JP3888407B2 - 電圧供給装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は航空機キャビン内の電気装置用の供給電圧を提供するための電圧供給装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
米国特許第3,370,813号中に開示されるように、航空機キャビン内の電圧供給装置は、通常、電気的装置、たとえばコンピュータ、電子エンターテイメント装置、充電機等を作動させるために乗客に対し電圧を供給するために役立つものである。この目的のために、ソケットが航空機キャビンの内部空間に、多くの場合、乗客の座席または座席ユニットの領域内に配置され、その中に電気装置のプラグを挿入することが出来、またそれによってその装置をそのプラグに印加される供給電圧に連結させることが出来る。航空機内で、電圧供給に際して、また電気装置を作動させるに際して、二つの安全面を考慮に入れねばならない。第一に、乗客の安全性が保証されねばならず、そして第二には電気装置が航空機に搭載された電気的ネットワークへの妨害をもたらしてはならないことである。乗客の安全性の故に、３０Ｖまでの直流電圧が公知の供給装置内のソケットに提供されている。この装置の欠点は、全ての電気装置が低い直流電圧では作動出来ないことである。更に、この種の電流供給装置においては特別な接続ケーブルが必要であり、それによって電気装置がソケットに連結される。
【０００３】
更に、２２０／１１０Ｖの電線電圧を航空機の乗客の装置のために供給する電圧供給装置が公知であり、その結果実用上は如何なる電気装置もそのメインプラグによって連結可能である。その電圧供給はソケット上のルーズ・キースイッチ(loose-key switch)によってオンオフされ、対応するキーが搭乗人員により供給される。このシステムにおいては、乗客が電線電圧による危険から解放されることも、また接続された電気装置からの妨害に対する確立された航空機搭載のネットワークも保証されていない。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、乗客の安全性を改良する航空機キャビン内の電気装置用の電圧供給装置を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、この目的は請求項１記載の特徴によって達成される。ソケットはプラグ・ディテクタを含み、これはソケットに挿入されるプラグの存在を検出するものである。ソケットから離れて配置された供給装置は信号ラインおよび供給電圧用の供給ラインを経由してソケットに接続されている。プラグ・ディテクタが、プラグの存在を信号ラインから供給装置を経由して信号で伝えると、供給装置は供給電圧をソケットに対し供給する。プラグがソケットに挿入されたときのみ、ソケットにおいて供給電圧が入手可能である。すなわち、電気装置のプラグが挿入されない限り、２極ソケットに対して如何なる供給電圧も提供されることは無い。これは、ソケットが使用されない場合、ソケット内の潜在的に高い供給電圧による人々に対する危険を排除する。ペーパークリップ、編み針等を用いる子供によるソケットについての不正操作およびこれから派生する危険をも有効に阻止することが可能である。従って、如何なる安全性についての懸念も電気装置に対する電線電圧の供給を妨げるものではない。
【０００６】
供給装置およびソケットの別個、かつ隔離されたアレンジメントによって、潜在的に電線電圧を有する供給装置を実際の引き出し位置、すなわちソケットから離れて配置することが可能である。それにより、供給装置を乗客に対する危険源としないように配置することが出来る。通常の場合、すなわちソケットが使用されないとき、低い信号電圧であるが供給電圧ではないもののみが供給装置とソケット間のラインに対して印加される。この供給ラインは、実際に電気装置が連結される際にのみ、供給電流を提供するように座席上に配列されている。不使用状態において、供給ラインは供給電圧から解放されており、人々に対する危険の源は存在しない。好ましいのは、プラグ・ディテクタがソケット内のプラグの接触ピンの存在を検出するように形成されることである。この方法において、ソケット中に挿入されたプラグは信頼性をもって検出可能である。プラグの２本の接触ピンが同時に検出されたとき、供給装置は初めてソケットに対し供給電圧を印加することが好ましい。もし、両接触ピンが同時に検出されたら、それは高い確率をもって、ソケットには不正操作が行われたのではなく、プラグが実際に挿入されたのだということが仮定出来る。この方法はソケットに対する不正操作および供給電圧の望ましくない供給に対する強化された安全性を成就する。
