JP3882535B2 - 機関非作動時の内燃機関作動特性制御方法 - Google Patents

機関非作動時の内燃機関作動特性制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の作動特性を制御する方法に係り、特に機関の非作動時にその作動特性を変更するよう内燃機関の作動特性を制御する方法に係る。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の運転に於いて、機関暖機後の通常運転時には吸気圧縮比を比較的低くして機関を低振動且つ高燃費にて運転し、機関暖機前の機関冷温時、特に機関冷温でのクランキング時には吸気圧縮比を高めて機関の始動性をよくする如く、機関の作動特性を随時変更制御することが従来より知られている。かかる吸気圧縮比等の内燃機関作動特性の変更は、機関の運転中にも行なわれるが、特に機関の始動性向上のための作動特性の変更は、機関のクランキングに先立つ機関の非作動時に機関作動特性変更手段を作動させることにより行なわれる。
【0003】
機関の始動特性に関係するピストン式内燃機関の吸気圧縮比の変更は、弁開閉タイミング制御装置により吸気弁が閉じる位相を前後に偏倚させること、吸気行程より圧縮行程に移行する間の適宜の位相を選んで排気弁を一時開弁させること、吸排気弁駆動用カムを3次元カムとしてそのリフトを適宜調節すること、ピストンロッドとクランク軸或はピストンロッドとピストンの間の連結部に調節可能な偏心軸受を設けること等、種々の方法により可能である。
【0004】
その一例として、吸気弁の閉じ位相を前後に偏倚させることにより吸気圧縮比を変更する装置の例が、本件出願人と同一人の出願になる特開2000−320356号公報に開示されている。この構造による吸気圧縮比の変更は、吸気弁開閉タイミング制御装置による吸気弁の開閉位相をクランク軸の回転位相に対し図1に示す如く可変に制御し、特にその閉じ位相をピストンの往復動位相に対し相対的に進めたり遅らせたりすることにより、吸気弁が閉じられる瞬間にシリンダ室内に装填される吸気の量を増減して吸気の圧縮比を可変に制御するものである。4サイクルエンジンに於ける吸気弁閉じ位相は、従来一般に下死点以後(After Bottom Dead Center、略してABDC)で測って70°近辺にあるが、これが吸気弁開閉タイミング制御装置により110〜120°程度まで更に大きくされる(遅らされる)と、吸気弁が閉じる時点にてシリンダ室内に捕捉される吸気の量が少なくなることにより吸気圧縮比が下がる。かかる吸気弁開閉タイミング制御装置による吸気弁閉じ位相の変更により、圧縮行程終了時に於ける筒内圧は、図2に例示する如く大きく変化する。
【0005】
またその構造は、図3〜5はに示す如きものであり、このうち図4および5は図3における断面A-Aを2つの作動態様にて示す図である。図3に於いて、eは内燃機関であり、そのクランク軸cに電動機と発電機の両機能を備えた第一および第二の電動発電機(モータ・ジェネレータ)mg1およびmg2が遊星歯車式のトルク分配装置pを介して駆動連結されており、また、かかる内燃機関と電動発電機よりなる原動回生装置に対し、一対の車輪wが、車軸s、差動歯車d、変速機tを経て電動発電機mg1の回転軸の部分にて駆動連結されている。電動発電機mg1およびmg2はインバータiを介して蓄電装置bと電気的に接続され、車輌の運行状態に応じて電動機または発電機として作動するようになっている。
【0006】
10にて全体的に示されている部分が上記の吸気弁開閉タイミング制御装置であり、後述の通り吸気圧縮比の観点からみれば吸気圧縮比制御手段である。この吸気弁開閉タイミング制御装置は、内燃機関のクランク軸より無端ベルト12を経てクランク軸に同期して回転駆動される歯車14と、吸気弁作動カム16を担持する吸気弁カム軸18との間に作用する、ロータリアクチュエータの構造を有している。
【0007】
歯車14には4本のボルト20によって内歯スプライン状の環状部材22と、環状の端板24とが組み合わされて、4つの内向きの放射状隔壁部26を備えた作動室空間が郭定されている。そしてこの作動室空間内には、ボルト28によりカム軸18の一端に固定されたロータ30が設けられている。このロータ30はその中心のハブ部の周りに4つの羽根部32を有するものであり、各羽根部は、その周方向両側に位置する一対の郭壁部26の間に形成された扇形室34内にて、図4に示されている如き回動位置と、図5に示されている如き回動位置との間で、歯車14、環状部材22、端板24とからなるハウジングに対し、相対的に回動し得るようになっている。
【0008】
同ハウジングは、クランク軸の正回転に伴って、無端ベルト12により歯車14の部分にて図4および5において矢印にて示されている如く時計廻り方向に駆動されるので、図4に示されている状態では、カム軸18はクランク軸に対し最も位相を遅らされた状態にあり、図5に示されている状態では、逆にカム軸18はクランク軸に対し最も位相を進められた状態にある。
【0009】
