JP3884235B2 - スピニングリールのスプール - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スプール、特に、リール本体に対して前後移動自在なスピニングリールのスプールに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にスピニングリールは、ハンドルを回転自在に支持するリール本体と、ロータと、スプールとを備えている。スピニングリールのスプールは、リール本体に対して前後移動自在であり、釣り糸が巻かれる糸巻胴部と、糸巻胴部の前端に配置され糸巻胴部の外径より大きい外径を有する前フランジ部と、糸巻胴部の後方に設けられた筒状のスカート部とを備えている。前フランジ部は前フランジ固定部材により糸巻胴部に固定されている。
【0003】
このようなスプールでは、スプール全体の軽量化を図るために、糸巻胴部がたとえばアルミニウム合金等の金属薄板により形成されたものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の金属薄板により形成されたスプールでは、糸巻胴部の厚みが薄く形成されているので、糸巻胴部の強度が低下しやすい。そこで、糸巻胴部の強度を高くするために、糸巻胴部の内周側に合成樹脂製の内筒部材を取り付けることが考えられる。この場合、糸巻胴部の内部に内筒部材を取り付けることにより、軽量化を図りながら強度を高く維持することができる。しかし、合成樹脂製の内筒部材では、たとえば糸巻きによって糸巻胴部に強い押圧力が加わると、糸巻胴部とともに変形してしまうおそれがある。
【0005】
糸巻胴部が変形すると、前フランジ部が糸巻胴部に固定されている構成では、変形しにくい前フランジ部との間に隙間が生じ、その隙間に釣り糸が噛み込むおそれがある。
【0006】
本発明の課題は、スピニングリールのスプールにおいて、スプールの軽量化を図るとともにその変形を抑えることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明1に係るスピニングリールのスプールは、リール本体に対して前後移動自在なスピニングリールのスプールであって、外周に釣り糸が巻き付けられ金属薄板により形成された筒状部と筒状部と一体成形され前端部が内周側に延びる内フランジ部とを有する糸巻胴部と、筒状部の前端部に設けられた前フランジ部と、筒状部の後端部に設けられたスカート部と、筒状部の内周側に取り付けられた内筒部材とを備えている。内フランジ部は係合部を有し、内筒部材は係合部が係合し内フランジ部との回り止めを行う被係合部を有している。
【0008】
このようなスプールでは、糸巻胴部は、金属薄板製の筒状部と、筒状部の前端部が内周側に延びる内フランジ部とを有している。この場合、筒状部の前端部に内周側に延びる内フランジ部が形成されているので、糸巻胴部の強度を高く維持することができる。しかも、筒状部の内周部は、内筒部材により補強されている。したがって、糸巻胴部に強い押圧力が作用しても、スプールの変形を抑えることができる。さらに、この場合は、たとえば内フランジ部の係合部として貫通孔を形成し、内筒部材の被係合部として突起を形成し、これらを係合させることにより、内筒部材の位置決め及び回り止めを行うことができる。
【0009】
発明2に係るスプールは、発明1のスプールにおいて、スカート部は、金属薄板をプレス加工することにより、糸巻胴部と一体成形されている。この場合は、スプール全体の軽量化を図ることができる。
【0010】
発明3に係るスプールは、発明1又は2のスプールにおいて、内筒部材は合成樹脂製である。この場合は、スプール全体を軽量化しながら、安価に形成することができる
【0011】
発明に係るスプールは、発明1からのスプールにおいて、前フランジ部は内フランジ部及び内筒部材に共締め固定されている。この場合は、ボルト等の固定部材の部品点数を減らすことができる。
【0012】
発明に係るスプールは、発明1からのスプールにおいて、内筒部材は、前方に突出する筒状の雄ねじ部を有し、前フランジ部は雄ねじ部に螺合する第1雌ねじ部を有し、第1雌ねじ部を雄ねじ部に螺合させることにより糸巻胴部を内筒部材に固定している。この場合は、内筒部材に形成された雄ねじ部に前フランジ部の第1雌ねじ部を螺合させるだけで別の部材を用いることなく糸巻胴部を内筒部材に簡単に固定できる。
【0013】
