JP3882880B2 - 壁掛け式便器取付フレーム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トイレルームに設置される腰掛け式便器に係り、特に便器の高さや水平方向の位置を調節して施工可能な壁掛け式便器ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
実公告昭55−20872にパネルの背面側に床に固定したフレームを臨ませ、このフレームに対してパネル前面側に便器を取付けることが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの便器ユニットは、高さや水平方向の位置の調整機構を持たず、床面や壁面の施工精度が悪い場合には、便器を正規の位置、高さに取り付けることができなかった。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、高さや水平の調整が容易にできる施工性に優れた壁掛け式便器取付フレーを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、起立部と床に固定される底部とからなるフレームと、前記起立部に固定されると共に便器の上部が固定されて便器の重さを支える便器取付部材と、便器の下部に当接して便器の水平を調整する支持材とを備える壁掛け式便器取付フレームであって、便器の上部はボルトを介して且つ間隔をおいて便器取付部材に固定され、支持材の長さが可変であることを特徴とする。
ボルトを介して且つ間隔をおいて便器の上部を便器取付部材に固定し、便器の下部に当接して便器の水平を調整する支持材の長さを変えることにより、前記フレームの取付け位置や、便器と前記フレームとの間に入る便器取付け部の壁材の仕上り位置に施工誤差が生じても、前記壁材の仕上り位置に合わせて便器が施工可能な便器ユニットを提供できる。
【0006】
請求項2の発明は、便器取付部材が有するナットと前記ナットに係合する回転自在ボルトとからなる高さ調整部を備えることを特徴とする。
便器取付部材の高さを調整可能としたので、床の仕上げ厚が変わっても便器の高さを一定に保てる壁掛け式便器取付けフレームが提供できる。
【0007】
請求項3の発明は、前記回転自在ボルトが前記フレームの起立部の上端部に取り付けられていることを特徴とする。
またこのとき、ナットを前記便器取付け部材に動かないように固定しておけば、ボルトを回す作業が更に容易になる。
【0008】
請求項4の発明は、前記回転自在ボルトの下端部が前記フレームの底部上面部に当接していることを特徴とする。
本発明では、前記フレームにボルト用の穴を空けなくてすみ、前記フレームの下部上面にボルトを当接させるだけでよいので、構成が単純となる。また、回転自在のボルトの下端部をフレームの下部上面に当接させるので、高さ調整の際に回転自在ボルトを回転させても床を傷つけることがない。
【0009】
請求項5の発明は、前記支持材が、中央に穴を有する複数の平板と、前記平板中央の穴より小さいネジ部と前記平板中央の穴より大きい先端部を持つ棒材とからなり、前記棒材を前記平板中央の穴に通して前記便器取付け部材に固定することを特徴とする。
複数の平板を組み合せることにより長さを自由に調整でき、また、棒材で平板を挟み込むため、万一施工後に棒材のネジ部が回ってしまって長さが短くなってしまう心配がない。
【0010】
請求項6の発明は、前記平板の先端部に前記棒材の先端部を収容可能なテーパー状又は階段状の窪みを設け、前記棒材の先端部が、前記壁掛け式便器に当接する平板の先端部より引っ込んでいることを特徴とする。
棒材の先端が、便器に当接する平板より引っ込んでいることにより、便器の荷重を平板で確実に受けることができる。
【0011】
請求項7の発明は、前記便器取付部材が、前記便器上部固定部材と前記支持材固定部材の2つの部材からなることを特徴とする。
便器取付部材が、便器上部固定部材と支持材固定部材の2つの部材としたので、便器の種類により取付け間隔が変わっても、それぞれの便器に対応できる。
【0012】
請求項8の発明は、前記便器上部固定部材と前記支持材固定部材が所定の間隔となるようつなぎ材で固定され、前記つなぎ材と前記便器上部固定部材又は前記支持材固定部材の固定位置を変えることにより、前記便器の上部固定位置と前記支持材の固定位置の間隔を可変とすることを特徴とする。
便器の種類に合ったつなぎ材で2つの部材の間隔を固定することにより、作業性がより良くなる。また、前記つなぎ材と前記便器上部固定部材又は前記支持材固定部材の固定位置を変えることにより、1種類のつなぎ材で複数の種類の便器に合わせることができる。
