JP3879728B2 - 色変換装置および色変換方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カラー画像の表示を行う画像表示装置、カラープリンタ、カラースキャナ等の印刷関連機器に用いられる画像処理に関し、特にカラー画像を表す色データを、使用するデバイスの特性に合わせて補正する色変換処理に関する。
カラー画像表示装置や、カラープリンタ、カラースキャナ等においては、所望の色再現を得られるようデバイスの特性に応じて色データを補正する色変換処理が行われている。所望の色再現とは、人間の視覚特性や、記憶色を考慮した、人間がより好ましいと感じる色再現であり、必ずしも忠実な色再現とは一致しない。人間の記憶色では、空の色や芝の緑などは実際の色よりも鮮やかな、彩度や明度の高い色として記憶される傾向がある。したがって、こうした特定の色成分の明度および彩度を上げる処理がなされる。また、忠実な色再現としても明度や彩度を上げる処理がなされる場合が少なくない。
従来の色変換装置の一例が下記の特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された色変換装置は、カラー画像における、赤、緑、青、イエロー、マゼンタ、シアンの6つの色相成分に有効な演算項を用いたマトリクス演算により色変換処理を行うことを特徴とする。上記6つの色相成分に有効な演算項にかかわるマトリクス係数を適宜設定することにより、入力された色データを、赤、緑、青、イエロー、マゼンタ、シアンの色相成分毎に独立に調整することができる。
特許第3128429
上記特許文献1に記載の色変換装置によれば、ある特定の色相成分の明度および彩度を上げるマトリクス係数を設定することにより、色データの明度および彩度を高める色変換処理を、赤、緑、青、イエロー、マゼンタ、シアンの色相成分毎に行うことができる。
しかし、画像表示装置等に入力される色データには、伝送過程において様々な雑音成分が付加される。こうした雑音成分を含んだ色データに対して彩度や明度を高める処理を行うと、本来の色データの明度や彩度とともに雑音成分の明度や彩度についても高めることになる。このように、色データに雑音成分が含まれる場合に色データの彩度や明度を高めるような処理を行うと、雑音成分の影響を更に強調することになり、画質が劣化するという問題があった。また、色データ中に含まれる雑音成分の影響を軽減するために、雑音除去手段を介して色データを色変換手段へと入力すると、雑音成分は除去されるものの、輪郭部を構成する高周波成分も失われるため、画像のボケが発生するという問題点があった。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、雑音成分を強調することなく所望の色成分の彩度および明度を調整することが可能な色変換装置および色変換方法を提供することを目的とする。
本発明による色変換装置は、カラー画像を表す第1の色データの明度および/または彩度を変換して上記第1の色データに対応する第2の色データを出力する色変換装置において、
上記第1の色データを用いて、当該第1の色データにより表されるカラー画像における、複数の特定の色相成分に有効な第1の色相領域データを算出する色相領域データ算出手段と、
上記第1の色相領域データの周波数特性を、上記色相成分毎に独立に変換することにより第2の色相領域データを出力する周波数特性変換手段と、
上記第2の色相領域データの各々について設定される所定のマトリクス係数を出力する係数発生手段と、
上記第2の色相領域データを演算項とし、上記マトリクス係数を上記第2の色相領域データに乗じる乗算を含むマトリクス演算を行うことにより、上記第1の色データの明度および/または彩度を上記色相成分毎に独立に補正するための補正量を算出するマトリクス演算手段と、
上記補正量に基づいて上記第2の色データを算出する色補正手段とを備えたものである。
また、本発明による色変換方法は、カラー画像を表す第1の色データの明度および/または彩度を変換して上記第1の色データに対応する第2の色データを出力する色変換方法において、
上記第1の色データを用いて、当該第1の色データにより表されるカラー画像における、複数の特定の色相成分に有効な第1の色相領域データを算出し、
上記第1の色相領域データの周波数特性を、上記色相成分毎に独立に変換することにより第2の色相領域データを出力し、
上記第2の色相領域データの各々について設定される所定のマトリクス係数を出力し、
上記第2の色相領域データを演算項とし、上記マトリクス係数を上記第2の色相領域データに乗じる乗算を含むマトリクス演算を行うことにより、上記第1の色データの明度および/または彩度を上記色相成分毎に独立に補正するための補正量を算出し、
上記補正量に基づいて上記第2の色データを算出するものである。
本発明による色変換装置および色変換方法は、第1の色データにより表されるカラー画像における、複数の特定の色相成分に有効な第1の色相領域データを算出し、当該第1の色相領域データの周波数特性を、上記色相成分毎に独立に変換することにより出力される第2の色相領域データを演算項とするマトリクス演算により、上記第1の色データの明度および/または彩度を上記色相成分毎に独立に補正するための補正量を算出し、当該補正量に基づいて第2の色データを算出するので、雑音成分を強調することなく所望の色成分の彩度および明度を調整することができる。
以下、本発明による色変換装置を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、この発明に関わる色変換装置の一実施例を示すブロック図である。図1に示すように、本実施例による色変換装置は、色補正量算出部1および色補正量加算手段2により構成される。色補正量算出部1および色補正量加算手段2には、カラー画像を表す第1の色データRi,Gi,Biが入力される。