発明に係るスプールは、発明のスプールにおいて、雄ねじ部に螺合する第2雌ねじ部を有し前フランジ部の前方に配置されるフランジ固定部材をさらに備え、第2雌ねじ部を雄ねじ部に螺合させることにより前フランジ部を回り止めしている。この場合には、フランジ固定部材の第2雌ねじ部を雄ねじ部に螺合させることにより、フランジ固定部材の固定と前フランジ部の緩み止めとを同時に行える。
【0014】
発明に係るスプールは、発明1からのいずれかのスプールにおいて、前フランジ部は、内フランジ部に対向して形成された環状溝を有し、内フランジ部は環状溝にはめ込まれている。この場合には、内フランジ部を環状溝にはめ込むことにより内フランジ部の径方向への移動が規制されるので、糸巻胴部の強度がさらに強くなる。
【0015】
発明に係るスプールは、発明のスプールにおいて、内筒部材の内フランジ部が配置される部分には他の部分より前方に突出した環状突起部が形成されており、環状突起部は、環状溝にはめ込まれている。この場合には、内筒部材も環状溝にはめ込まれて補強されるので、糸巻胴部の前端部の強度がさらに高くなって変形しにくくなり糸噛みが生じにくくなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を採用したスピニングリールは、図1に示すように、ハンドル1を回転自在に支持するリール本体2と、ロータ3と、スプール4とを備えている。ロータ3は、リール本体2の前部に回転自在に支持されている。スプール4は、釣り糸を外周面に巻き取るものであり、ロータ3の前部に前後移動自在に配置されている。
【0017】
リール本体2は、リールボディ2aと、リールボディ2aから斜め上前方に延びる竿取付脚2bとを有している。リールボディ2aは、図2に示すように内部に空間を有しており、その空間内には、ロータ3をハンドル1の回転に連動して回転させるロータ駆動機構5と、スプール4を前後に移動させて釣り糸を均一に巻き取るためのオシレーティング機構6とが設けられている。
【0018】
ロータ駆動機構5は、ハンドル1が固定されたハンドル軸10とともに回転するフェースギア11と、このフェースギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。ピニオンギア12は筒状に形成されており、その前部は、ロータ3の中心部を貫通し、ナットによりロータ3と固定されている。ピニオンギア12は、その軸方向の中間部と後端部とが、それぞれ軸受を介してリール本体2に回転自在に支持されている。
【0019】
オシレーティング機構6は、スプール4の中心部にドラグ機構を介して連結されたスプール軸15を前後方向に移動させてスプール4を同方向に移動させるための機構である。オシレーティング機構6は、スプール軸15の下方に平行に配置された螺軸21と、螺軸21に沿って前後方向に移動するスライダ22と、螺軸21の先端に固定された中間ギア23とを有している。スライダ22にはスプール軸15の後端が回転不能に固定されている。中間ギア23はピニオンギア12に噛み合っている。
【0020】
ロータ3は、図2に示すように、円筒部30と、円筒部30の側方に互いに対向して設けられた第1及び第2ロータアーム31、32とを有している。円筒部30と両ロータアーム31、32とは、たとえばアルミニウム合金製であり一体成形されている。
【0021】
第1ロータアーム31は、円筒部30から外方に凸に湾曲して前方に延びており、円筒部30との接続部分は円筒部30の周方向に広がり湾曲している。第1ロータアーム31の先端の外周側には、第1ベール支持部材40が揺動自在に装着されている。第1ベール支持部材40の先端には、釣り糸をスプール4に案内するためのラインローラ41が装着されている。
【0022】
第2ロータアーム32は、円筒部30から外方に凸に湾曲して前方に延びている。第2ロータアーム32は、先端部から円筒部30との接続部分に向けて2股に分岐しており、円筒部30と周方向に間隔を隔てた2箇所で接続されている。第2ロータアーム32の先端内周側には、第2ベール支持部材42が揺動自在に装着されている。
【0023】
ラインローラ41と第2ベール支持部材42との間には線材を略U状に湾曲させた形状のベール43が固定されている。これらの第1及び第2ベール支持部材40、42、ラインローラ41及びベール43により釣り糸をスプール4に案内するベールアーム44が構成される。ベールアーム44は、図2に示す糸案内姿勢とそれから反転した糸開放姿勢との間で揺動自在である。
【0024】
