アセトン250g、エタノール100g及び水100gを、還流コンデンサ、アンカー撹拌器、加熱ジャケット及び計量装置を備えた2リットルの容量の真空密封(vacuum−tight)鋼製重合装置に重量を計って入れた。排気、N2によるフラッシング及び62℃に加熱の後、アセトン6.4g中の2,2−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)0.6gの溶液を、600hPaで沸騰している反応媒体に、撹拌しながら加える。重合はゆっくりと減少する沸点及び増加する粘度と共に始まる。30分の反応時間の後、アセトン75g、エタノール50g及び水50gの混合物に溶解した更に0.5gの2,2−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)を58℃で加えそして圧力を700hPaに増加させる。更なる60分及び更に粘度の増加の後、別のアセトン75g、エタノール50g及び水50gを60℃で加えそして圧力を800hPaに増加させる。63℃及び約1,000hPa(大気圧)で120分の後アセトン75g、エタノール50g及び水50gで更に希釈を行う。溶液を沸騰させながら、重合をこれらの条件下に60分間続ける。次いで、62℃(大気圧)で脱塩水127.5g中のSPA22.5gの溶液及びアセトン13.5g中のビス−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート1.5gの溶液を、沸騰しているポリマー溶液に、同時に且つ連続的に120分の期間にわたって計量して加える。次いで、反応を62℃の反応温度で完了させ、全反応時間20時間の後、混合物を室温に冷却させる。この全体の時間中、存在するいかなる量のO2もN2の穏やかな流れによる吸引により反応混合物から除去される。得られるポリマー溶液は透明である。
【0034】
ポリマー含有率は32.42重量%である。25℃で無水メタノール中で測定した相対粘度は3.363である。
【0035】
1.2 再パルプ化可能なコンタクト型接着剤材料の製造
1.1に従って製造したポリマー溶液92.54g(ポリマー30g)をエトキシル化液体第一級ココナッツ脂肪アミン(C12)67.25gと混合する。この可塑性化合物においては、アミノ基の水素原子はエトキシ鎖によりすべて置換される。エトキシ単位の総数は平均してアミノ官能性(amino function)当たり15である[アクゾ製商標名エトメーン(Ethomeen)C25]。イソプロパノール78中のポリエステル繊維(長さ6mm、直径12μm)2.5gの懸濁液を、前記混合物中に撹拌しながら混ぜ込む。しかる後、アセトン117gに溶解したビスフェノールAのビスグリシジルエーテル0.05gを混合物中に均一に分布させそして水39中で撹拌することにより透明な刷毛塗り可能なコンタクト型接着剤溶液が得られる。
【0036】
1.3 コンタクト型接着剤フイルムの製造
試験方法の部(2.静的剪断試験)で述べたように、1.2に従って得られるコンタクト型接着剤溶液は、剥離紙が一側で剥離効果を有するように処理された剥離紙の剥離表面に塗布されそして溶液を乾燥させて50μm厚さのフイルムを得る。
【0037】
新しいサンプルの試験結果(DIN 50014−23/50−1に従う標準環境中で48時間の貯蔵の後)
再パルプ化可能性:満足である。得られた紙試験ディスクはタック(tack)又は粘着性(stickies)を全然示さない。
【0038】
コンタクト型接着剤フイルムを120℃の温度に80分間さらした後同じ結果が得られる。
【0039】
静的剪断試験:10N/cmの引張力で5000分間剪断をかけた後、スプライスの変位、破断及び剪断切れ(shearimg off)は観察されない。コンタクト型接着剤フイルムを120℃の温度にさらすとき、同じ結果が得られる。
【0040】
180°の引き離し角度(take−off angle)での接着力:3.55N/cm。
【0041】
タック:0.1N/cm。
【0042】
実施例2
2.1 親水性骨格ポリマーの製造
アクリル酸225g、2−エチルヘキシルアクリレート202.5g、アセトン400g及びエタノール50gを、実施例1と同様な2リットルの容量の真空密封重合装置に重量を計って入れる。排気、N2によるフラッシング及び62℃に加熱の後、アセトン8g中の2,2−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)0.5gの溶液を、650hPaで沸騰している反応媒体に、撹拌しながら加える。重合はゆっくりと減少する沸点及び反応混合物の増加する粘度と共に始まる。50分の反応時間の後、アセトン150.0g及びエタノール25.0g中に溶解した更に0.5gの2,2−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)を58℃で加える。60℃及び800hPaで反応混合物を沸騰させながら重合を続ける。更に100分の反応時間の後、アセトン150.0g及びエタノール25gを希釈剤として加え、圧力を大気圧に調節する。59℃〜60℃で沸騰させながら更に180分間重合を続ける。しかる後、脱塩水127.5g中のSPA22.5gの溶液及び水6g中のビス−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート4gの微細な分散液を、60℃で120分の期間にわたり沸騰している反応混合物に同時に計量して加える。反応を61℃で完了させ、全反応時間は20時間である。実施例1と同様に、重合中反応空間は不活性雰囲気とする。冷却の後、ポリマー溶液を脱塩水175g及びエタノール50gで希釈する。
