JP3879683B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ球を遊技面に向かって発射させる発射機構を備えたパチンコ遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ球を使用する遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、遊技台としての遊技機本体の上部に遊技面を有する遊技盤が配置され、その直下にパチンコ球が流通したり発射機構の一部が配設される領域(これをパチンコ球処理領域とする)が設けられている。ここに、発射機構は遊技者が発射装置としてのハンドルを操作することによってパチンコ球(遊技球)を弾発(発射)させ、発射案内レール上を滑走させて遊技面に遊技球を導くものであって、パチンコ遊技機における基本的な機構の一つである。
図30〜図32に示すように、一般に発射案内レール211の発射準備位置にセットされた遊技球(発射待機球)はストッパ212によって下方から支持されるとともに前方からは上受け皿扉枠213の裏面に装着された遊技球案内装置214によって支持され、後方からは発射案内レール211の背面壁(取り付けリブ)211aによって支持される。すなわち、発射待機球は発射準備位置においてストッパ212、遊技球案内装置214の側壁及び取り付けリブ211aによって三方から支持(実際には遊技球案内装置214及び背面壁211aとの間には若干の隙間が形成され常時支持されるわけではない)されることとなり、この位置における安定した遊技球の発射を可能としている。
【0003】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで従来の発射案内レールの存していた問題として、発射案内レールの下部方向には発射ハンマや球送りアームを配置する関係上、遊技機本体内部に連通する開口部が必要とされていたが、この開口部からパチンコ球が内部に流入してしまい故障の原因の一つとなっていた。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、遊技面の大きさに関わりなく発射機構を配置することができ、安定した発射待機球の保持と安定した発射を可能としたパチンコ遊技機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、支持枠体に支持され遊技者が対面して遊技を行う遊技面を備えた遊技台と、同遊技台に対して開閉可能に支持され同遊技面の前方に配置される扉枠と、前記扉枠の背面であって、前記遊技台の遊技面よりも下方に配置され遊技者の発射装置の操作に基づいてパチンコ球を遊技面に向かって発射させる発射機構とを備え、同発射機構によって発射されたパチンコ球に基づいて前記遊技面における所定の遊技動作を実行させるようにしたパチンコ遊技機において、前記扉枠には同遊技台方向から供給されるパチンコ球を貯留するパチンコ球受け皿が一体化して形成され、前記発射機構によるパチンコ球の発射準備位置を同扉枠の最下端よりも更に下方に配置させようにしたことをその要旨とする。
また、請求項2に記載の発明では、支持枠体に支持され遊技者が対面して遊技を行う遊技面を備えた遊技台と、同遊技台に対して開閉可能に支持され同遊技面の前方に配置される扉枠と、前記扉枠の背面であって、前記遊技台の遊技面よりも下方に配置され遊技者の発射装置の操作に基づいてパチンコ球を遊技面に向かって発射させる発射機構とを備え、同発射機構によって発射されたパチンコ球に基づいて前記遊技面における所定の遊技動作を実行させるようにしたパチンコ遊技機において、前記同扉枠には単独で前記遊技台に対して開閉可能に支持され同遊技台方向から供給されるパチンコ球を貯留するパチンコ球受け皿が形成された受け皿扉枠が併設され、前記発射機構によるパチンコ球の発射準備位置を同受け皿扉枠の最下端よりも更に下方に配置させたことをその要旨とする。
また、請求項3に記載の発明では請求項1又は2に記載された発明の構成に加え、前記前記発射機構による発射位置は正視状態で外部に露出しないように前記遊技台の内部に収納させるようにしたことをその要旨とする。
【0006】
【0007】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明では、発射機構によるパチンコ球の発射位置を前記扉枠の最下端よりも更に下方に配置させるようにするようにし、更に発射待機球支持手段を設けて発射待機球の支持をさせるようにしたため、発射機構の配置位置が従来のように限定されることなく例えば遊技面を拡大させるというような設計変更にも対応できるようになった。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をパチンコ遊技機に応用した実施の形態について図面に基づいて説明する。尚、以下の説明において前面、前方或いは表面側とは遊技者が正対する側をいい、後面、後方或いは背面側とはそれら正対する側の反対側をいう。また、特記なき限り左右とは前面からみた左右方向をいう。
【0009】
図1及び図5に示すように、パチンコ遊技機の支持枠体としての外枠1は上下左右の各枠板1a〜1dによって四角形に枠組みされた木製の枠体とされている。下部枠板1b上面には幕板2が配設されている。
外枠1には遊技台としての遊技機本体4が装着されている。遊技機本体4はパチンコ遊技機の構造的な中核を形成するパネル状の構成部材であってヒンジ金具6の回動軸6aを中心に回動し外枠1に対して図2に示す開閉用金具4aによって開閉可能にかつ着脱可能に装着されている。
図2に示すように、遊技機本体4を中心としてその他のパネル状の構成部材がその前後方向に積層状に配置されている。まず図2に基づいて各構成部材の概略の配置状態とそれらに付随する主要構成部材について説明し、次いで個々の構成部材について詳述する。
遊技機本体4の上半身に形成された遊技盤取り付けスペース9には遊技盤5が嵌合されている。遊技盤5の前方には扉枠7が配設されている。扉枠7の上方位置にはガラス窓Gが嵌合されており、同ガラス窓Gの下方位置にはパチンコ球受け皿としての上受け皿8が形成されている。
遊技盤5の後方位置には遊技盤5を背面から覆うように機構盤10が配設されている。機構盤10の直下には取り付けベース11が配設されている。遊技盤5の下方位置にはカバープレート13が配設されている。カバープレート13は遊技機本体4に対して固着されている。カバープレート13には前方に突出形成した下受け皿14が形成されている。カバープレート13は従来の機種における下部カバープレートに相当する。単にカバープレート13としたのは本実施の形態では上受け皿8の扉枠7側への移動に伴って本来上受け皿8が配設される上部カバープレートが不要となっているからである。下受け皿14の右側方には操作ハンドル15が取付けられている。遊技機本体4において遊技盤5とカバープレート13との間の略長方形の領域はパチンコ球処理領域21とされている。
