JP3791356B2 - 蓄電状態と機関温度に応じた機関始動を行なう車輌原動装置 - Google Patents

蓄電状態と機関温度に応じた機関始動を行なう車輌原動装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の始動方法に着目した車輌原動装置に係わり、特に機関温度と蓄電装置の性能に関連した機関始動方法を変える車輌原動装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
自動車の内燃機関に於いて、機関暖機後の通常運転時には吸気圧縮比を比較的低くして機関を低振動且つ高燃費にて運転し、機関暖機前の機関冷温時、特に機関冷温でのクランキング時には吸気圧縮比を高めて機関の始動性をよくすることが従来より知られている。ピストン式内燃機関の吸気圧縮比の変更は、弁開閉タイミング制御装置により吸気弁が閉じる位相を前後に偏倚させること、吸気行程より圧縮行程に移行する間の適宜の位相を選んで排気弁を一時開弁させること、吸排気弁駆動用カムを3次元カムとしてそのリフトを適宜調節すること、ピストンロッドとクランク軸或はピストンロッドとピストンの間の連結部に調節可能な偏心軸受を設けること等、種々の方法により可能である。
【0003】
その一例として、吸気弁の閉じ位相を前後に偏倚させることにより吸気圧縮比を変更する装置の例が、本件出願人と同一人の出願になる特開2000−320356号公報に開示されている。この構造による吸気圧縮比の変更は、吸気弁開閉タイミング制御装置による吸気弁の開閉位相をクランク軸の回転位相に対し図1に示す如く可変に制御し、特にその閉じ位相をピストンの往復動位相に対し相対的に進めたり遅らせたりすることにより、吸気弁が閉じられる瞬間にシリンダ室内に装填される吸気の量を増減して吸気の圧縮比を可変に制御するものである。4サイクルエンジンに於ける吸気弁閉じ位相は、従来一般に下死点以後(After Bottom Dead Center、略してABDC)で測って70°近辺にあるが、これが吸気弁開閉タイミング制御装置により110〜120°程度まで更に大きくされる(遅らされる)と、吸気弁が閉じる時点にてシリンダ室内に捕捉される吸気の量が少なくなることにより吸気圧縮比が下がる。かかる吸気弁開閉タイミング制御装置による吸気弁閉じ位相の変更により、圧縮行程終了時に於ける筒内圧は、図2に例示する如く大きく変化する。
【0004】
上記の如く吸気圧縮比を可変に制御される内燃機関は、機関暖機状態では、吸気圧縮比を下げ、高めのクランキング回転数とすることにより、低振動にて静粛に機関が始動され、機関が冷温状態にて始動されるべきときには、吸気圧縮比を上げることによりその始動性を確保することができるので、現今燃料資源の節約と排気環境保全の必要から注目されてきている信号待ち等の車輌一時停止時に内燃機関を停止させるエコラン車や内燃機関による駆動と電動機による駆動とを適宜織り交ぜて行うハイブリッド車に適している。
【0005】
図3〜5は、上記公報に示されている吸気弁開閉タイミング制御装置を、本発明の目的に合わせて一部修正して再現し、ハイブリッド車に適用した例を示したものであり、このうち図4および5は図3における断面A-Aを2つの作動態様にて示す図である。
【0006】
これらの図に於いて、1は内燃機関であり、そのクランク軸2は電動機と発電機の両機能を備えた電動発電機(モータ・ジェネレータ)3と接続され、これら内燃機関および電動発電機のいづれか一方または両方により、変速機4、差動歯車5および車軸6を経て一対の車輪7が駆動されるようになっている。電動発電機3はインバータ8を介して蓄電装置9と電気的に接続され、時に発電機として作動して蓄電装置9を充電し、また時に蓄電装置9を電源として電動機として作動するようになっている。
【0007】
10にて全体的に示されている部分が上記の吸気弁開閉タイミング制御装置であり、後述の通り吸気圧縮比の観点からみれば吸気圧縮比制御手段である。この吸気弁開閉タイミング制御装置は、内燃機関のクランク軸2より無端ベルト12を経てクランク軸に同期して回転駆動される歯車14と、吸気弁作動カム16を担持する吸気弁カム軸18との間に作用する、ロータリアクチュエータの構造を有している。
【0008】
より詳細には、歯車14には4本のボルト20によって内歯スプライン状の環状部材22と、環状の端板24とが組み合わされて、4つの内向きの放射状隔壁部26を備えた作動室空間が郭定されている。そしてこの作動室空間内には、ボルト28によりカム軸18の一端に固定されたロータ30が設けられている。このロータ30はその中心のハブ部の周りに4つの羽根部32を有するものであり、各羽根部は、その周方向両側に位置する一対の郭壁部26の間に形成された扇形室34内にて、図4に示されている如き回動位置と、図5に示されている如き回動位置との間で、歯車14、環状部材22、端板24とからなるハウジングに対し、相対的に回動し得るようになっている。
