JP3885230B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、様々な給電体系や停電バックアップに対応した電力変換装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、交流入力電圧を所望の直流電圧に変換して出力するAC/DC変換装置や、直流入力電圧を所望の直流電圧に変換して出力するDC/DCコンバータは、スイッチング電源装置として市場に普及し、直流入力電圧を所望の交流電圧に変換して出力するDC/AC変換装置は、インバータとして市場に普及し、さらに交流入力電圧を所望の交流電圧に変換して出力するAC/AC変換装置にバッテリーを付加して、交流入力電圧の停電時に直流出力電圧のバックアップを行うものは、無停電電源装置(UPS)として市場に普及し、それぞれが分類されていた。そしてユーザは、用途別にこれらの装置の何れかを選択して使いこなしてきた。
【0003】
一方、電力の自由化に伴って、自家発電が可能な新たな給電体系に変化しつつある。その結果、従来からの送電線による交流給電以外に、直流給電としての需要も高まっており、給電体系に依存しない交流および直流の何れにも対応できる電力変換装置が必要になっている。しかし現状では、出力する給電体系の違いに応じて、全く異なる製品カテゴリであるスイッチング電源装置,インバータ,無停電電源装置のいずれかを用意しなければならず、ユーザのニーズに適した電力変換装置を提供することができなかった。
【0004】
そうした現状を、より具体的に説明する。図4および図5は、従来の停電バックアップ機能を有する電力変換装置の構成をブロック図として示したものである。図4は、ユーザが使用する装置(以下、単にユーザ装置という)111が交流入力機器である場合、図5は、ユーザ装置112が例えば直流48Vを入力とする通信交換機などの直流入力機器である場合の構成図である。
【0005】
図4において、ユーザ装置111は例えば交流電圧を直流電圧に変換するAC/DC変換部121と、直流電圧を所望の直流電圧に変換するDC/DC変換部122からなるスイッチング電源装置131の出力端子に、直流動作の負荷となる電子回路132を接続して構成される。またこの場合は、ユーザ装置111に所望の交流電圧を供給する電力変換装置として、無停電電源装置101が用いられる。この無停電電源装置101は、入力端子102からの交流入力電圧を直流電圧に変換してバッテリ105を充電させる充電器としてのAC/DC変換部103と、バッテリ105からの直流電圧を交流電圧に変換して出力するDC/AC変換部104と、切換手段であるスイッチ106とを備え、入力端子102からの交流入力電圧が通常の電圧レベルであれば、スイッチ106の接点を入力端子102側に切換えて、交流入力電圧をそのままユーザ装置111に供給すると共に、AC/DC変換部103を介してバッテリ105を充電する。一方、交流入力電圧が例えば停電などで所定の電圧レベルを下回ると、スイッチ106の接点をDC/AC変換部104側に切換え、バッテリ105からの直流電圧をDC/AC変換部104にて変換した交流電圧を、ユーザ装置111に供給するようになっている。
【0006】
これに対して図5におけるユーザ装置112は、負荷が同様に直流動作の電子回路132である場合、電子回路132とDC/DC変換部122とにより構成される。またこの場合は、ユーザ装置112に所望の交流電圧を供給する電力変換装置として、バッテリ105を外付けした一乃至複数のスイッチング装置141が用いられる。各スイッチング電源装置141は、入力端子102からの交流入力電圧を直流電圧に変換するAC/DC変換部142と、このAC/DC変換部142からの直流電圧を所望の直流電圧に変換するDC/DC変換部143とを備えて構成される。そして、入力端子102からの交流入力電圧が通常の電圧レベルであれば、DC/DC変換部143からの直流電圧をユーザ装置112に供給すると共に、この直流電圧を利用してバッテリ105を充電する。一方、交流入力電圧が例えば停電などで低下し、DC/DC変換部143からの直流電圧がバッテリ105の充電電圧を下回ると、バッテリ105からの直流電圧がユーザ装置112に供給される。
【0007】