【0010】
まず、遊技機本体4及び遊技盤5について詳しく説明する。
図1、図7及び図8に示すように、遊技機本体4の上半身には横架フレーム18及び左右の縦フレーム19によって額縁状に縁取られた遊技盤取り付けスペース9が形成されている。遊技盤取り付けスペース9の下方は図10に示すようにパチンコ球処理領域21とされ、同パチンコ球処理領域21の下方には更にパチンコ球発射機構23及び音響機構24が配設されている。遊技盤5はパチンコ球処理領域21の天板22上に載置され遊技盤取り付けスペース9に嵌合されている。図6に示すように、遊技盤5は略正方形のパネル体であって、遊技盤5の前面にほぼ垂直に配置された遊技面20上には内レール25及び外レール26によって包囲された略円形の遊技領域27が形成されている。遊技領域27内には入賞口28及び可変表示装置29等が所定位置に配設されている。内レール25の最下部位置にはアウト球回収口30が形成されている。遊技が終了して入賞口28に入賞しなかったパチンコ球(遊技球)はアウト球としてアウト球回収口30から後方に退場する。尚、釘については図示が省略されている。
図7及び図8に示すように、遊技盤取り付けスペース9前面には前記遊技領域27に応じた形状に縁取られた幕板31が形成されている。幕板31は天板22上に載置された遊技盤5を保持するとともに前方への脱落を防止する機能を有する。
図3及び図5に示すように遊技領域27は出願人の従来の機種(上受け皿が遊技機本体側に配設されているもの)と比較して大径とされるとともに、可変表示装置29の表示画面29aも大型化して遊技領域27内においてかなり大きな面積を占めている。これは上受け皿を遊技盤の下方位置に移動させることで上受け皿に関する機構を分散でき、その結果遊技盤を上下方向により長く構成することができるようになったことが主たる理由である。
【0011】
図11に示すように、遊技盤5の裏面であって可変表示装置29の下方位置には3箇所にセーフ球集合樋32が配設されている。セーフ球集合樋32の下方にはセーフ球集合板34が配設されている。セーフ球集合樋32は入賞したパチンコ球(セーフ球)が遊技領域27から退場後に通過する背面側の通路であって、セーフ球集合樋32に導かれたセーフ球はセーフ球集合板34の内部(遊技盤5との間でなす隙間)を通過して下方に落下する。
図9〜図11に示すように、セーフ球集合樋32及びセーフ球集合板34の背面にはメイン基板33が配設されている。メイン基板33には遊技内容に応じたプログラムやこれを起動させるためのプログラム等が個々の機種に応じて封印されて配設されている。
【0012】
次に遊技盤5のパチンコ球処理領域21の周辺の構造について説明する。
パチンコ球処理領域21には後述する払い出し機構40から供給されるパチンコ球を前面(遊技者側)に導く導入通路45とパチンコ球を外部に導く排出通路46とが配設されている。まず導入通路45について説明する。
導入通路45は上受け皿8にパチンコ球を導く主通路47と上受け皿8が一杯になった場合に下受け皿14方向にオーバーフローしたパチンコ球を導くバイパス通路49とを備えている。図9〜図11に示すように主通路47は遊技機本体4の裏面側に導入口50を備え、図1、図5等に示すように遊技機本体4の表面側の導出口51に連通されている。図13、図14及び図16に示すように、主通路47内には導入口50から導入したパチンコ球を前方に流下させる流下面47aが形成されている。流下面47aには前方に向かって緩やかな傾斜が設けられている。流下面47aはその途中で途切れており、導出口51は空間を隔てた流下面47a前方に配置される。
【0013】
図9〜図11並びに図15及び図16に示すようにバイパス通路49は遊技機本体4の裏面側に導入口52を備え遊技機本体4前面に配設されたオーバーフロー通路としての下受け皿用通路53内に連通されている。バイパス通路49内には導入口52から導入したパチンコ球が前方に流下する流下面49aが形成されている。流下面49aには前方に向かって緩やかな傾斜が設けられている。
図1、図5、図9〜図11及び図16に示すように下受け皿用通路53は遊技機本体4前面左側から右方向に横行して前記下受け皿14の流入口14aに連通されている。下受け皿用通路53はパチンコ球処理領域21の前面左方向においてバイパス通路49の流下面49aから流下するパチンコ球を下方に落下させる第1の通路53aと落下するパチンコ球をスムーズに略90度右方に方向転換させる曲面に形成された案内部53bとパチンコ球を斜め右下方に案内する第2の通路53cから構成される。第2の通路53cは遊技機本体4の左右方向の略中央位置において下受け皿14の流入口14aに接続されている。図16に示すように、第2の通路53cの起点位置の上方は開放空間54とされて前記主通路47の流下面47aの下端部が現れている。
【0014】
図1、図5、図13及び図14に示すように、導出口51にはフラップ55が立設されている。フラップ55は回動軸55aによって回動可能に軸支されるとともに図示しないバネによって付勢されている。図14に示すように、扉枠7を閉鎖させることで後述する差し込み受け皿57が導出口51から開放空間54に差し込まれることとなる。差し込み受け皿57の流下面57aは開放空間54に差し込まれた状態で主通路47の流下面47aよりも若干低い位置に配設され、同流下面47aを流下するパチンコ球をさらにすみやかに下流に流下させるために前方に向かって緩やかな傾斜が設けられている。
差し込み受け皿57の差し込みに伴ってフラップ55は開放空間54側に倒伏させられるとともに、開放空間54によって途切れた流下面49aの下流位置に導出口51方向への橋が架けられることとなる。この状態で主通路47の流下面47aを流下してきたパチンコ球は差し込み受け皿57上に流入し、更に導出口51から上受け皿8に導かれることとなる。
一方、扉枠7を開放した際には図13に示すようにフラップ55はバネの付勢力によって起立位置に復帰する。この状態ではパチンコ球は導出口51には導かれない。すなわち、扉枠7と一体的に開放されてしまった上受け皿8にパチンコ球を導くことはできないため上流から流下するパチンコ球を下受け皿14に導く必要がある。すなわち、差し込み受け皿57がなくなるためパチンコ球は開放空間54から下方の第2の通路53c方向に落下し下受け皿14に流入することとなる。このとき、勢いよく流下面49aを流下してきたパチンコ球はフラップ55によって導出口51からの外部への飛び出しが防止される。
