JP3886781B2 - トナー、プロセス及び潜像の現像プロセス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電画像形成プロセスでの使用に適したトナーに関する。詳細には、本発明は、トナー粒子が摩擦帯電されるプロセス及びトナー粒子が非磁性誘導帯電プロセスによって帯電されるプロセスを含む、エレクトログラフ、電子写真、粒子線写真等のプロセスで使用可能なトナー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
パウダー現像システムは、通常、トナー粒子が摩擦電気的に付着した磁性キャリヤ粒子を現像材料が含む二成分と、一般的にトナーのみを用いる一成分との2つに分類される。トナー粒子が潜像に引き付けられ、トナーパウダー画像を形成する。電子写真のパウダー現像システムの動作寛容度は、かなりの程度、トナー粒子が静電画像に供給される容易さによって決定される。電界を介した移動及び像様現像を可能にするために粒子に電荷を与えることは、摩擦電気的に実現される場合が最も多い。
【0003】
電子写真コピー/プリントシステムにおける静電画像は、一般的に、摩擦電気の現象によって帯電された非磁性絶縁性トナーを用いて現像される。摩擦帯電は、二成分現像システムではトナーをより大きなキャリヤビードと共に混合することにより、また一成分システムではブレードとドナーロールとの間でトナーを擦ることにより行われる。
【0004】
摩擦電気はよく理解されないことがしばしばであり、材料に強く左右されるために予測不可能なことが多い。例えば、材料に左右されることにより、カスタム色を作るためにブレンド可能な摩擦電気的に適合するカラートナーのセットの識別が困難となる。更に、パウダーベースの電子写真現像システムを用いて“オフセット”プリント品質を可能にするためには、小さなトナー粒子(直径約5ミクロン)が望まれる。摩擦帯電された小さなトナーの機能性は既に実証されているが、そのようなシステムの長期の安定性及び信頼性に関する懸念が残っている。
【0005】
加えて、トナーの帯電に摩擦電気を用いる現像システムは、二成分(トナー及びキャリヤ)であろうと一成分(トナーのみ)であろうと、トナー粒子表面の電荷の分布にばらつきを示す傾向がある。この電荷分布のばらつきにより、粒子の表面電荷密度が局所的に高くなることから、静電気的な付着力が高くなる。特に現像ステップにおけるトナーの付着力は、トナーの放出を阻害することにより性能を制限することがある。より高い画質を可能とするためにトナーの粒径が小さくされると、摩擦帯電された粒子の電荷Q、及び現像電界Eによって粒子に作用する除去力(F=QE)は、粒子の表面積に概ね比例して低下する。一方、表面との接触点又はその付近の粒子の帯電領域によって左右される摩擦帯電されたトナーの静電付着力は、サイズの減少にともない、それほど急速には低下しない。このいわゆる“帯電パッチ”効果は、摩擦帯電されたより小さな粒子の開発及び制御を遥かに困難にする。
【0006】
摩擦帯電されたトナーに基づく現像システムに伴う限界を避けるために、トナー材料に対する寛容度がより高い、より安定した現像システムを可能とするには、非摩擦トナー帯電システムが望ましいことがある。誘導帯電に基づく従来の一成分現像(SCD)システムは、背景領域への付着を抑制するために、磁性を与えられたトナーを用いている。そのようなSCDシステムで、(摩擦電気的トナー帯電現像システムを用いる電子写真システムで実施されているように)画像の電界とは反対の極性の電界を用いることによって、背景領域への付着の抑制を試みると、画像のトナーとは反対の極性のトナーが誘導帯電され、背景領域に付着する。この問題を回避するために、背景領域の電界は一般的にゼロ付近に設定される。帯電されていないトナーの背景領域への付着を防止するために、現像ロール内に磁石を組み込むことによって磁力が与えられるよう、トナーに磁性材料を含有させる。相対湿度が高いと導電性(黒色)トナーが静電気力によって用紙に効率的に転写されないことがあるので、このタイプのSCDシステムは、転写溶融(transfuse)プロセスも含むプリント装置によく用いられる。電気受容体上に静電画像を形成するために電子ビームを用いる幾つかのプリント装置も、導電性の磁性(黒色)トナーによるSCDシステムを用いている。これらの装置では、トナーは低温高圧システムを用いて用紙に定着される。残念ながら、これらのプリントシステム用のトナー中の磁性材料には、明るい色が含まれていない。
【0007】
パウダーベースの調色システムは、オフセット、サーマルインクジェット、液体インク現像等を含む幾つかのプリント技術で用いられる液体ビヒクルの管理及び処分の必要がないので望ましい。相変化インクには液体の管理及び処分の問題はないが、インクの粘度が温度に強く左右されるという特性は、加熱/加圧溶融されたパウダートナー画像と比べると、インクバインダー材料の機械的特性を落すことがある。
【0008】
オフセット印刷で得られる文書に比肩する文書の外観を達成するには、厚みの薄い画像が望まれる。厚みの薄い画像は、小さな(約5ミクロンの)トナー粒子の単層を用いて達成できる。このトナーの粒径で、単層からそれ以下のトナーの被覆で、望ましい薄さの画像を最も良好に得ることができる。単層に満たない被覆で微小ノイズが低い画像を得るためには、トナーは微視的なスケールで概ね秩序ある配列となっているのが好ましい。
【0009】
今日まで、少なくとも幾分の望ましくない光の吸収を有していない磁性材料は調製されていない。従って、カラー画像形成の用途において最良の色領域(ガマット)を達成するには、非磁性トナーが望ましい。
【0010】
誘導的トナー帯電機構を用いるプリントプロセスでは、トナーはある程度の導電性を有しているべきである。しかし、誘導帯電された導電性トナーは、相対湿度が高い場合には、静電気力による用紙への効率的な転写が困難となり得る。従って、一般的に、トナーは(加熱された)用紙に流動学的に転写されるのが好ましい。
【0011】
高速プリントを可能にするマーキングプロセスも、かなりの価値を有する。
【0012】
導電性トナー粒子は、例えば米国特許第3,639,245号、第3,563,734号、欧州特許第0,441,426号、仏国特許第1,456,993号、英国特許第1,406,983号に記載されている画像形成プロセスにおいても有用である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
公知の組成物及びプロセスは、それらに意図された目的に対しては適しているが、マーキングプロセスの改良の必要性は残っている。更に、静電画像形成プロセスの改良の必要性が残っている。また、誘導帯電可能であると共に静電潜像の現像に使用可能なトナーの必要性が残っている。加えて、トナーとキャリヤとを摩擦帯電させる必要がない、静電潜像の現像に使用可能なトナーの必要性が残っている。また、磁性を持たずに、誘導帯電プロセスに用いるのに十分な導電性を有するトナーの必要性がある。また、制御され、安定し、予測可能な、誘導的帯電を可能とする導電性非磁性トナーの必要性がある。更に、広範な様々な色のものが入手可能な、誘導帯電可能な導電性非磁性トナーの必要性がある。また、静電画像の均一な現像を可能とする、誘導帯電可能な導電性非磁性トナーの必要性がある。また、高品質のフルカラー及びカスタム又はハイライトカラー画像の現像を可能とする、誘導帯電可能な導電性非磁性トナーの必要性がある。更に、透明な光透過性のカラー画像の生成を可能とする、誘導帯電可能な導電性非磁性トナーの必要性がある。更に、電子ビーム画像形成プロセスを用いるプリント装置における使用に適したトナーの必要性がある。また、一成分現像画像形成プロセスを用いるプリント装置における使用に適したトナーの必要性がある。また、比較的簡単且つ安価な方法で調製できる、誘導帯電可能な導電性非磁性トナーの必要性がある。また、トナーが、導電性ポリマーで包まれ且つ該導電性ポリマーが粒子表面に化学的に結合されている樹脂粒子から成る、誘導帯電可能な導電性非磁性トナーの必要性がある。更に、広範な様々な色のものが入手可能な、摩擦帯電可能な絶縁性トナーの必要性がある。また、静電画像の均一な現像を可能とする、摩擦帯電可能な絶縁性トナーの必要性がある。また、高品質のフルカラー及びカスタム又はハイライトカラー画像の現像を可能とする、摩擦帯電可能な絶縁性トナーの必要性がある。更に、透明な光透過性のカラー画像の生成を可能とする、摩擦帯電可能な絶縁性トナーの必要性がある。また、比較的簡単且つ安価な方法で調製できる、摩擦帯電可能な絶縁性トナーの必要性がある。加えて、導電性ポリマーで包まれ且つ該導電性ポリマーが粒子表面に化学的に結合されている樹脂粒子から成る、摩擦帯電可能な絶縁性トナーの必要性がある。また、トナー粒子を構成する樹脂や着色剤を変えることなく、所望される通りに正にも負にも帯電可能な、摩擦帯電可能な絶縁性トナーの必要性がある。更に、表面添加剤の使用や変更を必要とせずに、所望される通りに正にも負にも帯電可能な、摩擦帯電可能な絶縁性トナーの必要性がある。更に、同じ電荷均衡レベルに達することが可能な異なる色のトナーの製造を可能とし、トナーの電荷に影響を与えることなくトナー色の変更を可能とし、このように調製された異なる色のトナーのセットが、カラー画像形成プロセスにおける高品質及び均一なカラー画像の生成を可能とする、誘導帯電可能な導電性トナー及び摩擦帯電可能な絶縁性トナーの両方の必要性がある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、樹脂及び任意の着色剤の粒子から成り、前記トナー粒子にポリピロールがコーティングされているトナーに関する。本発明の別の実施形態は、(a)画像形成部材上に静電潜像を生成するステップと、(b)画像形成部材に、樹脂及び任意の着色剤から成りポリピロールがコーティングされている帯電したトナー粒子を接触させることにより、静電潜像を現像するステップとを有するプロセスに関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のトナーは、電子写真、粒子線写真、エレクトログラフ等の、従来の静電画像形成プロセスに用いることができる。これらのプロセスの幾つかの実施形態では、トナーを、摩擦帯電プロセスと共に用いる比較的絶縁性の粒子で構成することができ、その平均体積導電率の値は一般的に約10-12ジーメンス/センチメートル以下であり、好ましくは約10-13ジーメンス/センチメートル以下であると共に、一般的に約10-16ジーメンス/センチメートル以上であり、好ましくは約10-15ジーメンス/センチメートル以上であるが、導電率の値はこれらの範囲外であってもよい。“平均体積導電率”とは、電荷が粒子のペレットを通過する能力のことであり、ペレットを2つの電極間に配置して測定される。粒子の導電率は、反応時間、酸化剤及びドーパント対チオフェンモノマーのモル比、温度等といった、重合の種々の合成パラメータによって調整できる。これらの絶縁性トナー粒子は摩擦帯電され、静電潜像の現像に用いられる。
【0016】
トナー粒子が摩擦帯電される静電画像形成プロセスでトナーが用いられる本発明の実施形態では、本発明のトナーを単独で一成分現像プロセスに用いることもでき、また、キャリヤ粒子と組み合わせて二成分現像プロセスに用いることもできる。任意の適切なキャリヤ粒子をこのトナー粒子と共に用いることができる。
【0017】
本発明のトナー粒子を画像形成部材上の静電潜像に付着させるのに、任意の適切な従来の電子写真現像技術を用いることができる。周知の電子写真現像技術としては、磁気ブラシ現像法、カスケード現像法、パウダークラウド現像法等が挙げられる。
【0018】
非磁性誘導帯電法を用いる本発明の別の実施形態では、トナーは、比較的導電性の粒子で構成することができ、その平均体積導電率の値は一般的に約10-11ジーメンス/センチメートル以上であり、好ましくは約10-7ジーメンス/センチメートル以上であるが、導電率の値はこれらの範囲外であってもよい。本発明のこれらの実施形態については、導電率の上限は無い。“平均体積導電率”とは、電荷が粒子のペレットを通過する能力のことであり、ペレットを2つの電極間に配置して測定される。粒子の導電率は、反応時間、酸化剤及びドーパント対チオフェンモノマーのモル比、温度等といった、重合の種々の合成パラメータによって調整できる。これらの導電性トナー粒子は非磁性誘導帯電プロセスで帯電され、静電潜像の現像に用いられる。
【0019】
本発明は特定の実施形態に関して説明されるが、本発明をその実施形態に限定することは意図しないことを理解されたい。逆に、全ての代替例、変形例、及び同等物を、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲に含み得ることが意図される。
【0020】
電子写真プリント技術は周知であるので、以下、図1のプリント装置に用いられる種々の処理ステーションを模式的に示し、図面を参照して、それらの動作を簡単に説明する。
【0021】
まず図1を参照すると、説明的な電子写真プリント装置が示されている。このプリント装置(図示されている実施形態では電子写真プリンタであるが、粒子線写真プリンタ等の他のプリンタも適している)には、基体上に付着された光導電面層12を有する受光体10(図示されている実施形態ではベルト状であるが、ロール状、ドラム状、シート状等の他の公知の構成も適している)が組み込まれている。この基体は、接地されている導電性の薄層がコーティングされた、例えばマイラー(MYLAR)(登録商標)等のポリエステル膜でできている。このベルトはモータ54によって、ローラ49、51及び52によって定められる経路に沿って駆動され、ベルトの移動方向は、図面の矢印16で示されるように、反時計回りである。まず、ベルト10の一部分は帯電ステーションAを通過し、そこで、コロナ発生装置48が面12を比較的高く略均一な電位に帯電させる。装置48には高電圧電源50が接続されている。
【0022】
次に、光導電面12の帯電部分は前進し、露光ステーションBを通る。図示されている実施形態では、帯電ステーションBで、ラスタ出力スキャナ(ROS)56が、処理方向に垂直な一連の走査線で光導電面を走査する。各走査線は、1インチ当たり特定の数の画素を有する。ROSは、処理方向に垂直な走査を与えるレーザ及び回転ポリゴンミラーを含む。ROSは、帯電した光導電面12を像様に露光する。原稿の光レンズ露光等の他の露光方法も適している。
【0023】
光導電面12上に静電潜像が記録されたら、ベルト10はその静電潜像を、図1に示されている現像ステーションCに進める。現像ステーションCでは、現像システム、即ち現像ユニット44が、光導電面に記録された潜像を現像する。現像ハウジング内のチャンバには、供給される現像材料が収容されている。現像材料が、摩擦帯電される絶縁性のトナー粒子から成る本発明の実施形態では、現像ユニット44に、現像剤がトナー粒子及びキャリヤ粒子で構成される二成分現像、又はトナー粒子のみが用いられる一成分現像を選択できる。現像材料が、誘導帯電される導電性又は半導電性のトナー粒子から成る本発明の実施形態では、現像材料は、現像ゾーンに送られる前に、誘電的にオーバーコーティングされたドナーロール上で誘導帯電される、非磁性導電性トナーで構成される一成分現像剤である。現像材料は、2つ以上の異なる色の乾燥粉末トナーで構成されるカスタムカラーであってもよい。
【0024】
再び図1を参照すると、静電潜像の現像後、ベルト10は現像された画像を転写ステーションDに進める。転写は、画像形成部材から紙や透明シート等の受像シートや基体へと直接行われてもよく、又は、画像形成部材から中間媒体へ転写し、続いて中間媒体から受像シートや基体へと行われてもよい。図示されている実施形態では、転写ステーションDで、現像された画像4は、加熱された転写溶融(transfuse)ベルト又はロール100に粘性転写される。柔軟なベルト又はドラムのカバーリングは、一般的に、厚く(1.3ミリメートル)柔らかい(IRHD硬度約40)シリコンゴムで構成される。(より薄く、より硬いゴムは、寛容度のトレードオフを生じる。このゴムは、信頼性の向上のために、薄いVITON(登録商標)トップコートを有していてもよい。)転写溶融ベルト又はロールが約120℃の温度に保たれる場合は、受光体から転写溶融ベルト又はドラムへのトナーの粘性転写は、約50ポンド/平方インチのニップ圧で達成できる。トナー着色された画像は、受光体−転写溶融ベルト間のニップから、転写溶融ベルト100とローラ68との間に形成された転写溶融ベルト−媒体間の転写溶融ニップへと進み、転写溶融ベルトの120℃までの温度によってトナーが軟化される。ガイド66内でヒータ200によって約85℃に予熱された受像シート64が、ロール62及びガイド66によって進められ、ロール100上で現像された画像と接触させられると、受像シートへの画像の転写溶融が、約100ポンド/平方インチのニップ圧で達成される。なお、トナーとロールとの界面でトナーを離すために、ロールに少量のシリコンオイルをしみ込ませて、ロール100からトナーが離れ易くしてもよい。この柔軟なシリコン材料の大部分は、電荷の蓄積を放散するために導電性のカーボンブラックも含有している。図1からわかるように、残存トナー及び繊維屑を除去するために、転写溶融ベルト材料用のクリーナー210が設けられている。オプションとして、顧客が、画像の所望の光沢レベルを選択するために、艶出しステーション(図示せず)を用いる場合もある。
【0025】
現像された画像がベルト10の光導電面12から転写されたら、光導電面12に付着している残存現像材料は、光導電面12と接触する、クリーニングステーションEの回転繊維ブラシによって除去される。クリーニングに続いて、放電ランプ(図示せず)が光導電面12に光を浴びせ、次の連続画像形成サイクルのために光導電面12が帯電される前に、光導電面12に残っている残存静電荷を放散する。
【0026】