【0013】
請求項9の発明は、前記支持材固定部材の前記支持材の固定位置が偏芯して設けられ、前記支持材固定部材を上下逆にすることにより前記便器の上部固定位置と前記支持材の固定位置の間隔を可変とすることを特徴とする。
支持材固定部材を上下逆にすることにより、便器の上部固定位置と支持材の固定位置の間隔が長・短の2種となるので、2種類の間隔の便器に合わせることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な一実施例を以下に示す。
図1は本発明の便器取付フレームの一実施例を示す。フレーム1は、起立部1aと底部1bとから構成される。ここで、フレーム1は左右に設けられているが一体としてもかまわない。便器取付部材2は、2本の水平部材と水平部材を繋ぐ2本の垂直部材から構成されている。水平部材の内、上の水平部材の上面にナット4aを有している。ここで、ナット4aは溶接等により水平部材に固定されている。上の水平部材の下面にナットを設ける場合は、固定してもまた固定しなくともよい。
回転自在ボルト4bはヘッド部分を起立部1a上端に掛け、ネジ部をナット4aに係合させている。ナット4aと回転自在ボルト4bとで高さ調整部4を構成している。便器取付部材2は、ナット4aに係合する回転自在ボルト4bにより高さが決められて後に、起立部1aにボルト等(図示せず)により固定される。便器取付部材2の下の水平部材には、便器下部を支える支持材5を備える。
【0015】
高さの調整は、回転自在ボルト4bを回すことによりできる。本発明では高さ調整のためのボルトを回転自在としたので調整作業が容易である。高さ調整の例を示すと、便器固定ボルト12に便器3を取付け、当初便器を高めにしておき、回転自在ボルト4bを便器3を下げる方向に回す方法が、便器3の重みで下がりやすいので調整がしやすい。また、便器3を取付けなくても、便器取付部材2の高さと便器3の高さの差を予め求めておけば、床からの便器取付部材2の高さを決めることで調整できる。
【0016】
図2は、フレーム1に便器取付ボルト12を介して便器3を固定した状態を示す。便器3はフレーム1の前面から間隔を置いて固定される。この間隔には化粧板(図示せず)が入りフレーム1を隠蔽する。間隔が化粧板の厚みより十分広いので、フレーム1を床に固定する際に多少ズレが生じても便器3を化粧板に合わせることができる。便器3の下部は支持材5により支えられる。
【0017】
図3は、本発明の請求項4の実施例を示す。便器取付部材2下部に取付けられ、フレーム1の底部1b上面に当接させた回転自在ボルト4を回転させ、便器3の高さを調整する。本発明では、高さ調整部をフレーム1の底部1bに設けたので、フレーム1自体の高さを低くすることができる。また、回転自在ボルト4bの下端部をフレーム1の底部1b上面に当接させるので、高さ調整の際に回転自在ボルト4bを回転させても床を傷つけることがない。
【0018】
図4に便器3の下部の荷重を受ける支持材5の実施例を示す。支持材5は、中央に穴を有する複数の平板6と棒材7とから構成される。棒材7は、平板6の中央の穴より小さいネジ部と平板6の中央の穴より大きい棒材先端部8とからなる。支持材5は、棒材7のネジ部を平板6中央の穴に通して便器取付部材2に固定されている。このため、複数の平板6を組み合せることにより長さを自由に調整できるとともに、棒材7で平板6を挟み込むため、万一施工後に棒材のネジ部が回ってしまって長さが短くなってしまう心配がない。
【0019】
図5に支持材5の別の実施例を示す。平板6の先端部に棒材7の先端部を収容可能なテーパー状の窪みを設けている。棒材7の棒材先端部8もテーパー状とし、平板6の中央の穴に通して便器取付部材2に固定すると、棒材先端部8の先端部が平板6内に入り、平板6直接便器3に当接するようになる。そのため、便器3の荷重を平板6で確実に受けることができる。
【0020】
図6に請求項7に記載の発明の実施例を示す。図6において、便器取付部材2は便器上部固定部材9と支持材固定部材10の2つの部材とした。本発明では、便器自体の高さが異なる様々な便器に対応できる。高さの調整にあたっては、便器上部固定部材9の高さを調整しフレーム1に固定し、次いで便器の高さに合わせて、支持材固定部材10の位置調整しフレーム1に固定する。
【0021】
図7に請求項8,9の発明を示す。図7では、便器上部固定部材9と支持材固定部材10がつなぎ材11でつないでいる。便器の種類に応じて便器上部固定部材9と支持材固定部材10の間隔が所定の間隔となるように、つなぎ材11を変える。また、長いつなぎ材を用意し所定位置に複数の固定穴(図示せず)を設けておくことによって、1種類のつなぎ材11で複数の種類の壁掛け式大便器に合わせることができる。つなぎ材11で便器上部固定部材9と支持材固定部材10をつなぐことによって、高さ調整が一度ですむ。