図16に示すように、開放空間54と隣接する第1の通路53aとはその途中に隔壁がなく連通状態とされている。そのため、主通路47に導かれるパチンコ球が多すぎて流下できなくなった場合にはそのオーバーフローしたパチンコ球は主通路47から差し込み受け皿57に至る途中で開放空間54から第1の通路53aの方向に移動して下受け皿用通路53に導かれる(つまり下受け皿14に流入する)ようになっている。つまり、バイパス通路49を通らないで主通路47に導かれたパチンコ球が遊技機本体4前面に至った段階でオーバーフロー状態となると、下受け皿14方向に迂回することとなっている。
【0015】
ここに、従来の機種においては扉枠を開放した際に上受け皿への通路が遮断されるためパチンコ球がこぼれないように下受け皿へパチンコ球を導く通路Aが遊技機本体に形成されていた(通路Aは本実施の形態の下受け皿用通路53のように周囲が完全に覆われた通路ではなく上方が開放されたレール状部材に過ぎない)。そして従来ではオーバーフローしたパチンコ球を下受け皿に導く通路Bがこの通路Aとは別体に機構盤に形成されていた。本実施の形態1のような構成であればバイパス通路49と下受け皿用通路53によってオーバフローしたパチンコ球を下受け皿14に導くとともに扉枠7を開放した際にこぼれるパチンコ球も同時に開放空間54から下受け皿用通路53を通って下受け皿14に導くことができる。すなわち、遊技機本体4に周囲が包囲された下受け皿用通路53を設けたことで、従来のような通路A及び通路Bをそれぞれ設ける必要がなくなる。但し、扉枠7の閉塞時に開放空間54からパチンコ球が下受け皿14方向に流れてしまわないように従来の機種にはない差し込み受け皿57を設けたわけである。
【0016】
次に排出通路46について説明する。図9〜図11に示すように、排出通路46はアウト球回収口30から落下してくるアウト球及びセーフ球集合板34から落下してくるセーフ球を受け止めて下流(図11では右方)に流下させる第1の傾斜面58と、第1の傾斜面58を流下するアウト球及びセーフ球を受け止めて流下方向を逆転させて(図11では左方)中央寄りにアウト球及びセーフ球を導く第2の傾斜面59とを備えている。第2の傾斜面59の下端には図示しない外部レールと連通する排出口60が形成されている。
ここに、従来の機種ではアウト球とセーフ球を排出する排出通路は本実施の形態のような遊技機本体4に形成されているのではなく、その後方位置にある機構盤側に形成されるような構成を採用していた。本実施の形態においてこのように排出通路を遊技機本体4側に形成するようになった理由は主として上記取り付けベース11を機構盤10とは別体で構成したいという要請(その理由については後述する)からである。近年の機種ではセーフ球処理装置を廃した構造とされており、アウト球及びセーフ球を別個に回収せずとも構わなくなりアウト球及びセーフ球の回収機構は簡単な構造となっている。そのため敢えて機構盤側に設けずとも本実施の形態のように遊技機本体4側に設けることが可能となり、機構盤10の下部にスペースを確保して取り付けベース11を配設させることが
できるようになったものである。
【0017】
次に、パチンコ球発射機構23について説明する。図1、図9〜図12、図22及び図23に示すように、遊技機本体4の右下方寄り(裏面から見ると左下方寄り)にはパチンコ球発射機構23が配設されている。パチンコ球発射機構23は前記操作ハンドル15、球送りアーム62、発射ハンマ63、モータ装置64、図示しない発射カム,図示しないコイルバネ等から構成されている。
モータ装置64は遊技者が操作ハンドル15のハンドルリング15aに触れていることを条件に所定タイミング(本実施の形態では一分間に100回の割合)で回転する。モータ装置64の回転軸には発射カムが固着され、発射カムが回転することによりコイルバネの付勢力に抗して 発射ハンマ63を間欠的に駆動させる。発射ハンマ63は回転した発射カムと非係合となることによってコイルバネの付勢力によって一瞬に元の位置に戻ることとなる。この時の勢いによって遊技球が発射(弾発)される。操作ハンドル15のハンドルリング15aを回動させることでコイルバネの付勢力を制御し、発射ハンマ63のパチンコ球(遊技球)への当接速度を調節するようになっている。
球送りアーム62は発射ハンマ63の駆動タイミングに同期して駆動され図22の下部位置と図23の上部位置の両位置を取る。球送りアーム62は下部位置においては図23に示すようにカバープレート13の上端位置(つまり、扉枠7の最下端位置)よりも下方位置に配置され、上部位置においてはカバープレート13の上端位置(つまり、扉枠7の最下端位置)よりも上方に配置される。球送りアーム62は上部位置において後述する遊技球案内装置87のアンクル115を押動して新たな遊技球を発射案内レール65に導入させる。
【0018】
図1及び図12に示すように、前記下受け皿用通路53の右方にはステンレス合金のような金属素材からなる発射案内レール65が配設されている。発射案内レール65は取り付けリブ65a及び取り付け軸受け65b等を介して背面壁66に対してビス71によって固着されている。
発射案内レール65の下端(右端)は前記発射ハンマ63の側方に配置され、発射ハンマ63の進退方向と重複して左斜め上方に向かって延出されている。発射案内レール65上端から先は発射されたパチンコ球(遊技球)がジャンプして飛び越えるジャンプ領域67が形成されている。ジャンプ領域67の下方には前記下受け皿用通路53の第2の通路53cを構成する天板68が配置されている。天板68上面は右下方に向かって下がる傾斜面とされているため、発射されても遊技面20に至らず戻ってきてしまった勢いのない遊技球がジャンプ領域67から天板68上に落下し、その遊技球は天板68上を右方向に流下して発射案内レール65の下方から返却通路69内に導入されるようになっている。返却通路69は下受け皿14の流入口14aに連通されている。取り付けリブ65a前面には発射案内レール65上にセットされた遊技球を支持するストッパ79が固着されている。発射案内レール65上で遊技球がストッパ79にて支持されている位置を発射準備位置とする。
【0019】
ここに図5、図22及び図23に示すように、前方から発射案内レール65を正視した場合発射案内レール65の下端寄りはカバープレート13の上端よりも若干下方位置に配置される。
つまり、発射案内レール65の下端寄りは前方からでは正視できない遊技機本体4内の隠れた位置に配置されることとなっている。遊技盤5の上下幅が上記のように拡張され従来の機種に比べて下方位置まで進出するようになったことに伴い発射案内レール65を全体に下方位置にずらしたことによるものである。
しかし扉枠7は閉塞状態でパチンコ球処理領域21の前面を覆うことになるものの、このようにカバープレート13の上端より下がった部分についてはその前面を覆うことはない。
