しかしながら、現在、デジタル放送、アナログ放送、BS、CS、ケーブルテレビ等の番組数の増大に伴って、当該番組のスポンサーとなる会社等からの要望(どの時間帯に放送されているどんな番組のスポンサーとなって、自社製品の広告を行うことが効果的であるか、最大のメリットを生じさせることになるかをすぐに把握したい)や視聴者のプライベートにかかる情報となる番組の視聴履歴の漏洩防止等を実現するために、従来よりも番組の視聴率の測定に関して要求される条件、つまり、即応性、効率性、正確性および秘匿性が厳しくなっており、これらの条件を満たす視聴率の測定手法が確立されていないという問題がある。
ここで、即応性とは、すぐに視聴率が得られること、効率性とは、多数の視聴者から効率よく計測情報(視聴履歴)が得られること、正確性とは、計測された視聴率が正確であること、秘匿性とは、視聴者から送信される計測情報の秘密が保たれること(安全性)をそれぞれ指している。すなわち、これらの条件を満たす視聴率測定の新たな手法が求められている(社会的な要請がある)。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、即応性、効率性、正確性および秘匿性の条件を満たす、つまり、デジタル放送、アナログ放送、BS、CS、ケーブルテレビ等の番組について、従来のように視聴率計測器等の特別な機器を必要とすることが無く、より多くの視聴者から効率よく計測情報を取得することができ、計測情報の信頼性を向上させることができ、計測情報の安全性を確保することができて、視聴率を測定することができる操作履歴携帯端末、視聴率測定装置、視聴率測定システムおよび視聴率測定方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、請求項1記載の操作履歴送信携帯端末は、番組を受信する番組受信手段を操作した操作履歴に、前記番組受信手段を操作した際に画像取得手段で取得した当該番組の画像または当該番組を視聴している視聴者の顔面の画像を含めて送信する操作履歴送信携帯端末であって、表示手段と、操作手段と、計時手段と、操作履歴生成手段と、操作履歴記憶手段と、操作履歴送信手段と、を備える構成とした。
かかる構成によれば、操作履歴送信携帯端末は、表示手段によって、番組受信手段で受信した番組を表示し、操作手段によって、番組受信手段を操作する。番組受信手段は、チューナを備えたもの、例えば、テレビ(番組受信手段+表示手段)でもいいし、ビデオテープレコーダ(番組受信手段+VTR録画手段)でもいいし、DVDレコーダ(番組受信手段+DVD記録手段)でもいいし、或いは、チューナ自体、例えば、当該端末に内蔵されたもの(番組受信手段+表示手段[液晶等の表示画面])でもいい。なお、ここでは、操作履歴送信携帯端末自体が表示手段を備えていることを明示することで、番組を表示可能なことを明確にしている。また、操作手段は、番組受信手段がチューナを備えたもの(テレビ、ビデオテープレコーダ、DVDレコーダ等)である場合、赤外光発光するものと、番組が放送されているチャンネルを選択する複数の操作ボタン等で構成され、番組受信手段が当該端末に内蔵されたものである場合、番組が放送されているチャンネルを選択する複数の操作ボタン等で構成される。
なお、番組の「画像」を利用することにより、操作履歴を回収する視聴率データセンタにて、この番組の「画像」と実際に放送した番組の画像との照合を取れば、視聴率を測定する際の精度を向上させる(利用者が番組を視聴しているか否かの不確実さを解消する可能性が高まる)ことができる。また、画像取得手段は、番組受信手段を操作した操作時だけではなく、定期的或いは不定期的に画像を取得してもいい。
また、視聴者の顔面の「画像」を利用することにより、操作履歴を回収する視聴率データセンタにて、予め当該携帯端末を利用する視聴者の顔面の画像を登録しておけば、操作履歴に含められた画像と登録された画像との照合を行うことにより、当該携帯端末を利用する視聴者個人が確実に視聴していたことを証明することとなり、視聴率の精度向上を図ることが可能になる。
また、操作履歴送信携帯端末は、計時手段によって、操作手段で番組受信手段が操作された時刻を計時する。つまり、当該端末に内蔵されている内部クロックによって、正確な時刻(何時何分何秒)が計時される。そして、操作履歴送信携帯端末は、操作履歴生成手段によって、操作手段で番組受信手段が操作された操作結果と計時手段で計時された時刻と番組の画像または視聴者の顔面の画像とを関連付けた操作履歴を生成する。操作結果は、チャンネルを選択する選択操作、番組受信手段の動作を開始させる動作開始操作(電源オン)、番組受信手段の動作を終了させる動作終了操作(電源オフ)等が行われた結果を指すものである。操作履歴は、これらの操作結果と、時刻とが関連付けられたものであり、例えば、13時23分10秒にチャンネル1を選局する操作ボタンが押下された(チャンネル1が選択された)ことを示し、14時5分38秒にチャンネル3を選局する操作ボタンが押下された(チャンネル3が選択された)ことを示すものである。
なお、ここで敢えて、「視聴履歴」という文言を使用せず、「操作履歴」としているのは、操作履歴送信携帯端末の利用者は、あくまでも、番組受信手段を「操作している」だけであって、利用者が本当に番組を「視聴している」と断言できない不確実さがあるためである。それゆえ、この不確実さを解消するための手立てを講じるものが、後記する請求項3以降に付加した構成要件である。
そして、操作履歴送信携帯端末は、操作履歴記憶手段によって、操作履歴生成手段で生成された操作履歴を記憶し、操作履歴送信手段によって、操作履歴記憶手段で記憶されている操作履歴を送信する。操作履歴を送信するタイミングは、一定時間毎、または、操作履歴を収集(回収)する視聴率データセンタの装置から送信された操作履歴要求信号を受信した場合等が挙げられる。なお、操作履歴送信携帯端末は通話機能を備えた携帯電話であってもよい。
請求項2記載の操作履歴送信携帯端末は、番組を受信する番組受信手段を操作した操作履歴に、前記番組受信手段を操作した際に画像取得手段で取得した当該番組の画像または当該番組を視聴している視聴者の顔面の画像を含めて送信する操作履歴送信携帯端末であって、表示手段と、操作手段と、計時手段と、データ受信手段と、操作履歴生成手段と、操作履歴記憶手段と、操作履歴送信手段と、を備える構成とした。
かかる構成によれば、操作履歴送信携帯端末は、表示手段によって、番組受信手段で受信した番組を表示し、操作手段によって、番組受信手段を操作し、計時手段によって、操作手段で番組受信手段が操作された時刻を計時する。また、操作履歴送信携帯端末は、データ受信手段によって、操作手段で番組受信手段が操作された操作結果と計時手段で計時された時刻と番組の画像または視聴者の顔面の画像とを関連付けた操作履歴を生成する操作履歴生成プログラムのデータ(ダウンロードデータ)を受信し、操作履歴生成手段によって、操作履歴生成プログラムが起動して操作履歴を生成する。つまり、操作履歴送信携帯端末は、データ(ダウンロードデータ)を受信すること、すなわち、アプリケーション(操作履歴生成プログラム)をダウンロードすることで、操作履歴を生成することができるようになる。そして、操作履歴送信携帯端末は、操作履歴記憶手段によって、操作履歴生成手段で生成された操作履歴を記憶し、操作履歴送信手段によって、操作履歴記憶手段で記憶されている操作履歴を送信する。なお、操作履歴送信携帯端末が通話機能を備えた携帯電話である場合には、操作履歴生成プログラムは、例えば、1つのiアプリ(登録商標)として供給されることとなる。
請求項3記載の操作履歴送信携帯端末は、請求項1または請求項2に記載の操作履歴送信携帯端末において、音声収音手段を備え、前記操作履歴生成手段が、前記操作手段で前記番組受信手段が操作された操作結果と前記計時手段で計時された時刻と前記音声収音手段で収音された音声とを関連付けた操作履歴を生成することを特徴とする。
かかる構成によれば、操作履歴送信携帯端末は、音声収音手段によって、操作手段で番組受信手段が操作された際に、番組受信手段で受信している番組の音声を一定時間(例えば、数秒間)収音する。そして、操作履歴送信携帯端末は、操作履歴生成手段によって生成する操作履歴に、音声収音手段で収音した音声を関連付けている。番組の「音声」を利用することにより、操作履歴を回収する視聴率データセンタにて、この番組の「音声」と実際に放送した番組の音声との照合を取れば、視聴率を測定する際の精度を向上させる(利用者が番組を視聴しているか否かの不確実さを解消する可能性が高まる)ことができる。また、音声収音手段は、番組受信手段を操作した操作時だけではなく、定期的或いは不定期的に音声を収音してもいい。但し、操作履歴送信携帯端末に番組受信手段(例えば、チューナ)が内蔵されている場合には、番組受信手段が当該番組を受信していることを確認できれば、音声を収音する必要はない。
なお、画像取得手段によって、番組受信手段を操作した操作時だけではなく、定期的或いは不定期的に画像を取得する場合には、操作履歴送信携帯端末を何かの台(例えば、充電器)に固定しておいて、当該端末の画像取得手段が番組受信手段の表示面に向いている必要がある。また、操作履歴送信携帯端末が携帯電話等である場合で、当該携帯電話の表示画面側に画像取得手段が備えられている場合には、当該画像取得手段で利用者の顔を定期的或いは不定期的に撮像して、操作履歴に付加してもよい。つまり、表示画面で番組が表示されている際に、本当に利用者が当該番組を視聴しているのかを確認することができ、視聴率の精度をさらに向上させることができる。