色補正量算出部1は、αβ算出手段3、有彩色成分データ算出手段4、色相領域データ算出手段5、色相領域データ周波数特性変換手段6a〜6f、係数発生手段7、マトリクス演算手段8により構成される。色補正量算出部1に入力された第1の色データRi,Gi,Biは、αβ算出手段3および有彩色成分データ算出手段4にそれぞれ送られる。αβ算出手段3は、第1の色データRi,Gi,Biの最大値βと最小値αを選択して出力する。出力された最大値βと最小値αは、有彩色成分データ算出手段4へと入力される。最小値αはまた、マトリクス演算手段8にも入力される。ここで、最小値αは、第1の色データRi,Gi,Biに含まれる無彩色(グレイ)の成分を表すデータである。
有彩色成分データ算出手段4は、第1の色データRi,Gi,Biと、上記αβ算出器手段3からの出力である最大値βと最小値αに基づいて、第1の色データにより表される色から無彩色成分を除いた色(有彩色)の、赤、緑、青、イエロー、マゼンタ、シアンの各色成分の大きさを表す有彩色データr,g,b,y,m,cを算出する。これらの有彩色データは、r=Ri−α,g=Gi−α,b=Bi−α,y=β−Bi,m=β−Gi,c=β−Riの減算処理により求められる。
図5(A)〜(F)は、赤、イエロー、緑、シアン、青、マゼンタの6つの色相における有彩色成分データy,m,c,r,g,bの大きさを模式的に示した図である。図5に示すように、有彩色成分データはそれぞれ、上記6つの色相のうち、3つの色相において最大となり、残りの3つの色相においてはゼロとなっている。例えば、有彩色成分データcは、緑、シアン、青の色相において最大値となっており、緑からイエローの色相、青からマゼンタの色相にかけて大きさが減少し、赤、イエロー、マゼンタの色相においてはゼロとなっている。
以上のようにして求められる有彩色成分データは、r,g,bのうちの少なくとも1つ、y,m,cのうちの少なくとも1つはゼロとなる性質がある。例えば、最大値βがRi、最小値αがGiである場合(β=Ri,α=Gi)、上記の減算処理よりg=0およびc=0となり、また最大値βがRi、最小値αがBiである場合(β=Ri、α=Bi)は、b=0およびc=0となる。つまり、最大、最小となるRi,Gi,Biの組み合わせにより、少なくとも、r,g,bのいずれか1つ、y,m,cのいずれか1つの合計2つの値がゼロとなる。
有彩色成分データ算出手段4から出力される6つの有彩色成分データr,g,b,y,m,cは、色相領域データ算出手段5に送られる。図2は、色相領域データ算出手段5の内部構成の一例を表すブロック図である。色相領域データ算出手段5は、それぞれ入力される2つの有彩色成分データのうち小さい方の値を選択して出力する複数の最小値選択手段9a〜9fを備える。
最小値選択手段9aは有彩色成分データrおよびbのうち小さい方の値を選択し、色相領域データh1mとして出力する。同様に、最小値選択手段9bは有彩色成分データrおよびgのうち小さい方を選択し、色相領域データh1yとして出力し、最小値選択手段9cは有彩色成分データgおよびbのうち小さい方を選択し、色相領域データh1cとして出力し、最小値選択手段9dは有彩色成分データyおよびcのうち小さい方を選択し、色相領域データh1gとして出力し、最小値選択手段9eは有彩色成分データyおよびmのうち小さい方を選択し、色相領域データh1rとして出力し、最小値選択手段9fは有彩色成分データmおよびcのうち小さい方を選択し、色相領域データh1bとして出力する。
色相領域データh1r,h1g,h1b,h1c,h1m,h1yの算出は、以下の式により表すことができる。
Figure 0003879728
ただし、min(A,B)はAとBのうち小さい方の値を表す。
図6(A)〜(F)は、色相領域データh1r,h1y,h1g,h1c,h1b,h1mと、赤、イエロー、緑、シアン、青、マゼンタの6つの色相との関係を模式的に示した図である。図6に示すように、色相領域データh1r,h1g,h1b,h1c,h1m,h1yは、それぞれ、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、イエローの色相において最大となり、他の色相においては大きさが0となる。すなわち、色相領域データh1r,h1g,h1b,h1c,h1m,h1yは、第1の色データにより表されるカラー画像における、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、イエローの色相成分に有効なデータといえる。
例えば、Wを定数として、第1の色データがRi=W,Gi=0,Bi=0の場合、この第1の色データは赤の色相の色を表す。このとき、有彩色成分データは、r=W,g=b=0、y=m=W、c=0となる。したがって、h1r=min(y,m)=Wとなり、他の5つの色相領域データh1g,h1b,h1y,h1m,h1cは、全て0になる。つまり、赤の色相に対しては、h1r=min(y,m)のみが有効な色相領域データになる。同様に、緑にはh1g=min(c,y)、青にはh1b=min(m,c)、シアンにはh1c=min(g,b)、マゼンタにはh1m=min(b,r)、イエローにはh1y=min(r,g)がそれぞれ有効な色相領域データとなる。
色相領域データ算出手段5により算出された色相領域データh1r,h1g,h1b,h1y,h1m,h1cは、色相領域データ周波数特性変換手段6a,6b,6c,6d,6e,6fにそれぞれ入力される。色相領域データ周波数特性変換手段6a〜6fは、入力された色相領域データの高周波成分を除去または減衰させることにより雑音除去処理を行い、雑音除去後色相領域データfh1r,fh1g,fh1b,fh1c,fh1m,fh1yを出力する。
色相領域データ周波数特性変換手段6a〜6fのフィルタ特性は、入力される色相領域データh1r,h1g,h1b,h1y,h1m,h1cの雑音成分の性質に応じてそれぞれ設定される。
