JP3885762B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭等において使用する、誘導加熱装置を備えた組込型および据置型の誘導加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガス調理器に比べて誘導加熱調理器は、熱効率が非常に高く安全であると言うことはよく知られているが、内部構成が複雑で部品および外郭の温度上昇を抑制して冷却する必要があった。従来この種の誘導加熱調理器としては、仕切り板で器体内部を分割してロースターを組込むためのロースター室を形成し、仕切り板に設けた冷却風の導入口からロースターの下方や後方に沿って冷却風を流すと同時に仕切り板自体の表面に沿って冷却風を流す構成のものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記従来の誘導加熱調理器は、上記構成により、バランスよくしかも全体的に効率よくロースター外壁を冷却することができ、ロースター上方の誘導加熱装置や制御装置、器体内壁の温度上昇を抑止することにより信頼性の向上を図ることができるものであった。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−190375号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、近年の動向として、誘導加熱調理器の使い勝手を更に向上させるために、器体天面に操作部や表示部を設けることによる操作性の向上が強く望まれている。
【0006】
しかしながら、前記従来の誘導加熱調理器は、ロースターの天井面から誘導加熱装置等の被冷却部材までの空間距離が限られているため、機器の運転条件をスイッチ入力したり表示したりするための操作部をロースター上方に搭載しにくい構造となっている。すなわち、誘導加熱調理器は適切な外郭寸法でキッチンに組み込まれたり載置されたりする必要があり高さに制約があるため、誘導加熱コイルに比べて一般に耐熱温度の低い回路部品を搭載した操作部を前記誘導加熱コイルと同じようにロースター上部に配設した場合、従来以上にロースターと被冷却部材との空間距離を確保する必要性が生じ、結果としてロースター庫内高さが低くなってしまうものである。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、天面操作が可能でしかもロースターの庫内が広い誘導加熱調理器を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱調理器は、操作部を器体天面の前部に設け、ロースターケースおよび遮熱ケースの天井面における操作部に対向する面近傍の高さを、誘導加熱コイルやロースターヒーターに対向する面近傍の高さよりも低くして、操作部とロースターとの間に送風通路を確保し、前記送風通路は、前記器体の外郭を形成する左右の壁面部材をつないで補強するための鉛直壁面と水平壁面とを有する補強板を前記送風通路内の左右方向に通して備えるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、器体の天面に位置し調理鍋を載置するトッププレートと、前記天面の前部に位置し機器の運転条件をスイッチ入力する操作部と、前記トッププレートの下方に位置し前記調理鍋を誘導加熱する誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルを制御する制御回路と、前記器体の内部に冷却風を送る送風手段と、前記誘導加熱コイルおよび前記操作部の下方に位置し前面開口部以外の面を略遮蔽して庫を形成するロースターケースと前記ロースターケース内に設けられ調理物を加熱するロースターヒーターと前記ロースターケースの外面に空気層を形成して放熱を抑制する遮熱ケースとを具備するロースターとを備え、前記ロースターケースと前記遮熱ケースは、天井面において前記操作部近傍の高さを前記誘導加熱コイルや前記ロースターヒーター近傍の高さよりも低くして前記操作部と前記ロースターとの間に前記操作部を冷却するための送風通路を形成した構成とすることにより、前記操作部近傍を流れる冷却風の風量を十分に確保して前記操作部を効率よく冷却することができると同時に、前記ロースターヒーターが配置された部分の庫内高を十分確保できるため、天面操作が可能でしかもロースターの庫内が広い使い勝手のよい誘導加熱調理器を実現することができるものである。
【0010】
また、送風通路は、器体の外郭を形成する左右の壁面部材をつないで補強するための鉛直壁面と水平壁面とを有し送風通路内に補強板を左右方向に通して備える構成とすることによって、送風通路内のスペースを有効利用して器体の補強を行うことができるため、コンパクトにもかかわらず堅牢な器体を有する誘導加熱調理器を実現することができるものである。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図1〜3を参考にしながら説明する。
【0012】
図1は本実施例の誘導加熱調理器の外観を示す斜視図である。図2は同誘導加熱調理器の縦断面図。図3は同誘導加熱調理器の冷却構成を示す斜視図である。
【0013】
図1において、1は本実施例の誘導加熱調理器の外郭を構成する器体であり、前記器体1の天面には調理用鍋を載置するための結晶化ガラス等のセラミック材料からなるトッププレート2が設けられており、天面の前部には操作部3が設けられている。前記操作部3は、使用者が本機器を運転する際に運転条件を入力するための入力スイッチ4および、運転条件や運転状況、エラー表示などを確認するための液晶パネルやLEDなどで構成された表示部5を有する構成のものである。6は操作部3やトッププレート2の下方に設けられたロースターの前面開口部を開け閉めするためのロースタードアである。また7は本機器の主電源スイッチであり、8は器体1の天面後部に設けられた冷却用空気の導入口や排出口、さらにロースター内部で発生する煙を排気する排気口をカバーする金属製の網体やパンチングメタル等をホーロー加工したものからなるバックグリルである。
【0014】