請求項4記載の操作履歴送信携帯端末は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の操作履歴送信携帯端末において、前記番組受信手段で受信した番組を記憶する番組記憶手段が備えられている場合に、前記操作手段によって、前記番組記憶手段に前記番組を記憶させる操作を行ったことを前記操作結果に含ませることを特徴とする。
かかる構成によれば、操作履歴送信携帯端末は、操作手段によって、番組記憶手段に番組を記憶させる操作を行ったことを操作結果に含ませており、この操作結果が反映された操作履歴を収集して視聴率を測定する場合に、番組を番組記憶手段に記憶させたことも視聴したとみなすことが可能になる。なお、番組記憶手段は、ビデオテープ、ハードディスク、大容量のメモリ、DVD等を指すものである。
請求項5記載の操作履歴送信携帯端末は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の操作履歴送信携帯端末において、個人情報記憶手段と、個人情報付加手段とを備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、操作履歴送信携帯端末は、個人情報付加手段によって、個人情報記憶手段に記憶されている個人情報を操作履歴に付加する。個人情報は、利用者の名前、性別、年齢、住所、出身地、職業、年収、趣味等であり、この個人情報を操作履歴に付加して、視聴率データセンタに送信することで、視聴率データセンタで番組の視聴率を分析する際に活用することできる。つまり、個人情報に基づいて分類した番組の視聴率を得ることができる。
請求項6記載の操作履歴送信携帯端末は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の操作履歴送信携帯端末において、現在位置情報取得手段と、現在位置情報付加手段とを備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、操作履歴送信携帯端末は、現在位置情報付加手段によって、現在位置情報取得手段で取得された当該端末の現在位置を示す現在位置情報を操作履歴に付加する。操作履歴送信携帯端末が、例えば、通話機能を備えた携帯電話であった場合に、現在位置情報取得手段は、GPS機能を指しており、現在位置情報を操作履歴に付加して、視聴率データセンタに送信することで、視聴率データセンタで番組の視聴率を分析する際に活用することできる。つまり、現在位置情報に基づいて分類した番組の視聴率を得ることができる。
請求項7記載の操作履歴送信携帯端末は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の操作履歴送信携帯端末において、番組電子ガイド取得手段を備え、前記表示手段に、前記番組電子ガイドを表示させることを特徴とする。
かかる構成よれば、操作履歴送信携帯端末は、表示手段に、番組受信手段で受信した番組を表示すると共に、番組電子ガイド取得手段で取得した、番組が放送される予定および番組の概略内容を記述した番組電子ガイドを表示する。操作履歴送信携帯端末が、例えば、通話機能を備えた携帯電話であった場合に、表示手段(例えば、液晶の表示画面)に番組電子ガイド(EPG)を表示させて、番組を選択する際の参考にすることができる。
請求項8記載の視聴率測定装置は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の操作履歴送信携帯端末から送信された操作履歴に基づいて、当該番組の視聴率を測定する視聴率測定装置であって、操作履歴取得手段と、視聴率測定手段と、視聴率記憶手段と、番組画像時刻関連データ蓄積手段と、番組画像時刻関連データ照合手段とを備え、前記視聴率測定手段は、前記操作履歴で関連付けられている前記操作履歴送信携帯端末の操作結果と前記操作履歴送信携帯端末が操作された時刻と番組の画像または視聴者の顔面の画像と前記番組画像時刻関連データ照合手段による照合結果とに基づいて、前記番組の視聴率を測定する構成とした。
かかる構成によれば、視聴率測定装置は、操作履歴取得手段によって、操作履歴送信携帯端末から送信された操作履歴を取得する。この視聴率測定装置は、視聴率を測定(算出)する視聴率データセンタ設置されるものである。なお、操作履歴送信携帯端末が通話機能を備えた携帯電話であった場合、操作履歴は、当該携帯電話を管理する事業者のサーバ(携帯電話事業者サーバ)を介して、取得(回収)されることになる。続いて、視聴率測定装置は、視聴率測定手段によって、操作履歴取得手段で取得した操作履歴で関連付けられている操作履歴送信携帯端末の操作結果と操作履歴送信携帯端末が操作された時刻と番組の画像または視聴者の顔面の画像とに基づいて、番組の視聴率を測定する。つまり、視聴率測定手段は、各操作履歴送信携帯端末から送信された操作履歴について、どの番組を選択する操作が行われたかということ(操作結果)と、この選択する操作がいつ行われたかということ(時刻)とについて、それぞれの番組毎に集計を取って、視聴率を測定(算出)する。この番組の視聴率は、番組毎の一定時間毎(いわゆる瞬間視聴率)に求められるものであり、例えば、2004年2月3日放送の番組A(放送時間19時00分〜19時30分)の1分毎の視聴率(瞬間視聴率)は、19時00分;10.3%、19時01分;10.5%、19時02分;12%、19時03分;11%、・・・といった具合に求められる。そして、視聴率測定装置は、視聴率記憶手段によって、視聴率測定手段で測定された番組の視聴率を記憶する。なお、この番組の視聴率を、ネットワークを介して番組を放送した放送局に送信することが可能である。
また、視聴率測定装置は、番組画像時刻関連データ照合手段によって、番組画像時刻関連データ蓄積手段で蓄積されている、番組の画像とこの画像が送信された時刻とを関連付けた番組画像時刻関連データと、操作履歴に関連付けられている番組の画像とを照合し、視聴率測定手段によって、照合結果を反映した視聴率を測定(算出)する。
なお、この視聴率測定装置は、視聴率測定手段によって、番組の視聴時間を算出することができる。つまり、一方の番組の選択操作が行われた時刻と他方の番組の選択操作が行われた時刻との差によって求められる。
請求項9記載の視聴率測定装置は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の操作履歴送信携帯端末から送信された操作履歴に基づいて、当該番組の視聴率を測定する視聴率測定装置であって、データ送信手段と、操作履歴取得手段と、視聴率測定手段と、視聴率記憶手段と、番組画像時刻関連データ蓄積手段と、番組画像時刻関連データ照合手段とを備え、前記視聴率測定手段は、前記操作履歴で関連付けられている前記操作履歴送信携帯端末の操作結果と前記操作履歴送信携帯端末が操作された時刻と番組の画像または視聴者の顔面の画像と前記番組画像時刻関連データ照合手段による照合結果とに基づいて、前記番組の視聴率を測定する構成とした。
かかる構成によれば、視聴率測定装置は、データ送信手段によって、操作履歴を生成する機能を有していない携帯端末に対して、操作履歴を生成する操作履歴生成プログラムデータを送信(アップロード)する。そして、視聴率測定装置は、操作履歴取得手段によって、操作履歴送信携帯端末から送信された操作履歴を取得する。続いて、視聴率測定装置は、視聴率測定手段によって、操作履歴取得手段で取得した操作履歴で関連付けられている携帯端末の操作結果と操作履歴送信携帯端末が操作された時刻とに基づいて、番組の視聴率を測定する。そして、視聴率測定装置は、視聴率記憶手段によって、視聴率測定手段で測定された番組の視聴率を記憶する。なお、この番組の視聴率を、ネットワークを介して番組を放送した放送局に送信することが可能である。また、視聴率測定装置は、番組画像時刻関連データ照合手段によって、番組画像時刻関連データ蓄積手段で蓄積されている、番組の画像とこの画像が送信された時刻とを関連付けた番組画像時刻関連データと、操作履歴に関連付けられている番組の画像とを照合し、視聴率測定手段によって、照合結果を反映した視聴率を測定(算出)する。
請求項10記載の視聴率測定装置は、請求項8または請求項9に記載の視聴率測定装置において、番組音声時刻関連データ蓄積手段と、番組音声時刻関連データ照合手段とを備え、前記視聴率測定手段が、前記操作履歴で関連付けられている前記携帯端末の操作結果と前記携帯端末が操作された時刻と前記番組音声時刻関連データ照合手段による照合結果とに基づいて、前記番組の視聴率を測定することを特徴とする。
かかる構成によれば、視聴率測定装置は、番組音声時刻関連データ照合手段によって、番組音声時刻関連データ蓄積手段で蓄積されている、番組の音声とこの音声が送信された時刻とを関連付けた番組音声時刻関連データと、操作履歴に関連付けられている番組の音声とを照合し、視聴率測定手段によって、照合結果を反映した視聴率を測定(算出)する。
