JP3883020B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は撮像装置に関し、更に詳しくはアレー状読取素子による基準となる画像の読取データに基づき欠陥素子を抽出し、かつ目標物撮像時における前記欠陥素子の画素データを他の素子の画素データで置換する撮像装置に関する。
この種の装置の代表的なものに赤外線撮像装置があり、該装置の撮像特性(画質)はアレー状読取素子の特性に大きく依存する。しかるに、一般にアレー状読取素子の各素子特性にはバラツキがあり、しかも、その特性は動作環境(周囲温度,電源電圧等)の変化や、経年劣化によって変化し、限度を越えた読取素子(欠陥素子)を放置(使用)すると、画質が著しく劣化してしまう。このため、装置の電源投入時又は稼働中の適宜(画質劣化時等)に基準となる画像(熱源)の読取データに基づきアレー状読取素子中の欠陥素子を抽出し、該素子の画素データを他の素子の画素データで置換することを行う。
【0002】
【従来の技術】
図19〜図23は従来技術を説明する図(1)〜(5)である。
図19は従来の赤外線撮像装置の構成を示し、図において、50は被写体である目標物(目標空間)、60は装置の撮像特性の校正(欠陥素子抽出等)の際に使用する基準熱源、70は従来の赤外線撮像装置、80はCRT等によるモニタである。
【0003】
基準熱源60は、例えばペルチェ素子を二次元に配列した構造からなり、矩形板状の被撮像表面に常温±30℃程度の範囲で均一な温度を生成可能である。撮像表面の周囲は黒色(無反射)のケースで覆われており、所謂黒体放射に似た状態を実現している。
赤外線撮像装置70において、1は目標物を走査(スキャン)するポリゴンミラー、2は結像レンズ、3はm個の赤外線検知素子が実質1列に並ぶアレー検知素子、4は撮像信号のプリアンプ(PA)、5はA/D変換部、6は少なくとも1画面(フレーム)分の画素データSDを記憶可能なFIFO型の画像メモリ(DPRAM等)、7は書込カウンタ(WC)、8は読出カウンタ(RC)、9はアレー検知素子の感度補正部、10は表示画像の輝度やコントラスト等の調整を行う表示レベル/ゲイン調整部、11はD/A変換部である。
【0004】
更に、71は装置の主制御(撮像制御C1,欠陥画素抽出・置換制御C2等)を行う主制御部、72は基準熱源60の読取データに基づき検知素子の欠陥を検出すると共に該素子による欠陥画素データの置換制御を行う欠陥画素抽出・置換制御部、12は基準熱源60を読み取った際の各素子の読取データのRMS(実効ノイズ)演算部、13は同じくP−P演算部、14は同じくDC演算部、15〜17は目標物50の読み取りの際に上記各演算結果δ,P,DCと各所定閾値(しきい値)RMSTH,PTH,DCTHとを比較して欠陥素子有無を判定するコンパレータ(CMP)、18は各CMPの比較結果に基づき欠陥画素データの置換イネーブル信号SEを生成するORゲート回路(O)、19は置換用画素データを読み出すためのオフセットアドレス±αを生成するRAM、20は画像メモリ6の読出アドレスを変更する加算器(+)である。
【0005】
目標物50の撮像時には、アレー検知素子3の読取信号は画素クロックGCKに同期してA/D変換され、得られた画素データSDが画像メモリ6に順次書き込まれる。同時にこの画像メモリ6からは記憶データRDがFIFOモードで読み出され、感度補正、表示レベル及びゲイン(コントラスト)の調整を受けた後、D/A変換され、得られたビデオ信号VSがモニタ80に表示される。
【0006】
係る構成では、もしアレー検知素子3中に欠陥素子が存在すると、表示画質が著しく劣化してしまう。そこで、装置の電源投入時又は稼働中の適宜(画質劣化時等)に基準熱源60を挿入し、その読取データに基づき欠陥素子を抽出し、該素子の画素データを他の素子の画素データで置換する必要がある。
従来は、基準熱源60の読取データにつき求めた実効(RMS)ノイズ,P−Pノイズ,DCノイズにより欠陥素子を判別し、撮像時における画素置換を行っていた。以下、これを具体的に説明する。
【0007】
図19において、表面が一様な温度Tの基準熱源60をミラー1でスキャンすると1画面分の基準画素データSDが得られる。1画面分の基準画素データSDの取り込みはj=1のi=1〜mで始まり、j=nのi=1〜mで終了する。
図20(A)はi番目の素子(i素子)の基準画素データS(j)に注目したもので、縦軸は検出レベル(温度)、横軸はj(スキャン)方向のサンプリング数1〜nである。基準熱源60の表面温度が完全に一定ではないこと、及びi素子の感度の高低、ノイズ特性等により各基準画素データS(j)には図示の様な振幅の変動が見られる。
【0008】
i素子の実効ノイズδ(i)は(1)式で定義される。
【0009】
【数1】
Figure 0003883020
【0010】
ここで、Sa (i)はi素子についてのS(j)の平均値である。実効ノイズδ(i)は標準偏差に相当する。
i素子のP−PノイズP(i)は(2)式で定義される。
【0011】
【数2】
Figure 0003883020
【0012】
ここで、 MAXS(j)は画素データS(j)中の最大値、 MINS(j)は最小値である。
i素子のDCノイズDC(i)は(3)式で定義される。
【0013】
【数3】
Figure 0003883020
【0014】
ここで、Sa (i)は今回の基準温度Tを読み取った今回の平均値、Sa (i)´は前回の同一の基準温度Tを読み取った前回の平均値である。
図20(B)はRMS演算部12の構成を示す。
基準熱源60の撮像時において、i素子についてのn個の基準画素データS(j)は、RAM1の同一アドレスに累積加算され、その後1/nされて平均値Sa (i)となる。一方、前記n個の基準画素データS(j)はRAM2のi素子対応の記憶ブロックに順次記憶され、その後各画素データにつき誤差e=S(j)−Sa (i)、更にはその自乗誤差e2 が求められ、これらがRAM3の同一アドレスに累積加算されてi素子についての累積自乗誤差Σe2 となる。以上の演算を全素子i(=1〜m)につき行うと、RAM3には全素子のΣe2 (1)〜Σe2 (m)が記憶される。
【0015】
目標物50の撮像時には、画像メモリ6からの画素データRDの読み出しに同期してRAM3から順にΣe2 が読み出され、これが1/(n−1)されて分散δ2 が求められると共に、得られた各分散δ2 は画素クロックGCKに同期してレジスタREG1,REG2に順次シフト転送される。
この場合に、今、RAM3からのデータ読出を画像メモリ6からのデータ読出よりも1画素分先行して開始すると、画像メモリ6からのi素子の画素データRD(i)を処理するタイミングには、REG2は1画素前(上)の(i−1)番目の分散δ2 (i−1)、REG1はi素子の分散δ2 (i)、そして、乗算器(×)は1画素後(下)の(i+1)番目の分散δ2 (i+1)を夫々出力する。ここで、分散δ2 (i)はi素子の画素データRD(i)の置換有無判定に使用される。一方、CMPは上画素の分散δ2 (i−1)と下画素の分散δ2 (i+1)とを比較しており、δ2 (i−1)<δ2 (i+1)の場合は上置換信号US=1を出力し、それ以外の場合は下置換(US=0)となる。
【0016】
なお、ここでは分散δ2 (i)を(1)式の実効ノイズδ(i)として使用するが、これはルート演算を回避するためである。以後は、説明の簡単のため分散δ2 (i)をRMSノイズδ(i)と呼ぶ。
図21(A)はP−P演算部13の構成を示す。
基準熱源60の撮像時において、CMP1は入力の基準画素データaとRAM1の記憶データbとを比較してa>bの場合はRAM1のデータ書込信号WE=1を出力する。一方、CMP2は入力の基準画素データaとRAM1の記憶データbとを比較してa<bの場合はRAM2のデータ書込信号WE=1を出力する。従って、i素子についてのn個の画素データS(j)の内、最大値 MAXS(j)はRAM1に記憶され、かつ最小値 MINS(j)はRAM2に記憶される。以上の演算をi=1〜mにつき行うと、RAM1,2には全素子i(=1〜m)についての最大値 MAXS(j),最小値 MINS(j)が夫々記憶される。
【0017】
目標物50の撮像時には、画像メモリ6からのi素子の画素データRDの読み出しに同期してRAM1,2からi素子の MAXS(j), MINS(j)が夫々読み出され、P−PノイズP(i)= MAXS(j)− MINS(j)が求められる。P(i)の値はi素子の画素データRD(i)の置換有無判定に使用される。
図21(B)はDC演算部14の構成を示す。
【0018】
ある時点の基準熱源60の撮像時において、i素子により一様な温度Tを読み取った際のn個の画素データS(j)は、RAM1の同一アドレスに累積加算(同時に1ビット下シフトにより1/2)され、最終的に平均値Sa (i)となる。以上の演算を全素子i(=1〜m)につき行うと、RAM1には全素子の平均値Sa (1)〜Sa (m)が夫々記憶される。これらの全データをフレームクロックFCKに同期してRAM2に転送し、前回の平均値Sa (i)´となす。
【0019】
また他の時点で前記同一の温度Tにつき上記同一の処理を行い、RAM1に今回の平均値Sa (1)〜Sa (m)を記憶する。
目標物50の撮像時には、画像メモリ6からのi素子の画素データRD(i)の読み出しに同期してRAM1,2からi素子の各平均値Sa (i),Sa (i)´が夫々読み出され、DCノイズDC(i)=Sa (i)−Sa (i)´が求められる。該DC(i)の値はi素子の画素データRD(i)の置換有無判定に使用される。
【0020】
図19に戻り、目標物50の撮像時には、CMP15はi素子のRMSノイズδ(i)と所定閾値RMSTHとを比較し、δ(i)>RMSTHの時は欠陥検出信号RED=1を出力する。RMSノイズが大きいと、同一温度の目標部位を撮像していてもその表示輝度(又は色)は細かく、かつ略ランダムに変化するため、表示画像のチラツキの原因となる。
【0021】
また、CMP16はP−PノイズP(i)と所定閾値PTHとを比較し、P(i)>PTHの時は欠陥検出信号PED=1を出力する。P−Pノイズが大きい場合も表示画像はちらつく。
また、CMP17はDCノイズDC(i)と所定閾値DCTHとを比較し、DC(i)>DCTHの時は欠陥検出信号DED=1を出力する。このDCノイズが大きいと、同一温度の目標部位を撮像していてもその表示輝度(又は色)は時間経過と共に緩やかに変化するため、表示画像に目障りな横縞が生じる原因ともなる。
【0022】
ORゲート回路O18は上記何れかの欠陥検出信号が発生すると、欠陥画素の置換イネーブル信号SE=1を出力する。RAM19はSE=1によりその時のアドレス入力信号US=0/1に従ってオフセットアドレス値±αを読み出す。+αは読出画素データRD(i)の下側置換画素データRD(i+1)を指す相対アドレス、−αは上側置換画素データRD(i−1)を指す相対アドレスである。かくして、欠陥素子の画素データをその上側又は下側の画素データで置換することによりモニタ80に良質な画像を表示できる。
【0023】