図4および図5の構成図から明らかなように、交流給電の電力変換装置は、電子回路132に至るまでの電力変換部が直流給電の電力変換装置よりも多く、その分だけ変換効率が悪い。したがって、省エネルギーの観点からすれば、直流給電の電力変換装置の方が有利であり、そのため交流給電から直流給電の電力変換装置への移行が進みつつある。しかし前述のように、交流給電と直流給電の両方に対応した電力変換装置は存在せず、直流給電体系に依存しないフレキシブルな電力変換装置が要求されていた。
【0008】
本発明は、上記の課題に着目して成されたものであって、その目的は、ユーザのニーズに適した電力変換機能を、共通する装置により提供できる電力変換装置を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の電力変換装置では、給電体系が直流および交流のいずれであっても、それに見合う電力変換モジュールを任意に選択して装置本体のモジュール装着部に組み込んでおけば、用途別にわざわざ装置を用意しなくても、単独の装置本体から所望の電圧を一乃至複数取り出すことが可能となる。
【0010】
本発明の請求項2の電力変換装置では、バッテリモジュールを装置本体に組み込んでおけば、停電時においてもバッテリの容量が許す限り、電力変換モジュールから所望の電圧を出力させ続けることができる。また容量の異なる複数のバッテリモジュールを用意し、その中から所望のバッテリモジュールを選択させるようにすれば、バックアップ時間を任意に設定できる。
【0011】
本発明の請求項3の電力変換装置では、バッテリモジュールを電力変換モジュールのどの回路に接続するかが、電力変換モジュールを構成する各モジュールに応じて任意に設定できるようになる。したがって、各モジュールの特性に応じた好ましいバッテリモジュールの接続が実現できる。
【0012】
本発明の請求項4の電力変換装置では、例えば、AC/ACモジュールやDC/ACモジュールのような出力が交流である場合は、バッテリモジュールからの直流電圧を交流に変換する必要があることから、一次側の交流入力電圧を整流する整流回路や、高調波規制対策用の昇圧コンバータの後にバッテリモジュールを接続するのが好ましい。一方、AC/DCモジュールやDC/DCモジュールのような出力が直流である場合は、同様にバッテリモジュールを一次側に接続することができるが、そうするとモジュール内の電力変換部の損失があって効率の低下を招くため、二次側の直流出力部にバッテリモジュールを接続するのが好ましい。
【0013】
このように、選択した電力変換モジュールによって、バッテリモジュールを電力変換モジュールの一次側または二次側のいずれかに接続できるようにすれば、効率の低下を招くことなく好ましいバッテリモジュールの接続が実現できる。
【0014】
本発明の請求項5の電力変換装置では、バッテリモジュールを直列接続して装置本体に組み込めるので、接続数に応じてバッテリ電圧を任意に設定できる。特に、AC/ACモジュールやDC/ACモジュールのような出力が交流である場合は、一次側の交流入力電圧を整流する整流回路や、高調波規制対策用の昇圧コンバータの後にバッテリモジュールが接続され、バッテリ電圧が高電圧となるため、複数のバッテリモジュールを直列に積み上げて対応するのに都合がよい。
【0015】
本発明の請求項6の電力変換装置では、バッテリモジュールを直列接続して装置本体に組み込めるので、特に、AC/DCモジュールやDC/DCモジュールのような出力が直流である場合は、二次側の直流出力部にバッテリモジュールを接続するのが好ましいが、バッテリモジュールの容量を増やすために、複数のバッテリモジュールを並列接続して対応するのに都合がよい。
【0016】
本発明の請求項7の電力変換装置では、バッテリモジュールとして鉛電池,ニッケル水素電池,リチウムイオン電池などの二次電池の他に、燃料電池や太陽電池を利用することができる。
【0017】
本発明の請求項8の電力変換装置では、制御モジュールを付加することで、装置本体に組み込んだ電力変換モジュールの監視制御を行なうことができる。なお制御モジュールは装置本体の外部システムとして設けてもよく、その場合は例えは制御モジュールのソフトウェアによりネットワーク上で電力変換モジュールの制御を行なってもよい。
【0018】
本発明の請求項9の電力変換装置では、電力変換モジュールを構成する各モジュールを複数個並列接続できるため、電力容量の増減に対応することができる。また信頼性を高める場合は、モジュールを余分に並列接続すれば、モジュールの冗長運転が可能になる。