【0009】
同ハウジングは、クランク軸の正回転に伴って、無端ベルト12により歯車14の部分にて図4および5において矢印にて示されている如く時計廻り方向に駆動されるので、図4に示されている状態では、カム軸18はクランク軸に対し最も位相を遅らされた状態にあり、図5に示されている状態では、逆にカム軸18はクランク軸に対し最も位相を進められた状態にある。
【0010】
羽根部32の一つには段付きシリンダ孔36が設けられており、該段付きシリンダ孔内にはその大径部に大径のヘッド部38にてピストン式に係合したロックピン40がはめ込まれている。ロックピン40の小径部42は段付きシリンダ孔36の小径部に係合し、それに沿って摺動するよう案内されている。そしてこの小径部42は、カム軸18がクランク軸に対して最も進角されたとき、即ちロータ30の羽根部32が環状部材22に対し図5に示されている回動位置に来たとき、歯車14の対応する個所に設けられた窪み孔44内に嵌入し得るようになっている。ロックピン40は圧縮コイルばね46により窪み孔44へ向けて付勢されており、段付きシリンダ孔36の大径部内にロックピン40のヘッド部38との間に形成された環状の作動室(符号36の引出し位置)内に後述の要領にて油圧が供給されていないときには、ロータ30が環状部材22に対し図5に示されている如き最進角位置に来たとき、ロックピン40は圧縮コイルばね46のばね力によりその小径部42の端部が窪み孔44内へ落とし込まれ、クランク軸に対するカム軸18の相対的回動位置関係を最進角位置に係止するようになっている。
【0011】
環状部材22の4つの郭壁部26の隣接するものどうしの間に形成された作動室34の各々に対しては、その内部に配置されたロータ30の羽根部32に対しこれを環状部材22に対し図4または5でみて反時計廻り方向へ駆動する油圧を供給する第一のポート48と、逆に羽根部32を環状部材22に対し図4または5でみて時計廻り方向へ駆動する油圧を供給する第二のポート50とが開口している。第一のポート48は環状の油路52に連通しておリ、第二のポート50は環状の油路54に連通している。油路52は更に段付きシリンダ孔36の上記の環状作動室(符号36の引出し位置)にも連通している。環状溝52はカム軸18の端部内に形成された油路56を経て内燃機関のシリンダヘッド部に形成されたカム軸18のための軸受部58に形成された環状油路60に連通している。一方、環状油路54は同じくカム軸18の端部内に形成された油路61、62を経て軸受部58に形成された環状油路64に連通している。環状油路60はポート66およびそれに接続された油路68を経て電磁作動の油圧切換弁70の第一のポート72に接続されており、一方、環状油路64はポート74より油路76を経て電磁式油圧切換弁の第二のポート78に接続されている。
【0012】
電磁式油圧切換弁70は、上記のポート72および78に加えて、油圧ポンプ80よりその吐出油圧を受ける油圧ポート82と、第一のポート72を選択的に油溜84へ向けて逃がす第一のドレンポート86と、第二のポート78を選択的に油溜84へ向けて逃がす第二のドレンポート88とを有する弁ハウジング90と、該弁ハウジング内にソレノイド92と圧縮コイルばね94との作用の下に往復動して上記の各ポート間の連通を制御する弁スプール96とを有している。
【0013】
ソレノイド92は、コンピュータを組み込んだ車輌運転制御装置(ECU)98からの指令信号によりその作動を制御される。ソレノイド92が通電されていないときには、弁スプール96は圧縮コイルばね94の作用により図示の如く右方へ一杯に変位した位置にあり、このとき第二のポート78は油圧ポート82に連通され、第一のポート72は第一のドレンポート86へ連通される。従って、かかる状態にてポンプ80が作動されると、油路76を経て供給された油圧はポート74より環状油路64を経て油路62へ供給され、これより油路61を経て環状油路54へ供給され、更にポート50を経て作動室34へ供給される。従って、このときにはロータ30の羽根部32は環状部材22に対し図4または5で見て時計廻り方向へ駆動され、吸気弁閉じ位相は進角される。尚、かかる進角方向の駆動が終端に達すると、ロックピン40は窪み孔44に整合し、ロックピンは圧縮コイルばね46の作用により図3でみて右方へ駆動され、その小径端42が窪み孔44内に嵌入し、カム軸18はクランク軸に対し最進角位置にロックされることになるが、機関始動時には油圧ポンプ80の吐出油圧は未だ立ち上がっていないので、油圧によるかかる最進角位置への進角は機関始動時には生じない。
【0014】