ところで、図30〜図32に示すように、従来の機種では発射案内レール211の発射準備位置にセットされた遊技球(発射待機球)はストッパ212によって下方から支持されるとともに前方からは上受け皿扉枠213の裏面に装着された遊技球案内装置214によって支持され、後方からは発射案内レール211の背面壁(取り付けリブ)211aによって支持される。すなわち、発射待機球は発射準備位置においてストッパ212、遊技球案内装置214の側壁及び取り付けリブ211aによって三方から支持(実際には遊技球案内装置214及び背面壁211aとの間には若干の隙間が形成され常時支持されるわけではない)されることとなり、この位置における安定した遊技球の発射を可能としている。
ところが、本実施の形態のようなカバープレート13の上端から下方に隠れてしまっている発射準備位置ではこのような遊技球案内装置214の側壁による遊技球の支持は期待できない。そこで、本実施の形態では図12、図17、図22及び図23に示すように発射案内レール65の最下端位置に隣接して発射待機球支持手段としての遊技球案内プレート70を配設させている。
【0020】
遊技球案内プレート70は扉枠7側の上受け皿8から発射案内レール65上に供給された遊技球の前方への脱落を防止する。すなわち、図12、図17、図22及び図23に示すように、発射準備位置に隣接した位置(前方位置)において同プレート70は発射案内レール65の最下端よりも若干高い位置であって、前方側において発射待機球との間にごく僅かの余裕を持って配設される。これによって、発射案内レール65の発射準備位置に配置される発射待機球は遊技球案内プレート70と取り付けリブ65aとによって前後から挟まれてることとなるとともにストッパ79によって下方から支持されるため遊技球に対して前後及び下方の三方向から支持(実際には発射待機球と遊技球案内プレート70及び取り付けリブ65aとの間には若干の隙間が形成され常時支持されるわけではない)することとなるため正確な発射が可能となるわけである。図22に示すように、本実施の形態では発射待機球は発射準備位置において発射案内レール65の最下端よりも若干上方側にて支持され正視状態でその上半身がわずかにカバープレート13の上端から露出する。
ここに、パチンコ球発射機構23付近では発射ハンマ63や球送りアーム62の駆動の際の余裕を取る必要から遊技機本体4内部に連通する開口部H(空間)が形成されている。このような開口部Hは従来の機種も同様に形成されていた。そのため、扉枠7開放時にパチンコ球処理領域21の前面は前方側が広く開放されてしまうと場合によっては上方から落下したパチンコ球がこの開口部Hから遊技機本体4内部に落ち込んでしまう可能性があった。遊技球案内プレート70によって開口部Hが塞がれる(すべてではない。特に上方からの落下が著しいと考えられる発射案内レール65下部より前方位置である)こととなり、このようなパチンコ球の遊技機本体4内部に落ち込みが防止されることとなっている。
遊技球案内プレート70の側方には周壁70aが形成されている。周壁70aは遊技球案内プレート70上に落下したパチンコ球が完全に塞がれていない連通穴から遊技機本体4内に流下していかないように開口部H方向へのパチンコ球の流下を防止するものである。
カバープレート13の下受け皿14の左方には灰皿72が配設されている。本実施の形態ではこの灰皿72の裏面に前記音響機構24の図示しないスピーカが配設されている。図1、図5及び図12に示すように、発射案内レール65の右方には鍵穴73が形成されている。この鍵穴73は遊技機本体4に対する扉枠7の開閉をつかさどるものである。
【0021】
次に、扉枠7について詳述する。
図1〜図4に示すように、遊技盤5及びパチンコ球処理領域21の前面には扉枠7が配設されている。扉枠7はヒンジ金具6の回動軸6aを中心に回動し(つまり遊技機本体4の回動軸と同軸で)遊技機本体4に対して開閉可能にかつ着脱可能に装着されている。扉枠7の下端位置はほぼカバープレート13の上端位置と重複する。扉枠7は略長方形の外形を有し、中央にほぼ円形の大型の窓穴75が形成されている。窓穴75を円形としたのは遊技盤5の遊技面9の前記遊技領域27に対応させたものである。窓穴75には遊技盤5の遊技面9を露出させるためのガラスGがはめ込まれている。扉枠7の後面側であって窓穴75周縁には補強フレーム74が配設されている。扉枠7の前面側であって窓穴75の周縁には装飾用の装飾パネル76が所定位置に配設されている。各装飾パネル76内には図示しないランプが配設されメイン基板33による制御に基づいて点滅させられる。
窓穴75の下方位置には球貸し用の操作ボタン77とカードの残量を表示する7セグ表示の表示パネル78が配設されている。
【0022】
操作ボタン77及び表示パネル78の下方には上受け皿8が配設されている。図18及び図19に示すように、上受け皿8は導入されてきたパチンコ球がプールされる流下面81と流下面81を包囲する包囲壁82を備えている。流下面81には図示しないパチンコ球貸し出し装置の配球ノズルから放出されたパチンコ球が落下当接する。流下面81は右側下がりの傾斜に形成されるとともに、下流側(右側)が徐々に狭くなってパチンコ球が縦列配置されるような狭窄通路84が形成されている。
上受け皿8には上流側(左側)の扉枠7壁面に形成されたパチンコ球導入口83から導入されたパチンコ球がプールされると同時に徐々に下流側に流下して狭窄通路84に至り、更に狭窄通路84最下流に配置された供給口85から扉枠7の背面側に導かれる。図1に示すように、供給口85の扉枠7の対応する背面位置には前記遊技球案内プレート70に遊技球を導く遊技球案内装置87が配設されている。遊技球案内装置87は上受け皿8の供給口85から流下するパチンコ球を前記発射案内レール65上に落下させる装置である。
【0023】
図25〜図27に示すように、遊技球案内装置87内部にはパチンコ球が流下する供給口85と連通する通路89が形成されている。同通路89の下流側にはパチンコ球を一つずつ順に落下させるアンクル115が配設されている。アンクル115は回動軸116によって片持ち状に保持され、重錘117によって常時図上時計回りのトルクが付与されている。アンクル115はストッパ118によって図25及び図26に示す位置(この位置を待機位置とする)以上に時計回りに回動することが規制されている。アンクル115の右方には通路89を流下するパチンコ球が当接する当接突部119と、1つ分のパチンコ球のみを保持できる保持凹部120が形成されている。保持凹部120内にはパチンコ球を後方(パチンコ球発射機構23方向)に導くために後方に向かって下がる傾斜床面120aが形成されている。
