JP3885541B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は誘導加熱調理器に関し、特に高周波電流を流す加熱コイルに用いるコイル導線に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、誘導加熱調理器に使用する鍋としては透磁率の高い鉄鍋が用いられていた。ところが近年鉄鍋以外に銅鍋やアルミニウム鍋なども使いたいという要望が高くなってきた。ところで、銅鍋やアルミニウム鍋を誘導加熱するには、透磁率が低いため鉄鍋に適した約20〜約30kHzよりも高い約40〜約100kHzの高周波電流を加熱コイルに流さなければならない。しかるに、周波数が高くなればなるほど、いわゆる表皮効果により高周波電流が導線の表面付近だけを流れるようになるため実効抵抗ははなはだしく増大する。そのため、表面積を増やし実効的に抵抗を減少する方法として、導線の径を細くし、例えば直径0.1mmの銅線を数本ないし数十本束ねて用いる方法が行われてきた。しかしこの方法では、表皮効果による実効的な抵抗を下げることができても、導線を多数本用いているために近接作用により必ずしも十分に抵抗を低減することができなかった。ここでいう近接作用とは、近接した導体に電流が流れるときに、磁界を介して相互に影響を与えあって電流分布に偏りが生じる現象であり、導線表面の実効的な抵抗増大となる。近接作用は高周波電流の向きが導線間で揃っているほど、導線間の間隔が小さいほど大きくなる。
【0003】
前記課題を解決する方法としては、例えば、特公平7−118377号公報に記載されているようなものがあった。同公報では、加熱コイルのコイル導線を、素線を束ねた集合線をさらに集合させる多段階集合構造と成すとともに、すくなくとも1の段階の集合線は編み上げにより形成することにより、集合線の向きが不揃いとなるとともに、相互に密着しなくなり、これにより近接効果を抑制できて加熱コイルの高周波電流に対するコイル抵抗を減少させ得るというものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、加熱コイルの高周波電流に対するコイル抵抗を減少させることができるが、誘導加熱の効率を更によくするためには、更にコイル抵抗を低減する必要があった。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、表皮効果および近接作用の影響を少なくし、加熱コイルの高周波電流に対するコイル抵抗を減少させた誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱調理器は、コイル導線を巻回してなる加熱コイルに高周波電流を流して被加熱体を誘導加熱する誘導加熱調理器であって、前記コイル導線は素線もしくは集合線を複数本用いて右撚り集合線と左撚り集合線を形成し、少なくとも前記右撚り集合線と前記左撚り集合線とを夫々一束以上用いてさらに撚った上位集合線からなる多段階重ね撚り構造とした。この構成では表皮効果の影響を低減するために多数の細線を用いても、近接作用の影響を低減できる。すなわち、本発明の加熱コイルは集合線を巻き回しているために、内側の素線と外側の素線とで曲がる半径が異なるため電流の向きが不揃いとなり、さらに、右撚り集合線と左撚り集合線との電流の向きが不揃いであるため、より不揃いとなり、近接作用を低減できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、コイル導線を巻回してなる加熱コイルに高周波電流を流して被加熱体を誘導加熱する誘導加熱調理器であって、前記コイル導線は素線もしくは集合線を複数本用いて右撚り集合線と左撚り集合線を形成し、少なくとも前記右撚り集合線と前記左撚り集合線とを夫々一束以上用いてさらに撚った上位集合線からなる多段階重ね撚り構造とした誘導加熱調理器とする。これにより、表皮効果の影響を低減するために多数の細線を用いても、近接作用の影響を低減できる。すなわち、本発明の加熱コイルは集合線を巻き回しているために、内側の素線と外側の素線とで曲がる半径が異なるため電流の向きが不揃いとなり、さらに、右撚り集合線と左撚り集合線との電流の向きが不揃いであるため、より不揃いとなるからである。したがって、このコイル導線を用いた加熱コイルは表皮効果および近接作用の影響によるコイル抵抗の増大を防ぎ、誘導加熱の効率のよいものすることができる。