【０００７】
好ましい実施態様において、第一接触ピンの最初の検出と第二接触ピンの最初の検出との間の接触についての最大時間を上回らないときに、供給装置はソケットに対し初めて供給電圧を印加する。二つの接触ピンがソケット内に略同時に挿入されたかどうかもまた、チェックされる。二つの接触ピンの挿入の間に大き過ぎる時間差がある場合には、ソケットは不正操作されていると仮定される。この場合、供給電圧はソケットに対して印加されないので、人に対する危険は排除される。好ましい実施態様において、プラグ・ディテクタは挿入された接触ピンによって操作される機械的スイッチを備える。それによって、接触ピンについての簡便かつ信頼性のある検出が保証される。
【０００８】
好ましいのは、プラグ・ディテクタが、ソケット上のプラグのプラグケーシングの存在を検出するケーシング・ディテクタであることである。それは、そのプラグケーシングが充分に接近する、すなわち所定の距離値より接近している場合にのみ、挿入されたプラグケーシングが検出されるということである。これはソケット上のプラグの検出のために代替的または付加的な基準を実現するものである。このソケットは不正操作に対して非常に安全な方法で確実なものとされる。好ましい実施態様において、ケーシングディテクタは光学的反射センサであって、ソケットに対するプラグ・ケーシングの最小距離を検出する。この反射センサは、それがプラグケーシングに対して最小距離未満にあれば、プラグの前面側を検出するようにアレンジすることが出来る。好ましくは、プラグ・ディテクタおよびケーシングディテクタの両者がプラグの存在を示す場合に、供給装置はソケットに対し、初めて供給電圧を印加するものとする。この方法により、不正操作、すなわち挿入されたプラグの擬態操作は確実に排除することが出来る。
【０００９】
好ましい実施態様において、供給装置は、その電気ラインにおける或る周波数の電磁妨害用のライン監視ディテクタを備える。このライン監視ディテクタは供給ラインのコースに配置され、そしてラインフィルタと組み合わせることが出来る。ライン監視ディテクタは、電気装置によってもたらされる電磁妨害であって、プラグおよびソケットを経由して供給装置の供給ラインへ向かうものを検出する。それによって、妨害電気装置を突き止めることが出来、これに対する供給を選択的にオフすることが出来る。供給装置はまた、或る周波数の、放射された電磁妨害用のレシーバ・ディテクタを含んで備えるようにしてもよい。このレシーバ・ディテクタによって、妨害電気装置であっても、たとえば供給電圧によってソケットを経由して供給されるのではなく、アキュムレータ乃至バッテリーにより作動されるものを突き止めることが出来る。これは電子エンターテイメント装置および移動電話等であって、高い妨害ポテンシャルを有するものに屡々適用される。好ましいのは、供給装置が、障害電流が発生すれば、対応する電気信号を出力する障害電流ディテクタを備えることである。供給装置はまた、短絡ディテクタであって、短絡を検出し、かつ限流を行うものを備えるようにしてもよい。それによって、電流供給が供給装置に負担を掛け過ぎるのを回避する。
【００１０】
好ましくは、供給装置はもし１乃至数台のディテクタが妨害を検出すれば、直ちにターンオフされる電圧スイッチを備える。一度妨害が発生すると、それは人々に危険をもたらし、あるいは搭載ネットワークを妨害し、ソケットの電流供給は遮断される。好ましい実施態様において、ソケットは供給装置の状態を表示するディスプレイ装置と関連させることが出来る。それは乗客に対し電流供給の利用可能性を知らせるために役立つ。たとえば、電流がソケットに供給されているか、あるいはソケットに関して電流供給が通常不能かを表示するディスプレイ上にスタンバイ信号を表示することが出来る。好ましいのは、ソケットを少なくとも２種類の異なった種類のプラグ用に形成し得ることである。この方法において、たとえば欧州規格によるプラグおよび米国規格によるプラグの双方を、電線電流を提供するソケット内に挿入することが可能である。