アンクル115は前記球送りアーム62によって押動させられパチンコ球をパチンコ球発射機構23側に供給する。球送りアーム62は発射ハンマ63の発射動作開始と同時に図23の状態、すなわち上部位置まで進出し、図27に示すようにアンクル115を反時計回りに回動させる。これによって、いままで当接突部119に当接させられていた最下流のパチンコ球は保持凹部120内に収納されることとなる。そして、発射ハンマ63が発射動作を終了して原位置に復帰すると同時に球送りアーム62は後退する(図22の状態、すなわち下部位置まで後退する)ため、アンクル115は自重によって待機位置に復帰する。遊技球案内装置87では発射ハンマ63の一回の発射動作毎にこのような球送りアーム62の進退によるアンクル115の回動運動が行われ発射案内レール65の発射準備位置上にパチンコ球が供給される。
【0024】
遊技球案内装置87の側方には上受け皿8に溜まったパチンコ球を遊技者が自主的に下受け皿14に回避させる際の迂回通路121が形成されている。
図1及び図14に示すように、パチンコ球導入口83の扉枠7の対応する背面位置には前記差し込み受け皿57が後方に向かって突設形成されている。差し込み受け皿57は扉枠7が遊技機本体4前面に装着された状態で前記導出口51から開放空間54に差し込まれパチンコ球処理領域21から供給されたパチンコ球をパチンコ球導入口83から上受け皿8に導く。前記操作ボタン77及び表示パネル78の裏面側には球貸し用基板が内蔵された球貸し用基板ボックス88が配設されている。
【0025】
図18及び図19に示すように、上受け皿8の流下面81を包囲する包囲壁82はパチンコ球導入口83の周囲が他の部分よりも高く形成された高壁部82aとされている。高壁部82aの上端はパチンコ球導入口83の上端位置よりも高い位置とされており、正面から正視した状態でパチンコ球導入口83は包囲壁82及び高壁部82aによって完全に覆われている。高壁部82a(及び扉枠7の壁面)で包囲された流下面81の左方位置(パチンコ球導入口83の前方)はパチンコ球貸し出し装置の配球ノズルからパチンコ球が落下当接する位置である。従って、遊技盤5のサイズが大きくなって従来の機種に比べて上受け皿8が下方に配置されることとなり配球ノズルから流下面81までの距離が長くなったとしても、高壁部82aによって配球ノズルから放出されたパチンコ球が飛び出すことがない。
ここに、従来の機種では上受け皿は扉枠とは別体に上部カバープレートに配設されていた。上部カバープレートは扉枠の下方位置に配設される部材である。そのため、扉枠を開放した際に上部カバープレートに設けられた上受け皿の壁の高さは扉枠の開放の邪魔とならないように(干渉しないように)高さに制限を設けざるを得なかった。そのためパチンコ球貸し出し装置の配球ノズルから上受け皿までの距離が長いと上受け皿に落下したパチンコ球が壁を乗り越えて外に飛び出してしまう可能性があった。従って、配球ノズルの位置はできる限り低くなるように設定されていた。また、壁が余り高くなりすぎないように配慮しながら上部カバープレートをデザインしなければならずデザイン上の制限があった。ところが、本実施の形態では上受け皿8は扉枠7側にあって扉枠7と一体となって開放されるため、高壁部82aの高さには制限はない(実際には遊技盤5の遊技面20にかからない程度にする必要がある)。
【0026】
次に、機構盤10について説明する。
図2、図4及び図9に示すように、遊技盤5の背面側には機構盤10が遊技機本体4に対して開閉可能に装着されている。機構盤10は上下に配設されたヒンジ部90(本実施の形態では下側のみ表示)によって遊技機本体4に支持されており、盤面に散点的に配置された開閉ピン91の引き出し及び押し込みによって遊技機本体4に対して着脱可能とされる。機構盤10の中央付近には大型開口部10aが形成されている。大型開口部10aの上半分はカバー92によって背面から覆われている。
図9に示すように、遊技機本体4に対して機構盤10が閉塞された状態で同大型開口部10aから遊技盤5の背面に配設された可変表示装置29及びメイン基板33が露出される。可変表示装置29はカバー92によって背面から覆われるが、メイン基板33は目視確認のために覆われない。
機構盤10の上部にはタンクTが配設されている。タンクTの下方にはタンクレール93が配設されている。タンクレール93はタンクTから導入されたパチンコ球を図9において左方から右方に移動させる。本実施の形態では従来の機種に比べて遊技盤5が上方にも拡張されているためタンクTは従来の機種に比べて若干浅めに形成されている。タンクレール93の右方には下方に向かって払い出し装置ユニット95が配設されている。払い出し装置ユニット95は払い出し装置96と、パチンコ球を払い出し装置96に導く第1の流路97と、パチンコ機の廃棄等によってパチンコ機を島から取り外す際に同第1の流路97内の球抜きを行うための球抜き機構98と、球抜きを行う際にパチンコ球が排出される球抜き流路99と、払い出し装置96の下流の第2の流路100と、ベル101と、ベル101の下流の第3の流路103とより構成されている。
本実施の形態では2基の払い出し装置96はセーフ球の発生に基づいて所定量のパチンコ球(賞球)を払い出す。パチンコ球は第2の流路100を流下し途中ベル101に当接する。ベル101に当接したパチンコ球は第3の流路103を斜め下方(図9において左斜め下方)に導かれる。第3の流路103を流下したパチンコ球は取り付けベース11内に至る。機構盤10の背面を流下してきたパチンコ球はこの取り付けベース11において前方に方向転換させられる。
【0027】
図2、図4及び図9に示すように、機構盤10の下方には取り付けベース11が配設されている。取り付けベース11は上下に配設されたヒンジ部105によって遊技機本体4に開閉可能に支持されており、図9において左方に配置された開閉ピン107の引き出し及び押し込みによって遊技機本体4に対して着脱可能とされている。図9、図20及び図21に示すように、取り付けベース11には発射基板が収納される発射基板ボックス11aと、電源基板が収納される電源基板ボックス11bが固着されている。図21に示すように、払い出し基板が収納される払い出し基板ボックス11cは着脱可能とされている。これは、不正防止の点から払い出し基板ボックス11cのみを別途ユーザに供給する必要のためである。
払い出し基板ボックス11cの装着位置の背面には払い出し装置96から流下するパチンコ球を遊技機本体4方向に導く主通路用中間通路109及びバイパス通路用中間通路110が形成されている。すなわち、機構盤10の背面を流下してきたパチンコ球はこの取り付けベース11において前方に方向転換させられることとなる。主通路用中間通路109は遊技機本体4の前記主通路47に連通されており、第3の流路103の下方に配置される。基本的に払い出しされたパチンコ球は第3の流路103に沿って主通路用中間通路109方向に導かれる。バイパス通路用中間通路110は遊技機本体4の前記バイパス通路49に連通されており、第3の流路103から分岐されたバイパス流路111の下方に配置される。パチンコ球の払い出し量が多く主通路用中間通路109への流入ができない状態でパチンコ球はバイパス流路111に迂回させられる。
【0028】