請求項11記載の視聴率測定装置は、請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の視聴率測定装置において、前記操作結果に、前記番組受信手段で受信された番組が記憶される番組記憶手段に、前記番組を記憶する操作が含まれている場合に、前記視聴率測定手段は、前記番組記憶手段に前記番組を記憶させる操作結果を、前記番組の視聴率として測定することを特徴とする。
かかる構成によれば、視聴率測定装置は、視聴率測定手段によって、携帯端末による操作結果に番組を番組記憶手段に記憶させる操作が含まれている場合、当該番組を視聴したとみなして当該番組の視聴率に計上する。
請求項12記載の視聴率測定装置は、請求項8から請求項11のいずれか一項に記載の視聴率測定装置において、前記操作結果に、前記携帯端末を利用する利用者の個人情報が付加されている場合に、前記視聴率測定手段は、前記個人情報に基づいて、前記番組の視聴率を測定することを特徴とする。
かかる構成によれば、視聴率測定装置は、視聴率測定手段によって、携帯端末の利用者の個人情報に基づいて、例えば、性別・年齢別の視聴率、地域(出身地)毎の視聴率、職業毎の視聴率を測定(算出)する。
請求項13記載の視聴率測定装置は、請求項8から請求項12のいずれか一項に記載の視聴率測定装置において、前記操作結果に、前記携帯端末の現在位置を示す現在位置情報が付加されている場合に、前記視聴率測定手段は、前記現在位置情報に基づいて、前記番組の視聴率を測定することを特徴とする。
かかる構成によれば、視聴率測定装置は、現在位置情報に基づき、携帯端末の現在位置を把握し、携帯端末の利用者は、番組をどこで視聴しているのか、例えば、自宅のテレビで視聴しているのか、他の場所(例えば、職場(学校)、通勤(通学)途中の駅等、様々な場所)で視聴しているのかがわかり、視聴率測定手段によって、場所毎の視聴率を測定(算出)する。
請求項14記載の視聴率測定システムは、番組を受信する番組受信手段を操作した操作履歴に、当該番組を表示している表示側に設けられた画像取得手段で取得した当該番組を視聴している視聴者の顔面の画像を含めて送信する操作履歴送信携帯端末と、この操作履歴送信携帯端末から送信された操作履歴に基づいて、当該番組の視聴率を測定する視聴率測定装置とを備える視聴率測定システムであって、前記操作履歴送信携帯端末は、表示手段と、操作手段と、計時手段と、操作履歴生成手段と、操作履歴記憶手段と、操作履歴送信手段とを備え、前記視聴率測定装置は、操作履歴取得手段と、視聴率測定手段と、視聴率記憶手段と、番組画像時刻関連データ蓄積手段と、番組画像時刻関連データ照合手段とを備え、前記視聴率測定手段は、前記操作履歴で関連付けられている前記操作履歴送信携帯端末の操作結果と前記操作履歴送信携帯端末が操作された時刻と番組の画像または視聴者の顔面の画像と前記番組画像時刻関連データ照合手段による照合結果とに基づいて、前記番組の視聴率を測定する構成とした。
かかる構成によれば、視聴率測定システムにおいて、操作履歴送信携帯端末は、表示手段によって、番組受信手段で受信した番組を表示し、操作手段によって、番組受信手段を操作し、計時手段によって、操作手段で番組受信手段が操作された時刻を計時する。そして、操作履歴送信携帯端末は、操作履歴生成手段によって、操作手段で番組受信手段が操作された操作結果と計時手段で計時された時刻と番組の画像または視聴者の顔面の画像とを関連付けた操作履歴を生成する。そして、操作履歴送信携帯端末は、操作履歴記憶手段によって、操作履歴生成手段で生成された操作履歴を記憶し、操作履歴送信手段によって、操作履歴記憶手段で記憶されている操作履歴を送信する。また、視聴率測定装置は、操作履歴取得手段によって、操作履歴送信携帯端末から送信された操作履歴を取得する。続いて、視聴率測定装置は、視聴率測定手段によって、操作履歴取得手段で取得した操作履歴で関連付けられている操作履歴送信携帯端末の操作結果と操作履歴送信携帯端末が操作された時刻と番組の画像または視聴者の顔面の画像とに基づいて、番組の視聴率を測定する。そして、視聴率測定装置は、視聴率記憶手段によって、視聴率測定手段で測定された番組の視聴率を記憶する。また、視聴率測定装置は、番組画像時刻関連データ照合手段によって、番組画像時刻関連データ蓄積手段で蓄積されている、番組の画像とこの画像が送信された時刻とを関連付けた番組画像時刻関連データと、操作履歴に関連付けられている番組の画像とを照合し、視聴率測定手段によって、照合結果を反映した視聴率を測定(算出)する。
請求項15の視聴率測定方法は、番組を受信する番組受信手段を操作した操作履歴に、当該番組を表示している表示側に設けられた画像取得手段で取得した当該番組を視聴している視聴者の顔面の画像を含めて送信する操作履歴送信携帯端末と、この操作履歴送信携帯端末から送信された操作履歴に基づいて、当該番組の視聴率を測定する視聴率測定装置とによって、前記番組の視聴率を測定する視聴率測定方法であって、前記操作履歴送信携帯端末は、表示ステップと、操作ステップと、計時ステップと、操作履歴生成ステップと、操作履歴記憶ステップと、操作履歴送信ステップとを含み、前記視聴率測定装置は、操作履歴取得ステップと、視聴率測定ステップと、視聴率記憶ステップと、番組画像時刻関連データ蓄積ステップと、番組画像時刻関連データ照合ステップとを含み、前記視聴率測定ステップにおいて、前記操作履歴で関連付けられている前記操作履歴送信携帯端末の操作結果と前記操作履歴送信携帯端末が操作された時刻と番組の画像または視聴者の顔面の画像と前記番組画像時刻関連データ照合ステップにおける照合結果とに基づいて、前記番組の視聴率を測定する手順とした。
かかる手順によれば、視聴率測定方法は、操作履歴送信携帯端末において、表示ステップにて番組受信手段で受信した番組を表示し、操作ステップにて番組受信手段を操作し、計時ステップにて、番組受信手段が操作された時刻を計時する。そして、操作履歴生成ステップにて、番組受信手段が操作された操作結果と計時ステップにて計時された時刻とを関連付けた操作履歴を生成し、操作履歴記憶ステップにて、操作履歴記憶手段に記憶させ、操作履歴送信ステップにて、操作履歴記憶手段に記憶されている操作履歴を送信する。また、視聴率測定装置において、操作履歴取得ステップにて、操作履歴を取得し、視聴率測定ステップにて、取得した操作履歴で関連付けられている操作履歴送信携帯端末の操作結果と操作履歴送信携帯端末が操作された時刻とに基づいて、番組の視聴率を測定する。そして、視聴率記憶ステップにて、番組の視聴率を、視聴率記憶手段に記憶する。また、視聴率測定装置において、番組画像時刻関連データ照合ステップにて、番組画像時刻関連データ蓄積手段で蓄積されている、番組の画像とこの画像が送信された時刻とを関連付けた番組画像時刻関連データと、操作履歴に関連付けられている番組の画像とを照合し、視聴率測定ステップにて、照合結果を反映した視聴率を測定(算出)する。
請求項1記載の発明によれば、携帯電話等の携帯端末を操作履歴送信携帯端末として使用すると、番組を選択する操作等の操作結果と時刻とが関連付けられた操作履歴を送信するので、従来のように視聴率計測器等の特別な機器を必要とすることが無く、より多くの視聴者から効率よく操作履歴(計測情報)を取得することができる。また、携帯電話等の携帯端末から出力される際には、通常、符号化して送信しており、さらにこの操作履歴を暗号化すれば、操作履歴(計測情報)の安全性を確保することができ、当該操作履歴を集計すれば、番組の視聴率を測定することができる。また、番組受信手段を操作する際に、受信された番組の画像を画像取得手段によって取得し、操作履歴に関連付けているので、この番組の画像と、実際に放送された番組の画像とを照合して合致すれば、当該携帯端末を操作した際に、番組を視聴していたとみなすことができ、当該操作履歴(計測情報)の信頼性を向上させることができる。
請求項2記載の発明によれば、操作履歴を生成する機能を有していない、携帯電話等の携帯端末であっても、データ受信手段によって、操作履歴生成プログラムを受信して起動させることができるので、従来のように視聴率計測器等の特別な機器を必要とすることが無く、より多くの視聴者から効率よく操作履歴(計測情報)を取得することができる。また、携帯電話等の携帯端末から出力される際には、通常、符号化して送信するので、操作履歴(計測情報)の安全性を確保することができ、当該操作履歴を集計すれば、番組の視聴率を測定することができる。
請求項3記載の発明によれば、番組受信手段を操作する際に、受信された番組の音声を音声収音手段によって収音し、操作履歴に関連付けているので、この番組の音声と、実際に放送された番組の音声とを照合して合致すれば、当該携帯端末を操作した際に、番組を視聴していたとみなすことができ、当該操作履歴(計測情報)の信頼性を向上させることができる。
請求項4記載の発明によれば、操作手段による操作結果に、番組を番組記憶手段に記憶させる操作も含まれているので、この操作結果と操作された時刻とが関連付けられた操作履歴を集計して視聴率を測定すれば、この視聴率は、番組の視聴の仕方(放送時に視聴するのか、放送後に視聴する予定なのか等)の多様化に対応したものといえ、番組の視聴の仕方を分析するのに役立てることができる。