次に図2を参照すると、本発明の、ハウジング44内のトナーが誘導帯電される特定の実施形態を示している。ドナー42が矢印69の方向に回転すると、電圧DCD300がドナーロールに印加され、所望の極性のトナーを静電気的にベルト10に転移させると同時に、画像形成されたベルト10の非画像領域におけるトナーの転移を防止する。ドナーロール42は、少なくとも部分的に、非磁性導電性トナーを収容している現像剤ハウジング44のチャンバ内に取り付けられている。現像剤ハウジング44のチャンバは供給されるトナーを収容しており、トナーはドナーロール42と接触している。ドナーロール42は、例えば、薄い(50ミクロン)誘電性の絶縁層がオーバーコーティングされた、導電性のアルミニウムのコアであってもよい。現像剤ハウジング44とドナーロール42との間に印加される電圧DCL302は、非磁性導電性トナーを誘導帯電させると共に、誘電的にオーバーコーティングされたドナーロールにトナーを装填する。
【0027】
次々と静電潜像が現像されると、現像剤ハウジング44内のトナー粒子が減る。トナーディスペンサ(図示せず)は、補給用のトナー粒子を収容している。このトナーディスペンサは、ハウジング44と連通している。チャンバ内のトナー粒子のレベルが減少すると、トナーディスペンサから新しいトナー粒子が供給される。
【0028】
誘電的にオーバーコーティングされたドナーロール42上への、誘導帯電された導電性トナーの最大装填量は、ほぼトナーの単層に制限されるのが好ましい。電圧DCL302が約100ボルトを超えていれば、単層装填は本質的にバイアスレベルに左右されない。しかし、トナーの単層に誘導される電荷は、電圧DCL302に比例する。従って、ドナーロール42に装填されるトナーの電荷対質量比率は、電圧DCL302によって制御できる。例えば、誘電的オーバーコーティングの厚さが25ミクロンのドナーロール42に導電性トナーを装填するために−200ボルトのDCL電圧を印加すると、トナーの電荷対質量比率は−17マイクロクーロン/グラムである。
【0029】
トナーが装填されたドナーが図2の矢印69で示される方向に回転する際、現像ゾーン310に入る前に、ドナーロール42上のトナー層をならすのが望ましい。トナー層ならし装置の目的は、単層を超える過剰なトナーを除去することである。トナー層ならし装置が無い場合、現像ゾーンでトナーどうしが接触すると、符号(極性)が反対のトナーを生じて非画像領域への付着を引き起こすことがある。トナー層ならし装置400は図2に示されている。この特定の例では、電圧DCC304にバイアスされた、オーバーコーティングされた柔軟なロールを用いている。電荷の蓄積の放散を可能にするために、オーバーコーティング材料は電荷の緩和が可能なものである。電圧DCC304は、電圧DCL302よりも高く設定される。このバイアス電圧条件下で、ドナーロール42とならしロール400が同期して接触すると、ドナーロール42上の層の中のトナーの上に載っているトナーは、反対の極性に誘導帯電され、ロール400に付着する。ならしロール400のドクターブレードが、付着したトナーを連続的に除去する。
【0030】
ドナー42が矢印69で示される方向に更に回転すると、この時点で誘導帯電され且つならされたトナー層が、ドナー42と受光体ベルト10との同期接触によって定められる現像ゾーン310内へと移動する。画像領域では、潜像によって生じる電界によって、ドナーロール上のトナー層が受光体上へと現像される。非画像領域では、この電界がトナーの付着を防ぐ。一般的に、誘導帯電された導電性トナーの付着力は、摩擦帯電されたトナーの付着力よりも小さいので、現像ゾーンで静電潜像を現像するために必要なのはDC電界のみである。DC電界は、DC電圧であるDCD300及びDCL302、並びに光導電体10上の潜像の静電電位によって与えられる。
【0031】
ドナーロール42は高い絶縁性を有する材料でオーバーコーティングされているので、長期にわたる現像システムの運転で、オーバーコーティング面に望ましくない電荷が蓄積し得る。いかなる電荷の蓄積も解消するために、電荷中和装置を用いてもよい。そのような装置の一例が図2に示されており、それにより、回転静電気ブラシ315が、トナーが付着したドナーロールと接触する。ブラシ315の電圧は、ドナーロール42のコアに印加される電圧と同じか又はその近辺に設定される。
【0032】
非磁性誘導帯電の長所は、現像ゾーンに入る前に導電性非磁性トナーを予備帯電させることにより、背景トナーの防止及び画像領域へのトナーの付着のため現像ゾーンにおいて静電力を与えられることである。誘導帯電された非磁性トナーを用いる背景制御及び画像の現像には、静電画像と接触するトナーの単層を形成するプロセスを用いる。単層のトナーによる被覆は、被覆が均一であれば、適切な画像光学濃度を与えるのに十分である。少量のトナーによる単層被覆によって、高画質のために望まれる厚みの薄い画像が可能となる。
【0033】
非磁性誘導帯電で、どのようにトナーの電荷が制御されるかを理解するために、図3は、誘電的にオーバーコーティングされた基体42上の、誘導帯電されたトナーの単層を示している。導電性トナーに電圧VAが印加されると、トナーの単層は基体に付着する。誘導帯電されたトナーの単層の平均電荷密度は、次式によって求められる。
【数1】
【0034】
式中、Tdは誘電層の厚さであり、κdは比誘電率であり、Rpは粒子半径であり、εoは自由空間の誘電率である。0.32Rpという項(経験的な研究により得たものである)は、導電性の粒子の単層と絶縁層との間の空間の平均誘電厚さを記述している。
【0035】
誘電層(κd=3.2)の厚さが25ミクロン、トナー半径が6.5ミクロン、印加電圧が−200ボルトであるとき、表面電荷密度を計算すると−18nC/cm2となる。13ミクロンの非磁性トナーの1つの正方格子に対するトナーの質量密度は約0.75mg/cm2であるので、トナーの電荷対質量比率は約−17マイクロクーロン/グラムである。トナーの帯電レベルは誘導帯電電圧及び誘電層の厚さによって制御されるので、トナーの帯電は、トナーの顔料、流動化剤、相対湿度等の他のファクターに左右されないことが期待できる。
【0036】
ドナーロール又はベルト上に、誘導帯電されたトナーの層が形成されると、帯電した層を誘電性の受像体上の静電画像と接触させることができる。図4は、予め誘導帯電された導電性の球体の単層が、ドナーロール42と受像体である誘電材料10との間に挟まれている、理想化された状況を示している。
【0037】
ドナーと受像体である導電性基体との電圧差Voから、与えられる電界の存在下で、誘導帯電されたトナーに作用する単位面積当たりの力は、次式によって求められる。
【数2】
【0038】
式中、σは誘導帯電されたトナーの単層の平均電荷密度(式1によって記述される)であり、Tr/κr及びTd/κdはそれぞれ受像体及びドナーの誘電厚さであり、Tr a及びTd aはそれぞれ受像体及びドナーのエアギャップの平均厚さであり、Voは与えられた電位であり、Ta=0.32Rp(Rpは粒子半径)であり、εoは自由空間の誘電率であり、Fr sr及びFd srはそれぞれ受像体及びドナーの界面における単位面積当たりの近達力である。受像体及びそのエアギャップの誘電厚さがドナー及びそのエアギャップの誘電厚さと等しい場合には、第1項は、近在する粒子からの静電画像の力のため、ゼロになる。これらの条件下では、受像体とドナーとの近達力の差が殆ど無い場合、トナーを受像体に転移させるための閾値印加電圧はゼロであるべきである。しかし、近達力の分布が予期される。
【0039】
非磁性誘導帯電装置の機能性を示すために、図2の現像剤システムを次の条件下でテストした。−200ボルトの電位にバイアスされたトナー(体積平均粒径13ミクロンの導電性トナー)溜めを、4.2インチ/秒の速度で移動する(裏側に接地されたアルミニウムを有する)25ミクロンの厚さのマイラー(MYLAR)(登録商標)ドナーベルトと接触するよう配置した。トナー層をならし、ゆるく付着しているトナーを除去するために、25ミクロンの厚さのマイラーで被覆されたアルミニウムロールを−300ボルトの電位にバイアスし、ドナーベルトと略同じ速度で、トナーが付着したドナーベルトと接触させた。この工程を2回繰り返し行った。次に、ならされたトナー層を、トナーが付着したドナーベルトと略同じ速度で移動する静電画像と接触させた。静電画像の電位は非画像領域においては−650ボルトであり、画像領域においては−200ボルトであった。同期接触現像の間、静電画像支持部材の基体に、+400ボルトのDC電位を与えた。適切な光学濃度及び低い背景(かぶり)を有するトナー画像を観察した。
【0040】
現像ゾーンに入る前の導電性トナーの誘導帯電に基づく非磁性誘導帯電システムは、絶縁性トナーの摩擦帯電に基づく電子写真現像システムと比べて多くの長所を提供する。トナーの導電性が十分に高ければ、トナーの帯電は誘導帯電バイアスのみに左右される。従って、帯電は、顔料や樹脂等のトナー材料の影響を受けない。更に、性能は、相対湿度等の環境条件に依存すべきではない。
【0041】
一成分現像システムにおいて、黒及び1又は複数の導電性非磁性カラートナーをブレンドすることで得られる広い色領域(ガマット)を有する複数の別々のカスタムカラーをプリントする、エレクトログラフプリントシステムにおいても、非磁性誘導帯電システムを用いることができる。一般的に、ブレンドされた導電性トナーの誘導帯電は顔料に左右されない。各静電画像は、イオンビーム又は電子ビーム画像形成(EBI:Electron Beam Imaging)を用いて形成され、別の電気受容体上で現像される。複数の画像は転写溶融ベルト又はドラム上に隣合せに粘性転写され、その後、広範な種々の媒体に、熱及び圧力によって溶融転写される。メタリック色を含むカスタムカラートナーは、9つの原色トナーのセット及び、カスタムカラーの明るさや暗さを制御するための透明及び黒色トナーから、異なる組み合わせ及び割合のトナーをブレンドすることで得られる。トナーのブレンドは、電子写真プリントシステムの外部で行われても、内部で行われてもよく、内部で行われる場合には、現場のトナーディスペンサに異なる比率のカラートナーが直接加えられる。
【0042】
図5は、そのようなカスタムカラープリント用のシステムの構成要素及びアーキテクチャを示している。図5は2つの電気受容体モジュールを示しているが、1つの文書に多くのカスタムカラーをプリントするために、更にモジュールが含まれ得ることを理解されたい。議論の目的で、第2のモジュール2は黒色トナーをプリントするものとする。この電気受容体モジュール2は、図2で説明した、非磁性導電性トナーの一成分現像(SCD)システムを用いる。しかし、黒色トナーのプリントには、電気受容体上の静電画像によって誘導帯電される磁性導電性トナーを用いる従来のSCDシステムも用いることができる。
【0043】
カスタムカラーをプリントする電気受容体モジュール1では、本明細書に参照としてその全開示を援用する米国特許第5,039,598号に教示されているように、イオン又は電子ビーム画像形成装置510を用いて、電気受容体ドラム505上に静電画像が形成される。非磁性一成分現像システムは、所望のカスタムカラーを作るためにブレンドされた(複数の)非磁性導電性トナーを含む。絶縁体をオーバーコーティングされたドナー42に、誘導帯電されたトナーブレンドが装填される。トナー層ならしステーション400は、ドナー上に誘導帯電されたトナーの単層が確実に形成されるのを助ける。(単層のトナーによる被覆は、被覆が均一であれば、適切な画像光学濃度を与えるのに十分である。少量のトナーによる単層被覆により、高画質のために望まれる厚みの薄い画像が可能となる。)ドナー上の誘導帯電されたトナーの単層は、画像形成された電気受容体505と同期接触させられる。(コピー/プリント中に、現像システムアセンブリをカムによって連結したり、連結をはずしたりして、より温かい方の電気受容体のみと接触させるようにしてもよい。)予備帯電されたトナーにより、現像ゾーンにおいて、背景トナーの防止及び画像領域へのトナーの付着のための静電力を与えることが可能となる。電気受容体上のトナー画像は、ベルト又はドラムであり得る加熱された転写溶融部材100に粘性転写される。柔軟な転写溶融ベルト又はドラムのカバーリングは、一般的に、厚く(1.3ミリメートル)柔らかい(IRHD硬度約40)シリコンゴムで構成される。より薄く、より硬いゴムは、寛容度のトレードオフを生じ得る。このゴムは、信頼性の向上のために、薄いVITON(登録商標)トップコートを有していてもよい。転写溶融ベルト/ドラムが約120℃の温度に保たれる場合は、電気受容体から転写溶融ベルト/ドラムへのトナーの粘性転写は、約50psiのニップ圧で達成できる。トナー着色された画像は、各モジュールの電気受容体−転写溶融ドラム間のニップから、転写溶融ドラム−媒体転写溶融ニップへと進み、転写溶融ベルトの約120℃の温度によってトナーが軟化される。媒体64(この説明の目的では紙とするが、他のものも使用可能である)がヒータ200によって約85℃に予熱され、媒体への画像の転写溶融が約100psiのニップ圧で達成される。トナー/ベルトの界面でトナーを離すために、ベルトに少量のシリコンオイルをしみ込ませて、シリコンベルトからトナーが離れ易くしてもよい。この柔軟なシリコン材料の大部分は、いかなる電荷の蓄積も放散するために導電性のカーボンブラックも含有している。図5からわかるように、残存トナー及び繊維屑を除去するために、転写溶融ドラム材料用のクリーナー210が設けられている。オプションの艶出しステーション610により、顧客は画像の所望の光沢レベルを選択することができる。次の画像形成サイクルに備えるために、電気受容体クリーナー514及び消去バー512が設けられている。
【0044】
図示されている黒色及び(1つ又は複数の)カスタムカラーをプリントするシステムは、乳化凝集プロセスによって調製されるトナーのような、より小さな(3〜10ミクロン)トナーを使用することにより、画質の向上を可能とする。
【0045】
図5に示されているモジュール1用のSCDシステムは、固有のものとして小さなトナー溜めを有することができ、これはSCDシステムで用いられるカスタムカラーの切り替えにおいて好ましい。ブレンドされたトナーの大半を、特定のブレンドの供給ボトルに戻すことができる。ハウジング内の残存トナーは、バキューミング700によって除去できる。二成分システムでは、新たなカスタムカラーのブレンドに同じキャリヤビードを用いる場合、トナーをキャリヤビードから分けなければならないので、SCDシステムの方が二成分現像システムと比べて好ましい。
【0046】
PANTONE(登録商標)カラー等の広範なカスタムカラーのガマットを可能とする9色の原色トナーのセット(並びに透明及び黒色トナー)から選択された多くのトナーをブレンドするオフラインの設備で、特定のカスタムカラーを生成することができる。SCDハウジングへの現場での追加のために原色トナーの比例量を選択する処理は、ディスペンサ600によって提供できる。色は原色の相対重量によって制御される。P1〜PNの原色を選択して、装置内のSCDハウジングにトナーを供給するためにトナーをトナーボトルに投入、又は、運転時間及び領域被覆に基づく必要量に従って周期的にSCDシステムの溜めに直接投入できる。使用前に原色トナーをブレンドするために、投入されたトナーはタンブラー回転/攪拌される。広範なカラーガマットを調製するための9色の原色トナーに加えて、グリーティングカード、招待状、名刺の用途に望まれる、メタリックトナー(導電傾向があるのでSCDプロセスに使用できる)を用いることもできる。トナーのカスタムカラーブレンドは、オフライン(画材店)でのバッチ処理で作ることができる。また、1組の原色トナーがプリンタ内の(現場での)トナー溜めに連続供給されるように構成することもできる。これにより、色の切り替えのために現場トナーの廃棄システムが備えてあれば、ダイヤルを回して所望の色を選択する(dial-a-color)システムが可能となる。
【0047】
本発明のマーキング材料は、平均粒径が一般的に約17ミクロン以下、好ましくは約15ミクロン以下、より好ましくは約14ミクロン以下であると共に、GSDの粒径分布が一般的に約1.45以下、好ましくは約1.38以下、より好ましくは約1.35以下であるトナー粒子で構成されるが、粒径及び粒径分布はこれらの範囲外であってもよい。トナー粒子が乳化凝集プロセスによって作られる場合は、本発明のトナーは、平均粒径が一般的に約13ミクロン以下、好ましくは約12ミクロン以下、より好ましくは約10ミクロン以下、更に好ましくは約7ミクロン以下であると共に、GSD粒径分布が一般的に約1.25以下、好ましくは約1.23以下、より好ましくは約1.20以下である粒子で構成されるが、粒径及び粒径分布はこれらの範囲外であってもよい。幾つかの実施形態では、たとえ乳化凝集プロセスで作られるトナーであっても、約7〜約13ミクロンの粒子のような、より大きな粒子の方が好ましい場合もある。その理由は、これらの例では、トナー粒子の表面積が粒子の質量に対して比較的小さく、それに従って、粒子の所望の導電性又は帯電を得るために使用できる導電性ポリマーの重量がトナー粒子の質量に対して低く、その結果、導電性ポリマーのシェルがより薄くなり、トナーの色に対する効果が減少するからである。トナー粒子は、樹脂及び任意の着色剤から成り、このトナー粒子にはポリチオフェンがコーティングされている。
【0048】
