JP3884101B2 - オイルフリースクロール真空ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、両面にラップを植設した旋回スクロールを駆動して最終圧縮室から圧縮流体を吐出するダブルラップ式のオイルフリースクロール真空ポンプ、詳しくは、前記旋回スクロールの片面毎に圧縮流体を吐出する吐出通路とを備えたオイルフリースクロール真空ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、容器を真空にする技術は、真空ポンプを密閉容器の吸い出し口に連結し、空気及びその他の気体を該真空ポンプによって吸い出すことによって行われる。
低い真空圧力の排気系においては、1個の容器内に油回転ポンプを1個収納して構成されるが、高い真空圧力の排気系においては、油拡散ポンプと油回転ポンプとの組み合わせによるウエット系真空ポンプ装置が用いられている。
【0003】
しかしながら、この装置はボイラ中にヒータにより加熱して蒸発した油の蒸気を吹き出し、この蒸気により拡散した気体を圧縮し、さらに油回転ポンプにより大気圧まで圧縮して外部に排出するものである。このウエット式排気系によると油蒸気により装置内に付着した油が再蒸発して真空容器内に逆流するという問題があり、コールドキャップ、バッフル、トラップ等を用いて冷却しているため、構成が複雑になり、また、塩素やフッソのような気体と油が反応して油が変質して回転抵抗が増し、能力が低下したり、保守点検がそれだけ面倒になる。
そのために、ドライ式が望まれ、昨今では真空ポンプとしてオイルフリー・スクロール式が注目されている。
【0004】
さて、スクロール式真空ポンプは、固定・旋回スクロールを有し、旋回スクロールを自転させることなく固定スクロールに対して公転させることにより、前記両ラップ間に形成される密閉空間の容積を変化可能に構成している。
したがって、圧縮室として機能する前記密閉空間を形成する両ラップ間の接点が徐々に中心へ向かって移動するように、旋回スクロールを一定の半径で固定スクロールのラップの中心の周りを公転運動させることにより吸入口より取り込まれた気体はラップの巻き終わり端を回り込みながら、両ラップによって形成される密閉空間に取り込まれ、旋回スクロールの公転運動とともに徐々にその容積を減小させつつ中心に向かって移動しながら高圧化されて、密閉空間が吐出ポートと導通したときに外部へ排出されるものである。
【0005】
このスクロール式真空ポンプは、旋回スクロールの端板の一面に旋回ラップを植設したシングルラップ式、と前記端板の両面に旋回ラップを植設したダブルラップ式が存在し、該ダブル式真空ポンプは特開昭57−203801号公報(先例1)として知られている。
この技術は旋回スクロール端板に植設されるラップの高さをシングルラップ式の半分にして、シングルラップ式と同じ容量の圧縮流体を処理できるので、ラップの機械加工における削取り深さを浅くして、薄いラップ壁による加工撓みを除くことができ、加工性の良い旋回スクロールを提供できる点で優れている。
【0006】
しかしながら、圧縮流体の圧縮効率を高めるために、吐出孔を小さくすることが望ましく、かつ、旋回スクロールの中心部に開設した小径の導通孔を介して一方の固定スクロールに設けられた1個の吐出孔から圧縮流体を吐出するため、圧縮流体の吐出に際して、機械損出により排気効率が低下するという問題がある。また、旋回スクロールの導通孔を充分大きくして、機械損出を小さくすると、今度は圧縮効率が低下する。
よって、旋回スクロールの前記導通孔を介さないで、旋回スクロール片面それぞれに対応する吐出孔を設けることが望ましいことになる。そして、旋回スクロール片面それぞれに対応する吐出孔を設けたスクロール流体装置として、特開昭59−15690号公報(先例2)が知られている。
【0007】
上述の先例2の構成は図3に示すように、密閉容器101内に、固定スクロールを上下二箇所に配置し、上固定スクロール108、下固定スクロール107を配設する。上固定スクロール108の開口孔116には吸入管113、下固定スクロール107の開口孔117には吸入管114が設けられている。