これに対しソレノイド92が連続的に通電されると、弁スプール96は圧縮コイルばね94の作用に抗して図3で見て左方へ一杯に駆動される。このときには第一のポート72が油圧ポート82に連通し、第二のポート78は第二のドレンポート88に連通する。弁スプール96がかかる位置にあるとき、油圧ポンプ80が作動されると、それが発生する油圧は、油路68を経てポート66より環状油路60へ供給され、これより油路56および環状油路52を経てポート48より作動室34へ供給されると同時に、段付きシリンダ孔36の上記環状作動室へも供給される。従って、このときにはロックピン40は圧縮コイルばね46の作用に抗して図3に示されている位置へ駆動され、その小径端部42が窪み孔44に嵌入していたときには、その嵌入が解除されるとともに、ロータ30の羽根部30は環状部材22に対し図4または図5でみて反時計廻り方向へ駆動され、カム軸18はクランク軸に対し遅角方向へ変位される。
【0015】
ソレノイド92への通電がオンオフパルス通電として制御されるときには、弁スプール96はパルス電流のデューティ比に応じて上記の2つの極端位置の間の任意の中間位置に設定され、それに応じてロータ30の羽根部32の両側に作用する油圧の大きさが相対的に平衡制御され、クランク軸に対するカム軸18の相対的角度位置は、最進角位置と最遅角位置の間の任意の中間位置に設定される。
【0016】
車輌運転制御装置(ECU)98には、図には示されていない車輌のキースイッチよりそれがオンとされたか否か、さらにそれが機関のクランキングを行なうクランキング位置まで回動されたか否かを表す信号Sk、アクセルペダルの踏込み量を表す信号Da、車速を表す信号Ve、機関回転数を表す信号Ne、機関温度を表す信号Te、蓄電装置の電圧を表す信号Eb、気温を表す信号Ta等が供給され、車輌自動制御装置98はこれらの入力信号に基づいて所定の制御プログラムによる制御演算を行い、その一環としてソレノイド92の作動を上記の要領にて制御し、ピストンの往復動に対する吸気弁の開閉タイミングを制御する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
吸気圧縮比制御手段を備えた内燃機関は、機関暖機後の通常運転時には吸気圧縮比を下げた状態にある。これを上記の図3〜5に例示した吸気弁開閉タイミング制御装置について見ると、機関暖機後の通常運転時には、吸気弁の開閉タイミングは中間乃至遅れ位相位置にある。このように吸気弁開閉タイミングが最遅角位置乃至それに近い位置まで遅らされていても、機関一時停止後の機関始動時には、機関はまだ暖機状態にあるので、そのままの吸気圧縮比を下げた状態にてクランキングが行われることにより、振動の少ない静かな機関の始動を達成することができる。
【0018】
これに対し、車輌の運行開始時に機関を始動するときには、機関は通常冷えているので、クランキングは吸気弁開閉タイミング制御装置を最進角位相に進めてから行なえば、機関の始動はより容易となる。しかし機関始動前には上記の油圧ポンプ80の如き吸気バルブタイミング制御のための油圧源は未だ得られないので、油圧によって吸気弁開閉タイミングを進角位置へ進めることができないことから、機関をクランキングする電動機を一時逆回転方向に作動させ、カム軸18と共に停止しているロータ30に対し環状部材22の側を逆転させることにより、ロータ30を環状部材22に対し相対的に図5に示されている如き最進角位置へもたらし、ここで両者をロックピン40により機械的に係止して吸気弁開閉タイミングを最進角位置に設定することが行なわれる。そこで、このときには、運転者がキースイッチをオンにし、更にこれをクランキング位置まで回すと、車輌運転制御装置98がこれ判断して先ずクランキング用電動機を逆転させ、上記の如くロックピン40による吸気弁開閉タイミングの最進角ロックを行なわせる。次いで、車輌運転制御装置は、かかるロックが達成された頃合いを見計らって、今度は電動機を正転方向に作動させ、機関のクランキングを行なう。
【0019】
上記の如く機関始動の際クランキングに先立って吸気圧縮比を高める制御が可能であれば、機関冷温時の機関始動はそれを行なうことによってより容易且つ確実となるが、そのためには上記の電動機による吸気弁開閉タイミング装置の逆転駆動の如き吸気圧縮比変更手段に対する格別の操作を要し、また吸気圧縮比を高めてのクランキングには、吸気圧縮比を下げたままでのクランキングに比して、振動が大きいという欠点がある。
【0020】
本発明は、吸気圧縮比増大制御が可能な吸気圧縮比制御手段を備えた内燃機関と、電動機と、蓄電装置とを有し、内燃機関の始動時には蓄電装置を電源として電動機により該内燃機関をクランキングする際、クランキングに先立って吸気圧縮比を高めることができる車輌原動装置に於いて、機関の冷温始動時には吸気圧縮比を高めることによって確かに機関始動をより容易且つ確実にすることができが、更に、機関の温度状態に加えて蓄電装置の蓄電状態をも考慮し、機関の冷温始動時にも可及的に振動の少ないクランキングによる機関始動を達成することのできる車輌原動装置を提供することを主たる課題としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の主たる課題を解決するものとして、本発明は、吸気圧縮比を臨時に増大させる吸気圧縮比増大制御が可能な吸気圧縮比制御手段を備えた内燃機関と、電動機と、蓄電装置とを有し、前記内燃機関の始動時には前記蓄電装置を電源として前記電動機により該内燃機関をクランキングする車輌原動装置にして、前記蓄電装置の有効出力が所定の出力しきい値未満であるときには前記内燃機関のクランキングに当ってその機関温度に応じて前記吸気圧縮比制御手段により前記吸気圧縮比増大制御を行ったり行わなかったりするが、前記蓄電装置の有効出力が前記出力しきい値以上であるときには、前記内燃機関の機関温度に係りなく前記吸気圧縮比制御手段による吸気圧縮比増大制御を行なうことなくクランキングすることを特徴とする車輌原動装置を提供するものである。