本発明のトナーは、エレクトログラフ、電子写真、粒子線写真等のプロセスにおいて静電画像の現像に用いることができる。本発明の別の実施形態は、(a)画像形成部材上に静電潜像を生成するステップと、(b)画像形成部材を、樹脂及び任意の着色剤から成りポリチオフェンがコーティングされている帯電したトナー粒子と接触させることにより、静電潜像を現像するステップとを有するプロセスに関する。本発明の一実施形態では、一成分現像プロセスでも二成分現像プロセスでも、トナー粒子は摩擦帯電される。本発明の別の実施形態では、トナー粒子は誘導帯電プロセスによって帯電される。誘導帯電を用いる特定の実施形態では、現像装置は、導電性トナーから成る供給される現像材料を収容するリザーバを定めるハウジングと、ドナー部材の外表面のトナーを現像ゾーンへと移送するドナー部材と、ドナー部材の外表面にトナー層を装填する手段と、現像ゾーンに入る前に、ドナー部材の外表面上のトナー層を所定の帯電レベルに誘導帯電する手段とを有する。ある特定の実施形態では、誘導帯電手段は、ドナー部材にかけられたバイアスに対してトナーリザーバをバイアスする手段を有する。別の特定の実施形態では、現像装置が、現像ゾーンにおいてトナーをドナー部材から引き離して潜像を現像するために、ドナー部材を画像形成部材と同期接触するよう移動させる手段を更に有する。更に別の特定の実施形態では、所定の帯電レベルが、約5〜約50マイクロクーロン/グラムの大きさの平均トナー電荷対質量比率を有する。本発明の更に別の特定の実施形態は、現像画像を形成するために、受像部材の表面に記録された潜像を現像するプロセスに関する。このプロセスは、(a)受像部材の表面を所定の処理速度で移動させるステップと、(b)本発明による供給用トナー粒子をリザーバに収容するステップと、(c)ドナー部材の外表面上のトナー粒子を受像部材に隣接する現像ゾーンに移送するステップと、(d)現像ゾーン入る前に、ドナー部材の外表面上のトナー粒子を所定の帯電レベルに誘導帯電するステップとを有する。特定の実施形態では、誘導帯電ステップが、ドナー部材のバイアスに相対してトナーリザーバをバイアスするステップを含む。別の特定の実施形態では、現像ゾーンにおいてトナーをドナー部材から引き離して潜像を現像するために、ドナー部材が画像形成部材と同期接触させられる。更に別の特定の実施形態では、所定の帯電レベルが、約5〜約50マイクロクーロン/グラムの大きさの平均トナー電荷対質量比率を有する。
【0049】
付着されたトナー画像を、電子写真技術で従来用いられているコロナ転写、加圧転写、粘着転写、バイアスロール転写等の任意の適切な技術によって、紙や透明材料等の受像部材に転写できる。
【0050】
転写後、転写されたトナー画像を受像シートに定着できる。定着工程も、電子写真画像形成において従来用いられているものと同一である。
【0051】
本発明のトナー粒子は、樹脂及び任意の着色剤から成る。一般的なトナー樹脂としては、ポリエステル類、ポリアミド類、エポキシ類、ポリウレタン類、ジオレフィン類、ビニル樹脂類、及び、ジカルボン酸とジフェニルを含むジオールとの高分子エステル化物類が挙げられる。ビニルモノマーの例としては、スチレン、p−クロロスチレン、ビニルナフタレンや、エチレン、プロピレン、ブチレン、及びイソブチレン等の不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、及びブチル酸ビニル等のハロゲン化ビニル類、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ドデシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−クロロエチルアクリレート、フェニルアクリレート、メチルα−クロロアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、及びブチルメタクリレート等を含むモノカルボン酸のエステル等のビニルエステル類や、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドや、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、及びビニルエチルエーテルを含むビニルエーテル類や、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、及びメチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルインドール及びN−ビニルピロリデン、本明細書にその開示の全体を参照として援用する米国特許第4,560,635号に開示されているものを含むスチレンブタジエン類や、これらのモノマーの混合物等が挙げられる。2種以上のポリマーを混合してトナー樹脂を構成してもよい。トナー中に存在する樹脂の量は任意の効果的な量であり、一般的には約75〜約98重量%、好ましくは約90〜約98重量%、より好ましくは約95〜約96重量%であるが、量はこれらの範囲外であってもよい。
【0052】
適切な着色剤の例としては、カーボンブラック、マグネタイト、フタロシアニン、2,9−ジメチル−置換キナクリドン、アントラキノン染料等の染料及び顔料、及びそれらの混合物が挙げられる。着色剤を混合して用いてもよい。トナー粒子中に任意の着色剤が存在する場合、その量は任意の所望の又は効果的な量であり、所望の粒径に応じて、一般的には少なくともトナー粒子の約1重量%、好ましくは少なくともトナー粒子の約2重量%であると共に、一般的にはトナー粒子の約25重量%以下、好ましくはトナー粒子の約15重量%以下であるが、量はこれらの範囲外であってもよい。
【0053】
本発明のトナー粒子には、ポリピロールがコーティングされている。本発明で用いられる適切なピロールの例としては、次の一般式(還元形で示す)で表されるものが挙げられる。
【化4】
【0054】
式中、R、R’及びR”はそれぞれ独立に、水素原子や、一般的に1〜約20個の炭素原子、好ましくは1〜約16個の炭素原子を有し(炭素原子数はこれらの範囲外であってもよい)線状、分岐状、飽和、不飽和、環状及び置換アルキル基を含むアルキル基、一般的に1〜約20個の炭素原子、好ましくは1〜約16個の炭素原子を有し(炭素原子数はこれらの範囲外であってもよい)線状、分岐状、飽和、不飽和、環状及び置換アルコキシ基を含むアルコキシ基、一般的に6〜約16個の炭素原子、好ましくは6〜約14個の炭素原子を有し(炭素原子数はこれらの範囲外であってもよい)置換アリール基を含むアリール基、一般的に6〜約17個の炭素原子、好ましくは6〜約15個の炭素原子を有し(炭素原子数はこれらの範囲外であってもよい)置換アリーロキシ基を含むアリーロキシ基、一般的に7〜約20個の炭素原子、好ましくは7〜約16個の炭素原子を有し(炭素原子数はこれらの範囲外であってもよい)置換アリールアルキル及び置換アルキルアリール基を含むアリールアルキル基又はアルキルアリール基、一般的に7〜約21個の炭素原子、好ましくは7〜約17個の炭素原子を有し(炭素原子数はこれらの範囲外であってもよい)置換アリールアルキロキシ及び置換アルキルアリーロキシ基を含むアリールアルキロキシ又はアルキルアリーロキシ基、ヘテロ原子が窒素、酸素、硫黄及びリンであり得るがこれらに限定されず、一般的に約4〜約6個の炭素原子、好ましくは約4〜約5個の炭素原子を有し(炭素原子数はこれらの範囲外であってもよい)置換複素環基を含む複素環基であって、R”は更に式(CxH2xO)yRで表されるオリゴエーテル基であってもよく(式中、nは1〜約6の整数であり、yは反復モノマーユニット数を表す整数で一般的に約1〜約4であり、Rは上記の定義の通りであり、R”の具体例には−(CH2CH2O)2CH2CH3、−(CH2CH2O)2CH2CH2OH、及び−(CH2)3SO3 -Na+が含まれる)、置換アルキル、置換アルコキシ、置換アリール、置換アリーロキシ、置換アリールアルキル、置換アルキルアリール、置換アリールアルキロキシ、置換アルキルアリーロキシ、及び置換複素環基における置換基は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミン基、イミン基、アンモニア基、シアノ基、ピリジン基、ピリジニウム基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、エステル基、アミド基、カルボニル基、チオカルボニル基、スルフェート基、スルホネート基、スルフィド基、スルホキシド基、ホスフィン基、ホスホニウム基、ホスフェート基、ニトリル基、メルカプト基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、アシル基、無水酸基、アジド基、及びこれらの混合物等であり得るが、これらに限定されず、2つ以上の置換基を結合して環を形成してもよい。適切なピロールの一例は、次式(還元形で示す)で表される単純なピロールである。
【化5】
【0055】
重合されたピロールは、次式(還元形で示す)で表される。
【化6】
【0056】
式中、R、R’及びR”は上記の定義の通りであり、nは反復モノマーユニット数を表す整数である。
【0057】
ピロールの特に好ましいクラスは、3,4−エチレンジオキシピロールのクラスである。還元形のポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)は次式で表される。
【化7】
【0058】
式中、R1、R2、R3、R4及びR5はそれぞれ独立に、水素原子や、一般的に1〜約20個の炭素原子、好ましくは1〜約16個の炭素原子を有し(炭素原子数はこれらの範囲外であってもよい)線状、分岐状、飽和、不飽和、環状及び置換アルキル基を含むアルキル基、一般的に1〜約20個の炭素原子、好ましくは1〜約16個の炭素原子を有し(炭素原子数はこれらの範囲外であってもよい)線状、分岐状、飽和、不飽和、環状及び置換アルコキシ基を含むアルコキシ基、一般的に6〜約16個の炭素原子、好ましくは6〜約14個の炭素原子を有し(炭素原子数はこれらの範囲外であってもよい)置換アリール基を含むアリール基、一般的に6〜約17個の炭素原子、好ましくは6〜約15個の炭素原子を有し(炭素原子数はこれらの範囲外であってもよい)置換アリーロキシ基を含むアリーロキシ基、一般的に7〜約20個の炭素原子、好ましくは7〜約16個の炭素原子を有し(炭素原子数はこれらの範囲外であってもよい)置換アリールアルキル及び置換アルキルアリール基を含むアリールアルキル基又はアルキルアリール基、一般的に7〜約21個の炭素原子、好ましくは7〜約17個の炭素原子を有し(炭素原子数はこれらの範囲外であってもよい)置換アリールアルキロキシ及び置換アルキルアリーロキシ基を含むアリールアルキロキシ又はアルキルアリーロキシ基、ヘテロ原子が窒素、酸素、硫黄及びリンであり得るがこれらに限定されず、一般的に約4〜約6個の炭素原子、好ましくは約4〜約5個の炭素原子を有し(炭素原子数はこれらの範囲外であってもよい)置換複素環基を含む複素環基であって、R5は更に式(CxH2xO)yR1で表されるオリゴエーテル基であってもよく(式中、xは1〜約6の整数であり、yは反復モノマーユニット数を表す整数で一般的に約1〜約4であり、R1は上記の定義の通りであり、R5の具体例には−(CH2CH2O)2CH2CH3、−(CH2CH2O)2CH2CH2OH、及び−(CH2)3SO3 -Na+が含まれ、これらのR5基を有する材料を調製する方法は、例えば、その開示の全体を本明細書に参照として援用する、Merz, A., Schropp, R., Dotterl, E., Synthesis, 1995, 795、 Reynolds, J. R.; Brzezinski, J., DuBois, C. J., Giurgiu, I., Kloeppner, L., Ramey,M. B., Schottland, P., Thomas, C., Tsuie, B. M., Welsh, D. M., Zong, K., Polym. Prepr. Am. Chem. Soc. Div. Polym. Chem, 1999, 40(2), 1192、及び Thomas, C. A., Zong, K., Schottland,P., Reynolds, J. R., Adv. Mater., 2000, 12(3), 222に開示されている)、置換アルキル、置換アルコキシ、置換アリール、置換アリーロキシ、置換アリールアルキル、置換アルキルアリール、置換アリールアルキロキシ、置換アルキルアリーロキシ、及び置換複素環基における置換基は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミン基、イミン基、アンモニア基、シアノ基、ピリジン基、ピリジニウム基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、エステル基、アミド基、カルボニル基、チオカルボニル基、スルフェート基、スルホネート基、スルフィド基、スルホキシド基、ホスフィン基、ホスホニウム基、ホスフェート基、ニトリル基、メルカプト基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、アシル基、無水酸基、アジド基、及びこれらの混合物等であり得るが、これらに限定されず、2つ以上の置換基を結合して環を形成してもよい。nは反復モノマーユニット数を表す整数である。
【0059】
3,4−エチレンジオキシピロールモノマー及びポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)ポリマーにおける特に好ましいR1、R2、R3及びR4基としては、水素原子、式−(CH2)nCH3(式中、nは0〜約16の整数)で表される線状アルキル基、式−(CH2)nSO3 -M+(式中、nは0〜約6の整数、Mはナトリウム、カリウム等のカチオンや他の一価のカチオン等)で表される線状アルキルスルホネート基、及び、式−(CH2)nOR3(式中、nは0〜約6の整数、R3は水素原子又は式−(CH2)mCH3(式中、nは0〜約6の整数)で表される線状アルキル基)で表される線状アルキルエーテル基が挙げられる。好ましい3,4−エチレンジオキシピロールモノマーの具体例としては、R1及びR3が水素基であり、R2及びR4が次の通りであるものが挙げられる。
【表1】
【0060】
本発明に適したポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)類及び3,4−エチレンジオキシピロールモノマー類は、例えば、Merz, A., Schropp, R., Dotterl, E., Synthesis, 1995, 795、Reynolds, J. R.; Brzezinski, J., DuBois, C. J., Giurgiu, I., Kloeppner, L., Ramey, M. B., Schottland, P., Thomas, C., Tsuie, B. M., Welsh, D. M., Zong, K., Polym. Prepr. Am. Chem. Soc. Div. Polym. Chem, 1999, 40(2), 1192、Thomas, C. A., Zong, K., Schottland, P., Reynolds, J. R., Adv. Mater., 2000, 12(3), 222、Thomas, C. A., Schottland, P., Zong, K, Reynolds, J. R., Polym. Prepr. Am. Chem. Soc. Div. Polym. Chem, 1999, 40(2), 615、及び Gaupp, C.L., Zong, K., Schottland, P., Thompson, B. C., Thomas, C. A., Reynolds, J. R., Macromolecules, 2000, 33, 1132に開示されているように調製することができる。ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)類及び3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマー類の合成は、フェイガー(Fager, E. W. J. Am. Chem. Soc. 1945, 67, 2217)、ベッカー等(Becker, H. J.; Stevens, W. Rec. Trav. Chim. 1940, 59, 435)、グハ及びイェール(Guha, P. C., Iyer, B. H.; J. Ind. Inst. Sci. 1938, A21, 115)、ゴグテ(Gogte, V. N.; Shah, L. G.; Tilak, B. D.; Gadekar, K. N.;Sahasrabudhe, M. B.; Tetrahedron, 1967, 23, 2437)、Pei, Q.; Zuccarello, G.; Ahlskog, M.; Inganas, O. Polymer, 1994, 35(7), 1347、Heywang, G.; Jonas, F. Adv. Mater. 1992, 4(2), 116、Jonas, F.; Heywang, G.; Electrochimica Acta. 1994, 39(8/9), 1345、Sankaran, B.; Reynolds, J. R.; Macromolecules, 1997, 30, 2582、Coffey, M.; McKellar, B. R.; Reinhardt, B. A.; Nijakowski, T.; Feld, W. A.; Syn. Commun., 1996, 26(11), 2205、Kumar, A.; Welsh, D. M.: Morvant, M. C.; Piroux, F.; Abboud, K. A.; Reynolds, J. R. Chem. Mater. 1998, 10, 896、Kumar, A.; Reynolds, J. R. Macromolecules, 1996, 29, 7629、Groenendaal, L.; Jonas, F.; Freitag, D.; Pielartzik, H.; Reynolds, J. R.; Adv. Mater. 2000, 12(7), 481、及び米国特許第5,035,926号にも開示されている。
【0061】