羽根部32の一つには段付きシリンダ孔36が設けられており、該段付きシリンダ孔内にはその大径部に大径のヘッド部38にてピストン式に係合したロックピン40がはめ込まれている。ロックピン40の小径部42は段付きシリンダ孔36の小径部に係合し、それに沿って摺動するよう案内されている。そしてこの小径部42は、カム軸18がクランク軸に対して最も進角されたとき、即ちロータ30の羽根部32が環状部材22に対し図5に示されている回動位置に来たとき、歯車14の対応する個所に設けられた窪み孔44内に嵌入し得るようになっている。ロックピン40は圧縮コイルばね46により窪み孔44へ向けて付勢されており、段付きシリンダ孔36の大径部内にロックピン40のヘッド部38との間に形成された環状の作動室(符号36の引出し位置)内に後述の要領にて油圧が供給されていないときには、ロータ30が環状部材22に対し図5に示されている如き最進角位置に来たとき、ロックピン40は圧縮コイルばね46のばね力によりその小径部42の端部が窪み孔44内へ落とし込まれ、クランク軸に対するカム軸18の相対的回動位置関係を最進角位置に係止するようになっている。
【0010】
環状部材22の4つの郭壁部26の隣接するものどうしの間に形成された作動室34の各々に対しては、その内部に配置されたロータ30の羽根部32に対しこれを環状部材22に対し図4または5でみて反時計廻り方向へ駆動する油圧を供給する第一のポート48と、逆に羽根部32を環状部材22に対し図4または5でみて時計廻り方向へ駆動する油圧を供給する第二のポート50とが開口している。第一のポート48は環状の油路52に連通しておリ、第二のポート50は環状の油路54に連通している。油路52は更に段付きシリンダ孔36の上記の環状作動室(符号36の引出し位置)にも連通している。環状溝52はカム軸18の端部内に形成された油路56を経て内燃機関のシリンダヘッド部に形成されたカム軸18のための軸受部58に形成された環状油路60に連通している。一方、環状油路54は同じくカム軸18の端部内に形成された油路61、62を経て軸受部58に形成された環状油路64に連通している。環状油路60はポート66およびそれに接続された油路68を経て電磁作動の油圧切換弁70の第一のポート72に接続されており、一方、環状油路64はポート74より油路76を経て電磁式切換弁の第二のポート78に接続されている。
【0011】
電磁式油圧切換弁70は、上記のポート72および78に加えて、油圧ポンプ80よりその吐出油圧を受ける油圧ポート82と、第一のポート72を選択的に油溜84へ向けて逃がす第一のドレンポート86と、第二のポート78を選択的に油溜84へ向けて逃がす第二のドレンポート88とを有する弁ハウジング90と、該弁ハウジング内にソレノイド92と圧縮コイルばね94との作用の下に往復動して上記の各ポート間の連通を制御する弁スプール96とを有している。
【0012】
ソレノイド92は、コンピュータを組み込んだ車輌運転制御装置(ECU)98からの指令信号によりその作動を制御される。ソレノイド92が通電されていないときには、弁スプール96は圧縮コイルばね94の作用により図示の如く右方へ一杯に変位した位置にあり、このとき第二のポート78は油圧ポート82に連通され、第一のポート72は第一のドレンポート86へ連通される。従って、かかる状態にてポンプ80が作動されると、油路76を経て供給された油圧はポート74より環状油路64を経て油路62へ供給され、これより油路61を経て環状油路54へ供給され、更にポート50を経て作動室34へ供給される。従って、このときにはロータ30の羽根部32は環状部材22に対し図4または5で見て時計廻り方向へ駆動され、吸気弁閉じ位相は進角される。尚、かかる進角方向の駆動が終端に達すると、ロックピン40は窪み孔44に整合し、ロックピンは圧縮コイルばね46の作用により図3でみて右方へ駆動され、その小径端42が窪み孔44内に嵌入し、カム軸18はクランク軸に対し最進角位置にロックされることになるが、機関始動時には油圧ポンプ80の吐出油圧は未だ立ち上がっていないので、油圧によるかかる最進角位置への進角は機関始動時には生じない。
【0013】
これに対しソレノイド92が連続的に通電されると、弁スプール96は圧縮コイルばね94の作用に抗して図3で見て左方へ一杯に駆動される。このときには第一のポート72が油圧ポート82に連通し、第二のポート78は第二のドレンポート88に連通する。弁スプール96がかかる位置にあるとき、油圧ポンプ80が作動されると、それが発生する油圧は、油路68を経てポート66より環状油路60へ供給され、これより油路56および環状油路52を経てポート48より作動室34へ供給されると同時に、段付きシリンダ孔36の上記環状作動室へも供給される。従って、このときにはロックピン40は圧縮コイルばね46の作用に抗して図3に示されている位置へ駆動され、その小径端部42が窪み孔44に嵌入していたときには、その嵌入が解除されるとともに、ロータ30の羽根部30は環状部材22に対し図4または図5でみて反時計廻り方向へ駆動され、カム軸18はクランク軸に対し遅角方向へ変位される。
【0014】
ソレノイド92への通電がオンオフパルス通電として制御されるときには、弁スプール96はパルス電流のデューティ比に応じて上記の2つの極端位置の間の任意の中間位置に設定され、それに応じてロータ30の羽根部32の両側に作用する油圧の大きさが相対的に平衡制御され、クランク軸に対するカム軸18の相対的角度位置は、最進角位置と最遅角位置の間の任意の中間位置に設定される。
【0015】
車輌運転制御装置(ECU)98には、図には示されていない車輌のキースイッチよりそれがオンとされたか否か、さらにそれが機関のクランキングを行なうクランキング位置まで回動されたか否かを表す信号Sk、アクセルペダルの踏込み量を表す信号Da、車速を表す信号Ve、機関回転数を表す信号Ne、機関温度を表す信号Te、クランク角度を示す信号Acr等が供給され、車輌自動制御装置98はこれらの入力信号に基づいて所定の制御プログラムによる制御演算を行い、その一環としてソレノイド92の作動を上記の要領にて制御し、ピストンの往復動に対する吸気弁の開閉タイミングを制御する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