ここに、取り付けベース11は機構盤10とは別体に構成されている。従来の機種では発射基板、電源基板及び払い出し基板は機構盤に配設されており、かつ必ずしもこのようにまとまってチェックしやすい下方位置に配置されているわけではない。本実施の形態でこのように取り付けベース11を機構盤10と別体に構成するようになった理由は主として1)従来の機構盤が大型化、重量化してきたこと、2)別体とすることでパチンコ遊技機の組み立て作業が迅速化すること、3)逆に再利用する際の取り外しの容易さ等の理由からである。
更に、本実施の形態ではパチンコ遊技機としてゲーム内容に関わらず共通性のある基板を取り付けベース11に機構盤10とは別体としてまとめることで、保守・点検がしやすくなった。また、このように取り付けベース11を設けることができるのは上記のように遊技機本体4のパチンコ球処理領域21に排出通路46を移動させたことにより機構盤10位置のスペースに余裕ができたことによるものでもある。図9〜図11に示すように、機構盤10の上下幅は遊技盤5の上下幅とほぼ同等に構成されているため、機構盤10を開放することによって取り付けベース11は開放あるいは取り外しをしなくとも遊技盤5の保守・点検更に交換等の作業を行うことができる。
また、発射基板ボックス11a、電源基板ボックス11b及び払い出し基板ボックス11cを排出通路46から隔絶することによってパチンコ球同士が接触する際に発生する静電気由来のノイズ(電気的信号)の影響を受け難くすることも取り付けベース11を別体で構成する理由である。
【0029】
次に、このように構成された本実施の形態のパチンコ球発射機構23付近の作用について説明する。
遊技者が操作ハンドル15を操作して遊技を開始する。発射ハンマ63が駆動させられ(最初の一回目の発射動作では発射準備位置にパチンコ球がないので空打ちとなる)、発射ハンマ63の駆動に同期して球送りアーム62が駆動される。そして、球送りアーム62に押動されてアンクル115は図25の状態から図27の状態となる。そして、発射ハンマ63の発射動作が完了すると同時に球送りアーム62が戻りアンクル115は図26に示すように原位置に復帰して、保持凹部120から後方の発射案内レール65上にパチンコ球を落下させる。ここでカバープレート13の上端位置よりも上方位置にあったパチンコ球は落下とともにカバープレート13の上端位置よりも下方位置にある発射案内レール65の最下端位置(発射準備位置)にセットされることとなる。このとき、パチンコ球は技球案内プレート70と取り付けリブ65aとによって前後から若干の隙間を有して挟まれることとなる。所定のタイミングで発射ハンマ63の発射動作が行われる度に同期して球送りアーム62が駆動されアンクル115が押動されてパチンコ球が発射案内レール65の発射準備位置にセットされ続けることとなる。
【0030】
このように構成することで本実施の形態では次のような効果を奏する。
(1)遊技盤5の遊技面9が大きくなったことによりパチンコ球発射機構23が配設されるパチンコ球処理領域21のスペースの上下幅が少なくなってしまうこととなった。しかし、本実施の形態では発射案内レール65を短くするようなパチンコ球発射機構23を無理に狭くなったスペースに合わせるような措置はとらずに、遊技球の発射に支障のないように従来と同様の十分な発射案内レール65の長さを確保することができることとなる。
(2)発射案内レール65の発射準備位置が下降して正面から正視できない位置に配置されることにともなって、発射ハンマ63や球送りアーム62のように発射時に遊技球の発射に直接関連するパチンコ球発射機構23の部分が完全にカバープレート13の上端位置よりも下方、つまり遊技機本体4の内部に収納できることとなった。
そのため、扉枠7を解放して各種作業をする際に作業者がこれら発射に微妙な影響を与える部分に誤って触れることが極力防止されることとなる。
(3)発射案内レール65の発射準備位置が下降することによって従来のように例えば上部カバープレートによって発射準備位置にある遊技球を前方から保持するというような設計が困難になった。しかし、上記のように遊技球案内プレート70を発射準備位置の前方に配置したため、発射準備位置において遊技球は遊技球案内プレート70及び取り付けリブ65aによる前後からの支持と下方からのストッパ79による支持によって三方から確実に支持されることとなって発射準備位置から前方に脱落することなく正確で安定した発射が可能となる。
(4)従来からパチンコ球発射機構23付近では発射ハンマ63や球送りアーム62の駆動の際の余裕を取る必要から遊技機本体4内部に連通する開口部H(空間)が形成されている。扉枠7開放時にパチンコ球処理領域21の前面は前方側が広く開放されてしまうと場合によっては上方から落下したパチンコ球がこの開口部Hから遊技機本体4内部に流入してしまう(落ち込んでしまう)可能性があった。ところが、上記のように遊技球案内プレート70を発射案内レール65の下端寄り前方に配置したため、開口部Hが塞がれることとなり、このようなパチンコ球の遊技機本体4内部への流入が防止されることとなっている。更に、遊技球案内プレート70には遊技球案内プレート70上に落下したパチンコ球が開口部H方向に流下していかないように周壁70aが形成されているため、更に確実にパチンコ球の遊技機本体4内部への流入が防止される。
【0031】
尚、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
・上記実施の形態では扉枠7に上受け皿8が一体化されており、扉枠7とともに上受け皿8も開放されて発射案内レール65が露出されることとなっていた。しかし、扉枠と上受け皿用の受け皿扉枠が別体であったりそもそも上受け皿がなく扉枠だけ(つまり後述する遊技球が内部に封入されているタイプ)のパチンコ遊技機に応用するようにしても構わない。
・遊技機本体4を金属製素材より構成し、長期間使用可能とした機種に応用するようにしてもよい。
・上記実施の形態では発射準備位置において遊技球は正視状態でカバープレート13の上端から若干露出するような位置関係にあった。しかし、遊技盤5の遊技面9の設計によってはもっと発射案内レール65は下方位置に配置されて発射準備位置にセットされた遊技球が完全に隠されるような位置関係であっても構わない。
・上記実施の形態では保持手段としての遊技球案内プレート70を発射案内レール65とは別体として配設していた。すなわち、上記実施の形態では遊技球案内プレート70遊技機本体4側に装着されるようにしていたが、図28及び29に示すように、遊技球案内プレート70を発射案内レール65とプレス成形にて同時に成形するようにしたり、別体でも発射案内レール65自体に前もって装着してユニット化しておいてもよい。このようにユニット化することで特に取り付けスペースに限りがあるパチンコ球発射機構23付近における取り付け作業が簡略化される。