図22はRMSノイズと欠陥画素置換制御の関係を示している。
図22(A)において、横軸は素子i=1〜m(=18)を示し、縦軸はRMSノイズレベルを示す。閾値RMSTHをa又はbに設定することで表示画像のノイズレベル(チラツキ)を所望に抑制できる。
図22(B)において、例えば閾値RMSTHを高めのaに設定すると、欠陥素子i=8,14の合計2つとなる。欠陥素子i=8の画素データR(8)はRMSノイズの小さい方の下素子i=9の画素データR(9)により下置換され、また欠陥素子i=14の画素データR(14)はRMSノイズの小さい方の上素子i=13の画素データR(13)により上置換される。従って、表示画像からはRMSノイズの大きい画素データが削除(置換)され、RMSノイズの見地からは画質が改善されている。
【0024】
なお、図19において、同時にP>PTH,DC>DCTHの判定出力も置換発生要因である。但し、この場合に上置換とするか下置換とするかの判断はRMSノイズの大きさに従って行われる。
図22(C)において、閾値RMSTHを低めのbに設定すると、欠陥素子i=3,5,8,10,12,14,16,17の合計8つとなる。上記同様にして各欠陥画素データは上/下置換され、RMSノイズで見ると閾値RMSTH,PTH,DCTHを厳しくする程画質が改善されることになる。
【0025】
図23は一例の表示画像を示している。
図23(A)において、モニタ80には表面温度が均一なピラミッド状の目標物が表示されている。例えば低温の背景は黒色で表示され、高温の目標物は白色で表示されている。
図23(B)は、上記図22(B)の欠陥素子検出状態に対応しており、表示1行分の欠陥画素データRD(8)は下置換され、1行分の欠陥画素データRD(14)は上置換されている。従って、表示画面の第8,14行目で生じるような輝度(色)のバラツキ(チラツキ)は改善されるが、形状面から見るとピラミッド肩部の傾斜の滑らかさが失われている。
【0026】
図23(C)は、上記図22(C)の欠陥素子検出状態に対応しており、更に多数の表示行の欠陥画素データが上/下置換された結果、目標物の形状は本来の形から異なったものになっている。
係る状況の下、従来は、装置の電源投入時又は稼働中の適宜(画質劣化時等)に基準熱源60を挿入し、その表示画像を目視評価した試行錯誤により、各閾値を設定していた。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術によると、欠陥素子の検出をRMS,P−P,DCノイズの大小により行うため、感度の無い又は感度の小さい素子の画素置換を行えなかった。このため、ある素子の感度が感度補正できない程度に小さいと、その行の表示画素には十分な輝度(色)やコントラスト(色変化)が得られない。
【0028】
また上記従来技術では、欠陥素子検出のための閾値設定を基準画像等の目視評価により行うため、どの閾値が画質にどの様な影響を与えるかを試行錯誤で判断する以外になく、最適の閾値設定が困難であるばかりか、閾値設定作業が極めて煩雑なものになっていた。
また上記従来技術では、撮像装置の校正の度に基準熱源60を挿入する必要があるため、その間は目標物の画像が途切れてしまうと言う不都合があった。また基準熱源60の挿抜を自動的に行おうとすると、そのための機構部品や電気回路を装置に常備する必要があり、装置の大型化、コスト増を招く。
【0029】
なお、以上の問題点は必ずしも赤外線撮像装置に固有のものではなく、通常光(CCD等)や超音波等を使用したこの種の撮像装置についても生じ得る。
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み成されたもので、その目的とする所は、表示画像の感度が改善され、かつ欠陥画素置換のための最適の閾値設定が容易で、好ましくは基準画像(熱)源の使用頻度を大幅に軽減できる撮像装置を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は例えば図1,図2の構成により解決される。即ち、本発明(1)の撮像装置(例えば赤外線撮像装置)は、一次元配列のアレー状読取素子3による基準となる画像(例えば基準熱源60)の読取データに基づき欠陥素子を抽出し、かつ目標物撮像時における前記欠陥素子の画素データを他の素子の画素データで置換する撮像装置において、均一レベルの基準となる画像を一次元配列のアレー状読取素子のスキャン(j)方向に複数点読み取り、各素子につき得られた読取データSDの最大値 MAXS(j)と最小値 MINS(j)との差が極端に小さい素子を欠陥素子と判定するものである。
【0031】
通常、ある程度の感度を有する素子であれば、均一レベルの基準となる画像を読み取っても、表面の微妙なレベルの不均一や、素子の動作環境(温度、バイアス電圧、ノイズ信号成分の混入)等に敏感に反応して読取データの最大値 MAXS(j)と最小値 MINS(j)との間には所定以上の差が生じ得る。一方、感度の無い素子では極端に小さい差(例えばA/D変換器による量子化誤差程度の差)しか生じ得ない。そこで、この様な素子を欠陥素子と判定することで、感度の無い素子の画素置換を有効に行え、もって表示画像の感度が改善される。
【0032】
また上記の課題は例えば図3の構成により解決される。即ち、本発明(2)の撮像装置は、上記前提となる撮像装置において、異なるレベルの2つの基準となる画像を一次元配列のアレー状読取素子のスキャン方向に夫々複数点読み取り、前記一方のレベルの基準となる画像の読取データの素子毎の平均値THa(i)と前記他方のレベルの基準となる画像の読取データの素子毎の平均値TLa(i)との差分が前記2つの基準となる画像の異なるレベルの差に対応する読取データの差の値よりも十分に小さい素子を欠陥素子と判定するものである。
【0033】
異なるレベルの基準となる画像を読み取った場合に、感度の小さい素子では基準となるレベル差よりも十分に小さいレベル差しか検出できない。感度の無い素子でも同様である。そこで、この様な素子を欠陥素子と判定することで、上記感度の無い素子ばかりか、感度の小さい素子の画素置換も有効に行え、もって表示画像の感度が改善される。
【0034】
また上記の課題は例えば図5の構成により解決される。即ち、本発明(3)の撮像装置は、上記前提となる撮像装置において、
均一レベルの基準となる画像を一次元配列のアレ一状読取素子のスキャン方向に複数点読み取った読取データSDに基づき各素子i(=1〜m)につき実効ノイズ、P−Pノイズ、DCノイズの中の1又は2種以上のノイズレベル{例えば実効ノイズδ(i),P−Pピ−クノイズP(i),DCノイズDC(i)}を検出するノイズレベル検出部12〜14と、前記1又は2種以上のノイズレベルにつき夫々に設けた大きさの異なる複数の閾値RMSTH1〜RMSTHk,PTH1〜PTHk,DCTH1〜DCTHkと、前記1又は2種以上のノイズレベルにつき夫々に最も厳しい閾値を選択し、かつ前記検出した何れかのノイズレベルが対応する閾値を越える欠陥素子数を一次元配列のアレー状読取素子の全素子につきカウントすると共に、得られた欠陥素子数が所定数以下となるまで、前記各閾値の選択を緩い方に切り替える閾値制御部23とを備えるものである。
【0035】
本発明(3)によれば、アレー状読取素子の特性バラツキによらず、複数の閾値を装置毎に共通にでき、このような装置は製造容易である。またアレー状読取素子のトータルの欠陥素子数を設定するだけで最適な画素置換状態(見やすい画像)を得るための最適の閾値設定(選択)状態が自動的に得られ、よって最適の閾値設定が容易である。
【0036】
また上記の課題は例えば図5と同様の構成により解決される。即ち、本発明(4)の撮像装置は、上記前提となる撮像装置において、均一レベルの基準となる画像を一次元配列のアレー状読取素子のスキャン方向に複数点読み取った読取データに基づき各素子につき実効ノイズ、P−Pノイズ、DCノイズの中の1又は2種以上のノイズレベルを検出するノイズレベル検出部と、前記1又は2種以上のノイズレベルにつき夫々に設けた大きさの異なる複数の閾値と、前記1又は2種以上のノイズレベルにつき夫々に最も緩い閾値を選択し、かつ前記検出した何れかのノイズレベルが対応する閾値を越える欠陥素子数を一次元配列のアレー状読取素子の全素子につきカウントすると共に、得られた欠陥素子数が所定数以上となるまで前記各閾値の選択を厳しい方に切り替える閾値制御部とを備えるものである。
【0037】
本発明(4)においては、上記本発明(3)とは逆に、閾値制御部23は最も緩い閾値から選択し、欠陥素子数が所定数以上となるまで、各閾値の選択を厳しい方に切り替える。係る方法によっても、同一のアレー状読取素子については、上記本発明(3)と同様の閾値設定状態に落ちつく。
また上記の課題は例えば図6の構成により解決される。即ち、本発明(5)の撮像装置は、上記前提となる撮像装置において、均一レベルの基準となる画像を一次元配列のアレー状読取素子のスキャン方向に複数点読み取った読取データに基づき各素子につき実効ノイズ、P−Pノイズ、DCノイズの中から選択された複数種のノイズレベルを検出するノイズレベル検出部と、前記複数種のノイズレベルにつき夫々に設けた大きさの異なる複数の閾値と、前記検出した各ノイズレベルが各対応する閾値を越える欠陥素子数を一次元配列のアレー状読取素子の全素子につき夫々にカウントすると共に、得られた各カウント値の比較により最大のカウント値に対応するノイズレベル種を抽出する最大ノイズ種検出部24Aと、前記複数種のノイズレベルにつき夫々に最も厳しい閾値を選択し、かつ前記検出した何れかのノイズレベルが対応する閾値を越える欠陥素子数を一次元配列のアレー状読取素子の全素子につきカウントすると共に、得られた欠陥素子数が所定数以下となるまで、その都度、前記最大ノイズ種検出部が検出したノイズレベル種の閾値の選択を緩い方に切り替える閾値制御部24とを備えるものである。
【0038】
本発明(5)によれば、最も厳しい閾値から選択を開始し、その都度最大のエラーカウントとなったノイズレベル種を検出し、そのノイズレベル種から優先的に閾値の選択を緩い方に切り替える構成により、各ノイズレベル種につきバランスのとれた画素置換が行える。
また上記の課題は例えば図6と同様の構成により解決される。即ち、本発明(6)の撮像装置は、上記前提となる撮像装置において、均一レベルの基準となる画像を一次元配列のアレ−状読取素子のスキャン方向に複数点読み取った読取データに基づき各素子につき実効ノイズ、P−Pノイズ、DCノイズの中から選択された複数種のノイズレベルを検出するノイズレベル検出部と、前記複数種のノイズレベルにつき夫々に設けた大きさの異なる複数の閾値と、前記検出した各ノイズレベルが各対応する閾値を越える欠陥素子数を一次元配列のアレー状読取素子の全素子につき夫々にカウントすると共に、得られた各カウント値の比較により最小のカウント値に対応するノイズレベル種を抽出する最小ノイズ種検出部と、前記複数種のノイズレベルにつき夫々に最も緩い閾値を選択し、かつ前記検出した何れかのノイズレベルが対応する閾値を越える欠陥素子数を一次元配列のアレー状読取素子の全素子につきカウントすると共に、得られた欠陥素子数が所定数以上となるまで、その都度、前記最小ノイズ種検出部が検出したノイズレベル種の閾値の選択を厳しい方に切り替える閾値制御部とを備えるものである。