【0022】
上記の車輌原動装置は、前記蓄電装置の有効出力が前記出力しきい値未満であっても、機関温度が所定の第一の温度しきい値以上であるときには、前記吸気圧縮比制御手段による吸気圧縮比増大制御を行なうことなくクランキングされてよい。
【0023】
また、上記の車輌原動装置は、前記蓄電装置の有効出力が前記出力しきい値未満であり、機関温度が前記第一の温度しきい値未満であるとき、前記吸気圧縮比制御手段による吸気圧縮比増大制御を行なってクランキングされてよい。更にこの場合、吸気圧縮比増大制御を行なってクランキングするのは、機関温度が該第一の温度しきい値より低い所定の第二の温度しきい値以上であるときであるとされてよい。
【0024】
更に、上記の車輌原動装置は、前記蓄電装置の有効出力が前記出力しきい値未満であり、機関温度が前記第二の温度しきい値未満であるときには、加熱器により該機関を所定の時間以内で加熱し、その間に機関温度が前記第二の温度しきい値に達しないときには前記吸気圧縮比制御手段による吸気圧縮比増大制御を行なうことなくクランキングされてよい。しかしまた、より簡単のため、前記蓄電装置の有効出力が前記出力しきい値未満であり、機関温度が前記第二の温度しきい値未満であるときには、前記吸気圧縮比制御手段による吸気圧縮比増大制御を行なうことなくクランキングされてもよい。また、前記蓄電装置の有効出力が前記出力しきい値未満であり、機関温度が前記第二の温度しきい値未満であるとき、上記の加熱器を作動させ、或は吸気圧縮比増大制御を行なうことなくクランキングするときには、一旦運転者の機関始動継続の指令を得て行なうようにしてもよい。
【0025】
吸気圧縮比増大制御を行なわないときのクランキング回転数は、吸気圧縮比増大制御を行なってクランキングを行なうときのクランキング回転数より高くされてよい。
【0026】
前記吸気圧縮比制御手段による吸気圧縮比増大制御はクランク軸の回転位相に対する吸気弁の閉じ位相を進み側に変更することにより行われてよい。
【0027】
【発明の作用及び効果】
車輌原動装置の内燃機関が上に例示した如き吸気圧縮比増大制御が可能な吸気圧縮比制御手段を備えているのは、該吸気圧縮比制御手段により内燃機関の通常運転時に吸気圧縮比を下げて運転するためである。かかる吸気圧縮比制御手段は、自動車の運行が修了して機関が停止されたとき、自動的に吸気圧縮比増大位置に戻されるようになっている訳ではないので、機関始動時には、それが車輌運行休止後の冷温始動であろうと、エコラン車やハイブリッド車に於ける機関一時停止後の再始動であろうと、吸気圧縮比制御手段は吸気圧縮比を下げた状態にある。それどころか、上に図3〜5によって例示した如き吸気圧縮比制御手段にあっては、車輌運行休止後の機関始動時には、吸気圧縮比制御手段内の作動油が作動休止間に重力の作用により下方に落ちていることにより、クランキングが開始された瞬間に吸気圧縮比制御手段は最遅角状態となり、吸気圧縮比を最大限に下げる作動位置に設定される可能性がある。これに対しては、吸気圧縮比制御手段を上記の要領にて進角させロックする事前操作を行なえば、機関始動の際にはいつでもクランキングに先立って吸気圧縮比を増大させることが可能であるが、蓄電装置の有効出力が所定の出力しきい値以上であるように蓄電装置の蓄電度が十分高いときには、強力なクランキングが得られるので、内燃機関の機関温度に係りなく、即ち機関が冷温状態であっても、吸気圧縮比制御手段により吸気圧縮比を高めることを敢えて行なわず、強力なクランキングにより、機関を始動させる方が、機関始動を迅速にし、しかも振動を少なくして機関を始動させることができる。
【0028】
そしてまた、蓄電装置の有効出力が前記出力しきい値未満であっても、機関温度が所定の第一の温度しきい値以上であるときには、機関は吸気圧縮比が低くされていても尚始動しやすいので、吸気圧縮比増大制御を行なうことなくクランキングしても機関を始動させることができる。そして、蓄電装置の有効出力が前記出力しきい値未満であるとき、吸気圧縮比制御手段による吸気圧縮比増大制御を行なってクランキングすればよい。尚、このとき、特に寒冷地に於いて遭遇するように機関温度が低く、吸気圧縮比制御手段内の作動油の粘性が高過ぎて吸気圧縮比制御手段の吸気圧縮比増大制御が困難であるような場合に対処し、吸気圧縮比制御手段による吸気圧縮比増大制御を行なうのは、機関温度が或る所定の第二の温度しきい値未満ではないことを確認の上であるようにすれば、無理な吸気圧縮比制御手段の作動により蓄電装置の好ましからざる消耗を回避し、クランキングに先立っての吸気圧縮比増大制御を必要最少限度の実施に抑えることができる。