【0022】
さらに支持材固定部材10の支持材5の支持材固定位置13を偏芯して設けたため、便器上部固定部材9と支持材固定部材10が1種類のつなぎ材11で固定される場合であっても、支持材固定部材10を上下逆にすることにより、高さが異なる2種類の便器に合わせることができる。ここで、図7Aは支持材固定部材10を支持材固定位置13が上になるように取付けた図であり、図7Bは支持材固定部材10を支持材固定位置13が下になるように取付けた図である。
【0023】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
フレームと、ナットを有する便器取付部材と、回転自在ボルトと、便器の下部を支える支持材とを有する便器取付フレームに、ナットと回転自在のボルトからなる高さ調整部を備えることとしたので、床の仕上げ厚が変わっても便器の高さを一定に保て、さらに、支持材長さを可変としたので水平方向の調整ができる便器取付フレームが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好適な一実施例示す斜視図
【図2】 本発明のフレームに便器を取付け状態を示す図
【図3】 本発明の請求項3に記載の内容を示す図
【図4】 本発明の請求項5に記載の内容を示す図
【図5】 本発明の請求項6に記載の内容を示す図
【図6】 本発明の請求項7に記載の内容を示す図
【図7】 本発明の請求項8,9に記載の内容を示す図
【符号の説明】
1…フレーム、1a…起立部、1b…底部、
2…便器取付部材、3…便器、
4…高さ調整部、4a…ナット、4b…回転自在ボルト、
5…支持材、6…平板、7…棒材、
8…棒材先端部、9…便器上部固定部材、10…支持材固定部材、
11…つなぎ材、12…便器取付けボルト、13…支持材固定位置
Claims (9)
- 起立部と床に固定される底部とからなるフレームと、前記起立部に固定されると共に便器の上部が固定されて便器の重さを支える便器取付部材と、便器の下部に当接して便器の水平を調整する支持材とを備える壁掛け式便器取付フレームであって、便器の上部はボルトを介して且つ間隔をおいて便器取付部材に固定され、支持材の長さが可変であることを特徴とする壁掛け式便器取付フレーム。
- 便器取付部材が有するナットと当該ナットに係合する回転自在ボルトとからなる高さ調整部を備えることを特徴とする請求項1に記載の壁掛け式便器取付フレーム。
- 前記回転自在ボルトが前記フレームの起立部の上端部に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の壁掛け式便器取付フレーム。
- 前記回転自在ボルトの下端部が前記フレームの底部上面部に当接していることを特徴とする請求項2に記載の壁掛け式便器取付フレーム。
- 前記支持材が、中央に孔を有する複数の平板と、前記平板中央の穴よりも小さいネジ部と前記平板中央の穴よりも大きい先端部をもつ棒材とからなり、前記棒材を前記平板中央の穴に通して前記便器取付部材に固定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の壁掛け式便器取付フレーム。
- 前記平板の先端部に前記棒材の先端部を収容可能なテーパ状又は階段状の窪みを設け、前記棒材の先端部が、前記便器に当接する前記平板の先端部より引っ込んでいることを特徴とする請求項5に記載の壁掛け式便器取付フレーム。
- 前記便器取付部材が、便器の上部を固定する便器上部固定部材と前記支持材を固定する支持材固定部材の2つの部材からなることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の壁掛け式便器取付フレーム。
- 前記便器上部固定部材と前記支持材固定部材が所定の間隔となるようつなぎ材で固定され、前記つなぎ材と前記便器上部固定部材又は前記支持材固定部材の固定位置を変えることにより、前記便器の上部固定位置と前記支持材の固定位置の間隔を可変とすることを特徴とする請求項7に記載の壁掛け式便器取付フレーム。
- 前記支持材固定部材の前記支持材の固定位置が偏芯して設けられ、前記支持材固定部材を上下逆にすることにより前記便器の上部固定位置と前記支持材の固定位置の間隔を可変とすることを特徴とする請求項7に記載の壁掛け式便器取付フレーム。
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