旋回スクロール112の平板の両面にラップを上下二方向に設け両歯旋回スクロール112を形成して噛み合わせることにより流体押し退け装置を2箇所形成している。
【0008】
密閉容器101内に配置された電動機102の駆動軸103に固定した駆動歯車104により動力を伝達される従動歯車105を固定したクランク軸106は、二つの固定スクロール108、107とに設けた軸受に支持され、中央に設けた偏芯軸106aは、両歯の旋回スクロール112の平坦部に設けた2個所の軸受に挿入されている。
また、二つの固定スクロールにはそれぞれ上部吐出口111、下部吐出口110が設けられており、駆動軸103の回転に伴い両歯の旋回スクロール112は旋回運動を行い、密閉容器101に設けられた吐出管115から圧縮流体は吐出される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように構成された先例2は、駆動軸103から180゜反対側に分岐される2本のクランク軸106、106へ駆動歯車104及び従動歯車105を介して駆動力が伝達されるために、歯車のバックラッシュによる誤差の解消、また、2本のクランク軸106、106に設けられた二つの偏芯軸106aから旋回スクロール112に駆動力が伝達されるので、個々の偏芯軸106aによる干渉が発生しないように配慮する等高度の技術を必要とした。
【0010】
一方、昨今は高真空化の要請とともに、所望の真空圧力を得る作業時間の短縮化が望まれている。
低圧縮比の真空ポンプにおいては、真空化に時間がかかるために、高圧縮比を有する真空ポンプが望まれる。
高圧縮比を得るためには渦巻型スクロールの巻数を増加させることであるが、その場合は、スクロールの外形が大きくなり、高速回転の場合の軸のタワミ等による回転のブレ、固定スクロールと旋回スクロールとによる不均等接触、等による騒音及び熱の発生、耐久性の低下等の問題がある。
【0011】
これを解決するものとして、スクロールの外形が大きくならないスクロール巻数の少ない真空ポンプを2個用い、前段のポンプの吐出管に後段のポンプの吸入端を接続して両ポンプを駆動する方法が考えられる。
この直列駆動方法によると、前段で圧縮した流体を後段のポンプで圧縮するために、前段から後段に流体が移動する間に、油等が介在すると真空ポンプの耐久性劣化につながることになる。
【0012】
この観点から考察すると、前記先例2は図3に示すように、上部吐出口111及び下部吐出口110から排出された圧縮流体はフレーム118下部の電動機102が配置されている空間に充満した後、該空間の圧力が外部より高くなったときに外部に吐出される。
したがって、電動機102及び、それを支える部材、その他駆動軸103の潤滑油等により汚染する恐れがある。
【0013】
本発明は、かかる従来技術の欠点に鑑み、ダブルラップ旋回スクロールを有するスクロール機構をドライ系で構成するとともに、圧縮気体の排出効率が低下しないオイルフリースクロール真空ポンプを提供することを目的とする。
また本発明の他の目的は、両固定スクロールラップ間に介在する旋回スクロールにおいて、傾き等による偏荷重、部品間の干渉等がないオイルフリースクロール真空ポンプを提供することである。
また本発明の他の目的は、冷却効率が良く、コンパクトなオイルフリースクロール真空ポンプを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、端板の両面に旋回ラップを植設した旋回スクロールと、
前記旋回ラップと噛合する固定ラップを前記端板の面と対面する面に植設して前記旋回ラップを摺動可能に、旋回スクロールの両側に配置した一対の固定スクロールと、
前記一対の固定スクロール及び旋回スクロールを貫通して設けられ前記旋回スクロールの端板とは偏芯して嵌合する回転駆動軸とを有し、前記回転駆動軸により前記旋回スクロールを駆動して最終圧縮室から圧縮流体を吐出するダブルラップ式のオイルフリースクロール真空ポンプにおいて、
