JP3887535B2 - 音響電気変換装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマイクロホン装置などの音響電気変換装置に係り、特に音響による振動板の振動変位を光の受光量の変化に対応する電気信号に変換して検出する音響電気変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術におけるマイクロホン音声変換方式はコンデンサー及びダイナミック方式が中心として実用されている。
コンデンサー方式は静電容量の変化を電気信号に変換して音声として取り出している。音波の強弱により振動板(高分子フィルム)は垂直方向に振動し電極間の静電容量は振動板が振動する事により静電容量が変化しその変化量に応じて電気信号が出力される。
ダイナミック方式は振動板に垂直にコイルが設けられており更にその一方にはこのコイルに対応した磁気回路上に誘導コイルが設けられ音波により垂直振動された振動板コイルは誘導コイルとの間に起電力を生じさせ音声信号として出力される。
上記2タイプの電気変換方式が従来技術として現在もマイクロホンの分野では中心的な役割を果しているほか、光を使った電気変換方式も提案され実用化研究が行われている。光を使った電気変換方式は振動板に光を当てその振動板の反射光を受光素子で受光し電気変換して出力するものである。
【0003】
図2は光を使った電気変換方式の従来技術を説明する図面である。同図において、振動板203と対向して発光素子201及び受光素子202をそれぞれ一対ずつ設け、中央に光を遮蔽するための遮光板204を設ける。発光素子201から発せられた光は振動板203に照射される。そして、振動板203の垂直振動変化量に応じた反射光量が受光素子202に入力されて電気信号として変換され、増幅器205を通って出力(電気出力207)される。発光素子201への電力は電源部206により供給される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図2に示したとおり、従来技術における振動板203の形状は平面であった。また、振動板203は円形で構成されているため、その振動分布は中心部が最大の振れを示し外側に向うほど振動幅が少なかった。よって、振動板203とこれと対向して設けられている遮光板204との間に形成され、光を透過させる光透過スリット208を通る光は、振動板203の中心部と外側とでは光が均一に分布せず、光漏れの原因となっていた。そして、この光漏れが原因となって、振動板203が完全に閉じた状態におけるS/N比(Signal to Noise Ratio)が悪化し、音声の劣化が起こるという問題があった。
本発明は上述した従来の音響電気変換装置に用いられる振動板の問題点を解決するためになされたもので、高性能かつ量産性に適した振動板、遮光ハウジング構造を備えた音響電気変換装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、支持部材に張設された薄膜状の振動板に対向して発光素子と受光素子とを配置し、発光素子から振動板に放射された光の反射光を受光素子で受光して電気信号として取出すことにより振動板の音響による振動変位を検出する音響電気変換装置において、発光素子を底面中央に内設した遮光ハウジングを備え、この遮光ハウジングの上面と振動板の中心部とをドーム状に成型し、振動板と遮光ハウジングとの間のクリアランスを平行に保つことを特徴とする。
前記音響電気変換装置において、遮光ハウジングのキャビティ上部に発光窓を設け、遮光ハウジングの外壁上部に受光素子を周設することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1には本発明に係る音響電気変換装置に用いられる振動板の形状および構造が断面図で示されている。図1に示す音響電気変換装置は、アルミ箔等の薄い薄膜状の振動板103を中央に開口部のある円形リング状の支持部材に張設し、この振動板103に対向した位置に発光素子104を配置し、発光素子104から振動板103に光を放射し、この光の反射光を受光素子105で受光して電気信号として取出すことにより振動板103の音響による振動変位を検出するように構成されている。
【0007】
図1における実施の形態では発光素子104は遮光ハウジング106の底面中央に配置され、この発光素子104からの光が外部に漏れないように遮光ハウジング106の内壁で包囲されている。また、発光素子104が内設された遮光ハウジング106のキャビティ107上部には発光窓115が設けられている。
電源部108からの供給電力によって発光素子104から放射された光は、光の放射角度102をもった角度で振動板103に照射され、音波等により振動をした振動板103は上下に振れる。
【0008】
振動板103と遮光ハウジング106との間には僅かな隙間、すわなち、クリアランス110が設けられており、発光素子104から振動板103に照射された光はこのクリアランス110に反射して受光素子105に照射される。
ここで、クリアランス110に反射した光を受光素子105に確実に照射させるため、受光素子105は遮光ハウジング106の外壁上部(クリアランス110側)に周設される。
受光素子105は照射されたこの光を電気信号に変換し、増幅器109により信号増幅して音声信号として出力する。
本発明の特徴の1つとして振動板103の中心部分はドーム状に成型されている。そして、ドーム状に成型された振動板103の中心部分と対向する位置にある遮光ハウジング106の上面もドーム状に成型されている。
【0009】
図1に示すように、振動板103と遮光ハウジング106の上面とをドーム状に成型することにより、振動板103の振動に対応して振動板103と遮光ハウジング106との間にある隙間、すなわちクリアランス110を平行に保つことが可能となる。クリアランス110が平行状態を維持しているとき、振動板103の振動幅に応じてクリアランス110が変化する。そしてこれにより、均一な光を受光素子105に伝えることができる。
このように本発明によれば、発光素子からの光漏れを回避し、受光素子に対して光を効率的に伝搬することが可能になる。
さらに、本発明によれば光を均一に伝搬することが可能となるため、S/N比が向上し、良好な音声信号を出力させることが可能になる。
さらに、本発明による音響電気変換装置は、その構造が簡素であるため生産性に優れているという利点を有する。
【0010】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によると、高性能かつ量産性に適した振動板、遮光ハウジング構造を備えた音響電気変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す断面図及び局部拡大図。
【図2】従来の音響電気変換装置に用いられる構造を示す断面図及び斜視図。
【符号の説明】
103 振動板
104 発光素子
105 受光素子
106 遮光ハウジング
110 クリアランス

Claims (2)

  1. 支持部材に張設された薄膜状の振動板に対向して発光素子と受光素子とを配置し、前記発光素子から前記振動板に放射された光の反射光を前記受光素子で受光して電気信号として取出すことにより前記振動板の音響による振動変位を検出する音響電気変換装置において、
    前記発光素子を底面中央に内設した遮光ハウジングを備え、前記遮光ハウジングの上面と前記振動板の中心部とをドーム状に成型し、前記振動板と前記遮光ハウジングとの間のクリアランスを平行に保つことを特徴とする音響電気変換装置。
  2. 請求項1に記載の音響電気変換装置において、
    前記発光素子のあるキャビティ上部に発光窓を設け、前記遮光ハウジングの外壁上部に前記受光素子を周設したことを特徴とする音響電気変換装置。
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