例えば、画像データの画素周波数付近の高い周波数の雑音成分を除去する場合、入力されたデータ中の高周波成分を遮断または大きく減衰させ、低周波成分を透過するローパスフィルタによって色相領域データ周波数特性変換手段6a〜6fを構成することができる。具体的には、画素周波数の約1/4.5以上、すなわち画素データのクロック周波数の1/9以上の周波数成分に遮断、または減衰帯域を有するローパスフィルタを用いることができる。
構成が簡単なローパスフィルタとしては、連続する複数の各画素における画像データの単純平均値を算出するものが考えられる。この場合、フィルタ特性は単純平均値の算出に用いる画素の数により決定されることになる。
図3は、色相領域データ周波数特性変換手段6a〜6fそれぞれの内部構成の一例を表すブロック図である。図3に示すように、色相領域データ周波数特性変換手段6b〜6fは、複数のデータ格納部10a〜10hを含むデータシフト手段11と、重み付け加算手段12とを有する。色相領域データ周波数特性変換手段6a〜6fのそれぞれに入力される色相領域データh1r,h1g,h1b,h1y,h1m,h1cは、データ格納部10aに送られる。データ格納部10a〜10hは、互いに縦続接続されており、色相領域データが入力されるたびに、入力されたデータを一斉に後段にシフトするとともに、重み付け加算手段12に出力する。
重み付け加算手段12は、データ格納部10a〜10hから出力されたデータに重み付け加算を施し、重み付け加算の結果を雑音除去後色相領域データfh1r,fh1g,fh1b,fh1c,fh1m,fh1yとして出力する。重み付け加算手段12において、重み付係数を互いに同じ値(1/9)にすれば、単純平均値が算出され、平滑化処理が行なわれる。この場合、色相領域データ周波数特性変換手段6aにより算出される雑音除去後色相領域データfh1rは以下の式により表される。
Figure 0003879728
上記式(2)において、h1r[n]はn番目に入力された色相領域データを表し、関数fはデータ格納部10a〜10hにより出力されるデータhir[n+4]…hir[n−4]の重み付け加算を表す。上記式(2)において、h1r[n]の重み付け係数を1とし、他を0とすると、周波数特性変換処理は行なわれずfh1r=h1rとなり、入力された色相領域データがそのまま出力される。
尚、他の変換後色相領域データfh1g,fh1b,fh1c,fh1m,fh1yについても上記式(2)同様に表される。
雑音除去後色相領域データfh1r,fh1g,fh1b,fh1c,fh1m,fh1yは、最小値αとともにマトリクス演算手段8に入力される。マトリクス演算手段8は、雑音除去後色相領域データ、および最小値αを演算項とし、係数発生手段7により出力される演算係数U(Fij)をマトリクス係数として用いたマトリクス演算により色補正量R1,G1,B1を算出する。
図4は、マトリクス演算手段8の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、マトリクス演算手段8は、乗算手段13a〜13g、および加算手段14a〜14fにより構成される。乗算手段13a〜13gは、雑音除去後色相領域データfh1r,fh1g,fh1b,fh1c,fh1m,fh1y、および第1の色データの最小値αに、演算係数U(Fij)をそれぞれ乗じる。加算手段14aは乗算手段13bおよび13cの出力を加算し、加算手段14bは乗算手段13dおよび13eの出力を加算し、加算手段14cは乗算手段13fおよび13gの出力を加算する。加算手段14dは乗算手段13aの出力と加算手段14aの出力とを加算し、加算手段14eは加算手段14bの出力と加算手段14cの出力とを加算する。そして加算手段14fは、加算手段14dおよび14eの出力を加算し、色補正量R1(G1またはB1)として出力する。
図4において、演算係数U(Fij)は、算出する色補正量R1,G1,B1毎に与えられ、R1,G1,B1の色補正量が順次算出されるが、同様の回路を3つ設けることにより、並列処理を行うよう構成してもよい。
マトリクス演算手段8における上記の演算は以下の式により表される。
Figure 0003879728
上記式(3)のマトリクス係数は、Fij(i=1〜3,j=1〜7)である。
マトリクス演算手段8により出力される色補正量R1,G1,B1は、色補正量加算手段2に送られる。色補正量加算手段2は、第1の色データRi,Gi,Biに、色補正量R1,G1,B1を加算することにより、第2の色データRo,Go,Boを算出する。
本発明に係る色変換装置は、色相領域データに対し雑音除去処理を行なって得られる雑音除去後色相領域データfh1r,fh1g,fh1b,fh1y,fh1m,fh1cを演算項とするマトリクス演算により色補正量を算出する。雑音除去後色相領域データは、色相領域データと同様に、赤、緑、青、イエロー、マゼンタ、シアンの色相成分に有効な演算項である。よって、係数発生手段7において、調整したい色相成分に有効な雑音除去後色相領域データに係わる係数を変化させれば、その着目する色相のみを調整できる。また、色相領域データ周波数特性変換手段6a〜6fは、それぞれ各色相領域データに対して独立に雑音除去処理を行うので、色相領域データ周波数特性変換手段6a〜6fにおける雑音除去の特性、効果の大きさを変化させることにより、雑音除去の特性、除去する雑音成分の量を色相成分毎に変化させることができる。
以下、本発明に係る色変換装置の作用について説明する。第1の色データRi,Gi,Biは、伝送される過程において種々の雑音の影響を受ける。したがって、画像生成時の本来の色データをRs,Gs,Bsとし、各色データに対する雑音成分の大きさをRn,Gn,Bnとすると、第1の色データは、Ri=Rs+Rn、Gi=Gs+Gn、Bi=Bs+Bnと表すことができる。すなわち、色変換装置に入力される第1の色データRi,Gi,Biは、本来の色データ成分であるRs,Gs,Bsと、雑音成分であるRn,Gn,Bnとの和で表されることになる。