請求項5記載の発明によれば、操作履歴に当該携帯端末の利用者の個人情報を付加することで、視聴率を測定する際に、様々な角度からの視聴率、例えば、性別・年齢別の視聴率、地域(出身地)別の視聴率、職業別の視聴率、年収別の視聴率、趣味別の視聴率等を求めることができる。
請求項6記載の発明によれば、操作履歴に当該携帯端末の現在位置を示す現在位置情報を付加することで、視聴率を測定する際に、どんな場所でどんな番組が視聴されているかを求めることができる。
請求項7記載の発明によれば、電子番組ガイドを表示手段に表示させることで、特に、当該携帯端末が携帯電話等である場合に、番組を選択する際に、参考にすることができる。
請求項8記載の発明によれば、操作履歴送信携帯端末から送信された操作履歴で関連付けられている操作結果と時刻と番組の画像または視聴者の顔面の画像とによって、番組毎の正確な視聴率をすぐに測定することができる。すなわち、番組の画像と、実際に放送された番組の画像とを照合しているので、これらが合致すれば、当該携帯端末で番組受信手段を操作した際に、番組を視聴していたとみなすことができ、番組の視聴率の信頼性を向上させることができる。さらに、予め当該携帯端末を利用する視聴者の顔面の画像を登録しておけば、操作履歴に含められた画像と登録された画像との照合を行うことにより、当該携帯端末を利用する視聴者個人が確実に視聴していたことを証明することとなり、視聴率の精度向上を図ることができる。
請求項9記載の発明によれば、操作履歴を生成する機能がない携帯端末であっても、データ送信手段で操作履歴生成プログラムを送信することで、当該携帯端末で操作履歴を送信することができるようにし、当該携帯端末から送信された操作履歴で関連付けられている操作結果と時刻とによって、番組毎の正確な視聴率をすぐに測定することができる。
請求項10記載の発明によれば、携帯端末で番組受信手段を操作した際の番組の音声が操作履歴に関連付けられており、この番組の音声と、実際に放送された番組の音声とを照合しているので、これらが合致すれば、当該携帯端末で番組受信手段を操作した際に、番組を視聴していたとみなすことができ、番組の視聴率の信頼性を向上させることができる。
請求項11記載の発明によれば、番組記憶手段に番組を記憶させる操作が操作結果に含まれている場合には、番組記憶手段に番組を記憶させる操作結果も当該番組の視聴とみなして、視聴率を測定しているので、この視聴率は、番組の視聴の仕方(放送時に視聴するのか、放送後に視聴する予定なのか等)の多様化に対応したものといえ、番組の視聴の仕方を分析するのに役立てることができる。
請求項12記載の発明によれば、個人情報に基づいて、様々な角度からの番組の視聴率、つまり、性別・年齢別の視聴率、地域(出身地)別の視聴率、職業別の視聴率、年収別の視聴率、趣味別の視聴率等を測定することができる。
請求項13記載の発明によれば、現在位置情報に基づいて、いろいろな場所における番組の視聴率、つまり、どんな場所でどんな番組がどれだけ視聴されているかを求めることができる。
請求項14、15記載の発明によれば、操作履歴送信携帯端末と視聴率測定装置との組み合わせによって、即応性、効率性、正確性および秘匿性の条件を満たす、つまり、デジタル放送、アナログ放送、BS、CS、ケーブルテレビ等の番組の視聴率を測定可能で、従来のように視聴率計測器等の特別な機器を必要とすることが無く、より多くの視聴者から効率よく操作履歴(計測情報)を取得することができ、操作履歴(計測情報)の信頼性を向上させることができ、操作履歴(計測情報)の安全性を確保することができて、番組の視聴率を測定することができる。
また、将来、地上デジタル放送が操作履歴送信携帯端末自体で受信でき、この地上デジタル放送による番組を表示することができるようになれば、当該携帯端末を、地上デジタル放送による番組の視聴率の測定にすぐに、活用することができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜、図面を参照しながら詳細に説明する。
〈視聴率測定システムの概要〉
図1は、視聴率測定システムのブロック図(主に操作履歴送信携帯端末を図示)である。この図1に示すように視聴率測定システムAは、複数の操作履歴送信携帯端末1と、視聴率測定装置3とによって構成されている。各操作履歴送信携帯端末1には番組受信装置(番組受信手段)2がそれぞれ設置されている。
視聴率測定システムAは、携帯電話等の携帯端末である操作履歴送信携帯端末1を、テレビやビデオテープレコーダやDVDレコーダ等の番組受信装置2を操作するリモコンの代わりに利用して、番組受信装置2を操作した操作結果と、操作した時刻とを関連付けた操作履歴を、放送局の関連団体が運営しており、視聴率を測定する視聴率データセンタに設置されている視聴率測定装置3に送信することで、当該装置3で番組毎の視聴率を測定(算出)するものである。
この視聴率測定システムAでは、操作履歴送信携帯端末1を利用する利用者に対して、予め、番組の視聴率の測定に協力してもらうことを要請し、何らかの対価を提供することについて契約をする。
また、この視聴率測定システムAでは、視聴率測定装置3で測定した番組毎の視聴率を、番組のスポンサーとなる会社(企業)や、番組の視聴率を掲載する雑誌等を出版する出版社や、各放送局に提供(販売)することを想定している。
〈操作履歴送信携帯端末の構成〉
これより、操作履歴送信携帯端末1の構成について説明する。
操作履歴送信携帯端末1は、番組受信装置2を操作した操作結果と操作した時刻とを関連付けた操作履歴を、視聴率データセンタに設置されている視聴率測定装置3に送信するもので、操作手段5と、計時手段7と、音声収音手段9と、画像取得手段11と、現在位置情報取得手段13と、個人情報記憶手段15と、操作履歴生成手段17と、操作履歴記憶手段19と、操作履歴送信手段21と、データ受信手段23と、番組電子ガイド取得手段25と、表示手段27とを備えている。
なお、番組受信装置2に相当する、番組を受信可能なチューナ(番組受信手段)が操作履歴送信携帯端末1に内蔵されていてもよい。このチューナからの出力は、表示手段27に表示される。
また、データ受信手段23と、番組電子ガイド取得手段25と、表示手段27とはオプション(付加機能)として取り扱うことが可能である。
操作手段5は、当該携帯端末1の利用者が番組受信装置2を操作する際に用いられ、利用者によって操作された結果を操作結果として、操作履歴生成手段17に出力するもので、操作ボタン部5aと、赤外線発光部5bとを備えている。
操作ボタン部5aは、複数の操作ボタン(図示せず)から構成されるもので、この操作ボタンには、番組が放送されているチャンネルの番号を示すチャンネルボタンと、電源をオンオフする電源オンオフボタンと、音量を調整する音量調整ボタンとがあり、さらに、番組受信装置2に番組記憶手段が備えられている(内蔵されている)場合、番組記憶開始終了ボタン(録画開始終了ボタン)がある。
この操作ボタン部5aで、操作ボタンが押下されると、操作手段5は、押下された結果を操作結果として、操作履歴生成手段17に出力する。
赤外線発光部5bは、操作ボタン部5aのいずれかの操作ボタンが押下された場合に、この操作ボタンに対応した波形パターンの赤外線を、番組受信装置2に向けて発光する(操作信号を出力する)ものである。なお、番組受信装置2には、赤外線発光部5bから出力された赤外線(操作信号)を受光する赤外線受光部(図示せず)が備えられている。
計時手段7は、操作手段5によって操作結果を操作履歴生成手段17に出力したことを示す通知信号を、当該操作手段5から受け取って、この通知信号に基づいて、計時していた時刻(時分秒)を操作履歴生成手段17に出力するものである。
なお、この計時手段7で計時する時刻(操作履歴に含まれることになる時刻)は、視聴率データセンタの視聴率測定装置3で視聴率を測定する際に極めて重要な要素となるので、厳密な正確さが要求される。このため、計時手段7で計時する時刻を、予め、標準時刻に正確にあわせておく必要がある。或いは、計時手段7に、標準時刻に自動的に調整する電波時計機能を備えていた方が好適である。
音声収音手段9は、小型・内蔵型のマイクロフォン等によって構成されており、操作手段5によって操作結果を操作履歴生成手段17に出力したことを示す通知信号を、当該操作手段5から受け取って、この通知信号に基づいて、番組の音声を一定時間(例えば、5秒間)収音(集音)し、収音した音声を操作履歴生成手段17に出力するものである。
この音声収音手段9で収音する音声の時間的な長さは、この実施の形態では5秒間としているが、任意の時間に設定することが可能である。但し、あまり長い時間を設定すると、視聴率データセンタの視聴率測定装置3で視聴率を測定する際に、音声の照合を取るための処理時間が増大してしまうので好ましくない。
また、この音声収音手段9は、操作手段5から通知信号が出力されない場合でも、定期的または不定期的に、番組の音声を一定時間収音して、収音した音声を操作履歴生成手段17に出力することも可能である。これによって、当該携帯端末1の利用者が番組を視聴していると想定される時間中に、番組の音声が収音され、さらに、収音された音声と、視聴率データセンタの視聴率測定装置3において、実際に放送され蓄積された番組の音声との照合がとれれば、確実に番組を視聴していることを証明することができる。