現今燃料資源の節約と環境保全の必要から注目されてきている信号待ち等の車輌一時停止時に内燃機関を停止させるエコラン車や内燃機関による駆動と電動機による駆動とを適宜織り交ぜて行うハイブリッド車に吸気圧縮比変更手段が設けられ、車輌運行開始時の機関冷温始動時と車輌運行途中の機関一時停止に伴う機関再始動時とで、吸気圧縮比を異ならせたクランキング始動が行なえるようにすれば、車輌運行開始時の機関の冷温始動時には吸気圧縮比を高めて機関を始動し、機関暖機後に頻繁に生ずる機関暖機状態での機関一時停止後の再始動を低吸気圧縮比による静粛なクランキングとすることができる。
【0017】
この場合、上記の図3〜5に示した例では、機関の一時停止後の機関再始動は図4に示された状態からそのままクランキングが行なわれればよいが、機関が冷えた状態にある車輌運行開始時の機関始動に当っては、吸気弁開閉タイミング制御装置は図4に示された状態から図5に示された状態に切り換えられなければならい。しかし機関始動前の機関非作動時には未だ油圧ポンプ80の油圧に基づく吸気弁開閉タイミング制御装置の進角制御は得られないので、クランキングに先立ってクランキング用の電動機(図3の例では電動発電機4)を一先ず逆転方向に作動させ、歯車14、環状部材22、環状端板24よりなるハウジング部材を停止しているロータ30に対し遅れ方向に回動させることにより、該ロータを該ハウジングに対し進み方向に相対的に回動させ、ロックピン40の小径端42を窪み孔44内に落とし込ませて、吸気弁開閉タイミング制御装置を最進角位置に機械的にロックする操作が行なわれる。
【0018】
この場合、図3〜5に示す実施例に於ける如く、ロータ30が環状部材22に対し相対的に進み方向に一杯に回動されるとロックピン40が窪み孔44に整合するようになっていれば、電動機による歯車14、環状部材22、環状端板24よりなるハウジング部材の逆転駆動は、ロータ30が環状部材22に対し少なくとも進み方向一杯の相対位置に達するまで行なわれさえすれば、それ以上に行なわれてもよく、ただそれ以上に逆転駆動が行なわれるときには、カム軸が歯車14、環状部材22、環状端板24よりなるハウジング部材と一体となって逆転方向に駆動されるだけである。しかし、そのような余分なハウジング部材およびカム軸の逆転駆動は、それだけクランキングの開始を遅らせ、また蓄電装置の無駄な使用を招く。しかし、一方、ハウジング部材の逆転駆動を不用意に節約すると、ロックピン40が窪み孔44に整合するに至らず、吸気弁開閉タイミング制御装置の進角ロックが達成されなくなる虞れがある。
【0019】
このように内燃機関の作動特性を機関の非作動時に変更せんとするとき、該作動特性変更のための作動手段の作動量が大きければ、機関作動特性の変更は確かに得られるが、それが大き過ぎれば機関作動特性の変更により長い時間を要し、機関始動の敏捷性が損なわれ、かといって作動手段の作動量が不足すれば、機関作動特性の所定の変更が得られなくなるという問題は、上記の吸気弁開閉タイミング制御装置の例に限らず、吸気行程より圧縮行程に移行する間の適宜の位相を選んで排気弁を一時開弁させることにより吸気圧縮比を変更する場合、吸排気弁駆動用カムを3次元カムとしてそのリフトを適宜調節することにより吸気圧縮比を変更する場合、ピストンロッドとクランク軸或はピストンロッドとピストンの間の連結部に調節可能な偏心軸受を設けることにより吸気圧縮比を変更する場合等にも起こり得る。
【0020】
本発明は、機関非作動時の内燃機関の機関作動特性の変更に関する上記の問題に鑑み、この点に関し改良された内燃機関作動特性制御方法を提供することを課題としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するものとして、本発明は、内燃機関の作動特性を変更すべく機関作動特性変更手段の作動位置を該機関の非作動時に所定の作動位置に変更する内燃機関作動特性制御方法にして、該機関作動特性変更手段に対する駆動力の制御により該機関作動特性変更手段を前記所定作動位置まで変位させることを特徴とする内燃機関作動特性制御方法を提供するものである。
【0022】
前記機関作動特性変更手段に対する駆動力の制御は、少なくとも該手段に対する駆動力の強さを制御すること、または少なくとも該手段に対する駆動力の作用時間を制御することにより行なわれてよい。
【0023】
或はまた、前記機関作動特性変更手段に対する駆動力の制御は、該機関作動特性変更手段の変位速度を時間の経過に対し所定のスケジュールに沿って変化させること、或は該機関作動特性変更手段の変位を時間の経過に対し所定のスケジュールに沿って変化させることを含んでいてよい。
【0024】
また、前記機関作動特性変更手段が前記所定作動位置まで変位したとき、その変位をロック手段によりロックするようにしてよい。
【0025】
