JP3886219B2 - 有機el素子 - Google Patents

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    • H10K59/10OLED displays
    • H10K59/17Passive-matrix OLED displays
    • H10K59/173Passive-matrix OLED displays comprising banks or shadow masks

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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機EL素子にかかり、特に、微細パターンに適した構造の有機EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
高輝度の有機EL(Electro Luminescence)素子を用いた表示装置は、視野角が広く、薄型の表示装置が得られることから近年注目されており、カラー化と長寿命化による実用品の制作に向けて精力的な研究が行われている。
【0003】
一般的な有機EL素子は、ガラス基板上に平行に形成された複数の透明配線膜と、その表面に形成したEL薄膜と、そのEL薄膜表面に、透明配線膜とは直交するように形成された金属配線膜とで構成されており、透明配線膜と金属配線膜との間に位置するEL薄膜が発光するように構成されている。
【0004】
一般的に、透明配線膜はITO(In-Tin Oxide)薄膜で構成されており、ガラス基板上に全面成膜したITO薄膜をパターニングし、平行な透明配線膜を形成する際には、ITO薄膜表面に、半導体製造工程で用いられるレジスト膜を形成し、露光・現像によってパターニングし、そのレジスト膜をマスクにしてITO薄膜をエッチングしている。
【0005】
しかしながらレジスト膜の現像や除去を行う際に、有機溶剤やプラズマによる処理が行われているため、同様の工程で金属薄膜のパターニングを行おうとすると、金属配線膜間に露出した有機薄膜や、側面に露出した透明配線膜が、有機溶剤やプラズマに曝され、劣化してしまうという問題がある。
【0006】
そこで従来の有機EL素子では、レジスト膜を使用しないで済む構造が採用されており、その有機EL素子の製造方法を説明すると、先ず、図7(a)に示すように、所定パターンに成形された透明配線膜161を有するガラス基板160を用意し、表面処理を行った後、有機薄膜形成室内に搬入する。
【0007】
有機薄膜形成室内を真空排気し、ガラス基板160を真空雰囲気に置いた状態で透明配線膜161近傍に金属マスク181を配置し、有機蒸着源から有機化合物蒸気を放出させ、透明配線膜161表面及びその間に露出したガラス基板160表面に一層目の有機薄膜1651を形成する(同図(b))。
次いで、別の有機蒸着源から異なる種類の有機化合物蒸気を放出させ、一層目の有機薄膜1651表面に、二層目の有機薄膜1652を形成する(同図(c))。
【0008】
そして、大気に曝さない状態で、有機薄膜形成室から金属薄膜形成室に搬送し、所定パターンが形成された金属マスク182を二層目の有機薄膜1652表面近傍に配置し、金属蒸着源から放出させた金属蒸気を付着させ、二層目の有機薄膜1652表面に金属配線膜1661を形成する(同図(d))。
【0009】
最後に、電極パターンが形成された金属マスク183を配置し、同様に、金属蒸気を付着させ、透明配線膜161表面に電極用の金属配線膜1662を形成すると、図6に示すような有機EL素子が形成される。
【0010】
この有機EL素子では、ガラス基板160表面に形成された透明配線膜161と金属配線膜1662とが、有機薄膜1651、1652を挟んで格子状に配置されており、図7(f)に示すように、金属配線膜1662を介して透明配線膜161に正電圧を印加し、金属配線膜1661に負電圧を印加すると、ホール注入層とホール輸送層の機能を有する一層目の有機薄膜1651と、発光層と電子輸送層の機能を有する二層目の有機薄膜1652との、透明配線膜161と金属配線膜1661とが交差部分が発光し、EL光190が放出される。
【0011】
