JP3887272B2 - 磁気ランダムアクセスメモリの読み出し方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気抵抗(Magneto Resistive)効果を利用して“1”,“0”−データを記憶する磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM:Magnetic Random Access Memory)に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、新たな原理によりデータを記憶するメモリが数多く提案されているが、そのうちの一つに、トンネル磁気抵抗(Tunneling Magneto Resistive:以後、TMRと表記する。)効果を利用して“1”,“0”−データを記憶する磁気ランダムアクセスメモリがある。
【0003】
磁気ランダムアクセスメモリの提案としては、例えば、Roy Scheuerlein et.alによる、ISSCC2000 Technical Digest p.128「A 10ns Read and Write Non-Volatile Memory Array Using a Magnetic Tunnel Junction and FET Switch in each Cell」が知られている。
【0004】
磁気ランダムアクセスメモリは、TMR素子により、“1”,“0”−データを記憶する。TMR素子の基本構造は、2つの磁性層(強磁性層)により絶縁層(トンネルバリア)を挟み込んだ構造である。但し、TMR素子の構造については、MR(Magneto Resistive)比の最適化などのため、種々の構造が提案されている(MR比及びTMR素子の構造については、例えば、特願2000−296082号、特願2001−37140号を参照)。
【0005】
TMR素子に記憶されるデータは、2つの磁性層の磁化状態が平行か、又は反平行かによって判断される。ここで、平行とは、2つの磁性層の磁化の向きが同じであることを意味し、反平行とは、2つの磁性層の磁化の向きが逆向きであることを意味する。
【0006】
通常、2つの磁性層のうちの1つ(固定層)には、反強磁性層が付設される。反強磁性層は、固定層の磁化の向きを固定するための部材である。従って、実際には、2つの磁性層のうちの他の1つ(自由層)の磁化の向きによって、TMR素子に記憶されるデータ(“1”又は“0”)が決定される。
【0007】
TMR素子の磁化状態が平行となった場合、そのTMR素子を構成する2つの磁性層の間に挟まれた絶縁層(トンネルバリア)のトンネル抵抗は、最も低くなる。例えば、この状態を“1”−状態とする。また、TMR素子の磁化状態が反平行となった場合、そのTMR素子を構成する2つの磁性層の間に挟まれた絶縁層(トンネルバリア)のトンネル抵抗は、最も高くなる。例えば、この状態を“0”−状態とする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
磁気ランダムアクセスメモリのセルアレイ構造については、現在、メモリ容量の大容量化、書き込み/読み出し動作の安定化などの観点から、種々の構造が検討されている。
【0009】
例えば、現在では、1つのメモリセルを1つのMOSトランジスタと1つのTMR素子(又はMTJ(Magnetic Tunnel Junction)素子)から構成するセルアレイ構造が知られている。また、読み出し動作の安定化を実現するため、このようなセルアレイ構造を有すると共に、1ビットデータを2つのメモリセルアレイを用いて記憶する磁気ランダムアクセスメモリも知られている。
【0010】
しかし、これらの磁気ランダムアクセスメモリでは、メモリ容量の増大を図ることが難しい。なぜなら、これらのセルアレイ構造では、1つのTMR素子に1つのMOSトランジスタが対応しているためである。
【0011】
ところで、例えば、特願2000−296082号及び特願2001−350013号には、複数のTMR素子を並列に接続したアレイ構造が提案されている。このセルアレイ構造によれば、複数のTMR素子に1つのMOSトランジスタが対応しているため、1つのメモリセルが1つのTMR素子と1つのMOSトランジスタとから構成されるセルアレイ構造に比べて、メモリ容量の増大を図ることができる。
【0012】
しかし、特願2000−296082号及び特願2001−350013号に開示される技術においても、TMR素子は、一平面内に二次元的に配置されるため、TMR素子を高密度に集積することが十分にできない。
【0013】
そこで、この問題を解決するために提案された技術が、TMR素子を半導体基板上に三次元的に配置する技術である。即ち、この技術では、半導体基板の表面領域に形成される1つのMOSトランジスタ(選択トランジスタ)に対して直列又は並列接続される複数のTMR素子を対応させ、かつ、これらの複数のTMR素子をその1つのMOSトランジスタ上に複数段に積み重ねる。
【0014】
この技術に関しては、例えば、特願2001−365236号に詳細に開示されている。この技術によれば、複数のTMR素子が1つのMOSトランジスタ上に複数段に積み重ねられるため、メモリセルアレイのメモリ容量を増大させるのに都合がよい。
【0015】
ところで、特願2000−296082号及び特願2001−350013号に開示される技術では、読み出し動作に関して、いわゆる破壊読み出し動作原理が適用される。破壊読み出し動作原理は、これらの文献において詳細に説明したように、1回の読み出し動作が、基本的に、2回の読み出しステップと2回の書き込みステップから構成されるため、読み出し時間が長くなる、という問題がある。
【0016】
これに対し、特願2001−365236号に開示される技術では、読み出しブロック内の直列又は並列接続される複数のTMR素子の抵抗比を互いに異なる値とすることにより、1回の読み出しステップのみで、読み出しブロック内の複数のTMR素子のデータを一度に読み出すことができる。
【0017】
しかし、特願2001−365236号に開示される技術では、読み出しブロック内の直列又は並列接続される複数のTMR素子の抵抗比を互いに異なる値としなければならないため、TMR素子の構造やその製造方法が複雑になる。また、読み出しデータは、複数のTMR素子のデータが混在したものとなっているため、その読み出しデータから各TMR素子のデータを取り出すA/D変換回路やロジック回路が必要となり、読み出し回路が複雑になる。
【0018】
本発明は、このような問題を考慮してなされたものであり、その目的は、メモリ容量の増大に適した新規なセルアレイ構造を有する磁気ランダムアクセスメモリ及びその製造方法を提案すること、その新規なセルアレイ構造に適した高速読み出しが可能な新規な読み出し動作原理を提案すること、並びに、その新規な読み出し動作原理を実現するための読み出し回路を提案することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気ランダムアクセスメモリの読み出し方法は、磁気抵抗効果を利用してデータを記憶する複数のメモリセルからなる読み出しブロックと、複数のメモリセルの各々に1つずつ独立に接続される複数のビット線と、複数のビット線の各々に1つずつ独立に接続される複数のバイアス回路とを有する磁気ランダムアクセスメモリに適用され、複数のバイアス回路により複数のビット線にバイアス電位を与えた状態で、複数のメモリセルに同時かつ独立に読み出し電流を流すステップと、読み出し電流に基づいて複数のメモリセルのデータを検出するステップとを備える。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の磁気ランダムアクセスメモリについて詳細に説明する。
【0061】
1. 概要
本発明の磁気ランダムアクセスメモリの第一の特徴は、メモリセルアレイのセルアレイ構造にある。
【0062】
本発明の磁気ランダムアクセスメモリでは、複数のTMR素子(又はMTJ素子)を、半導体基板の表面に対して垂直な方向(縦方向)に複数段に積み重ねたセルアレイ構造を採用する。また、読み出しブロックを構成するこれら複数段に積み重ねられた複数のTMR素子の一端は、共通接続され、その他端は、それぞれ独立に読み出しビット線に接続される。即ち、読み出しブロック内のTMR素子と読み出しビット線とは、一対一に対応している。
【0063】
本発明の磁気ランダムアクセスメモリの第二の特徴は、読み出し動作原理にある。
【0064】
磁気ランダムアクセスメモリの読み出し動作原理としては、現在、特願2000−296082号及び特願2001−350013号に開示される破壊読み出し動作原理、特願2001−365236号に開示される一括読み出し動作原理も知られている。本発明では、これらの読み出し動作原理とは異なる上述の第一の特徴を有する磁気ランダムアクセスメモリに最適な読み出し動作原理について提案する。
【0065】
本発明の磁気ランダムアクセスメモリの第三の特徴は、読み出し回路の構成にある。
第一の特徴を有する磁気ランダムアクセスメモリにおいて、第二の特徴である読み出し動作原理を採用した場合、その読み出し動作原理を実行するための読み出し回路が必要になる。そこで、本発明では、第二の特徴である読み出し動作原理を実行するための読み出し回路の具体例について提案する。
【0066】
本発明の磁気ランダムアクセスメモリの第四の特徴は、磁気ランダムアクセスメモリの製造方法にある。
第一の特徴を有する磁気ランダムアクセスメモリでは、読み出しブロックを構成する複数のTMR素子は、複数段に積み重ねられ、かつ、複数のTMR素子の一端は、共通接続され、その他端は、それぞれ独立に読み出しビット線に接続される。本発明では、このようなセルアレイ構造を実現するための製造方法について提案する。
【0067】
2. セルアレイ構造
まず、本発明の磁気ランダムアクセスメモリのセルアレイ構造について説明する。
【0068】
本発明に関わるセルアレイ構造の特徴は、第一に、複数のTMR素子(又はMTJ素子)を、半導体基板の表面に対して垂直な方向(縦方向)に複数段に積み重ねた点、第二に、1つの読み出しブロックを構成するこれら複数段に積み重ねられた複数のTMR素子の一端を共通接続し、その他端をそれぞれ独立に読み出しビット線に接続した点にある。即ち、読み出しブロック内のTMR素子と読み出しビット線とは、一対一に対応している。
【0069】
このようなセルアレイ構造にすれば、TMR素子は、半導体基板上に三次元的に配置されると共に、複数のTMR素子に1つのMOSトランジスタ(読み出し選択スイッチ)を対応させればよいため、結果として、メモリ容量の増大に貢献することができる。
【0070】
また、読み出しブロックを構成する複数段に積み重ねられた複数のTMR素子の他端をそれぞれ独立に読み出しビット線に接続しているため、破壊読み出し動作原理や一括読み出し動作原理などによらない簡単な読み出し動作原理により、高速に、TMR素子のデータを読み出すことができる。
【0071】
(1) 構造例1
構造例1は、1つの読み出しブロックが4つのTMR素子から構成される場合の例を示している。
【0072】
▲1▼ 回路構造
まず、回路構造について説明する。
図1は、本発明の構造例1としての磁気ランダムアクセスメモリの主要部を示している。図2は、図1のカラム選択スイッチの一例を示している。
【0073】
メモリセルアレイ11は、X方向、Y方向及びZ方向にアレイ状に配置される複数のTMR素子12を有する。ここで、Z方向とは、X方向及びY方向に直交する紙面に垂直な方向をいうものとする。
【0074】
本例では、メモリセルアレイ11は、X方向に配置されるj個のTMR素子12と、Y方向に配置されるn個のTMR素子12と、Z方向に積み重ねられる4個のTMR素子(MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4)12とからなるセルアレイ構造を有する。
【0075】
Z方向に積み重ねされるTMR素子12の数は、本例では、4個であるが、その数は、複数個であれば、いくつであっても構わない。
【0076】
Z方向に積み重ねられた4個のTMR素子12は、1つの読み出しブロックBKik(i=1,2,・・・j、k=1,2,・・・n)を構成している。読み出しブロックBKik内の4個のTMR素子12は、実際には、紙面に垂直な方向(Z方向)に互いに重なり合っている。
【0077】
本例では、X方向に配置されるj個の読み出しブロックBKikにより1つのロウが構成される。メモリセルアレイ11は、n個のロウを有する。また、Y方向に配置されるn個の読み出しブロックBKikにより1つのカラムが構成される。メモリセルアレイ11は、j個のカラムを有する。
【0078】
ブロックBKik内の4個のTMR素子12の一端は、共通接続され、例えば、MOSトランジスタから構成される読み出し選択スイッチ(ブロック選択スイッチ又はロウ選択スイッチ)RSWを経由して、ソース線SLi(i=1,2,・・・j)に接続される。ソース線SLiは、Y方向に延び、例えば、1カラム内に1本だけ設けられる。
【0079】
ソース線SLiは、例えば、MOSトランジスタから構成されるカラム選択スイッチ29Cを経由して、接地点VSSに接続される。
【0080】
読み出し動作時、選択されたロウでは、読み出しブロックBKik内の読み出し選択スイッチRSWがオン状態になる。また、選択されたカラムでは、カラム選択スイッチ29Cがオン状態となるため、ソース線SLiの電位は、接地電位VSSになる。即ち、選択されたロウ及び選択されたカラムの交点に位置する読み出しブロックBKik内のTMR素子12のみに読み出し電流が流れる。
【0081】
なお、読み出し時、非選択のカラムでは、カラム選択スイッチ29Cがオフ状態であるため、非選択のカラムの読み出しブロックBKik内のTMR素子12の他端は、互いに短絡された状態となる。
【0082】
この場合、非選択カラム内の読み出しビット線BL4(j−1)+1,BL4(j−1)+2,BL4(j−1)+3,BL4(j−1)+4の電位が異なると、読み出し動作に影響を与えることもあるので、非選択カラム内の読み出しビット線BL4(j−1)+1,BL4(j−1)+2,BL4(j−1)+3,BL4(j−1)+4の電位については、それぞれ同電位(例えば、接地電位)にしておく。
【0083】
読み出し動作時、非選択のロウでは、ブロック選択スイッチRSWがオフ状態であるため、非選択のロウの読み出しブロックBKik内のTMR素子12の他端についても、互いに短絡された状態となる。
【0084】
ここで、選択されたカラム及び非選択のロウに属する読み出しブロックBKik内のTMR素子12の短絡は、選択されたロウ及びカラムに属する選択された読み出しブロックBKik内のTMR素子12の読み出し動作に影響を与えることも考えられる。
【0085】
従って、例えば、図3に示すように、各々の読み出しブロックBKik内に、新たに、MOSトランジスタから構成されるブロック選択スイッチBSWを設け、選択されたロウ及びカラムに属する選択された読み出しブロックBKik内のTMR素子12のみに読み出しビット線BL4(j−1)+1,BL4(j−1)+2,BL4(j−1)+3,BL4(j−1)+4を電気的に接続し、かつ、これらTMR素子のみに読み出し電流を流すようにしてもよい。
【0086】
読み出しブロックBKik内の4個のTMR素子12の他端は、それぞれ独立に読み出しビット線BL4(j−1)+1,BL4(j−1)+2,BL4(j−1)+3,BL4(j−1)+4に接続される。即ち、1つの読み出しブロックBKik内の4個のTMR素子12に対応して、1つのカラム内には、4本の読み出しビット線BL4(j−1)+1,BL4(j−1)+2,BL4(j−1)+3,BL4(j−1)+4が配置される。
【0087】
読み出しビット線BL4(j−1)+1,BL4(j−1)+2,BL4(j−1)+3,BL4(j−1)+4は、Y方向に延び、その一端は、カラム選択スイッチ(MOSトランジスタ)29Cを経由して、共通データ線30に接続される。共通データ線30は、読み出し回路(例えば、センスアンプ、セレクタ及び出力バッファを含む)29Bに接続される。
【0088】
カラム選択スイッチ29Cには、カラム選択線信号CSLi(i=0,1,・・・j)が入力される。カラムデコーダ32は、カラム選択線信号CSLiを出力する。
【0089】
本例では、読み出しビット線BL4(j−1)+1,BL4(j−1)+2,BL4(j−1)+3,BL4(j−1)+4は、書き込みビット線としても機能する。
【0090】
即ち、読み出し/書き込みビット線BL4(j−1)+1,BL4(j−1)+2,BL4(j−1)+3,BL4(j−1)+4の一端は、カラムデコーダと書き込みビット線ドライバ/シンカーを含む回路ブロック29Aに接続され、その他端は、カラムデコーダと書き込みビット線ドライバ/シンカーを含む回路ブロック31に接続される。
【0091】
書き込み動作時には、回路ブロック29A,31が動作状態となる。そして、読み出し/書き込みビット線BL4(j−1)+1,BL4(j−1)+2,BL4(j−1)+3,BL4(j−1)+4には、書き込みデータに応じて、回路ブロック29Aに向う方向又は回路ブロック31に向う方向に、書き込み電流が流れる。
【0092】
読み出しブロックBKikを構成する4つのTMR素子12の近傍には、X方向に延び、Z方向に積み重ねられる複数本(本例では、4本)の書き込みワード線WWL4(n−1)+1,WWL4(n−1)+2,WWL4(n−1)+3,WWL4(n−1)+4が配置される。但し、nは、ロウの番号であり、n=1,2,・・・である。
【0093】
本例では、X方向に延びる書き込みワード線に関しては、1ロウ内の1つの段に1本の書き込みワード線を配置している。即ち、選択された読み出しブロックBKik内の1つのTMR素子に対しては、1本の書き込みワード線を対応させている。この場合、X方向に延びる1ロウ内の書き込みワード線の数は、TMR素子12を積み重ねる段数と同じとなる。
【0094】
なお、図95及び図96に示すように、書き込みワード線については、TMR素子12の直下の絶縁膜の平坦化や製造コストの低下などを考慮して、複数のTMR素子(上段のTMR素子と下段のTMR素子)で、1本の書き込みワード線を共有するようにしてもよい。
【0095】
ブロック内のTMR素子及びその近傍における具体的構造については、デバイス構造の項目において詳述する。
【0096】
書き込みワード線WWL4(n−1)+1,WWL4(n−1)+2,WWL4(n−1)+3,WWL4(n−1)+4の一端は、書き込みワード線ドライバ23A−nに接続され、その他端は、書き込みワード線シンカー24−nに接続される。
【0097】
読み出し選択スイッチ(MOSトランジスタ)RSWのゲートは、読み出しワード線RWLn(n=1,2,・・・)に接続される。読み出しワード線RWLnは、1つのロウ内に1本だけ配置され、X方向に配置される複数のブロックBKjkに共通となっている。
【0098】
例えば、1つのカラムが4つのブロックから構成される場合、読み出しワード線RWLnの数は、4本となる。読み出しワード線RWLnは、X方向に延び、その一端は、読み出しワード線ドライバ23B−nに接続される。
【0099】
ところで、1つの読み出しブロックBKjkを、図3に示すような回路構造にした場合、読み出しワード線RWLnは、ブロック選択スイッチ(MOSトランジスタ)BSWのゲートにも接続される。
【0100】
つまり、図3に示すような回路構造を採用した場合、選択されたロウ、即ち、読み出しワード線RWLnの電位が“H”レベルになったロウに存在するブロックBKjk内の読み出し選択スイッチRSW及びブロック選択スイッチBSWのみがオン状態となる。
【0101】
ロウデコーダ25−nは、書き込み動作時、ロウアドレス信号に基づいて、複数のロウのうちの1つを選択する。書き込みワード線ドライバ23A−nは、選択されたロウ内の書き込みワード線WWL4(n−1)+1,WWL4(n−1)+2,WWL4(n−1)+3,WWL4(n−1)+4に書き込み電流を供給する。書き込み電流は、書き込みワード線シンカー24−nに吸収される。
【0102】
ロウデコーダ25−nは、読み出し動作時、ロウアドレス信号に基づいて、複数のロウのうちの1つを選択する。読み出しワード線ドライバ23B−nは、選択されたロウ内の読み出しワード線RWLnに読み出し電圧(=“H”)を供給する。
【0103】
本例の磁気ランダムアクセスメモリでは、1つのカラムは、複数の読み出しブロックから構成され、各読み出しブロック内の複数のTMR素子は、それぞれ異なる読み出しビット線に接続されている。従って、1回の読み出しステップにより、読み出しブロック内の複数のTMR素子のデータを一度に読み出すことができる。
【0104】
また、読み出しブロック内の複数のTMR素子は、半導体基板上に複数段に積み重ねられ、また、読み出しビット線は、書き込みビット線としても機能する。即ち、書き込みビット線としてのみ機能する配線をセルアレイ内に設ける必要がないため、セルアレイ構造を簡略化できる。
【0105】
また、読み出しブロック内には、読み出し選択スイッチRSWとブロック選択スイッチ(図3の場合)が設けられ、かつ、ソース線と接地点の間には、カラム選択スイッチが接続されている。従って、読み出し動作時に、非選択の読み出しブロック内のTMR素子が読み出し動作に影響を与えることがなくなり、読み出し動作を安定化させることができる。
【0106】
▲2▼ デバイス構造1
次に、デバイス構造について説明する。