更に詳細には、前記機関作動特性の変更は、吸気圧縮比を増大させることとされてもよい。この場合、吸気圧縮比の増大は、特に吸気弁の閉じ位相を進角させることにより行なわれてよく、更に吸気弁閉じ位相進角は、クランク軸の側から吸気弁開閉カム軸の側へ回転を伝達する回転伝達系の途中に組み込まれた吸気弁開閉タイミング制御装置を該吸気弁開閉カム軸の側から該クランク軸の側へ向けて逆転駆動することにより行なわれてよい。また、前記吸気弁開閉タイミング制御装置の逆転駆動は、機関温度に基づいて少なくとも逆転駆動トルクの大きさまたは逆転駆動時間を制御することにより行なわれてよく、或は、逆転駆動の速度を時間の経過に対し所定のスケジュールに沿って変化させること、または逆転駆動の変位を時間の経過に対し所定のスケジュールに沿って変化させることにより行なわれてもよい。
【0026】
また、いづれの場合にも、逆転駆動トルクの大きさは、逆転駆動の終端にて駆動速度が零となるよう修正制御されてよい。
【0027】
更にまた、逆転駆動が終端に達した後、暫時、吸気弁開閉タイミング制御装置は逆転方向にも正転方向にも駆動されないようにしてよい。
【0028】
【発明の作用及び効果】
上記の如く内燃機関の作動特性を変更すべく機関作動特性変更手段の作動位置を該機関の非作動時に所定の作動位置に変更するとき、該機関作動特性変更手段に対する駆動力の制御により該機関作動特性変更手段を前記所定作動位置まで変位させれば、機関作動特性の変更を無駄のない機関作動特性変更手段の駆動により確実に達成することができる。即ち、今これを上記の図3〜5に示した例で見ると、上記の如く機関作動特性変更手段に対する駆動力の制御により該機関作動特性変更手段を前記所定作動位置まで変位させるとは、歯車14の逆転駆動を、隔壁部26が図にて反時計廻り方向に回転され、静止しているロータの羽根部32に丁度接合するまでとすることである。これに対し、かかる制御がなく、ロックピン40の先端を窪み孔44内へ落とし込むための両者の整合が隔壁部26とロータ羽根部32の間の接触による位置決めに頼って行なわれるときには、そのための両者の整合を確保しようとすれば、歯車14の逆転駆動を大き目とせざるを得ず、そのため隔壁部26が羽根部32に接触した後にも両者が一体となって逆転方向に回転され、それだけ機関作動特性の変更に要する時間および装置駆動用電力消費は増大する。
【0029】
上記の図3〜5に例示した如く弁開閉タイミング制御装置に於いて、歯車14、環状部材22、環状端板24よりなるハウジング部材が電動機により逆転駆動されるとき、ロータ30には回転に対しかなり大きな摩擦力が作用しているので、該ロータが該ハウジング部材の回転につられて回転するようなことは生じない。このように機関作動特性変更のための作動装置の作動位置変更に当って被駆動側が駆動側に単に両者間の摩擦によっては連れ回りしないことは、吸気圧縮比の変更を、吸気行程より圧縮行程に移行する間の適宜の位相を選んで排気弁を一時開弁させること、吸排気弁駆動用カムを3次元カムとしてそのリフトを適宜調節すること、ピストンロッドとクランク軸或はピストンロッドとピストンの間の連結部に調節可能な偏心軸受を設けること等にて行なう場合にも同様である。従って、この場合、上記ハウジング部材の逆転駆動の如き機関作動特性変更手段に於ける一方の作動部材を他方の作動部材に対し変位させる駆動力を該変位が丁度所定の変位になるよう制御すれば、他に何の塞止め手段や制動手段を要することなく、機関作動特性変更手段の作動状態を所定の作動位置まで直行的に変位させることができる。
【0030】
上記の機関作動特性変更手段に対する駆動力の制御は、少なくとも該手段に対する駆動力の強さまたは少なくとも該作動手段に対する駆動力の作用時間を制御すること、或は機関作動特性変更手段の変位速度または変位を時間の経過に対し所定のスケジュールに沿って変化させることにより可能である。また、機関作動特性変更手段が所定作動位置まで変位したとき、その変位をロック手段によりロックするようにすれば、作動手段を極く短時間だけ作動させることにより得られた制御結果をその後安定して維持することができる。
【0031】
機関非作動時に行なわれる機関作動特性の変更が、特にクランキングに先立って吸気圧縮比を増大させることであるときには、機関の冷温始動時にこれを行うことにより、常時は吸気圧縮比を下げて運転され、また車輌運行中の機関一時停止後の機関再始動は吸気圧縮比を下げたままで行なわれるエコラン車やハイブリッド車の低吸気圧縮比での作動性能を確保しつつ、機関冷温時の始動性を高めることができる。
【0032】
吸気圧縮比の増大が、特に吸気弁の閉じ位相を進角させることにより行なわれる場合には、上記の図3〜5に示めされている如き装置を用いることにより、吸気弁閉じ位相進角は、クランク軸の側から吸気弁開閉カム軸の側へ回転を伝達する回転伝達系の途中に組み込まれた吸気弁開閉タイミング制御装置を該吸気弁開閉カム軸の側から該クランク軸の側へ向けて逆転駆動することにより行なわれる。そして、機関温度に基づいて逆転駆動トルクの大きさ或は逆転駆動時間の少なくとも一方を制御すれば、上記の逆転駆動の回転量を丁度所定の回転量となるよう制御することができる。また、逆転駆動の速度を時間の経過に対し所定のスケジュールに沿って変化させ、或は逆転駆動の変位を時間の経過に対し所定のスケジュールに沿って変化させる制御を行なえば、これによっても吸気弁開閉タイミング制御装置を所定角だけ回転させることができる。これらはいづれも逆転駆動の作動手段を丁度所定の作動量とする制御を個々の状況に応じて過不足なく最適化することである。またこの最適化に当って、逆転駆動トルクの大きさが、逆転駆動の終端にて駆動速度が零となるよう修正制御されれば、逆転駆動に要する時間が短くなるよう逆転駆動速度を高めても衝撃を生じない制御を行なうことができる。更に、逆転駆動が終端に達した後、暫時、前記吸気弁開閉タイミング制御装置は逆転方向にも正転方向にも駆動されないようにされれば、上記のロック装置を安定して確実に作動させることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