【0009】
請求項に記載の発明は、コイル導線は少なくとも1つの段階の撚りに右撚りの集合線と左撚りの集合線とを同数量用いる構成としたことにより、電流の向きの偏りをさらに少なくすることができる。
【0010】
請求項に記載の発明は、コイル導線を巻回してなる加熱コイルに高周波電流を流して被加熱体を誘導加熱する誘導加熱調理器であって、前記コイル導線は素線もしくは集合線を複数本用いて右撚り集合線と左撚り集合線を形成し、少なくとも前記右撚り集合線と前記左撚り集合線とを夫々一束以上用いてさらに撚った上位集合線からなる多段階重ね撚り構造とするとともに、前記コイル導線は少なくとも1つの段階の撚りに右撚りの集合線と左撚りの集合線とを予め1束ずつ撚り合わせた集合線を用いる構成とすることにより、電流の向きの不揃いの部分を均一に設けることができる。
【0011】
請求項に記載の発明は、コイル導線を巻回してなる加熱コイルに高周波電流を流して被加熱体を誘導加熱する誘導加熱調理器であって、前記コイル導線は素線もしくは集合線を複数本用いて形成した、右回りの螺旋からなる円管状の右螺旋部と左回りの螺旋からなる円管状の左螺旋部とが混在した集合線からなるとともに、前記コイル導線は前記右螺旋部と前記左螺旋部との内外の関係を所定の長さごとに入れ替える構成としたことにより、近接作用の影響を少なくできる。
【0014】
また、コイル導線を円管状の右螺旋部と左螺旋部との内外の関係を所定の長さごとに入れ替える構成としたことにより、近接作用の影響を少なくできるとともに、このコイルの製造において、右螺旋部と左螺旋部の入れ替え作業が容易となり、生産性が向上し、コスト低減が図れる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
(実施例1)
本実施例の特徴は、素線もしくは集合線を複数本用いて撚り線を作製するにあたって、右撚り線と左撚り線とが混在した形で集合線を構成した点である。この構成では、右撚り線の電流はゆっくりと右に回転しながら流れ、左撚り線の電流はゆっくりと左に回転しながら流れる。したがって、電流の方向が異なるため、すなわち電流の方向が一致せず、不揃いになるため近接作用による抵抗の増大を防ぐことができる。なお、ここでゆっくりとというのはコイルを引き伸ばした状態をいう。以下図面を用いて説明する。
まず、誘導加熱調理器の概略構成を図2にて説明する。1は誘導加熱調理器の外郭を構成する本体、2は本体1上に設けたトッププレート、3は本発明に関わるコイル導線を用いて作製した加熱コイル、4は加熱コイル3を制御する制御部であり、5は加熱コイル3に対応してトッププレート2に設けた加熱部に載置した被加熱物である。この構成において、加熱コイル3に高周波電流を流すと磁束が発生し、この磁束の渦電流損による発熱により被加熱物5が加熱される。
【0018】
以下、本実施例におけるコイル導線の構成について図1を用いて説明する。なお、本実施例では銅鍋またはアルミニウム鍋を誘導加熱するのに適した約40kHz〜約100kHzの高周波電流を流すことを前提としている。また、その表皮効果を低減するために導線として直径0.1mm程度の銅素線を用いた。なお、特に最適な加熱周波数は約60kHz〜約80kHzとなる。これは、加熱周波数が高いほど加熱コイルに流れる電流が少なくてすむが、一方、加熱周波数が高くなると加熱コイルの高周波電流に対する抵抗が増すため、そのバランスをとると加熱周波数は約60kHz〜約80kHzが最適となる。また、加熱コイルの素線数または径は設計によって決定されるものである。
【0019】
本実施例におけるコイル導線は3段階重ね撚り構造を有している。図において、第1段階として、素線もしくは集合線を複数本用いて、右撚り集合線6と左撚り集合線7とを形成する。次に第2段階として、左撚り集合線7を中心とし、その外側に右撚り集合線6を3束と左撚り集合線7を3束とを交互に集合し、新たに第2段階の集合線8を形成する。したがって、第2段階の集合線は右撚り集合線6が3束と左撚り集合線7が4束、合計7束より形成されることになる。
【0020】
