JP3883450B2 - トイレ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトイレ装置に関し、特に洗浄水を瞬間式加熱手段にて温水にしてノズル手段から局部に噴射するようにしたトイレ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の瞬間式加熱手段を用いた温水洗浄手段を有するトイレ装置として、水道端末から逆止弁、定流量弁を介して電磁開閉弁に給水し、洗浄時に電磁開閉弁から給水手段にて瞬間式加熱手段に給水し、この瞬間式加熱手段にて所定温度に加温された洗浄水をノズル手段にて局部に向けて噴射するように構成したものが知られている。また、そのトイレ装置においては、洗浄水の流量を流量センサにて検出し、瞬間式加熱手段に入水する水温を入水温度センサで、ノズル手段に供給される温水温度を出水温度センサでそれぞれ検出し、設定手段にて設定された流量、温度の洗浄水がノズル手段から噴射されるように制御手段により給水手段と瞬間式加熱手段を制御するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、貯湯式の温水洗浄手段を有するトイレ装置では、加熱時間が十分に取れることからヒータ出力を特別に大きくしなくても出水温度を高く設定しながら大流量の洗浄水を得ることは容易であるが、瞬間式加熱手段を用いたものは、洗浄水が瞬間式加熱手段内を流れる間に所定温度まで加温する必要があることから、元々大出力のヒータが必要となる一方、構成のコンパクト化やコスト的な面から採用できるヒータ出力には自ずから限界があり、そのため入水温度が低かったり、出水温度が比較的高く設定された場合には流量に限界が生じ、設定された所望の流量が得られない可能性がある。すなわち、制御手段で湯温と流量を制御する際に、湯温を優先して制御するように構成されているのが一般的であり、その場合ヒータ出力の上限に達すると設定された湯温を確保するため流量が不足することになる。そこで、十分な流量が欲しいために、流量の設定値を高くしても従来の制御方式では流量が多くならず、不満足な使用感を与える場合が生じるという問題がある。
【0004】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、合理的なヒータ出力の瞬間式加熱手段を用いながら望みに応じて流量や湯温を十分に確保することができるトイレ装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のトイレ装置は、洗浄水を局部に噴出するノズル手段と、ノズル手段に向けて洗浄水を供給する給水手段と、ノズル手段に供給される洗浄水を瞬間的に温水に加熱する瞬間式加熱手段と、瞬間式加熱手段にて加温された洗浄水の温度を検出する出水温度検出手段と、洗浄水の温度を設定する洗浄温度設定手段と、洗浄水の流量を設定する洗浄流量設定手段と、給水手段と瞬間式加熱手段を制御する制御手段とを備え、制御手段を、洗浄水の温度と流量が設定された洗浄温度と洗浄流量になるように給水手段と瞬間式加熱手段を制御するとともに、瞬間式加熱手段が最大出力状態になった時又は既になっている時には、洗浄温度と洗浄流量の内、最後に設定された方を優先して制御するように構成したものであり、瞬間式加熱手段が最大出力になると、湯温と流量の内、最終に設定操作された方を優先して制御するので、例えば大流量が欲しい場合に流量を増加する操作をすればその後は流量優先制御となるので、多少湯温は低下しても所望の流量が確保され、また高い湯温が欲しい場合も同様に湯温を増加する操作をすればその後は湯温優先制御となるので、多少流量は低下しても所望の湯温が確保され、かくして望みに応じて選択することで満足できる使用感を得ることができる。
【0006】
また、制御手段を、洗浄水の温度と流量が設定された洗浄温度と洗浄流量になるように給水手段と瞬間式加熱手段を制御するとともに、洗浄温度設定手段又は洗浄流量設定手段が複数回連続して操作された時に、瞬間式加熱手段の最大出力状態においては操作された設定を優先して制御するように構成すると、使用者の優先制御の意図を複数回の連続操作によって通常の設定操作と区別して設定することができ、優先制御をその意図に沿ってのみ実施することができる。
【0007】
また、制御手段の制御状態を表示する報知手段を設け、洗浄温度と洗浄流量の何れかの優先制御時にその状態を表示するように構成すると、優先制御であることが使用者に報知されるので、使用者が確認した状態で優先制御が実行され、予測外の事態に驚いたり、故障として誤認するのを回避することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のトイレ装置の一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