図6は、本発明による内燃機関作動特性制御方法を組み込んだ機関始動要領の基本的な一つの実施例を示すフローチャートである。尚、ここでは本発明を図3〜5に示した吸気弁開閉タイミング制御装置に於いて実施するものとして説明する。かかるフローチャートによる機関の始動制御作動は、図3に98として示されている車輌運転制御装置が信号Skとして示されているキースイッチの作動を表す信号により車輌の運転開始を指令されたときから開始される。
【0034】
制御が開始されると、ステップ10にて、制御に関連する各種データの読込みが行われる。この読込みデータの中には、図3に示されているキースイッチの作動を表す信号Sk、アクセルペダルの踏込み量を表す信号Da、車速を表す信号Ve、機関回転数を表す信号Ne、機関温度を表す信号Te、クランク角を表す信号Acr等が含まれている。そして、これらの読み込まれたデータに基づき、次のステップ20にて、機関が冷温状態にあってその始動が求められているか否かが判断される。この場合、機関始動が求められているか否かは、車輌の始動時には運転者により操作されるキースイッチの作動を表す信号Skにより判断され、またエコラン車やハイブリッド車に於いて機関が車輌運転制御装置により一時停止された後再始動されるときには、車輌運転制御装置により自動的に判断される。またそのときの機関およびその周辺の温度状態は機関温度を表す信号Teにより判断される。そして答がイエスのときには制御はステップ30へ進む。
【0035】
ステップ30に於いては、フラグF1が1であるか否かが判断される。この種の制御に於いては、F1等のフラグは制御の開始時に全て0にリセットされるものであり、フラグF1は後述のステップ110にて1にセットされるので、制御が初めてここに至ったときには答はノーであり、制御はステップ40へ進む。ステップ40にては、更に他の一つのフラグF2が1であるか否かが判断される。フラグF2は後のステップ60にて1にセットされるので、制御が最初にここに至ったときには、答はノーであり、制御はステップ50へ進む。
【0036】
ステップ50に於いては、機関始動時には、それに先立って機関が停止されたとき、吸気弁開閉タイミング制御装置は図4に示されている如き最遅角状態にもたらされていると推定して(但し、この始めの状態は、かかる推定によらず、実際に検出されてもよい)、そのときの機関温度Teから推定される機関の回転抵抗と吸気弁開閉タイミング制御装置の作動油の粘度に基づく吸気弁開閉タイミング制御装置の回転抵抗とに基づき、そのような回動抵抗の下に、クランキング用電動機によりクランク軸と共に吸気弁開閉タイミング制御装置を図4示されている最遅角状態(或は上記の実測位置)から図5に示されている如き最進角状態へもたらすのに、如何程の電動機逆転駆動トルクの作用にて如何程の時間がかかるかが、車輌運転制御装置98のコンピュータに記憶されている図9および図10の如きマップを参照して算定される。尚、この場合、機関の始動が車輌運行開始時の運転者によるキースイッチの操作によるものであるときには、電動機逆転駆動トルクと所要駆動時間の算定値は、機関温度Teに基づいて一通りに算定されてよいが、更に機関温度条件に加えて、アクセルペダル踏込み量に応じて、それが大きい程電動機逆転駆動トルクは大きく、所要駆動時間は短くなるように修正されてもよい。かかる駆動トルクと所要駆動時間が算定されると、制御はステップ60へ進み、フラグF2が1にセットされる。制御はこれ以後はステップ50を実行済としてバイパスする。
【0037】
ステップ70に於いては、クランキング用電動機(電動発電機4)の逆転駆動が開始され、上のステップ50にて算定された駆動トルクによる電動機の作動が行われる。そしてその作動時間は、以下のステップ80および90にて計測される。即ち、ステップ80にては、車輌運転制御装置を構成するコンピュータの一部に設けられたカウンタのカウント値C1が1だけ増分される。かかるカウント値C1は、制御の最初の開始時に0にリセットされ、また後述のステップ170或いは200にて0にリセットされるものである。
【0038】
次いで制御はステップ90へ進み、カウント値C1が所定のしきい値C10に達したか否かが判断される。このしきい値となるカウント値C10は、ステップ50にて算定された電動機逆転作動の時間に相当するカウント値である。答がイエスになったとき、即ち上記の時間に亙る電動機の逆転作動が行われたときには、制御はステップ100へ進み、ここで電動機の逆転作動は停止される。それまでステップ90に於ける判断結果はノーであり、制御はこれよりステップ10へ戻り、ステップ10〜90を通る制御が続けられる。
【0039】
ステップ100にて電動機の逆転作動が停止されると、制御はステップ110へ進み、ここで上記のフラグF1が1にセットされる。従って、これ以後、ステップ30より制御はステップ40〜110をバイパスしてステップ120に至る。ステップ120にては、機関をクランキングすべく電動機が正転方向に作動される。尚、ステップ20に於ける判断結果がノーのときには、制御はステップ130へ進み、機関が暖機した状態にあって、その始動が求められているか否かが判断される。そして答がイエスのときには、制御はステップ30〜110を経ることなく直ちにステップ120へ進む。ステップ130の答がノーとは、機関の始動が求められていないときであり、このときには制御はそのままステップ10へ戻り、ステップ10、20、130を循環しつつ次の機関始動に備える。