図4及び図5は、本発明の構造例1としての磁気ランダムアクセスメモリの1ブロック分のデバイス構造を示している。
【0107】
図4は、磁気ランダムアクセスメモリの1ブロック分のY方向の断面を表し、図5は、磁気ランダムアクセスメモリの1ブロック分のX方向の断面を表している。図4及び図5に示される要素には、図1乃至図3の回路の要素と対応がとれるように、図1乃至図3と同じ符号が付してある。
【0108】
半導体基板41の表面領域には、読み出し選択スイッチ(MOSトランジスタ)RSWが配置される。読み出し選択スイッチRSWのソースは、コンタクトプラグ42Fを介してソース線SLiに接続される。ソース線SLiは、例えば、Y方向(カラム方向)に一直線に延び、メモリセルアレイ領域の周辺部に設けられたカラム選択スイッチを経由して、接地点に接続される。
【0109】
読み出し選択スイッチ(MOSトランジスタ)RSWのゲートは、読み出しワード線RWLnとなっている。読み出しワード線RWLnは、X方向に延びている。読み出し選択スイッチRSW上には、4個のTMR素子(MTJ(Magnetic Tunnel Junction)素子)MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4が複数段に積み重ねられている。
【0110】
TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の一端(本例では、下端)は、下部電極44A,44B,44C,44Dに接続される。コンタクトプラグ42A,42B,42C,42D,42E及び中間層43は、下部電極44A,44B,44C,44Dを互いに電気的に接続すると共に、下部電極44A,44B,44C,44Dを読み出し選択スイッチRSWのドレインに電気的に接続する。
【0111】
TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の他端(本例では、上端)は、読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4に電気的に接続される。読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4は、Y方向(カラム方向)に延びている。
【0112】
TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4は、それぞれ独立に読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4に接続される。即ち、4つのTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4に対して、4本の読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4が設けられる。
【0113】
書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4は、TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の直下であって、かつ、その近傍に配置される。書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4は、X方向(ロウ方向)に延びている。
【0114】
本例では、4つのTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4に対して、4本の書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4が設けられている。
【0115】
なお、本例では、TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4に対して、その上部に、Y方向に延びる読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4が配置され、その下部に、X方向に延びる書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4が配置される。
【0116】
しかし、TMR素子に対する読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4と書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4の位置関係は、これに限定されるものではない。
【0117】
例えば、図97及び図98に示すように、TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4に対して、その下部に、Y方向に延びる読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4を配置し、その上部に、X方向に延びる書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4を配置するようにしてもよい。
【0118】
また、図99及び図100に示すように、書き込みワード線については、TMR素子12の直下の絶縁膜の平坦化や製造コストの低下などを考慮して、複数のTMR素子(上段のTMR素子と下段のTMR素子)で、1本の書き込みワード線を共有するようにしてもよい。
【0119】
このようなデバイス構造によれば、読み出しブロック内の複数のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4は、それぞれ異なる読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4に接続される。従って、1回の読み出しステップにより、読み出しブロック内の複数のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4のデータを一度に読み出すことができる。
【0120】
また、読み出しブロック内の複数のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4は、半導体基板41上に複数段に積み重ねられ、また、Y方向に延びる配線は、読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4のみである。このため、TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の積み重ね段数を多くしても、セルアレイ構造が複雑になることがない。
【0121】
図6は、図4及び図5のデバイス構造において、TMR素子、書き込みワード線及び読み出し/書き込みビット線の位置関係を示している。
図4及び図5のデバイス構造では、複数段に積み重ねられたTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の各段において、下部電極44A,44B,44C,44D、書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4及び読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4が配置される。
【0122】
これらのレイアウトは、例えば、TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の各段において、同じに設定される。
【0123】
下部電極44A,44B,44C,44Dは、例えば、方形パターンを有し、その一部分に、コンタクトプラグ42A〜42Eに対するコンタクト領域が設けられている。また、下部電極44A,44B,44C,44Dの他の部分には、TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4が配置される。
【0124】
TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4は、書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4と読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4の交点に配置される。
【0125】
▲3▼ TMR素子の構造例
図7乃至図9は、TMR素子の構造例を示している。
図7の例に示すTMR素子は、最も基本的な構造であり、2つの強磁性層とこれらに挟まれるトンネルバリア層を有する。
【0126】
2つの強磁性層のうち、磁化の向きが固定される固定層(ピン層)には、磁化の向きを固定するための反強磁性層が付加される。2つの強磁性層のうち、磁化の向きを自由に変えることができる自由層(記憶層)は、書き込みワード線と書き込みビット線によって作られる合成磁界により、磁化の向きが決定される。
【0127】
図8の例に示すTMR素子は、図7の例のTMR素子に比べて、バイアス電圧を増大させることを目的に、TMR素子内に2つのトンネルバリア層を設けたものである。
【0128】
図8のTMR素子は、図7のTMR素子を2個直列接続した構造(ダブルジャンクション構造)を有する、と言うこともできる。
【0129】
本例では、TMR素子は、3つの強磁性層を有し、それらの間には、トンネルバリア層が配置される。両端の2つの強磁性層(ピン層)には、それぞれ反強磁性層が付加されている。3つの強磁性層のうち、磁化の向きを自由に変えることができる自由層(記憶層)は、真ん中の強磁性層となっている。
【0130】
図9の例に示すTMR素子は、図7の例のTMR素子に比べて、記憶層としての強磁性層内における磁力線を閉じ易くしたものである。
【0131】
本例のTMR素子は、図7のTMR素子の記憶層を、2つの強磁性層とそれらの間に挟まれる非磁性金属層(例えば、アルミニウム)とから構成される記憶層に代えたものと言うことができる。
【0132】
TMR素子の記憶層が、2つの強磁性層と、それらの間に挟まれる非磁性金属層とからなる3層構造を有することにより、記憶層を構成する2つの強磁性層内で磁力線が閉じ易くなる。即ち、記憶層を構成する2つの強磁性層内に反磁界成分が発生することを防止できるため、MR比の向上などを実現できる。
【0133】
以上、TMR素子の構造例について説明したが、本発明(回路構造、デバイス構造、読み出し動作原理、読み出し回路及び製造方法)に関しては、TMR素子の構造は、特に、限定されるものではない。上述した3つの構造例は、単に、TMR素子の構造の代表例として、示したに過ぎない。
【0134】
(2) 構造例2
構造例2は、構造例1の変形例である。構造例2の特徴は、構造例1と比べると、読み出し選択スイッチの向きにある。即ち、構造例2では、構造例1の読み出し選択スイッチを90°回転させた構造を有している。
【0135】
▲1▼ 回路構造
まず、回路構造について説明する。
図10は、本発明の構造例2としての磁気ランダムアクセスメモリの主要部を示している。なお、図10の回路図は、図2の回路図に対応している。構造例2におけるメモリセルアレイ及びその周辺部の概要は、図1と同じとなる。
【0136】
ブロックBK11内の4個のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の一端は、例えば、MOSトランジスタから構成される読み出し選択スイッチ(ブロック選択スイッチ又はロウ選択スイッチ)RSWを経由して、ソース線SL1に接続される。
【0137】
読み出し選択スイッチRSWは、そのソースとドレインを結ぶ線がX方向に平行となっている。即ち、読み出し選択スイッチRSWのチャネル長は、読み出し選択スイッチRSWのチャネルのX方向の長さとなっており、そのチャネル幅は、読み出し選択スイッチRSWのチャネルのY方向の幅となっている。
【0138】
読み出し選択スイッチRSWのゲートは、Y方向に延び、所定の箇所で、X方向に延びる読み出しワード線RWL1に結合される。
【0139】
ソース線SL1は、Y方向に延び、例えば、1カラム内に1本だけ配置される。ソース線SL1は、例えば、MOSトランジスタから構成されるカラム選択スイッチ29Cを経由して、接地点に接続される。
【0140】
読み出し動作時、読み出しブロックBK11が選択されたとすると、読み出しブロック11内の読み出し選択スイッチRSWがオン状態になる。また、カラム選択スイッチ29Cがオン状態となるため、ソース線SL1の電位は、接地電位になる。即ち、読み出しブロックBK11内のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4に読み出し電流が流れる。
【0141】
読み出しブロックBK11内の4個のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の他端は、それぞれ独立に読み出しビット線BL1,BL2,BL3,BL4に接続される。即ち、読み出しブロックBK11内の4個のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4に対応して、4本の読み出しビット線BL1,BL2,BL3,BL4が配置される。
【0142】
読み出しビット線BL1,BL2,BL3,BL4は、Y方向に延び、その一端は、カラム選択スイッチ(MOSトランジスタ)29Cを経由して、共通データ線30に接続される。共通データ線30は、読み出し回路(例えば、センスアンプ、セレクタ及び出力バッファを含む)29Bに接続される。
【0143】
カラム選択スイッチ29Cには、カラム選択線信号CSL1が入力される。カラムデコーダ32は、カラム選択線信号CSL1を出力する。
【0144】
本例では、読み出しビット線BL1,BL2,BL3,BL4は、書き込みビット線としても機能する。
【0145】
即ち、読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4の一端は、カラムデコーダと書き込みビット線ドライバ/シンカーを含む回路ブロック29Aに接続され、その他端は、カラムデコーダと書き込みビット線ドライバ/シンカーを含む回路ブロック31に接続される。
【0146】
書き込み動作時には、回路ブロック29A,31が動作状態となる。そして、読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4には、書き込みデータに応じて、回路ブロック29Aに向う方向又は回路ブロック31に向う方向に、書き込み電流が流れる。
【0147】
読み出しブロックBK11を構成する4つのTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の近傍には、X方向に延び、Z方向に積み重ねられる複数本(本例では、4本)の書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4が配置される。
【0148】
本例では、X方向に延びる書き込みワード線に関しては、1ロウ内の1つの段に1本の書き込みワード線を配置している。即ち、読み出しブロックBK11内の1つのTMR素子に対しては、1本の書き込みワード線を対応させている。この場合、X方向に延びる1ロウ内の書き込みワード線の数は、TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4を積み重ねる段数と同じとなる。
【0149】
なお、図101に示すように、書き込みワード線については、TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の直下の絶縁膜の平坦化や製造コストの低下などを考慮して、複数のTMR素子(上段のTMR素子と下段のTMR素子)で、1本の書き込みワード線を共有するようにしてもよい。
【0150】
書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4の一端は、書き込みワード線ドライバ23A−nに接続され、その他端は、書き込みワード線シンカー24−nに接続される。
【0151】
読み出し選択スイッチ(MOSトランジスタ)RSWのゲートは、読み出しワード線RWL1に接続される。読み出しワード線RWL1は、1つのロウ内に1本だけ配置され、X方向に配置される複数のブロックに共通となっている。
【0152】
ロウデコーダ25−1は、書き込み動作時、ロウアドレス信号に基づいて、複数のロウのうちの1つを選択する。書き込みワード線ドライバ23A−nは、選択されたロウ内の書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4に書き込み電流を供給する。書き込み電流は、書き込みワード線シンカーに吸収される。
【0153】
ロウデコーダ25−1は、読み出し動作時、ロウアドレス信号に基づいて、複数のロウのうちの1つを選択する。読み出しワード線ドライバ23B−1は、選択されたロウ内の読み出しワード線RWL1に読み出し電圧(=“H”)を供給する。
【0154】
本例の磁気ランダムアクセスメモリでは、1つのカラムは、複数の読み出しブロックから構成され、各読み出しブロック内の複数のTMR素子は、それぞれ異なる読み出しビット線に接続されている。従って、1回の読み出しステップにより、読み出しブロック内の複数のTMR素子のデータを一度に読み出すことができる。
【0155】
また、読み出しブロック内の複数のTMR素子は、半導体基板上に複数段に積み重ねられ、また、読み出しビット線は、書き込みビット線としても機能する。即ち、書き込みビット線としてのみ機能する配線をセルアレイ内に設ける必要がないため、セルアレイ構造を簡略化できる。
【0156】
また、読み出しブロック内には、読み出し選択スイッチRSWが設けられ、かつ、ソース線と接地点の間には、カラム選択スイッチが接続されている。従って、読み出し動作時に、非選択の読み出しブロック内のTMR素子が読み出し動作に影響を与えることが少なく、読み出し動作を安定化できる。
【0157】
▲2▼ デバイス構造
次に、デバイス構造について説明する。
図11及び図12は、本発明の構造例2としての磁気ランダムアクセスメモリの1ブロック分のデバイス構造を示している。
【0158】
図11は、磁気ランダムアクセスメモリの1ブロック分のY方向の断面を表し、図12は、磁気ランダムアクセスメモリの1ブロック分のX方向の断面を表している。図11及び図12に示される要素には、図9の回路の要素と対応がとれるように、図9と同じ符号が付してある。
【0159】
半導体基板41の表面領域には、読み出し選択スイッチ(MOSトランジスタ)RSWが配置される。読み出し選択スイッチRSWのソースは、コンタクトプラグ42Fを介してソース線SLiに接続される。ソース線SLiは、例えば、Y方向(カラム方向)に一直線に延び、メモリセルアレイ領域の周辺部に設けられたカラム選択スイッチを経由して、接地点に接続される。
【0160】
読み出し選択スイッチ(MOSトランジスタ)RSWのゲートは、読み出しワード線RWLnとなっている。読み出しワード線RWLnは、X方向に延びている。読み出し選択スイッチRSW上には、4個のTMR素子(MTJ(Magnetic Tunnel Junction)素子)MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4が複数段に積み重ねられている。
【0161】
TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の一端(本例では、下端)は、下部電極44A,44B,44C,44Dに接続される。コンタクトプラグ42A,42B,42C,42D,42E及び中間層43は、下部電極44A,44B,44C,44Dを互いに電気的に接続すると共に、下部電極44A,44B,44C,44Dを読み出し選択スイッチRSWのドレインに電気的に接続する。
【0162】
TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の他端(本例では、上端)は、読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4に電気的に接続される。読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4は、Y方向(カラム方向)に延びている。
【0163】
TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4は、それぞれ独立に読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4に接続される。即ち、4つのTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4に対して、4本の読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4が設けられる。
【0164】
書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4は、TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の直下であって、かつ、その近傍に配置される。書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4は、X方向(ロウ方向)に延びている。
【0165】