酸化重合プロセスによって、トナー粒子表面にポリピロールを塗布(コーティング)できる。水、メタノール、エタノール、ブタノール、アセトン、アセトニトリル、水とメタノール、エタノール、ブタノール、アセトン、アセトニトリル等とのブレンド等のトナー粒子が溶解しない溶媒中に、好ましくは約5〜約20重量%の量のトナー粒子を懸濁させ、攪拌しながら、この溶液にピロールモノマーをゆっくりと加える(一般的な添加時間は約10分にわたる)。ピロールモノマーの添加量は、一般的にトナー粒子に対して約5〜約15重量%である。ピロールモノマーは疎水性であり、モノマーがトナー粒子表面に吸着されるのが望ましい。その後、モノマーがトナー粒子表面に吸収されるように、この溶液を、一般的に約0.5〜約3時間攪拌する。ドーパントを用いる場合には、一般的にこの段階でドーパントを添加するが、酸化剤の添加後にドーパントを添加してもよい。続いて、選択された酸化剤を、水、メタノール、エタノール、ブタノール、アセトン、アセトニトリル等の、粒子の溶解を阻止するのに十分な極性のある溶媒中に、一般的に、ピロールモノマーのモル当量当たり約0.1〜約5モル当量の酸化剤濃度で溶かし、攪拌しながらゆっくりとトナー粒子を含む溶液に滴下する。溶液への酸化剤の添加量は、一般的に、ピロールに対してモル比1:1以下であるが、1モル過剰の酸化剤を用いることもでき、その方が好ましい事例も幾つかある。重合の前にピロールがトナー粒子表面に吸着する時間があり、それによってピロールが(溶液中で別の粒子を形成する代わりに)トナー粒子表面で重合できるように、溶液にピロールモノマーを添加した後に酸化剤を添加するのが好ましい。酸化剤の添加が完了したら、重合及びドーピングプロセスを起こさせるために、一般的に約1〜約2日間、再び溶液を攪拌するが、攪拌時間はこの範囲外であってもよい。その後、表面でポリピロールが重合したトナー粒子を好ましくは水で洗浄し、溶液中で、トナー粒子表面のコーティングとしてではなく別の粒子として形成されたポリピロールを除去し、トナー粒子を乾燥させる。一般的に、プロセス全体はほぼ室温(一般的に約15〜約30℃)で行われるが、所望であればより低い温度を用いてもよい。
【0062】
適切な酸化剤の例としては、過硫酸アンモニアや過硫酸カリウム等の水溶性過硫酸塩類、硫酸セリウム(IV)、硝酸セリウム(IV)アンモニア、塩化第二鉄等の第二鉄塩類、硫酸鉄(III)、ナノ水和硝酸第二鉄、トリス(p−トルエンスルホナート)鉄(III)(Baytron Cという商品名でバイエル(Bayer)社より市販)等が挙げられる。用いられる酸化剤の量は、一般的に、ピロールモノマーのモル当量当たり約0.1モル当量以上の酸化剤、好ましくはピロールモノマーのモル当量当たり約0.25モル当量以上の酸化剤、より好ましくはピロールモノマーのモル当量当たり約0.5モル当量以上の酸化剤であると共に、ピロールモノマーのモル当量当たり約5モル当量以下の酸化剤、好ましくはピロールモノマーのモル当量当たり約4モル当量以下の酸化剤、より好ましくはピロールモノマーのモル当量当たり約3モル当量以下の酸化剤であるが、酸化剤とピロールとの相対量はこれらの範囲外であってもよい。
【0063】
トナー粒子表面に形成されるポリピロールの分子量は高い必要はなく、一般的に、ポリマーが3〜6、又はそれ以上の反復ピロールユニットを有していれば、トナー粒子に所望の導電性を持たせることができる。しかし、所望であれば、トナー粒子表面に形成されるポリピロールの分子量は、酸化剤とピロールモノマーとのモル比、媒体の酸性度、酸化重合の反応時間等を変えることによって調整できる。ピロールの反復モノマーユニット数が約1,000以上の分子量を用いることも可能であるが、分子量が高いほど材料が溶けにくくなる傾向があり、それにより、処理がより困難になる。
【0064】
トナーが、トナー粒子を摩擦帯電させるプロセスで用いられる場合には、ポリピロールは還元形であってもよい。非磁性誘導帯電にプロセスに適したトナーに望まれるトナー粒子の導電性を得るためには、ポリピロールが酸化形であることが望ましい場合もある。ポリピロールに、スルホネート、ホスフェート、ホスホネート部分、又はヨウ素等のドーパントをドーピングすることにより、ポリピロールを酸化形にシフトさせることができる。ドーピングされた酸化形のポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)は、次式で表されると思われる。
【化8】
【0065】
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は上記の定義の通りであり、D-はドーパントに対応し、nは反復モノマーユニット数を表す整数である。例えば、スルホネート部分でドーピングされた酸化形のポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)は、次式で表されると思われる。
【化9】
【0066】
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は上記の定義の通りであり、Rはスルホネートドーパントの分子の有機部分に対応する。この有機部分は、一般的に1〜約20個の炭素原子、好ましくは1〜約16個の炭素原子を有し(炭素原子数はこれらの範囲外であってもよい)線状、分岐状、飽和、不飽和、環状及び置換アルキル基を含むアルキル基、一般的に1〜約20個の炭素原子、好ましくは1〜約16個の炭素原子を有し(炭素原子数はこれらの範囲外であってもよい)線状、分岐状、飽和、不飽和、環状及び置換アルコキシ基を含むアルコキシ基、一般的に6〜約16個の炭素原子、好ましくは6〜約14個の炭素原子を有し(炭素原子数はこれらの範囲外であってもよい)置換アリール基を含むアリール基、一般的に6〜約17個の炭素原子、好ましくは6〜約15個の炭素原子を有し(炭素原子数はこれらの範囲外であってもよい)置換アリーロキシ基を含むアリーロキシ基、一般的に7〜約20個の炭素原子、好ましくは7〜約16個の炭素原子を有し(炭素原子数はこれらの範囲外であってもよい)置換アリールアルキル及び置換アルキルアリール基を含むアリールアルキル基又はアルキルアリール基、一般的に7〜約21個の炭素原子、好ましくは7〜約17個の炭素原子を有し(炭素原子数はこれらの範囲外であってもよい)置換アリールアルキロキシ及び置換アルキルアリーロキシ基を含むアリールアルキロキシ又はアルキルアリーロキシ基であって、置換アルキル、置換アルコキシ、置換アリール、置換アリーロキシ、置換アリールアルキル、置換アルキルアリール、置換アリールアルキロキシ、及び置換アルキルアリーロキシ基における置換基は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミン基、イミン基、アンモニア基、シアノ基、ピリジン基、ピリジニウム基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、エステル基、アミド基、カルボニル基、チオカルボニル基、スルフェート基、スルホネート基、スルフィド基、スルホキシド基、ホスフィン基、ホスホニウム基、ホスフェート基、ニトリル基、メルカプト基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、アシル基、無水酸基、アジド基、及びこれらの混合物等であり得るが、これらに限定されず、2つ以上の置換基を結合して環を形成してもよい。nは反復モノマーユニット数を表す整数である。
【0067】
ポリピロールをドーピングする1つの方法は、トナー樹脂として、反復モノマーユニットの少なくとも一部がスルホネート基等の基を有する、スルホン化ポリエステル樹脂やスルホン化ビニル樹脂等のポリマーを選択することである。スルホン化樹脂は、ポリピロールコーティング層をトナー粒子表面に固定すると共にドーピングする二重の目的を果たす、表面に露出されたスルホネート基を有する。
【0068】
ポリピロールをドーピングする別の方法は、トナー粒子の合成中に、スルホネート部分等の基をトナー粒子表面に配置することである。例えば、トナー粒子が乳化凝集プロセスによって作られる場合は、乳化凝集プロセスのために選択されるイオン性界面活性剤は、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸、1,3−ベンゼンジスルホン酸ナトリウム塩やパラ−エチルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩等のジアルキルベンゼンアルキルスルホネート類、1,5−ナフタレンジスルホン酸ナトリウム塩や2−ナフタレンジスルホン酸等のアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム類、ポリ(スチレンスルホネート)ナトリウム等といった、スルホネート基を有するアニオン性界面活性剤、及びそれらの混合物であってもよい。乳化重合プロセス中、界面活性剤はラテックス粒子にグラフト及び/又は吸着され、その後、凝集及び凝結する。トナー粒子を合成した後で、界面活性剤を除去するためにトナー粒子を洗浄するが、界面活性剤の一部は依然として粒子表面に残り、その量はポリピロールが望ましい導電性を持つためのドーピングを可能とするのに十分である。
【0069】
ポリピロールをドーピングする更に別の方法は、ピロールの酸化重合の前、間、又は後に、トナー粒子溶液に、スルホネート、ホスフェート又はホスホネート基を含む小さなドーパント分子を添加することである。例えば、トナー粒子を溶媒中に懸濁した後、ピロールを添加する前に、この溶液にドーパントを添加することができる。ドーパントが固体である場合は、ピロールモノマーを添加する前に、一般的に約0.5時間溶解させる。或いは、ピロールを添加後、酸化剤を添加する前に若しくは酸化剤を添加した後で、又はプロセス中の他の任意の時に、ドーパントを添加してもよい。ポリピロールへのドーパントの添加量は、任意の所望の又は効果的な量であるが、一般的には、ピロールモノマーのモル当量当たり約0.1モル当量以上のドーパント、好ましくは、ピロールモノマーのモル当量当たり約0.25モル当量以上のドーパント、より好ましくは、ピロールモノマーのモル当量当たり約0.5モル当量以上のドーパントであると共に、一般的には、ピロールモノマーのモル当量当たり約5モル当量以下のドーパント、好ましくは、ピロールモノマーのモル当量当たり約4モル当量以下のドーパント、より好ましくは、ピロールモノマーのモル当量当たり約3モル当量以下のドーパントであるが、量はこれらの範囲外であってもよい。
【0070】
適切なドーパントの例としては、p−トルエンスルホン酸、樟脳スルホン酸、ドデカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、1,3−ベンゼンジスルホン酸ナトリウム塩やパラ−エチルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩等のジアルキルベンゼンアルキルスルホン酸塩類、1,5−ナフタレンジスルホン酸ナトリウム塩や2−ナフタレンジスルホン酸等のアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム類、ポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム塩)等が挙げられる。
【0071】
ポリピロールをドーピングする更に別の方法は、例えばYamamoto, T.; Morita, A.; Miyazaki, Y.; Maruyama, T.; Wakayama, H.; Zhou, Z. H.; Nakamura, Y.; Kanbara, T.; Sasaki, S.; Kubota, K.; Macromolecules, 1992, 25, 1214及びYamamoto, T.; Abla, M.; Shimizu, T.; Komarudin, D.; Lee, B−L.; Kurokawa, E. Polymer Bulletin, 1999, 42, 321に開示されているように、粒子表面にポリピロールを有するトナー粒子を溶液中のヨウ素の蒸気に晒すことである。
【0072】
トナー粒子上のポリピロールの厚さは、表面処理のために晒される表面積の関数であり、トナーの粒径及び粒子形状(球形vsジャガイモやキイチゴ形)に関係する。粒子がより小さければ、粒子の総質量に基づく、用いられるピロールモノマーの重量分率を、例えば10又は5パーセントから20パーセントへと大きくすることができる。コーティングの重量は、一般的に、トナー粒子の質量の約5重量パーセント以上であると共に、トナー粒子の質量の約20重量パーセント以下である。トナー粒子の固体装填量(loading)は、水を蒸発させる加熱された秤を用いて測定でき、初期の質量及び乾燥材料の質量に基づいて固体装填量を計算できる。一旦、固体装填量を決定したら、トナーのスラリーを希釈して、水中のトナーを10%の装填量とする。例えば、20グラムのトナー粒子に対しては、トナースラリーの総質量は200グラムであり、2グラムの3,4−エチレンジオキシピロールが用いられる。次に、3,4−エチレンジオキシピロール及び他の試薬を、先に示したように添加する。20グラムのトナー粒子に対して、10重量%、即ち2グラムの3,4−エチレンジオキシピロールを用いた5ミクロンのトナー粒子では、導電性ポリマーシェルの厚さは20ナノメートルであった。表面形状によって表面積が変わり得るので、シェルはこれより厚く又は薄く、或いは不完全にもなり得る。
【0073】
一般的に不透明及び/又はブルーブラックである他のほとんどの導電性高分子膜と異なり、本発明のトナー粒子上の酸化形のポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)のコーティングはほとんど無色透明であり、トナーの色の質を損なうことなく、広範な色のトナー粒子にコーティングできる。更に、トナー粒子に導電性を付与するために導電性ポリマーコーティングを用いることは、導電性を付与する他の方法、例えば、トナーの透明度の低下、光沢特性の悪化、溶融性の悪化等の短所を生じ得る、導電性表面添加剤をブレンドすることよりも、優れていると考えられる。
【0074】
本発明のトナーは、一般的に、約+又は−2から約+又は−60マイクロクーロン/グラム、好ましくは約+又は−10から約+又は−50マイクロクーロン/グラムの表面帯電を示すことができるが、帯電能力はこれらの範囲外であってもよい。帯電は、二成分現像システムにおいてキャリヤに対して、又は一成分現像システムにおいて、摩擦電気的に、又は誘導的に実現することができる。
【0075】
本発明のトナー粒子が帯電され得る極性は、ピロールモノマーの酸化重合中に用いられる酸化剤の選択によって決定できる。例えば、ピロールモノマーの酸化重合に過硫酸アンモニアや過硫酸カリウム等の酸化剤を用いると、摩擦帯電プロセス又は誘導帯電プロセスを経た際に負に帯電されるトナー粒子が形成される傾向がある。ピロールモノマーの酸化重合に塩化第二鉄やトリス(p−トルエンスルホナート)鉄(III)等の酸化剤を用いると、摩擦帯電プロセス又は誘導帯電プロセスを経た際に正に帯電されるトナー粒子が形成される傾向がある。従って、トナー樹脂の組成を変える必要なく、且つ、ポリピロールに用いられるドーパントに左右されずに、所望の帯電極性を有するトナー粒子を得ることができる。
【0076】
トナー粒子の粒子流動性の値は、ホソカワミクロン(Hosokawa Micron)粉末試験器を用いて、1組の重ねられたスクリーン上の2グラムのトナー粒子に対して1ミリメートルの振動を90秒間与えることで、測定された。上段のスクリーンは150ミクロンの複数の開口部を有し、中段のスクリーンは75ミクロンの複数の開口部を有し、下段のスクリーンは45ミクロンの複数の開口部を有していた。凝集率は次のように計算される。
%凝集率=50・A+30・B+10・C
式中、Aは150ミクロンのスクリーン上に残っているトナーの質量であり、Bは75ミクロンのスクリーン上に残っているトナーの質量であり、Cは45ミクロンのスクリーン上に残っているトナーの質量である。(この式は、スクリーンサイズに比例する重み係数を適用している。)この試験法は、例えば、ベレジン及びバーサによる、ノンインパクトプリント技術の進歩に関するIS&T第14回国際会議(1998年トロントにて開催)予稿集、358頁−361頁 (R.Veregin and R. Bartha, Proceedings of IS&T 14th International Congress on Advances in Non−Impact Printing Technologies, pg 358−361, 1998, Toronto)で、更に説明されている。トナーについて、試験の感度を高めるために、装置に与えられる300ミリボルトの入力エネルギーが、50ミリボルトに下げられた。凝集率が低いほど、トナーの流動性は良好である。
【0077】
トナーの導電率の値は次のように判定された。1平方インチ当たり1,000〜3,000ポンドで各材料のペレットをつくり、これらのペレットを横断して10DCボルトの電圧を印加した。流れる電流の値を記録し、ペレットを取り除いて、その厚さを測定し、そのペレットの体積導電率(単位:ジーメンス/センチメートル)を計算した。
【0078】
【実施例】
例I