【0039】
本発明(6)においては、上記本発明(5)とは逆に、最も緩い閾値から選択を開始し
、その都度最小のエラーカウントとなったノイズレベル種を検出し、そのノイズレベル種から優先的に閾値の選択を厳しい方に切り替える構成により、各ノイズレベル種につきバランスのとれた画素置換が行える。
また上記の課題は例えば図7の構成により解決される。即ち、本発明(7)の撮像装置は、上記本発明(3)〜(6)の撮像装置において、前記閾値を、検出された各素子の実効ノイズ、P−Pノイズ、DCノイズのノイズレベルにつき夫々求めた全素子の平均値に所定の係数を乗算して夫々生成する閾値生成部とを備えるものである。
【0040】
従来の様に外部で所定の閾値を設定してしまう方式であると、アレー状読取素子の特性バラツキに応じて、あるノイズレベル種に起因する画素置換数が極端に多くなったり、極端に少なくなったりする状態が起こり得る。
本発明(7)によば、ノイズレベルの全素子の平均値に所定の係数を乗算して閾値を生成する構成により、例えばRMSノイズの大きめなアレー素子の閾値は少し大きめに生成され、またRMSノイズの小さめなアレー素子の閾値は少し小さめに設定され、よって各ノイズレベル種につきバランスのとれた画素置換が行える。
【0041】
好ましくは、本発明(8)においては、上記本発明(3)〜(6)において、1又は2種以上のノイズレベルにつき夫々に大きさの異なる複数の閾値を設ける代わりに、1又は2種以上のノイズレベルにつき夫々に設けた大きさの異なる複数の係数と、1又は2種以上のノイズレベルにつき検出された各素子のノイズレベルにつき夫々に全素子の平均値を求め、得られた各平均値に選択された係数を乗算して閾値を生成する閾値生成部とを備え、閾値制御部は閾値を選択する代わりに係数を選択するものである。
【0042】
従って、アレー読取素子の特性バラツキによらず、各ノイズレベル種につきバランスのとれた最適の画素置換状態が容易に得られる。
また上記の課題は例えば図8の構成により解決される。即ち、本発明(9)の撮像装置は、感度補正のための感度一定化処理により、読取素子毎の補正データを生成する感度補正部をさらに有し、前記基準となる画像の各素子の読取データSDを前記素子毎の所定の補正データXGで補正するものである。
【0043】
従来の様に基準画像の各読取データにつき直接にノイズレベルを評価する方式であると、例えばRMSノイズの評価をパスした素子の画素データがその後の画面表示のための各種処理(感度補正処理,コントラスト増加処理等)により所定のゲインを掛けられた結果、同時にRMSノイズが増大してしまい、見にくい画面となる場合が生じ得る。
【0044】
本発明(9)によれば、基準となる画像の各読取データを素子毎の所定の補正データ(例えば感度補正データ)で予め補正することにより、補正後の各読取データにつきノイズレベルを評価でき、より表示データに忠実な値で欠陥画素判定を行える。
また上記の課題は例えば図9の構成により解決される。即ち、本発明(10)の撮像装置は、感度補正のための感度一定化処理により、読取素子毎の補正データを生成する感度補正部をさらに有し、各素子につき検出した欠陥素子抽出のための信号レベル(各種検出ノイズレベル,感度検出レベル等)を素子毎の所定の補正データ(例えば感度補正データ)で補正するものである。
【0045】
本発明(10)によれば、補正後のノイズレベルで欠陥素子有無を判定でき、より表示データに忠実な値で欠陥画素判定を行える。
また上記の課題は例えば図10の構成により解決される。即ち、本発明(11)の撮像装置は、上記前提となる撮像装置において、均一レベルの基準となる画像を一次元配列のアレー状読取素子のスキャン方向に複数点読み取り、前記一次元配列アレー状読取素子による前記基準となる画像の読み取りが以前にも行われている場合に、以前に読み取りを行った読取データに関して素子毎の各平均値Sa(i)´から全素子についての平均値Saa´を差し引いた今回読み取りを行った前記均一レベルの基準となる画像の読取データの素子毎の各平均値Sa(i)から全素子についての平均値Saaを差し引いたものとの差分が所定閾値を越える素子を欠陥素子と判定するものである。
【0046】
本発明(11)はDCノイズレベルの検出の改善に関する。DCノイズレベルは、同一レベルの画像を同一素子で読み取った際の検出レベルの変動分を表すが、従来方式では、もし基準画像のレベルそのもに変動があると、その変動分がそのまま素子の検出DCノイズレベルに含まれてしまう不都合があった。
この点、本発明(11)においては、均一レベルの基準となる画像の読取データの素子毎の各平均値から全素子についての平均値を差し引く。ここで、素子毎の各平均値は素子毎の検出レベル(検出能力)の変動に従ってその時の基準画像のレベルにつきバラツキのある検出値を示すかも知れない。しかし、それらの全素子についての平均値を求めると、各素子のバラツキの影響が相殺される結果、該平均値はその時の基準画像の代表的なレベルを忠実に表す。従って、素子毎の各平均値から全素子についての平均値を差し引くと、各素子の正味の変動分が得られる。そこで、これを前回と今回とで行い、それらの差分を求めると、前回と今回の基準画像のレベルの変動にも係わらず、又はもっと積極的に前回と今回の基準画像のレベルを異ならしめても、各素子につき前回と今回との間の正味の変動分(DCノイズレベル)が得られる。
【0047】
また上記の課題は例えば図12の構成により解決される。即ち、本発明(12)の撮像装置は、上記前提となる撮像装置において、均一レベルの基準となる画像を一次元配列のアレー状読取素子のスキャン方向に複数点読み取り、読み取ったデータの中から、各素子に最大値からp番目(図は3番目)までの最大グループ及び最小値からq番目(図は3番目)までの最小グループの各読取データR1〜R3,R4〜R6を抽出すると共に、前記最大グループの内の所定の読取データと前記最小グループの内の所定の読取データとの差分が所定閾値を越える素子を欠陥素子と判定するものである。
【0048】
本発明(12)はP−Pノイズレベルの検出の改善に関する。P−Pノイズレベルは、同一レベルの画像を同一素子で読み取った際の最大値と最小値との差分を表すが、一般にこの様な最大値及び又は最小値には何らかのノイズ信号が重畳している場合が少なくなく、正確なP−Pノイズレベルの検出が困難となっていた。この点、本発明(12)によれば、ノイズ信号が重畳しいている様な最大値及び又は最小値等の信号レベルを評価の対象から除外出来るので、正確なP−Pノイズレベルを検出できる。
【0049】
また上記の課題は例えば図13の構成により解決される。即ち、本発明(13)の撮像装置は、上記前提となる撮像装置において、均一レベルの基準となる画像を一次元配列のアレー状読取素子のスキャン方向に複数点読み取り、読み取ったデータの中から、各素子に最大値からp番目までの最大グループ及び最小値からq番目までの最小グループの各読取データを抽出すると共に、前記最大グループの各読取データの平均値と前記最小グループの各読取データの平均値との差分が所定閾値を越える素子を欠陥素子と判定するものである。
【0050】
従って、各平均値ではノイズ成分の影響が相殺(又は緩和)されており、正確なP−Pノイズレベルを検出できる。
好ましくは、目標物撮像時における欠陥素子の画素データを該欠陥素子両サイドの素子の画素データの平均値により置換(補間)する。
【0051】
従って、欠陥画素部が滑らかに補間され、違和感の少ない見やすい画像が得られる。
また上記の課題は例えば図16/図17の構成により解決される。即ち、本発明(1)の撮像装置は、本発明(1)〜(10),、(12)及び(13)において、目標物を一次元配列のアレ一状読取素子のスキャン方向に複数点読み取った読取データに関して、一次元配列のアレー状読取素子の素子配列方向及び又はこれと所定角をなす方向につき連続した均一レベルの読取データ列を複数検出した場合にこれらを基準となる画像の読取データとして欠陥素子抽出に利用するものである。
【0052】
本発明(1)においては、目標物の撮像データから基準となる画像の撮像データと等価な撮像データを抽出してこれらをメモリに格納し、後の欠陥素子抽出処理に利用する。従って、本来の基準画像(熱)源の使用頻度を大幅に軽減でき、装置を簡単化できると共に、目標物の撮像を中断することなく、撮像特性の再校正を行える。
【0053】
好ましくは、同一及び異なる撮像フレームから抽出した同一及び異なるレベルの読取データ列をメモリに格納する。従って、有効な基準データを得る機会が多く、目標物の撮像を中断することなく、撮像特性の再校正を行える。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に好適なる複数の実施の形態を詳細に説明する。図1は実施の形態による赤外線撮像装置の概略構成を説明する図で、図19と同一又は相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
図1において、90は実施の形態による赤外線撮像装置、91は主制御部、92は欠陥画素抽出・置換制御部、93は基準データ抽出部である。
【0055】
なお、この欠陥画素抽出・置換制御部92は図19の欠陥画素抽出・置換制御部72と同様に描かれているが、本発明の特徴的部分については後述する。主制御部91は撮像制御C1、欠陥素子抽出・置換制御C2に加え、基準データ抽出制御C3を行う。基準データ抽出部93は、目標物撮像時の画素データSDから均一レベルの基準熱源60を撮像したのと等価な部分の画素データを抽出して、これらをメモリに格納し、基準データRFDとして保持すると共に、その後欠陥素子の再判定が必要となった際には前記基準データRFDを欠陥素子抽出・置換制御部92に提供する。従って、この場合の基準熱源60は、装置の電源投入時には使用するが、途中の再調整時には必ずしも必要では無い。
【0056】
以下、本発明による各特徴的部分の実施の形態を述べるが、これらを単独で、又は組み合わせて装置に採用しても良いことは言うまでもない。
図2は第1の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図で、感度の無い素子の欠陥画素抽出・置換制御に関する。
図2(A)において、21は感度の無い素子を判定する第1の感度判定部▲1▼である。P−P演算部13は、均一な基準熱源60を撮像した際の各素子のP−PノイズレベルP(1)〜P(m)を保持している。目標物50の撮像時には、アレー検知素子3からのデータ読取(A/D変換)に同期してP−P演算部13よりP−PノイズレベルP(1)〜P(m)が順に出力される。コンパレータCMPは、P−PノイズレベルP(1)〜P(m)と第1の感度閾値KTH▲1▼とを比較することにより、P<KTH▲1▼の場合は、感度が無いとして、第1の感度エラー検出信号KED▲1▼=1を出力する。KED▲1▼=1となった素子の画素データSDは他の素子の画素データSDで置換される。
【0057】