前記旋回スクロールの端板と偏芯して嵌合する回転駆動軸の両側は前記一対の固定スクロール側の夫々軸受により回転可能に保持されているとともに、前記回転駆動軸により前記旋回スクロールを駆動して前記旋回スクロールの片面毎に最終圧縮室から圧縮流体を吐出する吐出孔とを備え、
該吐出孔に連接する吐出通路が前記一対の固定スクロール外面に取付られ、前記回転駆動軸の駆動源を収納したハウジングの外方に前記吐出通路を延設して構成したオイルフリースクロール真空ポンプを複数直列に接続するとともに、前段の真空ポンプの吐出通路は
弁手段を介して外部と連通させ、前段の真空ポンプの圧縮流体の圧力が所定圧力以上までは前記弁手段を開成させて外部と導通させ圧縮流体の圧力が所定圧力以下で前記弁手段を閉成させて前段の真空ポンプと後段の真空ポンプとを接続するように構成したことを特徴とする。
【0021】
このように、ドライ系の圧縮流体を排出する吐出通路を前記ハウジングの外方に延設して構成しているので、旋回スクロールの駆動源により潤滑油等が圧縮流体に混入する恐れがなく、前段ポンプと後段ポンプとを直列に接続することができ、高圧縮比を実現することができる。
【0022】
また、複数のオイルフリースクロール真空ポンプを直列に接続するとともに、前記吐出通路に外部と導通する弁手段を介在しているので、前記前段ポンプの吸入端に真空にしようとする密閉容器を接続し、始動初期において前記密閉容器内の気圧が大気圧に近い関係上、吸入気体はすでに前段ポンプの圧縮工程において高圧力となり、前記弁手段により高圧力の圧縮流体を後段ポンプに送らずに前記弁手段により外部に吐出する。そして、前段ポンプによる圧縮流体が所定圧力を下回った場合は、前記弁手段が閉鎖し、前段ポンプによる圧縮流体は後段ポンプによりさらに圧縮される。
したがって、後段ポンプに大気圧以上の圧縮流体を吸入することがなく、後段ポンプにおいて、過度の圧縮により発熱することがないため、高圧力により発熱し、真空ポンプの耐久性を低下もしくは焼き付いて破損させることはない。
【0023】
また、複数の真空ポンプを接続しているので、前記前段及び後段ポンプを別々の回転駆動源で回転可能に構成され、前段ポンプの圧縮比による圧縮気体の負荷と後段ポンプの圧縮比による圧縮気体の負荷に対する最適な回転を駆動源に付与することができるとともに、負荷用密閉容器の吸入初期段階において前段ポンプの圧縮気体圧力が大気圧を越える状態においては、すなわち、密閉容器内の真空の度合いが低い粘性流域においては、前段のポンプのみを駆動して前記弁手段を介して外部に排気し、前段ポンプの圧縮気体圧力が大気圧を下回っ後に、後段ポンプを回転駆動することができ、経済的な運転を行う事ができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0025】
図1は、本発明の参考例に係るオイルフリースクロール真空ポンプの基本構成図、図2は、本発明に係るオイルフリースクロール真空ポンプを2段式とした基本構成図、図3は、従来例を示す図である。
【0026】
図1において、ポンプ本体1の回転軸11は右端をモータ2の駆動軸に連結され、モータ2の回転力により回転可能に設けられている。
この回転軸11の中央部分は、その外周が回転中心軸線よりは幾分膨らんだ偏芯部11aを有し、その偏芯部11aの両端部はハウジング4及び5の軸受及びパッキング部に支持され、回転可能に設けられている。
【0027】
固定スクロールを構成するハウジング4及び5は、それぞれ円蓋状をなし、ケーシングとして機能するその周壁をシール部材を介して当接させてその内部に密閉空間を形成している。
ハウジング4には、ラップ摺動面4bが軸方向垂直に設けられ、その摺動面4bには、その中央部分に、前述の回転軸11の偏芯部11aを外れた、偏芯しない部分が回転可能に嵌合する開口部が設けられ、その開口部近傍を先端として渦巻状のラップ7が植設され、該ラップ7の上縁には溝が設けられ、該溝には相手側摺動面と接触して密閉状態を完全にするフッソ系樹脂等の自己潤滑性のあるチップシール14が嵌入されている。