スプール4は、ロータ3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との間に配置されており、スプール軸15の先端にドラグ機構を介して装着されている。スプール4は、図3に拡大して示すように、スプール本体7と、糸巻胴部7aの前端部に取り付けられた大径の前フランジ部8と、前フランジ部8をスプール本体7に固定するための前フランジ固定部材9とを有している。スプール本体7は、外周に釣り糸が巻かれる筒状の糸巻胴部7aと、糸巻胴部7aの後端部に一体成形された大径筒状のスカート部7bと、糸巻胴部7aの内周側に取り付けられた内筒部材7cとを有している。
【0025】
糸巻胴部7a及びスカート部7bは、アルミニウム合金の薄板をプレス加工により一体成形して得られた大小2段の筒状の部材である。
【0026】
糸巻胴部7aは、外周に釣り糸が巻き付けられる筒状の筒状部7dと、筒状部7dの前端部に一体成形された内フランジ部7eとを有している。筒状部7dには、釣り糸の巻き始め端の結び目を収納するための貫通孔7f(図1及び図3参照)がスカート部7b近傍に1箇所形成されている。
【0027】
スカート部7bには、図1及び図3に示すように、段付きの凹部7gが形成されており、この凹部7gに釣り糸の先端部分を係止するための釣糸係止部70が装着されている。凹部7gと釣糸係止部70との間には、釣り糸を挟持するための隙間が生成されている。なお、釣糸係止部70は、図3に示すように、弾性変形可能な側面断面略T字状部材であり、内筒部材7cの後端部に形成された突起に装着されたプッシュナット80により固定されている。
【0028】
内筒部材7cは、糸巻胴部7aの内周側に取り付けられ、ドラグ機構が装着されるアルミニウム合金製の筒状部材であり、ダイカスト成形により形成されている。内筒部材7cの後端部は、釣糸係止部70が取り付けられるとともに、スカート部7bにねじ止め固定されている。内筒部材7cの前端部には、後述する内フランジ部7eに形成された係合部7iが係合する被係合部7jが複数箇所形成されている。また、内筒部材7cの内周側には、後述する前フランジ固定部材9に形成された雄ねじ部9aが螺合する雌ねじ部7hが形成されている。
【0029】
内フランジ部7eは、内筒部材7cの前端部に接するように内側に折れ曲がるようにプレス加工されている。内フランジ部7eは、内筒部材7cの前端部と前フランジ部8との間に挟持されている。また、内フランジ部7eは、内筒部材7cに形成された被係合部7jに係合するようにさらに内側に折れ曲がる係合部7iが複数箇所形成されている。この係合部7iを被係合部7jに係合させることにより、内フランジ部7eの内筒部材7cに対する位置決め及び回り止めを行うことができる。
【0030】
前フランジ部8は、アルミニウム合金製の環状部材であり、後方に折れ曲がるようにカーリング加工が施されている。前フランジ部8は、前フランジ固定部材9を内筒部材7cにねじ込み固定することにより、内フランジ部7eの前端部と前フランジ固定部材9との間に挟持される。
【0031】
前フランジ固定部材9は、前方が傾斜するように形成された筒状部材であり、後方外周には雄ねじ部9aが形成されている。この雄ねじ部9aを内筒部材7cの雌ねじ部7hに螺合させることにより、前フランジ固定部材9が内筒部材7cにねじ込み固定されている。
【0032】
このようなスプール4では、糸巻胴部7aには、糸巻胴部7aの前端部が内側に折れ曲がる内フランジ部7eが一体成形されているので、糸巻胴部7aの強度を高く維持することができる。
【0033】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、内筒部材7cは、アルミニウム合金製であったが、これに限定されるものではなく、図4に示すように、合成樹脂製でもよい。また、前フランジ部8は、アルミニウム合金製であったが、ステンレス合金製やジルコニア等のセラミックス製でもよい。
【0034】
(b) 前記実施形態では、前フランジ固定部材9は、内筒部材7cに前フランジ部8を糸巻胴部7aの前端部とで挟み込むようにして糸巻胴部7aの前端部に取り付けられていたが、図4に示すように、内筒部材7cの前端部にボルト81、82によりねじ止め固定してもよい。なお、前フランジ部8、前フランジ固定部材9及び内フランジ部7eを内筒部材7cに共締め固定することにより、それぞれを別々に固定する場合と比してねじの本数を減らすことができる。
【0035】