本例では、4つのTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4に対して、4本の書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4が設けられている。
【0166】
なお、本例では、TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4に対して、その上部に、Y方向に延びる読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4が配置され、その下部に、X方向に延びる書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4が配置される。
【0167】
しかし、TMR素子に対する読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4と書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4の位置関係は、これに限定されるものではない。
【0168】
例えば、図102及び図103に示すように、TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4に対して、その下部に、Y方向に延びる読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4を配置し、その上部に、X方向に延びる書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4を配置するようにしてもよい。
【0169】
また、図104及び図105に示すように、書き込みワード線については、TMR素子12の直下の絶縁膜の平坦化や製造コストの低下などを考慮して、複数のTMR素子(上段のTMR素子と下段のTMR素子)で、1本の書き込みワード線を共有するようにしてもよい。
【0170】
このようなデバイス構造によれば、読み出しブロック内の複数のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4は、それぞれ異なる読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4に接続される。従って、1回の読み出しステップにより、読み出しブロック内の複数のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4のデータを一度に読み出すことができる。
【0171】
また、読み出しブロック内の複数のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4は、半導体基板41上に複数段に積み重ねられ、また、Y方向に延びる配線は、読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4のみである。このため、TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の積み重ね段数を多くしても、セルアレイ構造が複雑になることがない。
【0172】
(3) 構造例3
構造例3は、構造例1の変形例である。構造例3の特徴は、構造例1と比べると、読み出し選択スイッチのゲートとソースに接続される配線にある。
【0173】
即ち、構造例3では、読み出し選択スイッチのゲートは、デコード線に接続され、そのソースは、読み出しワード線に接続される。読み出しブロック内の読み出し選択スイッチは、カラムアドレス信号により選択される。
【0174】
▲1▼ 回路構造
まず、回路構造について説明する。
図13は、本発明の構造例3としての磁気ランダムアクセスメモリの主要部を示している。図14は、図13のカラム選択スイッチの一例を示している。
【0175】
メモリセルアレイ11は、X方向、Y方向及びZ方向にアレイ状に配置される複数のTMR素子12を有する。ここで、Z方向とは、X方向及びY方向に直交する紙面に垂直な方向をいうものとする。
【0176】
メモリセルアレイ11は、X方向に配置されるj個のTMR素子12と、Y方向に配置されるn個のTMR素子12と、Z方向に積み重ねられる4個のTMR素子12とからなるセルアレイ構造を有する。Z方向に積み重ねされるTMR素子12の数は、4個であるが、その数は、複数個であれば、いくつであっても構わない。
【0177】
Z方向に積み重ねられた4個のTMR素子12は、1つの読み出しブロックBKik(i=0,1,・・・j、k=0,1,・・・n)を構成している。読み出しブロックBKik内の4個のTMR素子12は、実際には、紙面に垂直な方向(Z方向)に互いに重なり合っている。
【0178】
本例では、X方向に配置されるj個の読み出しブロックBKikにより1つのロウが構成される。メモリセルアレイ11は、n個のロウを有する。また、Y方向に配置されるn個の読み出しブロックBKikにより1つのカラムが構成される。メモリセルアレイ11は、j個のカラムを有する。
【0179】
ブロックBKik内の4個のTMR素子12の一端は、例えば、MOSトランジスタから構成される読み出し選択スイッチ(ブロック選択スイッチ又はロウ選択スイッチ)RSWを経由して、読み出しワード線RWLn(n=1,2,・・・)に接続される。読み出しワード線RWLnは、X方向に延び、例えば、1ロウ内に1本だけ設けられる。
【0180】
読み出し選択スイッチRSWのゲートは、デコード線DLi(i=1,2,・・・j)に接続される。デコード線DLiは、Y方向に延び、例えば、1カラム内に1本だけ設けられる。デコード線DLiの一端は、カラムデコーダ32に接続される。
【0181】
なお、本例では、デコード線DLiは、カラムデコーダ32に接続される。即ち、同一のカラムに存在するカラム選択スイッチと読み出しブロック内の読み出し選択スイッチは、同じ動作を行う。
【0182】
例えば、カラムデコーダ32がカラム選択信号CSL1を“H”レベルにしたとき、読み出しブロックBK11,・・・BK1nが属するカラムのカラム選択スイッチがオン状態となると共に、読み出しブロックBK11,・・・BK1n内の読み出し選択スイッチRSWがオン状態となる。
【0183】
本例では、カラムデコーダ32から出力されるカラム選択信号CSLi(i=1,2,・・・j)を用いて、カラム選択スイッチ29Cと読み出しブロックBKik内の読み出し選択スイッチRSWの双方を制御するようにしている。
【0184】
但し、これに代えて、例えば、図15に示すように、カラム選択スイッチ29Cを制御する信号と読み出しブロックBKik内の読み出し選択スイッチRSWを制御する信号を異なるものとしてもよい。
【0185】
即ち、図15の例では、カラム選択スイッチ29Cは、カラムデコーダ32Aから出力されるカラム選択信号CSL1により制御され、読み出しブロックBK11内の読み出し選択スイッチRSWは、カラムデコーダ32Bから出力されるブロック選択信号BSL1により制御される。
【0186】
なお、読み出し回路の項目で説明するが、カラムデコーダ32Aとカラムデコーダ32Bは、全く同じ構成となる。
【0187】
読み出し動作時、選択されたロウでは、読み出しワード線RWLnの電位が“L”レベルとなる。また、選択されたカラムでは、上述したように、読み出しブロックBKik内の読み出し選択スイッチRSWがオン状態になる。
【0188】
従って、選択されたロウ及び選択されたカラムの交点に位置する読み出しブロックBKik内のTMR素子12のみに読み出し電流が流れる。
【0189】
なお、読み出し時、非選択のカラムでは、読み出しブロックBKik内の読み出し選択スイッチRSWがオフ状態であるため、非選択のカラムの読み出しブロックBKik内のTMR素子12の他端は、互いに短絡された状態となる。
【0190】
この場合、非選択カラム内の読み出しビット線BL4(j−1)+1,BL4(j−1)+2,BL4(j−1)+3,BL4(j−1)+4の電位が異なると、読み出し動作に影響を与えることもあるので、非選択カラム内の読み出しビット線BL4(j−1)+1,BL4(j−1)+2,BL4(j−1)+3,BL4(j−1)+4の電位については、それぞれ同電位(例えば、接地電位)にしておく。
【0191】
読み出し動作時、選択されたカラム、非選択のロウでは、例えば、読み出しワード線RWLnが、フローティング状態(固定電位、例えば、選択されたビット線と同電位でもよい。)に設定される。この場合、選択されたカラム、非選択のロウでは、読み出しブロックBKik内の読み出し選択スイッチRSWがオン状態であるため、ブロックBKik内のTMR素子12の他端が、互いに短絡された状態となる。
【0192】
ここで、選択されたカラム及び非選択のロウに属する読み出しブロックBKik内のTMR素子12の短絡は、選択されたロウ及びカラムに属する選択された読み出しブロックBKik内のTMR素子12の読み出し動作に影響を与えることも考えられる。
【0193】
従って、例えば、図16に示すように、各々の読み出しブロックBKik内に、新たに、MOSトランジスタから構成されるブロック選択スイッチBSWを設け、選択されたロウ及びカラムに属する選択された読み出しブロックBKik内のTMR素子12のみに読み出しビット線BL4(j−1)+1,BL4(j−1)+2,BL4(j−1)+3,BL4(j−1)+4を電気的に接続し、かつ、これらTMR素子のみに読み出し電流を流すようにしてもよい。
【0194】
読み出しブロックBKik内の4個のTMR素子12の他端は、それぞれ独立に読み出しビット線BL4(j−1)+1,BL4(j−1)+2,BL4(j−1)+3,BL4(j−1)+4に接続される。即ち、1つの読み出しブロックBKik内の4個のTMR素子12に対応して、1つのカラム内には、4本の読み出しビット線BL4(j−1)+1,BL4(j−1)+2,BL4(j−1)+3,BL4(j−1)+4が配置される。
【0195】
読み出しビット線BL4(j−1)+1,BL4(j−1)+2,BL4(j−1)+3,BL4(j−1)+4は、Y方向に延び、その一端は、カラム選択スイッチ(MOSトランジスタ)29Cを経由して、共通データ線30に接続される。共通データ線30は、読み出し回路(例えば、センスアンプ、セレクタ及び出力バッファを含む)29Bに接続される。
【0196】
カラム選択スイッチ29Cには、カラム選択線信号CSLi(i=1,2,・・・j)が入力される。カラムデコーダ32は、カラム選択線信号CSLiを出力する。
【0197】
本例では、読み出しビット線BL4(j−1)+1,BL4(j−1)+2,BL4(j−1)+3,BL4(j−1)+4は、書き込みビット線としても機能する。
【0198】
即ち、読み出し/書き込みビット線BL4(j−1)+1,BL4(j−1)+2,BL4(j−1)+3,BL4(j−1)+4の一端は、カラムデコーダと書き込みビット線ドライバ/シンカーを含む回路ブロック29Aに接続され、その他端は、カラムデコーダと書き込みビット線ドライバ/シンカーを含む回路ブロック31に接続される。
【0199】
書き込み動作時には、回路ブロック29A,31が動作状態となる。そして、読み出し/書き込みビット線BL4(j−1)+1,BL4(j−1)+2,BL4(j−1)+3,BL4(j−1)+4には、書き込みデータに応じて、回路ブロック29Aに向う方向又は回路ブロック31に向う方向に、書き込み電流が流れる。
【0200】
読み出しブロックBKikを構成する4つのTMR素子12の近傍には、X方向に延び、Z方向に積み重ねられる複数本(本例では、4本)の書き込みワード線WWL4(n−1)+1,WWL4(n−1)+2,WWL4(n−1)+3,WWL4(n−1)+4が配置される。但し、nは、ロウの番号であり、n=1,2,・・・である。
【0201】
本例では、X方向に延びる書き込みワード線に関しては、1ロウ内の1つの段に1本の書き込みワード線を配置している。即ち、選択された読み出しブロックBKik内の1つのTMR素子に対しては、1本の書き込みワード線を対応させている。この場合、X方向に延びる1ロウ内の書き込みワード線の数は、TMR素子12を積み重ねる段数と同じとなる。
【0202】
なお、図106及び図107に示すように、書き込みワード線については、TMR素子12の直下の絶縁膜の平坦化や製造コストの低下などを考慮して、複数のTMR素子(上段のTMR素子と下段のTMR素子)で、1本の書き込みワード線を共有するようにしてもよい。
【0203】
ブロック内のTMR素子及びその近傍における具体的構造については、デバイス構造の項目において詳述する。
【0204】
書き込みワード線WWL4(n−1)+1,WWL4(n−1)+2,WWL4(n−1)+3,WWL4(n−1)+4の一端は、書き込みワード線ドライバ23A−nに接続され、その他端は、書き込みワード線シンカー24−nに接続される。
【0205】
読み出し選択スイッチ(MOSトランジスタ)RSWのソースは、読み出しワード線RWLn(n=1,2,・・・)に接続される。読み出しワード線RWLnは、1つのロウ内に1本だけ配置され、X方向に配置される複数のブロックBKjkに共通となっている。
【0206】
ところで、1つの読み出しブロックBKjkを、図16に示すような回路構造にした場合、読み出しワード線RWLnは、例えば、インバータを経由して、ブロック選択スイッチ(MOSトランジスタ)BSWのゲートにも接続される。
【0207】
つまり、図16に示すような回路構造を採用した場合、選択されたロウ、即ち、読み出しワード線RWLnの電位が“L”レベルになったロウに存在するブロックBKjk内のブロック選択スイッチBSWがオン状態となる。
【0208】
また、選択されたロウの読み出しワード線RWLnの電位が“L”レベル、選択されたカラムの読み出しブロックBKik内の読み出し選択スイッチRSWがオン状態となるため、選択されたロウ及びカラムに属する選択された読み出しブロックBKik内のTMR素子12のみに読み出しビット線BL4(j−1)+1,BL4(j−1)+2,BL4(j−1)+3,BL4(j−1)+4が電気的に接続され、かつ、これらTMR素子のみに読み出し電流が流れる。
【0209】
ロウデコーダ25−nは、書き込み動作時、ロウアドレス信号に基づいて、複数のロウのうちの1つを選択する。書き込みワード線ドライバ23A−nは、選択されたロウ内の書き込みワード線WWL4(n−1)+1,WWL4(n−1)+2,WWL4(n−1)+3,WWL4(n−1)+4に書き込み電流を供給する。書き込み電流は、書き込みワード線シンカー24−nに吸収される。
【0210】
ロウデコーダ25−nは、読み出し動作時、ロウアドレス信号に基づいて、複数のロウのうちの1つを選択する。読み出しワード線ドライバ23B−nは、選択されたロウ内の読み出しワード線RWLnに読み出し電圧(=“L”)を供給する。
【0211】
本例の磁気ランダムアクセスメモリでは、1つのカラムは、複数の読み出しブロックから構成され、各読み出しブロック内の複数のTMR素子は、それぞれ異なる読み出しビット線に接続されている。従って、1回の読み出しステップにより、読み出しブロック内の複数のTMR素子のデータを一度に読み出すことができる。
【0212】
また、読み出しブロック内の複数のTMR素子は、半導体基板上に複数段に積み重ねられ、また、読み出しビット線は、書き込みビット線としても機能する。即ち、書き込みビット線としてのみ機能する配線をセルアレイ内に設ける必要がないため、セルアレイ構造を簡略化できる。
【0213】
また、読み出しブロック内には、読み出し選択スイッチRSWとブロック選択スイッチ(図16の場合)が設けられ、かつ、読み出し選択スイッチは、カラムデコーダの出力信号により制御され、ブロック選択スイッチは、ロウデコーダの出力信号により制御される。従って、読み出し動作時に、非選択の読み出しブロック内のTMR素子が読み出し動作に影響を与えることがなくなり、読み出し動作を安定化させることができる。
【0214】
▲2▼ デバイス構造
次に、デバイス構造について説明する。
図17及び図18は、本発明の構造例3としての磁気ランダムアクセスメモリの1ブロック分のデバイス構造を示している。
【0215】
図17は、磁気ランダムアクセスメモリの1ブロック分のY方向の断面を表し、図18は、磁気ランダムアクセスメモリの1ブロック分のX方向の断面を表している。図17及び図18に示される要素には、図13乃至図16の回路の要素と対応がとれるように、図13乃至図16と同じ符号が付してある。
【0216】
半導体基板41の表面領域には、読み出し選択スイッチ(MOSトランジスタ)RSWが配置される。読み出し選択スイッチRSWのソースは、コンタクトプラグ42Fを介して読み出しワード線RWLnに接続される。読み出しワード線RWLnは、例えば、X方向(ロウ方向)に一直線に延び、メモリセルアレイ領域の周辺部に設けられた読み出しワード線ドライバに接続される。
【0217】
読み出し選択スイッチ(MOSトランジスタ)RSWのゲートは、デコード線DLjとなっている。デコード線DLjは、図示する断面以外の部分においてY方向に延びている。読み出し選択スイッチRSW上には、4個のTMR素子(MTJ(Magnetic Tunnel Junction)素子)MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4が複数段に積み重ねられている。
【0218】
TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の一端(本例では、下端)は、下部電極44A,44B,44C,44Dに接続される。コンタクトプラグ42A,42B,42C,42D,42E及び中間層43は、下部電極44A,44B,44C,44Dを互いに電気的に接続すると共に、下部電極44A,44B,44C,44Dを読み出し選択スイッチRSWのドレインに電気的に接続する。
【0219】
TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の他端(本例では、上端)は、読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4に電気的に接続される。読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4は、Y方向(カラム方向)に延びている。
【0220】
TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4は、それぞれ独立に読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4に接続される。即ち、4つのTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4に対して、4本の読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4が設けられる。
【0221】
書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4は、TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の直下であって、かつ、その近傍に配置される。書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4は、X方向(ロウ方向)に延びている。
【0222】
本例では、4つのTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4に対して、4本の書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4が設けられている。
【0223】
なお、本例では、TMR素子に対して、その上部に、Y方向に延びる読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4が配置され、その下部に、X方向に延びる書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4が配置される。
【0224】
しかし、TMR素子に対する読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4と書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4の位置関係は、これに限定されるものではない。
【0225】
例えば、TMR素子に対して、その下部に、Y方向に延びる読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4を配置し、その上部に、X方向に延びる書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4を配置するようにしてもよい。
【0226】
このようなデバイス構造によれば、読み出しブロック内の複数のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4は、それぞれ異なる読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4に接続される。従って、1回の読み出しステップにより、読み出しブロック内の複数のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4のデータを一度に読み出すことができる。
【0227】