凝集剤であるポリ(塩化アルミニウム)を用いてスチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸ラテックスを凝集させ、次に、温度を上げて粒子を合体させることにより、トナー粒子を調製する。非イオン性/アニオン性界面活性剤溶液(固形分40.0重量%)中における、スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸(モノマー比率は、スチレンが82重量部、n−ブチルアクリレートが18重量部、アクリル酸が2重量部)の乳化重合によって、次のようにポリマーラテックスを調製する。279.6キログラムのスチレン、61.4キログラムのn−ブチルアクリレート、6.52キログラムのアクリル酸、3.41キログラムのカーボンテトラブロミド、及び11.2キログラムのドデカンチオールを、461キログラムの脱イオン水と混合する。この脱イオン水には、予め、7.67キログラムのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムアニオン性界面活性剤(ネオゲン(Neogen)RK、活性成分を60%含有)、3.66キログラムのノノフェノールエトキシ非イオン性界面活性剤(アンタロックス(Antarox)CA−897、活性材料を100%含有)、及び50キログラムの脱イオン水に溶解させた3.41キログラムの過硫酸アンモニア重合開始剤を加えてある。このように形成した乳剤を、70℃で3時間かけて重合し、続いて、更に1時間、85℃に加熱する。得られるラテックスは、約59.5重量%の水と、約40.5重量%の固形分とを含んでおり、この固形分は、ポリ(スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸)のランダムコポリマーの粒子で構成される。このラテックスの乾燥サンプルのガラス転移温度は、デュポン(DuPont)DSCで測定すると、約47.7℃である。ウォーターズ(Waters)ゲル浸透クロマトグラフで判定すると、このラテックスの重量平均分子量は30,600であり、数平均分子量は4,400である。このラテックスの粒径は、ディスク遠心分離機で測定すると、278ナノメートルである。
【0079】
次に、このように調製した375グラムのスチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸アニオン性ラテックスを、761.43グラムの脱イオン水で希釈する。高シヤーホモジナイザーを用いて4,000〜5,000回転/分で2分間かけて、希釈されたラテックス溶液を、凝集剤の酸性溶液(7.86グラムの1モル硝酸溶液中の3.345グラムのポリ(塩化アルミニウム))とブレンドし、ナノメートルサイズのラテックス粒子で構成されるゲル化粒子の凝集物、即ち不均一凝集物を調製する。このスラリーを0.25℃/分という制御された率で53℃に加熱し、この時点での平均粒径は約5.2ミクロンであり、粒径分布は約1.20である。この時点で、4%水酸化ナトリウム溶液を用いて、溶液のpHを7.2に調整する。次に、この混合物を0.5℃/分という制御された率で95℃に加熱する。一旦、この粒子スラリーが反応したら、1モル硝酸を用いてpHを5.0に降下させ、その後6時間、温度を95℃に保つ。反応混合物を室温まで冷ました後、粒子を洗浄し、再び脱イオン水中でスラリーとする。このトナー粒子の平均粒径は約5.6ミクロンであり、粒径分布は約1.24である。導電性ポリマーの現場での重合によって粒子表面を処理する前に、全部で5回の洗浄を行う。
【0080】
250ミリリットルのビーカーに、このように調製した150グラムの無着色のトナーサイズ粒子のスラリー(平均粒径は5.6ミクロン、粒径分布GSDは1.24)(溶液中の総固形材料は25グラム)を加える。次に、この溶液を脱イオン水で更に希釈し、250グラムの粒子スラリーを調製する。この粒子スラリーのpHは約6.24である。この溶液を攪拌し、3.8グラム(0.02モル)のドーパントであるパラ−トルエンスルホン酸(p−TSA)を加えると、pHは約1.22となる。15分後、水溶性である2.5グラム(0.02モル)の3,4−エチレンジオキシピロールモノマー(EDOP)を、この溶液に加える。ドーパント対EDOPのモル比は1:1であり、EDOPはトナー粒子の10重量%の量で存在する。2時間後、溶解させた酸化剤である過硫酸アンモニア(10ミリリットルの脱イオン水中に4.56グラム(0.02モル))を、10分間かけて滴下する。酸化剤対EDOPのモル比は1:1である。この溶液を、室温で一晩攪拌し、3日間放置する。得られる青みがかったトナー粒子(僅かな着色は、ポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)(PEDOP)粒子コーティングの結果である)を、蒸留水で7回洗浄し、冷凍乾燥機で48時間乾燥させる。PEDOPを生成するためのEDOPの化学的酸化重合がトナー粒子表面で生じ、粒子表面は、トナー粒子表面からのスルホネート基の存在及び添加されたp−TSAにより導電性となる。このトナーを圧縮したペレットの平均体積導電率は、σ=3.9×10-3ジーメンス/センチメートルより高いと思われる。導電率は次のように判定される。この材料を1平方インチ当たり1,000〜3,000ポンドの圧力で圧縮したペレットを準備し、このペレットに2DCボルトの電圧を印加する。ペレットを通って流れる電流の値を記録し、ペレットを取り除いて、その厚さを測定し、そのペレットの体積導電率(単位:ジーメンス/センチメートル)を計算する。
【0081】
例II
凝集剤であるポリ(塩化アルミニウム)を用いてスチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸ラテックスを凝集させ、次に、温度を上げて粒子を合体させることにより、トナー粒子を調製する。非イオン性/アニオン性界面活性剤溶液(固形分40.0重量%)中における、スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸(モノマー比率は、スチレンが82重量部、n−ブチルアクリレートが18重量部、アクリル酸が2重量部)の乳化重合によって、次のようにポリマーラテックスを調製する。279.6キログラムのスチレン、61.4キログラムのn−ブチルアクリレート、6.52キログラムのアクリル酸、3.41キログラムのカーボンテトラブロミド、及び11.2キログラムのドデカンチオールを、461キログラムの脱イオン水と混合する。この脱イオン水には、予め、7.67キログラムのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムアニオン性界面活性剤(ネオゲン(Neogen)RK、活性成分を60%含有)、3.66キログラムのノノフェノールエトキシ非イオン性界面活性剤(アンタロックス(Antarox)CA−897、活性材料を100%含有)、及び50キログラムの脱イオン水に溶解させた3.41キログラムの過硫酸アンモニア重合開始剤を加えてある。このように形成した乳剤を、70℃で3時間かけて重合し、続いて、更に1時間、85℃に加熱する。得られるラテックスは、59.5重量%の水と、40.5重量%の固形分とを含んでおり、この固形分は、ポリ(スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸)のランダムコポリマーの粒子で構成される。このラテックスの乾燥サンプルのガラス転移温度は、デュポンDSCで測定すると、約47.7℃である。ウォーターズゲル浸透クロマトグラフで判定すると、このラテックスの重量平均分子量は30,600であり、数平均分子量は4,400である。このラテックスの粒径は、ディスク遠心分離機で測定すると、278ナノメートルである。
【0082】
次に、このように調製した375グラムのスチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸アニオン性ラテックスを、761.43グラムの脱イオン水で希釈する。高シヤーホモジナイザーを用いて4,000〜5,000回転/分で2分間かけて、希釈されたラテックス溶液を、凝集剤の酸性溶液(7.86グラムの1モル硝酸溶液中の3.345グラムのポリ(塩化アルミニウム))とブレンドし、ナノメートルサイズのラテックス粒子で構成されるゲル化粒子の凝集物、即ち不均一凝集物を調製する。このスラリーを0.25℃/分という制御された率で50℃に加熱し、この時点での平均粒径は約5.2ミクロンであり、粒径分布は約1.20である。この時点で、4%水酸化ナトリウム溶液を用いて、溶液のpHを7.2に調整する。次に、この混合物を0.5℃/分という制御された率で95℃に加熱する。一旦、この粒子スラリーが反応したら、1モル硝酸を用いてpHを5.0に降下させ、その後6時間、温度を95℃に保つ。反応混合物を室温まで冷ました後、粒子を洗浄し、再び脱イオン水中でスラリーとする。このトナー粒子の平均粒径は約5.6ミクロンであり、粒径分布は約1.24である。導電性ポリマーの現場での重合によって粒子表面を処理する前に、全部で5回の洗浄を行う。
【0083】
250ミリリットルのビーカーに、このように調製した150グラムの無着色のトナーサイズ粒子のスラリー(平均粒径は5.6ミクロン、粒径分布GSDは1.24)(溶液中の総固形材料は25グラム)を加える。次に、この溶液を脱イオン水で更に希釈し、250グラムの粒子スラリーを調製する。この粒子スラリーのpHは約6.02である。この溶液を攪拌し、9.51グラム(0.05モル)のドーパントであるパラ−トルエンスルホン酸(p−TSA)を加えると、pHは約0.87となる。15分後、2.5グラム(0.02モル)の3,4−エチレンジオキシピロールモノマー(EDOP)を、この溶液に加える。ドーパント対EDOPのモル比は2.5:1であり、EDOPはトナー粒子の10重量%の量で存在する。2時間後、溶解させた酸化剤である過硫酸アンモニア(10ミリリットルの脱イオン水中に5.71グラム(0.025モル))を、10分間かけて滴下する。酸化剤対EDOPのモル比は1.25:1である。この溶液を、室温で一晩攪拌し、3日間放置する。得られる青みがかったトナー粒子(僅かな着色は、PEDOP粒子コーティングの結果である)を、蒸留水で7回洗浄し、冷凍乾燥機で48時間乾燥させる。PEDOPを生成するためのEDOPの化学的酸化重合がトナー粒子表面で生じ、粒子表面は、トナー粒子表面からのスルホネート基の存在及び添加されたp−TSAにより導電性となる。このトナーを圧縮したペレットの平均体積導電率は、σ=4.9×10-3ジーメンス/センチメートルより高いと思われる。
【0084】
例III
凝集剤であるポリ(塩化アルミニウム)を用いてスチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸ラテックスを凝集させ、次に、温度を上げて粒子を合体させることにより、シアントナー粒子を調製する。非イオン性/アニオン性界面活性剤溶液(固形分40.0重量%)中における、スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸(モノマー比率は、スチレンが82重量部、n−ブチルアクリレートが18重量部、アクリル酸が2重量部)の乳化重合によって、次のようにポリマーラテックスを調製する。279.6キログラムのスチレン、61.4キログラムのn−ブチルアクリレート、6.52キログラムのアクリル酸、3.41キログラムのカーボンテトラブロミド、及び11.2キログラムのドデカンチオールを、461キログラムの脱イオン水と混合する。この脱イオン水には、予め、7.67キログラムのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムアニオン性界面活性剤(ネオゲン(Neogen)RK、活性成分を60%含有)、3.66キログラムのノノフェノールエトキシ非イオン性界面活性剤(アンタロックス(Antarox)CA−897、活性材料を100%含有)、及び50キログラムの脱イオン水に溶解させた3.41キログラムの過硫酸アンモニア重合開始剤を加えてある。このように形成した乳剤を、70℃で3時間かけて重合し、続いて、更に1時間、85℃に加熱する。得られるラテックスは、約59.5重量%の水と、約40.5重量%の固形分とを含んでおり、この固形分は、ポリ(スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸)のランダムコポリマーの粒子で構成される。このラテックスの乾燥サンプルのガラス転移温度は、デュポンDSCで測定すると、約47.7℃である。ウォーターズゲル浸透クロマトグラフで判定すると、このラテックスの重量平均分子量は30,600であり、数平均分子量は4,400である。このラテックスの粒径は、ディスク遠心分離機で測定すると、278ナノメートルである。
【0085】
このように調製したラテックスを用いてシアントナー粒子を調製する。このトナー粒子は、粒子のコアを形成するための顔料と混合された70重量%のラテックスと、着色されたコアの周りのシェルを形成するために用いられる30重量%の同じラテックスとで構成される。2リットルのガラスの反応ケットルに、このように調製した249.4グラムのスチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸アニオン性ラテックスを加え、646.05グラムの脱イオン水で希釈する。希釈したラテックス溶液に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムアニオン性界面活性剤(ネオゲン(Neogen)R)溶液に分散された、14.6グラムのBHD6000顔料分散物(サン・ケミカル(Sun Chemical)社より市販、固形分51.4重量%のピグメント・ブルー・シアン(Pigment Blue Cyan)15:3を含有)を加える。高シヤーホモジナイザーを用いて4,000〜5,000回転/分で2分間かけて、この着色されたラテックス溶液を、凝集剤の酸性溶液(7.5グラムの1モル硝酸溶液中に3.2グラムのポリ(塩化アルミニウム))とブレンドし、ナノメートルサイズの着色されたラテックス粒子で構成されるゲル化粒子の凝集物、即ち不均一凝集物を調製する。このスラリーを0.25℃/分という制御された率で50℃に加熱し、この時点での平均粒径は約4.75ミクロンであり、粒径分布は約1.20である。この時点で、106.98グラムの上記ラテックスを加えて、既にトナーサイズとなっている着色コアの周りに凝集させ、ポリマーシェルを形成する。50℃で更に2時間おいた後、凝集する粒子の平均粒径は約5.55ミクロンであり、粒径分布は1.33である。この時点で、4%水酸化ナトリウム溶液を用いて、溶液のpHを8.0に調整する。次に、この混合物を0.5℃/分という制御された率で96℃に加熱する。粒子スラリーを96℃の反応温度に1時間保った後、1モル硝酸を用いてpHを5.0に降下させ、その後6時間、温度を96℃に保つ。反応混合物を室温まで冷ました後、粒子を洗浄し、再び脱イオン水中でスラリーとする。このトナー粒子の平均粒径は約5.6ミクロンであり、粒径分布は約1.24である。導電性ポリマーの現場での重合によって粒子表面を処理する前に、全部で5回の洗浄を行う。
【0086】
250ミリリットルのビーカーに、このように調製した150グラムの着色されたトナーサイズ粒子のスラリー(平均粒径は5.6ミクロン、粒径分布GSDは1.24)(溶液中の総固形材料は18.7グラム)を加える。次に、この溶液を脱イオン水で更に希釈し、200グラムの粒子スラリーを調製する。この溶液を攪拌し、2.845グラム(0.01496モル)のドーパントであるパラ−トルエンスルホン酸(p−TSA)を加えると、pHは約0.87となる。15分後、水溶性である1.87グラム(0.01496モル)の3,4−エチレンジオキシピロールモノマー(EDOP)を、この溶液に加える。ドーパント対EDOPのモル比は1:1であり、EDOPはトナー粒子の10重量%の量で存在する。2時間後、溶解させた酸化剤である過硫酸アンモニア(10ミリリットルの脱イオン水中に8.53グラム(0.0374モル))を、10分間かけて滴下する。酸化剤対EDOPのモル比は2.5:1である。この溶液を、室温で一晩攪拌する。上澄みが黄色がかった溶液中の、得られる青みがかったトナー粒子(僅かな着色はPEDOP粒子コーティングの結果である)を蒸留水で5回洗浄し、冷凍乾燥機で48時間乾燥させる。フィッシャー・サイエンティフィック(Fisher Sientific)社より購入したアキュメット・リサーチ(Accumet Research) AR20 pH/導電率メータを用いて、この溶液の導電率を上澄み液で測定すると、この値は5.9×10-2ジーメンス/センチメートルよりも高いと思われる。PEDOPを生成するためのEDOPの化学的酸化重合がトナー粒子表面で生じ、粒子表面は、トナー粒子表面からのスルホネート基の存在及び添加されたp−TSAにより導電性となる。このトナーを圧縮したペレットの平均体積導電率は、σ=1.3×10-7ジーメンス/センチメートルよりも高いと思われる。
【0087】
例IV
46.5モル%のテレフタレート、3.5モル%のスルホイソフタル酸ナトリウム、47.5モル%の1,2−プロパンジオール、及び2.5モル%のジエチレングリコールを含む線状スルホン化ランダムコポリエステル樹脂を、次のように調製する。底部排出バルブ、ダブルタービン攪拌器、及び冷水コンデンサ付きの蒸留受液器を備える5ガロンのパー(Parr)リアクタに、3.98キログラムのジメチルテレフタレート、451グラムのジメチルスルホイソフタル酸ナトリウム、3.104キログラムの1,2−プロパンジオール(1モル過剰のグリコール)、351グラムのジエチレングリコール(1モル過剰のグリコール)、及び8グラムのブチルすずヒドロキシドオキシド触媒を入れる。次に、リアクタを攪拌しながら3時間の間165℃に加熱し、それにより、蒸留受液器中に1.33キログラムの留出物を集める。アメリカン・オプチカル・コーポレーション(American Optical Corporation)より入手できるABBE屈折計で測定すると、この留出物は、約98体積%のメタノールと、2体積%の1,2−プロパンジオールとを含んでいる。次に、この反応混合物を1時間にわたって190℃に加熱し、その後、圧力を大気圧から1時間かけてゆっくりと約260トルまで降下させ、次に、2時間かけて5トルまで降下させ、蒸留受液器中に約470グラムの留出物を集める。ABBE屈折計で測定すると、この留出物は、約97体積%の1,2−プロパンジオールと、3体積%のメタノールとを含んでいる。更に30分間かけて圧力を約1トルに降下させ、それにより、更に530グラムの1,2−プロパンジオールを集める。次に、窒素を用いてリアクタを大気圧までパージし、底部排出部から、ドライアイスで冷却された容器に、ポリマー生成物を排出し、5.60キログラムの3.5モル%スルホン化ポリエステル樹脂、(1,2−プロピレン−ジプロピレン−5−スルホイソフタレート)−コポリ(1,2−プロピレン−ジプロピレンテレフタレート)のナトリウム塩を得る。E.I.デュポン社(E. I. DuPont)より入手できる910微分走査式熱量計(Differential Scanning Calorimeter)を用いて、1分当たり10℃の加熱速度で測定すると、このスルホン化ポリエステル樹脂のガラス転移温度は約56.6℃(オンセット)である。テトラヒドロフランを溶媒として用いて測定される数平均分子量は約3,250グラム/モルであり、重量平均分子量は約5,290グラム/モルである。