図2(B)に第1の感度検出・判定処理のタイミングチャートを示す。縦軸は均一レベルの基準熱源60を撮像した際の検出レベル、横軸はj(スキャン)方向である。例えば素子i=3は適当な感度を有するので基準熱源温度のむら等を忠実に表わす検出レベルとなっている。該素子のP−PノイズレベルP(3)=MAX S(j)−MIN S(j)であり、ここではP(3)>KTH▲1▼であるため、欠陥素子とは判定されない。またP(3)<PTHであるのでP−Pノイズレベルから見ても欠陥素子とは判定されない。
【0058】
一方、素子i=5の出力には殆ど変化がない。変化があってもA/D変換部5における量子化誤差(即ち、画素データSDの最下位ビットが変化する)程度である。この場合はP(5)<KTH▲1▼により感度無し(又は感度が極端に小さい)と判別され、素子i=5は欠陥素子と判定される。
図3,図4は第2の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図(1),(2)で、感度の小さい素子の欠陥画素抽出・置換制御に関する。
【0059】
図3において、22は異なる温度の基準熱源60を読み取り、得られた読取データに基づいて感度の小さい素子を検出する第2の感度判定部▲2▼である。
第2の感度判定部22において、RAM1からなる回路は、ある時点における第1の基準温度TH の各読取データに基づき素子毎の平均値THa(1)〜THa(m)を求め、これらを保持する。RAM2からなる回路は、他の時点における第2の基準温度TL (<TH )の各読取データに基づき素子毎の平均値TLa(1)〜TLa(m)を求め、これらを保持する。
【0060】
目標物50の撮像時には、アレー検知素子3からのデータ読取に同期してRAM1からはTHa(i)、RAM2からはTLa(i)が夫々順に読み出され、これらの差信号DTa (i)=|THa(i)−TLa(i)|が順に求められる。コンパレータCMPは、各素子の差信号DTa (1)〜DTa (m)と第2の感度閾値KTH▲2▼とを比較することにより、DTa (i)<KTH▲2▼の場合は、感度が小さいとして、第2の感度エラー検出信号KED▲2▼=1を出力する。因みに、この場合の第2の感度閾値KTH▲2▼の大きさは基準温度TH ,TL 間の差分に応じて決定されている。そして、第2の感度エラー検出信号KED▲2▼=1となった素子の画素データSDは他の素子の画素データSDで置換される。
【0061】
図4に第2の感度検出・判定処理のタイミングチャートを示す。縦軸は異なるレベルの基準熱源60を夫々撮像した際の検出レベル、横軸はj(スキャン)方向及び基準熱源60の温度Tである。
素子i=3は適当な感度を有しており、仮に熱源温度Tをリニアに変化させた時の検出レベルは特性▲3▼となる。一方、素子i=5は感度が小さく、仮に熱源温度Tをリニアに変化させた時の検出レベルは特性▲5▼となる。但し、本実施の形態では2点の温度TH ,TL を2回に分けて撮像する。その際には、スキャン(j)方向の各読取データの平均を取り、これらをTHa(3),THa(5),TLa(3),TLa(5)とする。素子i=3のDTa (3)=|THa(3)−TLa(3)|>KTH▲2▼であり、欠陥素子とは判定されない。一方、素子i=5のDTa (5)=|THa(5)−TLa(5)|<KTH▲2▼であり、欠陥素子と判定される。この第2の感度閾値KTH▲2▼の大きさの一例の目安は、図1の感度補正部9における有限(あまり大きくすると画像が歪む)な感度補正データでは当該素子の感度を所要レベルにまで補正できない程度である。
【0062】
図5は第3の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図で、RMS,P−P,DCの各ノイズレベルに対する閾値の自動設定制御により、最適の表示画像(画素置換状態)を得る場合を示している。
図において、23は欠陥素子抽出のための各閾値をアレー検知素子3のトータルの置換画素数の評価に基づき自動的に設定する閾値制御部である。
【0063】
RMS,P−P,DCの各演算部12〜14は予め基準熱源60を読み取った読取データに基づき素子毎のRMS,P−P,DCの各検出ノイズレベルδ(i),P(i),DC(i)を保持している。感度判定部21,22も同様であり、この時点で感度に係る欠陥素子を判定可能である。
一方、RMS,P−P,DCの各ノイズレベルに関しては未だ閾値が確定しておらず、よって欠陥素子も未確定である。即ち、RMS,P−P,DCの各ノイズレベルに関しては予め夫々に複数の閾値が設けられている。RMSノイズに対しては閾値RMSTH1〜RMSTHkが設けられ、例えばRMSTH1<RMSTH2<…<RMSTHkの関係にある。P−P,DCの各ノイズレベルについても同様である。
【0064】
閾値制御部23において、CTR1はアレー検知素子3のトータルの欠陥素子数をカウントするカウンタ、CTR2は共通の閾値選択信号STHを生成するカウンタ、TG1は閾値制御のタイミング発生部である。
閾値制御開始時にはタイミング発生部TG1よりリセット信号R1,R2が出力され、カウンタCTR1,CTR2が共にリセットされる。CTR2のリセットによりセレクタSEL1〜SEL3は夫々最小の閾値RMSTH1,PTH1,DCTH1を選択し、これは各検出ノイズレベルにとって最も厳しい閾値の選択である。その後、各演算部12〜14から素子毎のノイズレベルが順に読み出され、これらが前記選択した各閾値と比較される。δ(i)>RMSTH1ならエラー検出信号RED=1、P(i)>PTH1ならエラー検出信号PED=1、DC(i)>DCTH1ならエラー検出信号DED=1である。同時にエラー検出信号KED▲1▼=1及び又はエラー検出信号KED▲2▼=1となる場合もある。各エラー検出信号はORゲート回路18で論理ORされ、その出力信号SEは、この時点では、閾値制御部23で利用される。
【0065】
タイミング発生部TG1は1素子の処理毎に検査クロックSC1を発生しており、ある素子の処理タイミングに信号SE=1であると、欠陥素子数カウンタCTR1が+1される。SE=0であるとカウント値は変わらない。こうして、全素子の処理を終了すると、CTR1はアレー検知素子3についてのトータルの欠陥素子数をカウントすることになる。
【0066】
その際には、コンパレータCMP1はCTR1のカウント値Qと欠陥素子数の閾値CLTHとを比較しており、Q>CLTHになると、カウントオーバ信号OV=1を出力する。該信号OV=1はTG1に知らされ、これによりTG1は検出の1サイクルにつきクロック信号SC2を1つ出力してCTR2を1つカウントアップする。またTG1はリセット信号R1を出力してCTR1を初期化し、再び上記欠陥素子数の計数モードに入る。一方、SEL1〜SEL3は、CTR2の内容が+1されたことにより、前回よりは1段緩い閾値RMSTH2,PTH2,DCTH2を夫々選択する。
【0067】
係る処理を繰り返し、やがて、あるサイクルにおける全素子の処理を終了しても、CTR1のカウント値Qが閾値CLTHを越えないと、閾値制御終了であり、CTR2の閾値選択信号STHはその状態で固定される。従って、トータルの欠陥画素置換数を所望の閾値CLTHに制限した画素置換状態が自動的に得られれる。
【0068】
なお、上記の例えばRMSノイズに関する閾値をRMSTH1>RMSTH2>…>RMSTHkの関係にすると、閾値制御部23は最も緩い閾値から選択することになる。他の閾値PTH,DCTHについても同様の並びとする。この場合の閾値制御はCTR1のカウント値(欠陥素子数)Qが所定閾値CLTHを越えた時点で終了となり、同一のアレー検知素子3については上記と略同様の閾値設定に落ちつく。
【0069】
図6は第4の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図で、RMS,P−P,DCノイズの各検出エラー数のうち、最もエラー数の多いものから優先的に閾値を緩めることにより、きめ細かい、かつ最終的に各エラー種別につきバランスの取れた欠陥画素置換状態を得る場合を示している。図において、24はこの場合の閾値制御部、24Aは最大ノイズ種検出部である。
【0070】
欠陥素子数カウンタCTR1,コンパレータCMP1,タイミング発生部TG1からなる閾値制御動作は基本的には上記と同様で良い。最大ノイズ種検出部24Aにおいて、カウンタCTR5はリセット信号R1でリセットされ、RMSノイズに係るエラー検出信号REDの発生回数RQをカウントする。同様にして、CTR6はP−Pノイズに係るエラー検出信号PEDの発生回数PQを、またCTR7はDCノイズに係るエラー検出信号DEDの発生回数DQを夫々カウントする。コンパレータCMP2〜CMP4は各カウント値RQ,PQ,DQの内の最大のカウント値を検出し、そして、デコーダDECは、最大カウント値RQ/PQ/DQに夫々対応する閾値選択のカウント付勢信号a/b/cの何れか一つを論理1レベルにする。
【0071】
例えば、RMSノイズのエラーカウント値RQが最大の時は、RQ>PQによりA=1、かつRQ>DQによりC=1となり、カウント付勢信号aは、A=1かつC=1のデコードによりa=1となる。またP−Pノイズのエラーカウント値PQが最大の時は、RQ<PQによりA=0、かつPQ>DQによりB=1となり、カウント付勢信号bは、A=0かつB=1のデコードによりb=1となる。またDCノイズのエラーカウント値DQが最大の時は、RQ<DQによりC=0、かつPQ<DQによりB=0となり、カウント付勢信号cは、C=0かつB=0のデコードによりc=1となる。
【0072】
閾値制御部24において、コンパレータCMP1が限度CLTHを越える欠陥素子数を検出した場合に、a=1の時はRMSノイズの閾値選択カウンタCTR2が+1され、またb=1の時はP−Pノイズの閾値選択カウンタCTR3が+1され、またc=1の時はDCノイズの閾値選択カウンタCTR4が+1される。従って、エラーカウント値の最も大きいノイズの閾値から優先的に緩和され、よって画素置換の要因が公平(バランス)化されると共に、装置全体としては必要な最小限の閾値緩和で所要の欠陥画素置換状態が得られる。
【0073】
なお、最大のエラーカウント値が見つからない(即ち、a〜c=0等の)場合は、所定の優先順位(好ましくは前回選択したら今回は選択しない様な巡回的優先順位)に従い、その都度何れか1つの閾値を緩和する。
ところで、上記の例えばRMSノイズに関する閾値をRMSTH1>RMSTH2>…>RMSTHkの関係にすると、閾値制御部24は最も緩い閾値から選択することになる。他の閾値PTH,DCTHについても同様の並びとする。この場合の閾値制御はCTR1のカウント値(欠陥素子数)Qが所定閾値CLTHを越えた時点で終了となり、この場合も同一のアレー検知素子3については上記と略同様の閾値設定に落ちつく。
【0074】
但し、この場合のCMP2〜CMP4はエラーカウント値が最小のものを検出し、かつこれに対応する閾値を1段厳しくするように働く。また最小のエラーカウント値が見つからない(即ち、a〜c=0等の)場合は、所定の優先順位(好ましくは巡回的優先順位)に従いその都度何れか1つの閾値を緩和する。