また、読み出しブロック内の複数のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4は、半導体基板41上に複数段に積み重ねられ、また、Y方向に延びる配線は、読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4のみである。このため、TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の積み重ね段数を多くしても、セルアレイ構造が複雑になることがない。
【0228】
図19は、図17及び図18のデバイス構造において、TMR素子、書き込みワード線及び読み出し/書き込みビット線の位置関係を示している。
図17及び図18のデバイス構造では、複数段に積み重ねられたTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の各段において、下部電極44A,44B,44C,44D、書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4及び読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4が配置される。
【0229】
これらのレイアウトは、例えば、TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の各段において、同じに設定される。
【0230】
下部電極44A,44B,44C,44Dは、例えば、方形パターンを有し、その一部分に、コンタクトプラグ42A〜42Eに対するコンタクト領域が設けられている。また、下部電極44A,44B,44C,44Dの他の部分には、TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4が配置される。
【0231】
TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4は、書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4と読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4の交点に配置される。
【0232】
(4) 構造例4
構造例4は、構造例3の変形例である。構造例4の特徴は、構造例3と比べると、読み出し選択スイッチの向きにある。即ち、構造例4では、構造例3の読み出し選択スイッチを90°回転させた構造を有している。
【0233】
▲1▼ 回路構造
まず、回路構造について説明する。
図20は、本発明の構造例4としての磁気ランダムアクセスメモリの主要部を示している。なお、図20の回路図は、図14の回路図に対応している。構造例4におけるメモリセルアレイ及びその周辺部の概要は、図13と同じとなる。
【0234】
ブロックBK11内の4個のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の一端は、例えば、MOSトランジスタから構成される読み出し選択スイッチ(ブロック選択スイッチ又はロウ選択スイッチ)RSWを経由して、読み出しワード線RWL1に接続される。読み出しワード線RWL1は、X方向に延びている。
【0235】
読み出し選択スイッチRSWは、そのソースとドレインを結ぶ線がX方向に平行となっている。即ち、読み出し選択スイッチRSWのチャネル長は、読み出し選択スイッチRSWのチャネルのX方向の長さとなっており、そのチャネル幅は、読み出し選択スイッチRSWのチャネルのY方向の幅となっている。
【0236】
読み出し選択スイッチRSWのゲートは、デコード線DL1に接続される。デコード線DL1は、Y方向に延びている。デコード線DL1は、カラムデコーダ32に接続される。即ち、読み出し選択スイッチRSWは、カラムアドレス信号をデコードすることにより得られるデコード信号CSL1により制御される。
【0237】
読み出し動作時、読み出しブロックBK11が選択されたとすると、CSL1が“H”になるため、読み出しブロック11内の読み出し選択スイッチRSWがオン状態になる。また、読み出しワード線RWL1が“L(接地電位VSS)”になる。さらに、カラム選択スイッチ29Cがオン状態となる。
【0238】
従って、読み出しブロックBK11内のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4に読み出し電流が流れる。
【0239】
読み出しブロックBK11内の4個のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の他端は、それぞれ独立に読み出しビット線BL1,BL2,BL3,BL4に接続される。即ち、読み出しブロックBK11内の4個のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4に対応して、4本の読み出しビット線BL1,BL2,BL3,BL4が配置される。
【0240】
読み出しビット線BL1,BL2,BL3,BL4は、Y方向に延び、その一端は、カラム選択スイッチ(MOSトランジスタ)29Cを経由して、共通データ線30に接続される。共通データ線30は、読み出し回路(例えば、センスアンプ、セレクタ及び出力バッファを含む)29Bに接続される。
【0241】
カラム選択スイッチ29Cには、カラム選択線信号CSL1が入力される。カラムデコーダ32は、カラム選択線信号CSL1を出力する。
【0242】
本例では、読み出しビット線BL1,BL2,BL3,BL4は、書き込みビット線としても機能する。
【0243】
即ち、読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4の一端は、カラムデコーダと書き込みビット線ドライバ/シンカーを含む回路ブロック29Aに接続され、その他端は、カラムデコーダと書き込みビット線ドライバ/シンカーを含む回路ブロック31に接続される。
【0244】
書き込み動作時には、回路ブロック29A,31が動作状態となる。そして、読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4には、書き込みデータに応じて、回路ブロック29Aに向う方向又は回路ブロック31に向う方向に、書き込み電流が流れる。
【0245】
読み出しブロックBK11を構成する4つのTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の近傍には、X方向に延び、Z方向に積み重ねられる複数本(本例では、4本)の書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4が配置される。
【0246】
本例では、X方向に延びる書き込みワード線に関しては、1ロウ内の1つの段に1本の書き込みワード線を配置している。即ち、読み出しブロックBK11内の1つのTMR素子に対しては、1本の書き込みワード線を対応させている。この場合、X方向に延びる1ロウ内の書き込みワード線の数は、TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4を積み重ねる段数と同じとなる。
【0247】
なお、図112に示すように、書き込みワード線については、TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の直下の絶縁膜の平坦化や製造コストの低下などを考慮して、複数のTMR素子(上段のTMR素子と下段のTMR素子)で、1本の書き込みワード線を共有するようにしてもよい。
【0248】
書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4の一端は、書き込みワード線ドライバ23A−nに接続され、その他端は、書き込みワード線シンカー24−nに接続される。
【0249】
読み出し選択スイッチ(MOSトランジスタ)RSWのゲートは、読み出しワード線RWL1に接続される。読み出しワード線RWL1は、1つのロウ内に1本だけ配置され、X方向に配置される複数のブロックに共通となっている。
【0250】
ロウデコーダ25−1は、書き込み動作時、ロウアドレス信号に基づいて、複数のロウのうちの1つを選択する。書き込みワード線ドライバ23A−nは、選択されたロウ内の書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4に書き込み電流を供給する。書き込み電流は、書き込みワード線シンカーに吸収される。
【0251】
ロウデコーダ25−1は、読み出し動作時、ロウアドレス信号に基づいて、複数のロウのうちの1つを選択する。読み出しワード線ドライバ23B−1は、選択されたロウ内の読み出しワード線RWL1に読み出し電圧(=“L”)を供給する。
【0252】
本例の磁気ランダムアクセスメモリでは、1つのカラムは、複数の読み出しブロックから構成され、各読み出しブロック内の複数のTMR素子は、それぞれ異なる読み出しビット線に接続されている。従って、1回の読み出しステップにより、読み出しブロック内の複数のTMR素子のデータを一度に読み出すことができる。
【0253】
また、読み出しブロック内の複数のTMR素子は、半導体基板上に複数段に積み重ねられ、また、読み出しビット線は、書き込みビット線としても機能する。即ち、書き込みビット線としてのみ機能する配線をセルアレイ内に設ける必要がないため、セルアレイ構造を簡略化できる。
【0254】
また、読み出しブロック内には、読み出し選択スイッチRSWが設けられ、かつ、読み出し選択スイッチRSWは、カラムアドレス信号をデコードしたことにより得られるデコード信号CSL1により制御される。また、読み出し選択スイッチRSWのソースは、読み出しワード線に接続される。従って、簡易な構成により、読み出し動作を安定して行うことができる。
【0255】
▲2▼ デバイス構造
次に、デバイス構造について説明する。
図21及び図22は、本発明の構造例4としての磁気ランダムアクセスメモリの1ブロック分のデバイス構造を示している。
【0256】
図21は、磁気ランダムアクセスメモリの1ブロック分のY方向の断面を表し、図22は、磁気ランダムアクセスメモリの1ブロック分のX方向の断面を表している。図21及び図22に示される要素には、図20の回路の要素と対応がとれるように、図20と同じ符号が付してある。
【0257】
半導体基板41の表面領域には、読み出し選択スイッチ(MOSトランジスタ)RSWが配置される。読み出し選択スイッチRSWのソースは、コンタクトプラグ42Fを介して読み出しワード線RWLnに接続される。読み出しワード線RWLnは、例えば、X方向(ロウ方向)に延び、メモリセルアレイ領域の周辺部に配置さる読み出しワード線ドライバに接続される。
【0258】
読み出し選択スイッチ(MOSトランジスタ)RSWのゲートは、デコード線DLjとなっている。デコード線DLjは、Y方向に延びている。デコード線DL1は、メモリセルアレイの周辺部に配置されるカラムデコーダに接続される。読み出し選択スイッチRSW上には、4個のTMR素子(MTJ(Magnetic Tunnel Junction)素子)MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4が複数段に積み重ねられている。
【0259】
TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の一端(本例では、下端)は、下部電極44A,44B,44C,44Dに接続される。コンタクトプラグ42A,42B,42C,42D,42E及び中間層43は、下部電極44A,44B,44C,44Dを互いに電気的に接続すると共に、下部電極44A,44B,44C,44Dを読み出し選択スイッチRSWのドレインに電気的に接続する。
【0260】
TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の他端(本例では、上端)は、読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4に電気的に接続される。読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4は、Y方向(カラム方向)に延びている。
【0261】
TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4は、それぞれ独立に読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4に接続される。即ち、4つのTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4に対して、4本の読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4が設けられる。
【0262】
書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4は、TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の直下であって、かつ、その近傍に配置される。書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4は、X方向(ロウ方向)に延びている。
【0263】
本例では、4つのTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4に対して、4本の書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4が設けられている。
【0264】
なお、本例では、TMR素子に対して、その上部に、Y方向に延びる読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4が配置され、その下部に、X方向に延びる書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4が配置される。
【0265】
しかし、TMR素子に対する読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4と書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4の位置関係は、これに限定されるものではない。
【0266】
例えば、図113及び図114に示すように、TMR素子に対して、その下部に、Y方向に延びる読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4を配置し、その上部に、X方向に延びる書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4を配置するようにしてもよい。
【0267】
また、図115及び図116に示すように、書き込みワード線については、TMR素子12の直下の絶縁膜の平坦化や製造コストの低下などを考慮して、複数のTMR素子(上段のTMR素子と下段のTMR素子)で、1本の書き込みワード線を共有するようにしてもよい。
【0268】
このようなデバイス構造によれば、読み出しブロック内の複数のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4は、それぞれ異なる読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4に接続される。従って、1回の読み出しステップにより、読み出しブロック内の複数のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4のデータを一度に読み出すことができる。
【0269】
また、読み出しブロック内の複数のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4は、半導体基板41上に複数段に積み重ねられ、また、Y方向に延びる配線は、読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4のみである。このため、TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の積み重ね段数を多くしても、セルアレイ構造が複雑になることがない。
【0270】
(5) 構造例5,6,7,8
▲1▼ 構造例5
構造例5は、構造例1,2,3,4の変形例である。
【0271】
図23、図24及び図25は、構造例5を示している。
図23の回路図は、図1又は図13の回路図に対応し、また、図24のデバイス構造の断面図は、図4、図11、図17及ぶ図21のデバイス構造の断面図に対応し、図25のデバイス構造の断面図は、図5、図12、図18及ぶ図22のデバイス構造の断面図に対応している。
【0272】
構造例5が構造例1,2,3,4と異なる点は、読み出し選択スイッチを実現する素子にある。
【0273】
即ち、構造例1,2,3,4では、読み出し選択スイッチは、MOSトランジスタから構成されていた。これに対し、構造例5では、読み出し選択スイッチは、ダイオードDIから構成される。
【0274】
ダイオードDIのアノードは、読み出しブロックBKik内のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の一端に接続され、ダイオードDIのカソードは、読み出しワード線RWLn(n=1,2,・・・)に接続される。
【0275】
本例の構造を採用した場合、読み出し動作時には、選択されたロウの読み出しワード線RWLnを“L”、即ち、接地電位に設定する。これにより、選択されたロウのブロックを構成するTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4に、読み出し電流を流すことができる。
【0276】
構造例5のデバイス構造に関しては、半導体基板41の表面領域に形成される素子がダイオードDIである点を除けば、実質的に、構造例1,2,3,4と同じであると考えてよい。
【0277】
▲2▼ 構造例6
構造例6も、構造例1,2,3,4の変形例である。
【0278】
図26、図27及び図28は、構造例6を示している。
図26の回路図は、図1又は図13の回路図に対応し、また、図27のデバイス構造の断面図は、図4、図11、図17及ぶ図21のデバイス構造の断面図に対応し、図28のデバイス構造の断面図は、図5、図12、図18及ぶ図22のデバイス構造の断面図に対応している。
【0279】
構造例6は、構造例1,2,3,4と比べると、読み出し選択スイッチを実現する素子に特徴を有する。具体的には、構造例6は、構造例5のダイオードDIの向きを変えたものである。
【0280】
即ち、構造例6では、ダイオードDIのカソードは、読み出しブロックBKik内のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の一端に接続され、ダイオードDIのアノードは、読み出しワード線RWLn(n=1,2,・・・)に接続される。
【0281】
本例の構造を採用した場合、読み出し動作時には、選択されたロウの読み出しワード線RWLnを“H”に設定する。これにより、選択されたロウのブロックを構成するTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4に、読み出し電流を流すことができる。
【0282】
なお、構造例5では、読み出し電流は、読み出し回路29BからTMR素子を経由してダイオードDIに向って流れるが、構造例6では、読み出し電流は、ダイオードDIからTMR素子を経由して読み出し回路29Bに向って流れる
構造例1,2,3,4では、特に、読み出し電流の向きについては、説明しなかった。これは、これらの構造例では、読み出し電流は、読み出し回路29Bから放出される方向に流しても、また、読み出し回路29Bに吸収される方向に流しても、どちらでもよいからである。
【0283】
▲3▼ 構造例7
構造例7は、構造例1,2の変形例である。
【0284】
図29及び図30は、構造例7を示している。
図29の回路図は、図1の回路図に対応し、また、図30のデバイス構造の断面図は、図4及び図11のデバイス構造の断面図に対応している。
【0285】
構造例7は、構造例1,2と比べると、読み出し選択スイッチを実現する素子に特徴を有する。
【0286】
即ち、構造例1,2では、読み出し選択スイッチは、MOSトランジスタから構成されていた。これに対し、構造例7では、読み出し選択スイッチは、バイポーラトランジスタBTから構成される。
【0287】
構造例7では、バイポーラトランジスタBTのコレクタは、読み出しブロックBKik内のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の一端に接続され、バイポーラトランジスタBTのエミッタは、ソース線SLi(i=1,2,・・・j)に接続される。バイポーラトランジスタBTのベースは、読み出しワード線RWLn(n=1,2,・・・)に接続される。
【0288】
本例の構造を採用した場合、読み出し動作時には、選択されたロウの読み出しワード線RWLnを“H”に設定する。これにより、選択されたロウのブロックを構成するTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4に、読み出し電流を流すことができる。
【0289】