【0019】
【発明の実施形態】
以下、本発明における好ましい実施態様について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、前記図4および図5と同一箇所には同一符号を付し、共通する部分の説明は重複するため省略する。
【0020】
図1は、装置の全体構成を示すもので、ここでは前述のように、交流入力機器のユーザ装置111と、直流入力機器のユーザ装置112への給電を行なうことを考慮している。これらのユーザ装置111,112に対し、本実施例では共通する電力変換装置から給電を行なうように構成している。
【0021】
本実施例における電力変換装置は、図2に示すような複数のモジュールユニット21を、ユーザの必要に応じて一乃至複数個選択し、その選択したモジュールユニット21を、共通する一つの装置本体1のモジュール装着部2に組み込んで構成される。電力変換装置の筐体である装置本体1内には、後述する各モジュール31〜34,36,37間を接続するための配電モジュール(図示せず)が設けられる。ここで予め用意されるモジュールユニット21は、交流電圧を入力し直流電圧を出力するAC/DCモジュール31,直流電圧を入力し交流電圧を出力するDC/ACモジュール32,交流電圧を入力し交流電圧を出力するAC/ACモジュール33,および直流電圧を入力し直流電圧を出力するDC/DCモジュール34からなる電力変換モジュール35と、電力変換モジュール35に対して瞬時停電を含めた停電バックアップ機能を持たせるためのバッテリモジュール36と、電力変換モジュールを監視制御する制御モジュールとしてのコントロールモジュール37とにより構成される。そして各モジュール31〜37は、いずれも独立したパッケージとして、それぞれ単独に用意されている。
【0022】
モジュールユニット21の中で、電力変換モジュール35を構成する少なくとも一つのモジュール31〜34は、装置本体1のモジュール装着部2に装着しなければならないが、それを除けば、モジュールユニット21を構成する各モジュール31〜34,36,37を任意に選択して、モジュール装着部2に組み込むことができる。
【0023】
また、各モジュール31〜34,36,37は、仕様の異なる複数種類のものを予め用意してもよい。例えば、電力変換モジュール35を構成する各モジュール31〜34は、入力電力(電圧および電流)や出力電力の異なる種類のものを用意する。またバッテリモジュール36に関しても、バックアップ源となるバッテリ38の容量が違うものを何種類か用意する。さらに、ここでのコントロールモジュール37は、電力変換モジュール35の給電情報や、各部の電圧監視情報や、バッテリ38の電圧(バッテリ電圧)の診断や、これらの電圧の異常時にアラーム出力を行なう入出力アラームなどの機能を備えているが、これらの機能を全て若しくは一部備えた複数種のコントロールモジュール37を用意してもよい。
【0024】
図1は、2つの入力系統である交流入力電圧および直流入力電圧から、2つの給電系統である直流出力電圧と交流電圧を取り出すと共に、各給電系統に対して停電バックアップ機能を持たせた装置の構成を示している。ちなみに、これは一例に過ぎず、ユーザの要求に基づき組み込まれるモジュールユニット21も適宜変更される。
【0025】
図1では、ユーザ装置112に所望の直流電圧を供給するために、入力端子51からの交流入力電圧を直流電圧に変換するAC/DCモジュール31と、このAC/DCモジュール31からの直流電圧を所望の直流電圧に変換して給電するDC/DCモジュール34がそれぞれ組み込まれる。このAC/DCモジュール31とDC/DCモジュール34との組み合わせは、いわゆるスイッチング電源装置61の機能として設けられる。図1に示すように、ユーザ装置112の消費電力に見合うスイッチング電源装置61の構成を、複数並列に接続してもよい。こうすれば、給電する直流電圧は一定であるが、スイッチング電源装置61の数に応じて給電容量を増減させることができる。
【0026】