【００１１】
好ましくは、ソケットおよび供給装置が１乃至多数の乗客の座席に関連させてあるものとする。それによって、電流供給は彼等の座席で乗客に利用可能であり、その結果彼等はコンピュータまたは電子エンターテイメント装置を操作することが出来る。好ましい実施態様において、供給装置の電圧供給のために中央電流供給源が設けられており、この電流供給源は制御信号によりオフするようにしてある。この制御信号は、たとえば搭乗人員によって、あるいは自動的に発生させるものとする。それによって、全ての電気装置を直ちにオフして、妨害からの高い安全性が求められる信頼できる状態にすることが可能である。好ましいのは、電圧供給源が供給装置を、限定された数の供給装置のみ使用可能とするように制御することである。それによって電圧供給源の過剰負荷を阻止する結果、操作に際し電気装置のために高い操作信頼性が保証される。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施態様を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【００１３】
図１および図２において、乗客の電気装置を操作するための電圧供給装置を備えた乗客用座席１２が示されている。この乗客用座席１２は航空機キャビンのキャビンフロア１０上に配置され、フロアフレーム１４であって、これに対し供給装置１６が解放可能に装架されるものを備えている。供給装置１６は、信号ライン１８およびダブル・ワイヤ供給ライン２０を経由して乗客用座席１２の左アームレスト２４内のソケット２２に接続されている。供給装置１６およびソケット２２はそれぞれそれら自体のハウジングを備えている。供給装置１６は、更に信号ライン２５を経由して、座席１２に強固に連結された座席信号装置２６に接続されるが、この座席信号装置２６は供給装置１６に対して恒久的に記憶される座席アイデンティフィケーションを供給する。更に、アームレスト内には、供給装置１６の作動状態を表示するためにディスプレイ装置３２が装架されている。供給装置１６は中央電圧供給源３０に接続されており、この供給源は供給装置１６内に導入された引き込み供給ケーブル２８によって多数の供給装置に供給する（図５参照）。次の乗客用座席の供給装置１６は、該供給装置１６から導き出される引き出し供給ケーブル２９によって接続されている。
【００１４】
図２には一例としてテーブル３４が乗客用座席１２の左アームレスト２４の側に装着されており、その上に電気装置としてポータブルコンピュータ３６が配置されている。コンピュータ３６はソケット２２内に挿入されたプラグ３８を備えた電線３７を含む。図３には、供給装置１６がソケット２２およびプラグ３８と共に模式的に示されている。ソケット２２は２個の対応する挿入孔４０、４１を含み、その内側には各接触エレメント４２、４３が配列されている。接触エレメント４２、４３には、以下に述べる安全条件に一度合致すれば、２本の供給ライン２０を介して供給装置１６により主周波数６０Ｈｚで１１０Ｖの電線電圧が供給される。この電圧はまた、他の値、たとえば５０Ｈｚで２３０Ｖを有することも可能である。更に、各挿入孔４０、４１の底部にはマイクロスイッチ４５、４６がそれぞれプラグ・ディテクタとして配置され、それらは各々信号ライン１８を介して供給装置１６に接続されている。ソケット２２の前面側には、光学式赤外線反射センサ４８がケーシングディテクタとして配置される。この反射センサ４８は、赤外線を発する発光ダイオード（ＬＥＤ）およびレシーバダイオードを備えている。もし、プラグ３８のケーシング５１の前面側５０の距離が一定の最小距離未満になると、ＬＥＤによって発光された光線がプラグ２２のケーシングの前面側によって反射され、レシーバダイオードにより受光される。このようにして、プラグケーシング５１がソケット２２に存在しているか否かを反射センサ４８が検出できる。
【００１５】