構造例7のデバイス構造に関しては、半導体基板41の表面領域に形成される素子がバイポーラトランジスタBTである点を除けば、実質的に、構造例1,2と同じであると考えてよい。
【0290】
本例の構造の場合、メモリセルアレイ11及びその周辺回路を構成するトランジスタの全てをバイポーラトランジスタにしてもよいし、その一部をバイポーラトランジスタにしてもよい。
【0291】
▲4▼ 構造例8
構造例8は、構造例3,4の変形例である。
【0292】
図31及び図32は、構造例8を示している。
図31の回路図は、図13の回路図に対応し、また、図32のデバイス構造の断面図は、図17及び図21のデバイス構造の断面図に対応している。
【0293】
構造例8は、構造例3,4と比べると、読み出し選択スイッチを実現する素子に特徴を有する。
【0294】
即ち、構造例3,4では、読み出し選択スイッチは、MOSトランジスタから構成されていた。これに対し、構造例8では、読み出し選択スイッチは、バイポーラトランジスタBTから構成される。
【0295】
構造例8では、バイポーラトランジスタBTのコレクタは、読み出しブロックBKik内のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の一端に接続され、バイポーラトランジスタBTのエミッタは、読み出しワード線RWLn(n=1,2,・・・)に接続される。バイポーラトランジスタBTのベースは、デコード線DLi(i=1,2,・・・j)に接続される。
【0296】
本例の構造を採用した場合、読み出し動作時には、選択されたロウの読み出しワード線RWLnを“L”に設定する。これにより、選択されたロウのブロックを構成するTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4に、読み出し電流を流すことができる。
【0297】
構造例8のデバイス構造に関しても、半導体基板41の表面領域に形成される素子がバイポーラトランジスタBTである点を除けば、実質的に、構造例3,4と同じであると考えてよい。
【0298】
本例の構造の場合、メモリセルアレイ11及びその周辺回路を構成するトランジスタの全てをバイポーラトランジスタにしてもよいし、その一部をバイポーラトランジスタにしてもよい。
【0299】
(6) その他
構造例1〜8では、読み出しビット線と書き込みビット線を1つにまとめて、読み出し/書き込みビット線とした例について説明したが、本発明は、読み出しブロック内のTMR素子がそれぞれ異なる読み出しビット線に接続されていれば、このような構造に限定されない。
【0300】
例えば、構造例1〜8において、読み出しビット線と書き込みビット線をそれぞれ個別に設けてもよいし、書き込みワード線を、読み出しワード線として使用するようにしてもよい。
【0301】
3. 書き込み/読み出し動作原理
本発明の磁気ランダムアクセスメモリの書き込み/読み出し動作原理について簡単に説明する。
(1) 書き込み動作原理
TMR素子に対する書き込みは、ランダムに行われる。例えば、ロウアドレス信号により1つのロウが選択され、上位カラムアドレス信号により1つのカラムが選択される。また、選択されたロウ内の読み出しブロック内の複数のTMR素子のうちの1つが下位カラムアドレス信号により選択される。
【0302】
選択されたTMR素子に対してデータを書き込むため、選択されたTMR素子の直下に配置される書き込みワード線に書き込み電流を流す。また、選択されたTMR素子上に配置される読み出し/書き込みビット線に書き込み電流を流す。読み出し/書き込みビット線に流す書き込み電流の向きは、書き込みデータに応じて決定される。
【0303】
書き込みワード線に流れる書き込み電流及び読み出し/書き込みビット線に流れる書き込み電流により発生する合成磁界により、選択されたTMR素子の自由層(記憶層)の磁化の向きを決定し、TMR素子に“1”/“0”情報を記憶させる。
【0304】
(2) 読み出し動作原理
TMR素子に対する読み出しは、読み出しブロック単位で行われる。例えば、ロウアドレス信号により1つのロウが選択され、上位カラムアドレス信号により1つのカラムが選択される。
【0305】
選択されたロウ及びカラムに存在する選択された読み出しブロック内の複数のTMR素子のデータを読み出すため、選択されたカラムに配置される複数本の読み出し/書き込みビット線に読み出し電流を流す。読み出し/書き込みビット線に流す読み出し電流の向きは、特に、限定されない。
【0306】
この時、選択されたカラムに配置される複数本の読み出し/書き込みビット線は、選択された読み出しブロックのみに電気的に接続されているのが好ましい(例えば、図3の回路例)。
【0307】
複数本の読み出し/書き込みビット線の電位は、読み出しブロック内の複数のTMR素子のデータに応じた値となる。この電位をセンスアンプによりセンスする。
【0308】
選択された読み出しブロック内の複数のTMR素子のデータは、センスアンプによりセンスされた後、磁気ランダムアクセスメモリの外部に出力される。ここで、複数のTMR素子のデータは、1ビットずつ、出力してもよいし、また、同時に、出力してもよい。
【0309】
複数のTMR素子のデータを1ビットずつシーケンシャルに出力する場合、例えば、下位カラムアドレス信号を用いて、複数のTMR素子のデータのうちの1つを選択する。
【0310】
4. 周辺回路の回路例
以下、書き込みワード線ドライバ/シンカーの回路例、書き込みビット線ドライバ/シンカーの回路例、読み出しワード線ドライバの回路例、カラムデコーダの回路例、及び、読み出し回路(センスアンプを含む)の回路例について、順次、説明する。
【0311】
(1) 書き込みワード線ドライバ/シンカー
図33は、書き込みワード線ドライバ/シンカーの回路例を示している。
本例では、読み出しブロックは、4段に積み重ねされた4つのTMR素子から構成され、読み出しブロック内の4つのTMR素子は、カラムアドレス信号の下位2ビットCA0,CA1により選択されるものと仮定する。同図では、書き込みワード線ドライバ/シンカーの1ロウ分のみを示している。
【0312】
書き込みワード線ドライバ23A−1は、PチャネルMOSトランジスタQP1,QP2,QP3,QP4及びNANDゲート回路ND1,ND2,ND3,ND4を含んでいる。書き込みワード線シンカー24−1は、NチャネルMOSトランジスタQN1,QN2,QN3,QN4から構成される。
【0313】
PチャネルMOSトランジスタQP1は、電源端子VDDと最下段(1段目)の書き込みワード線WWL1の一端との間に接続される。NANDゲート回路ND1の出力信号は、PチャネルMOSトランジスタQP1のゲートに供給される。NチャネルMOSトランジスタQN1は、最下段の書き込みワード線WWL1の他端と接地端子VSSの間に接続される。
【0314】
NANDゲート回路ND1の出力信号が“0”のとき、書き込みワード線WWL1に書き込み電流が流れる。
【0315】
PチャネルMOSトランジスタQP2は、電源端子VDDと2段目の書き込みワード線WWL2の一端との間に接続される。NANDゲート回路ND2の出力信号は、PチャネルMOSトランジスタQP2のゲートに供給される。NチャネルMOSトランジスタQN2は、2段目の書き込みワード線WWL2の他端と接地端子VSSの間に接続される。
【0316】
NANDゲート回路ND2の出力信号が“0”のとき、書き込みワード線WWL2に書き込み電流が流れる。
【0317】
PチャネルMOSトランジスタQP3は、電源端子VDDと3段目の書き込みワード線WWL3の一端との間に接続される。NANDゲート回路ND3の出力信号は、PチャネルMOSトランジスタQP3のゲートに供給される。NチャネルMOSトランジスタQN3は、3段目の書き込みワード線WWL3の他端と接地端子VSSの間に接続される。
【0318】
NANDゲート回路ND3の出力信号が“0”のとき、書き込みワード線WWL3に書き込み電流が流れる。
【0319】
PチャネルMOSトランジスタQP4は、電源端子VDDと最上段(4段目)の書き込みワード線WWL4の一端との間に接続される。NANDゲート回路ND4の出力信号は、PチャネルMOSトランジスタQP4のゲートに供給される。NチャネルMOSトランジスタQN4は、最上段の書き込みワード線WWL4の他端と接地端子VSSの間に接続される。
【0320】
NANDゲート回路ND4の出力信号が“0”のとき、書き込みワード線WWL4に書き込み電流が流れる。
【0321】
書き込みワード線WWL1,WW2,WWL3,WWL4は、同一ロウに属しているため、NANDゲート回路NA1,NA2,NA3,NA4には、同一のロウアドレス信号が入力される。選択されたロウでは、ロウアドレス信号の全てのビットは、“H”となる。
【0322】
また、NANDゲート回路NA1,NA2,NA3,NA4には、書き込み信号が入力される。書き込み信号は、書き込み動作時に“H”となる。さらに、NANDゲート回路NA1,NA2,NA3,NA4には、それぞれ異なる下位カラムアドレス信号が入力される。
【0323】
即ち、本例では、カラムアドレス信号bCA0,bCA1は、最下段(1段目)の書き込みワード線WWL1を選択するために用いられ、NAND回路ND1に入力される。
【0324】
同様に、カラムアドレス信号CA0,bCA1は、2段目の書き込みワード線WWL1を選択するためにNAND回路ND2に入力され、カラムアドレス信号bCA0,CA1は、3段目の書き込みワード線WWL3を選択するためにNAND回路ND3に入力され、カラムアドレス信号CA0,CA1は、最上段(4段目)の書き込みワード線WWL4を選択するためにNAND回路ND4に入力される。
【0325】
なお、bCA0及びbCA1は、CA0及びCA1のレベルを反転したレベルを有する反転信号である。
【0326】
このような書き込みワード線ドライバ/シンカーにおいては、書き込み動作時、書き込み信号WRITEが“1”になり、例えば、4つのNANDゲート回路ND1,ND2,ND3,ND4のうちの1つの出力信号が“L”となる。
【0327】
例えば、CA0及びCA1が共に“0”の場合、NANDゲート回路ND1の入力信号が全て“1”となり、NANDゲート回路ND1の出力信号が“0”となる。その結果、PチャネルMOSトランジスタQP1がオン状態となり、書き込みワード線WWL1に書き込み電流が流れる。
【0328】
また、CA0が“1”、CA1が“0”の場合、NANDゲート回路ND2の入力信号が全て“1”となり、NANDゲート回路ND2の出力信号が“0”となる。その結果、PチャネルMOSトランジスタQP2がオン状態となり、書き込みワード線WWL2に書き込み電流が流れる。
【0329】
また、CA0が“0”、CA1が“1”の場合、NANDゲート回路ND3の入力信号が全て“1”となり、NANDゲート回路ND3の出力信号が“0”となる。その結果、PチャネルMOSトランジスタQP3がオン状態となり、書き込みワード線WWL3に書き込み電流が流れる。
【0330】
また、CA0及びCA1が共に“1”の場合、NANDゲート回路ND4の入力信号が全て“1”となり、NANDゲート回路ND4の出力信号が“0”となる。その結果、PチャネルMOSトランジスタQP4がオン状態となり、書き込みワード線WWL4に書き込み電流が流れる。
【0331】
(2) 書き込みビット線ドライバ/シンカー
図34及び図35は、書き込みビット線ドライバ/シンカーの回路例を示している。
本例では、読み出しブロックは、4段に積み重ねされた4つのTMR素子から構成され、読み出しブロック内の4つのTMR素子は、カラムアドレス信号の下位2ビットCA0,CA1により選択されるものと仮定する。また、メモリセルアレイのカラムは、上位カラムアドレス信号、即ち、カラムアドレス信号のうち下位2ビットCA0,CA1を除いたカラムアドレス信号により選択される。
【0332】
なお、同図では、書き込みビット線ドライバ/シンカーの1カラム分のみを示している。
【0333】
書き込みビット線ドライバ/シンカー29Aは、PチャネルMOSトランジスタQP5,QP6,QP7,QP8、NチャネルMOSトランジスタQN5,QN6,QN7,QN8、NANDゲート回路ND5,ND6,ND7,ND8、ANDゲート回路AD1,AD2,AD3,AD4及びインバータINV1,INV2,INV3,INV4から構成される。
【0334】
PチャネルMOSトランジスタQP5は、電源端子VDDと最下段(1段目)の書き込みビット線BL1の一端との間に接続される。NANDゲート回路ND5の出力信号は、PチャネルMOSトランジスタQP5のゲートに供給される。NチャネルMOSトランジスタQN5は、最下段の書き込みビット線BL1の一端と接地端子VSSの間に接続される。ANDゲート回路AD1の出力信号は、NチャネルMOSトランジスタQN5のゲートに供給される。
【0335】
PチャネルMOSトランジスタQP6は、電源端子VDDと2段目の書き込みビット線BL2の一端との間に接続される。NANDゲート回路ND6の出力信号は、PチャネルMOSトランジスタQP6のゲートに供給される。NチャネルMOSトランジスタQN6は、2段目の書き込みビット線BL2の一端と接地端子VSSの間に接続される。ANDゲート回路AD2の出力信号は、NチャネルMOSトランジスタQN6のゲートに供給される。
【0336】
PチャネルMOSトランジスタQP7は、電源端子VDDと3段目の書き込みビット線BL3の一端との間に接続される。NANDゲート回路ND7の出力信号は、PチャネルMOSトランジスタQP7のゲートに供給される。NチャネルMOSトランジスタQN7は、3段目の書き込みビット線BL3の一端と接地端子VSSの間に接続される。ANDゲート回路AD3の出力信号は、NチャネルMOSトランジスタQN7のゲートに供給される。
【0337】
PチャネルMOSトランジスタQP8は、電源端子VDDと最上段(4段目)の書き込みビット線BL4の一端との間に接続される。NANDゲート回路ND8の出力信号は、PチャネルMOSトランジスタQP8のゲートに供給される。NチャネルMOSトランジスタQN8は、最上段の書き込みビット線BL4の一端と接地端子VSSの間に接続される。ANDゲート回路AD4の出力信号は、NチャネルMOSトランジスタQN8のゲートに供給される。
【0338】
書き込みビット線ドライバ/シンカー31は、PチャネルMOSトランジスタQP9,QP10,QP11,QP12、NチャネルMOSトランジスタQN9,QN10,QN11,QN12、NANDゲート回路ND9,ND10,ND11,ND12、ANDゲート回路AD5,AD6,AD7,AD8及びインバータINV5,INV6,INV7,INV8から構成される。
【0339】
PチャネルMOSトランジスタQP9は、電源端子VDDと最下段(1段目)の書き込みビット線BL1の他端との間に接続される。NANDゲート回路ND9の出力信号は、PチャネルMOSトランジスタQP9のゲートに供給される。NチャネルMOSトランジスタQN9は、最下段の書き込みビット線BL1の他端と接地端子VSSの間に接続される。ANDゲート回路AD5の出力信号は、NチャネルMOSトランジスタQN9のゲートに供給される。
【0340】
PチャネルMOSトランジスタQP10は、電源端子VDDと2段目の書き込みビット線BL2の他端との間に接続される。NANDゲート回路ND10の出力信号は、PチャネルMOSトランジスタQP10のゲートに供給される。NチャネルMOSトランジスタQN10は、2段目の書き込みビット線BL2の他端と接地端子VSSの間に接続される。ANDゲート回路AD6の出力信号は、NチャネルMOSトランジスタQN10のゲートに供給される。
【0341】
PチャネルMOSトランジスタQP11は、電源端子VDDと3段目の書き込みビット線BL3の他端との間に接続される。NANDゲート回路ND11の出力信号は、PチャネルMOSトランジスタQP11のゲートに供給される。NチャネルMOSトランジスタQN11は、3段目の書き込みビット線BL3の他端と接地端子VSSの間に接続される。ANDゲート回路AD7の出力信号は、NチャネルMOSトランジスタQN11のゲートに供給される。
【0342】
PチャネルMOSトランジスタQP12は、電源端子VDDと最上段(4段目)の書き込みビット線BL4の他端との間に接続される。NANDゲート回路ND12の出力信号は、PチャネルMOSトランジスタQP12のゲートに供給される。NチャネルMOSトランジスタQN12は、最上段の書き込みビット線BL4の他端と接地端子VSSの間に接続される。ANDゲート回路AD8の出力信号は、NチャネルMOSトランジスタQN12のゲートに供給される。
【0343】
このような構成を有する書き込みビット線ドライバ/シンカー29A,31において、NANDゲート回路ND5の出力信号が“0”、ANDゲート回路AD5の出力信号が“1”のとき、書き込みビット線BL1には、書き込みビット線ドライバ/シンカー29Aから書き込みビット線ドライバ/シンカー31へ向う書き込み電流が流れる。
【0344】
また、NANDゲート回路ND9の出力信号が“0”、ANDゲート回路AD1の出力信号が“1”のとき、書き込みビット線BL1には、書き込みビット線ドライバ/シンカー31から書き込みビット線ドライバ/シンカー29Aへ向う書き込み電流が流れる。
【0345】
また、NANDゲート回路ND6の出力信号が“0”、ANDゲート回路AD6の出力信号が“1”のとき、書き込みビット線BL2には、書き込みビット線ドライバ/シンカー29Aから書き込みビット線ドライバ/シンカー31へ向う書き込み電流が流れる。
【0346】
また、NANDゲート回路ND10の出力信号が“0”、ANDゲート回路AD2の出力信号が“1”のとき、書き込みビット線BL2には、書き込みビット線ドライバ/シンカー31から書き込みビット線ドライバ/シンカー29Aへ向う書き込み電流が流れる。
【0347】
また、NANDゲート回路ND7の出力信号が“0”、ANDゲート回路AD7の出力信号が“1”のとき、書き込みビット線BL3には、書き込みビット線ドライバ/シンカー29Aから書き込みビット線ドライバ/シンカー31へ向う書き込み電流が流れる。
【0348】
また、NANDゲート回路ND11の出力信号が“0”、ANDゲート回路AD3の出力信号が“1”のとき、書き込みビット線BL3には、書き込みビット線ドライバ/シンカー31から書き込みビット線ドライバ/シンカー29Aへ向う書き込み電流が流れる。
【0349】
また、NANDゲート回路ND8の出力信号が“0”、ANDゲート回路AD8の出力信号が“1”のとき、書き込みビット線BL4には、書き込みビット線ドライバ/シンカー29Aから書き込みビット線ドライバ/シンカー31へ向う書き込み電流が流れる。
【0350】
また、NANDゲート回路ND12の出力信号が“0”、ANDゲート回路AD4の出力信号が“1”のとき、書き込みビット線BL4には、書き込みビット線ドライバ/シンカー31から書き込みビット線ドライバ/シンカー29Aへ向う書き込み電流が流れる。
【0351】
書き込みビット線ドライバ/シンカー29A,31においては、書き込み動作時、書き込み信号WRITEは、“1”となる。また、選択されたカラムでは、上位カラムアドレス信号の全てのビット、即ち、カラムアドレス信号のうち下位2ビットCA0,CA1を除いたカラムアドレス信号の全てのビットが“1”となる。
【0352】
下位カラムアドレス信号CA0,CA1は、選択されたカラム内の4本の書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4のうちの1本を選択するための信号である。選択されたビット線には、書き込みデータDATAの値に応じた向きを有する書き込み電流が流れる。
【0353】
選択されたカラム内の選択された書き込みビット線に流れる書き込み電流の向きは、書き込みデータDATAの値に応じて決定される。
【0354】
例えば、書き込みビット線BL1が選択されているとき(CA0=“0”,CA1=“0”のとき)、書き込みデータDATAが“1”であると、NANDゲート回路ND5の出力信号が“0”となり、ANDゲート回路AD5の出力信号が“1”となる。その結果、書き込みビット線BL1には、書き込みビット線ドライバ/シンカー29Aから書き込みビット線ドライバ/シンカー31へ向う書き込み電流が流れる。
【0355】
逆に、書き込みデータDATAが“0”であると、NANDゲート回路ND9の出力信号が“0”となり、ANDゲート回路AD1の出力信号が“1”となる。その結果、書き込みビット線BL1には、書き込みビット線ドライバ/シンカー31から書き込みビット線ドライバ/シンカー29Aへ向う書き込み電流が流れる。
【0356】
また、書き込みビット線BL2が選択されているとき(CA0=“1”,CA1=“0”のとき)、書き込みデータDATAが“1”であると、NANDゲート回路ND6の出力信号が“0”となり、ANDゲート回路AD6の出力信号が“1”となる。その結果、書き込みビット線BL2には、書き込みビット線ドライバ/シンカー29Aから書き込みビット線ドライバ/シンカー31へ向う書き込み電流が流れる。
【0357】
逆に、書き込みデータDATAが“0”であると、NANDゲート回路ND10の出力信号が“0”となり、ANDゲート回路AD2の出力信号が“1”となる。その結果、書き込みビット線BL2には、書き込みビット線ドライバ/シンカー31から書き込みビット線ドライバ/シンカー29Aへ向う書き込み電流が流れる。
【0358】