【0028】
前記ラップ7の先端の近傍の摺動面4bに開口部を有する吐出孔4cが開設され、該吐出孔4cから吐出通路4dを通ってハウジング4の外周面4aに設けた吐出口部9Bから外部に圧縮気体が排出されるように構成されている。
【0029】
また、ハウジング4の周壁部分には、120゜ずつ円周方向3箇所に3対の公転機構17が設けられている。
この公転機構17は、後述する旋回スクロールと連結している。
また、ハウジング4の外周部4aには、吸入口部8が設けられ、該吸入口部8は図示しない、真空にしようとする容器と連結され、その容器から開口部8aを介して、前記容器内の気体が吸引される。
【0030】
一方、ハウジング5には、ラップ摺動面5bが軸方向垂直に設けられ、その摺動面5bには、その中央部分に、前述の回転軸11の偏芯部11aを外れた、偏芯しない部分が回転可能に嵌合する開口部が設けられ、その開口部近傍を周端として渦巻状のラップ6が植設され、該ラップ6の上縁には溝が設けられ、該溝には相手側摺動面と接触して密閉状態を完全にするチップシール14が嵌入されている。
前記ラップ6の先端の近傍の摺動面5bに開口部を有する吐出孔5cが開設され、該吐出孔5cから吐出通路5dを通ってハウジング5の外周面5aに設けた吐出口部9Aから外部に圧縮気体が排出されるように構成されている。
【0031】
ハウジング4及び5が形成する内部空間には、旋回スクロール3が公転可能に嵌挿される。
旋回スクロール3は、円盤状に形成されたプレートの摺動面3d及び3eに前記固定スクロールに設けられたラップと嵌合可能なラップ26及び27が植設されている。
【0032】
旋回スクロール3の中央部分には、前述した回転軸11の偏芯部分11aが回転可能に嵌合する開口部3aが開設され、該開口部3aの周囲は、前記回転軸11の偏芯部分11aの全長に亙ってラップ26及び27によって囲繞するように構成されている。
【0033】
また、ハウジング5の外側と、ハウジング4の外側の回転軸11には、この真空ポンプを冷却するファン12、13が設けられ、これらのファンを保護するカバー18、19が複数の空気流通孔を有してハウジング5及び4に取付られている。
また、旋回スクロール3の外周部には、前述したようにハウジング4に一端が支持され、120゜ずつ円周方向3箇所に3対の公転機構17の他端が支持され、該公転機構17を介して前記固定スクロールとは偏心した回転中心を有して公転するように配置される。
【0034】
次に、上述のごとく構成された本参考例の動作を説明する。
図1において、回転軸11が回転すると、旋回スクロール3が公転し、図示しない容器から気体を吸入し、固定スクロールのラップ6、7の外周から気体を旋回スクロールのラップ26及び27によって、それらの固定スクロール及び旋回スクロールのラップによって形成する密閉空間に取り込み、この密閉空間によって圧縮され、圧縮気体は吐出孔4c及び5cから排出される。
【0035】
このように、本参考例においては、旋回スクロール3の片面(旋回ラップ26、及び27)毎に設けられた吐出通路5d、4dから圧縮気体を排出できるために、圧縮気体の排出効率が向上する。
そして、前記固定スクロール外面5e、4eに取付られ、前記回転駆動軸の駆動源を収納したハウジング19の外方に前記吐出通路5d、4dを延設しているので、この真空ポンプを複数接続して運転する場合でも、ドライ系の状態を確保できる。
【0036】
また、前記旋回スクロール3の端板と偏芯して嵌合する回転駆動軸11aの両側は前記固定スクロール側の軸受15、16により回転可能に保持して構成されているので、固定スクロールに対して回転駆動軸が安定し、高速回転の場合の軸のタワミ等による回転のブレ、軸のタワミ等によって生じる固定スクロールと旋回スクロールとによる不均等接触、等による騒音及び熱、または耐久性の低下等の問題がない。
【0037】