なお、第2段階の集合線8の束数は前記束数に限定されるものではなく、2束であっても良いしそれ以上であってもよい。また、右撚り集合線6と左撚り集合線7との束数の比率も前記に限定されるものではなく、少なくともどちらか一方が1束含まれる構成であればよい。例えば、右撚り集合線6を中央に設け、その周囲に左撚り集合線7を6束配する構成としても良い。また、本実施例では、中心の集合線の周りに右撚り集合線6と左撚り集合線7とを交互に配しているが、必ずしもこの構成に限定されるものではなく無作為に配する構成としても良い。しかし、後述するように交互に配することにより、束同士の電流の向きが揃いにくくなるので近接作用を小さくする効果は大きくなる。さらに、第2段階の集合線8の作製にあたっては、第1段階の集合線の2束またはそれ以上を一組として右撚り集合線および左撚り集合線として撚り、これらを束ねるようにしても良い。
【0021】
次に第3段階として、第2段階の集合線8の5束を束ねて第3段階の集合線9としている。このとき、第2段階の集合線8の作製にあったって述べたように第2段階の集合線8をそのまま束ねても良いし、または右撚り、および左撚りに撚って束ねてもよい。なお、第2段階の集合線8を5束用いて第3段階の集合線9としたが、束ねる束数は先に述べたように設計によって決定されるものである。この第3段階の集合線9を加熱コイル3の巻線として用いる。もちろん、第3段階の集合線以上の多段階集合線を作製し、それを加熱コイル3の巻線として用いても良い。
【0022】
以上の説明で分かるように、右撚り集合線と左撚り集合線とはどの段階で作製しても良いし、また、右撚り集合線と左撚り集合線を束ねた後、さらに、次の段階で繰り返し右撚り集合線と左撚り集合線とを作製し束ねても良いのは勿論である。
【0023】
以上述べたように、本実施例によれば、直径0.1mmという細線を素線として用いているので、高周波電流を流した時の表皮効果による抵抗の増大を防ぐことができるとともに、右撚り集合線と左撚り集合線とを束ねてコイル導線とすることにより、電流の向きを不揃いとすることができるので、近接作用による電流(電荷)の偏りを低減し抵抗の増大を防ぐことができる。
【0024】
また、コイル導線の構成を図3の断面図に示すような構成にしてもよい。すなわち、図では第1段階での右撚り集合線6と左撚り集合線7とを2束ずつ、合計4束用いて第2段階の集合線10を作製している。図3では効果をより大きくするために、右撚り集合線6と左撚り集合線7とを交互に配置している。この構成により、隣接する束間の電流の方向が不揃いとなり、近接作用の影響を小さくすることができる。さらに、第2段階の集合線10を7束束ねて第3段階の集合線11とし、この第2段階の集合線11を加熱コイル3の巻線としている。これにより、加熱コイルの誘導加熱効率を高めることができる。
【0025】
なお、右撚り集合線と左撚り集合線とを同量用いて束ねるのはどの段階でも良いが、できるだけ最初の段階すなわち第1段階で行うのが電流の流れの不揃い部分が均一となり効果的である。
【0026】
また、第2段階の集合線としては、図4に示すよう予め右撚り集合線6と左撚り集合線7とを1束ずつ撚り合わせ、図5に示す基本集合線12とし、この基本集合線12を複数本用いて、撚り合わせなどにより束ね、第2段階の集合線13としても良い。この構成により、図3で説明したと同様に、隣接する束間の電流の方向が不揃いとなり、近接作用の影響を小さくすることができる。
【0027】
なお、右撚り集合線と左撚り集合線とを束ね基本集合線とするのはどの段階でも良いが、できるだけ最初の段階すなわち第1段階で行うのが電流の流れの不揃い部分が均一となり効果的である。
【0028】
(参考例1)
参考例の特徴は、素線もしくは集合線を複数本撚って2種類以上撚りピッチ寸法を変えた集合線を複数個形成し、少なくとも撚りピッチ寸法の異なる集合線を複数個用いて、さらに撚った上位集合線からなる多段階重ね撚り構造とした点である。以下図面を用いて説明する。
【0029】