また、書き込みビット線BL3が選択されているとき(CA0=“0”,CA1=“1”のとき)、書き込みデータDATAが“1”であると、NANDゲート回路ND7の出力信号が“0”となり、ANDゲート回路AD7の出力信号が“1”となる。その結果、書き込みビット線BL3には、書き込みビット線ドライバ/シンカー29Aから書き込みビット線ドライバ/シンカー31へ向う書き込み電流が流れる。
【0359】
逆に、書き込みデータDATAが“0”であると、NANDゲート回路ND11の出力信号が“0”となり、ANDゲート回路AD3の出力信号が“1”となる。その結果、書き込みビット線BL3には、書き込みビット線ドライバ/シンカー31から書き込みビット線ドライバ/シンカー29Aへ向う書き込み電流が流れる。
【0360】
また、書き込みビット線BL4が選択されているとき(CA0=“1”,CA1=“1”のとき)、書き込みデータDATAが“1”であると、NANDゲート回路ND8の出力信号が“0”となり、ANDゲート回路AD8の出力信号が“1”となる。その結果、書き込みビット線BL4には、書き込みビット線ドライバ/シンカー29Aから書き込みビット線ドライバ/シンカー31へ向う書き込み電流が流れる。
【0361】
逆に、書き込みデータDATAが“0”であると、NANDゲート回路ND12の出力信号が“0”となり、ANDゲート回路AD4の出力信号が“1”となる。その結果、書き込みビット線BL4には、書き込みビット線ドライバ/シンカー31から書き込みビット線ドライバ/シンカー29Aへ向う書き込み電流が流れる。
【0362】
(3) 読み出しワード線ドライバ
図36及び図37は、読み出しワード線ドライバの回路例を示している。
読み出しワード線ドライバは、構造例1,2,6,7に適用する場合と構造例3,4,5,8に適用する場合とで回路構造が異なる。
【0363】
図36は、構造例1,2,6,7に適用される読み出しワード線ドライバの一例を示している。
読み出しワード線ドライバ23B−1は、ANDゲート回路AD9から構成される。ANDゲート回路AD9には、読み出し信号READ及びロウアドレス信号が入力される。
【0364】
読み出し信号は、読み出し動作時に、“1”となる信号である。ロウアドレス信号は、書き込みワード線ドライバ/シンカー(図33)におけるロウアドレス信号と同じである。
【0365】
読み出し動作時、選択されたロウでは、ロウアドレス信号の全ビットは、“1”となるため、読み出しワード線RWL1の電位は、“1”となる。
【0366】
図37は、構造例3,4,5,8に適用される読み出しワード線ドライバの一例を示している。
読み出しワード線ドライバ23B−1は、NANDゲート回路ND13から構成される。NANDゲート回路ND13には、読み出し信号READ及びロウアドレス信号が入力される。
【0367】
読み出し信号は、読み出し動作時に、“1”となる信号である。ロウアドレス信号は、書き込みワード線ドライバ/シンカー(図33)におけるロウアドレス信号と同じである。
【0368】
読み出し動作時、選択されたロウでは、ロウアドレス信号の全ビットは、“1”となるため、読み出しワード線RWL1の電位は、“0”となる。
【0369】
(4) カラムデコーダ
図38及び図39は、カラムデコーダの回路例を示している。
カラムデコーダ32,32A,32Bは、ANDゲート回路AD10から構成される。ANDゲート回路AD10には、読み出し信号READ及び上位カラムアドレス信号が入力される。読み出し信号は、読み出し動作時に、“1”となる信号である。また、選択されたカラムでは、上位カラムアドレス信号の全ビットは、“1”となる。
【0370】
従って、カラムデコーダ32,32Aは、その出力信号であるカラム選択信号CSLjの電位を“1”とし、カラムデコーダ32Bは、その出力信号であるデコード信号DL1の電位を“1”とする。
【0371】
(5) 読み出し回路
図40は、読み出し回路の回路例を示している。
本例では、1カラム内において、読み出しブロック内には、4つのTMR素子が配置され、かつ、TMR素子は、それぞれ独立に読み出しビット線に接続されることを前提とする。つまり、1カラム内には、4本の読み出しビット線が配置され、これら読み出しビット線は、カラム選択スイッチを経由して、読み出し回路29Bに接続される。
【0372】
本例の読み出し回路29Bは、読み出しデータを1ビットずつ出力する1ビットタイプ磁気ランダムアクセスメモリに適用される。
【0373】
従って、読み出し回路29Bは、4つのセンスアンプ&バイアス回路29B11,29B12,29B13,29B14と、セレクタ29B2と、出力バッファ29B3とを有している。
【0374】
読み出し動作時、選択された読み出しブロックの4つのTMR素子から同時に読み出しデータが読み出される。これら4つの読み出しデータは、センスアンプ&バイアス回路29B11,29B12,29B13,29B14に入力され、センスされる。
【0375】
セレクタ29B2は、カラムアドレス信号の下位2ビットCA0,CA1に基づいて、センスアンプ&バイアス回路29B11,29B12,29B13,29B14から出力される4つの読み出しデータのうちの1つを選択する。選択された読み出しデータは、出力バッファ29B3を経由し、出力データとして、磁気ランダムアクセスメモリから出力される。
【0376】
ところで、本例では、読み出し回路29Bを1ビットタイプ磁気ランダムアクセスメモリに適用することを前提とした。
【0377】
しかし、例えば、読み出し回路29Bを、読み出しデータを4ビットずつ出力する4ビットタイプ磁気ランダムアクセスメモリに適用する場合には、セレクタ29B2は、不要となる。反面、出力バッファ29B3については、センスアンプ&バイアス回路29B11,29B12,29B13,29B14に対応させて、4つ必要となる。
【0378】
図41は、4ビットタイプ磁気ランダムアクセスメモリに適用される読み出し回路の回路例を示している。
読み出し回路29Bは、4つのセンスアンプ&バイアス回路29B11,29B12,29B13,29B14と、4つの出力バッファ29B31,29B32,29B33,29B34とを有している。
【0379】
読み出し動作時、選択された読み出しブロックの4つのTMR素子から同時に読み出しデータが読み出される。これら4つの読み出しデータは、センスアンプ&バイアス回路29B11,29B12,29B13,29B14に入力され、センスされる。
【0380】
そして、センスアンプ&バイアス回路29B11,29B12,29B13,29B14の出力データは、出力バッファ29B31,29B32,29B33,29B34を経由し、磁気ランダムアクセスメモリから出力される。
【0381】
図42は、センスアンプ&バイアス回路の回路例を示している。
このセンスアンプ&バイアス回路は、図40及び図41の4つのセンスアンプ&バイアス回路のうちの1つに対応している。
【0382】
センスアンプS/Aは、例えば、差動アンプから構成される。
【0383】
電源端子VDDとカラム選択スイッチ29Cとの間には、PチャネルMOSトランジスタQP14とNチャネルMOSトランジスタQN13とが直列に接続される。オペアンプOPのマイナス側入力端子は、ノードn2に接続され、その出力端子は、NチャネルMOSトランジスタQN13のゲートに接続され、そのプラス側入力端子には、クランプ電位VCが入力される。
【0384】
オペアンプOPは、ノードn2の電位をクランプ電位VCに等しくする役割を果たす。クランプ電位VCの値は、所定の正の値に設定される。
【0385】
定電流源Isは、読み出し電流Ireadを生成する。読み出し電流Ireadは、PチャネルMOSトランジスタQP13,QP14からなるカレントミラー回路を経由して、ビット線BLiに流れる。例えば、差動アンプからなるセンスアンプは、読み出し電流Ireadが流れているときのノードn1の電位に基づいて、メモリセル(TMR素子)のデータをセンスする。
【0386】
図43は、センスアンプの回路例を示している。図44は、センスアンプのリファレンス電位生成回路の回路例を示している。
センスアンプS/Aは、例えば、差動アンプから構成される。センスアンプS/Aは、ノードn1の電位Vn1とリファレンス電位Vrefとを比較する。
【0387】
リファレンス電位Vrefは、“1”データを記憶するTMR素子と“0”データを記憶するTMR素子とから生成される。
【0388】
電源端子VDDと“1”データを記憶するTMR素子との間には、PチャネルMOSトランジスタQP16及びNチャネルMOSトランジスタQN14,QN15が直列に接続される。また、電源端子VDDと“0”データを記憶するTMR素子との間には、PチャネルMOSトランジスタQP17及びNチャネルMOSトランジスタQN16,QN17が直列に接続される。
【0389】
PチャネルMOSトランジスタQP16,QP17のドレインは、互いに接続され、また、NチャネルMOSトランジスタQN15,QN17のドレインも、互いに接続される。
【0390】
オペアンプOPは、ノードn4の電位をクランプ電位VCに等しくする役割を果たす。定電流源Is2は、読み出し電流Ireadを生成する。読み出し電流Ireadは、PチャネルMOSトランジスタQP15,QP16からなるカレントミラー回路を経由して、“1”データを記憶するTMR素子及び“0”データを記憶するTMR素子に流れる。
【0391】
リファレンス電位Vrefは、ノードn3から出力される。
【0392】
ここで、Is1=Is2、トランジスタQP13,QP14,QP15,QP16,QP17を同一サイズ、トランジスタQN13,QN14,QN16を同一サイズ、並びに、トランジスタQN15,QN17及びCSL1,CSL2,・・・が入力されるNチャネルMOSトランジスタを同一サイズとすると、Vrefは、“1”データを出力するときのVn1の電位と“0”データを出力するときのVn1の電位のちょうど中間の値にすることができる。
【0393】
図45は、図42及び図44のオペアンプOPの回路例を示している。
オペアンプOPは、PチャネルMOSトランジスタQP18,QP19及びNチャネルMOSトランジスタQN18,QN19、QN20から構成される。イネーブル信号Enableが“H”になると、オペアンプOPは、動作状態となる。
【0394】
5. 製造方法
本発明の磁気ランダムアクセスメモリのセルアレイ構造、読み出し動作原理、及び、読み出し回路については、上述した通りである。そこで、最後に、本発明の磁気ランダムアクセスメモリを実現するための製造方法について説明する。
【0395】
以下に説明する製造方法は、構造例1に関するものである。但し、構造例2〜8についても、以下の製造方法を使用して簡単に形成することができる。
【0396】
即ち、構造例2は、構造例1に対して、読み出し選択スイッチの向きが異なるだけであり、また、構造例3,4は、構造例1に対して、読み出し選択スイッチに接続される配線の種類
(目的)が異なるだけだからである。また、構造例5〜8は、構造例1に対して、読み出し選択スイッチを構成する素子が異なるに過ぎない。
【0397】
(1) 対象となるセルアレイ構造
まず、本発明の製造方法により完成されるセルアレイ構造について簡単に説明する。その後、そのセルアレイ構造の製造方法について説明する。
【0398】
図46は、構造例1に関するセルアレイ構造を示している。
このセルアレイ構造では、縦積みされた4つのTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4により、1つの読み出しブロックが構成される。
【0399】
半導体基板51の表面領域には、読み出し選択スイッチ(MOSトランジスタ)RSWが配置される。カラム方向に隣接する2つの読み出しブロック内の読み出し選択スイッチRSWは、1つのソースを互いに共有している。読み出し選択スイッチRSWのソースは、ソース線SLに接続される。ソース線SLは、例えば、Y方向に一直線に延び、1カラム内に配置される複数の読み出しブロックの読み出し選択スイッチRSWに共通に接続される。
【0400】
読み出し選択スイッチ(MOSトランジスタ)RSWのゲートは、読み出しワード線RWL1,RWL2,RWL3となっている。読み出しワード線RWL1,RWL2,RWL3は、X方向に延びている。読み出し選択スイッチRSW上には、それぞれ、4個のTMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4が積み重ねられている。
【0401】
TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4は、例えば、図7、図8又は図9に示すような構造を有する。TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の上下方向の向きは、例えば、自由層(記憶層)がなるべく書き込みワード線と読み出し/書き込みビット線から等距離となるように設定し、その容易軸は、例えば、X方向に平行となるようにし設定する。
【0402】
TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の下面は、下部電極に接続される。下部電極は、コンタクトプラグにより、読み出し選択スイッチ(MOSトランジスタ)RSWのドレインに接続される。
【0403】
TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の直下には、X方向に延びる書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4が配置される。TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の上面は、Y方向に延びる読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4に接触している。
【0404】
半導体基板51の上部からセルアレイ構造を見た場合に、例えば、TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4は、互いにオーバーラップするようにレイアウトされる。また、書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4についても、互いにオーバーラップするようにレイアウトされる。さらに、読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4についても、互いにオーバーラップするようにレイアウトされる。
【0405】
TMR素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の一端を読み出し選択スイッチRSWのドレインに接続するためのコンタクトプラグは、書き込みワード線WWL1,WWL2,WWL3,WWL4や読み出し/書き込みビット線BL1,BL2,BL3,BL4とオーバーラップしないような位置にレイアウトされる。
【0406】
(2) 製造方法の各ステップ
以下、図46のセルアレイ構造を実現するための製造方法について説明する。ここでは、具体化された製造方法(例えば、デュアルダマシンプロセスの採用など)を説明するので、図46のセルアレイ構造にない要素についても説明されることに留意する。但し、最終的に完成するセルアレイ構造の概略は、図46のセルアレイ構造とほぼ同じとなる。
【0407】
[1] 素子分離ステップ
まず、図47に示すように、半導体基板51内に、STI(Shallow Trench Isolation)構造の素子分離絶縁層52を形成する。
【0408】
素子分離絶縁層52は、例えば、以下のようなプロセスにより形成できる。
【0409】
PEP(Photo Engraving Process)により、半導体基板51上にマスクパターン(窒化シリコンなど)を形成する。このマスクパターンをマスクにして、RIE(Reactive Ion Etching)を用いて半導体基板51をエッチングし、半導体基板51にトレンチを形成する。例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法及びCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いて、このトレンチ内に絶縁層(酸化シリコンなど)を満たす。
【0410】
この後、必要ならば、例えば、イオン注入法により、半導体基板内に、P型不純物(B、BF2など)又はN型不純物(P,Asなど)を注入し、P型ウェル領域又はN型ウェル領域を形成する。
【0411】
[2] MOSFETの形成ステップ
次に、図48に示すように、半導体基板51の表面領域に、読み出し選択スイッチとして機能するMOSトランジスタを形成する。
【0412】
MOSトランジスタは、例えば、以下のようなプロセスにより形成できる。
【0413】
素子分離絶縁層52に取り囲まれた素子領域内のチャネル部に、MOSトランジスタの閾値を制御するための不純物をイオン注入する。熱酸化法により、素子領域内にゲート絶縁膜(酸化シリコンなど)53を形成する。CVD法により、ゲート絶縁膜53上に、ゲート電極材料(不純物を含むポリシリコンなど)及びキャップ絶縁膜(窒化シリコンなど)55を形成する。
【0414】
PEPにより、キャップ絶縁膜55をパターニングした後、このキャップ絶縁膜55をマスクにして、RIEにより、ゲート電極材料及びゲート絶縁膜53を加工(エッチング)する。その結果、半導体基板51上に、X方向に延びるゲート電極54が形成される。
【0415】
キャップ絶縁膜55及びゲート電極54をマスクにして、イオン注入法を用いて、半導体基板51内に、P型不純物又はN型不純物を注入する。そして、半導体基板内に、低濃度の不純物領域(LDD領域又はエクステンション領域)を形成する。
【0416】
CVD法により、半導体基板51上の全体に、絶縁膜(窒化シリコンなど)を形成した後、RIEにより、その絶縁膜をエッチングし、ゲート電極54及びキャップ絶縁膜55の側壁に、サイドウォール絶縁層57を形成する。キャップ絶縁膜55、ゲート電極54及びサイドウォール絶縁層57をマスクにして、イオン注入法を用いて、半導体基板51内に、P型不純物又はN型不純物を注入する。その結果、半導体基板51内には、ソース領域56A及びドレイン領域56Bが形成される
この後、CVD法により、半導体基板51上の全体に、MOSトランジスタを完全に覆う層間絶縁膜(例えば、酸化シリコンなど)58を形成する。また、CMP技術を利用することによって、層間絶縁膜58の表面を平坦化する。
【0417】
[3] コンタクトホールの形成ステップ
次に、図49及び図50に示すように、半導体基板51上の層間絶縁膜58に、MOSトランジスタのソース領域56A及びドレイン領域56Bに到達するコンタクトホール59を形成する。
【0418】
コンタクトホール59は、例えば、PEPにより、層間絶縁膜58上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、RIEにより、層間絶縁膜58をエッチングすれば、容易に形成することができる。このエッチング後、レジストパターンは、除去される。
【0419】
[4] 配線溝の形成ステップ
次に、図51に示すように、半導体基板51上の層間絶縁膜58に、配線溝60を形成する。本例では、配線溝60は、Y方向に延びているが、同一断面(Y方向に延びる直線によりデバイスを切断した場合の断面)内に、ソース領域56A上のコンタクトホール59とドレイン領域56B上のコンタクトホール59と配線溝60とが同時に表れることはない。
【0420】
そこで、図51では、配線溝60を破線で表している。
【0421】
配線溝60は、例えば、PEPにより、層間絶縁膜58上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、RIEにより、層間絶縁膜58をエッチングすれば、容易に形成することができる。このエッチング後、レジストパターンは、除去される。
【0422】
[5] 第1配線層の形成ステップ
次に、図52に示すように、例えば、スパッタ法を用いて、層間絶縁膜58上、コンタクトホール59の内面上及び配線溝60の内面上に、それぞれ、バリアメタル層(TiとTiNの積層など)61を形成する。続けて、例えば、スパッタ法により、バリアメタル層61上に、コンタクトホール59及び配線溝60を完全に満たす金属層(Wなど)62を形成する。
【0423】
この後、図53に示すように、例えば、CMP法を用いて、金属層62を研磨し、金属層62を、コンタクトホール59内及び配線溝60内のみに残す。コンタクトホール59内に残存した金属層62は、コンタクトプラグ62Aとなり、配線溝60内に残存した金属層62は、第1配線層(ソース線、デコード線など)62Bとなる。また、CVD法により、層間絶縁膜58上に、層間絶縁膜(酸化シリコンなど)63を形成する。
【0424】
コンタクトホールの形成ステップ、配線溝の形成ステップ及び第1配線層の形成ステップからなるステップは、デュアルダマシンプロセスと呼ばれる。
【0425】
なお、実際は、同一断面(Y方向に延びる直線によりデバイスを切断した場合の断面)内に、コンタクトプラグ62Aと第1配線62Bが同時に表れることはない。しかし、図53及びこれから述べる図54以降の図においては、コンタクトプラグ62Aに加えて、実際には、断面として表れない第1配線62Bも示すことにする。
【0426】
[6] 配線溝の形成ステップ