図7は第5の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図で、RMS,P−P,DCノイズに対する各閾値をアレー検知素子3そのものが有する検知特性(全素子の平均特性)を基準として最適に設定する場合を示している。
【0075】
図において、25〜27はRMS,P−P,DCノイズの各全素子(i=1〜m)についての平均値を求める平均値算出部である。
例えばRMSノイズに着目すると、閾値制御に際しては、予めRMSノイズδ(1)〜δ(m)の平均値を求め、これをレジスタREGRに保持する。欠陥素子抽出時(閾値制御時)には、この平均値に適当な係数(例えば1.5)を掛けることで、所望の閾値RMSTHが生成される。
【0076】
この生成閾値RMSTHは、アレー検知素子3に固有の平均値を基準として生成されているため、様々なバラツキを有する個々のアレー検知素子3の特性を夫々に反映した値となる。即ち、RMSノイズが大きめのアレー検知素子3を採用した場合はその閾値RMSTHも大きめに生成され、よってRMSノイズに起因する欠陥素子数が際立って増大することはない。またRMSノイズが小さめのアレー検知素子3を採用した場合はその閾値RMSTHも小さめに生成され、よってRMSノイズに起因する欠陥素子数が際立って減少することもない。即ち、RMSノイズに起因する欠陥素子数は均一化される。他のP−P,DCノイズについても同様である。
【0077】
好ましくは、RMS,P−P,DCの各ノイズに対して夫々に大きさの異なる複数の閾値を生成可能とし、上記図5又は図6と同様の閾値制御を行う。
図7は図6の閾値制御部24を備える場合を示している。ここでは、大きさの異なる複数の閾値そのものを設ける代わりに、大きさの異なる複数の係数(例えば1.2,1.4,…2.2等)が設けられている。複数の係数はどの装置でも同一にできるので、この様な装置は製造容易である。
【0078】
上記図6(又は図5でも良い)の場合と同様にして、閾値制御部24は最も厳しい係数1.2から選択を開始し、アレー検知素子3のトータルの欠陥素子数が所定数を下回るまで、RMS,P−P及び又はDCノイズの係数を順次緩和する。又は、閾値制御部24は最も緩い係数2.2から選択を開始し、アレー検知素子3のトータルの欠陥素子数が所定値を上回るまで、RMS,P−P及び又はDCノイズの係数を順次厳しくする。
【0079】
図8,図9は第6の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図(1),(2)で、基準熱源60の撮像時に得た画素データ又は該画素データに基づき検出したノイズレベルに所定の補正データを乗算する場合を示している。
基準熱源60の読取データに基づき検出したノイズレベルは各素子i(=1〜m)そのもののノイズレベルを忠実に表している。一方、各素子で読み取られた目標物50の撮像データSDは、図1の感度補正部9で感度補正を受け、更に必要なら表示レベル/ゲイン調整部10で表示輝度(色)や表示ゲイン(コントラスト)等のレベル調整を受け、モニタ80に表示される。
【0080】
係る構成では、例えば感度の比較的小さい素子i=8の撮像データSD(8)には大きめのゲインが掛けられ、また感度の比較的大きい素子i=9の撮像データSD(9)には小さめのゲインが掛けられ、こうして一様な表示感度を得るための感度補正が行われる。一方、これにより表示データSD(8)のRMS,P−P,DCの各ノイズ成分は実質増大し、表示データSD(9)の各ノイズ成分は実質減少する。このため、ノイズレベルの評価は、感度補正前の基準データにつき行う場合と、感度補正後の基準データにつき行う場合とで相違が生じ、感度補正前の評価で良い結果を得た素子でも、感度補正後で評価すると、欠陥画素と判定した方が良い場合が生じ得る。
【0081】
そこで、本第6の実施の形態では基準熱源60の撮像時に検出したノイズレベル値に所定の補正データ情報を反映させる。なお、この方法は図3〜図7の構成に適用可能である。
図8は基準データに素子毎の感度補正を加える場合を示している。図において、28は乗算器(×)である。
【0082】
補正データXGは、例えば素子毎の感度を所要値に補正するためのゲインデータである。このゲインデータXGは、図示しないが、予め感度補正のための基準熱源60を撮像した際の感度補正部9による感度一定化処理により生成されている。
欠陥素子抽出の際は、基準熱源60の各読取データSD(i)に素子毎のゲインデータXG(i)を乗算し、その出力データに基づき素子毎のノイズレベルδ(i),P(i),DC(i)を夫々求める。これらの各検出ノイズレベルには感度補正データの情報が反映されているので、表示画像に則した観点より欠陥画素の判定が行える。即ち、ある素子のRMSノイズは、素子自体としてはさほど大きくは無いが、その感度が多少小さいために感度補正されて所要感度にまで増幅される。その結果、該素子のRMSノイズ成分も増幅され、これにより閾値RMSTHを越えることがある。この様な素子は、仮に後述の第2の感度判定▲2▼をパスしても、RMSノイズの観点より欠陥素子とされる場合がある。
【0083】
第2の感度判定部22では、感度補正後の画素データSDに基づき感度判定を行える。感度補正部9による感度補正には自ずと限界があるので、ゲインデータXGの大きさにも上限がある。従って、感度補正後の画素データSDで評価しても所要以下の感度しか有し得ない様な素子が存在し、第2の感度判定部22はその様な素子を感度欠陥素子と判定する。
【0084】
第1の感度判定部21に関しては、感度補正後の画素データSDを使用してもあまり意味がないので、感度補正前の画素データSDを使用している。勿論、感度補正後の画素データSDを使用しても良いし、また第2の感度判定部22が感度補正前の画素データSDを使用しても良い。
図9は検出ノイズレベルに素子毎の感度補正を加える場合を示している。図において、28〜30は乗算器(×)である。
【0085】
RMS,P−P,DCの各ノイズの平均値算出時には感度補正データXG=1に固定しておく。これにより図7の場合と同様にしてアレー検知素子3に固有の平均値が求まり、該アレー検知素子3に固有の閾値RMSTH,PTH,DCTHを生成できる。
一方、欠陥素子抽出時には、演算部12〜14の各検出ノイズレベルδ(i),P(i),DC(i)に夫々素子毎の感度補正データXG(i)を乗算して、得られた各結果と対応する閾値RMSTH,PTH,DCTHとの比較を行う。これらの各検出ノイズレベルには感度補正データの情報が反映されているので、アレー検知素子3に固有の閾値に基づく、かつ表示画像に則した観点からのバランスの良い欠陥画素判定が行える。
【0086】
なお、上記RMS,P−P,DCの各ノイズの平均値算出時における感度補正データXGを素子毎のゲインデータXG(i)としても良い。この場合は、アレー検知素子3に固有の閾値にも感度補正データの情報が反映される。
図10,図11は第7の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図(1),(2)で、DCノイズレベル検出の改良に関する。
【0087】
DCノイズとは、要するに、同一の基準温度Tを同一の素子によりある時間を空けて読み取った場合に、該素子の動作環境(温度,バイアス電圧等)の変動により僅かではあるが異なる温度T±αが検出される現象を言う。i素子のある時点におけるスキャン(j)方向の各サンプルデータSD(j)には様々なタイプの瞬時ノイズ成分が含まれるため、従来の図21(B)のDC演算部14では、これらの平均値をとることにより、素子毎に瞬時ノイズ成分の相殺されたDCレベルSa(i)を得ている。そして、i素子の今回のDCレベル(平均値)をSa(i)、かつ同一温度を読み取った前回のDCレベル(平均値)をSa(i)´とすると、今回のi素子のDCノイズレベルDC(i)=|Sa(i)−Sa(i)´|となる。
【0088】
しかるに、基準熱源60における前回と今回の基準温度Tそのものが完全に同一とは限らない。実際上、板面温度には微妙なむら(揺らぎ)が存在し、もしi素子に対する基準温度そのものに△Tの変動があると、これがそのままi素子のDCノイズレベルとなって表れるため、不都合であった。
図10はこれを改善する場合のDC演算部14の構成を示す。
【0089】
RAM1からなる回路は、ある時点における均一温度Tの基準熱源60の撮像データに基づき、素子毎の平均値Sa(i)を求め、これらを保持する。その後、これらをRAM2に転送し、前回のDCレベルSa(i)´とする。またRAM1からなる回路は、続く他の時点における均一温度T(前回と同一でなくても良い)の基準熱源60の撮像データに基づき、素子毎の平均値Sa(i)を求め、これらを保持する。これらは今回のDCレベルSa(i)とする。
【0090】
また、欠陥素子の抽出に先立ち、RAM2の前回の素子毎のDCレベルSa(i)´に基づき前回の全素子の平均値Saa´を求め、これをレジスタREG2に格納する。またRAM1の今回の素子毎のDCレベルSa(i)に基づき今回の全素子の平均値Saaを求め、これをレジスタREG1に格納する。
そして、欠陥素子抽出の際には、今回の各素子のDCノイズレベルDC(i)を、
DC(i)=|Sa(i)−Saa−{Sa(i)´−Saa´}|
により求める。なお、符号は意味をなさないので、絶対値を扱う。
【0091】
上式を変形すると、
DC(i)=|Sa(i)−Sa(i)´−{Saa−Saa´}|
となる。上式右辺の前半の項{Sa(i)−Sa(i)´}は従来の(3)式のDC演算と同一である。従って、i素子に対する基準温度Tそのものに△Tの変動があると、これがそのままi素子のDCノイズレベルとなって表れる。
【0092】
しかし、本実施の形態では上式右辺の後半の項{Saa−Saa´}が存在する。ここで、今回の全素子平均値Saaは、言わば今回の全板面温度の平均値であり、各素子の検出感度に変動があっても素子全体としてはこれらの変動成分が相殺される結果、今回の基準熱源設定温度を正確に表すものと言える。同様にして、前回の全素子平均値Saa´は前回の基準熱源設定温度を正確に表している。従って、もし前回と今回の基準熱源温度に差があると、{Saa−Saa´}の項からも該差に相当する温度成分△T´が表れる。この差分△T´はi素子についての差分△Tに極めて近い。従って、i素子についてのDCノイズレベルDC(i)からは基準熱源60の温度差に相当する成分△Tが除去され、より正確なDCノイズレベルを検出できる。
【0093】
図11は図10のDC演算部14のタイミングチャートである。
図11(A)は前回のDCレベル検出処理を示している。この例の基準熱源60の設定温度は低く、全素子平均値Saa´として20.1℃が検出されている。ある素子i=8に着目すると、この時の該素子の感度はたまたま低かったため、Sa(8)´−Saa´として−△T(8)´が求められる。該−△T(8)´は基準熱源設定温度Saa´からの正味の変動分であり、もはやこの時の基準熱源設定温度Saa´とは関係無くなる。
【0094】