【0029】
蓄電装置の有効出力が所定の出力しきい値未満であり、機関温度が前記第二の温度しきい値未満である如く機関が冷え込んでいるときには、蓄電装置の電力により加熱器を作動させて機関の要部を所定時間以内で加熱し、その間に機関温度が第二の温度しきい値に達すれば、それに基づいて吸気圧縮比増大制御を行なってクランキングを行ない、その間に機関温度が第二の温度しきい値に達しないときには吸気圧縮比増大制御を行なうことなくクランキングを行なうようにすれば、機関温度に見合って蓄電装置の電力をより合理的に使用することができる。しかしまた、蓄電装置の有効出力が所定の出力しきい値未満であり、機関温度が前記第二の温度しきい値未満であるときには、吸気圧縮比増大制御を行なうことなくクランキングすることにより、機関の始動制御を簡単にすることができる。ただ、これらはいづれも蓄電装置にかなりの負担をかけるので、かかる機関始動操作の継続は一度運転者の確認の指令を得て行なわれるようにすれば、蓄電装置の電力が不用意に消尽することを回避することができる。
【0030】
図2に例示した通り機関は吸気圧縮比が低いほど筒内圧を上げるにはより高い回転数を要するが、機関は吸気圧縮比が低いほどクランキングの際より滑らかに回転するので、吸気圧縮比制御手段による吸気圧縮比増大制御を行なわないときのクランキング回転数を吸気圧縮比増大制御を行なってクランキングするときより高くすることは、蓄電装置に特に大きな負担を掛けることなく可能である。
【0031】
【発明の実施の形態】
図6は、図3〜5に示した吸気弁開閉タイミング制御装置を備えることにより機関始動の際クランキングに先立って吸気圧縮比を高める制御が可能なよう構成された内燃機関の始動手順の一部に、上記の如き本発明を組み込んだ自動車の内燃機関始動要領を一つの実施例について示すフローチャートである。かかるフローチャートによる機関の始動制御作動は、図3に98として示されている車輌運転制御装置が信号Skとして示されているキースイッチの作動を表す信号により車輌の運転開始を指令されたときから開始される。
【0032】
制御が開始されると、ステップ10にて、制御に関連する各種データの読込みが行われる。この読込みデータの中には、図3に示されているキースイッチの作動を表す信号Sk、アクセルペダルの踏込み量を表す信号Da、車速を表す信号Ve、機関回転数を表す信号Ne、機関温度を表す信号Te、更に、蓄電装置9の有効出力を算定するパラメータの一つとしての蓄電装置の電圧を表わす信号Eb、気温を表わす信号Ta等が含まれている。そして、これらの読み込まれたデータに基づき、次のステップ20にて、機関始動が求められているか否かが判断される。この場合、機関始動が求められているか否かは、車輌の始動時には運転者により操作されるキースイッチの作動を表す信号Skにより判断され、またエコラン車やハイブリッド車に於いて機関が車輌運転制御装置により一時停止された後再始動されるときには、車輌運転制御装置により自動的に判断される。またそのときの機関の温度状態は機関温度を表す信号Teにより判断される。そして答がイエスのときには制御はステップ30へ進む。
【0033】
ステップ30に於いては、蓄電装置9の有効出力Wbが所定の出力しきい値Wbo以上であるか否かが判断される。有効出力Wbは主として蓄電装置の電圧Ebおよび気温Taに基づいて算出されてよく、出力しきい値Wboは、蓄電装置の蓄電状態が非常に良好で、有効出力が或る高い値以上にて得られることを示す値である。判断結果がイエスのときには、制御はステップ40へ進み、図3の例では電動発電機3として構成されたクランキング用の電動機がクランキングのために正転方向にオンとされる。従って、蓄電装置の有効出力Wbが出力しきい値Wbo以上であるときには、機関の温度状態の如何に拘わらず、吸気圧縮比を高める動作を行なうことなく、直ちにクランキングが開始される。尚、図6に示す如きフローチャートによる制御は、この技術の分野に於いては周知の通り、数十ミリセカンド程度の周期にてフローチャートを通って循環する要領にて行われるものである。
【0034】
ステップ40にて電動機の正転による機関のクランキングが開始されると、制御は次いでステップ50へ進み、ここで上記の車輌運転制御装置98を構成するコンピュータの一部に組み込まれた一つのカウンタのカウント値C1が1ずつ増分される。これは電動機を正転作動させる時間を計測するためのものである。かかるカウント値C1は、制御の最初の開始時に0にリセットされ、また後述のステップ80或いは10にて0にリセットされるものである。