図6は、第1段階として素線もしくは集合線を用いて撚りピッチ25mmの集合線14、撚りピッチ30mmの集合線15および撚りピッチ35mmの集合線16を作製し、これら3種類の集合線を束ねて第2段階の集合線17を作製し、さらに、第2段階の集合線17を3束用いて第3段階の集合線18を作製したものである。ここで、撚りピッチとは1つの撚り部分から次の同じ状態の撚り部分までの間隔である。このように撚りピッチが異なると、素線の捩れ具合が異なるため、本参考例のように撚りピッチが異なる集合線を重ねたとき電流の流れの方向が一定にならない。すなわち、電流の向きが不揃いとなるため近接作用の影響を小さくすることができる。
【0030】
また、異なる撚りピッチの集合線を用いる場合、撚りピッチの寸法の比が互いに整数倍にならないようにするとよい。これは整数倍の集合線があった場合、同じ状態が繰り返されるため、全体として電流の向きが不揃いとなる部分が少なくなるためである。
【0031】
なお、前記参考例では異なる撚りピッチの集合線を3種類用いた場合について説明してが、これに限定されるものではなく2種類であっても良いしまたそれ以上であっても良い。
【0032】
また、異なる撚りピッチを束ねる段階もどの段階でも良く、要は異なる撚りピッチの集合線を用い電流の向きが不揃いになるようなコイル構成とすればよい。
【0033】
また、実施例1と本参考例とを組合せて集合線を作製しても良いのは勿論である。
【0034】
また、多段階重ね巻として、3段階のものについて説明したが、これに限定されるものでなく、2段階であってもそれ以上であっても良いのは勿論である。
【0035】
(参考例2)
図7は本参考例の加熱コイル部の上面図である。なお、実施例1と同じ構成部品には同じ符号を付しその説明は省略する。図において、コイル導線19は素線もしくは集合線を不規則な撚りピッチで撚り合わせた集合線である。このコイル導線を巻回し加熱コイル3を作製している。このような不規則な撚りピッチで撚り合わせた集合線を用いて巻回し加熱コイル3を作製した場合、加熱コイル3のn回目の巻回は、その内側でn−1回目の巻回と、その外側でn+1回目の巻回と夫々接触するが、このとき、巻線19は不規則な撚りピッチで撚り合わされているため、接触部分で集合線の素線の方向が同じになる個所はほとんどない。したがって、電流の方向が不揃いとなり、近接作用による抵抗の増加を抑えることができる。
【0036】
(実施例
図8は本実施例におけるコイル導線の構成を示す平面図であり、図9は同コイル導線の断面図である。なお、実施例1と同じ構成部品には同じ符号を付しその説明は省略する。図において、コイル導線20は素線もしくは集合線を用いて、右回りの螺旋からなる円管状の右螺旋部21と左回りの螺旋からなる円管状の左螺旋部22とを別々に形成し、左螺旋部22の内側に右螺旋部21を近接して設ける構成とした。この構成では、同じ方向のみの螺旋からなる円管状のコイル導線に比し、右螺旋部21と左螺旋部22とに分けて円管状のコイル導線としているので、素線もしくは集合線が近接している部分でも、同じ方向のみの螺旋からなる導線の場合と異なり、電流の方向が異なるため、近接作用の影響を小さくすることができる。鍋等の被加熱物を誘導加熱する時は、被加熱物に加熱コイル電流とは逆向きに渦電流が発生し、その渦電流の近接作用によって加熱コイルに流れる電流が被加熱物に引き寄せられることになるが、右螺旋部21と左螺旋部22とを近接させることで、被加熱物と右螺旋部21との距離と被加熱部と左螺旋部22との距離とが同等となり、右螺旋部21と左螺旋部22とに流れる電流の偏りが減り、加熱コイルのロスが低減する。
【0037】
なお、前記実施例では左螺旋部22の内側に右螺旋部21を設ける構成を示したが、反対に右螺旋部21の内側に左螺旋部22を設けても何ら差し支えはない。
【0038】
また、前記のように右螺旋部21と左螺旋部22とを重ね合わせる替わりに、図10に示すようにコイル導線23を作製するにあたって右回りの螺旋と左回りの螺旋との内外関係を交互に入れ替えて作製しても、右回り螺旋部と左回り螺旋部とが近接する部分での電流の方向が異なるため、先の例と同じように近接作用の影響を小さくすることができる。また、被加熱物と右螺旋部21との距離と被加熱部と左螺旋部22との距離とが同じになり、右螺旋部21と左螺旋部22とに流れる電流が同一となり、加熱コイルのロスが低減する。
【0039】