11(B)は今回のDCレベル検出処理を示している。この例の基準熱源60の設定温度は高く、全素子平均値Saaとして24.9℃が検出されている。またこの時の素子i=8の感度はたまたま高かったため、この時のSa(8)−Saaとして+△T(8)が求められる。該△T(8)は基準熱源設定温度Saaからの正味の変動分であり、もはやこの時の基準熱源設定温度Saaとは関係無くなる。
【0095】
図11(C)は欠陥画素抽出時の閾値判定処理を示している。
素子i=8については、上記図11(A),(B)の各正味の変動分△T(8)´,△T(8)が加わって比較的大きなDCノイズレベルDC(8)となっている。これは素子i=8の検出感度が−△T(8)´から+△T(8)まで比較的大きく変動したことを忠実に表している。従って、素子i=8はDC(8)>DCTHにより、欠陥素子と判定される。
【0096】
かくして、本第7の実施の形態によれば、基準熱源60の設定温度(又は温度誤差)によらず常に正確なDCノイズレベルを検出できる。
図12は第8の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図で、P−Pノイズレベル検出の改良に関する。
図において、13Aは本第8の実施の形態によるP−P演算部、13aは各i素子の画素データS(j)につき最大値のものから順にp個(図は3個)までの画素データを抽出する最大値グループ検出部、13bは最小値のものから順にq個(図は3個)までの画素データを抽出する最小値グループ検出部である。
【0097】
均一レベルの基準熱源60を撮像した際の、あるi素子についてのj個の画素データSDのP−Pノイズレベル検出演算をする場合を説明する。
最大値グループ検出部13aにおいて、CMP1は入力の画素データSDとRAM1の記憶データR1(最初は最小値0)とを比較し、SD>R1の場合はRAM1の書込イネーブル信号WE1=1を出力し、該入力の画素データSDをRAM1のi素子の書込番地(=前記記憶データR1の記憶番地)に上書きする。またSD≦R1の場合はWE1=0を出力し、RAM1へのデータ書込を行わない。即ち、このRAM1に係る回路は入力のj個の画素データ系列中から無条件で最大のものを検出する最大値検出回路である。
【0098】
RAM2に係る回路も、基本的には最大値検出回路である。但し、RAM2のデータラインにはセレクタSEL1が設けられており、RAM2に書き込まれるデータには一定の条件が付く。即ち、CMP2がSD>R2を検出した時に、同時にCMP1がSD>R1を検出している場合は、その時のRAM1の記憶データR1(即ち、それまでの画素データ系列中で最大であった画素データR1)をRAM2に書き込み、またCMP1がSD≦R1を検出している場合は、その時の入力の画素データSD(即ち、それまで最大であった画素データR1は越えないが、RAM2の記憶データR2よりは大きい画素データ)をRAM2に書き込む。RAM3に係る回路も同様である。
【0099】
従って、最大値グループ検出部13aにj個の画素データ系列が入力した時点では、RAM1〜RAM3に最大から下方に3番目(一般にはp番目)までの画素データが記憶される。
最小値グループ検出部13bにおいて、CMP4は入力の画素データSDとRAM4の記憶データR4(最初は最大値FF)とを比較し、SD<R4の場合はRAM4の書込イネーブル信号WE4=1を出力し、該入力の画素データSDをRAM4のi素子の書込番地(=前記記憶データR4の記憶番地)に上書きする。またSD≧R4の場合はWE4=0を出力し、RAM4へのデータ書込を行わない。即ち、このRAM4に係る回路は入力のj個の画素データ系列中から無条件で最小のものを検出する最小値検出回路である。また上記同様にしてRAM5,RAM6からなる回路は条件付きの最小値検出回路である。従って、最小値グループ検出部13bにj個の画素データ系列が入力した時点では、RAM4〜RAM6には最小から順に3番目(一般にはq番目)までの画素データが記憶される。
【0100】
セレクタSEL3,SEL6は外部の選択信号SWに従い最大値グループの画素データR1〜R3と最小値グループの画素データR4〜R6との中ら任意組み合わせの一対の画素データを選択する。例えば画素データR2とR5(又はR3とR6)を選択する。これは、一般的にピークノイズを含む可能性の高い画素データR1とボトムノイズを含む可能性の高い画素データR4とをP−Pノイズレベル評価の対象から除外する選択である。
【0101】
欠陥素子抽出時には、素子毎にP−PノイズレベルP(i)=|R2(i)−R5(i)|が求められ、欠陥素子判定に使用される。なお、予め求めたこれらのP−PノイズレベルP(i)そのものをRAMに記憶しておいても良い。
図13は第9の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図で、P−Pノイズレベル検出の他の改良に関する。
【0102】
図において、13Bは本第9の実施の形態によるP−P演算部、13cは最大値グループ検出部、13dは最小値グループ検出部である。
ここでは、最大値グループの画素データR1〜R3と、最小値グループの画素データR4〜R6とが、夫々平均部で平均化される。従って、平均化後の最大値及び最小値からは瞬時的なノイズ成分が除去(又は軽減)されており、正確なP−Pノイズ検出レベルP(i)を提供できる。
【0103】
図14,図15は第10の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図(1),(2)で、欠陥素子の画素データをその上下の画素データの平均値で置換する場合を示している。
図14(A)において、31は欠陥画素補間部である。
目標物50の撮像時には、各列(素子配列方向)の撮像データSD(i)が書込カウンタ7の書込アドレスWAに従って画像メモリ6に順次書き込まれる。また書込カウンタ7よりも所定位相遅れた読出カウンタ8の読出アドレスRAに従って画像メモリ6の記憶データMD(i)が順に読み出され、セレクタSELの端子0側に入力する。レジスタREGは各読出データMD(i)を画素クロックGCKによりラッチして1画素分遅延させる。加算器はメモリ6の読出データMD(i)とその遅延画素データMD(i)´とを加算し、得られた加算出力を1/2(1ビット下方にシフト)してセレクタSELの端子1側に入力する。
【0104】
一方、コンパレータCMP15〜17は読出カウンタ8の読出アドレスRAに同期してi素子のノイズレベルδ(i),P(i),DC(i)を夫々評価し、欠陥素子か否かを判定している。i素子が欠陥素子と判定されない場合は、置換イネーブル信号SE=0(即ち、読出アドレスRAへの加算値α=0)であり、読出アドレスRAは変更されない。またセレクタSELはSE=0により端子0側の読出データMD(i)を選択する。
【0105】
また、i素子が何れかのノイズレベルに関して欠陥素子と判定された場合は、置換イネーブル信号SE=1(即ち、読出アドレスRAへの加算値α=次画素データMD(i+1)へのオフセットアドレス)であり、読出アドレスRAは次画素データの読出アドレスに変更される。またセレクタSELはSE=1により端子1側の読出データMD(i)´を選択する。
【0106】
図14(B)に欠陥画素補間部の動作タイミングチャートを示す。
例えば素子i=4が欠陥素子と判定されると、該タイミングでは、置換イネーブル信号SE=1により、記憶データMD(4)の内容G4の代わりに、記憶データMD(5)の内容G5が読み出される。一方、REGは1画素前の記憶データMD(3)の内容G3を保持しており、これらの平均値(G3+G5)/2が形成される。そしてセレクタSELはSE=1により端子1側を選択しており、欠陥素子i=4の置換画素データとして画素データ(G3+G5)/2が出力される。
【0107】
図15は一例の表示画像を説明する図である。
図15(A)は従来と同様の欠陥画素置換の場合を示している。モニタ80には表面温度が均一なピラミッド状の目標物が表示され、例えば低温の背景は黒色で、高温の目標物は白色で夫々表示されている。ここではi=8,14の各素子が欠陥と判定され、表示1行分の欠陥画素データRD(8)は下置換され、かつ表示1行分の欠陥画素データRD(14)は上置換されている。このため、形状面から見るとピラミッド肩部の傾斜の滑らかさが失われている。
【0108】
図15(B)は本第10の実施の形態による欠陥画素置換(補間)の場合を示している。ここでは、表示1行分の欠陥画素データRD(8)は上下の画素データRD(7),RD(9)の平均値で置換(補間)され、また表示1行分の欠陥画素データRD(14)は上下の画素データRD(13),RD(15)の平均値で置換(補間)されている。従って、置換部分の画素が違和感なく表示され、ピラミッド肩部の傾斜も滑らかに見える。
【0109】
図16は第11の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図で、目標物の撮像データ中から基準熱源を撮像したのと等価な部分の撮像データ(基準となる画像の読取データ)を抽出してメモリに蓄積し、これらを欠陥素子判定時に利用する場合を示している。
図において、93Aは基準データ抽出部、32は均一データ判定部、33は素子配列方向の1列分の画素データSDを記憶(遅延)するためのRAM、34Aは基準となる画素データ(基準データ)の書込制御部、35は基準データを蓄積するRAM、36は基準データの読出制御部、37Aは基準データの抽出制御部である。
【0110】
目標物50の撮像時において、抽出制御部37Aは各列の読取開始に同期してリセット信号R1を出力し、フリップフロップFF1をリセットする。その後、1列分の撮像データSD(i)が入力され、これらはRAM33に一時的に記憶される。一方、これらの撮像データSD(i)は同時に均一データ判定部32にも入力し、1列分の振幅が所定範囲内にあるか否かを検査される。
【0111】
具体的に言うと、レジスタREG1よりなる回路は撮像データ系列中の最大の画素データR1を検出・保持し、またREG2よりなる回路は最小の画素データR2を検出・保持する。そして、加算器(+)によりP−PノイズレベルP=R1−R2が求められ、コンパレータCMP3は該ノイズレベルPと所定閾値LTHとを比較することにより、P>LTHの場合はFF1をセットする。またP≦LTHの場合はFF1をセットしない。
【0112】
抽出制御部37Aは1列分の撮像データが入力した時点でFF1の内容を調べ、オーバ検出信号OV=1の時は素子配列方向に均一なデータ列が検出されないので、そのまま次の列の均一データ列判定処理に進む。またオーバ検出信号OV=0の時は均一なデータ列が検出されたので、書込制御部34Aを付勢し、次の列の均一データ列判定処理に進む。この区間に、書込制御部34AはRAM33の記憶(遅延)データをRAM35に蓄積する。
【0113】
こうして、ある目標物の1スキャンにつき例えばj=3,4,8の列で基準となる画素データ列が抽出される。目標物には均一温度の壁や背景等が含まれるので基準データを取得できる機会も少なくない。