また、スイッチング電源装置61の出力側すなわちDC/DCモジュール34の二次側には、前記バッテリモジュール36が接続される。そして、入力端子51からの交流入力電圧が通常の電圧レベルであって、DC/DCモジュール34の直流出力電圧が、その出力側に接続するバッテリモジュール36のバッテリ電圧よりも高ければ、DC/DCモジュール34からの直流出力電圧をユーザ装置112に供給すると共に、この直流出力電圧を利用してバッテリーモジュール36のバッテリ38を充電する。一方、交流入力電圧が例えば停電などで低下し、DC/DCモジュール34からの直流出力電圧がバッテリモジュール36のバッテリ電圧を下回ると、バッテリ38からの直流電圧がユーザ装置112に供給される。
【0027】
これとは別のユーザ装置112への給電部として、入力端子52からの直流入力電圧を所望の直流電圧に変換して給電する単独のDC/DCモジュール34を組み込んでもよい。このDC/DCモジュール34の一次側にはバッテリモジュール36が接続され、入力端子52からの直流入力電圧がバッテリモジュール36のバッテリ電圧よりも高ければ、この直流入力電圧によりバッテリモジュール36のバッテリ38を充電すると共に、DC/DCモジュール34からユーザ装置112に所望の直流電圧を供給する。一方、停電などが原因で、入力端子52からの直流入力電圧がバッテリ電圧よりも低くなると、今度はバッテリ38からの直流電圧がDC/DCモジュール34に印加され、バッテリ38の容量が許す限り、DC/DCモジュール34からユーザ装置112に所望の直流電圧が供給される。
【0028】
これとは別に、ユーザ装置111に所望の交流電圧を供給するために、入力端子51からの交流入力電圧を直流電圧に変換する充電器としてのAC/DCモジュール31と、このAC/DCモジュール31からの直流電圧を充電するバッテリ38を備えたバッテリモジュール36と、AC/DCモジュール31若しくはバッテリモジュール36からの直流電圧を交流電圧に変換して出力するDC/ACモジュール32がそれぞれ組み込まれる。このAC/DCモジュール31と、バッテリモジュール36と、DC/ACモジュール32は、いわゆる無停電電源装置(UPS)71の機能として設けられる。図1では単独の無停電電源装置71が組み込まれているが、ユーザ装置111の消費電力に見合う数の無停電電源装置71を、複数並列に接続してもよい。
【0029】
そして、入力端子51からの交流入力電圧が通常の電圧レベルであって、AC/DCモジュール31の直流出力電圧が、その出力側に接続するバッテリモジュール36のバッテリ電圧よりも高ければ、この直流出力電圧を利用してバッテリーモジュール36のバッテリ38を充電すると共に、AC/DCモジュール31の直流出力電圧をDC/ACモジュール32に印加して、ユーザ装置112に所望の交流電圧を供給する。一方、交流入力電圧が例えば停電などで低下し、DC/DCモジュール34からの直流出力電圧がバッテリモジュール36のバッテリ電圧を下回ると、バッテリ38からの直流電圧がDC/ACモジュール32に印加され、ここで変換した交流電圧がユーザ装置112に供給される。
【0030】
これとは別のユーザ装置111への給電部として、入力端子52からの直流入力電圧を所望の交流電圧に変換して給電する単独のDC/ACモジュール32を組み込んでもよい。このDC/ACモジュール32は、インバータ81としての機能を有するもので、DC/DCモジュール34DC/ACモジュール32の一次側には、前記DC/DCモジュール34と共通のバッテリモジュール36が接続される。このように、バッテリモジュール36は、異なる種類のモジュール31〜34に共通して、モジュール31〜34の一次側若しくは二次側に接続してもよい。
【0031】
そして、入力端子52からの直流入力電圧がバッテリモジュール36のバッテリ電圧よりも高ければ、この直流入力電圧によりバッテリモジュール36のバッテリ38を充電すると共に、DC/ACモジュール32からユーザ装置111に所望の交流電圧が供給される。一方、停電などが原因で、入力端子52からの直流入力電圧がバッテリ電圧よりも低くなると、今度はバッテリモジュール36からの直流電圧がDC/ACモジュール32に印加され、バッテリ38の容量が許す限り、DC/ACモジュール32からユーザ装置111に所望の交流電圧が供給される。
【0032】