また、図11に示すようにコイル導線24の作製にあたって、右螺旋部21と左螺旋部22との内外関係を所定の長さ毎に入れ替えて作製しても良い。すなわち、ある範囲は図8に示すように左螺旋部22がコイル導線24の外側を形成し、次の範囲では内側を形成していた右螺旋部21がコイル導線24の外側を形成するようにする。そして、この内外の入れ替えを所定範囲毎に繰返す構成である。このとき、直線部25を設け、この部分で内外関係を入れ替えるようにすると容易に入れ替えができる。この場合も先の例と同じように近接作用の影響を小さくし、かつ、加熱コイルのロスを低減できる。また、容易に右螺旋部21と左螺旋部22とを入れ替えることができ作業性が向上し、生産性が良くなり、コスト低減が図れる。
【0040】
また、本実施例で得られた右螺旋部と左螺旋部とを有する円管状のコイル導線を加圧し、円管状を平坦状として、新たにコイル導線として巻回し、図12に示すように加熱コイル26を作製しても良い。このようにして得られた加熱コイル26は、実質的に電流の方向の異なる集合線を用いて作製した加熱コイルと同じであり、近接作用による電流の偏りによる抵抗の増大が低減されているため、誘導加熱効率の向上を図ることができる。
なお、各実施例において、加熱コイルに直径0.1mmの線を用いたが、特にその線径で作用は異なることは無く、例えば直径0.04〜直径0.06mmの線等の細線においても同様の効果が得られる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、請求項1ないしに記載の発明によれば、表皮効果および近接作用の影響を少なくし、加熱コイルの高周波電流に対するコイル抵抗を減少させ誘導加熱の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における誘導加熱調理器のコイル導線の構成を示す断面図
【図2】 同、誘導加熱調理器の概略構成図
【図3】 同、誘導加熱調理器のコイル導線の他の構成を示す断面図
【図4】 同、誘導加熱調理器の撚り線の構成図
【図5】 同、誘導加熱調理器のコイル導線の他の断面図
【図6】 本発明の参考例1における誘導加熱調理器のコイル導線の断面図
【図7】 本発明の参考例2における誘導加熱調理器の加熱コイル部の平面図
【図8】 本発明の実施例における誘導加熱調理器のコイル導線の構成を示す平面図
【図9】 同、誘導加熱調理器のコイル導線の断面図
【図10】 同、誘導加熱調理器のコイル導線の他の構成を示す平面図
【図11】 同、誘導加熱調理器のコイル導線の他の構成を示す平面図
【図12】 同、誘導加熱調理器の加熱コイルの断面図
【符号の説明】
3、26 加熱コイル
6 右撚り集合線
7 左撚り集合線
19、20、23、24 コイル導線
21 右螺旋部
22 左螺旋部

Claims (4)

  1. コイル導線を巻回してなる加熱コイルに高周波電流を流して被加熱体を誘導加熱する誘導加熱調理器であって、前記コイル導線は素線もしくは集合線を複数本用いて右撚り集合線と左撚り集合線を形成し、少なくとも前記右撚り集合線と前記左撚り集合線とを夫々一束以上用いてさらに撚った上位集合線からなる多段階重ね撚り構造とした誘導加熱調理器。
  2. コイル導線は少なくとも1つの段階の撚りに右撚りの集合線と左撚りの集合線とを同数量用いる構成とした請求項記載の誘導加熱調理器。
  3. コイル導線を巻回してなる加熱コイルに高周波電流を流して被加熱体を誘導加熱する誘導加熱調理器であって、前記コイル導線は素線もしくは集合線を複数本用いて右撚り集合線と左撚り集合線を形成し、少なくとも右撚り集合線と左撚り集合線とを夫々一束以上用いてさらに撚った上位集合線からなる多段階重ね撚り構造とするとともに、前記コイル導線は少なくとも1つの段階の撚りに前記右撚りの集合線と前記左撚りの集合線とを予め1束ずつ撚り合わせた集合線を用いる構成とした誘導加熱調理器。
  4. コイル導線を巻回してなる加熱コイルに高周波電流を流して被加熱体を誘導加熱する誘導加熱調理器であって、前記コイル導線は素線もしくは集合線を複数本用いて形成した、右回りの螺旋からなる円管状の右螺旋部と左回りの螺旋からなる円管状の左螺旋部とが混在した集合線からなるとともに、前記コイル導線は前記右螺旋部と前記左螺旋部との内外の関係を所定の長さごとに入れ替える構成とした誘導加熱調理器。
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