プラグ３８の２個の接触ピン５３、５４がソケット２２の挿入孔４０、４１内に挿入されると、２個の接触ピン５３、５４は接触エレメント４２、４３と接触する。更に、接触ピン５３、５４の自由端５６、５７が２個のマイクロスイッチ４５、４６を始動させるので、ソケット２２内の接触ピン５３、５４の挿入を、信号ライン１８を介してマイクロスイッチ４５、４６により供給装置１６が検出可能である。反射センサ４８もまた、信号ライン１８’を介して供給装置１６に接続されている。供給装置１６内には、制御および監視ユニット６０が供給ケーブル２８、２９のラインに接続されて設けられている。入力群として、それはプラグ２２の信号ライン１８、１８’ならびに短絡ディテクタ６２およびライン監視ディテクタ６４の別の信号ライン６３、６５を含み、これらの装置６２、６４もまた供給装置１６内に設けられている。制御および監視ユニット６０は更に、電圧スイッチを含んでおり、これによって６０Ｈｚ、１１０Ｖの供給電圧を内部供給ライン２０^,,,に印加することが出来る。供給ライン２０^,,,は制御および監視ユニット６０を、２本の延長供給電圧ライン２０”を介して短絡ディテクタ６２に接続されたライン監視ディテクタ６４に接続する。短絡ディテクタ６２の出力側は２本の供給電圧ライン２０’を経由し、更に次の供給ライン２０を経由してソケット２２の接触エレメント４２、４３に接続される。
【００１６】
ソケット２２の作動中、すなわち、制御および監視ユニット６０が供給ライン２０を介してソケット２２に対し供給電圧を印加すると、短絡ディテクタ６２およびライン監視ディテクタ６４は広範な監視作業を遂行せねばならない。一方、電圧供給を約１００Ｗまで電流制限することは短絡ディテクタ６２において行われる。それによって、供給装置１６の過剰負荷は阻止される。更に、強力な過剰負荷が存在する場合、短絡ディテクタによって過剰負荷信号が、信号ライン６３を介して制御および監視ユニット６０に対し出力される。短絡ディテクタ６２の第二の機能は障害電流の検出である。２本の電流供給ライン２０’内を流れる電流の差が所定の値を超えると、対応する信号が信号ライン６３を経由して制御および監視ユニット６０に対し出力され、次いでこれが電流の供給をオフする。このようにして、短絡ディテクタ６２の両制御機能が、電気装置３６または潜在的な不正操作により招来される電気的妨害を決定するために役立つ。
【００１７】
ライン監視ディテクタ６４は供給ライン２０、２０’、２０”から高周波数の妨害信号を濾過する電線周波数フィルタを備えている。同時に、この種の妨害周波数の出現はライン監視ディテクタ６４によって検出され、かつ信号ライン６５を経由して制御および監視ユニット６０に示される。特に、これらの周波数は濾過され、かつ検出されて航空機の安全なオペレーションのためにこれらが存在しないようにせねばならない。これらの周波数はRTCA DO 160-D規格中に定義されている。ライン監視ディテクタ６４はこのようにして、メインケーブルを経由して乗客の電気装置３６から供給される電磁妨害信号が航空機の搭載ネットワークに送り込まれるのを阻止する。
【００１８】
図４は反射センサ４８を備えた丸ソケット２２の挿入側、米国プラグ規格によるプラグ用の２個の挿入孔４０、４１ならびに中央に設けられている欧州規格による電線プラグ用の２個の別の挿入孔６８、６９を示している。それぞれの挿入孔の対４０、４１および６８、６９は互いに直角に設けられているので、米国規格によるプラグ３８および欧州規格によるプラグの両者はソケットの中央領域をカバーし、この中に反射センサ４８が配置されている。欧州プラグ用の挿入孔６８、６９はまた、それぞれ接触エレメントおよびマイクロスイッチを備えており、それらは他の挿入孔４０、４１の各信号および供給ライン１８、１８’、２０に接続される。しかし、第二の別の５０Ｈｚ、２３０Ｖの電圧供給もまた、欧州プラグ用の挿入孔６８、６９のために提供可能である。更に、挿入孔対を互いに直角には配置しないで、互いにオーバーラップさせ、マイクロスイッチは挿入孔の側に配置してもよい。
【００１９】