挿入図(a)において、j=3,4の各列では基準となる画素データ列が抽出され、RAM35に格納される。これらは、たまたま同一の平均レベル(撮像温度T1)に属しており、好ましくはRAM35の同一温度グループの格納領域に格納される。書込制御部34Aは画素データ列の平均を求めることで、温度別の書込制御が可能である。一方、j=8の画素データ列は異なる平均レベル(撮像温度T2)に属しており、RAM35の他の温度グループの格納領域に格納される。しかし、j=100,200の様な画素データ列は抽出されない。
【0114】
こうして均一データ列の抽出・格納を継続し、1又は2以上のスキャンにつき同一温度T1についての複数の画素データ列が抽出されれば、これらに基づき、上記基準熱源60を撮像した場合と同様にして素子毎のRMS,P−P,DCの各ノイズレベルを有効に求められる。
かかる基準データ抽出部93Aを備える装置では、該装置の電源投入時には基準熱源60を撮像して、装置の初期設定(校正)が行われる。その後は、目標物50の撮像データから上記基準となる撮像データが適宜に抽出され、RAM35に蓄積・格納される。そして、定期的に又は表示画質が劣化した時等に、RAM35の基準データを利用してRMS,P−P,DC等の各ノイズレベルを再演算する。読出制御部36はRAM35からノイズレベル検出に必要な記憶データ列を読み出し、ノイズレベル演算部12〜14等に提供する。
【0115】
今、ある素子i=3に着目すると、電源投入時の判定では各ノイズレベルを満足していたが、その後の目標物50の撮像時には例えばRMSノイズレベルが増加している場合がある。素子i=3に関するこのような状態の画素データはRAM35に既に蓄積・格納されており、ある時点で各ノイズレベルの再演算を行うと、素子i=3についてはRMSノイズの観点から欠陥素子と判定され、以後は画素置換が行われることになる。一方、初期には欠陥素子と判定されたが、今回は欠陥素子とは判定されない様な素子も存在し得る。
【0116】
こうして、目標物50の撮像途中でわざわざ基準熱源60を撮像するまでもなく、装置の撮像特性は定期的又は適宜に再校正され、モニタ80には常に良質のモニタ画像が得られる。
図17,図18は第12の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図(1),(2)で、目標物の撮像データ中から基準となる画像の読取データを様々な角度で抽出する場合を示している。
【0117】
図17において、38は1画面分の撮像データSDを記憶可能なフレームメモリ(FM)、39は書込カウンタ(WC)、40は画素データの読出パターンを発生する読出パターン発生部(RPG)、41は前記読出パターンに従う読出アドレスを発生する読出アドレス発生部、42は読出データ列の平均値を求める平均部である。
【0118】
目標物50の1画面分の撮像データSDがフレームメモリ38に格納される。抽出制御部37Bはフレームメモリ38の各列(但し、斜めの列もある)の記憶データの読出開始に同期してリセット信号R1を出力し、FF1をリセットする。その後、フレームメモリ38より1列分の撮像データSD(i)が読み出される。
【0119】
図18はフレームメモリ38の幾つかの読出パターンを示している。
図18(A)は記憶データを素子配列方向に読み出す場合を示しており、この読出パターンを▲1▼とする。パターン▲1▼によるデータ読出はフレームメモリ38の全記憶データについて行われ、振幅の均一なデータ列が検出された場合はそのデータ系列がRAM35に格納される。
【0120】
図18(B)は記憶データを素子配列方向から角度θ1 の傾きで読み出す場合を示しており、この読出パターンを▲2▼とする。読出パターン▲2▼による読出も可能な範囲の全記憶データについて行われ、均一なデータ列が検出された場合はそのデータ系列がRAM35に格納される。角度θが大きくなるにつれて読み出せる列の本数も減少する。
【0121】
以下、同様にして進み、図18(C)は記憶データを素子配列方向から角度θ7 の傾きで読み出す場合を示しており、この読出パターンを▲8▼とする。こうして、図示の例では撮像1画面につきθ=0〜45°、更にはθが撮像画面の対角線の角度と一致するまで、有用なデータを検索し、抽出できる。θがこの角度を越えると、素子i=1又はmの側の抽出データが欠けるので、ここではこの範囲の抽出を行わない。
【0122】
図17に戻り、この様な読出パターンの指定は抽出制御部37Bにより行われ、読出パターン発生部40はパターンコード信号PCに対応する読出パターン信号RPTを発生する。読出パターン発生部40は、図示しないが、フレームメモリ38の行番号を計数するiカウンタと、列番号を計数するjカウンタとを備え、例えば読出パターン▲1▼の場合はj=1に固定してi=1〜mまでをカウントアップする。次にj=2に固定してi=1〜mまでをカウントアップする。これをj=mまで行う。
【0123】
また読出パターン▲2▼の場合は、まずi=1〜mまでカウントアップする間に、jは1から始まり、かつ2以上の所定値まで略均等なペースでカウントアップする。この様な回路はビットマップ方式のグラフィックディスプレイにおける任意角度の直線ベクトルを発生する回路と良く似ている。次の回ではi=1〜mまでカウントアップする間に、jは2から始まり、かつ3以上の所定値まで略均等なペースでカウントアップする。これをjの可能な範囲で行う。以下、同様である。そして、読出アドレス発生部41は読出パターン発生部40の各カウント出力i,jをフレームメモリ38の各対応する画素データの読出アドレスRAに変換する。
【0124】
なお、指定コードPCに対応する各読出パターンのカウント値i,j(又はFM38の読出アドレス)を予め変換データを記憶したROMで発生しても良い。フレームメモリ38の読出データRDは均一データ判定部32で1列分の振幅の差Pが所定範囲内にあるか否かを検査される。P>LTHの時はFF1がセットされ、これにより抽出制御部37Bはその列の処理を直ちに中止し、リセット信号R1を出力して次の列の読出制御を開始する。意味の無い列の判定は中断し、処理を速める。1列分のデータ読出を終了した時点でOV=0の時は書込制御部34Bのデータ書込制御を付勢する。
【0125】
一方、RAM33はFM38の上記1列分の読出データを記憶(遅延)している。データ読出列の角度θが増すと、FM38の読出データ数>mとなる場合があるので、RAM33はk(>m)個分の記憶容量を有する。
また平均部42はk個分の読出データの平均値を求める。平均値は全素子の平均値であるから、ある素子の感度が劣化していても、基準となる画像の正確な温度を指している。書込制御部34Bは、平均部42の平均値出力に基づきRAM33のデータ系列を対応する温度グループの書込エリアに格納する。同一のi素子につき複数データが読み出された時は、書込制御部34Bはこれらの平均値をRAM35に格納する。こうして、いかなる読出パターンでも各素子につき1個の画素データが抽出される。こうして、RAM35に蓄積された基準データは欠陥素子抽出の際に利用される。
【0126】
なお、上記の抽出パターンは一例を示すもので、例えばθ=90°とするとi素子について均一なj個の基準となるデータを抽出できる。
また、上記各実施の形態は赤外線撮像装置への適用例を述べたが、本発明は通常光,超音波,X線等を利用したこの種の撮像装置にも適用できる。
【0127】
また、上記各実施の形態ではハードウェア構成による解決手段を中心に述べたが、本発明はRISC,DSPや汎用のCPU等を利用したソフトウェア処理を中心に実現しても良い。
また、上記本発明に好適なる複数の実施の形態を述べたが、本発明思想を逸脱しない範囲内で、各部の構成、制御、及びこれらの組合せの様々な変更が行えることは言うまでも無い。
【0128】
【発明の効果】
以上述べた如く本発明によれば、表示画像の感度が改善され、かつ欠陥画素置換のための最適の閾値設定が容易で、好ましくは基準画像(熱)源の使用頻度を大幅に軽減できる。従って、この種の装置の性能向上、小型化、コスト低減化に寄与する所が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態による赤外線撮像装置の概略構成を説明する図である。
【図2】第1の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図である。
【図3】第2の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図(1)である。
【図4】第2の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図(2)である。
【図5】第3の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図である。
【図6】第4の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図である。
【図7】第5の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図である。
【図8】第6の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図(1)である。
【図9】第6の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図(2)である。
【図10】第7の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図(1)である。
【図11】第7の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図(2)である。
【図12】第8の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図である。
【図13】第9の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図である。
【図14】第10の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図(1)である。
【図15】第10の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図(2)である。
【図16】第11の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図である。
【図17】第12の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図(1)である。
【図18】第12の実施の形態による赤外線撮像装置を説明する図(2)である。
【図19】従来技術を説明する図(1)である。
【図20】従来技術を説明する図(2)である。
【図21】従来技術を説明する図(3)である。
【図22】従来技術を説明する図(4)である。
【図23】従来技術を説明する図(5)である。
【符号の説明】
1 ポリゴンミラー
2 結像レンズ
3 アレー検知素子