図3は、モジュールユニット21の機能を基に再構築した装置の概略構成図である。ここでは、AC/DCモジュール31,DC/ACモジュール32,AC/ACモジュール33,およびDC/DCモジュール34のそれぞれが1個ずつ選択され、装置本体1のモジュール装着部2に組み込まれている。またモジュール装着部2には、他にバッテリモジュール36がモジュール31〜34に共通して接続されると共に、バッテリモジュール36を含む各モジュール31〜34,36を監視制御するコントロールモジュール37が組み込まれている。
【0033】
前記バッテリモジュール36は、モジュール装着部2に組み込まれる電力変換モジュール35の種類によって、自由に接続点を設定できるようにする。そのために、例えば電力変換モジュール35を構成する各モジュール31〜34の一次側と二次側に、それぞれバッテリモジュール36との接続部を設けるのが好ましい。さもなければ、装置本体1内の例えば入力端子51,52などに、バッテリモジュール36との接続部を設けてもよい。接続部は、例えばピンとソケットとの結合や、端子台を介したねじ止め接続など、種々の接続形態を採用できる。さらにバッテリモジュール36をモジュール装着部2に複数並列接続し増設することで、バックアップ時間を任意に設定できるようにするのが好ましい。
【0034】
以上のように本実施例によれば、交流電圧を入力し交流電圧を出力するAC/ACモジュール33と、交流電圧を入力し直流電圧を出力するAC/DCモジュール31と、直流電圧を入力し交流電圧を出力するDC/ACモジュール32と、直流電圧を入力し直流電圧を出力するDC/DCモジュール34とからなる電力変換モジュール35を備え、この電力変換モジュール35を構成する各々のモジュール31〜34を任意に選択し組み込み可能とするモジュール装着部2を装置本体1に設け、当該モジュール装着部2に組み込まれた電力変換モジュール35を構成する各々のモジュール31〜34の機能に応じて、ユーザ装置111,112へ直流電圧と交流電圧とを選択的に供給するよう構成している。
【0035】
このようにすれば、ユーザ装置111,122に供給しようとする給電体系が直流および交流のいずれであっても、それに見合う電力変換モジュール35を任意に選択して装置本体1のモジュール装着部2に組み込んでおけば、用途別にわざわざ装置を用意しなくても、単独の装置本体1からユーザ装置111,122に対して所望の電圧を一乃至複数取り出すことが可能となる。したがって、ユーザのニーズに適した電力変換機能を、共通する装置本体1から提供できる。
【0036】
また本実施例では、電力変換モジュール35の停電バックアップを行なうバッテリモジュール36を備え、このバッテリモジュール36も装置本体1に組み込み可能に設けられている。
【0037】
この場合、バッテリモジュール36を装置本体1に組み込んでおけば、停電時においてもバッテリ38の容量が許す限り、電力変換モジュール35から所望の電圧を出力させ続けることができる。また容量の異なる複数のバッテリモジュール36を用意し、その中から所望のバッテリモジュール36を選択させるようにすれば、バックアップ時間を任意に設定できる。さらに、本実施例ではバックアップモジュール1も電力変換モジュール35と同様にモジュール装着部2に装着できるようになっており、電力変換モジュール35との形状の統一化を図ることができる。
【0038】
また本実施例では、電力変換モジュール35に対するバッテリモジュール36の接続を任意に設定できる接続部を備えている。
【0039】
このようにすると、バッテリモジュール36を電力変換モジュール35のどの回路に接続するかが、装置本体1に組み込まれた電力変換モジュール35を構成する各モジュール31〜34に応じて任意に設定できるようになる。したがって、各モジュール31〜34の特性に応じた好ましいバッテリモジュール36の接続が実現できる。
【0040】
この場合は、接続部を電力変換モジュール35の各モジュール31〜34の一次側と二次側にそれぞれ設けるのが好ましい。
【0041】
例えば、AC/ACモジュール33やDC/ACモジュール32のような出力が交流である場合は、バッテリモジュール36からの直流電圧を交流に変換する必要があることから、モジュール32,33内のトランスにより絶縁された一次側の例えば交流入力電圧を整流する整流回路や、高調波規制対策用の昇圧コンバータの後に、バッテリモジュール36を接続するのが好ましい。一方、AC/DCモジュール31やDC/DCモジュール34のような出力が直流である場合は、同様にバッテリモジュール36を一次側に接続することができるが、そうするとモジュール31,34内の電力変換部の損失があって効率の低下を招くため、二次側の直流出力部にバッテリモジュール36を接続するのが好ましい。