次に、図54に示すように、層間絶縁膜63に、配線溝64を形成する。本例では、配線溝64は、書き込みワード線を形成するための溝となっており、X方向に延びている。配線金属として銅(Cu)を用いた場合、配線溝64の側面には、銅の拡散防止と酸化防止のためのサイドウォール絶縁層(窒化シリコンなど)65が形成される。
【0427】
配線溝64は、例えば、PEPにより、層間絶縁膜63上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、RIEにより、層間絶縁膜63をエッチングすれば、容易に形成することができる。このエッチング後、レジストパターンは、除去される。
【0428】
サイドウォール絶縁層65は、CVD法により、層間絶縁膜63上の全体に、絶縁膜(窒化シリコンなど)を形成した後、RIEにより、その絶縁膜をエッチングすることにより、容易に形成することができる。
【0429】
[7] 第2配線層の形成ステップ
次に、図55に示すように、例えば、スパッタ法を用いて、層間絶縁膜63上、配線溝64の内面上及びサイドウォール絶縁層65上に、それぞれ、バリアメタル層(TaとTaNの積層など)66を形成する。続けて、例えば、スパッタ法により、バリアメタル層66上に、配線溝64を完全に満たす金属層(Al,Cuなど。Cuの場合は、スパッタ法に代えて電解メッキ法を使用する。)67を形成する。
【0430】
この後、図56に示すように、例えば、CMP法を用いて、金属層67を研磨し、金属層67を、配線溝64内のみに残す。配線溝64内に残存した金属層67は、書き込みワード線として機能する第2配線層となる。
【0431】
また、CVD法により、層間絶縁膜63上に絶縁層(窒化シリコンなど)68を形成する。また、CMP法により、この絶縁層68を研磨し、この絶縁層68を、第2配線層としての金属層67上に残存させる。また、層間絶縁膜63上に、第2配線層としての金属層67を完全に覆う層間絶縁膜(酸化シリコンなど)69を形成する。
【0432】
配線溝の形成ステップ及び第2配線層の形成ステップからなるステップは、ダマシンプロセスと呼ばれる。
【0433】
[8] 第1MTJ素子の下部電極の形成ステップ
次に、図57及び図58に示すように、層間絶縁膜69に、第1配線層としての金属層62A,62Bに到達するコンタクトホールを形成する。
【0434】
このコンタクトホールは、例えば、PEPにより、層間絶縁膜69上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、RIEにより、層間絶縁膜63,69をエッチングすれば、容易に形成することができる。このエッチング後、レジストパターンは、除去される。
【0435】
また、例えば、スパッタ法を用いて、コンタクトホールの内面上にバリアメタル層(TiとTiNの積層など)70を形成する。続けて、例えば、スパッタ法により、バリアメタル層70上に、コンタクトホールを完全に満たす金属層(Wなど)71を形成する。
【0436】
この後、例えば、CMP法を用いて、金属層71を研磨し、金属層71を、コンタクトホール内のみに残す。コンタクトホール内に残存した金属層71は、コンタクトプラグとなる。また、CVD法により、層間絶縁膜69上に、第1MTJ素子の下部電極となる金属層(Taなど)72を形成する。
【0437】
[9] 第1MTJ素子の形成ステップ
次に、図59及び図60に示すように、金属層72上に、第1MTJ素子73を形成する。第1MTJ素子73は、トンネルバリア及びこれを挟み込む2つの強磁性層を主要部として構成され、例えば、図7に示すような構造を有している。
【0438】
また、第1MTJ素子73の下部電極72をパターニングする。
【0439】
第1MTJ素子73の下部電極72のパターニングは、PEPにより、下部電極72上にレジストパターンを形成した後、このレジストパターンをマスクにして、RIEにより、下部電極72をエッチングすることにより、容易に行える。この後、レジストパターンは、除去される。
【0440】
この後、CVD法を用いて、第1MTJ素子73を完全に覆う層間絶縁膜75を形成する。
【0441】
[10] 配線溝の形成ステップ
次に、図61に示すように、層間絶縁膜75に、配線溝75Aを形成する。本例では、配線溝75Aは、読み出し/書き込みビット線を形成するための溝となっており、Y方向に延びている。配線金属として銅(Cu)を用いた場合、配線溝75Aの側面には、銅の拡散防止と酸化防止のためのサイドウォール絶縁層(窒化シリコンなど)が形成される。
【0442】
配線溝75Aは、例えば、PEPにより、層間絶縁膜75上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、RIEにより、層間絶縁膜75をエッチングすれば、容易に形成することができる。このエッチング後、レジストパターンは、除去される。
【0443】
サイドウォール絶縁層は、CVD法により、層間絶縁膜75上の全体に、絶縁膜(窒化シリコンなど)を形成した後、RIEにより、その絶縁膜をエッチングすることにより、容易に形成することができる。
【0444】
[11] 第3配線層の形成ステップ
次に、図62に示すように、例えば、スパッタ法を用いて、層間絶縁膜75上、配線溝75Aの内面上及びサイドウォール絶縁層上に、それぞれ、バリアメタル層(TaとTaNの積層など)76を形成する。続けて、例えば、スパッタ法により、バリアメタル層76上に、配線溝75Aを完全に満たす金属層(Al,Cuなど。Cuの場合は、スパッタ法に代えて電解メッキ法を使用する。)77を形成する。
【0445】
この後、図63に示すように、例えば、CMP法を用いて、金属層77を研磨し、金属層77を、配線溝75A内のみに残す。配線溝75A内に残存した金属層77は、読み出し/書き込みビット線として機能する第3配線層となる。
【0446】
また、CVD法により、層間絶縁膜75上に絶縁層(窒化シリコンなど)78を形成する。また、CMP法により、この絶縁層78を研磨し、この絶縁層78を、第3配線層としての金属層77上に残存させる。また、層間絶縁膜75上に、第3配線層としての金属層77を完全に覆う層間絶縁膜(酸化シリコンなど)79を形成する。
【0447】
[12] 配線溝の形成ステップ
次に、図64に示すように、層間絶縁膜79に、配線溝87を形成する。本例では、配線溝87は、書き込みワード線を形成するための溝となっており、X方向に延びている。配線金属として銅(Cu)を用いた場合、配線溝87の側面には、銅の拡散防止と酸化防止のためのサイドウォール絶縁層(窒化シリコンなど)88が形成される。
【0448】
配線溝87は、例えば、PEPにより、層間絶縁膜86上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、RIEにより、層間絶縁膜86をエッチングすれば、容易に形成することができる。このエッチング後、レジストパターンは、除去される。
【0449】
サイドウォール絶縁層88は、CVD法により、層間絶縁膜86上の全体に、絶縁膜(窒化シリコンなど)を形成した後、RIEにより、その絶縁膜をエッチングすることにより、容易に形成することができる。
【0450】
[13] 第4配線層の形成ステップ
次に、図65に示すように、例えば、スパッタ法を用いて、層間絶縁膜79上、配線溝87の内面上及びサイドウォール絶縁層88上に、それぞれ、バリアメタル層(TaとTaNの積層など)89を形成する。続けて、例えば、スパッタ法により、バリアメタル層89上に、配線溝87を完全に満たす金属層(Al,Cuなど。Cuの場合は、スパッタ法に代えて電解メッキ法を使用する。)91を形成する。
【0451】
この後、図66に示すように、例えば、CMP法を用いて、金属層91を研磨し、金属層91を、配線溝87内のみに残す。配線溝87内に残存した金属層91は、書き込みワード線として機能する第4配線層となる。
【0452】
また、CVD法により、層間絶縁膜86上に絶縁層(窒化シリコンなど)92を形成する。また、CMP法により、この絶縁層92を研磨し、この絶縁層92を、第4配線層としての金属層91上に残存させる。また、層間絶縁膜86上に、第4配線層としての金属層91を完全に覆う層間絶縁膜(酸化シリコンなど)93を形成する。
【0453】
[14] 第2MTJ素子の下部電極の形成ステップ
次に、図67及び図68に示すように、層間絶縁膜79,93に、第1MTJ素子の下部電極72に到達するコンタクトホールを形成する。
【0454】
このコンタクトホールは、例えば、PEPにより、層間絶縁膜93上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、RIEにより、層間絶縁膜79,93をエッチングすれば、容易に形成することができる。このエッチング後、レジストパターンは、除去される。
【0455】
また、例えば、スパッタ法を用いて、コンタクトホールの内面上にバリアメタル層(TiとTiNの積層など)94を形成する。続けて、例えば、スパッタ法により、バリアメタル層94上に、コンタクトホールを完全に満たす金属層(Wなど)95を形成する。
【0456】
この後、例えば、CMP法を用いて、金属層95を研磨し、金属層95を、コンタクトホール内のみに残す。コンタクトホール内に残存した金属層95は、コンタクトプラグとなる。また、スパッタ法により、層間絶縁膜93上に、第2MTJ素子の下部電極となる金属層(Taなど)96を形成する。
【0457】
[15] 第2MTJ素子の形成ステップ
次に、図69及び図70に示すように、金属層96上に、第2MTJ素子97を形成する。第2MTJ素子97は、トンネルバリア及びこれを挟み込む2つの強磁性層を主要部として構成され、例えば、図7に示すような構造を有している。
【0458】
また、第2MTJ素子97の下部電極96をパターニングする。
【0459】
第2MTJ素子97の下部電極96のパターニングは、PEPにより、下部電極96上にレジストパターンを形成した後、このレジストパターンをマスクにして、RIEにより、下部電極96をエッチングすることにより、容易に行える。この後、レジストパターンは、除去される。
【0460】
この後、CVD法を用いて、第2MTJ素子97を完全に覆う層間絶縁膜100を形成する。
【0461】
[16] 配線溝の形成ステップ
次に、図71に示すように、層間絶縁膜100に、配線溝100Aを形成する。本例では、配線溝100Aは、読み出し/書き込みビット線を形成するための溝となっており、Y方向に延びている。配線金属として銅(Cu)を用いた場合、配線溝100Aの側面には、銅の拡散防止と酸化防止のためのサイドウォール絶縁層(窒化シリコンなど)が形成される。
【0462】
配線溝100Aは、例えば、PEPにより、層間絶縁膜100上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、RIEにより、層間絶縁膜100をエッチングすれば、容易に形成することができる。このエッチング後、レジストパターンは、除去される。
【0463】
サイドウォール絶縁層は、CVD法により、層間絶縁膜100上の全体に、絶縁膜(窒化シリコンなど)を形成した後、RIEにより、その絶縁膜をエッチングすることにより、容易に形成することができる。
【0464】
[17] 第5配線層の形成ステップ
次に、図72に示すように、例えば、スパッタ法を用いて、層間絶縁膜100上、配線溝100Aの内面上及びサイドウォール絶縁層上に、それぞれ、バリアメタル層(TaとTaNの積層など)101を形成する。続けて、例えば、スパッタ法により、バリアメタル層101上に、配線溝100Aを完全に満たす金属層(Al,Cuなど。Cuの場合は、スパッタ法に代えて電解メッキ法を使用する。)102を形成する。
【0465】
この後、図73に示すように、例えば、CMP法を用いて、金属層102を研磨し、金属層102を、配線溝100A内のみに残す。配線溝100A内に残存した金属層102は、読み出し/書き込みビット線として機能する第5配線層となる。
【0466】
また、CVD法により、層間絶縁膜100上に絶縁層(窒化シリコンなど)103を形成する。また、CMP法により、この絶縁層103を研磨し、この絶縁層103を、第5配線層としての金属層102上に残存させる。また、層間絶縁膜100上に、第5配線層としての金属層102を完全に覆う層間絶縁膜(酸化シリコンなど)104を形成する。
【0467】
[18] 配線溝の形成ステップ
次に、図74に示すように、層間絶縁膜104に、配線溝112を形成する。本例では、配線溝112は、書き込みワード線を形成するための溝となっており、X方向に延びている。配線金属として銅(Cu)を用いた場合、配線溝112の側面には、銅の拡散防止と酸化防止のためのサイドウォール絶縁層(窒化シリコンなど)113が形成される。
【0468】
配線溝112は、例えば、PEPにより、層間絶縁膜104上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、RIEにより、層間絶縁膜104をエッチングすれば、容易に形成することができる。このエッチング後、レジストパターンは、除去される。
【0469】
サイドウォール絶縁層113は、CVD法により、層間絶縁膜104上の全体に、絶縁膜(窒化シリコンなど)を形成した後、RIEにより、その絶縁膜をエッチングすることにより、容易に形成することができる。
【0470】
[19] 第6配線層の形成ステップ
次に、図75に示すように、例えば、スパッタ法を用いて、層間絶縁膜104上、配線溝112の内面上及びサイドウォール絶縁層113上に、それぞれ、バリアメタル層(TaとTaNの積層など)114を形成する。続けて、例えば、スパッタ法により、バリアメタル層114上に、配線溝112を完全に満たす金属層(Al,Cuなど。Cuの場合は、スパッタ法に代えて、電解メッキ法を使用する。)115を形成する。
【0471】
この後、図76に示すように、例えば、CMP法を用いて、金属層115を研磨し、金属層115を、配線溝112内のみに残す。配線溝112内に残存した金属層115は、書き込みワード線として機能する第6配線層となる。
【0472】
また、CVD法により、層間絶縁膜104上に絶縁層(窒化シリコンなど)116を形成する。また、CMP法により、この絶縁層116を研磨し、この絶縁層116を、第6配線層としての金属層115上に残存させる。また、層間絶縁膜104上に、第6配線層としての金属層115を完全に覆う層間絶縁膜(酸化シリコンなど)117を形成する。
【0473】
[20] 第3MTJ素子の下部電極の形成ステップ
次に、図77及び図78に示すように、層間絶縁膜100,104に、第2MTJ素子の下部電極96に到達するコンタクトホールを形成する。
【0474】
このコンタクトホールは、例えば、PEPにより、層間絶縁膜104上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、RIEにより、層間絶縁膜100,104をエッチングすれば、容易に形成することができる。このエッチング後、レジストパターンは、除去される。
【0475】
また、例えば、スパッタ法を用いて、コンタクトホールの内面上にバリアメタル層(TiとTiNの積層など)118を形成する。続けて、例えば、スパッタ法により、バリアメタル層118上に、コンタクトホールを完全に満たす金属層(Wなど)119を形成する。
【0476】
この後、例えば、CMP法を用いて、金属層119を研磨し、金属層119を、コンタクトホール内のみに残す。コンタクトホール内に残存した金属層119は、コンタクトプラグとなる。また、スパッタ法により、層間絶縁膜117上に、第3MTJ素子の下部電極となる金属層(Taなど)120を形成する。
【0477】
[21] 第3MTJ素子の形成ステップ
次に、図79及び図80に示すように、金属層120上に、第3MTJ素子121を形成する。第3MTJ素子121は、トンネルバリア及びこれを挟み込む2つの強磁性層を主要部として構成され、例えば、図7に示すような構造を有している。
【0478】
また、第3MTJ素子121の下部電極120をパターニングする。
【0479】
第3MTJ素子121の下部電極120のパターニングは、PEPにより、下部電極120上にレジストパターンを形成した後、このレジストパターンをマスクにして、RIEにより、下部電極120をエッチングすることにより、容易に行える。この後、レジストパターンは、除去される。
【0480】
この後、CVD法を用いて、第3MTJ素子121を完全に覆う層間絶縁膜122を形成する。
【0481】
[22] 配線溝の形成ステップ
次に、図81に示すように、層間絶縁膜122に、配線溝122Aを形成する。本例では、配線溝122Aは、読み出し/書き込みビット線を形成するための溝となっており、Y方向に延びている。配線金属として銅(Cu)を用いた場合、配線溝122Aの側面には、銅の拡散防止と酸化防止のためのサイドウォール絶縁層(窒化シリコンなど)が形成される。
【0482】
配線溝122Aは、例えば、PEPにより、層間絶縁膜122上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、RIEにより、層間絶縁膜122をエッチングすれば、容易に形成することができる。このエッチング後、レジストパターンは、除去される。
【0483】
サイドウォール絶縁層は、CVD法により、層間絶縁膜122上の全体に、絶縁膜(窒化シリコンなど)を形成した後、RIEにより、その絶縁膜をエッチングすることにより、容易に形成することができる。
【0484】
[23] 第7配線層の形成ステップ
次に、図82に示すように、例えば、スパッタ法を用いて、層間絶縁膜122上、配線溝122Aの内面上及びサイドウォール絶縁層上に、それぞれ、バリアメタル層(TaとTaNの積層など)123を形成する。続けて、例えば、スパッタ法により、バリアメタル層123上に、配線溝122Aを完全に満たす金属層(Al,Cuなど。Cuの場合には、スパッタ法に代えて電解メッキ法を使用する。)124を形成する。
【0485】
この後、図83に示すように、例えば、CMP法を用いて、金属層124を研磨し、金属層124を、配線溝122A内のみに残す。配線溝122A内に残存した金属層124は、読み出し/書き込みビット線として機能する第7配線層となる。
【0486】
また、CVD法により、層間絶縁膜122上に絶縁層(窒化シリコンなど)125を形成する。また、CMP法により、この絶縁層125を研磨し、この絶縁層125を、第7配線層としての金属層124上に残存させる。また、層間絶縁膜122上に、第7配線層としての金属層124を完全に覆う層間絶縁膜(酸化シリコンなど)126を形成する。
【0487】
[24] 配線溝の形成ステップ
次に、図84に示すように、層間絶縁膜126に、配線溝127を形成する。本例では、配線溝127は、書き込みワード線を形成するための溝となっており、X方向に延びている。配線金属として銅(Cu)を用いた場合、配線溝127の側面には、銅の拡散防止と酸化防止のためのサイドウォール絶縁層(窒化シリコンなど)128が形成される。
【0488】
配線溝127は、例えば、PEPにより、層間絶縁膜126上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、RIEにより、層間絶縁膜126をエッチングすれば、容易に形成することができる。このエッチング後、レジストパターンは、除去される。
【0489】
サイドウォール絶縁層128は、CVD法により、層間絶縁膜126上の全体に、絶縁膜(窒化シリコンなど)を形成した後、RIEにより、その絶縁膜をエッチングすることにより、容易に形成することができる。
【0490】
[25] 第8配線層の形成ステップ
次に、図85に示すように、例えば、スパッタ法を用いて、層間絶縁膜126上、配線溝127の内面上及びサイドウォール絶縁層128上に、それぞれ、バリアメタル層(TaとTaNの積層など)129を形成する。続けて、例えば、スパッタ法により、バリアメタル層129上に、配線溝127を完全に満たす金属層(Al,Cuなど。Cuの場合には、スパッタ法に代えて電解メッキ法を使用する。)130を形成する。
【0491】
この後、図86に示すように、例えば、CMP法を用いて、金属層130を研磨し、金属層130を、配線溝127内のみに残す。配線溝127内に残存した金属層130は、書き込みワード線として機能する第8配線層となる。
【0492】
また、CVD法により、層間絶縁膜126上に絶縁層(窒化シリコンなど)131を形成する。また、CMP法により、この絶縁層131を研磨し、この絶縁層131を、第8配線層としての金属層130上に残存させる。また、層間絶縁膜126上に、第8配線層としての金属層130を完全に覆う層間絶縁膜(酸化シリコンなど)132を形成する。
【0493】
[26] 第4MTJ素子の下部電極の形成ステップ
次に、図87及び図88に示すように、層間絶縁膜122,126に、第3MTJ素子の下部電極120に到達するコンタクトホールを形成する。
【0494】
このコンタクトホールは、例えば、PEPにより、層間絶縁膜126上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、RIEにより、層間絶縁膜122,126をエッチングすれば、容易に形成することができる。このエッチング後、レジストパターンは、除去される。
【0495】
また、例えば、スパッタ法を用いて、コンタクトホールの内面上にバリアメタル層(TiとTiNの積層など)133を形成する。続けて、例えば、スパッタ法により、バリアメタル層133上に、コンタクトホールを完全に満たす金属層(Wなど)134を形成する。