図５は電気装置に対し電圧を供給するための装置を全体的に示す。図３において説明した手段に加えて、供給装置１６は更に、アンテナ７１を含むレシーバ・ディテクタ７０を備えている。このレシーバ・ディテクタによって、RTCA DO 160-D規格中で定義される一定周波数の電磁波が検出される。この方法において、電線から独立したアキュムレータまたはバッテリー駆動電気装置、たとえば移動電話、ＣＤプレイヤー等によって惹き起こされる電磁妨害を検出することが可能である。ライン監視ディテクタ６４およびレシーバディテクタ７０の両者は、それぞれの信号ライン６６、７３を介し、また信号ライン２５を介して座席信号装置２６に接続される。この座席信号装置２６は、それ自体の現在の信号ラインを経由して信号を中央装置（または信号装置）にもたらすので、もし、関連して生じる電磁妨害が発生すると、その妨害をディスプレイによって場所を突き止めることが可能である。
【００２０】
制御および監視ユニット６０は別の信号ライン１８”を経由してアームレスト２４内のディスプレイ装置３２に接続される。この制御および監視ユニット６０はディスプレイ装置に対し情報信号を出力し、これは乗客に対し制御および監視ユニット６０の状態について知らせるものである。ディスプレイ装置は赤色および緑色ＬＥＤであって、供給装置１６の作動状態を示すものを備えている。すなわち、２個のＬＥＤの何れもが光を発しなければ、供給装置１６はオフされている。もし、赤色ＬＥＤが連続的に光を発すれば、これは供給装置１６が作動していることを示すとともにソケット２２からは供給電圧が利用不能であることを示している。それは、たとえば中央電圧供給源３０が過剰負荷であるに他ならないからである。点滅する赤色ＬＥＤは電磁波による妨害を示しており、これはライン監視ディテクタ６４またはレシーバディテクタ７０によって信号が送られている。点滅する緑色のＬＥＤはソケット２２に対する電圧供給がたとえば約６０秒後にオフされようとしていることを示している。そうすれば、ユーザーは彼等の電気装置、たとえばコンピュータ３６を制御されたやり方でオフするのに充分な時間を有する訳である。緑色ＬＥＤの連続的な発光は、電圧供給装置１６の無条件な動作を示している。
【００２１】
供給装置１６は前面供給ケーブル２８を経由して中央電圧供給源３０に接続され、また後方供給ケーブル２９を経由して次の座席の別の供給装置１６’に接続されている。供給ケーブル２８、２９の６本のラインは６０Ｈｚ、１１０Ｖの供給電圧および電気的接地用のそれぞれ３本のライン２８₁ 、２８₂ 、２８₃ 、２９_１、２９₂ 、２９₃ を含んでいる。更に、供給ケーブル２８、２９はそれぞれ３本の信号ライン２８₄ 、２８₅ 、２８₆ 、２９₄ 、２９₅ 、２９₆ を含み、これらによって電圧供給源３０から供給装置１６、１６’へアナログ信号が送信され、そしてその逆にも送信が行われる。もし、電磁妨害信号、短絡、障害電流等によって作動障害が発生すると、供給装置１６、１６’の制御および監視ユニット６０は制御ライン２８、２９を介して信号を出力し、この信号は中央電圧供給源３０により受信され、そしてそれに従って処理される。電圧供給源３０は、その一定の電気的最大負荷に達しない限り、別の信号ライン２８₅ 、２９₅ を経由して供給装置１６、１６’に対しイネーブリング(enabling)信号を出力する。もし、この最大負荷に到達すると、前記信号ライン２８₅ 、２９₅ を経由して全ての供給装置に対しディスエーブリング(disabling)信号が出力される結果、電気装置３６は供給装置１６、１６’によってそれ以上の供給電圧の提供を受けることが出来ない。負荷の減少によって、その負荷が最大負荷未満に復帰した場合、たとえば電気装置３６がオフされた場合にのみ、電圧供給源３０は前記信号ライン２８₅ 、２９₅ を介してイネーブリング信号を伝達するので、電圧は再び全ての供給装置１６で入手可能となり、そして電気装置３６に対し供給可能となる。
【００２２】
残りの信号ライン２８₆ 、２９₆ は中央電源装置３０からの「シートベルトを締めて下さい」信号を提供するために用いられているので、供給装置１６、１６’はそのディスプレイ装置３２を経由して、電圧供給が将にオフされようとしている旨の信号を出すことが出来る。この方法で、ユーザーの電圧供給は電圧供給装置に接続されている彼等の電気装置を制御されたやり方でオフすることが出来る。電圧供給源３０は、５本の供給ライン８０₁ −８０₅ を含む供給ケーブル８０によって電圧が供給される。５本のライン８０₁ −８０₅ は４本のラインを含み、これらによって典型的な搭載電圧４００Ｈｚ、１１５Ｖが供給され、同時に接地ラインが提供される。