【0035】
次いでステップ60にて、機関の回転数Neが、機関が正常に始動したことを示す所定のしきい値回転数Neoに達したか否かが判断される。クランキングの当初に於いては当然答は未だノーであり、このとき制御は後述のステップ90へ進むが、そのうち機関が正常に始動されれば、やがてステップ60の答はイエスに転ずるので、これより制御はステップ70へ進み、電動機の正転作動は停止される。その後制御は、ステップ80にてカウント値C1や後述のカウント値C2、フラグF1、F2、F3を0にリセットした後、10へ戻り、次回の制御に備えてデータの読込みが続けられる。
【0036】
制御が最初にステップ0に至ったときから開始された機関のクランキング中、制御は当初は上記の通りステップ60よりステップ90へ進み、その答がノーである間、これよりステップ10へ戻ってデータを読み直した後、ステップ20を経てステップ30へ進み、ステップ40、50、60、90を通って循環する。そして、もしステップ0にて開始された電動機正転による機関のクランキングにも拘らず、機関回転数Neが機関の正常な始動を示すNeoに達せず、制御がステップ60よりステップ90へ進む経路を通って循環するうちにカウント値C1がある所定のしきい値C10に達する事態が生ずると、制御はこれよりステップ100へ進み、電動機の正転による機関のクランキングが停止される。これはある所定の時間に亙って電動機による機関のクランキングを行っても機関が正常に始動しないとき、電動機によるクランキングを中止するものである。このときには、制御はステップ110にてカウント値C1、C2、フラグF1、F2、F3をそれぞれ0にリセットした後、更にステップ120にて表示1をオンにし、ここで制御は終了される。この表示1は、機関が始動されるべきところ、何らかの原因により始動が失敗したことを運転者に知らせる表示である。尚、このように表示1がオンとなるに至った場合に、始動が運転者による始動であれば、運転者は再始動を試みるであろうが、それに対し何らかの対策を講じるか、また機関始動が機関運転制御装置による自動始動であったとき、再度始動操作を行わせるか、またそれを何度まで行わせるか、等の制御態様は、本発明の範囲外の事項である。
【0037】
ステップ30に於ける判断結果がノーのとき、即ち、蓄電装置の蓄電状態が非常に良好とはいえないときには、制御はステップ130へ進み、機関温度Teが或る所定の温度しきい値Te1以上であるか否かが判断される。この温度しきい値Te1は、機関が長時間休止後の始動前冷温状態にあるのか、或はエコラン車やハイブリッド車にて生ずる車輌運行中の機関一時停止後の機関始動時に於ける如き暖機状態にあるのかの区別を行なう境界の機関温度である。答がイエスのときには、制御はそのままステップ40へ進み、ステップ30の答がイエスであるときと同様に吸気圧縮度を高める前制御なしに直ちにクランキングが開始される。
【0038】
これに対し、ステップ130の答がノーのときには、制御はステップ140へ進み、機関温度Teが先の温度しきい値Te1より低い他の一つの温度しきい値Te2以上であるか否かが判断される。これは、吸気圧縮比を高めたクランキングを行なうにしても、図3〜5に例示した如き吸気圧縮比制御手段が正常に作動することが保証される機関温度の下限値であり、寒冷地等に於ける寒冷時に吸気圧縮比制御手段をそのまま作動させるか否かを判断するしきい値温度である。ステップ140の答がイエスであれば、制御はステップ150へ進む。
【0039】
ステップ150に於いては、フラグF1が1であるか否かが判断される。このフラグF1は後述のステップ210にて1にセットされるものであり、それまでは制御の開始時に0にリセットされたままでいるので、その間制御はステップ160へ進み、上に記した吸気圧縮比を高めるための電動機の逆転駆動がオンとされる。次いで制御はステップ170へ進み、同じく車輌運転制御装置98を構成するコンピュータの一部に組み込まれた他の一つのカウンタのカウント値C2が1ずつ増分される。また、この実施例では、電動機の逆転駆動がオンとされたとき、ステップ180に於いて、そのことを示す表示2がオンとされる。次いで制御はステップ190へ進み、カウント値C2が所定のしきい値C20に達したか否かが判断される。このしきい値となるカウント値C20は、電動機逆転作動の開始時或いは開始直後に吸気弁開閉タイミング装置が図4に示されている如き最遅角状態であっても、電動機によるクランク軸の逆転駆動によりロータの羽根部32が環状部材22の隔壁部26に対し進み方向に一杯に変位し、ロックピン40の小径端部42が歯車14の窪み孔44に整合して圧縮コイルばね46のばね力によりその中に落とし込まれる作動が達成されるに充分な時間をカウント値C2によりカウントすることができる値である。
【0040】