・発射案内レール65の発射準備位置における前後の保持手段として上記実施の形態では遊技球案内プレート70と取り付けリブ65aで実現されていた。しかし、これらに限られるものではない。また、遊技球案内プレート70の形状は上記では平板状であったが、この形状は設計変更可能である。要は、パチンコ球を発射準備位置において確実に保持できれば足る。
・保持手段としての遊技球案内プレート70は容易に着脱できるようにしてもよい。上記実施の形態では発射案内レール65は金属素材であるため長持ちするが、遊技球案内プレート70が金属素材でなければ経年劣化は発射案内レール65に比べて著しく早い。その場合に遊技球案内プレート70が容易に着脱できて交換が容易であれば発射案内レール65をそのまま使用することができるため無駄がない。
・保持手段としての遊技球案内プレート70は着脱できなくとも作業時等の本来の使用を必要としな際に邪魔にならないような位置に退避するようにしてもよい。
・上記遊技球案内プレート70には遊技球案内プレート70上に落下したパチンコ球が更に遊技球案内プレート70上を流下して遊技機本体4内に流入しないように周壁70aを形成するようにしたが、要は流下が防止されればよいため周壁70aに限定されるものではない。例えば遊技球案内プレート70を遊技機本体4内に流入しない方向に傾斜させて流下しないように集合させるようにしてもよい。
・上記実施の形態のような「従来に比べて大型化したパチンコ遊技機」以外の従来の機種に応用してもよい。例えば、上記実施の形態では大型化に伴って扉枠7と上受け皿8とが一体化しているが、上受け皿8が扉枠7とは別体で開閉される従来の機種に応用することももちろん構わない。
・高壁部82aを形成しなくとも構わない。また、包囲壁82や高壁部82aの形状は適宜変更可能である。
・本実施の形態はいわゆる現金機以外のCR機にも応用可能である。
・上記実施の形態では外部からパチンコ球の供給を受けるタイプのパチンコ遊技機であったが、一定量のパチンコ球を内部に封入してこれを循環させて遊技するタイプのパチンコ遊技機に応用しても構わない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
【0032】
本発明の目的を達成するために上記実施の形態から把握できるその他の技術的思想について下記に付記として説明する。
(1)支持枠体に支持され遊技者が対面して遊技を行う遊技面を備えた遊技台と、同遊技台に対して開閉可能に支持され同遊技面の前方に配置される扉枠と、前記扉枠の背面であって、前記遊技台の遊技面の下方に配置され遊技者の発射装置の操作に基づいてパチンコ球を遊技面に向かって発射させる発射機構とを備え、同発射機構によって発射されたパチンコ球に基づいて前記遊技面における所定の遊技動作を実行させるようにしたパチンコ遊技機において、前記発射機構によるパチンコ球の発射位置を前記扉枠の最下端よりも更に下方に配置させるとともに、同発射位置に配置される発射待機球を支持するための発射待機球支持手段を設けたことを特徴とするパチンコ遊技機。
(付記1の従来の技術)
パチンコ球を使用する遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、遊技台としての遊技機本体の上部に遊技面を有する遊技盤が配置され、その直下にパチンコ球が流通したり発射機構の一部が配設される領域(これをパチンコ球処理領域とする)が設けられている。ここに、発射機構は遊技者が発射装置としてのハンドルを操作することによってパチンコ球(遊技球)を弾発(発射)させ、発射案内レール上を滑走させて遊技面に遊技球を導くものであって、パチンコ遊技機における基本的な機構の一つである。
図30〜図32に示すように、一般に発射案内レール211の発射準備位置にセットされた遊技球(発射待機球)はストッパ212によって下方から支持されるとともに前方からは上受け皿扉枠213の裏面に装着された遊技球案内装置214によって支持され、後方からは発射案内レール211の背面壁(取り付けリブ)211aによって支持される。すなわち、発射待機球は発射準備位置においてストッパ212、遊技球案内装置214の側壁及び取り付けリブ211aによって三方から支持(実際には遊技球案内装置214及び背面壁211aとの間には若干の隙間が形成され常時支持されるわけではない)されることとなり、この位置における安定した遊技球の発射を可能としている。
このように発射待機球を確実に支持し、安定した発射動作を行うために三方からの支持が必要とされる。そのため、発射案内レールは従来からこの三方からの支持が可能な範囲で設計して配設されるようになっている。ところが、このような発想による設計に影響を与える要因がいくつか存する。
1)近年では遊技機裏面側の機構が複雑化し、かつて見られなかった種々の機構を配設するためにパチンコ球処理領域の縮小が設計課題の一つとして挙げられている。すなわち、種々の機構を配設するにはすでに遊技盤の裏面領域だけでは対応できなくなってきているため現状のパチンコ球処理領域まで拡張したいという要請がある。
2)パチンコ遊技機においては遊技者の興趣をより盛り上げるため、従来より種々の工夫がなされている。その1つとして遊技面を大型化することが考えられる。遊技面が大型化することにより遊技面中央に配置される表示装置の液晶画面を大きくすることが可能となり、迫力ある大画面を遊技者は享受でき遊技者に対するアピール度が増すことが考えられる。また、遊技面が大きくなることは左右への遊技球(パチンコ球)の拡散度が大きくなり遊技自体の視覚的な刺激が増すこととなり、落下する遊技球の落下距離も長くなるため遊技球が入賞口に入賞するかどうかの期待感も増すこととなる。
そのため遊技面の拡張に伴って遊技面下方のパチンコ球処理領域の上下幅を狭く構成したいという要請がある。
ここに、わざわざパチンコ球処理領域を狭くしなくともパチンコ遊技機の全長自体を長くすることでパチンコ球処理領域に従来のような上下幅を確保させることも考えられる。しかしパチンコ遊技機では遊技者が椅子に座って遊技面を正面に見ながらハンドルを操作して遊技を行うという遊技上の特徴がある。人間工学を無視してむやみにパチンコ遊技機の全長自体を長くして対処することはできない。また、パチンコ遊技機はいずれのパチンコホールでも普遍的に使用可能とする必要性から規格化されているためその点からも困難である。
(付記1における解決しようとする課題)
これらの要望に応えるようにパチンコ球処理領域を狭くした場合には次のようないくつかの問題が生ずる。
1)パチンコ球処理領域を狭くしたことで発射案内レールを下げてしまうと発射案内レールの下方が同領域からはみ出てしまい、発射準備位置において三方からの支持ができなくなることとなる場合がある。すなわち、上記のように遊技球案内装置214の側壁による前方からの支持が期待できなくなってしまうからである。