(c) 前記実施形態では、釣糸係止部70は、内筒部材7cの後端部に形成された突起に装着されたプッシュナット80により固定されていたが、図5に示すてように、たとえばボルト83により固定してもよい。
【0036】
(d) 前記実施形態では、フロントドラグ式のスピニングリールのスプールを例に説明したが、リアドラグ式やレバーブレーキ式のスピニングリールのスプールにも本発明を適用できる。
【0037】
図6に示すように、本発明の他の実施形態によるリアドラグ式のスピニングリールはハンドル101を回転自在に支持するリール本体102と、ロータ103と、スプール104とを備えている。ロータ103は、リール本体102の前部に回転自在に支持されている。スプール104は、釣り糸を外周面に巻き取るものであり、ロータ103の前部に前後移動自在に配置されている。
【0038】
リール本体102は、リールボディ102aと、リールボディ102aから斜め上前方に延びる竿取付脚102bとを有している。リールボディ102aは、内部に空間を有しており、その空間内には、ロータ103をハンドル101の回転に連動して回転させるロータ駆動機構105と、スプール104を前後に移動させて釣り糸を均一に巻き取るためのオシレーティング機構106とが設けられている。また、リール本体2の後方には、リアドラグ機構150が設けられている。
【0039】
ロータ駆動機構105は、ハンドル101が固定されたハンドル軸110とともに回転するフェースギア111と、このフェースギア111に噛み合うピニオンギア112とを有している。ピニオンギア112は筒状に形成されており、その前部は、ロータ103の中心部を貫通し、ナットによりロータ103と固定されている。ピニオンギア112は、その軸方向の中間部と後端部とが、それぞれ軸受を介してリール本体102に回転自在に支持されている。
【0040】
オシレーティング機構106は、先端にスプール104が連結され前後に延びるスプール軸115を前後方向に移動させてスプール104を同方向に移動させるための機構である。オシレーティング機構106は、減速ギア式のものであり、フェースギア111と連動して回転するギア部材121と、ギア部材121に連動してスプール軸方向に往復移動するスライダ122とを有している。スライダ122は、スプール軸115に対して回転自在かつ軸方向移動不能である。スライダ122は、リールボディ102aによってスプール軸115と平行に移動するように案内されている。
【0041】
リアドラグ機構150は、スプール軸150の後端部に回転不能かつ軸方向移動自在に連結されており、スプール軸115を介してスプール104の糸繰り出し方向の回転を制動するものである。
【0042】
ロータ103は、円筒部30と、円筒部130の側方に互いに対向して設けられた第1及び第2ロータアーム131、132とを有している。円筒部130と両ロータアーム131、132とは、たとえばアルミニウム合金製であり一体成形されている。
【0043】
第1ロータアーム131は、円筒部130から外方に凸に湾曲して前方に延びており、円筒部130との接続部分は円筒部30の周方向に広がり湾曲している。第1ロータアーム131の先端の外周側には、第1ベール支持部材140が揺動自在に装着されている。第1ベール支持部材140の先端には、釣り糸をスプール104に案内するためのラインローラ(図示せず)が装着されている。
【0044】
第2ロータアーム132は、円筒部130から外方に凸に湾曲して前方に延びている。第2ロータアーム132は、先端部から円筒部130との接続部分に向けて2股に分岐しており、円筒部130と周方向に間隔を隔てた2箇所で接続されている。第2ロータアーム132の先端内周側には、第2ベール支持部材142が揺動自在に装着されている。
【0045】
ラインローラと第2ベール支持部材142との間には線材を略U状に湾曲させた形状のベール143が固定されている。これらの第1及び第2ベール支持部材140、142、ラインローラ及びベール143により釣り糸をスプール104に案内するベールアーム144が構成される。ベールアーム144は、図1に示す糸案内姿勢とそれから反転した糸開放姿勢との間で揺動自在である。
【0046】
スプール104は、ロータ103の第1ロータアーム131と第2ロータアーム132との間に配置されており、スプール軸115に着脱機構160により着脱自在に装着され、ピン116により回転不能に係止されている。ピン116は、スプール軸115に径方向に沿って装着されており、スプール104に形成された係止溝104aに係止されている。
【0047】