【0496】
この後、例えば、CMP法を用いて、金属層134を研磨し、金属層134を、コンタクトホール内のみに残す。コンタクトホール内に残存した金属層134は、コンタクトプラグとなる。また、スパッタ法により、層間絶縁膜132上に、第4MTJ素子の下部電極となる金属層(Taなど)135を形成する。
【0497】
[27] 第4MTJ素子の形成ステップ
次に、図89及び図90に示すように、金属層135上に、第4MTJ素子136を形成する。第4MTJ素子136は、トンネルバリア及びこれを挟み込む2つの強磁性層を主要部として構成され、例えば、図7に示すような構造を有している。
【0498】
また、第4MTJ素子136の下部電極135をパターニングする。
【0499】
第4MTJ素子136の下部電極135のパターニングは、PEPにより、下部電極135上にレジストパターンを形成した後、このレジストパターンをマスクにして、RIEにより、下部電極135をエッチングすることにより、容易に行える。この後、レジストパターンは、除去される。
【0500】
この後、CVD法を用いて、第4MTJ素子136を完全に覆う層間絶縁膜137を形成する。
【0501】
[28] 配線溝の形成ステップ
次に、図91に示すように、層間絶縁膜137に、配線溝137Aを形成する。本例では、配線溝137Aは、読み出し/書き込みビット線を形成するための溝となっており、Y方向に延びている。配線金属として銅(Cu)を用いた場合、配線溝137Aの側面には、銅の拡散防止と酸化防止のためのサイドウォール絶縁層(窒化シリコンなど)が形成される。
【0502】
配線溝137Aは、例えば、PEPにより、層間絶縁膜137上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして、RIEにより、層間絶縁膜137をエッチングすれば、容易に形成することができる。このエッチング後、レジストパターンは、除去される。
【0503】
サイドウォール絶縁層は、CVD法により、層間絶縁膜137上の全体に、絶縁膜(窒化シリコンなど)を形成した後、RIEにより、その絶縁膜をエッチングすることにより、容易に形成することができる。
【0504】
[29] 第9配線層の形成ステップ
次に、図92に示すように、例えば、スパッタ法を用いて、層間絶縁膜137上、配線溝137Aの内面上及びサイドウォール絶縁層上に、それぞれ、バリアメタル層(TaとTaNの積層など)138を形成する。続けて、例えば、スパッタ法により、バリアメタル層138上に、配線溝137Aを完全に満たす金属層(Al,Cuなど。Cuの場合には、スパッタ法に代えて電解メッキ法を使用する。)139を形成する。
【0505】
この後、図93及び図94に示すように、例えば、CMP法を用いて、金属層139を研磨し、金属層139を、配線溝137A内のみに残す。配線溝137A内に残存した金属層139は、読み出し/書き込みビット線として機能する第9配線層となる。
【0506】
また、CVD法により、層間絶縁膜137上に絶縁層(窒化シリコンなど)140を形成する。また、CMP法により、この絶縁層140を研磨し、この絶縁層140を、第9配線層としての金属層139上に残存させる。
【0507】
最後に、例えば、層間絶縁膜137上に、第9配線層としての金属層139を完全に覆う層間絶縁膜(酸化シリコンなど)を形成する。
【0508】
(3) まとめ
この製造方法によれば、読み出しブロックが複数段に積み重ねられた複数のTMR素子から構成され、かつ、これら複数のTMR素子がそれぞれ独立に読み出しビット線に接続されるセルアレイ構造(1スイッチ−nMTJ構造)を実現することができる。
【0509】
なお、本例では、配線層を形成するに当たって、ダマシンプロセス及びデュアルダマシンプロセスを採用したが、これに代えて、例えば、配線層の加工をエッチングにより行うプロセスを採用してもよい。
【0510】
6. その他
上述の説明では、磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルとして、TMR素子を用いることを前提としたが、メモリセルがGMR(Giant Magneto Resistance)素子である場合にも、本発明、即ち、各種のセルアレイ構造、読み出し動作原理、読み出し回路の具体例などを適用することができる。
【0511】
また、TMR素子やGMR素子の構造や、これらを構成する材料などについても、本発明の適用に当たって、特に、限定されることはない。
【0512】
磁気ランダムアクセスメモリの読み出し選択スイッチとしては、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタ及びダイオードの場合について説明したが、これ以外のスイッチ素子、例えば、MIS(Metal Insulator Semiconductor)トランジスタ(MOSFETを含む)、MES(Metal Semiconductor)トランジスタ、接合(Junction)トランジスタなどを、読み出し選択スイッチとして用いることもできる。
【0513】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、第一に、メモリ容量の増大に適した新規なセルアレイ構造を有する磁気ランダムアクセスメモリ及びその製造方法を提供できる。また、第二に、その新規なセルアレイ構造に適した高速読み出しが可能な新規な読み出し動作原理を提供できる。さらに、第三に、その新規な読み出し動作原理を実現するための読み出し回路を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例1に関わる回路図。
【図2】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例1に関わる回路図。
【図3】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例1の変形例に関わる回路図。
【図4】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例1に関わる断面図。
【図5】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例1に関わる断面図。
【図6】構造例1のTMR素子及びその近傍のレイアウトを示す平面図。
【図7】TMR素子の構造例を示す図。
【図8】TMR素子の構造例を示す図。
【図9】TMR素子の構造例を示す図。
【図10】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例2に関わる回路図。
【図11】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例2に関わる断面図。
【図12】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例2に関わる断面図。
【図13】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例3に関わる回路図。
【図14】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例3に関わる回路図。
【図15】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例3の変形例に関わる回路図。
【図16】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例3の変形例に関わる回路図。
【図17】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例3に関わる断面図。
【図18】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例3に関わる断面図。
【図19】構造例3のTMR素子及びその近傍のレイアウトを示す平面図。
【図20】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例4に関わる回路図。
【図21】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例4に関わる断面図。
【図22】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例4に関わる断面図。
【図23】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例5に関わる回路図。
【図24】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例5に関わる断面図。
【図25】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例5に関わる断面図。
【図26】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例6に関わる回路図。
【図27】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例6に関わる断面図。
【図28】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例6に関わる断面図。
【図29】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例7に関わる回路図。
【図30】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例7に関わる断面図。
【図31】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例8に関わる回路図。
【図32】本発明の磁気ランダムアクセスメモリの構造例8に関わる断面図。
【図33】書き込みワード線ドライバ/シンカーの回路例を示す図。
【図34】書き込みビット線ドライバ/シンカーの回路例を示す図。
【図35】書き込みビット線ドライバ/シンカーの回路例を示す図。
【図36】読み出しワード線ドライバの回路例を示す図。
【図37】読み出しワード線ドライバの回路例を示す図。
【図38】カラムデコーダの回路例を示す図。
【図39】カラムデコーダの回路例を示す図。
【図40】読み出し回路の回路例を示す図。
【図41】読み出し回路の回路例を示す図。
【図42】センスアンプ&バイアス回路の回路例を示す図。
【図43】センスアンプの回路例を示す図。
【図44】リファレンス電位生成回路の回路例を示す図。
【図45】オペアンプの回路例を示す図。
【図46】本発明の製造方法が適用されるデバイス構造を示す図。
【図47】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図48】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図49】本発明の製造方法の1ステップを示す平面図。
【図50】図49のL−L線に沿う断面図。
【図51】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図52】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図53】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図54】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図55】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図56】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図57】本発明の製造方法の1ステップを示す平面図。
【図58】図57のLVIII−LVIII線に沿う断面図。
【図59】本発明の製造方法の1ステップを示す平面図。
【図60】図59のLX−LX線に沿う断面図。
【図61】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図62】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図63】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図64】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図65】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図66】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図67】本発明の製造方法の1ステップを示す平面図。
【図68】図67のLXVIII−LXVIII線に沿う断面図。
【図69】本発明の製造方法の1ステップを示す平面図。
【図70】図69のLXX−LXX線に沿う断面図。
【図71】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図72】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図73】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図74】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図75】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図76】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図77】本発明の製造方法の1ステップを示す平面図。
【図78】図77のLXXVIII−LXXVIII線に沿う断面図。
【図79】本発明の製造方法の1ステップを示す平面図。
【図80】図79のLXXX−LXXX線に沿う断面図。
【図81】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図82】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図83】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図84】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図85】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図86】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図87】本発明の製造方法の1ステップを示す平面図。
【図88】図87のLXXXVIII−LXXXVIII線に沿う断面図。
【図89】本発明の製造方法の1ステップを示す平面図。
【図90】図89のXL−XL線に沿う断面図。
【図91】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図92】本発明の製造方法の1ステップを示す断面図。
【図93】本発明の製造方法の1ステップを示す平面図。
【図94】図93のXCIV−XCIV線に沿う断面図。
【図95】構造例1に関わるメモリの回路構造の変形例を示す図。
【図96】構造例1に関わるメモリの回路構造の変形例を示す図。
【図97】構造例1に関わるメモリのデバイス構造の変形例を示す図。
【図98】構造例1に関わるメモリのデバイス構造の変形例を示す図。
【図99】構造例1に関わるメモリのデバイス構造の変形例を示す図。
【図100】構造例1に関わるメモリのデバイス構造の変形例を示す図。
【図101】構造例2に関わるメモリの回路構造の変形例を示す図。
【図102】構造例2に関わるメモリのデバイス構造の変形例を示す図。
【図103】構造例2に関わるメモリのデバイス構造の変形例を示す図。
【図104】構造例2に関わるメモリのデバイス構造の変形例を示す図。
【図105】構造例2に関わるメモリのデバイス構造の変形例を示す図。
【図106】構造例3に関わるメモリの回路構造の変形例を示す図。
【図107】構造例3に関わるメモリの回路構造の変形例を示す図。
【図108】構造例3に関わるメモリのデバイス構造の変形例を示す図。
【図109】構造例3に関わるメモリのデバイス構造の変形例を示す図。
【図110】構造例3に関わるメモリのデバイス構造の変形例を示す図。
【図111】構造例3に関わるメモリのデバイス構造の変形例を示す図。
【図112】構造例4に関わるメモリの回路構造の変形例を示す図。
【図113】構造例4に関わるメモリのデバイス構造の変形例を示す図。
【図114】構造例4に関わるメモリのデバイス構造の変形例を示す図。
【図115】構造例4に関わるメモリのデバイス構造の変形例を示す図。
【図116】構造例4に関わるメモリのデバイス構造の変形例を示す図。
【符号の説明】
11 :メモリセルアレイ、
12 :TMR素子、
23A−1,・・・23A−n :書き込みワード線ドライバ、
24−1,・・・24−n :書き込みワード線シンカー、
25−1,・・・25−n :ロウデコーダ、
29A :書き込みビット線ドライバ/シンカー、
29B :読み出し回路、
29B11,・・・29B14 :センスアンプ&バイアス回路、
29B2 :セレクタ、
29B3 :出力バッファ、
29C :カラム選択スイッチ、
30 :共通データ線、
31 :書き込みビット線ドライバ/シンカー、
32 :カラムデコーダ、
41,51 :半導体基板、
42A,・・・42E :コンタクトプラグ、
43 :中間層、
44A,・・・44D :下部電極、
52 :素子分離絶縁層、
53 :ゲート絶縁膜、
54 :ゲート電極、
55 :キャップ絶縁膜、
56A :ソース領域、
56B :ドレイン領域、
57,65,88 :サイドウォール絶縁層、
58,63,69,75,79,93,100,104,122,126,137 :層間絶縁膜、
59 :コンタクトホール、
60,64,75A,87,100A,112,122A,127,137A:配線溝、
61,66,70,76,80,89,94,114,118,123,129,138 :バリアメタル層、
62,67,71,77,81,90,95,115,119,124,130,139 :金属層、
68,78,92,103,116,125,131,140 :絶縁層、
73,97,108,120,136 :MTJ素子、
72,96,121,135 :下部電極、
MTJ1,・・・MTJ4 :TMR素子(MTJ素子)、
BK11,・・・BKjn :読み出しブロック、
WWL4(n−1)+1,・・・WWL4(n−1)+4 :書き込みワード線、
RWL1,・・・RWLn :読み出しワード線、
BL1,・・・BLj :読み出し/書き込みビット線、
QP1,・・・QP19 :PチャネルMOSトランジスタ、
QN1,・・・QN20 :NチャネルMOSトランジスタ、
AD1,・・・AD10 :AND回路、
ND1,・・・ND12 :NAND回路、
INV1,・・・INV8 :インバータ回路、
OP :オペアンプ、
Is1,Is2 :定電流源、
RSW :読み出し選択スイッチ、
BSW :ブロック選択スイッチ。
Claims (5)
- 磁気抵抗効果を利用してデータを記憶する複数のメモリセルからなる読み出しブロックと、前記複数のメモリセルの一端に1つずつ独立に接続される複数のビット線と、前記複数のビット線の各々に1つずつ独立に接続される複数のバイアス回路と、前記複数のメモリセルの他端に共通に接続される読み出し選択スイッチとを有する磁気ランダムアクセスメモリの読み出し方法において、前記複数のバイアス回路により前記複数のビット線にバイアス電位を与えた状態で、前記複数のメモリセルに同時に読み出し電流を流すステップと、前記読み出し電流に基づいて前記複数のメモリセルのデータを検出するステップとを具備することを特徴とする磁気ランダムアクセスメモリの読み出し方法。
- 前記複数のメモリセルのデータは、複数のセンスアンプにより同時に検出されることを特徴とする請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリの読み出し方法。
- 前記複数のメモリセルの状態にかかわらず、前記複数のビット線に同一のバイアス電位を与えることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ランダムアクセスメモリの読み出し方法。
- 前記データの検出は、前記読み出し電流から生成される読み出し電位とリファレンス電位を比較することにより行い、前記リファレンス電位は、前記複数のメモリセルと同じ構造を有する抵抗素子を用いて生成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の磁気ランダムアクセスメモリの読み出し方法。
- 前記複数のメモリセルは、半導体基板上に積み重ねられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁気ランダムアクセスメモリの読み出し方法。
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