画像取得手段11は、小型・内蔵型のカメラ等によって構成されており、操作手段5によって操作結果を操作履歴生成手段17に出力したことを示す通知信号を、当該操作手段5から受け取って、この通知信号に基づいて、番組の画像を撮像し、撮像した画像を操作履歴生成手段17に出力するものである。なお、この画像取得手段11で撮像する番組の画像は、視聴率データセンタの視聴率測定装置3における処理時間を考慮して、1画像〜数画像としている。つまり、1画像の一部分だけを撮像すると、この一部分の画像から番組を特定することが困難になることが予測されるからである。また、数画像分を撮像するのは、計時手段7で計時される時刻と、視聴率測定装置3内で計時される時刻との誤差を考慮したからである。
また、この画像取得手段11は、操作手段5から通知信号が出力されない場合でも、定期的または不定期的に、番組の画像を撮像し、撮像した画像を操作履歴生成手段17に出力することも可能である。これによって、当該携帯端末1の利用者が番組を視聴していると想定される時間中に、番組の画像が撮像され、さらに、撮像された画像と、視聴率データセンタの視聴率測定装置3において、実際に放送され蓄積された番組の画像との照合がとれれば、確実に番組を視聴していることを証明することができる。
なお、この画像取得手段11は、番組受信装置2の表示画面のほぼ正面に向けて(正対させて)、一定の距離から番組の画像を取得することが要求される(当該携帯端末1の利用者に予め要請する必要がある)が、当該携帯端末1または視聴率測定装置3において、番組の画像を補正する画像処理を施すことによって、視聴率測定装置3で実際に放送され蓄積された番組の画像との照合を行うことが可能になる。
現在位置情報取得手段13は、GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)の現在地情報を受信する受信回路等(当該携帯端末1自体がGPSにおける移動局に該当)によって構成されており、操作手段5によって操作結果を操作履歴生成手段17に出力したことを示す通知信号を、当該操作手段5から受け取って、この通知信号に基づいて、当該携帯端末1の現在位置(地表上の座標)を示す現在位置情報を取得して、取得した現在位置情報を操作履歴生成手段17に出力するものである。
個人情報記憶手段15は、不揮発性のメモリ等によって構成されており、当該携帯端末1の利用者の個人情報を記憶するものである。この個人情報は、個人に関わる全般の情報であり、視聴率を分析する際に利用可能なもので、利用者の名前、性別、年齢、住所、出身地、職業、年収、趣味、嗜好(好みの食べ物、好みのブランド、好みの男優・女優等)、家族構成、身長、体重、髪型等である。
なお、この個人情報は、当該携帯端末1の初期設定において、個人情報記憶手段15に記憶された時点で、自動的に操作履歴生成手段17に出力されて、操作履歴に付加されるように設定されている。但し、この個人情報記憶手段15に記憶されている個人情報は、当該携帯端末1の利用者の意向に添って、操作履歴に付加するか否かを決定できるものである。個人情報を操作履歴に付加するか否かの変更操作は、操作手段5を用いることによって行うことができる。
操作履歴生成手段17は、操作手段5から出力された操作結果と、計時手段7から出力された時刻と、音声収音手段9から出力された番組の音声と、画像取得手段11から出力された番組の画像とを関連付け、さらに、現在位置情報取得手段13から出力された現在位置情報と、個人情報記憶手段15から出力された個人情報とを付加した操作履歴を生成して、操作履歴記憶手段19に出力するもので、個人情報付加手段17aと、現在位置情報付加手段17bとを備えている。
この操作履歴生成手段17で生成される操作履歴は、少なくとも操作結果と時刻とが関連付けられたものであり、この実施の形態では、さらに番組の音声、番組の画像が関連付けられており、現在位置情報と、個人情報とが付加されているものである。例えば、操作履歴は、ある時刻にある放送局(例えば、チャンネル1)を選局する操作ボタンが押下されたことを示し、また別の時刻に、別の放送局(例えば、チャンネル3)を選局する操作ボタンが押下されたことを示すものである。
個人情報付加手段17aは、個人情報記憶手段15に記憶されている個人情報を、操作履歴に付加するものである。
現在位置情報付加手段17bは、現在位置情報取得手段13で取得された当該携帯端末1の現在位置情報を操作履歴に付加するものである。
操作履歴記憶手段19は、不揮発性のメモリ等によって構成されており、操作履歴生成手段17で生成された操作履歴を記憶するものである。この実施の形態では、操作履歴記憶手段19に記憶されている操作履歴を一定時間毎に(または一定データ量が蓄積された時点で)操作履歴送信手段21に出力している。
なお、操作履歴送信携帯端末1から視聴率データセンタの視聴率測定装置3への操作履歴の送信については、視聴率測定装置3から出力される、操作履歴を要求する操作履歴要求信号を当該携帯端末1が受信した際に出力するようにしてもよい。この場合、視聴率測定装置3は、操作履歴要求信号を全ての操作履歴送信携帯端末1に同時に出力するのではなく、操作履歴要求信号を一定台数の操作履歴送信携帯端末1毎に時間差を付けて出力する(送信時刻をずらす)ようにすれば、視聴率測定装置3において、操作履歴を受信する際にかかる処理を分散する(瞬時的にかかる負荷を軽減する)ことが可能となる。
操作履歴送信手段21は、操作履歴記憶手段19に記憶されている操作履歴を、通信回線を介して、視聴率測定装置3に出力するものである。この操作履歴送信手段21では、操作履歴を符号化した符号化データとして出力する。また、この操作履歴送信手段21では、暗号化手段(共通暗号鍵方式、公開暗号鍵方式等の暗号鍵によるもの)を備えて、操作履歴を暗号化した暗号化データとして送信することも可能である。
なお、操作履歴送信携帯端末1が携帯電話等である場合には、当該携帯電話(操作履歴送信携帯端末1に相当)が発信した電波は当該携帯電話を販売管理する携帯電話事業者の基地局から、当該携帯電話事業者が管理保守する携帯電話事業者装置(携帯電話事業者サーバ)に集められ、このサーバから視聴率測定装置3に転送されることになる。
この場合、当該携帯端末1の利用者のプライベートな情報である操作履歴がサーバに一旦蓄積され、このサーバから操作履歴が漏洩する恐れがあるので、視聴率データセンタの事業者と携帯電話事業者との間で、操作履歴の秘匿性を保持する契約を締結しておく必要がある。
データ受信手段23は、視聴率測定装置3から送信された操作履歴生成プログラムのデータを、通信回線(ネットワーク)を介して受信して、操作履歴生成手段17に出力するものである。つまり、データ受信手段23は、操作履歴生成手段17が操作履歴を生成する機能を有していない場合(この場合、当該携帯端末1の制御を司る単なる制御手段)に、受信した操作履歴生成プログラムを出力し、操作履歴生成手段17(制御手段)で起動(展開)させることで、操作履歴生成手段17(制御手段)に対し操作履歴を生成する機能を付与するためのものである。すなわち、この操作履歴生成プログラムは、操作結果と時刻とを関連付けた操作履歴を生成可能にすると共に、番組の音声と番組の画像の少なくとも一方を当該操作履歴に関連付ける機能を有しており、さらに、個人情報付加手段17aと現在位置情報付加手段17bとに相当する機能を有しているものである。
番組電子ガイド取得手段25は、放送局等から送信されている番組電子ガイド(EPG)を取得(受信)して、表示手段27に出力するものである。番組電子ガイドは、番組の放送予定、番組の概略紹介、番組の出演者等を記述したデータ群である。
表示手段27は、液晶等によって構成されており、番組電子ガイド取得手段25で取得した番組電子ガイドを表示するものである。また、この表示手段27は、当該携帯端末1に番組受信手段(チューナ)が内蔵されている場合には、この番組受信手段で受信した番組を表示させることも可能である。
この操作履歴送信携帯端末1によれば、操作手段5によって、番組受信装置2(番組受信手段)が操作され、計時手段7によって、操作手段5で番組受信装置2が操作された時刻が計時される。そして、操作履歴生成手段17によって、操作手段5で番組受信装置2が操作された操作結果と計時手段7で計時された時刻とが関連付けられた操作履歴が生成され、操作履歴記憶手段19によって記憶され、操作履歴送信手段21によって、操作履歴が送信される。このため、携帯電話等の携帯端末を操作履歴送信携帯端末1として使用すると、従来のように視聴率計測器等の特別な機器を必要とすることが無く、より多くの視聴者から効率よく操作履歴を取得することができる。また、携帯電話等の携帯端末から出力される際には、通常、符号化して送信するので、操作履歴(計測情報)の安全性を確保することができ、当該操作履歴を集計すれば、番組の視聴率を測定することができる。
また、この操作履歴送信携帯端末1によれば、当該携帯端末1が本来、操作履歴を生成する機能を有していない場合であっても、データ受信手段23によって、操作履歴を生成する操作履歴生成プログラムのデータが受信され、起動する。このため、携帯電話等の携帯端末を操作履歴送信携帯端末1として使用すると、従来のように視聴率計測器等の特別な機器を必要とすることが無く、より多くの視聴者から効率よく操作履歴を取得することができる。また、携帯電話等の携帯端末から出力される際には、通常、符号化して送信するので、操作履歴(計測情報)の安全性を確保することができ、当該操作履歴を集計すれば、番組の視聴率を測定することができる。