図7は、本来の色データRs,Gs,Bsの一例を表す図である。図7において、横軸は画素位置を表し、縦軸は各画素位置における色データRs,Gs,Bsの大きさを表す。画素位置0から16においてはRs=48,Gs=160,Bs=48となっており、均一な緑色(グレイ成分を含む)を表している。画素位置17から42においてはRs=160,Gs=48,Bs=48となっており、均一な赤色(グレイ成分を含む)を表している。画素位置43から63においてはRs=48,Gs=48,Bs=48となっており、均一なグレイを表している。
図8は、本来の色データRs,Gs,Bsに雑音成分Rn,Gn,Bnが付加された場合の色データ、つまり雑音成分を含む第1の色データRi,Gi,Biを表す図である。図8中、矢印a,bにより示しているのは、画素位置12,13における色データGiの値であり、矢印c,dにより示しているのは画素位置26,27における色データRiの値である。色データGiの上記各画素位置における値は、画素位置12においてGi=146(Ri=54,Gi=54)、画素位置13においてGi=168(Ri=62、Gi=54)となっている。また、色データRiの上記各画素位置における値は、画素位置26においてRi=146(Gi=40、Bi=38)、画素位置27においてRi=174(Gi=46、Bi=60)である。画素位置12および13における色データGiの値、ならびに画素位置26および27における色データRiの値は、本来、等しくなるべきものであるが、雑音成分の影響により各画素位置で値が異なっている。
ここで、第1の色データの彩度は、色データRi,G,i,Biの最大値と最小値の差を最大値にて除したもので表すことができ、明度は最大値で表すことができる。これによると、画素位置12における第1の色データの彩度は0.63、明度は146、画素位置13における第1の色データの彩度は0.68、明度は168、画素位置26における第1の色データの彩度は0.74、明度は146、画素位置27において彩度は0.74、明度は174となる。
図9は、図8に示す第1の色データRi,Gi,Biに基づいて算出される色相領域データを表す図である。図9に示すように、図8に示す第1の色データについては色相領域データh1r,h1gが算出される。
図10は、図9に示す色相領域データh1r,h1gに対応する雑音除去後色相領域データfh1r,fh1gを表す図である。ここでは、色相領域データh1rが入力される色相領域データ周波数特性変換手段6aにおいてのみ雑音除去処理が行なわれ、他の色相領域データ周波数特性変換手段6b〜6fにおいては、入力された色相領域データh1g,h1b,h1y,h1m,h1cがそのまま雑音除去後色相領域データfh1g,fh1b,fh1y,fh1m,fh1cとして出力されるものとする。これにより、第1の色データにおける赤の色相成分についてのみ雑音除去の効果が現れるので、図10に示すように、雑音除去後色相領域データfh1rについては、色相領域データh1rに含まれていた雑音成分が除去される。一方、雑音除去後色相領域データfh1gについては、色相領域データh1gに含まれていた雑音成分は除去されていない。
雑音除去後色相領域データは、マトリクス演算手段8に送られる。雑音除去後色相領域データは、式(3)に示すように、雑音除去後色相領域データを演算項としたマトリクス演算により、色補正量R1,G1,B1を求める。このマトリクス演算に用いられる係数Fijの一例を以下に示す。
Figure 0003879728
上記式(4)に示すマトリクス係数は、第1の色データにおける赤、イエロー、緑の色相成分の明度および彩度を高める係数である。
図11は、式(4)に示すマトリクス係数を用いて算出した色補正量R1,G1,B1を図8に示す第1の色データRi,Gi,Biに加算して算出される第2の色データRo,Go,Boを表す図である。図11中、矢印a’,b’により示しているのは、画素位置12,13における色データGoの値であり、矢印c’,d’により示しているのは画素位置26,27における色データRoの値である。色データGoの上記各画素位置における値は、画素位置12においてGo=173(Ro=54,Go=54)、画素位置13においてGo=202(Ro=68,Go=54)となっている。また、色データRoの上記各画素位置における値は、画素位置26においてRo=177(Gi=40,Bi=38)、画素位置27においてRo=204(Gi=46,Bi=60)である。
したがって、第2の色データの画素位置12における彩度および明度は0.69,173、画素位置13における彩度および明度は0.73,202、画素位置26における彩度および明度は0.79,177、画素位置27における彩度および明度は0.77,204となる。このように、第2の色データRo,Go,Boの明度および彩度は、第1の色データRi,Gi,Biよりも高くなっていることが分かる。
また、画素位置12および13における第1の色データGiの差は168−146=22であるが、同画素位置における画素位置12および13における第2の色データGoの差は202−173=29となり、増加していることが分かる。一方、画素位置26および27における第1の色データRiの差は174−146=28であるが、同画素位置における第2の色データRoの差は204−177=27となっており、ほとんど変化していない。上記各画素位置における第1の色データGiおよびRiの差は、雑音成分の影響により生じたものであり、第2の色データGoについては雑音成分の影響が強調されているのに対し、第2の色データRoについては雑音成分の影響が強調されることなく彩度や明度を高めるような処理が行われていることが分かる。
これは、第1の色データにおける赤の色相成分についてのみ雑音除去処理が行われるように色相領域データ周波数特性変換手段6a〜6fの特性を設定したためである。ここで、緑の色相成分に有効な色相領域データh1gが入力される色相領域データ周波数特性変換手段6bの重み付け加算手段6において単純平均値を算出するよう設定すれば、第2の色データGoにおいても雑音成分の影響が強調されることなく彩度および明度を高めるような処理が行われる。