【0009】
図1において、水道端末から逆止弁1、定流量弁2を介して電磁開閉弁3に給水されており、洗浄時に電磁開閉弁3から真空破壊弁4を介してモータ6にて駆動制御されるポンプ5に給水され、このポンプ5にて流量検出手段7を介して瞬間式加熱手段8に給水され、瞬間式加熱手段8にて所定温度に加温された洗浄水がノズル手段9に供給されて局部に向けて噴射されるように構成されている。10はオーバーフロー通路である。以上の逆止弁1〜ポンプ5とオーバーフロー通路10にて給水手段11が構成されている。
【0010】
ポンプ5とモータ6の組み合わせは、ギヤポンプとDCサーボモータの組み合わせが一般的であり、その電圧制御には交流電源を用いた位相制御や直流電源によるPWM(パルス幅変調制御)やPFM(パルス周波数変調制御)を適用することができる。また、DCサーボモータに代えてパルスモータやシンクロナスモータ等の周波数同期型制御モータを用いると、確実に再現性のある流量調整ができるとともに微調整が可能であるため好適である。また、ポンプとモータの組み合わせに代えて電磁ポンプを用いることもできる。
【0011】
瞬間式加熱手段8は、温水ヒータとしてのセラミックヒータを蛇行状の熱交換流路に臨ませて構成されている。この瞬間式加熱手段8の入口側に、洗浄水の温度を検出するサーミスタから成る入水温度検出手段(TsI)12が、出口側に、加温された洗浄水の温度を検出するサーミスタから成る出水温度検出手段(TsO)13が配設されている。
【0012】
このトイレ装置の制御装置は、図2に示すように、制御手段14に流量検出手段7、入水温度検出手段12、出水温度検出手段13からの検出信号が、洗浄流量設定手段15、洗浄温度設定手段16から設定データ信号が入力され、制御手段14はそれらのデータに基づいて給水手段11による給水量制御や瞬間式加熱手段8に対する通電制御を行って所望の温度・流量の温水をノズル手段9に供給し、ノズル手段9の切り換え制御を行い、報知手段17にて制御動作状態を報知するように構成されている。
【0013】
以下、この制御手段14による洗浄時の制御動作を説明する。洗浄開始時には、流量検出手段7による検出流量と入水温度検出手段12による検出温度と洗浄温度設定手段16による設定温度に基づいて通電制御値を決定して瞬間式加熱手段8に対する通電制御を行う。瞬間式加熱手段8における通電による加熱量Qは、Q=k(設定温度−入水温度)×流量、(kは係数)で求められる。また、洗浄流量は、検出流量が設定流量に一致するように給水手段11のモータ6の制御が行われる。こうして洗浄開始時に所定の湯温の洗浄水をノズル手段9から噴出することができる。
【0014】
次に、上記洗浄開始時の通電制御を行った後に、出水温度検出手段13により出水温度が検出される通常使用状態になると、瞬間式加熱手段8における通電による加熱量Qを、設定温度と設定流量、検出した流量と入水温度及び出水温度とに基づいてPID制御され、所定の湯温に精度良く制御された所定流量の洗浄水がノズル手段9から噴出される。
【0015】
以上の通常の湯温・流量制御を行っている間に、入水温度が低い状態で設定温度を高く、かつ設定流量が大きく設定されている場合など、設定条件を満たす前に瞬間式加熱手段8が最大出力になると、湯温優先制御又は流量優先制御を行うように制御手段14が構成されている。即ち、図3に示すように、瞬間式加熱手段8が最大出力状態であるか否かを判定し、最大出力状態でない場合は、優先制御が先に設定されている場合はそれをリセットした後、上記した通常の湯温・流量制御が行われる。瞬間式加熱手段8が最大出力状態であると、最終に設定操作されたのが、洗浄流量設定手段15であるか、洗浄温度設定手段16であるかを判定し、最終に設定操作されたのが洗浄流量設定手段15の場合には流量優先の制御を行い、洗浄温度設定手段16の場合には湯温優先の制御を行うとともに、その制御状態が報知手段17に表示される。例えば、大流量が欲しい場合は洗浄流量設定手段15にて流量を増加する操作をすれば、その後は流量優先制御となり、多少湯温は低下しても所望の流量が確保される。また、高い湯温が欲しい場合は洗浄温度設定手段16にて湯温を増加する操作をすれば、その後は湯温優先制御となり、多少流量は低下しても所望の湯温が確保される。かくして、要望に応じた選択がされて満足できる使用感を得ることができる。
【0016】
また、制御手段14の制御状態が報知手段17に表示され、優先制御であることが使用者に報知された状態で優先制御が実行されるので、予測外の事態に驚いたり、故障として誤認するのを回避することができる。
【0017】
以上の実施形態の説明では、最終の設定操作が洗浄流量設定手段15と洗浄温度設定手段16の何れであるかによって優先制御が選択される例を示したが、その場合優先制御を意図的に設定していない場合でも、瞬間式加熱手段8が最大出力状態になると最終操作された設定の優先制御がされることになる。そこで、意図的に優先制御を設定した時のみ優先制御され、それ以外の場合は予め設定されている標準の制御モードで制御するようにすることもできる。