【0042】
このように、直流および交流のいずれにも柔軟に対応して給電できる本装置においては、バッテリモジュール36が電力変換モジュール35の一次側にも二次側にも任意にできるようにすることが必要不可欠である。
【0043】
その点、本実施例では、選択した電力変換モジュール35によって、バッテリモジュール36を電力変換モジュール35の一次側または二次側のいずれかに接続できるようにすれば、効率の低下を招くことなく好ましいバッテリモジュール36の接続が実現できる。
【0044】
また本実施例におけるバッテリモジュール36は、装置本体1に直列接続可能に組み込めることを特徴としている。
【0045】
この場合、バッテリモジュール36を直列接続して装置本体1に組み込めるので、接続数に応じてバッテリ電圧を任意に設定できる。特に、AC/ACモジュール33やDC/ACモジュール37のような出力が交流である場合は、モジュール32,33内の一次側の交流入力電圧を整流する整流回路や、高調波規制対策用の昇圧コンバータの後にバッテリモジュール36が接続され、バッテリ電圧が高電圧(例えばAC100Vの商用交流電圧が入力される場合は、約200〜400Vになる)となるため、複数のバッテリモジュール36を直列に積み上げて対応するのに都合がよい。
【0046】
さらに、バッテリモジュール36が装置本体1に並列接続可能に組み込めるようにしてもよい。
【0047】
この場合、バッテリモジュール36を直列接続して装置本体1に組み込めるので、接続数に応じてバッテリ38のバックアップ時間を任意に設定できる。特に、AC/DCモジュール31やDC/DCモジュール34のような出力が直流である場合は、二次側の直流出力部にバッテリモジュール36を接続するのが好ましいが、バッテリモジュール36の容量を増やすために、複数のバッテリモジュール36を並列接続して対応するのに都合がよい。
【0048】
なお、バッテリモジュール36は二次電池,燃料電池,太陽電池のいずれにも適用できるのが好ましい。こうすれば、バッテリモジュール36として鉛電池,ニッケル水素電池,リチウムイオン電池などの二次電池の他に、燃料電池や太陽電池を利用することができる。
【0049】
また本実施例では、電力変換モジュール35やバッテリモジュール36を監視制御する制御モジュールとしてのコントロールモジュール37を備えている。
【0050】
このようにコントロールモジュール37を付加することで、装置本体1に組み込んだ電力変換モジュール35やバッテリモジュール36の監視制御を行なうことができる。なおコントロールモジュール37は装置本体1の外部システムとして設けてもよく、その場合は例えはコントロールモジュール37のソフトウェアによりネットワーク上で電力変換モジュール35やバッテリモジュール36の制御を行なってもよい。
【0051】
さらに本実施例では、電力変換モジュール35を構成する各モジュール31〜34が、装置本体1に並列接続可能に組み込めるようになっている。
【0052】
この場合、電力変換モジュール35を構成する各モジュール31〜34を、装置本体1のモジュール装着部2にて複数個並列接続できるため、電力容量の増減に対応することができる。また信頼性を高める場合は、モジュール31〜34を余分に並列接続すれば、このモジュール31〜34の冗長運転が可能になる。
【0053】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0054】
【発明の効果】
本発明の請求項1の電力変換装置は、ユーザのニーズに適した電力変換機能を、共通する装置すなわち装置本体から提供できる。
【0055】
本発明の請求項2の電力変換装置は、停電時においても所望の電圧を出力させ続けることができる。
【0056】
本発明の請求項3の電力変換装置は、電力変換モジュールを構成する各モジュールの特性に応じた好ましいバッテリモジュールの接続が実現できる。
【0057】
本発明の請求項4の電力変換装置は、効率の低下を招くことなく好ましいバッテリモジュールの接続が実現できる。
【0058】
本発明の請求項5の電力変換装置は、バッテリモジュールの接続数に応じてバッテリ電圧を任意に設定できるとともに、とりわけバッテリ電圧が高電圧となる場合に都合よく対応できる。