【0040】
ステップ120にて電動機の正転による機関のクランキングが開始されると、制御は次いでステップ140へ進み、ここで上記のコンピュータに組み込まれた他の一つのカウンタのカウント値C2が1ずつ増分される。かかるカウント値C2も、制御の最初の開始時に0にリセットされ、また後述のステップ170或いは200にて0にリセットされるものである。
【0041】
次いでステップ150にて、機関の回転数Neが、機関が正常に始動したことを示す所定のしきい値回転数Neoに達したか否かが判断される。クランキングの当初に於いては当然答は未だノーであり、このとき制御は後述のステップ180へ進むが、そのうち機関が正常に始動されれば、やがてステップ150の答はイエスに転ずるので、これより制御はステップ160へ進み、電動機の正転作動は停止される。そして制御はステップ170へ進み、フラグF1、F2、カウント値C1及びC2が何れも0にリセットされる。これより制御はステップ10へ戻り、データの読込みが続けられる。
【0042】
制御が最初にステップ120に至ったときから開始された機関のクランキング中、制御は当初は上記の通りステップ150よりステップ180へ進み、その答がノーである間、これよりステップ10へ戻ってデータを読み直した後、ステップ30よりステップ40〜110をバイパスして循環する。しかし、もしステップ120にて開始された電動機正転による機関のクランキングにも拘らず、機関回転数Neが機関の正常な始動を示すNeoに達せず、制御がステップ150よりステップ180へ進む経路を通って循環するうちにカウント値C2がある所定のしきい値C20に達する事態が生ずると、制御はこれよりステップ190へ進み、電動機の正転による機関のクランキングが停止される。これはある所定の時間に亙って電動機による機関のクランキングを行っても機関が正常に始動しないとき、電動機によるクランキングを中止するものである。このときには、制御はステップ200にてフラグF1、F2、カウント値C1およびC2をそれぞれ0にリセットした後、更にステップ210にて或る表示をオンにし、ここで制御は終了される。この表示は、機関が始動されるべきところ、何らかの理由により始動が失敗したことを運転者に知らせる表示である。尚、このように表示がオンとなるに至った場合に、機関始動が機関運転制御装置による自動始動であったとき、再度始動操作を行わせるか、またそれを何度まで行わせるか、等の制御態様は、本発明の範囲外の事項である。
【0043】
かくして図6に示す実施例によれば、機関が冷温状態にあって機関を始動すべきとき、クランキングに先立って行なう電動機の逆転作動による吸気弁開閉タイミング制御装置の最進角位置への駆動を、そのときの機関および吸気弁開閉タイミング制御装置の温度状態に基づく回動抵抗に応じて、駆動終端時に衝撃を生ぜず且つ駆動の過不足を来すことなく可及的速やか達成することができる。
【0044】
図7は、図6のフローチャートに示した実施例に比して、そのステップ50〜90に於いて異なる、本発明による内燃機関作動特性制御方法の他の一つの実施例を組み込んだ機関始動要領を示すフローチャートの部分図である。この実施例に於いては、制御が初めてステップ40に至り、その答がノーのときには、ステップ300に於いて、ステップ10にて読み込まれたデータに基づき電動機逆転駆動トルクTrの初期値と駆動速度VrのスケジュールVscが算定される。電動機逆転駆動トルクTrの初期値は、一例として機関温度に基づき図9の如きものであってよく、駆動速度スケジュールVscは、一例として図11に示されている如きものであってよい。この場合にも、電動機逆転駆動トルクの初期値と駆動速度スケジュールの算定は、機関と吸気弁開閉タイミング制御装置作動油の温度条件に加えて、アクセルペダル踏込み量に応じて、それが大きい程電動機逆転駆動トルクの初期値は大きくされ、駆動速度スケジュールは所要駆動時間が短くなるように修正されてよい。電動機逆転駆動トルクの初期値と駆動速度スケジュールが算定されると、制御はステップ301へ進み、フラグF2が1とされる。これ以後、制御はステップ300をバイパスする。
【0045】
次いでステップ302に於いて、電動機逆転駆動トルクTrを、上に算定された初期値から始まって、フローのサイクル毎に偏差ΔTずつ修正することが行われる。ΔTは最初は0にリセットされており、後述のステップ306に於いて算出されるものである。次いで制御はステップ303へ進み、電動機の逆転作動がオンとされる。
【0046】
次のステップ304に於いては、電動機逆転駆動速度Vrが実測される。これは機関回転数信号Neに基づいて求められてよい。次いでステップ305にて、ステップ300にて算定された駆動速度スケジュールに基づき、フローサイクルの各時点に対応するスケジュール値Vscに対する実測値Vrの偏差ΔVが算出される。次いでステップ306にて、偏差ΔVに適当なフィードバック係数K1を掛けることにより、偏差ΔVを補正するための電動機逆転駆動トルクのフィードバック修正量ΔTが求められる。このΔTは次回のフローサイクルのステップ302に於いて使用される。
【0047】