ステップ190の答がイエスとなるまで、制御はこれよりステップ0へ戻り、データを読み直しつつフローチャートを通って循環する。そして答がノーからイエスに転ずると、制御はステップ200にて表示2をオフにし、更にステップ210にてフラグF1を1にセットした後、ステップ40へ進む。そして電動機の正転によるクランキングが開始される。制御はこの後、ステップ40、50、60、90を経てステップ10へ戻り、これより再度ステップ20、30、130、140を経てステップ150に至るが、このときにはフラグF1は既に1にセットされているので、これ以後制御はステップ160〜190へ進むことなく直ちにステップ40へ進む経路を辿る。
【0041】
ステップ140の答がノーのときには、制御はステップ220へ進み、フラグF2が1であるか否かが判断される。最初は答はノーであり、制御はステップ230経進み、蓄電装置の蓄電装置の有効出力が前記出力しきい値未満であり、機関温度が前記第二の温度しきい値未満であることを運転者に知らせる表示3がオンとされる。次いで制御はステップ240に至り、ここで運転者が尚機関始動の継続を指示するかどうかを待つ。ここで適当な押しボタン等により始動継続の指示が与えられれば、制御は表示3をオフにしてステップ250へ進み、フラグF2を1にセットした後、ステップ260へ進む.以後、制御はステップ140よりステップ220〜250をバイパスして循環する。
【0042】
ステップ260にては、更に他の一つのフラグF3が1であるか否かが判断される。フラグF3も制御開始時に0にリセットされているので、制御が初めてここに至ったときには0であり、ステップ260の答はノーである。そこで制御はステップ270へ進み、車輌運転制御装置98を構成するコンピュータの一部に組み込まれたタイマがセットされ、ついでステップ280にてフラグF3が1にセットされる。これらのステップ260〜280はここでタイマをセットするためのものである。次いで制御はステップ290へ進み、機関の始動性を上げるために機関の要部を加熱する図には示されていない加熱器(ヒータ)がオンとされる。
【0043】
ステップ300に於いては、機関温度Teが前記第二の温度しきい値Te2に達したか否かが判断される。当初は答はノーであり、制御はステップ310へ進み、ステップ270にてセットされたタイマがタイムアウトしたか否かが判断される。この答も当初はノーであり、制御はステップ320へ進み、ヒータが作動中であることを示す表示4がオンとされる。制御はこれよりステップ10へ戻り、データを読み直して再度循環する。そしてタイマにてセットされた所定時間が経過する前に機関温度Teが前記第二の温度しきい値Te2に達すれば、制御はステップ330へ進み、フラグF4が1にセットされ、制御はステップ340へ進む。しかしタイマにてセットされた所定時間が経過してもTeがTe2に達しないときには、フラグF4は0のままで制御はステップ340へ進む。そしてヒータがオフとされ、表示4もオフとされる。
【0044】
次いでステップ350に於いては、フラグF4が1であるか否かが判断される。答がイエスのときには、制御はステップ150へ進み、上述のステップ160〜210による吸気圧縮比増大制御を行なってからクランキングされ、答がノーのときには、制御はステップ40へ進み、吸気圧縮比増大制御を行なうことなくクランキングされる。しかし、後者の吸気圧縮比増大制御を行なわない場合にも、ヒータによる機関の予熱が行なわれたことにより、それだけ機関の始動性は向上している。
【0045】
図7は図6に示したフローチャートより上記のヒータ加熱に関するステップを削除し、機関寒冷時の始動制御を幾分簡略化したものである。この修正例に於いては、ステップ140の答がノーのときには、敢えてヒータ加熱や吸気圧縮比増大を行なって蓄電装置の電力を消耗させることを回避し、そのままクランキングがなされる。但し、この場合にも、図6に示したステップ220〜250を設けることにより、一応運転者の確認指示を得てこれを行うようにしてよい。
【0046】
かくして図示の如きフローチャートによる機関始動制御よれば、機関温度が所定のしきい値未満のときには吸気圧縮比を高めてクランキングを行なうものとしていた従来の方式を改め、有効出力Wbがしきい値Wbo以上であるように蓄電装置の蓄電状態が非常に良好であると判断されるときには、機関温度の高低を問わず、機関始動に際して、クランキングに先立って吸気圧縮比を高めることは行なわず、直ちにクランキングを行ない、可及的に迅速で且つ振動の少ない機関始動が達成される。
【0047】
以上に於いては本発明を幾つかの組込み可能な操作態様を同時に組み込んだ一つの実施例とその一部修正例について詳細に説明したが、かかる実施例についてここに組み込まれた操作態様の一つ或は幾つかを省略する等、本発明の範囲内にて種々の修正が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸気圧縮比を可変に制御するために吸気弁の開閉位相を可変に制御する要領を排気弁の開閉位相と共に示す線図。