【0088】
まず、約2リットルの脱イオン水を攪拌しながら約85℃に加熱し、そこに300グラムのスルホン化ポリエステル樹脂を添加し、次に、約1時間から約2時間、約85℃で加熱を続けながら混合物を攪拌し、次に、ほぼ室温(25℃)まで冷却し、水性媒体に分散された固形分濃度15%のコロイド状のスルホン化ポリエステル樹脂を調製する。このナトリウム−スルホン化ポリエステル樹脂粒子のコロイド溶液は、特徴的な青い色合いを有しており、NiCOMP(登録商標)粒径測定器で測定すると、粒径は約5〜約150ナノメートルの範囲にあり、典型的には20〜40ナノメートルの範囲にある。
【0089】
15重量%のナトリウム−スルホン化ポリエステル樹脂を含有する2リットルのコロイド溶液を、機械的攪拌器を備えた4リットルのケットルに入れる。この溶液に、30重量%のピグメント・ブルー(Pigment Blue)15:3(サンケミカルズ社(Sun Chemicals)より入手可能)を含有する42グラムのシアン顔料分散物を加え、得られる混合物を、約180〜200回転/分で攪拌しながら56℃に加熱する。この加熱された混合物に、5重量%の二水和酢酸亜鉛を含有する760グラムの水溶液を滴下する。この二水和酢酸亜鉛溶液の滴下は、ぜん動ポンプを用いて行われ、滴下速度は約2.5ミリリットル/分である。滴下が完了した(約5時間)後、この混合物を更に3時間攪拌する。次に、この混合物を攪拌しながら一晩(約18時間)おき、約25℃の室温まで冷ます。この生成物を、3ミクロンの疎水性の薄膜クロスを通して濾過し、このトナーの固まりを、約2リットルの脱イオン水に入れて約1時間攪拌し、再びスラリー状にする。このトナーのスラリーを再び濾過し、凍結乾燥器で48時間乾燥させる。このトナー粒子の平均粒径は5.13ミクロンであり、GSDは1.16である。
【0090】
約10グラムのシアントナー粒子を、52グラムの水性スラリー(固形分19.4重量%の予じめ洗浄されたトナー)に分散する。スラリーのpHは6.0、スラリー溶液の導電率は15マイクロジーメンス/センチメートルである。この水性トナースラリーに、まず、2.0グラム(8.75ミリモル)の酸化剤である過硫酸アンモニアを加え、次に、室温で15分間攪拌する。約0.4375グラム(3.5ミリモル)の3,4−エチレンジオキシピロールモノマーを、2ミリリットルの1%wt/volのネオゲン(Neogen)−RK界面活性剤溶液に予め分散し、酸化剤で処理されたトナースラリーを激しく攪拌しながら、この分散液を滴下する。酸化剤対3,4−エチレンジオキシピロールモノマーのモル比は2.5対1.0であり、モノマー濃度はトナー固形分の5重量%である。モノマーの添加が完了してから30分後、0.6グラム(3.5ミリモル、3,4−エチレンジオキシピロールモノマーと等モル)の量のパラ−トルエンスルホン酸(外部ドーパント)を添加する。この混合物を、室温で24時間攪拌し、表面コーティングされたシアントナーを得る。このトナー粒子を水性媒体から濾過し、脱イオン水で3回洗浄し、2日間冷凍乾燥する。ポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)で処理された5ミクロンのシアントナーを得る。この粒子の体積導電率は、約2×10-3ジーメンス/センチメートルになると思われる。
【0091】
24グラムのキャリヤ粒子(キャリヤに対して1重量%の量の、ポリ(メチルメタクリレート)とSCウルトラ(SC Ultra)カーボンブラックとの混合物(重量比80:20)から成るコーティングを有する65ミクロンのホーゲンス(Hoeganes)コア)と1.0グラムのトナー粒子とをブレンドすることにより、このように調製したトナー粒子を帯電させ、トナー濃度(Tc)が4重量%の現像剤を調製する。この混合物のサンプルを、10℃で相対湿度15%に制御された環境(Cゾーンと呼ばれる)に一晩おいてコンディショニングし、次に、安定した現像剤の帯電に達するために、現像剤(トナー及びキャリヤ)を30分間ロールミルにかける。(その開示の全体を本明細書に参照として援用する米国特許第3,533,835号の11段目5〜28行目に記載されているように)ファラデー箱装置を用いて現像剤の平均帯電率(Q/M)を測定するために、全トナー吹出し法(total toner blow off method)を用いる。この粒子は、Cゾーンにおいて約−50マイクロクーロン/グラムの摩擦帯電に達すると思われる。
【0092】
上記と同じモル当量のドーパント及び酸化剤を用いて、3,4−エチレンジオキシピロールの相対量をトナー粒子の10重量%に増やした場合、得られるトナー粒子は同様に約2×10-3ジーメンス/センチメートルの高い導電率を有すると共に、ポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)シェルの厚さ及び均一性は、この例で説明した5重量%のポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)導電性シェルよりも向上すると思われる。
【0093】
例V
例IVで説明した方法でシアントナー粒子を調製する。このトナー粒子の平均粒径は5.13ミクロン、GSDは1.16である。
【0094】
シアントナー粒子を水に分散し、62グラムの水中のシアントナー粒子(固形分装填量20.0重量%)とする。スラリーのpHは6.2、スラリー溶液の導電率は66マイクロジーメンス/センチメートルである。この水性トナースラリーに、まず、12.5グラム(54.5ミリモル)の酸化剤である過硫酸アンモニアを加え、次に、室温で15分間攪拌する。その後、この溶液を激しく攪拌しながら、15〜20分間かけて、3,4−エチレンジオキシピロールモノマー(2.73グラム、21.8ミリモル)を整然と滴下する。酸化剤対3,4−エチレンジオキシピロールモノマーのモル比は2.5対1.0であり、モノマー濃度はトナー固形分の5重量%である。モノマーの添加が完了してから30分後、ドーパントであるパラ−トルエンスルホン酸(3.75グラム、21.8ミリモル、3,4−エチレンジオキシピロールモノマーと等モル)を添加する。この混合物を、室温で48時間攪拌し、表面コーティングされたシアントナーを得る。このトナー粒子を水性媒体から濾過し、脱イオン水で3回洗浄し、2日間冷凍乾燥する。ポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)で処理された5ミクロンのシアントナーを得る。この粒子の体積導電率は約2.5×10-4ジーメンス/センチメートルになると思われる。
【0095】
このように調製したトナー粒子を、例Vで説明したようにキャリヤと混合して帯電させる。粒子は、Cゾーンにおいて約−52マイクロクーロン/グラム、Aゾーン(28℃で相対湿度85%の制御された環境で一晩コンディショニング)において約−20マイクロクーロン/グラムの摩擦帯電に達すると思われる。
【0096】
上記と同じモル当量のドーパント及び酸化剤を用いて、3,4−エチレンジオキシピロールの相対量をトナー粒子の10重量%に増やした場合、得られるトナー粒子は同様に約2.5×10-4ジーメンス/センチメートルの高い導電率を有すると共に、ポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)シェルの厚さ及び均一性は、この例で説明した5重量%のポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)導電性シェルよりも向上すると思われる。
【0097】
例VI
ナトリウム−スルホン化ポリエステル樹脂粒子のコロイド溶液を、例IVで説明したように調製した。15重量%のナトリウム−スルホン化ポリエステル樹脂を含有する2リットルのコロイド溶液を、機械的攪拌器を備えた4リットルのケットルに入れ、約180〜200回転/分で攪拌しながら56℃に加熱する。この加熱された混合物に、5重量%の二水和酢酸亜鉛を含有する760グラムの水溶液を滴下する。この二水和酢酸亜鉛溶液の滴下は、ぜん動ポンプを用いて行われ、滴下速度は約2.5ミリリットル/分である。滴下が完了した(約5時間)後、この混合物を更に3時間攪拌する。次に、この混合物を攪拌しながら一晩(約18時間)おき、約25℃の室温まで冷ます。この生成物を、3ミクロンの疎水性の薄膜クロスを通して濾過し、このトナーの固まりを、約2リットルの脱イオン水に入れて約1時間攪拌し、再びスラリー状にする。このトナーのスラリーを再び濾過し、凍結乾燥器で48時間乾燥させる。このトナー粒子の平均粒径は5.0ミクロンであり、GSDは1.18である。
【0098】
約10グラムのシアントナー粒子を、52グラムの水性スラリー(固形分19.4重量%の予じめ洗浄されたトナー)に分散する。スラリーのpHは6.0、スラリー溶液の導電率は15マイクロジーメンス/センチメートルである。この水性トナースラリーに、まず、4.0グラム(17.5ミリモル)の酸化剤である過硫酸アンモニアを加え、次に、室温で15分間攪拌する。その後、この溶液を激しく攪拌しながら、15〜20分間かけて、3,4−エチレンジオキシピロールモノマー(0.875グラム、7.0ミリモル)を整然と滴下する。酸化剤対3,4−エチレンジオキシピロールモノマーのモル比は2.5対1.0であり、モノマー濃度はトナー固形分の10重量%である。モノマーの添加が完了してから30分後、ドーパントであるパラ−トルエンスルホン酸(1.2グラム、7.0ミリモル、3,4−エチレンジオキシピロールモノマーと等モル)を添加する。この混合物を、やや温度を上昇させて(32℃〜35℃)48時間攪拌し、表面コーティングされたシアントナーを得る。このトナー粒子を水性媒体から濾過し、脱イオン水で3回洗浄し、48時間冷凍乾燥する。ポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)で処理された5ミクロンのシアントナーを得る。この粒子の体積導電率は約3×10-7ジーメンス/センチメートルになると思われる。
【0099】
このように調製したトナー粒子を、例IVで説明したようにキャリヤと混合して帯電させる。粒子は、Cゾーンにおいて約−11マイクロクーロン/グラムの摩擦帯電に達すると思われる。
【0100】
例VII
次のように黒色トナー組成物を調製する。58重量%のスチレン及び42重量%のn−ブチルメタクリレートを含有する92重量部のスチレン−n−ブチルメタクリレートポリマー、6重量部のリーガル(Regal) 330(登録商標)カーボンブラック(キャボット・コーポレイション(Cabot Corporation)より)、及び2重量部の塩化セチルピリジニウムを、ダイを130〜145℃の温度に保つとともにバレルの温度範囲が約80〜約100℃であるエクストルーダ中で溶かしてブレンドし、その後、微粉化して空気分級し、体積平均直径が12ミクロンのトナー粒子を得る。
【0101】
次に、このように調製した12ミクロンの黒色トナーを界面活性剤水溶液中で再び懸濁させ、3,4−エチレンジオキシピロールモノマーの酸化重合によって表面処理を施し、固有の導電性を有するポリマーであるポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)のシェルにより、絶縁性トナーの表面を導電性とする。250グラムの脱イオン水が入った500ミリリットルのビーカーに、15.312グラム(0.044モル)のスルホン化水溶性界面活性剤であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Co.、ウィスコンシン州ミルウォーキーに所在)より入手可能)を溶解させる。このスルホン化界面活性剤は、PEDOPポリマーを導電性とするドーパントとしても機能する。この均質な溶液に、乾燥した12ミクロンの黒色トナー粒子を25グラム加える。界面活性剤がトナー表面を湿らせ、よく分散されトナーの凝集がないトナースラリーを調製するよう、このスラリーを2時間攪拌する。トナー粒子の添加量はスラリーの10重量%である。2時間後、この溶液に、2.2グラム(0.0176モル)の3,4−エチレンジオキシピロールモノマーを加える。ドーパント対EDOPのモル比は2.5:1であり、EDOPはトナー粒子の10重量%の量で存在する。2時間後、溶解させた酸化剤(10ミリリットルの脱イオン水中に過硫酸アンモニア5.02グラム(0.0219モル))を、10分間かけて滴下する。酸化剤対EDOPのモル比は1.25:1とする。この溶液を、室温で一晩攪拌し、3日間放置する。次に、粒子を洗浄して乾燥させる。得られる導電性黒色トナー粒子は、10-4〜10-3ジーメンス/センチメートルの範囲の体積導電率を有すると思われる。
【0102】
例VIII
次のように赤色トナー組成物を調製する。85重量部のスチレンブタジエン、1重量部のジステアリルジメチルアンモニアメチルスルフェート(ヘクセル・コーポレイション(Hexcel Corporation)より入手可能)、13.44重量部の、スチレン−n−ブチルメタクリレートとリトール・スカーレット(Lithol Scarlet) NB3755(BASFより)との1:1ブレンド、及び0.56重量部のホスタパーム・ピンクE(Hostaperm Pink E)(ホーシュト・コーポレイション(Hoechst Corporation)より)を、ダイを130〜145℃の温度に保つとともにバレルの温度範囲が約80〜約100℃であるエクストルーダ中で溶かしてブレンドし、その後、微粉化して空気分級し、体積平均直径が11.5ミクロンのトナー粒子を得る。
【0103】
次に、例VIIで説明した方法により、このように調製した赤色トナーを界面活性剤水溶液中で再び懸濁させ、3,4−エチレンジオキシピロールモノマーの酸化重合によって表面処理を施し、固有の導電性を有するポリマーであるポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)のシェルにより、絶縁性トナーの表面を導電性とする。得られる導電性赤色トナー粒子は、10-4〜10-3ジーメンス/センチメートルの範囲の体積導電率を有すると思われる。
【0104】
例IX
次のように青色トナーを調製する。92重量部のスチレンブタジエン、1重量部のジステアリルジメチルアンモニアメチルスルフェート(ヘクセル・コーポレイションより入手可能)、及び7重量部のPV ファスト・ブルー(Fast Blue)(BASFより)を、ダイを130〜145℃の温度に保つとともにバレルの温度範囲が約80〜約100℃であるエクストルーダ中で溶かしてブレンドし、その後、微粉化して空気分級し、体積平均直径が12ミクロンのトナー粒子を得る。
【0105】
次に、例VIIで説明した方法により、このように調製した青色トナーを界面活性剤水溶液中で再び懸濁させ、3,4−エチレンジオキシピロールモノマーの酸化重合によって表面処理を施し、固有の導電性を有するポリマーであるポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)のシェルにより、絶縁性トナーの表面を導電性とする。得られる導電性青色トナー粒子は、10-4〜10-3ジーメンス/センチメートルの範囲の体積導電率を有すると思われる。
【0106】
例X
次のように緑色トナーを調製する。89.5重量部のスチレンブタジエン、0.5重量部のジステアリルジメチルアンモニアメチルスルフェート(ヘクセル・コーポレイションより入手可能)、5重量部のスーダン・ブルー(Sudan Blue)(BASFより)、及び5重量部のパーマネントFGLイエロー(Permanent FGL Yellow)(E.I.デュポン・ド・ネムール・アンド・カンパニー(E. I. DuPont de Nemours and Company)社より)を、ダイを130〜145℃の温度に保つとともにバレルの温度範囲が約80〜約100℃であるエクストルーダ中で溶かしてブレンドし、その後、微粉化して空気分級し、体積平均直径が12.5ミクロンのトナー粒子を得る。
【0107】
次に、例VIIで説明した方法により、このように調製した緑色トナーを界面活性剤水溶液中で再び懸濁させ、3,4−エチレンジオキシピロールモノマーの酸化重合によって表面処理を施し、固有の導電性を有するポリマーであるポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)のシェルにより、絶縁性トナーの表面を導電性とする。得られる導電性緑色トナー粒子は、10-4〜10-3ジーメンス/センチメートルの範囲の体積導電率を有すると思われる。
【0108】
例XI