そのEL光190は、透明配線膜161とガラス基板160とを透過し、外部に放射されるので、電圧を印加する透明配線膜161と金属配線膜1661とを選択すると、所望部分を発光させることができるので、有機EL素子を発光表示装置として用いることが可能となる。
【0012】
以上説明した有機EL素子の製造工程では、金属配線膜1661、1662は、金属マスク182、183によって成膜と同時にパターニングされるので、半導体デバイスの製造工程のように、一旦金属薄膜を全面成膜した後、パターニングしたレジスト膜をマスクとするエッチングを行わなくて済む。従って、有機溶剤やプラズマ処理を必要とせず、有機薄膜1651、1652や透明配線膜161が劣化せず、高品質の有機EL素子を得ることが可能となっている。
【0013】
しかしながら近年では、高精細の表示装置が求められており、そのため、透明配線膜161や金属配線膜1661、1662の微細化が進んでいる。上述のような金属マスク182、183を用いる場合、形成できる金属配線膜1661、1662の幅は狭くできない。そのため、微細化に適した構造の有機EL素子の開発が望まれている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、微細パターンに適した有機EL素子を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、レジスト膜形成室内の下方に蒸着源を配置し、遮光部と透過部を有するガラスマスクと紫外線ランプと赤外線ランプを上方に配置しておき、前記レジスト膜形成室内にガラス基板を搬入し、前記ガラス基板の成膜面を下方に向けて配置し、前記蒸着源から有機電気絶縁膜の原料蒸気を上方に放出させ、前記ガラス基板の前記成膜面上に真空蒸着法によって感光性の有機電気絶縁膜を形成し、前記ガラス基板を上下反転させ、前記成膜面を上方に向けて配置し、前記有機電気絶縁膜上に前記ガラスマスクを位置させ、前記紫外線ランプから前記ガラスマスクに、前記透過部の中央に対応する位置では深部でも光重合反応が進行し、周辺付近に対応する位置では深部では未反応のまま残るような強度と露光時間で紫外線を照射し、前記透過部を透過した前記紫外線を前記有機電気絶縁膜に到達させて反応させた後、前記ガラス基板を上下反転させ、前記成膜面を下方に向けて配置し、前記赤外線ランプから前記有機電気絶縁膜に赤外線を照射して300℃以上の温度に加熱し、未反応の有機電気絶縁膜を蒸発除去し、底部の幅よりも上部の幅が広い電気絶縁膜パターンを形成し、前記ガラス基板を前記レジスト膜形成室の外部に搬出し、前記電気絶縁膜パターン上と、その間の開口部内に金属薄膜を形成し、前記電気絶縁膜パターン上の前記金属薄膜と、前記開口部内の金属薄膜とを、前記電気絶縁膜パターンの段差によって分離絶縁させる有機EL素子の製造方法である。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の有機EL素子の製造方法であって、真空蒸着法により、前記電気絶縁膜パターン上に有機EL薄膜を形成し、 前記電気絶縁膜パターン上の前記有機EL薄膜と、開口部内の前記有機EL薄膜とを、前記電気絶縁膜パターンの段差によって分離絶縁させた状態で、前記有機EL薄膜表面に前記金属薄膜を形成する有機EL素子の製造方法である。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の有機EL素子の製造方法であって、有機EL薄膜を形成した後、前記有機電気絶縁膜を形成する有機EL素子の製造方法である。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の有機EL素子の製造方法であって、低分子量のポリ尿素を蒸着して前記有機電気絶縁膜を形成し、前記紫外光が照射された部分を高分子化する有機EL素子の製造方法である。
【0018】
上記構成の有機EL素子によれば、ガラス基板上に形成された複数の透明配線膜は互いに絶縁されており、透明配線膜上、及びガラス基板上に有機薄膜から成るEL薄膜が形成され、EL薄膜表面に、互いに絶縁された金属配線膜が複数本形成されている。
【0019】
EL薄膜が、ホール注入層と、ホール輸送層と、発光層と、電子輸送層の機能を有している場合、透明配線膜と金属配線膜との間に電圧を印加すると、その配線の交差部分に位置するEL薄膜を発光させることができる。