以上のように、本発明に係る色変換装置によれば、赤、緑、青、イエロー、シアン、マゼンタの各色相成分に有効な色相領域データh1r,h1g,h1b,h1y,h1c,h1mの周波数特性を独立に変換する色相領域データ周波数変換手段6a〜6fを備え、雑音除去処理を行なって得られる雑音除去後色相領域データfh1r,fh1g,fh1b,fh1y,fh1c,fh1mを演算項としたマトリクス演算により明度および彩度を上げる色変換処理を行なうので、雑音成分を強調することなく、第1の色データの明度および彩度を上げることが可能である。
また、雑音除去後色相領域データfh1r〜fh1cを用いて第1の色データの明度および/または彩度を色相成分毎に調整するための色補正量R1,G1,B1を算出し、算出された色補正量を第1の色データRi,Gi,Biに加算することにより明度および/または彩度を上げる処理を行うので、雑音除去処理に伴う画像のボケを防ぐことができる。つまり、雑音除去処理の影響は色補正量R1,G1,B1のみに現れ、第1の色データの輪郭情報は維持されるので、雑音成分を強調することなく明度および/または彩度を向上させることができる。図11に示すように、第2の色データの画素位置16から17、画素位置42から43にかけての値の変化は緩やかなっておらず、画像の輪郭情報が維持されていることが分かる。
さらに、本発明に係る色変換装置は、赤、緑、青、イエロー、シアン、マゼンタの各色相成分に有効な色相領域データh1r,h1g,h1b,h1y,h1m,h1cの雑音成分を除去する色相領域データ周波数特性変換手段6a,6b,6c,6d,6e,6fを備えたので、これらのフィルタ特性を個別に変化させることにより、上記各色相成分の雑音除去を独立に行うことができる。本実施例の説明では、第1の色データにおける赤の色相成分のみに雑音除去の効果が現れるよう色相領域データ周波数特性変換手段6a〜6fの特性を設定したが、全ての色相成分について雑音除去の効果が現れるようにしてもよい。また、除去される雑音成分の量を色相成分毎に変化させることもできる。
また、本実施例の説明では、マトリクス演算手段8において、赤、イエロー、緑の3つの色相成分の明度および彩度を高めるマトリクス係数(Fij)を用いた演算を行ったが、他の色相成分の明度および/または彩度を高めるような色補正量演算を行ってもよい。また、ディスプレイ等の表示特性に応じて、明度や彩度を抑えるような補正を行ってもよい。
尚、明度および/または彩度の調整量、ならびに調整を行う色相成分については式(3)のマトリクス係数Fijにより適宜設定することができる。
さらに、本実施例の説明では、色相領域データ周波数特性変換手段6a〜6fを雑音除去の目的に用いるものとしたが、任意の周波数成分を抑制、または強調する周波数特性の変換を行う構成としてもよい。
図12は、本発明に係る色変換装置の他の実施例を示すブロック図である。図1に示す色変換装置との違いは、無彩色成分データ周波数特性変換手段15を備えた点である。無彩色成分データ周波数特性変換手段15は、無彩色成分を表す第1の色データRi,Gi,Biの最小値αに対し雑音除去処理を行い、雑音除去された無彩色成分fαを出力する。マトリクス演算手段8は、雑音除去後色相領域データfh1r,fh1g,fh1b,fh1c,fh1m,fh1yに加え、雑音除去された無彩色成分fαを演算項として用いるマトリクス演算を行う。マトリクス演算手段8aは、図4に示すものと同様の構成を採用することができる。この場合、図4中の乗算手段13gに無彩色成分αの代わりに雑音除去された無彩色成分fαが入力される。
本実施例による色変換装置は、無彩色成分データ周波数特性変換手段15を備えたので、第1の色データRi,Gi,Biの無彩色成分に対しても雑音除去処理を行うことができる。無彩色成分の大きさは、有彩色成分との比率により色の彩度に影響を与える。また、無彩色成分は明るさの情報を持つデータであり、人間の視覚特性に対しては、有彩色成分とは異なる特性を持つ。したがって、無彩色成分データ周波数特性変換手段15を設けることにより、視覚特性に合わせた雑音除去処理を行なうことができる。
図13は、本発明に係る色変換装置の他の実施例の構成を示すブロック図である。図13に示すように、本実例による色変換装置のαβ算出手段1aは、第1の色データRi,Gi,Biの最大値βおよび最小値αを選択して出力するとともに、第1の色データRi,Gi,Biにより表される色の色相に関する情報を表す識別符号S1を出力する。この識別符号S1は、係数発生手段7bおよびマトリクス演算手段8bに入力される。
図15は、識別符号S1の値と、色データRi,Gi,Biの大小関係を示す図であり、図16は、識別符号S1の値と、第1の色データRi,Gi,Biの色相との関係を示す図である。図16に示すように、第1の色データRi,Gi,Biが赤〜イエローにおける色相の色を表す場合、識別符号S1として1が出力される。同様に、イエロー〜緑の場合はS1=3、緑〜シアンの場合はS1=2、シアン〜青の場合はS1=4、青〜マゼンタの場合はS1=5、マゼンタ〜赤の場合はS1=0が識別符号としてそれぞれ出力される。また、第1の色の色データRi,Gi,Biが赤の色相の色を表す場合、識別符号S1として6が出力される。同様に、イエローの場合はS1=11、緑の場合はS1=7、シアンの場合はS1=9、青の場合はS1=8、マゼンタの場合はS1=10が識別符号としてそれぞれ出力される。
なお、Ri=Gi=Biの場合、第1の色データは無彩色、つまりグレイを表し、この場合は識別符号S1として12が出力される。