4 プリアンプ(PA)
5 A/D変換部
6 画像メモリ
7 書込カウンタ(WC)
8 読出カウンタ(RC)
9 感度補正部
10 表示レベル/ゲイン調整部
11 D/A変換部
12 RMS演算部
13 P−P演算部
14 DC演算部
15〜17 コンパレータ(CMP)
18 ORゲート回路
19 RAM
20 加算器(+)
21 第1の感度判定部▲1▼
22 第2の感度判定部▲2▼
23,24 閾値制御部
24A 最大ノイズ種検出部
25〜27 平均値算出部
28〜30 乗算器(×)
31 欠陥画素補間部
32 均一データ判定部
33 遅延RAM
34 書込制御部
35 蓄積RAM
36 読出制御部
37 抽出制御部
38 フレームメモリ(FM)
39 書込カウンタ(WC)
40 読出パターン発生部(RPG)
41 読出アドレス発生部
42 平均部
50 目標物(目標物空間)
60 基準熱源
70 赤外線撮像装置
71 主制御部
72 置換制御部
80 モニタ
90 赤外線撮像装置
91 主制御部
92 欠陥画素抽出・置換制御部
93 基準データ抽出部
DEC デコーダ
RAM ランダムアクセスメモリ
CMP コンパレータ
CTR カウンタ
REG レジスタ
SEL データセレクタ
TG タイミイング発生部
+ 加算器
× 乗算器

Claims (14)

  1. 一次元配列のアレー状読取素子による基準となる画像の読取データに基づき欠陥素子を抽出し、かつ目標物撮像時における前記欠陥素子の画素データを他の素子の画素データで置換する撮像装置において、
    均一レベルの基準となる画像を一次元配列のアレー状読取素子のスキャン方向に複数点読み取り、各素子につき得られた読取データの最大値と最小値との差が極端に小さい素子を欠陥素子と判定することを特徴とする撮像装置。
  2. 一次元配列のアレー状読取素子による基準となる画像の読取データに基づき欠陥素子を抽出し、かつ目標物撮像時における前記欠陥素子の画素データを他の素子の画素データで置換する撮像装置において、
    異なるレベルの2つの基準となる画像を一次元配列のアレー状読取素子のスキャン方向に夫々複数点読み取り、前記一方のレベルの基準となる画像の読取データの素子毎の平均値と前記他方のレベルの基準となる画像の読取データの素子毎の平均値との差分が前記2つの基準となる画像の異なるレベルの差に対応する読取データの差の値よりも十分に小さい素子を欠陥素子と判定することを特徴とする撮像装置。
  3. 一次元配列のアレー状読取素子による基準となる画像の読取データに基づき欠陥素子を抽出し、かつ目標物撮像時における前記欠陥素子の画素データを他の素子の画素データで置換する撮像装置において、
    均一レベルの基準となる画像を一次元配列のアレ一状読取素子のスキャン方向に複数点読み取った読取データに基づき各素子につき実効ノイズ、P−Pノイズ、DCノイズの中の1又は2種以上のノイズレベルを検出するノイズレベル検出部と、
    前記1又は2種以上のノイズレベルにつき夫々に設けた大きさの異なる複数の閾値と、
    前記1又は2種以上のノイズレベルにつき夫々に最も厳しい閾値を選択し、かつ前記検出した何れかのノイズレベルが対応する閾値を越える欠陥素子数を一次元配列のアレー状読取素子の全素子につきカウントすると共に、得られた欠陥素子数が所定数以下となるまで、前記各闇値の選択を緩い方に切り替える閾値制御部とを備えることを特徴とする撮像装置。
  4. 一次元配列のアレー状読取素子による基準となる画像の読取データに基づき欠陥素子を抽出し、かつ目標物撮像時における前記欠陥素子の画素データを他の素子の画素データで置換する撮像装置において、
    均一レベルの基準となる画像を一次元配列のアレー状読取素子のスキャン方向に複数点読み取った読取データに基づき各素子につき実効ノイズ、P−Pノイズ、DCノイズの中
    1又は2種以上のノイズレベルを検出するノイズレベル検出部と、
    前記1又は2種以上のノイズレベルにつき夫々に設けた大きさの異なる複数の閾値と、
    前記1又は2種以上のノイズレベルにつき夫々に最も緩い闇値を選択し、かつ前記検出した何れかのノイズレベルが対応する閾値を越える欠陥素子数を一次元配列のアレー状読取素子の全素子につきカウントすると共に、得られた欠陥素子数が所定数以上となるまで前記各閾値の選択を厳しい方に切り替える閾値制御部とを備えることを特徴とする撮像装置。
  5. 一次元配列のアレー状読取素子による基準となる画像の読取データに基づき欠陥素子を抽出し、かつ目標物撮像時における前記欠陥素子の画素データを他の素子の画素データで置換する撮像装置において、
    均一レベルの基準となる画像を一次元配列のアレー状読取素子のスキャン方向に複数点読み取った読取データに基づき各素子につき実効ノイズ、P−Pノイズ、DCノイズの中から選択された複数種のノイズレベルを検出するノイズレベル検出部と、
    前記複数種のノイズレベルにつき夫々に設けた大きさの異なる複数の閾値と、
    前記検出した各ノイズレベルが各対応する閾値を越える欠陥素子数を一次元配列のアレー状読取素子の全素子につき夫々にカウントすると共に、得られた各カウント値の比較により最大のカウント値に対応するノイズレベル種を抽出する最大ノイズ種検出部と、
    前記複数種のノイズレベルにつき夫々に最も厳しい閾値を選択し、かつ前記検出した何れかのノイズレベルが対応する閾値を越える欠陥素子数を一次元配列のアレー状読取素子の全素子につきカウントすると共に、得られた欠陥素子数が所定数以下となるまで、その都度、前記最大ノイズ種検出部が検出したノイズレベル種の閾値の選択を緩い方に切り替える閾値制御部とを備えることを特徴とする撮像装置。
  6. 一次元配列のアレー状読取素子による基準となる画像の読取データに基づき欠陥素子を抽出し、かつ目標物撮像時における前記欠陥素子の画素データを他の素子の画素データで置換する撮像装置において、
    均一レベルの基準となる画像を一次元配列のアレ−状読取素子のスキャン方向に複数点読み取った読取データに基づき各素子につき実効ノイズ、P−Pノイズ、DCノイズの中から選択された複数種のノイズレベルを検出するノイズレベル検出部と、
    前記複数種のノイズレベルにつき夫々に設けた大きさの異なる複数の閾値と、
    前記検出した各ノイズレベルが各対応する闇値を越える欠陥素子数を一次元配列のアレー状読取素子の全素子につき夫々にカウントすると共に、得られた各カウント値の比較により最小のカウント値に対応するノイズレベル種を抽出する最小ノイズ種検出部と、
    前記複数種のノイズレベルにつき夫々に最も緩い閾値を選択し、かつ前記検出した何れかのノイズレベルが対応する閾値を越える欠陥素子数を一次元配列のアレー状読取素子の全素子につきカウントすると共に、得られた欠陥素子数が所定数以上となるまで、その都度、前記最小ノイズ種検出部が検出したノイズレベル種の閾値の選択を厳しい方に切り替える閾値制御部とを備えることを特徴とする撮像装置。
  7. 前記閾値を、検出された各素子の実効ノイズ、P−Pノイズ、DCノイズのノイズレベルにつき夫々求めた全素子の平均値に所定の係数を乗算して夫々生成する閾値生成部を備えることを特徴とする請求項3乃至6の何れか1に記載の撮像装置。
  8. 1又は2種以上のノイズレベルにつき夫々に大きさの異なる複数の閾値を設ける代わりに、1又は2種以上のノイズレベルにつき夫々に設けた大きさの異なる複数の係数と、1又は2種以上のノイズレベルにつき検出された各素子のノイズレベルにつき夫々に全素子の平均値を求め、得られた各平均値に選択された係数を乗算して閾値を生成する閾値生成部とを備え、
    閾値制御部は閾値を選択する代わりに係数を選択することを特徴とする請求項3乃至6の何れか1に記載の撮像装置。
  9. 感度補正のための感度一定化処理により、読取素子毎の補正データを生成する感度補正部をさらに有し、
    前記基準となる画像の各素子の読取データを前記素子毎の所定の補正データで補正する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  10. 感度補正のための感度一定化処理により、読取素子毎の補正データを生成する感度補正部をさらに有し、
    各素子につき検出した欠陥素子抽出のための信号レベルを前記素子毎の所定の補正データで補正することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  11. 一次元配列のアレー状読取素子による基準となる画像の読取データに基づき欠陥素子を抽出し、かつ目標物撮像時における前記欠陥素子の画素データを他の素子の画素データで置換する撮像装置において、
    均一レベルの基準となる画像を一次元配列のアレー状読取素子のスキャン方向に複数点読み取り、前記一次元配列アレー状読取素子による前記基準となる画像の読み取りが以前にも行われている場合に、以前に読み取りを行った読取データに関して素子毎の各平均値から全素子についての平均値を差し引いた今回読み取りを行った前記均一レベルの基準となる画像の読取データに関する素子毎の各平均値から全素子についての平均値を差し引いたとの差分が所定閾値を越える素子を欠陥素子と判定することを特徴とする撮像装置。
  12. 一次元配列のアレー状読取素子による基準となる画像の読取データに基づき欠陥素子を抽出し、かつ目標物撮像時における前記欠陥素子の画素データを他の素子の画素データで置換する撮像装置において、
    均一レベルの基準となる画像を一次元配列のアレー状読取素子のスキャン方向に複数点読み取り、読み取ったデータの中から、各素子に最大値からp番目までの最大グループ及び最小値からq番目までの最小グループの各読取データを抽出すると共に、前記最大グループの内の所定の読取データと前記最小グループの内の所定の読取データとの差分が所定閾値を越える素子を欠陥素子と判定することを特徴とする撮像装置。
  13. 一次元配列のアレー状読取素子による基準となる画像の読取データに基づき欠陥素子を抽出し、かつ目標物撮像時における前記欠陥素子の画素データを他の素子の画素データで置換する撮像装置において、
    均一レベルの基準となる画像を一次元配列のアレー状読取素子のスキャン方向に複数点読み取り、読み取ったデータの中から、各素子に最大値からp番目までの最大グループ及び最小値からq番目までの最小グループの各読取データを抽出すると共に、前記最大グループの各読取データの平均値と前記最小グループの各読取データの平均値との差分が所定閾値を越える素子を欠陥素子と判定することを特徴とする撮像装置。
  14. 目標物を一次元配列のアレ一状読取素子のスキャン方向に複数点読み取った読取データに関して、一次元配列のアレー状読取素子の素子配列方向及び又はこれと所定角をなす方向につき連続した均一レベルの読取データ列を複数検出した場合にこれらを基準となる画像の読取データとして欠陥素子抽出に利用することを特徴とする請求項1乃至10、12及び13の何れか1に記載の撮像装置。
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