【0020】
金属配線膜を形成する際には、予め真空蒸着法によって有機電気絶縁膜を形成し、紫外光を発生させて、所定パターンが形成されたガラスマスクの透過部を透過させ、有機電気絶縁膜に照射して部分的に重合反応を進行させており、その後、加熱すると、重合しなかった部分が蒸発除去され、重合した部分によって、ガラスマスクに形成されたパターンを有する電気絶縁膜パターンを形成する。
【0021】
その際、透過部の中央位置を透過した紫外光の強度は比較的高く、透過部の周辺位置を透過した紫外光の強度は、回折や散乱によって比較的低くなるので、有機電気絶縁膜の透過部の中央に対応する位置では深部まで光重合反応が進行し、周辺位置では浅部だけ光重合反応が行われるため、形成される電気絶縁膜パターンは、底部よりも上部が幅が広くなる。
【0022】
従って、電気絶縁膜パターンの側面部分は陰になるので、蒸着法によって金属蒸気を付着させる場合、電気絶縁膜パターンの側面部分には金属蒸気が付着せず、電気絶縁膜パターン上と電気絶縁膜パターン間の開口部の底面に金属薄膜が形成されるため、電気絶縁膜パターンの間に形成された金属配線膜同士は分離され、互いに絶縁される。
【0023】
ところで、低分子量のポリ尿素膜は、室温では薄膜であるが、真空雰囲気中で加熱すると蒸発する。他方、その低分子のポリ尿素膜に紫外光を照射し、光重合させたポリ尿素膜は、加熱しても蒸発しないので、上述のような有機電気絶縁膜は、低分子のポリ尿素膜で構成し、紫外光で光重合させた部分によって電気絶縁膜パターンを構成させることができる。
【0024】
なお、低分子のポリ尿素膜は、MDI(4,4'-Diphenylmethane diisocyanate)蒸気とMDA(4,4'-Diamino diphenylmethane)蒸気とを真空雰囲気中で個別に蒸発させ、基板表面で重合させることで得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。
図1を参照し、符号1は、本発明の有機EL素子の製造に用いることができる有機EL素子製造装置の一例である。
この有機EL素子製造装置1は、表面処理室10、レジスト膜形成室20、EL層形成室30、金属薄膜形成室40とがこの順に配置されて構成されている。
【0026】
先ず、表面に透明配線膜が複数本形成されたガラス基板60を表面処理室10の真空槽11内に搬入する。真空槽11内の天井側には基板ホルダー12が設けられており、底壁側にはプラズマガン13が設けられている。搬入したガラス基板60は、透明配線膜が設けられた面をプラズマガン13側に向け、基板ホルダー12に保持させる。
【0027】
真空槽11内を所定圧力まで真空排気した後、ガス導入系16からプラズマガン13内にアルゴンガスを導入し、高周波電圧を印加して電離させ、生成されたアルゴンガスプラズマ15を真空槽11内に放出し、ガラス基板60表面の透明配線膜に照射し、透明配線膜の表面改質を行う。
【0028】
その後、大気に曝さない状態でレジスト膜形成室20の真空槽21内に搬入する。
その真空槽21内の天井側には、露光装置2、基板ホルダー22、赤外線ランプ4A、4Bが設けられており、底壁側には二台の有機蒸着源3A、3Bが設けられている。基板ホルダー22は、露光装置2と有機蒸着源3A、3Bの間に配置されており、ガラス基板60を、表面改質が行われた透明配線膜を有機蒸着源3A、3B側に向け、基板ホルダー22に保持させる。
【0029】
その状態を図2(a)に示す。真空槽21内を所定圧力まで真空排気し、有機蒸着源3A、3B内に配置された有機蒸着材料を加熱し、各蒸着源3A、3Bから下記化学式、
【0030】
【化1】
Figure 0003886219
【0031】
のMDI(4,4'-Diphenylmethane diisocyanate)蒸気と、下記化学式、
【0032】
【化2】
Figure 0003886219
【0033】
のMDA(4,4'-Diamino diphenylmethane)蒸気を放出させる。
【0034】
MDI蒸気とMDA蒸気の放出が安定したところでシャッタ24A、24Bを開け、MDI蒸気とMDA蒸気とから成る有機化合物蒸気25を真空槽21内に放出させると、その有機化合物蒸気25は、透明配線膜61表面及び透明配線膜61間に露出したガラス基板60表面に付着する。