また、この操作履歴送信携帯端末1によれば、音声収音手段9によって、操作手段5で番組受信装置2が操作された際に、番組受信装置2で受信している番組の音声が一定時間(例えば、数秒間)収音され、操作履歴生成手段17によって生成する操作履歴に、音声収音手段9で収音された音声が関連付けられる。番組の「音声」を利用することにより、操作履歴を回収する視聴率データセンタにて、この番組の「音声」と実際に放送した番組の音声との照合を取れば、視聴率を測定する際の精度を向上させる(利用者が番組を視聴しているか否かの不確実さを解消する可能性が高くなる)ことができる。
また、音声収音手段9によって、番組受信装置2を操作した操作時だけではなく、定期的或いは不定期的に音声を収音してもいい。音声を収音することで、番組受信装置2で実際に番組が表示出力されているか否かを確認することができる。つまり、操作履歴送信携帯端末1を利用せずに、利用者が、直接、番組受信装置2を操作した場合、例えば、電源をオフにした場合、実際には番組受信装置2が起動していないにも拘わらず、操作履歴上では番組が表示されている(番組を視聴している)ことになってしまうので、視聴率の精度が下がってしまう。これを防止するために音声収音手段9を活用することで、視聴率の精度を維持することができる。
また、この操作履歴送信携帯端末1によれば、画像取得手段11によって、操作手段5で番組受信装置2が操作された際に、番組受信装置2で受信している番組の画像が取得され、操作履歴生成手段17によって生成する操作履歴に、画像取得手段11で取得した画像が関連付けられる。番組の「画像」を利用することにより、操作履歴を回収する視聴率データセンタにて、この番組の「画像」と実際に放送した番組の画像との照合を取れば、視聴率を測定する際の精度を向上させる(利用者が番組を視聴しているか否かの不確実さを解消する可能性が高くなる)ことができる。
また、操作履歴送信携帯端末1が携帯電話等である場合で、当該携帯電話の表示画面側に画像取得手段11が備えられている場合には、当該画像取得手段11で利用者の顔を定期的或いは不定期的に撮像して、操作履歴に付加してもよい。つまり、表示画面で番組が表示されている際に、本当に利用者が当該番組を視聴しているのかを確認することができ、視聴率の精度をさらに向上させることができる。
また、この操作履歴送信携帯端末1によれば、操作手段5によって番組記憶手段(図示せず)に番組を記憶させる操作を行ったことを、操作結果に含ませており、この操作結果が反映された操作履歴を収集して視聴率を測定する場合に、番組を番組記憶手段(図示せず)に記憶させたことも視聴したと見なすことが可能になる。つまり、この操作履歴に基づいて生成された視聴率は、番組の視聴の仕方(放送時に視聴するのか、放送後に視聴する予定なのか等)の多様化に対応したものといえ、番組の視聴の仕方を分析するのに役立てることができる。
また、この操作履歴送信携帯端末1によれば、個人情報付加手段17aによって、個人情報記憶手段15に記憶されている個人情報が操作履歴に付加される。個人情報は、利用者の名前、性別、年齢、住所、出身地、職業、年収、趣味等であり、この個人情報を操作履歴に付加して、視聴率データセンタに送信することで、視聴率データセンタで番組の視聴率を分析する際に活用することできる。例えば、視聴率を測定する際に、様々な角度からの視聴率、例えば、性別・年齢別の視聴率、地域(出身地)別の視聴率、職業別の視聴率、年収別の視聴率、趣味別の視聴率等を求めることができる。
また、この操作履歴送信携帯端末1によれば、現在位置情報付加手段17bによって、現在位置情報取得手段13で取得された当該携帯端末1の現在位置を示す現在位置情報が操作履歴に付加される。現在位置情報を操作履歴に付加して、視聴率データセンタに送信することで、視聴率データセンタで番組の視聴率を分析する際に活用することできる。例えば、視聴率を測定する際に、どんな場所でどんな番組が視聴されているかを求めることができる。
また、この操作履歴送信携帯端末1によれば、表示手段27に、番組電子ガイド取得手段25で取得した番組電子ガイドが表示されるので、番組を選択する際の参考にすることができる。
〈視聴率測定装置の構成〉
図2は、視聴率測定システムAのブロック図(主に視聴率測定装置3を図示)である。
この図2に示すように、視聴率測定装置3は、複数の操作履歴送信携帯端末1から送信された操作履歴を集計して、番組毎の視聴率を測定するもので、操作履歴取得手段29と、番組音声時刻関連データ蓄積手段31と、番組画像時刻関連データ蓄積手段33と、視聴率測定手段35と、視聴率記憶手段37と、データ送信手段39とを備えている。なお、データ送信手段39はオプション(付加機能)として取り扱うことが可能である。
操作履歴取得手段29は、複数(多数)の操作履歴送信携帯端末1から送信された操作履歴を取得(回収)するものである。この操作履歴取得手段29では、取得した操作履歴が符号化された符号化データであった場合、復号して出力する。また、この操作履歴取得手段29では、取得した操作履歴が暗号化された暗号化データである場合に対応した復号手段(共通暗号鍵方式、公開暗号鍵方式等の復号鍵によるもの)を備えて、暗号化された操作履歴(暗号化データ)を復号することも可能である。
なお、操作履歴取得手段29は、操作履歴送信携帯端末1が携帯電話等である場合には、携帯電話等を管理保守する携帯電話事業者サーバから転送された操作履歴を受信することとなる。
番組音声時刻関連データ蓄積手段31は、大容量のハードディスク等によって構成されており、放送局から放送された番組およびケーブルテレビ会社から送信された番組(デジタル放送、アナログ放送、BS、CS、ケーブルテレビ等の番組[放送番組])に含まれている音声と、この音声が放送(送信)された時刻とを関連付けた番組音声時刻関連データを蓄積するものである。
番組音声時刻関連データは、放送局名(チャンネル番号)、放送年日時、番組名および番組を識別する識別情報が関連付けられ、放送された番組毎に、当該番組に含まれている音声と、音声が放送された時刻とが完全に関連(対応)付けられているものである。例えば、放送局名と放送年日時とを指定すると、即座にその放送局でその年日時に放送されていた番組の音声を特定(抽出)することができる。例えば、チャンネル1で2004年の1月19日の17時00分00秒から17時30分00秒まで放送された番組について、17時12分45秒から17時13分27秒までの42秒間の音声を抽出することは可能である。
番組画像時刻関連データ蓄積手段33は、大容量のハードディスク等によって構成されており、放送局から放送された番組およびケーブルテレビ会社から送信された番組(デジタル放送、アナログ放送、BS、CS、ケーブルテレビ等の番組[放送番組])に含まれている画像と、この画像が放送(送信)された時刻とを関連付けた番組画像時刻関連データを蓄積するものである。
番組画像時刻関連データは、放送局名(チャンネル番号)、放送年日時、番組名および番組を識別する識別情報が関連付けられ、放送された番組毎に、当該番組に含まれている画像と、画像が放送された時刻とが完全に関連(対応)付けられているものである。例えば、放送局名と放送年日時とを指定すると、即座にその放送局でその年日時に放送されていた番組の画像を特定(抽出)することができる。例えば、チャンネル3で2004年の2月1日の8時00分00秒から10時45分00秒まで放送された番組について、9時8分7秒から9時8分16秒までの9秒間の画像を抽出することは可能である。
視聴率測定手段35は、操作履歴取得手段29で取得された操作履歴に基づいて、番組毎の視聴率を測定すると共に、番組音声時刻関連データ蓄積手段31に蓄積されている番組音声時刻関連データと番組画像時刻関連データ蓄積手段33に蓄積されている番組画像時刻関連データとの少なくとも一方を使用して、精度の高い視聴率を測定するもので、番組音声時刻関連データ照合手段35aと、番組画像時刻関連データ照合手段35bとを備えている。
番組音声時刻関連データ照合手段35aは、操作履歴に番組の音声が関連付けられている場合に、操作履歴に関連付けられている操作結果と時刻とに基づいて、この番組の音声と、番組音声時刻関連データ蓄積手段31に蓄積されている番組音声時刻関連データとの照合を図る(類似度の算出をする)ものである。なお、照合の仕方(類似度の算出)として、時間軸上および周波数軸上における二次元DPマッチング法等が挙げられ、番組音声時刻関連データ照合手段35aでは、一定値以上の類似度が得られれば、番組の音声が一致(合致)しているとみなしている。
この番組音声時刻関連データ照合手段35aは、例えば、操作結果に、「2003年12月9日の16時30分33秒;チャネル1を選局」とあった場合に、この時(16時30分33秒の前後数秒間)に放送されていた番組の音声を、番組音声時刻関連データ蓄積手段31に蓄積されている番組音声時刻関連データから検索し、操作履歴に関連付けられている番組の音声と照合する。視聴率測定手段35は、照合した結果、一致(合致)していた場合には、操作履歴送信携帯端末1の利用者が確かに番組を視聴していたとみなして視聴率に計上し、一致(合致)していなかった場合には、操作履歴送信携帯端末1の利用者が確かに番組を視聴していたかどうか疑わしいとして、視聴率に計上しない、若しくは、何らかの係数(当然、一致していた場合よりも視聴率が低くなるもの)を乗算して視聴率に計上する。