４００Ｈｚ、１１５Ｖの搭載電圧は電圧供給源３０によって６０Ｈｚ、１１０Ｖの電線電圧に変圧され、電圧スイッチを経由して供給ライン２８₁ −２８₃ 、２９₁ −２９₃ に供給される。更に、電圧供給源３０は３本の入力信号ライン９０を含み、これらを経由して電圧供給源３０は中央から制御可能である。１本の信号ライン９０1 は電圧供給源３０に対し「シートベルトを締めて下さい」信号を送信するために使用される。この「シートベルトを締めて下さい」モードにおいて、供給装置１６のための電圧供給は、遅れ、たとえば６０秒の後、スイッチオフされるが、これは接続された装置を制御されたやり方でスイッチオフすることを許容して、妨害、たとえば離陸または着陸時の妨害を伴わずに、安全なフライト操作を保証する。
【００２３】
全ての電圧供給装置の緊急ターンオフは第二制御ライン９０₂ を経由して実施することが出来る。もし、対応するスイッチが操作され、そして対応する信号が前記信号ライン９０₂ を介して電圧供給源３０に伝達されると、これは全ての供給装置１６に対する電圧供給を直ちにオフする。また電圧供給源３０は第三の信号ライン９０₃ を介して作動モードからテストモードに切り換えられる。テストモードにおいて（これは電圧供給源３０の各アクティベーションの後にもアクティブであるが、またいつでもアクティブな状態とすることが出来る）全体の電圧供給装置が試験され電圧供給源３０および接続された供給装置１６の電気的特性が試験される。エラー無しでシステムテストが行われた後、供給装置１６、１６’のための供給電圧がその電圧供給源３０によって可能とされる。電圧供給源３０がアクティブ状態となり、そして引き続くシステムテストが行われた後、電圧供給源３０内の電圧スイッチによって供給電圧が供給ライン２８、２９に印加されるので、その供給電圧は全ての接続された供給装置１６、１６’に供給される。
【００２４】
電気装置３６のプラグ３８の接触ピン５３、５４が挿入されると、マイクロスイッチ４５、４６が挿入された接触ピン４０、４１によってアクティブ状態にされる。一方の接触スイッチ４５の最初のアクティベーションと、他方の接触スイッチ４６のそれとの間で、制御および監視ユニット６０によって接触時間が得られる。もし、この接触時間が最大値未満であると、対応するイネーブリング情報が制御および監視ユニット６０中に記憶される。更に、制御および監視ユニット６０は反射センサ４８の状態を要求する。もし、プラグケーシング５１が、その前面側５０に関して反射センサ４８に充分に近接していれば、対応する信号が制御および監視ユニット６０に対し出力される。反射センサ信号およびイネーブリング情報が提供されると、制御および監視ユニット６０は内部電圧スイッチによって供給電圧を供給ラインに印加するので、接触ピン５３、５４には接触エレメント４２、４３を経由して電線電圧が提供される。
【００２５】
もし、このような数の多くの電気装置３６が、所定の電力閾値である３５００ワットを超えるほど供給装置１６、１６’に接続されると、電圧供給源３０は、応答信号ライン２８₅ 、２９₅ を介して全ての供給装置１６に対してディスエーブリング信号を出力し、この信号はこれ以上の電気装置についての供給を不能にさせる。この不能状態はアームレスト２４内のディスプレイ装置３２によって対応的に表示される。通常の場合、供給装置１６、１６’のための電圧供給は、航空機の離陸後、電圧供給源３０によって可能とされている。電圧供給源は「シートベルトを締めて下さい」スイッチによって、６０秒の遅れをもって、あるいは緊急ターンオフ・スイッチにより直ちにオフすることが可能である。「シートベルトを締めて下さい」ターンオフの場合、切迫した電圧中断はディスプレイ装置３２、たとえば点滅するＬＥＤによって表示されるので、そのユーザーは彼等の電気装置、たとえばコンピュータを制御された方法でオフすることが出来る。
【００２６】
【発明の効果】
説明された安全エレメントに起因して、この電圧供給装置は電線電圧からの人々の安全と、電気装置よりの妨害から搭載ネットワークについての安全性に関する高い要件の双方を満たすものである。その方法によって、乗客のための快適さおよびサービスの実質的な改良が高い安全レベルで達成される。付加的な安全性の改良は、電線から独立した電気装置を検出する可能性によって得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】供給装置およびソケットを含む電圧供給装置を備えた乗客の座席を示す側面図である。