また、前記軸受15、16の外側は、前記回転駆動軸11aと同一の駆動源により回転して前記固定スクロールを冷却するファン12、13が取付られているので、旋回スクロール3を駆動する一つの駆動源2により両固定スクロールの外面4e、5eを冷却することができ、余分な駆動源によりファンを駆動する必要がなく、構成が簡単化し、コンパクトなスクロール機構が提供される。
【0038】
また、前記旋回スクロール3の端板と偏芯して嵌合する回転駆動軸11aの両側は前記固定スクロール側の軸受15、16により回転可能に保持され、前記軸受15、16の外側は、前記回転駆動軸11aと同一の駆動源2により回転して前記固定スクロールを冷却するファン12、13が取付られ、前記ファンと前記固定スクロールの外面との間には圧縮流体を吐出する吐出通路4d、5dが設けられるように構成されているので、前記ファン12、13と前記固定スクロールの外面5e、4eとの間の空間に、前記軸受及び前記ファンから必要の肉厚を取って前記軸受、ファンとともに前記吐出通路4d、5dを形成することができ、排出効率が低下しないコンパクトなスクロール機構が提供される。
【0039】
また、本参考例によると、前記ファン12、13と前記固定スクロールの外面4e、5eとの間の空間が、枠体、ハウジング等の取付部を除いて前記軸受15、16外周から外部に向かって360゜にわたって開放しているので、この吐出通路5d、4dは、図1の側面から見て、ほぼ360゜にわたって配設することができる。吐出口9Aa、9Baに位置設定に、設計の自由度が大きい。
【0040】
図2は、本発明に係るオイルフリースクロール真空ポンプを2段式とした基本構成図であり、真空ポンプ1A及び1Bを直列に接続したものである。
図2において、前段の真空ポンプ1Aの吐出口9Aは配管23を介して後段の真空ポンプ1Bの吸入口8に接続され、前段の真空ポンプ1Aの吐出口9Bは電磁弁21及び配管24を介して配管23と連結するとともに、電磁弁22を介して外部と連通している。
【0041】
前記電磁弁21および22は、前段の圧縮流体の圧力が1000〜100Paまでは開成し、始動初期における前段ポンプ1Aの高圧の流体が後段ポンプ1Bが取り込まないように電磁弁22から外部に排出されるように構成されている。 前記圧縮流体の圧力が1000〜100Paを下回ると、電磁弁21、22は閉成される。この圧縮流体の圧力は、図示しない真空にしようとする容器の内部圧力を測定してもよいが、前記容器の容量と前段ポンプ1Aの動作性能とによる排気特性をマップとして、コントローラ10に記憶しておいて、それにより前記電磁弁21、22を制御してもよい。
コントローラ10は、上述したように、出力端子を前記電磁弁21、および22の制御端子に接続して各電磁弁の開閉を制御するとともに、前段ポンプ1A、及び後段ポンプ1Bの駆動源に接続して、各駆動源を回転制御するように構成されている。
【0042】
このように構成された本実施例は、図2において、コントローラ10は電磁弁21および22を開成させ、初期駆動時に、前段ポンプ1Aの駆動により、図示しない真空にしようとする容器から前段ポンプ1Aの吸入口8に、気体が吸入され、該気体は前段ポンプ1Aにより圧縮され、高圧の気体が吐出口9A及び9Bから排出される。
吐出口9Aからの圧縮気体は電磁弁21を介して吐出口9Bからの圧縮気体とともに電磁弁22から外部に排出される。
【0043】
そして、前記圧縮気体の圧力が1000〜100Paを下回ると、電磁弁21、22は閉成され、吐出口9Bから排出されていた固定スクロール7及び旋回スクロール27によって圧縮された圧縮気体は電磁弁21が閉成されているので、吐出孔5c(図1)から固定スクロール6および旋回スクロール26によって圧縮される圧縮気体とともに吐出口9Aを通って配管23により、後段ポンプ1Bに送出される。
【0044】
これに同期して後段のポンプが駆動し、該後段ポンプによる圧縮気体の圧縮を開始する。このときには、前段ポンプによる圧縮気体は低真空の粘性域を脱しているので、後段ポンプにおける高温度による発熱の問題はない。