【0035】
このとき、ガラス基板60を所定温度に加熱しておくと、ガラス基板60表面及び透明配線膜61表面に付着したMDI分子とMDA分子が下記の重合反応、
【0036】
【化3】
Figure 0003886219
【0037】
を起こし、低分子量のポリ尿素膜から成る有機電気絶縁膜(以下、レジスト膜と述べる)62が形成される。
【0038】
その有機レジスト膜62を所定膜厚(2μm程度)に形成した後、基板ホルダー22を回転させ、図2(b)に示すように、ガラス基板60の有機レジスト膜62が設けられた面を露光装置2側に向ける。
【0039】
露光装置2は、筺体27を有しており、該筺体27内には、紫外線ランプ5が配置されている。筺体27の、紫外線ランプとガラス基板60の間に位置する部分にはガラス窓26がはめ込まれており、そのガラス窓26と紫外線ランプ5との間には、ガラスマスク6が配置されている。
【0040】
紫外線ランプ5に通電し、波長3000Åの紫外光を放射させると、その紫外光28はガラスマスク6に照射される。
ガラスマスク6には、遮光性薄膜によって構成された遮光部7と、該遮光部7間でガラス表面が露出された透過部8とが形成されている。
【0041】
遮光部7は、金属配線膜のパターンに対応したパターンにされており、遮光部7に照射された紫外光28は遮蔽され、その部分の紫外光28はレジスト膜62には到達できない。他方、透過部8に照射された紫外光28は透過し、ガラス窓26を通過して有機レジスト膜62に照射される。
有機レジスト膜62のうち、紫外光28が照射された部分では、下記の光重合反応が進行し、低分子量のポリ尿素間が架橋され、高分子化される。
【0042】
【化4】
Figure 0003886219
【0043】
紫外光28は、透過部8のパターンに従ったパターンで有機レジスト膜62に照射されており、従って、有機レジスト膜62内には、高分子化したポリ尿素分子によって、透過部8のパターンの潜像が形成されている。
【0044】
紫外光28の照射を所定時間(5〜10分)行った後、基板ホルダー22を元の位置に反転させ、有機レジスト膜62が設けられた面を有機蒸着源3A、3B側に向ける。その状態では、有機レジスト膜62は赤外線ランプ4A、4Bに向けられており、赤外線ランプ4A、4Bに通電し、赤外光29を放射させると、有機レジスト膜62が加熱される。
【0045】
有機レジスト膜62が所定温度に加熱されると、紫外光28が照射されなかった部分は解重合を起こし、蒸発するので、有機レジスト膜62の現像を行うことができる。加熱温度と残膜率の関係を図5を用いて説明する。
【0046】
図5を参照し、符号L1は、上記有機レジスト膜62のうち、紫外光が照射された部分の加熱温度と残膜率の関係を示すグラフであり、符号L2は、紫外光が照射されなかった部分の温度と残膜率の関係を示したグラフである。
【0047】
この図5から分かるように、約300℃以上の温度に加熱すると、紫外光28が照射された部分の有機レジスト膜62の残膜率を高く維持しながら、紫外光28を照射しなかった部分の残膜率をゼロにできる。残膜率がゼロの部分では、底面下の透明配線膜61やガラス基板60が露出する。
【0048】
このように、紫外光28によって露光された有機レジスト膜62は、赤外光29によって現像され、ガラスマスク6の透過部8のパターンと同じパターンで電気絶縁膜パターン(以下、レジストパターンと述べる)63が形成される。
【0049】
ところで、上記露光を行う際、紫外光28のうち、透過部8の中央位置を透過した部分の強度は高く、透過部8の外周付近を透過した部分の強度は低くなる。この場合、図3(a)に示すように、強度の高い紫外光28は有機レジスト膜62の深部まで照射され、強度の低い紫外光28は、有機レジスト膜62の浅部にしか照射されない。
【0050】
従って、有機レジスト膜62のうち、透過部8の中央に対応する位置では、深部でも光重合反応が進行するが、周辺付近に対応する位置では、浅部で光重合反応は進行するものの、深部では、重合度は低く、未反応のポリ尿素が残ってしまう。
【0051】
このようなレジスト膜62を、赤外光29によって加熱し、有機レジスト膜62を解重合させると重合度の高い部分が残り、図3(b)に示すように、表面が広く、底面が狭いレジストパターン63が形成される。