次の手順を用いて、マイクロカプセルで包んだトナーを調製する。250ミリリットルのポリエチレンのボトルに、39.4グラムのスチレンモノマー(ポリサイエンシズ社(Polysciences Inc.))、26.3グラムのn−ブチルメタクリレートモノマー(ポリサイエンシズ社)、43.8グラムの52/48比率のスチレン/n−ブチルメタクリレートコポリマー樹脂、10.5グラムのリトール・スカーレット(Lithol Scarlet) D3700顔料(BASF)、及び、サンプル全体の40〜50体積%を占める直径5ミリメートルのボールベアリングを加える。このサンプルを24〜48時間ボールミルにかけ、顔料粒子をモノマー/ポリマー混合物に分散させる。このように構成された組成物は、約7重量%の顔料と、約20重量%のシェルポリマーと、約73重量%のコアモノマー及びポリマーの混合物とから成る。このコアモノマーとポリマーとの混合物は、約52重量%のスチレン及び約48重量%のn−ブチルメタクリレートを含む約40重量%のスチレン−n−ブチルメタクリレートコポリマーと、約35重量%のスチレンモノマーと、約24重量%のn−ブチルメタクリレートモノマーとから成る。ボールミル後、250ミリリットルの着色されたモノマー溶液を別のポリエチレンボトルに移し、ブリンクマン(Brinkmann)PT45/80ホモジナイザー及びPTA−20TSプローブを用いて6,000rpmの回転数で1分間かけて、その溶液中に、10.2グラムのテレフタロイルクロリド(フルカ)と、8.0グラムの1,3,5−ベンゼントリカルボン酸クロリド(アルドリッチ)と、263グラムの2,2’−アゾ−ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(ポリサイエンシズ社)と、0.66グラムの2,2’−アゾ−ビス−イソブチロニトリル (ポリサイエンシズ社)とを分散させる。500ミリリットルの約2.0重量%ポリビニルアルコール溶液(重量平均分子量96,000、約88重量%加水分解、サイエンティフィック・ポリマー・プロダクツ(Scientific Polymer Products))と、0.5ミリリットルの2−デカノール(アルドリッチ)とが入ったステンレスの2リットルのビーカーに、ブリンクマンPT45/80ホモジナイザー及びPTA−35/4Gプローブを用いて10,000rpmの回転数で3分間かけて、上記の着色モノマー溶液を分散させる。この分散を、15℃の冷水浴中で行う。この混合物を、機械的攪拌装置とビーカーの下の油槽とを備えた2リットルのガラスのリアクタに移す。溶液を激しく攪拌しながら、8.0グラムのジエチレントリアミン(アルドリッチ)と、5.0グラムの1,6−ヘキサンジアミン(アルドリッチ)と、25ミリリットルの蒸留水との水溶液を、2〜3分間かけて滴下する。同時に、別の滴下漏斗から、13.0グラムの炭酸ナトリウム(ベーカー(Baker))と30ミリリットルの蒸留水から成る塩基性溶液を10分間かけて滴下する。アミン及び塩基性溶液の添加が完了したら、混合液を室温で2時間攪拌する。この時、界面重合が生じて、コア材料の周りにポリアミンのシェルが形成される。尚攪拌しながら、蒸留水を用いて反応混合液の体積を1.5リットルに増やし、10.0ミリリットルの蒸留水に溶かした3.0グラムのヨウ化カリウム(アルドリッチ)を含有する水溶液を加える。攪拌を続けながら最初の2時間が経過後、温度を4時間の間65℃に上昇させ、コアの遊離基重合反応を開始させる。この4時間に続いて、コアの重合を完了させ、シェルによって包まれる残存モノマーの量を最少化するために、再び温度を8時間の間85℃に上昇させる。次に、この溶液を室温まで冷まし、蒸留水を用いて沈殿させるとともに上澄み液を傾瀉することにより、7回洗浄する。
【0109】
粒径は、粒子を425ミクロン及び250ミクロンのふるいにかけ、ヤマト−オーカワラ(Yamato−Ohkawara)噴霧乾燥機モデルDL−41を用いて噴霧乾燥することにより判定される。コールタカウンタによる判定で、平均粒径は約14.5ミクロン、GSDは1.7となる。
【0110】
(乾燥及び粒径の測定前に)トナー粒子を水中で懸濁させた状態で、粒子の表面を、3,4−エチレンジオキシピロールモノマーの酸化重合によって処理し、ドーピングして、赤色トナーのコアを包むポリアミドシェルの上に導電性ポリマーシェルを生成する。250ミリリットルのビーカーに、このように調製した150グラムの赤色トナー粒子のスラリー(溶液中の総固形材料は25.0グラム)を加える。次に、この溶液を脱イオン水で更に希釈し、250グラムの粒子スラリーを調製する。この溶液を攪拌しながら、8.37グラム(0.0440モル)のドーパントであるパラ−トルエンスルホン酸(p−TSA)を加える。15分後、2.2グラム(0.0176モル)の3,4−エチレンジオキシピロールモノマー(EDOP)を、この溶液に加える。ドーパント対EDOPのモル比は2.5:1であり、EDOPはトナー粒子の10重量%の量で存在する。2時間後、溶解させた酸化剤(10ミリリットルの脱イオン水中に過硫酸アンモニア5.02グラム(0.0219モル))を、10分間かけて滴下する。酸化剤対EDOPのモル比は1.25:1とする。この溶液を、室温で一晩攪拌し、3日間放置する。粒子を蒸留水で1回洗浄し、冷凍乾燥機で48時間乾燥させる。PEDOPを生成するためのEDOPの化学的酸化重合がトナー粒子表面で生じ、粒子表面は、ドーパントであるスルホネート基の存在により導電性となる。このトナーを圧縮したペレットの平均体積導電率は、約10-4〜約10-3ジーメンス/センチメートルになると思われる。
【0111】
例XII
次の手順を用いて、マイクロカプセルで包んだトナーを調製する。250ミリリットルのポリエチレンのボトルに、10.5グラムのリトール・スカーレット(Lithol Scarlet) D3700(BASF)、52.56グラムのスチレンモノマー(ポリサイエンシズ社)、35.04グラムのn−ブチルメタクリレートモノマー(ポリサイエンシズ社)、21.9グラムの52/48比率のスチレン/n−ブチルメタクリレートコポリマー樹脂、及び、サンプル全体の40体積%を占める直径5ミリメートルのボールベアリングを加える。このサンプルを一晩(約17時間)ボールミルにかけ、顔料粒子をモノマー/ポリマー混合物に分散させる。このように構成された組成物は、7重量%の顔料と、20重量%のシェル材料と、73重量%のコアモノマー及びポリマーの混合物とから成る。このコアモノマーとポリマーとの混合物は、スチレン/n−ブチルメタクリレートモノマー比が52/48である20%のポリマー樹脂と、48%のスチレンモノマーと、32%のN−ブチルメタクリレートとから成る。ボールミル後、着色されたモノマー溶液を別の250ミリリットルのポリエチレンボトルに移し、ブリンクマンPT45/80ホモジナイザー及びPTA−20TSジェネレータプローブを用いて5,000rpmの回転数で30秒間かけて、この溶液中に、12.0グラムのセバコイルクロリド(アルドリッチ)と、8.0グラムの1,3,5−ベンゼントリカルボン酸クロリド(アルドリッチ)と、1.8055グラムの2,2’−アゾ−ビス(2,3−ジメチルバレロニトリル)(ポリサイエンシズ社)と、0.5238グラムの2,2’−アゾ−ビス−イソブチロニトリル (ポリサイエンシズ社)とを分散させる。500ミリリットルの2.0%ポリビニルアルコール溶液(重量平均分子量96,000、88%加水分解、サイエンティフィック・ポリマー・プロダクツ)と、0.3グラムのヨウ化カリウム(アルドリッチ)と、0.5ミリリットルの2−デカノール(アルドリッチ)とが入ったステンレスの2リットルのビーカーに、ブリンクマンPT45/80ホモジナイザー及びPTA−20TSプローブを用いて10,000rpmの回転数で1分間かけて、上記の着色された有機相を分散させる。この分散を、15℃の冷水浴中で行う。この混合物を、機械的攪拌装置とビーカーの下の油槽とを備えた2リットルのガラスのリアクタに移す。溶液を激しく攪拌しながら、8.0グラムのジエチレントリアミン(アルドリッチ)と、5.0グラムの1,6−ヘキサンジアミン(アルドリッチ)と、25ミリリットルの蒸留水との水溶液を、2〜3分間かけて滴下する。同時に、別の滴下漏斗から、13.0グラムの炭酸ナトリウム(ベーカー)と30ミリリットルの蒸留水から成る塩基性溶液を10分間かけて滴下する。アミン及び塩基性溶液の添加が完了したら、混合液を室温で2時間攪拌する。この時、界面重合が生じて、コア材料の周りにポリアミンのシェルが形成される。攪拌しながら、蒸留水を用いて反応混合液の体積を1.5リットルに増やし、続いて、温度を12時間の間54℃に上昇させ、コアモノマーを重合させる。次に、この溶液を室温まで冷まし、蒸留水を用いて粒子を沈殿させるとともに上澄み液を傾瀉することにより、7回洗浄する。噴霧乾燥の前に、粒子を425ミクロン及び250ミクロンのふるいにかけ、吸入口温度120℃及び放出口温度65℃のヤマト−オーカワラ噴霧乾燥機モデルDL−41を用いて、噴霧乾燥する。コールタカウンタでの判定で、平均粒径は約14.5ミクロン、GSDは1.66となる。
【0112】
(乾燥及び粒径の測定前に)トナー粒子を水中で懸濁させた状態で、例XIで説明した方法により、粒子の表面を、3,4−エチレンジオキシピロールモノマーの酸化重合によって処理し、ドーピングして、トナーのコアを包むシェルの上に導電性ポリマーシェルを生成する。この得られるトナーを圧縮したペレットの平均体積導電率は、約10-4〜約10-3ジーメンス/センチメートルになると思われる。
【0113】
例XIII
次の手順を用いて、マイクロカプセルで包んだトナーを調製する。250ミリリットルのポリエチレンのボトルに、13.1グラムのスチレンモノマー(ポリサイエンシズ社)、52.6グラムのn−ブチルメタクリレートモノマー(ポリサイエンシズ社)、33.3グラムの52/48比率のスチレン/n−ブチルメタクリレートコポリマー樹脂、及び、65/35比率のスチレン/n−ブチルメタクリレートコポリマー樹脂に顔料対ポリマー樹脂の比率が50/50で流し込んだスーダン・ブルー(Sudan Blue) OS顔料(BASF)21.0グラムの混合物を加える。バレル(Burrell)リストシェーカを用いて、24〜48時間かけて、上記ポリマー及び顔料を上記モノマーに分散させる。このように構成された組成物は、7重量%の顔料と、20重量%のシェルと、73重量%のコアモノマー及びポリマーの混合物とから成り、この混合物は、9.6%のコポリマー樹脂(65/35比率のスチレン/n−ブチルメタクリレートモノマー)、30.4%のコポリマー樹脂(52/48比率のスチレン/n−ブチルメタクリレートモノマー)、12%のスチレンモノマー、及び48.0%のn−ブチルメタクリレートモノマーから成る。一旦、この着色されたモノマー溶液を均質にし、この混合物に、ブリンクマンPT45/80ホモジナイザー及びPTA−20TSプローブを用いて5,000rpmの回転数で30秒間かけて、20.0グラムの液体イソシアネート(商品名:イソネート(Isonate) 143L又はリキッド(liquid) MDI)(アップジョン・ポリマー・ケミカルズ(Upjohn Polymer Chemicals))と、1.3414グラムの2,2’−アゾ−ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(ポリサイエンシズ社)と、0.657グラムの2,2’−アゾ−ビス−イソブチロニトリル (ポリサイエンシズ社)とを分散させる。600ミリリットルの1.0%ポリビニルアルコール溶液(重量平均分子量96,000、88%加水分解、サイエンティフィック・ポリマー・プロダクツ)と、0.5ミリリットルの2−デカノール(アルドリッチ)とが入ったステンレスの2リットルのビーカーに、ブリンクマンPT45/80ホモジナイザー及びPTA−35/4Gプローブを用いて10,000rpmの回転数で1分間かけて、上記の着色モノマー溶液を分散させる。この分散を、15℃の冷水浴中で行う。この混合物を、機械的攪拌装置とビーカーの下の油槽とを備えた2リットルのリアクタに移す。溶液を激しく攪拌しながら、5.0グラムのジエチレントリアミン(アルドリッチ)と、5.0グラムの1,6−ヘキサンジアミン(アルドリッチ)と、100ミリリットルの蒸留水との水溶液をリアクタに注ぎ込み、この混合物を室温で2時間攪拌する。この時、界面重合が生じて、コア材料の周りにポリウレアのシェルが形成される。尚攪拌しながら、1.0%ポリビニルアルコール溶液を用いて反応混合物の体積を1.5リットルに増やし、10.0ミリリットルの蒸留水に溶かした0.5グラムのヨウ化カリウム(アルドリッチ)を含有する水溶液を加える。希塩酸(BDH)を用いて、この溶液のpHをpH7〜8に調整し、次に、攪拌しながら85℃で12時間加熱する。この時、コアの中のモノマー材料が遊離基重合反応を起こし、コア材料の形成が完了する。この溶液を室温まで冷まし、蒸留水で7回洗浄する。湿ったままの粒子を425ミクロン及び250ミクロンのふるいにかけ、ヤマト−オーカワラ噴霧乾燥機モデルDL−41を用いて噴霧乾燥する。コールタカウンタによる判定で、平均粒径は約164ミクロン、GSDは1.41となる。
【0114】
(乾燥及び粒径の測定前に)トナー粒子を水中で懸濁させた状態で、例XIで説明した方法により、粒子の表面を、3,4−エチレンジオキシピロールモノマーの酸化重合によって処理し、ドーピングして、トナーのコアを包むシェルの上に導電性ポリマーシェルを生成する。この得られるトナーを圧縮したペレットの平均体積導電率は、約10-4〜約10-3ジーメンス/センチメートルになると思われる。
【0115】
例XIV
約92重量%の平均分子量が約68,000のポリ−n−ブチルメタクリレート樹脂と、約6重量%のリーガル(Regal)(登録商標)330カーボンブラックと、約2重量%のセチルピリジニウムクロリドから成るトナー粒子を押出しプロセスによって調製する。このトナー粒子の平均粒径は11ミクロンである。
【0116】
次に、例VIIで説明した方法により、このように調製した黒色トナーを界面活性剤水溶液中で再び懸濁させ、3,4−エチレンジオキシピロールモノマーの酸化重合によって表面処理を施し、固有の導電性を有するポリマーであるポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)のシェルにより、絶縁性トナーの表面を導電性とする。得られる導電性黒色トナー粒子は、10-4〜10-3ジーメンス/センチメートルの範囲の体積導電率を有すると思われる。
【0117】
例XV
90.5重量%のプリオトーン(Pliotone)(登録商標)樹脂(グッドイヤー(Goodyear)より入手)と、7.0重量%のPV ファスト・ブルー(Fast Blue) B2G−A顔料(ホーシュト−セラニーズ(Hoechst―Celanese)より入手)と、2.0重量%のボントロン(Bontron) E−88アルミニウム化合物電荷制御剤(オリエント・ケミカル、ジャパン(Orient Chemical, Japan)より入手)と、0.5重量%のセチルピリジニウムクロリド電荷制御剤(ヘクセル・コーポレイションより入手)とを含有する青色トナー組成物を調製する。このトナー組成物は、まず乾燥状態でブレンドされ、次に、エクストルーダ内で溶融混合される。エクストルーダからのストランドは冷却され、小さなペレット状に刻まれ、粉砕されてトナー粒子となり、粒径分布を狭めるために分級される。このトナー粒子の体積平均粒径は12.5ミクロンである。
【0118】
次に、例VIIで説明した方法により、このように調製した青色トナーを界面活性剤水溶液中で再び懸濁させ、3,4−エチレンジオキシピロールモノマーの酸化重合によって表面処理を施し、固有の導電性を有するポリマーであるポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)のシェルにより、絶縁性トナーの表面を導電性とする。得られる導電性青色トナー粒子は、10-4〜10-3ジーメンス/センチメートルの範囲の体積導電率を有すると思われる。
【0119】
例XVI
次のように、赤色トナー組成物を調製する。91.72重量部のプリオトーン(Pliotone)(登録商標)樹脂(グッドイヤーより入手)と、1重量部のジステアリルジメチルアンモニアメチルスルフェート(ヘクセル・コーポレイションより入手)と、6.72重量部のリトール・スカーレット(LitholScarlet) NB3755顔料(BASFより入手)と、0.56重量部のマゼンタ・プレディスパース(Magenta Predisperse)(ポリマー樹脂に分散されたホスタパーム・ピンク(Hostaperm Pink) E顔料、ホーシュト−セラニーズより入手)を、ダイを130〜145℃の温度に保つとともにバレルの温度範囲が約80〜約100℃であるエクストルーダ中で溶かしてブレンドし、その後、微粉化して空気分級し、体積平均直径が12.5ミクロンのトナー粒子を得る。
【0120】
次に、例VIIで説明した方法により、このように調製した赤色トナーを界面活性剤水溶液中で再び懸濁させ、3,4−エチレンジオキシピロールモノマーの酸化重合によって表面処理を施し、固有の導電性を有するポリマーであるポリ(3,4−エチレンジオキシピロール)のシェルにより、絶縁性トナーの表面を導電性とする。得られる導電性赤色トナー粒子は、10-4〜10-3ジーメンス/センチメートルの範囲の体積導電率を有すると思われる。
【0121】
例XVII
凝集剤(ポリ(塩化アルミニウム))を用いてスチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸ラテックスを凝集させ、次に、温度を上げて粒子を合体させることにより、無着色のトナー粒子を調製する。非イオン性/アニオン性界面活性剤溶液(固形分40.0重量%)中における、スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸(モノマー比率は、スチレンが82重量部、n−ブチルアクリレートが18重量部、アクリル酸が2重量部)の乳化重合によって、次のようにポリマーラテックスを調製する。279.6キログラムのスチレン、61.4キログラムのn−ブチルアクリレート、6.52キログラムのアクリル酸、3.41キログラムのカーボンテトラブロミド、及び11.2キログラムのドデカンチオールを、461キログラムの脱イオン水と混合する。この脱イオン水には、予め、7.67キログラムのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムアニオン性界面活性剤(ネオゲン(Neogen)RK、活性成分を60%含有)、3.66キログラムのノノフェノールエトキシ非イオン性界面活性剤(アンタロックス(Antarox)CA−897、活性材料を100%含有)、及び50キログラムの脱イオン水に溶解させた3.41キログラムの過硫酸アンモニア重合開始剤を溶解させてある。このように形成した乳剤を、70℃で3時間かけて重合し、続いて、更に1時間、85℃に加熱する。得られるラテックスは、59.5重量%の水と、40.5重量%の固形分とを含んでおり、この固形分は、ポリ(スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸)のランダムコポリマーの粒子で構成される。