そして、後段のポンプ1Bにより圧縮気体はさらに圧縮され、高圧縮比を実現することができる。
【0045】
このように、ドライ系の圧縮流体を排出する吐出通路を前記ハウジングの外方に延設して構成しているので、旋回スクロールの駆動源により潤滑油等が圧縮流体に混入する恐れがなく、前段ポンプと後段ポンプとを直列に接続することができ、高圧縮比を実現することができる。
【0046】
また、複数のオイルフリースクロール真空ポンプを直列に接続するとともに、前記吐出通路に外部と導通する弁手段を介在しているので、前記前段ポンプの吸入端に真空にしようとする密閉容器を接続し、始動初期において前記密閉容器内の気圧が大気圧に近い関係上、吸入気体はすでに前段ポンプの圧縮工程において高圧力となり、前記弁手段により高圧力の圧縮流体を後段ポンプに送らずに前段ポンプから外部に吐出する。そして、前段ポンプによる圧縮流体が所定圧力を下回った場合は、前記弁手段が閉鎖し、前段ポンプによる圧縮流体は後段ポンプによりさらに圧縮される。
したがって、後段ポンプに大気圧以上の圧縮流体を吸入することがなく、後段ポンプにおいて、過度の圧縮により発熱することがないため、高圧力により発熱し、真空ポンプの耐久性を低下もしくは焼き付いて破損させることはない。
【0047】
また、複数の真空ポンプを接続しているので、前記前段及び後段ポンプを別々の回転駆動源で回転するように構成され、前段ポンプの圧縮比による圧縮気体の負荷と後段ポンプの圧縮比による圧縮気体の負荷に対する最適な回転を駆動源に付与することができるとともに、負荷用密閉容器の吸入初期段階において前段ポンプの圧縮気体圧力が大気圧を越える状態においては、すなわち、密閉容器内の真空の度合いが低い粘性流域においては、前段のポンプのみを駆動して前記弁手段を介して外部に排気し、前段ポンプの圧縮気体圧力が大気圧を下回った後に、後段ポンプを回転駆動することができ、経済的な運転を行う事ができる。
【0048】
【発明の効果】
以上記載したごとく、本発明においては、圧縮気体の排出効率が低下しないオイルフリースクロール真空ポンプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例に係るオイルフリースクロール真空ポンプの基本構成図である。
【図2】 本発明に係るオイルフリースクロール真空ポンプを2段式とした基本構成図である。
【図3】 従来例を示す図である。

Claims (1)

  1. 端板の両面に旋回ラップを植設した旋回スクロールと、
    前記旋回ラップと噛合する固定ラップを前記端板の面と対面する面に植設して前記旋回ラップを摺動可能に、旋回スクロールの両側に配置した一対の固定スクロールと、
    前記一対の固定スクロール及び旋回スクロールを貫通して設けられ前記旋回スクロールの端板とは偏芯して嵌合する回転駆動軸とを有し、前記回転駆動軸により前記旋回スクロールを駆動して最終圧縮室から圧縮流体を吐出するダブルラップ式のオイルフリースクロール真空ポンプにおいて、
    前記旋回スクロールの端板と偏芯して嵌合する回転駆動軸の両側は前記一対の固定スクロール側の夫々軸受により回転可能に保持されているとともに、前記回転駆動軸により前記旋回スクロールを駆動して前記旋回スクロールの片面毎に最終圧縮室から圧縮流体を吐出する吐出孔とを備え、
    該吐出孔に連接する吐出通路が前記一対の固定スクロール外面に取付られ、前記回転駆動軸の駆動源を収納したハウジングの外方に前記吐出通路を延設して構成したオイルフリースクロール真空ポンプを複数直列に接続するとともに、前段の真空ポンプの吐出通路は弁手段を介して外部と連通させ、前段の真空ポンプの圧縮流体の圧力が所定圧力以上までは前記弁手段を開成させて外部と導通させ圧縮流体の圧力が所定圧力以下で前記弁手段を閉成させて前段の真空ポンプと後段の真空ポンプとを接続するように構成したことを特徴とするオイルフリースクロール真空ポンプ。
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