【0018】
そのような制御構成を、図4を参照して説明する。まず、瞬間式加熱手段8が最大出力状態であるか否かを判定し、最大出力状態でない場合は、標準制御モードで上記した通常の湯温・流量制御が行われる。瞬間式加熱手段8が最大出力状態であると、次に洗浄流量設定手段15又は洗浄温度設定手段16が複数回連続操作されることで、何れかの優先制御が設定されているか否かを判定し、優先制御が設定されていない場合は、標準制御モードで設定されている流量又は湯温を優先する制御が行われる。優先制御設定が行われている場合は、流量優先か湯温優先かを判定し、上記のように設定されている優先制御を行うとともにその制御状態が報知手段17に表示される。
【0019】
かくして、使用者の優先制御の意図を複数回の連続操作によって通常の設定操作と区別して設定することができ、優先制御をその意図に沿ってのみ実施することができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明のトイレ装置によれば、以上の説明から明らかなように、ノズル手段と給水手段と瞬間式加熱手段と出水温度検出手段と洗浄温度設定手段と洗浄流量設定手段と制御手段とを備えたトイレ装置において、制御手段を、瞬間式加熱手段が最大出力状態になった時又は既になっている時には、洗浄温度と洗浄流量の内、最後に設定された方を優先して制御するように構成したので、瞬間式加熱手段が最大出力になると、選択に応じて所望の流量又は所望の湯温が確保され、満足できる使用感を得ることができる。
【0021】
また、制御手段を、洗浄温度設定手段又は洗浄流量設定手段が複数回連続して操作された時に、瞬間式加熱手段の最大出力状態においては操作された設定を優先して制御するように構成すると、使用者の優先制御の意図を複数回の連続操作によって通常の設定操作と区別して設定することができ、優先制御をその意図に沿ってのみ実施することができる。
【0022】
また、制御手段の制御状態を表示する報知手段を設け、洗浄温度と洗浄流量の何れかの優先制御時にその状態を表示するように構成すると、優先制御であることが使用者に報知されるので、使用者が確認した状態で優先制御が実行され、予測外の事態に驚いたり、故障として誤認するのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のトイレ装置の概略構成図である。
【図2】同実施形態のトイレ装置の制御装置の構成図である。
【図3】同実施形態の制御動作のフロー図である。
【図4】同実施形態の他の制御動作のフロー図である。
【符号の説明】
8 瞬間式加熱手段
9 ノズル手段
11 給水手段
13 出水温度検出手段
14 制御手段
15 洗浄流量設定手段
16 洗浄温度設定手段
17 報知手段
Claims (3)
- 洗浄水を局部に噴出するノズル手段と、ノズル手段に向けて洗浄水を供給する給水手段と、ノズル手段に供給される洗浄水を瞬間的に温水に加熱する瞬間式加熱手段と、瞬間式加熱手段にて加温された洗浄水の温度を検出する出水温度検出手段と、洗浄水の温度を設定する洗浄温度設定手段と、洗浄水の流量を設定する洗浄流量設定手段と、給水手段と瞬間式加熱手段を制御する制御手段とを備え、制御手段を、洗浄水の温度と流量が設定された洗浄温度と洗浄流量になるように給水手段と瞬間式加熱手段を制御するとともに、瞬間式加熱手段が最大出力状態になった時又は既になっている時には、洗浄温度と洗浄流量の内、最後に設定された方を優先して制御するように構成したことを特徴とするトイレ装置。
- 洗浄水を局部に噴出するノズル手段と、ノズル手段に向けて洗浄水を供給する給水手段と、ノズル手段に供給される洗浄水を瞬間的に温水に加熱する瞬間式加熱手段と、瞬間式加熱手段にて加温された洗浄水の温度を検出する出水温度検出手段と、洗浄水の温度を設定する洗浄温度設定手段と、洗浄水の流量を設定する洗浄流量設定手段と、給水手段と瞬間式加熱手段を制御する制御手段とを備え、制御手段を、洗浄水の温度と流量が設定された洗浄温度と洗浄流量になるように給水手段と瞬間式加熱手段を制御するとともに、洗浄温度設定手段又は洗浄流量設定手段が複数回連続して操作された時に、瞬間式加熱手段の最大出力状態においては操作された設定を優先して制御するように構成したことを特徴とするトイレ装置。
- 制御手段の制御状態を表示する報知手段を設け、洗浄温度と洗浄流量の何れかの優先制御時にその状態を表示するように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のトイレ装置。
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