【0059】
本発明の請求項6の電力変換装置は、バッテリモジュールの接続数に応じてバッテリのバックアップ時間を任意に設定できると共に、バッテリ容量を増やすのに都合よく対応できる。
【0060】
本発明の請求項7の電力変換装置は、バッテリモジュールとして二次電池の他に、燃料電池や太陽電池を利用することができる。
【0061】
本発明の請求項8の電力変換装置は、装置本体に組み込んだ電力変換モジュールの監視制御を行なうことができる。
【0062】
本発明の請求項9の電力変換装置は、電力容量の増減に対応することができると共に、電力変換モジュールの冗長運転にも対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す電力変換装置のブロック構成図である。
【図2】 本発明の一実施例を示す装置本体に組み込まれるモジュールのブロック構成図である。
【図3】 本発明の一実施例を示すモジュールを組み込んだ状態の概略説明図である。
【図4】 従来例における電力変換装置の構成をブロック図で示したもので、ユーザ装置が交流入力機器である場合の構成を示している。
【図5】 従来例における電力変換装置の構成をブロック図で示したもので、ユーザ装置が直流入力機器である場合の構成を示している。
【符号の説明】
1 装置本体
2 モジュール装着部
31 AC/DCモジュール
32 DC/ACモジュール
33 AC/ACモジュール
34 DC/DCモジュール
35 電力変換モジュール
36 バッテリモジュール
37 コントロールモジュール(制御モジュール)
111,112 ユーザ装置

Claims (9)

  1. 交流電圧を入力し交流電圧を出力するAC/ACモジュールと、交流電圧を入力し直流電圧を出力するAC/DCモジュールと、直流電圧を入力し交流電圧を出力するDC/ACモジュールと、直流電圧を入力し直流電圧を出力するDC/DCモジュールとからなる電力変換モジュールを備え、
    前記電力変換モジュールの各々を任意に選択し組み込み可能とするモジュール装着部を装置本体に設け、当該モジュール装着部に組み込まれた各電力変換モジュールの機能に応じて、ユーザ装置へ直流電圧と交流電圧とを選択的に供給するよう構成したことを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記電力変換モジュールの停電バックアップを行なうバッテリモジュールを備え、このバッテリモジュールも前記装置本体に組み込み可能であることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記電力変換モジュールに対する前記バッテリモジュールの接続を任意に設定できる接続部を備えたことを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。
  4. 前記接続部を前記電力変換モジュールの一次側と二次側にそれぞれ設けたことを特徴とする請求項3記載の電力変換装置。
  5. 前記バッテリモジュールは前記装置本体に直列接続可能に組み込めることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の電力変換装置。
  6. 前記バッテリモジュールは前記装置本体に並列接続可能に組み込めることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の電力変換装置。
  7. 前記バッテリモジュールは二次電池,燃料電池,太陽電池のいずれにも適用できることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一つに記載の電力変換装置。
  8. 前記電力変換モジュールを監視制御する制御モジュールを備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の電力変換装置。
  9. 前記電力変換モジュールを構成する各モジュールが、前記装置本体に並列接続可能に組み込めることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の電力変換装置。
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