スプール104は、図7に拡大して示すように、スプール本体107と、糸巻胴部107aの前端部に取り付けられた大径の前フランジ部108と、前フランジ部108を回り止めするための前フランジ固定部材109とを有している。スプール本体107は、外周に釣り糸が巻かれる筒状の糸巻胴部107aと糸巻胴部107aの後端部に一体成形された大径筒状のスカート部107bと糸巻胴部107aの内周側に取り付けられた内筒部材107cとを有している。
【0048】
糸巻胴部107a及びスカート部107bは、アルミニウム合金の薄板をプレス加工により一体成形して得られた大小2段の筒状の部材である。これらの外周面には、高級感がある外観を演出するために、旋盤により切削加工が施されており、前フランジ部108が装着される前端部外周面には、前フランジ部108とで隙間が生じないようにするために精度を高めた切削加工がさらに施されている。
【0049】
糸巻胴部107aは、外周に釣り糸が巻き付けられる筒状の筒状部107dと、筒状部107dの前端部に一体成形された内フランジ部107eとを有している。内フランジ部107eは、内筒部材107cの前端部に接するように内側に折れ曲がるようにプレス加工されている。内フランジ部107eは、内筒部材107cの前端部と前フランジ部108との間に挟持されている。また、内フランジ部107eの内周部には、糸巻胴部107aを内筒部材107cに対して回り止めするための係合切欠き部107iが1所設けられている。
【0050】
スカート部107bには、段付きの凹部107gが形成されており、この凹部107gに釣り糸の先端部分を係止するための釣糸係止部170が装着されている。凹部107gと釣糸係止部170との間には、釣り糸を挟持するための隙間が生成されている。なお、釣糸係止部170は、弾性変形可能な側面断面略T字状部材であり、内筒部材107cの後端部に形成された突起に装着されたプッシュナット180により固定されている。
【0051】
内筒部材107cは、糸巻胴部107aの内周側に取り付けられ、着脱機構160が前端部に装着される合成樹脂製の筒状部材である。内筒部材107cは、ピン116によりスプール軸115に回転不能に装着されている。内筒部材107cの後端部には、釣糸係止部170が取り付けられている。内筒部材7cの前端部外周側には、他の部分より突出する環状突起部107fが形成されており、環状突起部107fの前端には、内フランジ部7eに形成された係合切欠き部107iが係合する被係合突部107jが1箇所形成されている。また、内筒部材7cの前端部内周側には、後述する前フランジ部108及び前フランジ固定部材109に形成された第1及び第2雌ねじ部108a,109aが螺合する雄ねじ部107hを有する筒状突出部107kが形成されている。
【0052】
前フランジ部108は、表面が硬質メッキ処理された合成樹脂製の環状部材であり、前方にやや傾斜し外周端が前方に折れ曲がるように形成されている。前フランジ部108の内周部には、第1雌ねじ部108aが形成されている。また、前フランジ部108の内フランジ部107eに対向する後面には、内フランジ部107e及び内筒部材107cの環状突起部107fがはめ込まれる環状溝108bが形成されている。
【0053】
前フランジ部108は、第1雌ねじ部108aを内筒部材107cの雄ねじ部107hにねじ込むことにより、内筒部材107cに固定されている。このとき、内フランジ部107e及び環状突起部107fが環状溝108bにはめ込まれ、内フランジ部107eが内筒部材107cとの間に挟持される。この結果、内筒部材107cに装着された糸巻胴部107aが内筒部材107cに回り止めされた状態で固定される。
【0054】
前フランジ固定部材109は、前面が後方に傾斜するように形成されたフランジ状の部材であり、内周側後部には第2雌ねじ部109aが形成されている。この第2雌ねじ部109aを内筒部材107cの雄ねじ部107hに螺合させることにより、前フランジ固定部材109が内筒部材107cにねじ込み固定されている。これにより、前フランジ固定部材109と前フランジ部108とでダブルナットになり、前フランジ固定部材109の固定と前フランジ部108の緩み止めとを同時に行える。
【0055】