【0052】
このように、加熱による解重合を行う場合、残膜率がゼロにならない程度まで光重合反応を進行させておくためには、一定量の紫外光28を必要とすることから、紫外光28の強度、露光時間、解重合の加熱温度等を調整することで、所望形状のレジストパターン63が得られるようになっている。
【0053】
この状態のガラス基板60表面を図4に示す。この図4のI−I線断面図が図3(b)に相当する。透明配線膜61とレジストパターン63とは、互いに垂直方向に延設され、格子状に配置されている。レジストパターン63間に位置する開口部64底面には、透明配線膜61やガラス基板60が露出している。
そのガラス基板60を、大気に曝さない状態で、後段のEL層形成室30の真空槽31内に搬入する。
【0054】
真空槽31内の天井側には基板ホルダー32が設けられ、底壁側には複数の有機蒸着源が設けられている。ここでは、複数の有機蒸着源のうち、二個の有機蒸着源33A、33Bを示す。
【0055】
真空槽31内に搬入されたガラス基板60を、レジストパターン63が形成された面を有機蒸着源33A、33B側に向け、各有機蒸着源33A、33B内に配置された有機薄膜材料を加熱し、シャッタ34A、34Bを開閉させ、複数種類の有機化合物蒸気を順番に放出させると、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層を有する有機多層膜から成るEL薄膜(有機薄膜)65Aが形成される(図3(c))。
【0056】
このとき、レジストパターン63表面の他、開口部64底面に露出する透明配線膜61やガラス基板60表面にも有機化合物蒸気が付着し、EL薄膜65Bが形成される。
【0057】
レジストパターン63は、表面側よりも底面側の幅が狭くなっているので、ガラス基板60の上方位置から見た場合、レジストパターン63側面は隠れた状態になる。従って、有機蒸着源33A、33Bからガラス基板60に向けて放出された有機化合物蒸気はレジストパターン63側面には付着しないので、レジストパターン63表面に形成されたEL薄膜65Aと、開口部64内に形成されたEL薄膜65Bとは、レジストパターン63が形成する段差によって分離された状態になる。
このようなEL薄膜65A、65Bを所定膜厚に形成した後、大気に曝さない状態で、後段の金属薄膜形成室40に設けられた真空槽41に搬入する。
【0058】
真空槽41内の天井側には基板ホルダー42が設けられ、底壁側にはるつぼ43が設けられている。真空槽41内に搬入されたガラス基板60を、EL薄膜65A、65Bが形成された面をるつぼ43側に向け、基板ホルダー42に保持させる。
【0059】
るつぼ43内にはリチウム合金が配置されており、真空槽41内を真空排気し、所定圧力に到達したところでるつぼ43を加熱し、シャッタ44を開けると、真空槽41内にリチウムを含む金属蒸気45が放出される。金属蒸気45が、レジストパターン63上に形成されたEL薄膜65A表面と、開口部64底面に形成されたEL薄膜65B表面とに付着すると、金属配線膜66A、66Bがそれぞれの位置に形成される。
【0060】
金属蒸気45を放出させる際には真空槽41内が高真空状態にされており、金属蒸気45は、ガラス基板60に向かって直線的に飛来する。従って、るつぼ43側から見た場合、隠れた部分になるレジストパターン63側面には金属蒸気45は付着できないので、レジストパターン63上のEL薄膜65A表面に形成された金属配線膜66Aと、開口部64底面上のEL薄膜65B表面に形成された金属配線膜66Bとは、レジストパターン63が形成する段差によって互いに分離され、電気的に絶縁した状態になる。
【0061】
ガラス基板60上の透明配線膜61は、所定線幅(300μm)に形成され、互いに等間隔(30μm)に平行配置されている。レジストパターン63も所定線幅に形成され、透明配線61とは直交方向に互いに等間隔で平行配置されている。従って、開口部64底面に形成されたEL薄膜65Bと、その表面に形成された金属配線膜66Bも一定線幅で、透明配線膜61と直交方向に平行配置された有機EL素子3が構成される(図3(d))。
【0062】