次いで,ステップ307に於いて、電動機逆転駆動作動の回転量(回転角度)Arが各フローサイクルに於ける駆動速度Vrにサイクルの周期Δtを掛けた値の集積として算出される。そしてステップ308に於いて、電動機逆転駆動作動の回転量Arがロータ30を環状部材22に対し図4示されている如き最遅角位置より図5に示されている如き最進角位置へ相対的に回動させる値Aroに達したか否かが判断される。このステップは図6のフローチャートのステップ90に相当するものであり、当初は答はノーであり、これより制御はステップ10へ戻って再循環するが、やがて答はイエスとなり、これより制御は図6に示したステップ100へ進む。
【0048】
かくして図7に示す実施例によれば、機関の冷温始動時、クランキングに先だってクランキング用電動機を逆転作動させ、歯車14、環状部材22、環状端板24よりなるハウジング部材をロータ30に対し遅角方向に回動させて吸気弁開閉タイミング制御装置を進角設定する作動を行なうに当たって、電動機逆転作動の駆動速度の時間的変化を図11に例示されている如く予め定められたスケジュールに従って変化させ、特に電動機逆転作動の初めと終わりの駆動速度を零とすることにより、衝撃のない吸気弁開閉タイミング制御装置の進角設定を行なうことができる。またこの場合、図11に示す如きスケジュール曲線が時間軸に対してなす積分面積の大きさをステップ308について上に記したしきい値Aroとすることにより、吸気弁開閉タイミング制御装置が図5に示された最進角位置に丁度もたらされたところで、電動機逆転作動を停止させることができる。
【0049】
図8は、図6のフローチャートに示した実施例に比して、そのステップ50〜90に於いて異なる、本発明による内燃機関作動特性制御方法の更に他の一つの実施例を組み込んだ機関始動要領を示すフローチャートの部分図である。この実施例に於いては、制御が初めてステップ40に至り、その答がノーのときには、ステップ400に於いて、ステップ10にて読み込まれたデータに基づき電動機逆転駆動トルクTrの初期値と駆動角度ArのスケジュールAscが算定される。電動機逆転駆動トルクTrの初期値は、同じく一例として機関温度に基づき図9の如きものであってよく、駆動角度(駆動量)Arのスケジュールは、一例として図12に示されている如きものであってよい。この場合にも、電動機逆転駆動トルクの初期値と駆動角度スケジュールの算定は、機関と吸気弁開閉タイミング制御装置作動油の温度条件に加えて、アクセルペダル踏込み量に応じて、それが大きい程電動機逆転駆動トルクの初期値は大きくされ、駆動角度スケジュールは所要駆動時間が短くなるように修正されてもよい。電動機逆転駆動トルクの初期値と駆動角度スケジュールが算定されると、制御はステップ401へ進み、フラグF2が1とされる。これ以後、制御はステップ400をバイパスする。
【0050】
次いでステップ402に於いて、電動機逆転駆動トルクTrを、上に算定された初期値から始まって、フローのサイクル毎に偏差ΔTずつ修正することが行われる。ΔTは最初は0にリセットされており、後述のステップ406に於いて算定されるものである。次いで制御はステップ403へ進み、電動機の逆転作動がオンとされる。
【0051】
次のステップ404に於いては、電動機逆転の駆動角度Arが実測される。これは図3に示すクランク角度信号Acrより求められたものであってよい。次いでステップ405にて、ステップ400にて算定された駆動角度スケジュールに基づき、フローサイクルの各時点に対応するスケジュール値Ascに対する実測値Arの偏差ΔAが算出される。次いでステップ406にて、偏差ΔAに適当なフィードバック係数K2を掛けることにより、偏差ΔAを補正するための電動機逆転駆動トルクのフィードバック修正量ΔTが求められる。このΔTは次回のフローサイクルのステップ402に於いて使用される。
【0052】
次いで,ステップ407に於いて、電動機逆転駆動作動の回転量Arがロータ30を環状部材22に対し図4示されている如き最遅角位置より図5に示されている如き最進角位置へ相対的に回動させる値Aroに達したか否かが判断される。このステップは図6のフローチャートのステップ90或いは図7のフローチャートのステップ308に相当するものであり、当初は答はノーであり、これより制御はステップ10へ戻って再循環するが、やがて答はイエスとなり、これより制御は図6に示したステップ100へ進む。
【0053】
かくして図8に示す実施例によれば、機関の冷温始動時、クランキングに先立ってクランキング用電動機を逆転作動させ、歯車14、環状部材22、環状端板24よりなるハウジング部材をロータ30に対し遅角方向に回動させて吸気弁開閉タイミング制御装置を進角設定する作動を行なうに当たって、電動機逆転作動の駆動角度の時間的変化を図12に例示されている如く予め定められたスケジュールに従って変化させ、特に電動機逆転作動の終わりに於ける駆動角度をしきい値Aroに漸近させることにより、吸気弁開閉タイミング制御装置が図5に示された最進角位置に丁度漸近的にもたらされたところで、電動機逆転作動を停止させることができる。
【0054】
図13は、図6のフローチャートで見て、そのステップ110と120の間にステップ111および112が追加された更に他の一つの実施例を示すフローチャートの部分図である。かかるステップ111および112による修正は、図7或いは図8に示した実施例についても同様に実施可能である。この実施例に於いては、ステップ110に次いで、ステップ111にて、タイマがセットされる。このタイマは上記のカウント値C1やC2をカウントするカウンタと同様に車輌運転制御装置98を構成するコンピュータの一部に組み込まれたものであってよい。次いでステップ112に於いては、ステップ111にてセットされたタイマがタイムアウトしたか否か、即ちステップ100にて電動機の逆転作動がオフとされてから所定の時間が経過したか否か、が判断される。答がノーである間、制御はステップ112の手前に戻り、タイムアウトを待つ。そして所定の時間の経過を待って制御はステップ120へ進み、電動機の正転がオンとされ、即ち機関のクランキングが開始される。