【図２】接続された電気装置と共に図１の乗客座席を示す頂部平面図である。
【図３】供給装置およびソケットを示す回路図である。
【図４】ソケットの正面側を示す頂部平面図である。
【図５】電圧供給源と共に多数の供給装置を示す回路図である。
【符号の説明】
１６ 供給装置
１８ 信号ライン
２０ 供給ライン
２２ ソケット
２８ 前面供給ケーブル
２９ 後方供給ケーブル
３０ 中央電圧供給源
３８ プラグ
４０、４１ 接触ピン
４２、４３ 接触エレメント
４５、４６ プラグ・ディテクタ
４８ 反射センサ
５１ プラグケーシング
５３、５４ 接触ピン
６０ 制御および監視ユニット
６２ 短絡ディテクタ
６４ ライン監視ディテクタ

Claims (12)

1. プラグ（３８）により電気装置（３６）が接続可能であるソケットであって、それに対し供給電圧を印加可能であるソケット（２２）と、ソケット（２２）から離れて設けられ、かつ信号ライン（１８）を介し、また供給電圧用の供給ライン（２０）を介してソケット（２２）に接続される供給装置（１６）とを備え、
   前記ソケット（２２）はソケット（２２）内に挿入されたプラグ（３８）の存在を検出するプラグディテクタ（４５、４６、４８）を備え、
   前記供給装置（１６）に対し、信号ライン（１８）を介してプラグ・ディテクタ（４５、４６、４８）がプラグ（３８）の存在を指摘すると、供給装置（１６）がソケット（２２）に対し供給電圧を印加する航空機キャビン内の電気装置（３６）用に供給電圧を提供するための電圧供給装置であって、
   プラグ・ディテクタ（４５、４６）が、ソケット（２２）内のプラグ（３８）の接触ピン（５３、５４）の存在を検出するように形成されており、プラグ・デイテクタ（４５，４６）による接触ピン（５３、５４）の存在の検出に応答して、プラグ（３８）の第一および第二接触ピン（５３、５４）の検出の間が所定の最大接触時間を超えない場合にのみ、供給装置（１６）が供給電圧を印加するように制御を行う制御手段を備える電圧供給装置。
2. プラグ・ディテクタが機械的スイッチ（４５、４６）であって、プラグ（３８）の挿入された接触ピン（５３、５４）によりアクティブ状態となるものを備える請求項１記載の電圧供給装置。
3. プラグ・ディテクタがソケット（２２）においてプラグ（３８）のプラグケーシング（５１）の存在を検出するケーシングディテクタ（４８）である請求項１記載の電圧供給装置。
4. ケーシングディテクタ（４８）が光学的反射センサであって、ソケット（２２）に対するプラグケーシング（５１）の最小距離を検出するものである請求項３記載の電圧供給装置。
5. 供給装置（１６）は、プラグ・ディテクタ（４５、４６）およびケーシングディテクタ（４８）がプラグ（３８）の存在を指摘した場合にのみ、供給電圧をソケット（２２）に対し印加する請求項３記載の電圧供給装置。
6. 供給装置（１６）が、該供給装置（１６）の電気ライン（２０’）におけるある周波数の電磁的妨害に関するライン監視ディテクタ（６４）を備える請求項１記載の電圧供給装置。
7. 供給装置（１６）が、ある周波数の放射された電磁的妨害信号に関するレシーバディテクタ（７０、７１）を備える請求項１記載の電圧供給装置。
8. 供給装置（１６）が障害電流ディテクタ（６２）を備える請求項１記載の電圧供給装置。
9. 供給装置（１６）が短絡ディテクタ（６２）を備える請求項１記載の電圧供給装置。
10. 供給装置（１６）が電圧スイッチであって、ライン監視ディテクタ（６４）、レシーバディテクタ（７０）および／または障害電流ディテクタ（６２）が妨害を検出すると、電圧供給をオフするものを備える請求項６記載の電圧供給装置。
11. ソケットおよび供給装置（１６）が１基または多数の乗客用座席と関連している請求項１記載の電圧供給装置。
12. 中央電圧供給源（３０）が多数の供給装置（１６）の電圧供給のために設けられており、該電圧供給源（３０）は制御信号によって非アクティブ状態とされる請求項１記載の電圧供給装置。

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