有彩色成分データ算出手段4、色相領域データ算出手段5、色相領域データ周波数特性変換手段6a〜6bは、それぞれ実施例1において説明した動作を行う。つまり、有彩色成分データは有彩色成分データr,g,b,y,m,cを算出する。色相領域データ算出手段5は、有彩色成分データr,g,b,y,m,cを用いて、式(1)により色相領域データh1r,h1g,h1b,h1c,h1m,h1yを算出する。色相領域データ周波数特性変換手段6a〜6fは、色相領域データh1r,h1g,h1b,h1c,h1m,h1yをそれぞれ雑音除去し、雑音除去後色相領域データfh1r,fh1g,fh1b,fh1c,fh1m,fh1yを出力する。色相領域データh1r,h1g,h1b,h1c,h1m,h1yを雑音除去して得られる雑音除去後色相領域データfh1r,fh1g,fh1b,fh1c,fh1m,fh1yもまた、それぞれ赤、緑、青、イエロー、シアン、マゼンタの各色相成分に有効なデータである。
雑音除去後色相領域データfh1r〜fh1yは、マトリクス演算手段8bに入力される。図14は、マトリクス演算手段8bの内部構成の一例を示すブロック図である。図14に示すように、マトリクス演算手段8bは、演算項選択手段16を前段部に備えている。演算項選択手段16には、雑音除去後色相領域データfh1r,fh1g,fh1b,fh1c,fh1m,fh1y、および識別符号S1が入力される。演算項選択手段16は、識別符号S1に基づいて、雑音除去後色相領域データfh1r,fh1g,fh1b,fh1c,fh1m,fh1yのうち、第1の色データRi,Gi,Biにより表される色の色相に有効なデータを選択し、マトリクス演算の演算項h1p,h1qとして出力する。ただし、有効な雑音除去後色相領域データが1つの場合は演算項h1p,h1qのいずれかを0とし、有効な雑音除去後色相領域データが存在しない場合は両方を0として出力する。
図17は、識別符号S1と、当該識別符号S1に基づいて選択される演算項h1p,h1qとの関係を表す図である。識別符号S1=1の場合、第1の色データRi,Gi,Biは赤〜イエローにおける色相の色を表すので、赤に有効な色相領域データh1rおよびイエローに有効な色相領域データh1yのみが有効なデータ、つまり非ゼロのデータとなり、他の色相領域データはゼロとなる。したがって、演算項選択手段16はfh1rおよびfh1yをそれぞれ演算項h1p,h1qとして選択する。また、S1=11の場合、第1の色データRi,Gi,Biはイエローの色相の色を表すので、イエローに有効な色相領域データh1yのみが有効なデータとなり、他の色相領域データは0となる。したがって、演算項選択手段16はfh1yをh1qとして選択し、h1p=0とする。
図14に示すように、演算項選択手段16により選択された演算項h1p,h1q、および第1の色データの最小値αは、乗算手段13h,13i,13jにそれぞれ入力され、演算係数U(Eij)と乗じられる。乗算手段13h,13iの出力は加算手段14gにて加算される。乗算手段13jの出力と、加算手段14gの出力は加算手段14hにて加算され、色補正量R1(G1またはB1)が算出される。演算係数U(Eij)は、係数発生手段7bにより、識別符号S1の値に基づいて出力される。この際、係数発生手段7bは、演算項選択手段16により演算項h1q,h1pとして選択される雑音除去後色相領域データに対応する係数をマトリクス係数Eijとして設定する。すなわち、演算項選択手段16が演算項h1pとしてfh1r、演算項h1qとしてfh1yを選択した場合、係数発生手段7bは演算項h1pにかかる係数としてfh1r用の係数、演算項h1qにかかる係数としてfh1y用の係数を選択して出力する。このとき係数発生手段7bは、演算項fh1r,fh1yに乗じる係数を、色補正量R1,G1,B1毎に選択して出力する。
マトリクス演算手段8bにおける上記の演算は、以下のマトリクス演算式により表される。
Figure 0003879728
上記式(5)のマトリクス係数は、Fij(i=1〜3,j=1〜3)である。
算出された色補正量R1,G1,B1は、色補正量加算手段2へと入力される。色補正量加算手段2は、第1の色データRi,Gi,Biに色補正量R1,G1,B1を加算することにより、第2の色データRo,Go,Boを算出する。
本実施例による色変換装置は、識別符号S1に基づいて、有効な雑音除去後色相領域データ、つまり第1の色データRi,Gi,Biにより表される色の各画素における色相成分に関与する雑音除去後色相領域データを演算項h1p,h1qとして選択するので、マトリクス演算における演算量を削減することができる。また、マトリクス演算手段8bの乗算手段、および加算手段の数を削減し、回路規模を縮小することができる。
図18は、図8に示す第1の色データRi,Gi,Biを本実施例による色変換装置によって処理して得られる第2の色データRo,Go,Boを表す図である。図18に示す第2の色データRo,Go,Boは、色相領域データ周波数特性変換手段6aにおいて赤の色相に有効な色相領域データh1rについてのみ雑音除去処理を行い、マトリクス演算手段8において式(4)に示す、明度および彩度を上げるマトリクス係数を用いて得られたものである。
図18中、矢印a,bにより示しているのは、画素位置12,13における色データGoの値であり、矢印c,dにより示しているのは画素位置26,27における色データRoの値である。色データGoの各画素位置における値は、画素位置12においてGo=173(Ro=54,Go=54)、画素位置13においてGo=202(Ro=68,Go=54)となっている。また、色データRoの各画素位置における値は、画素位置26においてRo=177(Go=40,Bo=38)、画素位置27においてRo=204(Go=46,Bo=60)となっている。
この結果は、図11に示す実施例1による色変換装置において得られる第2の色データRo,Go,Boと同様である。つまり、本実例による色変換装置においても実施例1と同様に、色データに含まれる雑音成分の影響を更に強調することなく特定の色相成分の明度および彩度を高める処理を行うことが可能である。
次に、本実施例による色変換装置の特有の効果を実施例1による色変換装置と比較して説明する。ここで、本実施例と実施例1との違いは、実施例1は式(3)に示すように、6つの雑音除去後色相領域データfh1r〜fh1cを演算項として用いるマトリクス演算を行うのに対し、本実施例は上記式(5)に示すように、演算項選択手段16により識別符号S1に基づいて選択された演算項h1p,h1qを用いるマトリクス演算を行う点である。本実施例による色変換装置は、第1の色データが雑音成分を含まない場合、つまりRi=Rs,Gi=Gs,Bi=Bsである場合に、以下のような効果を奏する。