次に、図2において、部材1〜6および8は図1で説明したとおりである。9はトッププレート2に載置された調理鍋を電磁誘導により加熱するための誘導加熱コイルであり、前記トッププレート2の下方に設けられている。10は表示部5や入力スイッチ4を搭載し、運転表示や外部入力を制御するための操作回路基盤である。11は前記誘導加熱コイル9および操作部3の下方に設けられたロースターであり前面開口部12以外の面を遮蔽して庫13を形成するロースターケース14と、前記ロースターケース14の外面に空気層15を形成して放熱を抑制する遮熱ケース16と、ロースターケース14内の上部および下部に設けられ調理物を上下両面から加熱するシーズヒーターからなるロースターヒーター17を具備している。18は調理物を載置するための焼き網である。19は前記焼き網18を載置すると共に調理中に調理物から発生する脂等を受けるための受け皿であり、ロースタードア6に着脱自在に取り付けられており、ロースター11の前面開口部12から出し入れ自在な構成となっている。また、20はロースター11内で調理中に発生する煙や熱気を外部に排出するための排気筒である。
【0015】
本実施例では図に示すように前記ロースター11を形成するロースターケース14および遮熱ケース16の天井面は、操作部3に対向する面近傍の高さが、誘導加熱コイル9およびロースターヒーター17に対向する面の高さよりも低くなっており、操作部3とロースター11との間に冷却風を流すための送風通路23を形成している。また前記送風通路23内には器体1の外郭を形成する左右の壁面部材をつないで補強するための鉛直壁面24と水平壁面25とを有する補強板26を左右方向に通した形で設けられている。27は前記器体1を支えるための脚である。また、28は前記ロースター11と誘導加熱コイル9との間を仕切るように設けられ、前記誘導加熱コイル9を支える土台を形成する仕切板である。
【0016】
図3において、部材1〜5、8、9、11、12、20、23、26、28は図2で説明した通りである。29は前記誘導加熱コイル9を制御する制御回路である。また、30は前記誘導加熱コイル9と制御回路29と器体1内部に冷却風を送るための送風手段であり、この冷却手段29により送られる主な冷却風の経路を矢印で示している。
【0017】
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作を説明する。冷却動作としては、使用者が主電源スイッチ7を入れた後、操作部3を操作してロースター11や誘導加熱コイル9の運転を始めると、送風手段30が自動的に作動する。この送風手段による冷却風は図3に示す矢印のような送風経路、すなわちロースター11の後部を冷却する経路と、誘導加熱コイル9とロースター11の間を通り前記誘導加熱コイル9を冷却する経路と、操作部3とロースター11の間を通り前記操作部3を冷却する経路を経てそれぞれ外部に排出される。
【0018】
ところで、本実施例では、液晶パネルやその他の電子部品等、誘導加熱コイルに比べて耐熱温度の低い部材で構成された操作部3がロースター11の上部に配置されているが、ロースター11を形成するロースターケース14と遮熱ケース16の天井面における操作部3に対向する面近傍の高さを、誘導加熱コイル9およびロースターヒーター17に対向する面近傍の高さよりも低くしているため、操作部3とロースター11との間に送風通路23を大きく確保する事ができ、操作部3近傍を流れる冷却風の風量を十分に確保して、耐熱温度の低い操作部3を効率よく冷却することができる。したがって、本実施例では機器の運転条件を入力したり、表示したりする操作部3を器体天面の前部に配置することが可能となるため、使用者が調理中に目線を大きく動かすことなく、入力操作や表示の確認が簡単にできるものである。
【0019】
また、同時に、ロースターヒーター17が配置された部分の庫内高さを十分確保できるため、ロースター11の庫内が広い使い勝手のよい誘導加熱調理器を実現することができるものである。
【0020】
また、本実施例は、送風通路23内に、器体1の外郭を形成する左右の壁面部材をつないで補強するための鉛直壁面24と水平壁面25とを有する補強板26を左右方向に通した構成とすることによって、送風通路23内のスペースを有効利用して器体1の補強を行うことができるため、コンパクトにもかかわらず堅牢な誘導加熱調理器を実現することができるものである。
【0021】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明によれば、操作部を効率よく冷却することができると同時に、ロースターヒーターが配置された部分の庫内高を十分確保できるため、天面操作が可能でしかもロースターの庫内が広い使い勝手のよい誘導加熱調理器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例における誘導加熱調理器の外観を示す斜視図
【図2】 同誘導加熱調理器の縦断面図
【図3】 同誘導加熱調理器の冷却構成を示す斜視図
【符号の説明】
1 器体
2 トッププレート
3 操作部
9 誘導加熱コイル
11 ロースター
12 前面開口部
13 庫
14 ロースターケース
15 空気層
16 遮熱ケース
17 ロースターヒーター
23 送風通路
24 鉛直壁面
25 水平壁面
26 補強板
29 制御回路
30 送風手段
Claims (1)
- 器体の天面に位置し調理鍋を載置するトッププレートと、前記天面の前部に位置し機器の運転条件をスイッチ入力する操作部と、前記トッププレートの下方に位置し前記調理鍋を誘導加熱する誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルを制御する制御回路と、前記器体の内部に冷却風を送る送風手段と、前記誘導加熱コイルおよび前記操作部の下方に位置し前面開口部以外の面を略遮蔽して庫を形成するロースターケースと前記ロースターケース内に設けられ調理物を加熱するロースターヒーターと前記ロースターケースの外面に空気層を形成して放熱を抑制する遮熱ケースとを具備するロースターとを備え、前記ロースターケースと前記遮熱ケースは、天井面において前記操作部近傍の高さを前記誘導加熱コイルや前記ロースターヒーター近傍の高さよりも低くして前記操作部と前記ロースターとの間に前記操作部を冷却するための送風通路を形成し、前記送風通路は、前記器体の外郭を形成する左右の壁面部材をつないで補強するための鉛直壁面と水平壁面とを有する補強板を前記送風通路内の左右方向に通して備える誘導加熱調理器。
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