【0122】
その後、このように調製した375グラムのスチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸アニオン性ラテックスを、761.43グラムの脱イオン水で希釈する。高シヤーホモジナイザーを用いて4,000〜5,000回転/分で2分間かけて、希釈されたラテックス溶液を、凝集剤の酸性溶液(7.86グラムの1モル硝酸溶液中の3.35グラムのポリ(塩化アルミニウム))とブレンドし、ナノメートルサイズのラテックス粒子で構成されるゲル化粒子の凝集物、即ち不均一凝集物を調製する。このスラリーを0.25℃/分という制御された率で50℃に加熱する。この時点で、4%水酸化ナトリウム溶液を用いて、溶液のpHを7.0に調整する。次に、この混合物を0.5℃/分という制御された率で95℃に加熱する。一旦、この粒子スラリーが反応温度95℃で反応したら、1モル硝酸を用いてpHを5.0に降下させ、その後6時間、この温度を保つ。次に、粒子を室温まで冷ます。このトナースラリーから150グラムを取り除き、濾過及び脱イオン水中での再懸濁化により6回洗浄する。そして、この粒子を冷凍乾燥機を用いて48時間乾燥させる。
【0123】
250ミリリットルのビーカーに、150グラムの無着色のトナーサイズ粒子のスラリー(溶液中の総固形材料は11.25グラム)を加える。次に、ドーパントであるパラ−トルエンスルホン酸(pTSA)を加えることにより、この溶液のpHを2.73に調整する。この溶液を攪拌し、酸化剤である過硫酸アンモニア(1.81グラム、7.93ミリモル)を溶解させる。15分後、0.4グラム(3.17ミリモル)の3,4−エチレンジオキシピロールモノマー(EDOP)を、この溶液に加える。酸化剤対EDOPのモル比は2.5:1であり、EDOPはトナー粒子の4重量%の量で存在する。この反応物を、室温で一晩攪拌する。得られる灰色がかったトナー粒子(僅かな着色は、PEDOP粒子コーティングの結果である)を、蒸留水で6回洗浄し、冷凍乾燥機で48時間乾燥させる。PEDOPを生成するためのEDOPの化学的酸化重合がトナー粒子表面で生じ、粒子表面は、トナー粒子表面からのスルホネート基の存在及び添加されたp−TSAにより僅かに導電性となる。このサンプルを圧縮してペレット状にしたときの体積導電率は約3×10-13ジーメンス/センチメートルになると思われる。例IVで説明した方法及びキャリヤを用いて測定する摩擦帯電は、22℃で相対湿度50%において、約−36マイクロクーロン/グラムになると思われる。
【0124】
例XVIII
例XVIIで説明した方法により、無着色のトナー粒子を調製する。250ミリリットルのビーカーに、150グラムの無着色のトナーサイズ粒子のスラリー(平均粒径は5.7ミクロン、粒径分布GSDは1.24)(溶液中の総固形材料は20.0グラム)を加える。酸化剤の添加前にはこの溶液のpHは調整しない。この溶液を攪拌し、酸化剤である過硫酸アンモニア(3.7グラム、0.0162モル)を溶解させる。15分後、1.76グラム(0.0141モル)の3,4−エチレンジオキシピロールモノマー(EDOP)を、この溶液に加える。酸化剤対EDOPのモル比は1.1:1であり、EDOPはトナー粒子の10重量%の量で存在する。この反応物を、室温で一晩攪拌する。得られる灰色がかったトナー粒子(僅かな着色は、PEDOP粒子コーティングの結果である)を、蒸留水で6回洗浄し、冷凍乾燥機で48時間乾燥させる。PEDOPを生成するためのEDOPの化学的酸化重合がトナー粒子表面で生じ、粒子表面は、トナー粒子表面からのスルホネート基の存在により僅かに導電性となる。このサンプルを圧縮してペレット状にしたときの体積導電率は約4×10-13ジーメンス/センチメートルになると思われる。例IVで説明した方法及びキャリヤを用いて測定する摩擦帯電は、22℃で相対湿度50%において、約−9マイクロクーロン/グラムになると思われる。
【0125】
例XIX
凝集剤(ポリ(塩化アルミニウム))を用いてスチレン/n−ブチルアクリレート/スルホン酸スチレンナトリウム塩/アクリル酸ラテックスを凝集させ、次に、温度を上げて粒子を合体させることにより、トナー粒子を調製する。非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤を用いずに、スチレン/n−ブチルアクリレート/スルホン酸スチレンナトリウム塩/アクリル酸(モノマー比率は、スチレンが81.5重量部、n−ブチルアクリレートが18重量部、スルホン酸スチレンナトリウム塩が0.5重量部、アクリル酸が2重量部)の乳化重合によってポリマーラテックスを調製する。この溶液は、次のような40.0重量%の固形分を含有している。277.92キログラムのスチレン、61.38キログラムのn−ブチルアクリレート、1.7キログラムのスルホン酸スチレンナトリウム塩、6.52キログラムのアクリル酸、3.41キログラムのカーボンテトラブロミド、及び11.2キログラムのドデカンチオールを、461キログラムの脱イオン水及び50キログラムの脱イオン水に溶解させた3.41キログラムの過硫酸アンモニア重合開始剤に混合する。このように形成した乳剤を、70℃で3時間かけて重合し、続いて、更に1時間、85℃に加熱する。得られる自己安定性のラテックスは、59.5重量%の水と、40.5重量%の固形分とを含んでおり、この固形分はランダムコポリマーの粒子で構成されている。
【0126】
このように調製したラテックスから50グラムを、250ミリリットルのビーカー中で、固形分装填量20グラムとするよう、100ミリリットルの水で希釈する。このスラリーのpHは調整しない。この溶液を攪拌し、酸化剤である過硫酸アンモニア(3.7グラム、0.0162モル)を溶解させる。15分後、5ミリリットルのアセトニトリルで希釈した1.76グラム(0.0141モル)の3,4−エチレンジオキシピロールモノマー(EDOP)を、この溶液に加える。酸化剤対EDOPのモル比は1.1:1であり、EDOPはトナー粒子の10重量%の量で存在する。この反応物を、室温で一晩攪拌する。次に、この粒子を冷凍乾燥機で48時間乾燥させる。このサンプルを圧縮してペレット状にしたときの体積導電率は、約1×10-7ジーメンス/センチメートルになると思われる。例IVで説明した方法及びキャリヤを用いて測定する摩擦帯電は、22℃で相対湿度50%において、約−4マイクロクーロン/グラムになると思われる。
【0127】
例XX
例XVIIで説明した方法により、無着色のトナー粒子を調製する。250ミリリットルのビーカーに、150グラムの無着色のトナーサイズ粒子のスラリー(平均粒径は5.7ミクロン、粒径分布GSDは1.24)(溶液中の総固形材料は11.25グラム)を加える。次に、ドーパントであるパラ−トルエンスルホン酸(pTSA)を加えることにより、この溶液のpHを2.73に調整する。この溶液を攪拌し、酸化剤である塩化第二鉄(1.3グラム、8.0ミリモル)を溶解させる。15分後、0.4グラム(3.17ミリモル)の3,4−エチレンジオキシピロールモノマー(EDOP)を、この溶液に加える。酸化剤対EDOPのモル比は2.5:1であり、EDOPはトナー粒子の4重量%の量で存在する。この反応物を、室温で一晩攪拌する。得られる灰色がかったトナー粒子(僅かな着色は、PEDOP粒子コーティングの結果である)を、蒸留水で6回洗浄し、冷凍乾燥機で48時間乾燥させる。PEDOPを生成するためのEDOPの化学的酸化重合がトナー粒子表面で生じ、粒子表面は、トナー粒子表面からのスルホネート基の存在及び添加されたp−TSAにより僅かに導電性となる。このサンプルを圧縮してペレット状にしたときの体積導電率は約2×10-13ジーメンス/センチメートルになると思われる。例IVで説明した方法及びキャリヤを用いて測定する摩擦帯電は、22℃で相対湿度50%において、約+16マイクロクーロン/グラムになると思われる。
【0128】
例XXI
凝集剤(ポリ(塩化アルミニウム))を用いてスチレン/n−ブチルアクリレート/スルホン酸スチレンナトリウム塩/アクリル酸ラテックスを凝集させ、次に、温度を上げて粒子を合体させることにより、トナー粒子を調製する。非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤を用いずに、スチレン/n−ブチルアクリレート/スルホン酸スチレンナトリウム塩/アクリル酸(モノマー比率は、スチレンが81.5重量部、n−ブチルアクリレートが18重量部、スルホン酸スチレンナトリウム塩が0.5重量部、アクリル酸が2重量部)の乳化重合によってポリマーラテックスを調製する。この溶液は、次のような40.0重量%の固形分を含有している。277.92キログラムのスチレン、61.38キログラムのn−ブチルアクリレート、1.7キログラムのスルホン酸スチレンナトリウム塩、6.52キログラムのアクリル酸、3.41キログラムのカーボンテトラブロミド、及び11.2キログラムのドデカンチオールを、461キログラムの脱イオン水及び50キログラムの脱イオン水に溶解させた3.41キログラムの過硫酸アンモニア重合開始剤に混合する。このように形成した乳剤を、70℃で3時間かけて重合し、続いて、更に1時間、85℃に加熱する。得られる自己安定性のラテックスは、59.5重量%の水と、40.5重量%の固形分とを含んでおり、この固形分はランダムコポリマーの粒子で構成されている。
【0129】
このように調製したラテックスから50グラムを、250ミリリットルのビーカー中で、固形分装填量20グラムとするよう、100ミリリットルの水で希釈する。このスラリーのpHは調整しない。この溶液を攪拌し、酸化剤である塩化第二鉄(5.7グラム、0.0352モル)を溶解させる。30分後、1.76グラム(0.0141モル)の3,4−エチレンジオキシピロールモノマー(EDOP)を、この溶液に加える。酸化剤対EDOPのモル比は2.5:1であり、EDOPはトナー粒子の10重量%の量で存在する。この反応物を、室温で一晩攪拌する。次に、この粒子を冷凍乾燥機で48時間乾燥させる。このサンプルを圧縮してペレット状にしたときの体積導電率は、約3.5×10-9ジーメンス/センチメートルになると思われる。例IVで説明した方法及びキャリヤを用いて測定する摩擦帯電は、22℃で相対湿度50%において、約+4マイクロクーロン/グラムになると思われる。
【0130】
例XXII
凝集剤(ポリ(塩化アルミニウム))を用いてスチレン/n−ブチルアクリレート/スルホン酸スチレンナトリウム塩/アクリル酸ラテックスを凝集させ、次に、温度を上げて粒子を合体させることにより、トナー粒子を調製する。非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤を用いずに、スチレン/n−ブチルアクリレート/スルホン酸スチレンナトリウム塩/アクリル酸(モノマー比率は、スチレンが81.5重量部、n−ブチルアクリレートが18重量部、スルホン酸スチレンナトリウム塩が0.5重量部、アクリル酸が2重量部)の乳化重合によってポリマーラテックスを調製する。この溶液は、次のような40.0重量%の固形分を含有している。277.92キログラムのスチレン、61.38キログラムのn−ブチルアクリレート、1.7キログラムのスルホン酸スチレンナトリウム塩、6.52キログラムのアクリル酸、3.41キログラムのカーボンテトラブロミド、及び11.2キログラムのドデカンチオールを、461キログラムの脱イオン水及び50キログラムの脱イオン水に溶解させた3.41キログラムの過硫酸アンモニア重合開始剤に混合する。このように形成した乳剤を、70℃で3時間かけて重合し、続いて、更に1時間、85℃に加熱する。得られる自己安定性のラテックスは、59.5重量%の水と、40.5重量%の固形分とを含んでおり、この固形分はランダムコポリマーの粒子で構成されている。
【0131】
このように調製したラテックスから50グラムを、250ミリリットルのビーカー中で、固形分装填量20グラムとするよう、100ミリリットルの水で希釈する。このスラリーのpHは調整しない。この溶液を攪拌し、酸化剤である塩化第二鉄(1.15グラム、7.09モル)を溶解させる。15分後、1.76グラム(0.0141モル)の3,4−エチレンジオキシピロールモノマー(EDOP)を、この溶液に加える。酸化剤対EDOPのモル比は0.5:1であり、EDOPはトナー粒子の10重量%の量で存在する。この反応物を、室温で一晩攪拌する。次に、この粒子を冷凍乾燥機で48時間乾燥させる。このサンプルを圧縮してペレット状にしたときの体積導電率は、約1.5×10-7ジーメンス/センチメートルになると思われる。例IVで説明した方法及びキャリヤを用いて測定する摩擦帯電は、22℃で相対湿度50%において、約+7マイクロクーロン/グラムになると思われる。
【0132】
例XXIII
例I乃至XXIIで説明したようにトナー組成物を調製するが、但しドーパントは用いない。得られるトナー粒子は、比較的絶縁性であり、二成分現像プロセスに適していると思われる。
【0133】
例XXIV
例XVII、XVIII、XX及びXXIIIで説明したようにトナーを調製する。例IVで説明したように、このように調製したトナーをそれぞれキャリヤと混合し、現像剤組成物を構成する。このように調製された現像剤をそれぞれ電子写真画像形成装置に導入する。各事例において、受光体上に静電潜像を生成し、現像剤を用いて現像する。その後、現像した画像を紙の基体に転写し、熱及び圧力によって定着させる。
【0134】
例XXV
例I乃至XVI、XIX、XXI及びXXIIで説明したようにトナーを調製する。各トナーを接地された導電性(アルミニウム)基体上に置き、25ミクロン厚さのマイラー(MYLAR)(登録商標)で覆われ+100ボルトのバイアスに保たれた電極でトナーに触れることにより、これらのトナーを非磁性誘導帯電について評価する。マイラーで覆われた電極をトナーから離す際に、マイラーにトナーの単層が付着し、誘導帯電された単層の静電表面電位は約−100ボルトになると思われる。静電表面電位が、マイラー電極に与えられたバイアスと等しく且つ反対の極性であるという事実は、このトナーが、トナーの誘導帯電を可能とするに十分な導電性を有することを示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用するのに適した説明的な電子写真プリント装置の略正面図である。
【図2】本発明に使用するのに適した現像システムの略図である。
【図3】誘電的にオーバーコーティングされた基体上の、誘導帯電されたトナーの単層を示す図である。
【図4】ドナーと誘電的にオーバーコーティングされた基体との間の、予め誘導帯電されたトナーの単層を示す図である。
【図5】黒色及びカスタム色をプリントするための、非磁性誘導帯電現像システムを導入した、説明的な電子写真プリント装置の略正面図である。
【符号の説明】
10 受光体(ベルト)
12 光導電面層
42 ドナーロール
44 現像ユニット(ハウジング)
56 ラスタ出力スキャナ(ROS)
Claims (6)
- 樹脂及び任意の着色剤の粒子から成るトナーであって、該トナー粒子がポリ( 3 , 4 −エチレンジオキシピロール)でコーティングされるトナー。
- R 1 及び R 3 は水素原子であり、 R 2 及び R 4 は(a) R 2 =H、 R 4 =H、(b) R 2 =(CH 2 ) n CH 3 、式中n=0〜14、 R 4 =H、(c) R 2 =(CH 2 ) n CH 3 、式中n=0〜14、 R 4 =(CH 2 ) n CH 3 、式中n=0〜14、(d) R 2 =(CH 2 ) n SO 3 - Na + 、式中n=1〜6、 R 4 =H、(e) R 2 =(CH 2 ) n SO 3 - Na + 、式中n=1〜6、 R 4 =(CH 2 ) n SO 3 - Na + 、式中n=1〜6、(f) R 2 =(CH 2 ) n OR 6 、式中n=0〜4、 R 6 =(i)H又は(ii)(CH 2 ) m CH 3 、式中m=0〜4、 R 4 =H、又は、(g) R 2 =(CH 2 ) n OR 6 、式中n=0〜4、 R 6 =(i)H若しくは(ii)(CH 2 ) m CH 3 、式中m=0〜4、 R 4 =(CH 2 ) n OR 6 、式中n=0〜4、 R 6 =(i)H若しくは(ii)(CH 2 ) m CH 3 、式中m=0〜4である、請求項2に記載のトナー。
- (a)画像形成部材上に静電潜像を生成するステップと、
(b)前記画像形成部材を、樹脂及び任意の着色剤の粒子から成りポリ( 3 , 4 −エチレン ジオキシピロール)でコーティングされているトナー粒子と接触させることにより前記潜像を現像するステップと、
を有するプロセス。 - 現像された画像を形成するための、受像部材の表面に記録された潜像の現像プロセスであって、
(a)前記受像部材の表面を所定の処理速度で移動させるステップと、
(b)リザーバに、樹脂及び任意の着色剤の粒子から成りポリ( 3 , 4 −エチレンジオキシピロール)でコーティングされている供給用トナー粒子を収容するステップと、
(c)ドナー部材の外面上の前記トナー粒子を、前記受像部材に隣接する現像ゾーンに移送するステップと、
(d)現像ゾーンに入る前に前記ドナー部材の外面上の前記トナー粒子を所定の帯電レベルに誘導帯電するステップと、
を有する、潜像の現像プロセス。
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