図19は、図7に示す本来の色データに等しい第1の色データRi=Rs,Gi=Gs,Bi=Bsが、実施例1による色変換装置に入力された場合に算出される第2の色データを表す図である。ここでは、色相領域データ周波数特性変換手段6aにおいて色相領域データh1rについてのみ雑音除去処理が行われ、他の色相領域データ周波数特性変換手段6b〜6fは入力された色相領域データh1g,h1b,h1y,h1m,h1cをそのまま雑音除去後色相領域データとして出力するものとする。また、マトリクス演算手段8は式(4)に示す明度および彩度を上げるマトリクス係数を用いるものとする。
図19に示すように、実施例1の色変換装置により処理された第2の色データにおいては、画素位置13〜16、および画素位置43〜46において、色データRoの値が増加している。画素位置13〜16は、本来、赤色の領域に隣接する緑色の領域であり、この領域で色データRoの値が増加することにより、本来は緑色であるべき領域に黄色っぽい色の領域が発生することとなる。また、画素位置43〜46は、本来は赤色の領域に隣接するグレイの領域であり、この領域で色データRoの値が増加することにより、本来はグレイであるべき領域に赤っぽい色の領域が発生し、これらは画素位置16〜43の赤色の領域からの「にじみ」として視認される。
この「にじみ」は、色相領域データh1rに対して色相領域データ周波数特性変換手段6aにおいて高周波成分の除去が行われたことにより、赤の色相成分が本来ならばゼロとなるべき緑、およびグレイの領域で雑音除去後色相領域データfh1rの値が非ゼロとなることにより発生する。つまり、第1の色データRi,Gi,Biが緑の色相成分の色を表す場合は色相領域データh1g以外は全てゼロとなる。したがって、式(3)において、緑の色相成分に有効な雑音除去後色相領域データfh1g以外の雑音除去後色相領域データfh1r,fh1b,fh1y,fh1m,fh1cは全てゼロとならなければならない。しかし、雑音除去処理によりfh1rが非ゼロとなることにより、画素位置13〜16の領域においてRoの値が増加し、「にじみ」が発生する。
図20は、雑音成分を含まない第1の色データRi=Rs,Gi=Gs,Bi=Bsを、同様の条件で本実施例による色変換装置により処理した第2の色データRo,Go,Boを表す図である。本実施例による色変換装置は、演算項選択手段16により、識別符号S1に基づいて本来ゼロとなるべき領域で非ゼロとなる雑音除去後色相領域データを除去するので、図10に示される「にじみ」は生じていない。つまり、画素位置16以前の緑の領域においては、識別符号S1=7となるので、図17に示すように、演算項h1p,h1qとしてfh1gおよび0がそれぞれ出力される。また、画素位置43以降のグレイの領域においては識別符号S1=12となるので、図17に示すように、演算項h1p,h1qとして0が出力される。このように演算項選択手段16は、識別符号S1に基づいて、真に有効な演算項のみを選択して出力するので、緑やグレイの領域では赤の色相成分に有効な雑音除去後色相領域データfh1rは除去される。
以上のように、本実施例による色変換装置によれば、マトリクス演算における演算量を削減するとともに、雑音除去処理により生じる「にじみ」の発生を防ぐことができる。
本発明の実施例1による色変換装置の構成を示すブロック図である。 色相領域データ算出手段の構成を示すブロック図である。 色相領域データ周波数特性変換手段の構成を示すブロック図である。 マトリクス演算手段の構成を示すブロック図である。 有彩色成分データの大きさと色相との関係を示す模式図である。 色相領域データと色相との関係を示す模式図である。 第1の色データの本来のデータの一例を示す図である。 第1の色データの一例を示す図である。 色相領域データの一例を示す図である。 雑音除去後色相領域データの一例を示す図である。 第2の色データの一例を示す図である。 本発明の実施例2による色変換装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例3による色変換装置の構成を示すブロック図である。 マトリクス演算手段の構成を示すブロック図である。 識別符号と第1の色データの大小関係を示す図である。 識別符号と色相との関係を示す図である。 識別符号と選択される演算項との関係を示す図である。 第2の色データの一例を示す図である。 第2の色データの一例を示す図である。 第2の色データの一例を示す図である。
符号の説明
1 色補正量算出手段、 2 色補正量加算手段、 3,3b αΒ算出手段、 4 有彩色成分データ算出手段、 5 色相領域データ算出手段、 6a〜6f 色相領域データ周波数特性変換手段、 7,7b 係数発生手段、 8,8a,8b マトリクス演算手段、 9a〜9f 最小値選択手段、 10a〜10h データ格納部、 11 データシフト手段、 12 重み付け加算手段、 13a〜13j 乗算手段、 14a〜14h 加算手段、 15 無彩色成分データ周波数特性変換手段、 16 演算項選択手段

Claims (13)

  1. カラー画像を表す第1の色データの明度および/または彩度を変換して上記第1の色データに対応する第2の色データを出力する色変換装置において、
    上記第1の色データを用いて、当該第1の色データにより表されるカラー画像における、複数の特定の色相成分に有効な第1の色相領域データを算出する色相領域データ算出手段と、
    上記第1の色相領域データの周波数特性を、上記色相成分毎に独立に変換することにより第2の色相領域データを出力する周波数特性変換手段と、
    上記第2の色相領域データの各々について設定される所定のマトリクス係数を出力する係数発生手段と、