番組画像時刻関連データ照合手段35bは、操作履歴に番組の画像が関連付けられている場合に、操作履歴に関連付けられている操作結果と時刻とに基づいて、この番組の画像と、番組画像時刻関連データ蓄積手段33に蓄積されている番組画像時刻関連データとの照合を図る(類似度の算出をする)ものである。なお、照合の仕方(類似度の算出)として、時間軸上および周波数軸上における二次元DPマッチング法等が挙げられ、番組画像時刻関連データ照合手段35bでは、一定値以上の類似度が得られれば、番組の画像が一致(合致)しているとみなしている。
この番組画像時刻関連データ照合手段35bは、例えば、操作結果に、「2004年2月3日の8時11分7秒;チャネル3を選局」とあった場合に、この時(8時11分7秒の前後数秒間)に放送されていた番組の画像(数十から数百フレームの画像)を、番組画像時刻関連データ蓄積手段33に蓄積されている番組画像時刻関連データから検索し、操作履歴に関連付けられている番組の画像と照合する。視聴率測定手段35は、照合した結果、一致(合致)していた場合には、操作履歴送信携帯端末1の利用者が確かに番組を視聴していたとみなして視聴率に計上し、一致(合致)していなかった場合には、操作履歴送信携帯端末1の利用者が確かに番組を視聴していたかどうか疑わしいとして、視聴率に計上しない、若しくは、何らかの係数(当然、一致していた場合よりも視聴率が低くなるもの)を乗算して視聴率に計上する。
また、この視聴率測定手段35は、操作履歴に、操作履歴送信携帯端末1によって番組記憶手段(図示せず)に番組を記憶させる操作が含まれている場合には、放送時の番組の視聴率と、記憶させた後に番組を再生して視聴したとする再生時の番組の視聴率とを算出する。
さらに、この視聴率測定手段35は、操作履歴に個人情報が付加されている場合に、この個人情報に基づいて、種々の視聴率を測定(算出)する。例えば、男女別の視聴率、10代、20代、30代、40代、50代等の年代(年齢)別の視聴率、東北地方、関東地方、中部地方等の地域別(出身地)毎の視聴率、第一次産業従事者、第二次産業従事者、第三次産業従事者毎の視聴率、営業マン、工場労働者等の職業(職種)毎の視聴率を測定(算出)することができる。
さらにまた、この視聴率測定手段35は、操作履歴に現在位置情報が付加されている場合に、この現在位置情報に基づいて、種々の視聴率を測定(算出)する。例えば、現在位置情報が、操作履歴送信携帯端末1の利用者の自宅を示している場合は、ある番組の視聴率の内、どれくらいの割合で自宅で視聴しているのかを算出して、「自宅視聴率」としたり、現在位置情報が、駅または駅周辺を示している場合は、ある番組の視聴率の内、どれくらいの割合で駅または駅周辺で視聴しているのかを算出して、「駅視聴率」としたりすることが可能である。なお、現在地情報が、駅または駅周辺等の自宅外を示している場合、操作履歴送信携帯端末1に番組受信手段が内蔵されており、当該携帯端末1の表示手段27で番組を視聴していることを示している。
そしてまた、この視聴率測定手段35は、番組の視聴時間を算出することができる。つまり、一方の番組の選択操作が行われた時刻と他方の番組の選択操作が行われた時刻との差によって番組の視聴時間を求められる。
視聴率記憶手段37は、大容量のハードディスク等によって構成されており、視聴率測定手段35で測定(算出)された番組毎の視聴率を記憶するものである。なお、この視聴率記憶手段37に記憶されている番組毎の視聴率を通信回線(ネットワーク)を介して、番組のスポンサーとなる会社(企業)や、視聴率を掲載する雑誌を出版している出版社や、番組を放送した放送局に送信することが可能である。この場合、この視聴率記憶手段37に記憶されている番組毎の視聴率は、販売されることとなる(売買の対象となる)。
データ送信手段39は、操作履歴を生成する機能を有していない携帯端末(データを受信して起動させれば操作履歴送信携帯端末1になる)に対して、操作履歴生成プログラムのデータを、通信回線(ネットワーク)を介して送信するものである。
この視聴率測定装置3によれば、操作履歴取得手段29によって、複数の操作履歴送信携帯端末1から送信された操作履歴が取得され、視聴率測定手段35によって、操作履歴取得手段29で取得された操作履歴で関連付けられている当該携帯端末1の操作結果と当該携帯端末1が操作された時刻とに基づいて、番組の視聴率が測定される。そして、視聴率記憶手段37によって、視聴率測定手段35で測定された番組の視聴率が記憶される。このため、操作履歴携帯端末1から送信された操作履歴で関連付けられている操作結果と時刻とによって、番組毎の正確な視聴率をすぐに測定することができる。
また、この視聴率測定装置3によれば、データ送信手段39によって、操作履歴を生成する機能を有していない携帯端末に対して、操作履歴を生成する操作履歴生成プログラムのデータが送信(アップロード)される。このため、操作履歴を生成する機能がない携帯端末(操作履歴生成プログラムが起動されれば、操作履歴送信携帯端末1となる)であっても、データ送信手段39で送信された操作履歴生成プログラムが起動されれば、当該携帯端末(操作履歴送信携帯端末1)で操作履歴を送信することができるようになり、当該携帯端末(操作履歴送信携帯端末1)から送信された操作履歴で関連付けられている操作結果と時刻とによって、番組毎の正確な視聴率をすぐに測定することができる。
また、この視聴率測定装置3によれば、番組音声時刻関連データ照合手段35aによって、番組音声時刻関連データ蓄積手段31で蓄積されている、番組の音声とこの音声が送信された時刻とを関連付けた番組音声時刻関連データと、操作履歴に関連付けられている番組の音声とが照合され、視聴率測定手段35によって、照合結果を反映した視聴率を測定(算出)することができる。つまり、操作履歴に関連付けられている番組の音声と、実際に放送された番組の音声とを照合しているので、これらが合致すれば、当該携帯端末1で番組受信装置2を操作した際に、番組を確実に視聴していたとみなすことができ、番組の視聴率の信頼性を向上させることができる。
また、この視聴率測定装置3によれば、番組画像時刻関連データ照合手段35bによって、番組画像時刻関連データ蓄積手段33で蓄積されている、番組の画像とこの画像が送信された時刻とを関連付けた番組画像時刻関連データと、操作履歴に関連付けられている番組の画像とが照合され、視聴率測定手段35によって、照合結果を反映した視聴率を測定(算出)することができる。つまり、操作履歴に関連付けられている番組の画像と、実際に放送された番組の画像とを照合しているので、これらが合致すれば、当該携帯端末1で番組受信装置2を操作した際に、番組を確実に視聴していたとみなすことができ、番組の視聴率の信頼性を向上させることができる。
また、この視聴率測定装置3によれば、視聴率測定手段35によって、当該携帯端末1による操作結果に、番組を番組記憶手段(図示せず)に記憶させる操作が含まれている場合、番組記憶手段(図示せず)に番組を記憶させる操作結果も当該番組の視聴とみなして、視聴率が測定されている。このため、この視聴率は、番組の視聴の仕方(放送時に視聴するのか、放送後に視聴する予定なのか等)の多様化に対応したものといえ、番組の視聴の仕方を分析するのに役立てることができる。
また、この視聴率測定装置3によれば、視聴率測定手段35によって、当該携帯端末1の利用者の個人情報に基づいて、様々な角度からの番組の視聴率、例えば、性別・年齢別の視聴率、地域(出身地)毎の視聴率、職業毎の視聴率を測定(算出)することができる。
また、この視聴率測定装置3によれば、現在位置情報に基づき、当該携帯端末1の現在位置を把握し、当該携帯端末1の利用者は、番組をどこで視聴しているのか、例えば、自宅のテレビで視聴しているのか、他の場所(例えば、職場(学校)、通勤(通学)途中の駅等、様々な場所)で視聴しているのかがわかり、視聴率測定手段35によって、場所毎の視聴率を測定(算出)することができる。
〈操作履歴送信携帯端末の動作〉
次に、図3に示すフローチャートを参照して、操作履歴送信携帯端末1の動作について説明する(適宜、図1参照)。
まず、操作履歴送信携帯端末1の利用者は、操作手段5を用いて、番組を選択する(ステップS1)。この際に、操作履歴送信携帯端末1は、音声収音手段9によって番組の音声を収音するか、画像取得手段11によって番組の画像を取得するかして、番組の音声と番組の画像との少なくとも一方を得る(ステップS2)。
また、操作履歴送信携帯端末1は、当該携帯端末1の利用者が操作手段5を用いて、番組を選択した時に操作手段5から出力される通知信号に基づき計時手段7によって、計時した時刻を操作履歴生成手段17に出力する(ステップS3)。
さらに、操作履歴送信携帯端末1は、当該携帯端末1の利用者が操作手段5を用いて、番組を選択した時に操作手段5から出力される通知信号に基づいて、個人情報記憶手段15に記憶されている個人情報を操作履歴生成手段17に出力する(ステップS4)。