【図2】吸気弁閉じ位相の下死点後角度の大小に応じてクランキングにより筒内圧が上昇する経過を例示するグラフ。
【図3】吸気弁開閉タイミング制御装置の一例の基本構成をハイブリッド車に適用したものとして幾分解図的に示す説明図。
【図4】図3の吸気弁開閉タイミング制御装置を吸気弁閉じ位相が最遅角された状態にて示す図3のA−Aによる矢視図。
【図5】図3の吸気弁開閉タイミング制御装置を吸気弁閉じ位相が最進角された状態にて示す図3のA−Aによる矢視図。
【図6】本発明を組み込んだ機関始動要領の一つの実施例を示すフローチャート。
【図7】図6に示す実施例の一部修正例を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…内燃機関
2…クランク軸
3…電動発電機
4…変速機
5…差動歯車
6…車輪
7…車軸
8…インバータ
9…蓄電装置
10…吸気弁開閉タイミング制御装置
12…無端ベルト
14…歯車
16…吸気弁作動カム
18…吸気弁カム軸
20…ボルト
22…スプライン状の環状部材
24…環状の端板
26…放射状隔壁部
28…ボルト
30…ロータ
32…羽根部
34…扇形室
36…段付きシリンダ孔
38…大径のヘッド部
40…ロックピン
42…ロックピンの小径部
44…窪み孔
46…圧縮コイルばね
48…ポート
50…ポート
52…環状油路
54…環状油路
56…油路
58…軸受部
60…環状油路
61、62…油路
64…環状油路
66…ポート
68…油路
70…油圧切換弁
72…ポート
74…ポート
76…油路
78…78
80…油圧ポンプ
82…油圧ポート
84…油溜
86、88…ドレンポート
90…弁ハウジング
92…ソレノイド
94…圧縮コイルばね
96…弁スプール
98…車輌運転制御装置

Claims (9)

  1. 吸気圧縮比を臨時に増大させる吸気圧縮比増大制御が可能な吸気圧縮比制御手段を備えた内燃機関と、電動機と、蓄電装置とを有し、前記内燃機関の始動時には前記蓄電装置を電源として前記電動機により該内燃機関をクランキングする車輌原動装置にして、前記蓄電装置の有効出力が所定の出力しきい値未満であるときには前記内燃機関のクランキングに当ってその機関温度に応じて前記吸気圧縮比制御手段により前記吸気圧縮比増大制御を行ったり行わなかったりするが、前記蓄電装置の有効出力が前記出力しきい値以上であるときには、前記内燃機関の機関温度に係りなく前記吸気圧縮比制御手段による吸気圧縮比増大制御を行なうことなくクランキングすることを特徴とする車輌原動装置。
  2. 前記蓄電装置の有効出力が前記出力しきい値未満であっても、機関温度が所定の第一の温度しきい値以上であるときには、前記吸気圧縮比制御手段による吸気圧縮比増大制御を行なうことなくクランキングすることを特徴とする請求項1に記載の車輌原動装置。
  3. 前記蓄電装置の有効出力が前記出力しきい値未満であり、機関温度が前記第一の温度しきい値未満であるとき、前記吸気圧縮比制御手段による吸気圧縮比増大制御を行なってクランキングすることを特徴とする請求項に記載の車輌原動装置。
  4. 前記吸気圧縮比制御手段による吸気圧縮比増大制御を行なってクランキングするのは、機関温度が該第一の温度しきい値より低い所定の第二の温度しきい値以上であるときであることを特徴とする請求項3に記載の車輌原動装置。
  5. 前記蓄電装置の有効出力が前記出力しきい値未満であり、機関温度が前記第二の温度しきい値未満であるときには、加熱器により該機関を所定の時間以内で加熱し、その間に機関温度が前記第二の温度しきい値に達したときには前記吸気圧縮比制御手段による吸気圧縮比増大制御を行ない、機関温度が前記第二の温度しきい値に達しないときには、前記吸気圧縮比制御手段による吸気圧縮比増大制御を行なうことなくクランキングすることを特徴とする請求項に記載の車輌原動装置。
  6. 前記蓄電装置の有効出力が前記出力しきい値未満であり、機関温度が前記第二の温度しきい値未満であるときには、前記吸気圧縮比制御手段による吸気圧縮比増大制御を行なうことなくクランキングすることを特徴とする請求項に記載の車輌原動装置。
  7. 前記蓄電装置の有効出力が前記出力しきい値未満であり、機関温度が前記第二の温度しきい値未満であるとき、それ以上の機関始動操作は運転者の確認を経て行なわれることすることを特徴とする請求項5または6に記載の車輌原動装置。
  8. 前記吸気圧縮比制御手段による吸気圧縮比増大制御を行なわないときのクランキング回転数は、吸気圧縮比増大制御を行なってクランキングするときのクランキング回転数より高くされること特徴とする請求項1〜7のいづれかに記載の車輌原動装置。
  9. 前記吸気圧縮比制御手段による吸気圧縮比増大制御はクランク軸の回転位相に対する吸気弁の閉じ位相を進み側に変更することにより行われることを特徴とする請求項1〜8のいづれかに記載の車輌原動装置。
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