    上記第2の色相領域データを演算項とし、上記マトリクス係数を上記第2の色相領域データに乗じる乗算を含むマトリクス演算を行うことにより、上記第1の色データの明度および/または彩度を上記色相成分毎に独立に補正するための補正量を算出するマトリクス演算手段と、
    上記補正量に基づいて上記第2の色データを算出する色補正手段とを備えたことを特徴とする色変換装置。
  2. 色相領域データ算出手段は、第1の色データにより表されるカラー画像における、赤、緑、青、イエロー、シアン、マゼンタの色相成分の各々に有効な第1の色相領域データを算出することを特徴とする請求項1に記載の色変換装置。
  3. 色相領域データ算出手段は、第1の色データにより表される色から無彩色成分を除いた色の、赤、緑、青、イエロー、シアン、マゼンタの各色成分の大きさを表す有彩色成分データr,g,b,y,m,cを算出し、上記有彩色成分データを用いて、赤、緑、青、イエロー、シアン、マゼンタの各色相成分に有効な第1の色相領域データh1r,h1g,h1b,h1y,h1m,h1cを以下の式により算出することを特徴とする請求項2に記載の色変換装置。
    Figure 0003879728
  4. 周波数特性変換手段は、赤、緑、青、イエロー、シアン、マゼンタの各色相成分に有効な第1の色相領域データh1r,h1g,h1b,h1y,h1c,h1mの周波数特性を独立に変換して得られる第2の色相領域データfh1r,fh1g,fh1b,fh1y,fh1c,fh1mを出力し、
    係数発生手段はマトリクス係数Fij(i=1〜3,j=1〜7)を出力し、
    マトリクス演算手段は、第1の色データにより表されるカラー画像における無彩色成分の大きさを表す無彩色データαを演算項として含む以下のマトリクス演算式により第1の色データの赤、緑、青の各成分の大きさに対する補正量R1,G1,B1を算出することを特徴とする請求項2または3に記載の色変換装置。
    Figure 0003879728
  5. 第1の色データにより表されるカラー画像における無彩色成分を表す第1の無彩色データの周波数特性を変換することにより、第2の無彩色データを出力する手段をさらに備え、
    マトリクス演算手段は、上記第2の無彩色データを演算項として含むマトリクス演算を行なうことにより補正量を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の色変換装置。
  6. 周波数特性変換手段は、明度および/または彩度を上げる色相成分に有効な色相領域データの雑音成分を除去することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の色変換装置。
  7. 第1の色データにより表される色の色相に関する情報を示す識別符号を出力する手段と、
    上記識別符号に基づいて、上記第1の色データにより表される色の色相に関わる第2の色相領域データを選択する選択手段とをさらに備え、
    マトリクス演算手段は、上記選択手段により選択された第2の色相領域データを演算項として用いるマトリクス演算を行うことにより補正量を算出することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の色変換装置。
  8. マトリクス演算手段は、選択手段により選択された第2の色相領域データを演算項hp1,hq1とし、
    以下の式により補正量R1,G1,B1を算出することを特徴とする請求項7に記載の色変換装置。
    Figure 0003879728
  9. カラー画像を表す第1の色データの明度および/または彩度を変換して上記第1の色データに対応する第2の色データを出力する色変換方法において、
    上記第1の色データを用いて、当該第1の色データにより表されるカラー画像における、複数の特定の色相成分に有効な第1の色相領域データを算出し、
    上記第1の色相領域データの周波数特性を、上記色相成分毎に独立に変換することにより第2の色相領域データを出力し、
    上記第2の色相領域データの各々について設定される所定のマトリクス係数を出力し、
    上記第2の色相領域データを演算項とし、上記マトリクス係数を上記第2の色相領域データに乗じる乗算を含むマトリクス演算を行うことにより、上記第1の色データの明度および/または彩度を上記色相成分毎に独立に補正するための補正量を算出し、
    上記補正量に基づいて上記第2の色データを算出することを特徴とする色変換方法。
  10. 第1の色データにより表されるカラー画像における、赤、緑、青、イエロー、シアン、マゼンタの色相成分の各々に有効な第1の色相領域データを算出することを特徴とする請求項9に記載の色変換方法。
  11. 第1の色データにより表されるカラー画像における無彩色成分を表す第1の無彩色データの周波数特性を変換することにより、第2の無彩色データを出力し、
    上記第2の無彩色データを演算項として含むマトリクス演算を行なうことにより補正量を算出することを特徴とする請求項9または10に記載の色変換方法。
  12. 明度および/または彩度を上げる色相成分に有効な色相領域データの雑音成分を除去することを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の色変換方法。
  13. 第1の色データにより表される色の色相に関する情報を示す識別符号を出力し、
    上記識別符号に基づいて、上記第1の色データにより表される色の色相に関わる第2の色相領域データを選択し、
    選択された第2の色相領域データを演算項として用いるマトリクス演算を行うことにより補正量を算出することを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の色変換方法。
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