着脱機構160は、筒状突出部107kの内部に装着されたバネ部材161と、バネ部材161を拡縮動作させる着脱ボタン162とを有している。バネ部材161は、スプール軸115の先端に形成された係止溝115a(図6)に係止される係止部161aを有している。着脱ボタン162に軸方向に移動自在であり、かつバネ部材161により突出方向に付勢されている。また、突出方向には前フランジ固定部材109により飛び出さないように係止されている。この着脱ボタン162の押圧操作により係止部161aを開いて係止溝115aから外すことにより、スプール104をスプール軸115から取り外すことができる。
【0056】
このようなスプール104でも、糸巻胴部107aには、糸巻胴部107aの前端部が内側に折れ曲がる内フランジ部107eが一体成形されているので、糸巻胴部107aの強度を高く維持することができる。しかも、内フランジ部107eが前フランジ部108に形成された環状溝108bにはめ込まれているので、内フランジ部107eが変形しにくくなり、さらに強度を高く維持できる。また、高強度化が図られた糸巻胴部107aの前フランジ部108が装着される部分は切削加工により高精度化された外周面となっているので、さらに糸噛みしにくくなっている。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、スピニングリールのスプールにおいて、糸巻胴部を高強度化することにより、スプールを軽量化しつつその変形を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態によるスピニングリールの右側面図。
【図2】 前記スピニングリールの左側面断面図。
【図3】 前記スピニングリールのスプールの拡大断面図。
【図4】 他の実施形態の図3に相当する図。
【図5】 さらに他の実施形態の図3に相当する図。
【図6】 さらに他の実施形態の図2に相当する図。
【図7】 図6の実施形態の図3に相当する図。
【符号の説明】
2,102 リール本体
4,104 スプール
7a,107a 糸巻胴部
7b,107b スカート部
7c,107c 内筒部材
7d,107d 筒状部
7e,107e 内フランジ部
7i 係合部
7j 被係合部
8,108 前フランジ部
9,109 前フランジ固定部材
107f 環状突起部
107h 雄ねじ部
107i 係合切欠き部
107j 被係合突部
108a 第1雌ねじ部
108b 環状溝
109a 第2雌ねじ部

Claims (8)

  1. リール本体に対して前後移動自在なスピニングリールのスプールであって、
    外周に釣り糸が巻き付けられ金属薄板により形成された筒状部と前記筒状部と一体成形され前端部が内周側に延びる内フランジ部とを有する糸巻胴部と、
    前記筒状部の前端部に設けられた前フランジ部と、
    前記筒状部の後端部に設けられたスカート部と、
    前記筒状部の内周側に取り付けられた内筒部材とを備え、
    前記内フランジ部は係合部を有し、前記内筒部材は前記係合部が係合し前記内フランジ部との回り止めを行う被係合部を有している、スピニングリールのスプール。
  2. 前記スカート部は、前記金属薄板をプレス加工することにより、前記糸巻胴部と一体成形されている、請求項1に記載のスピニングリールのスプール。
  3. 前記内筒部材は合成樹脂製である、請求項1又は2に記載のスピニングリールのスプール
  4. 前記前フランジ部は前記内フランジ部及び前記内筒部材に共締め固定されている、請求項1からのいずれかに記載のスピニングリールのスプール。
  5. 前記内筒部材は、前方に突出する筒状の雄ねじ部を有し、
    前記前フランジ部は前記雄ねじ部に螺合する第1雌ねじ部を有し、前記第1雌ねじ部を前記雄ねじ部に螺合させることにより前記糸巻胴部を前記内筒部材に固定している、請求項1からのいずれかに記載のスピニングリールのスプール。
  6. 前記雄ねじ部に螺合する第2雌ねじ部を有し前記前フランジ部の前方に配置されるフランジ固定部材をさらに備え、前記第2雌ねじ部を前記雄ねじ部に螺合させることにより前記前フランジ部を回り止めしている、請求項に記載のスピニングリールのスプール。
  7. 前記前フランジ部は、前記内フランジ部に対向して形成された環状溝を有し、
    前記内フランジ部は前記環状溝にはめ込まれている、請求項1からのいずれかに記載のスピニングリールのスプール。
  8. 前記内筒部材の前記内フランジ部が配置される部分には他の部分より前方に突出した環状突起部が形成されており、
    前記環状突起部は、前記環状溝にはめ込まれている、請求項に記載のスピニングリールのスプール。
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