【0055】
かかる実施例によれば、電動機の逆転作動によりロータ30が環状部材22に対し図5に示されている如き最進角位置まで相対的に回動されたところで、電動機を正転作動させる機関クランキングが開始される前に或る時間が置かれるので、ロックピン40が窪み孔44に整合した後、ロックピンが圧縮コイルばね46の作用により図3にて右方へ押されてその小径端42が窪みアナ44内に嵌入することを確実に行なわせることができる。
【0056】
以上に於いては本発明を幾つかの実施例について詳細に説明したが、これらの実施例について本発明の範囲内にて種々の修正が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸気圧縮比を可変に制御するために吸気弁の開閉位相を可変に制御する要領を排気弁の開閉位相と共に示す線図。
【図2】吸気弁閉じ位相の下死点後角度の大小に応じてクランキングにより筒内圧が上昇する経過を例示するグラフ。
【図3】吸気弁開閉タイミング制御装置の一例の基本構成をハイブリッド車に適用したものとして幾分解図的に示す説明図。
【図4】図3の吸気弁開閉タイミング制御装置を吸気弁閉じ位相が最遅角された状態にて示す図3のA−Aによる矢視図。
【図5】図3の吸気弁開閉タイミング制御装置を吸気弁閉じ位相が最進角された状態にて示す図3のA−Aによる矢視図。
【図6】本発明による内燃機関作動特性制御方法を組み込んだ機関始動要領の基本的な一つの実施例を示すフローチャート。
【図7】図6に示すフローチャートの一部に代わる他の一つの実施例を示す部分フローチャート。
【図8】図6に示すフローチャートの一部に代わる更に他の一つの実施例を示す部分フローチャート。
【図9】電動機逆転の駆動トルクの値(または初期値)を機関温度に基づいて設定する一例を示すグラフ。
【図10】電動機逆転の駆動時間を機関温度に基づいて設定する一例を示すグラフ
【図11】図7の実施例に於ける駆動速度スケジュールの一例を示すグラフ。
【図12】図8の実施例に於ける駆動角度スケジュールの一例を示すグラフ。
【図13】図6、7または9に示す実施例についてステップを追加する一つの実施例を示す部分フローチャート。
【符号の説明】
e…内燃機関
c…クランク軸
mg1,mg2…電動発電機
p…トルク分配装置
w…車輪
s…車軸
d…差動歯車
t…変速機
i…インバータ
b…蓄電装置
10…吸気弁開閉タイミング制御装置
12…無端ベルト
14…歯車
16…吸気弁作動カム
18…吸気弁カム軸
20…ボルト
22…スプライン状の環状部材
24…環状の端板
26…放射状隔壁部
28…ボルト
30…ロータ
32…羽根部
34…扇形室
36…段付きシリンダ孔
38…大径のヘッド部
40…ロックピン
42…ロックピンの小径部
44…窪み孔
46…圧縮コイルばね
48…ポート
50…ポート
52…環状油路
54…環状油路
56…油路
58…軸受部
60…環状油路
61、62…油路
64…環状油路
66…ポート
68…油路
70…油圧切換弁
72…ポート
74…ポート
76…油路
78…78
80…油圧ポンプ
82…油圧ポート
84…油溜
86、88…ドレンポート
90…弁ハウジング
92…ソレノイド
94…圧縮コイルばね
96…弁スプール
98…車輌運転制御装置

Claims (6)

  1. クランク軸の側から吸気弁開閉カム軸の側へ回転を伝達する回転伝達系の途中に組み込まれた吸気弁開閉タイミング制御装置を内燃機関の非作動時に該吸気弁開閉カム軸の側から該クランク軸の側へ向けて逆転駆動することにより吸気弁の閉じ位相を進角させ吸気圧縮比を増大させる内燃機関作動特性制御方法にして、前記吸気弁開閉タイミング制御装置の逆転駆動は、機関温度に基づいて少なくとも逆転駆動トルクの大きさを制御することにより行なわれることを特徴とする内燃機関作動特性制御方法。
  2. 前記吸気弁開閉タイミング制御装置の逆転駆動は、機関温度に基づいて少なくとも逆転駆動時間を制御することも含んで行なわれることを特徴とする請求項に記載の内燃機関作動特性制御方法。
  3. 前記吸気弁開閉タイミング制御装置の逆転駆動は、逆転駆動の速度を時間の経過に対し所定のスケジュールに沿って変化させることも含んで行なわれることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関作動特性制御方法。
  4. 前記吸気弁開閉タイミング制御装置の逆転駆動は、逆転駆動の変位を時間の経過に対し所定のスケジュールに沿って変化させることも含んで行なわれることを特徴とする請求項1、2または3に記載の内燃機関作動特性制御方法。
  5. 前記逆転駆動トルクの大きさは、逆転駆動の終端にて駆動速度が零となるよう修正制御されることを特徴とする請求項1〜4のいづれかに記載の内燃機関作動特性制御方法。
  6. 逆転駆動が終端に達した後、暫時、前記吸気弁開閉タイミング制御装置は逆転方向にも正転方向にも駆動されないことを特徴とする請求項1〜5のいづれかに記載の内燃機関作動特性制御方法。
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