さらにまた、操作履歴送信携帯端末1は、当該携帯端末1の利用者が操作手段5を用いて、番組を選択した時に操作手段5から出力される通知信号に基づいて、現在位置情報取得手段13によって取得された現在位置情報を操作履歴生成手段17に出力する(ステップS5)。
すると、操作履歴送信携帯端末1は、操作履歴生成手段17によって、操作結果と、時刻と、番組の音声と番組の画像との少なくとも一方とを関連付けて、個人情報付加手段17aによって個人情報を付加し、現在位置情報付加手段17bによって現在位置情報を付加して、操作履歴を生成する(ステップS6)。
そして、操作履歴送信携帯端末1は、操作履歴記憶手段19によって、操作履歴生成手段17で生成された操作履歴を記憶し(ステップS7)、一定時間経過後または一定のデータ量記憶後、操作履歴を操作履歴送信手段21に出力する。そして、操作履歴送信携帯端末1は、操作履歴送信手段21によって、操作履歴を符号化(暗号化)して送信する(ステップS8)。
〈視聴率測定装置の動作〉
次に、図4に示すフローチャートを参照して、視聴履歴測定装置3の動作について説明する(適宜、図2参照)。
まず、視聴履歴測定装置3は、操作履歴取得手段29によって、複数の操作履歴送信携帯端末1から送信された操作履歴を取得する(ステップS11)。なお、取得した操作履歴は符号化されているので、操作履歴取得手段29で復号する。または、操作履歴が暗号化された暗号化データであった場合には、この操作履歴取得手段29で復号鍵を用いて復号する。
そして、視聴履歴測定装置3は、視聴率測定手段35の番組音声時刻関連データ照合手段35aと番組画像時刻関連データ照合手段35bとの少なくとも一方によって、操作履歴に関連付けられている番組の音声と番組の画像との少なくとも一方と、番組音声時刻関連データ蓄積手段31に蓄積されている番組音声時刻関連データと番組画像時刻関連データ蓄積手段33に蓄積されている番組画像時刻関連データとの少なくとも一方とを照合する(ステップS12)。
そして、視聴履歴測定装置3は、視聴率測定手段35によって、照合結果に基づいて、番組毎の視聴率を生成し(ステップS13)、視聴率記憶手段37に生成した視聴率を記憶する(ステップS14)。
〈視聴率を測定する際の詳細な動作〉
次に、図5に示すフローチャートを参照して、視聴率測定装置3の動作の中で、特に、視聴率を測定する際の詳細な動作について説明する(適宜、図2参照)。
まず、視聴率測定装置3は、視聴率測定手段35によって、操作履歴に番組の音声が関連付けられているか否かを判断し(ステップS21)、操作履歴に番組の音声が関連付けられていると判断した場合(ステップS21、Yes)、番組の音声と、番組音声時刻関連データ蓄積手段31に蓄積されている番組音声時刻関連データとを、番組音声時刻関連データ照合手段35aによって、照合する(ステップS22)。そして、視聴率測定装置3は、視聴率測定手段35によって、照合した照合結果に従って視聴率を測定する(ステップS23)。
ステップS21にて、操作履歴に番組の音声が関連付けられていると判断されなかった場合(ステップS21、No)、操作履歴に番組の画像が関連付けられているか否かを判断し(ステップS24)、操作履歴に番組の画像が関連付けられていると判断した場合(ステップS24、Yes)、番組の画像と、番組画像時刻関連データ蓄積手段33に蓄積されている番組画像時刻関連データとを、番組画像時刻関連データ照合手段35bによって、照合する(ステップS25)。そして、視聴率測定装置3は、視聴率測定手段35によって、照合した照合結果に従って視聴率を測定する(ステップS26)。
また、ステップS24にて、操作履歴に番組の画像が関連付けられていると判断されなかった場合(ステップS24、No)、操作履歴には、番組の音声も番組の画像も関連付けられていないものとして、視聴率を測定する(ステップS27)。
そして、視聴率測定装置3は、視聴率測定手段35によって、操作履歴に現在位置情報が付加されているか否かを判断し(ステップS28)、操作履歴に現在位置情報が付加されていると判断した場合(ステップS28、Yes)、現在位置情報に基づいて、分類した視聴率を測定する(視聴率を分類する)(ステップS29)。そして、この分類した視聴率が視聴率記憶手段37に出力される。
そしてまた、ステップS28にて、操作履歴に現在位置情報が付加されていると判断されなかった場合(ステップS28、No)、視聴率測定装置3は、視聴率測定手段35によって、操作履歴に個人情報が付加されているか否かを判断し(ステップS30)、操作履歴に個人情報が付加されていると判断した場合(ステップS30、Yes)、個人情報に基づいて、分類した視聴率を測定する(視聴率を分類する)(ステップS31)。この分類した視聴率が視聴率記憶手段37に出力される。
なお、ステップS30にて、操作履歴に個人情報が付加されていると判断されなかった場合(ステップS30、No)、ステップS23、ステップS26またはステップS27で測定された視聴率が分類されることなく、視聴率記憶手段37に出力されることになる。
〈番組の音声、番組の画像の照合の例について〉
次に、図6(a)(b)を参照して、視聴率測定装置3の番組音声時刻関連データ照合手段35aと番組画像時刻関連データ照合手段35bとにおける、番組の音声と番組の画像の照合の例について説明する。図6(a)は、操作履歴と番組の音声とが関連付けられているイメージを示したものであり、図6(b)は、操作履歴と番組の画像とが関連付けられているイメージを示したものである。
図6(a)に示すように、視聴率測定装置3では、視聴率測定手段35の番組音声時刻関連データ照合手段35aによって、操作履歴に関連付けられている時刻に基づいて、番組音声時刻関連データ蓄積手段31から当該時刻の前後10秒(任意に設定可能)の番組音声時刻関連データを読み出して、操作履歴に関連付けられている番組の音声(5秒間)と照合し、照合した結果、音声の波形が完全に(ほぼ)一致していれば、視聴率として計上する。
図6(b)に示すように、視聴率測定装置3では、視聴率測定手段35の番組画像時刻関連データ照合手段35bによって、操作履歴に関連付けられている時刻に基づいて、番組画像時刻関連データ蓄積手段33から当該時刻の前後10フレーム(任意に設定可能)の番組画像時刻関連データを読み出して、操作履歴に関連付けられている番組の画像(3フレーム)と照合し、照合した結果、いずれか1つのフレームの画像が完全に(ほぼ)一致していれば、視聴率として計上する。
〈視聴率測定システムの構築例〉
次に、図7を参照して、視聴率測定システムの構築例について説明する。
図7は、視聴率測定システムAの構築例の概略を説明した説明図である。
この図7に示したように、(1)赤外線リモコン機能のついた携帯電話(操作履歴送信携帯端末1の一例)の所有者(利用者)に番組の視聴率を測定することに対し、協力を要請(依頼)する。なお、この赤外線リモコン機能のついた携帯電話の出荷台数は、数百万台に達しており、数万人〜数百万人の利用者から操作履歴を取得することができる。所有者(利用者)に協力を要請した結果、複数の操作履歴送信携帯端末1が所有者(利用者)の家庭内で利用されることになる。
そして、(2)操作履歴送信携帯端末1の所有者(利用者)番組受信装置2(ここでは、テレビ)を操作した結果が操作履歴記憶手段19に記憶される。そして、(3)操作履歴送信携帯端末1は、視聴率データセンタの要求により、一定時間毎に操作履歴記憶手段19に記憶した操作履歴を視聴率データセンタの視聴率測定装置3に送信する。操作履歴を送信する送信時刻をずらすことによって、視聴率測定装置3の負荷軽減も可能である。
その後、(4)視聴率データセンタの視聴率測定装置3によって、集計した視聴率データ(番組毎の視聴率をまとめたもの)を放送局に伝送(送信)する。他の放送局への提供も可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態には限定されない。例えば、本実施形態では、操作履歴送信携帯端末1、視聴率測定装置3として説明したが、例えば、これらの端末1、装置3の各構成の処理を一つずつの過程ととらえた視聴率測定方法とみなすことも可能である。
なお、操作履歴送信携帯端末1が携帯電話である場合、例えば、特に普及している携帯電話の利用者に依頼することで、当該携帯電話の操作の違いによる(操作性の優劣による)番組の視聴率への影響を考慮する必要が無く、多数の操作履歴を取得することができ、より精度の高い視聴率を測定することができる。
また、この操作履歴送信携帯端末1を貸与することも想定される。例えば、放送局、携帯端末事業者等を主管として、無作為抽出した(或いは作為抽出した)視聴者に対して、一定台数、一定期間、操作履歴送信携帯端末1を貸与して、操作履歴を送信してもらい(操作履歴を適宜要求して回収)、視聴率測定装置3で視聴率を測定することができる。
なお、この場合、貸与する操作履歴送信携帯端末1の最大数には実質上、上限がある。つまり、普及している携帯電話等を使用する場合と異なり、視聴率を測定するまでにかかる費用に対し、測定した視聴率を販売して得られる利益が上がらなければならず、貸与する操作履歴送信携帯端末1の製造コスト等を鑑みた場合、自ずと最大数(最大端末数)が定まることになる。