【0043】
ポリマー含有率は30.07重量%でありそして4.00:1.20メタノール/水中で25℃で測定した相対粘度は2.500である。
【0044】
2.2 コンタクト型接着剤材料の製造
2.1に従って製造したポリマー溶液94.8g(ポリマー28.5g)を1.2で実施例1で述べた水溶性可塑剤60.4gと混合する。アセトン66.7g中の接着性樹脂(170の範囲の酸価を有するエステル化していないロジン)8.0gの溶液を得られた混合物と混合する。イソプロパノール51g及び水25g中の実施例1に従うポリエステル繊維3gの懸濁液を次いで混ぜ込む。塗布の前に、アセトン10g中の実施例1に記載のジグリシジル化合物0.05gの溶液を混合物中に均一に分布させる。
【0045】
2.3 コンタクト型接着剤フイルムの製造
2.2に従って得られたコンタクト型接着剤溶液を、試験方法の部で述べたように処理してコンタクト型接着剤フイルムを得る。
【0046】
新しいサンプルの試験結果(DIN 50014−23/50−1に従う標準環境中で48時間の貯蔵の後)
再パルプ化可能性:満足である。得られた紙試験ディスクはタック(tack)又は粘着性(stickies)を全然示さない。
【0047】
コンタクト型接着剤フイルムを120℃の温度に80分間さらした後同じ結果が得られる。
【0048】
静的剪断試験:スプライスは25℃及び5.0N/cmの荷重に100分耐える。
【0049】
コンタクト型接着剤フイルムを120℃の温度にさらしても、同じ結果が得られる。
【0050】
180°の引き離し角度での接着力:4.97N/cm。
【0051】
タック:0.56N/cm。
【0052】
本発明の主なる特徴及び態様は以下のとおりである。
【0053】
1.スルホン酸塩基を有するビニル化合物3〜20重量%が(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸のコポリマーにグラフト化された、そして水溶性可塑剤により粘着性化された、グラフトポリマーをベースとする再パルプ化可能なコンタクト型接着剤。
【0054】
2.該コポリマーが、好ましくは、アクリル酸と、できる限り少ない分岐を有するアルキル鎖中に1〜12個の炭素原子を有しているアルキルアクリレートと、少量の共重合可能なモノマー、好ましくは、(メタ)アクリルアミド誘導体又はN−ビニルラクタムから成ることを特徴とする、上記1の再パルプ化可能なコンタクト型接着剤。
【0055】
3.該コポリマーが(メタ)アクリル酸15〜95重量%を含有することを特徴とする、上記1の再パルプ化可能なコンタクト型接着剤。
【0056】
4.該コポリマーにグラフト化されるべきモノマーが、好ましくは、アルキル基上にスルホン酸塩基を有する(メタ)アクリレートであることを特徴とする、上記1の再パルプ化可能なコンタクト型接着剤。
【0057】
5.コンタクト型接着剤フイルムが弱く架橋されていることを特徴とする、上記1の再パルプ化可能なコンタクト型接着剤。
【0058】
6.再パルプ化可能なコンタクト型接着剤が、可塑剤として、室温で液体であるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、それらの混合物又はコポリマー又はC4−C18のアルキル基を有するエトキシル化又はプロポキシル化アルキルアミンを含有することを特徴とする、上記1の再パルプ化可能なコンタクト型接着剤。
【0059】
7.コンタクト型接着剤フイルム中の可塑剤の量が40〜75重量%であることを特徴とする、上記1の再パルプ化可能なコンタクト型接着剤。
【0060】
8.再パルプ化可能なコンタクト型接着剤が接着力を増加させるために極性接着性樹脂3〜30重量%を含有することを特徴とする、上記1の再パルプ化可能なコンタクト型接着剤。
【0061】
9.存在するカルボキシル基の一部又はすべてが中和されていることを特徴とする、上記1の再パルプ化可能なコンタクト型接着剤。
【0062】
10.粘着テープ、ラベル又はコンタクト型接着剤物品を製造するために、紙基材と共に上記1のコンタクト型接着剤を使用する方法。

Claims (2)

  1. スルホン酸塩基を有するビニル化合物3〜20重量%が(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸のコポリマーにグラフト化された、そして水溶性可塑剤により粘着性化された、グラフトポリマーをベースとする再パルプ化可能なコンタクト型接着剤。
  2. 粘着テープ、ラベル又はコンタクト型接着剤物品を製造するために、紙基材と共に請求項1のコンタクト型接着剤を使用する方法。
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