その金属薄膜66Bに負電圧を印加し、透明配線膜61に正電圧を印加すると、透明配線膜61と交差した部分の金属薄膜66BからEL薄膜65B内に電子が注入され、その部分のEL薄膜65BからEL光が放射される。
【0063】
以上は金属配線膜66A、66Bの形成までを説明したが、金属薄膜形成室40の後段に保護膜形成室を配置し、金属配線膜66A、66Bの表面に保護膜を形成してもよい。
【0064】
上記製造工程では、電気絶縁膜パターン(レジストパターン)63を形成した後、EL薄膜と金属薄膜とを形成し、レジストパターン63の有無によって形成する段差で、EL薄膜65A、65B間、及び金属配線膜66A、66B間を分離・絶縁させたが、EL薄膜を形成した後、レジストパターンと金属配線膜とをこの順に形成し、金属配線膜間を分離・絶縁させてもよい。
【0065】
【発明の効果】
透明配線膜やEL薄膜が液体やプラズマに曝されないので、有機EL素子の特性が向上する。
透明配線膜の表面処理から金属配線膜の形成まで、真空雰囲気中で連続して処理できるので、薄膜間の界面状態が良好であり、特性の優れた有機EL素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL素子の製造に用いられる有機EL素子製造装置の一例
【図2】(a)〜(c):レジストパターンの形成方法を説明するための図
【図3】(a)〜(d):本発明の有機EL素子の製造工程の一例を説明するための図
【図4】レジストパターンと透明配線の配置を説明するための図
【図5】加熱温度と残膜率の関係を示すグラフ
【図6】従来技術の有機EL素子を説明するための図
【図7】(a)〜(f):従来技術の有機EL素子の製造工程を説明するための図
【符号の説明】
3……有機EL素子 28……紫外光 60……ガラス基板 61……透明配線膜 62……有機電気絶縁膜(有機レジスト膜) 63……電気絶縁膜パターン(レジストパターン) 65B……EL薄膜 66B……金属配線膜

Claims (4)

  1. レジスト膜形成室内の下方に蒸着源を配置し、遮光部と透過部を有するガラスマスクと紫外線ランプと赤外線ランプを上方に配置しておき、
    前記レジスト膜形成室内にガラス基板を搬入し、前記ガラス基板の成膜面を下方に向けて配置し、
    前記蒸着源から有機電気絶縁膜の原料蒸気を上方に放出させ、前記ガラス基板の前記成膜面上に真空蒸着法によって感光性の有機電気絶縁膜を形成し、
    前記ガラス基板を上下反転させ、前記成膜面を上方に向けて配置し、
    前記有機電気絶縁膜上に前記ガラスマスクを位置させ、前記紫外線ランプから前記ガラスマスクに、前記透過部の中央に対応する位置では深部でも光重合反応が進行し、周辺付近に対応する位置では深部では未反応のまま残るような強度と露光時間で紫外線を照射し、
    前記透過部を透過した前記紫外線を前記有機電気絶縁膜に到達させて反応させた後、
    前記ガラス基板を上下反転させ、前記成膜面を下方に向けて配置し、
    前記赤外線ランプから前記有機電気絶縁膜に赤外線を照射して300℃以上の温度に加熱し、未反応の有機電気絶縁膜を蒸発除去し、底部の幅よりも上部の幅が広い電気絶縁膜パターンを形成し、
    前記ガラス基板を前記レジスト膜形成室の外部に搬出し、前記電気絶縁膜パターン上と、その間の開口部内に金属薄膜を形成し、前記電気絶縁膜パターン上の前記金属薄膜と、前記開口部内の金属薄膜とを、前記電気絶縁膜パターンの段差によって分離絶縁させる有機EL素子の製造方法。
  2. 真空蒸着法により、前記電気絶縁膜パターン上に有機EL薄膜を形成し、前記電気絶縁膜パターン上の前記有機EL薄膜と、開口部内の前記有機EL薄膜とを、前記電気絶縁膜パターンの段差によって分離絶縁させた状態で、前記有機EL薄膜表面に前記金属薄膜を形成する請求項1記載の有機EL素子の製造方法。
  3. 有機EL薄膜を形成した後、前記有機電気絶縁膜を形成する請求項1記載の有機EL素子の製造方法。
  4. 低分子量のポリ尿素を蒸着して前記有機電気絶縁膜を形成し、前記紫外光が照射された部分を高分子化する請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の有機EL素子の製造方法。
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