2)このため、あくまで遊技球案内装置214の側壁による前方からの支持を期待しようとすると発射案内レールの長さや角度に無理が生じてしまう。つまり、設計に対する制限が大きすぎることとなる。
3)図33に示すように、遊技面を大きくすることによってパチンコ球を遊技面に導く外レール201が拡径されて従来の機種の外レール202に比べて外寄りにずれることとなる。そのためこの外レール201につながる発射案内レール203が従来の発射案内レール204のような穏やかな傾斜のままでは連続的に外レール201と継ぐことができなくなってしまう。発射されたパチンコ球が無理なく遊技面に導かれるにはどうしても従来の傾斜に比べて発射案内レール203を急角度に設定せざるを得ない。すなわち、遊技面を大きくすることによってかえってひろいパチンコ球処理領域を必要し、発射案内レールをかなり下方位置まで下げる必要があり、上記1)と同様の問題が生ずる。
更に、従来の発射案内レールの存していた問題として、発射案内レールの下部方向には発射ハンマや球送りアームを配置する関係上、遊技機本体内部に連通する開口部が必要とされていたが、この開口部からパチンコ球が内部に流入してしまい故障の原因の一つとなっていた。
(2)前記遊技球を弾発する発射ハンマを前記扉枠又は受け皿扉枠のいずれか下方位置側の部材の最下端よりも更に下方に配置させたことを特徴とする請求項1又は付記2に記載のパチンコ遊技機。
(3)前記パチンコ球は案内レールに併設されたストッパ部材によって下方から支持されることを特徴とする付記3に記載のパチンコ遊技機。
これによってパチンコ球は三方から支持されて安定した遊技球の発射を担保しうる。
(4) 支持枠体に支持され遊技者が対面して遊技を行う遊技面を備えた遊技台と、
同遊技台に対して開閉可能に支持され同遊技面の前方に配置される扉枠と、
前記扉枠の背面であって、前記遊技台の遊技面よりも下方に配置され遊技者の発射装置の操作に基づいてパチンコ球を遊技面に向かって発射させる発射機構とを備え、
同発射機構によって発射されたパチンコ球に基づいて前記遊技面における所定の遊技動作を実行させるようにしたパチンコ遊技機において、
前記発射機構によるパチンコ球の発射位置を正視状態で外部に露出しないように前記遊技台内部に収納するようにしたことを特徴とするパチンコ遊技機。
このようにすれば、従来では扉枠や上受け皿を解放した際にパチンコ球発射機構の発射案内レールは完全に露出することとなっていたが、少なくとも遊技球を発射する発射準備位置においては遊技台内部に収納されて外部に露出していないため扉枠や上受け皿を解放した際に誤って触れてしまう可能性が少なくなる。
(5)請求項1若しくは付記1〜4のいずれかの前提としてのパチンコ遊技機(おいて書き以前)を、
支持枠体に支持され遊技者が対面して遊技を行う遊技面を備えた遊技台と、
同遊技台に対して開閉可能に支持され同遊技面の前方に配置される扉枠と、
前記扉枠の背面であって、前記遊技台の遊技面よりも下方に配置され遊技者の発射装置の操作に基づいてパチンコ球を遊技面に向かって発射させる発射機構とを備え、
同発射機構によって発射されたパチンコ球に基づいて前記遊技面における所定の遊技動作を実行させるようにするとともに、前記遊技面を大型化し、同遊技面の大型化に伴って前記発射機構の配設スペースを狭くした遊技機において、
としたこと。
(6)前記前方側の発射待機球支持手段には落下したパチンコ球が遊技台内部に向かって流下していかないような流下防止手段が施されていることを特徴とする請求項1若しくは付記1〜5のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態のパチンコ遊技機の開放した状態を示す概略斜視図。
【図2】 同じパチンコ遊技機の分解側面図。
【図3】 同じパチンコ遊技機の正面図。
【図4】 同じパチンコ遊技機の側面図。
【図5】 同じパチンコ遊技機の扉枠を外した状態の正面図。
【図6】 同じパチンコ遊技機の遊技盤の正面図。
【図7】 同じパチンコ遊技機の遊技機本体の上半身の正面図。
【図8】 同じパチンコ遊技機の遊技機本体の上半身の側断面図。
【図9】 同じパチンコ遊技機の背面図。
【図10】 同じパチンコ遊技機の機構盤を外した状態の背面図。
【図11】 図10においてメイン基板周辺を取り外した状態の背面図。
【図12】 同じパチンコ遊技機のパチンコ球処理領域付近の斜め上方からの斜視図。
【図13】 図5におけるA−A線での断面図。
【図14】 図5におけるA−A線での断面図。
【図15】 図5におけるB−B線での断面図。
【図16】 同じパチンコ遊技機の主通路、バイパス通路及び導出口の断面図。
【図17】 図5におけるC−C線での断面図。
【図18】 同じパチンコ遊技機の上受け皿の平面図。
【図19】 同じパチンコ遊技機の上受け皿の断面図。
【図20】 同じパチンコ遊技機の取り付けベースの平面図。
【図21】 同じパチンコ遊技機の取り付けベースの斜視図。
【図22】 パチンコ球発射機構周辺を透視して見た部分正面図。
【図23】 パチンコ球発射機構周辺を透視して見た部分正面図。
【図24】 パチンコ球発射機構周辺の部分断面図。
【図25】 遊技球案内装置の正面図。
【図26】 遊技球案内装置の断面図。
【図27】 遊技球案内装置の断面図。
【図28】 他の実施の形態のユニット化した発射案内レールと遊技球案内プレートの斜視図。
【図29】 図28の平面図。
【図30】 従来のパチンコ遊技機の発射案内レール付近の側面図。
【図31】 従来のパチンコ遊技機の発射案内レール付近の上受け皿扉枠を閉塞した状態の側面図。
【図32】 従来のパチンコ遊技機の発射案内レール付近を説明する正面図。
【図33】 従来のパチンコ遊技機と外レールの大きさと発射案内レールの取り付け角度を説明する概略図。
【符号の説明】
1…支持枠体としての外枠、4…遊技台としての遊技機本体、5…遊技盤、7…扉枠、8…上受け皿、14…下受け皿、20…遊技面、65…発射案内レール、70…発射待機球支持手段としての遊技球案内プレート。
Claims (3)
- 支持枠体に支持され遊技者が対面して遊技を行う遊技面を備えた遊技台と、
同遊技台に対して開閉可能に支持され同遊技面の前方に配置される扉枠と、
前記扉枠の背面であって、前記遊技台の遊技面よりも下方に配置され遊技者の発射装置の操作に基づいてパチンコ球を遊技面に向かって発射させる発射機構とを備え、
同発射機構によって発射されたパチンコ球に基づいて前記遊技面における所定の遊技動作を実行させるようにしたパチンコ遊技機において、
前記扉枠には同遊技台方向から供給されるパチンコ球を貯留するパチンコ球受け皿が一体化して形成され、前記発射機構によるパチンコ球の発射準備位置を同扉枠の最下端よりも更に下方に配置させようにしたことを特徴とするパチンコ遊技機。 - 支持枠体に支持され遊技者が対面して遊技を行う遊技面を備えた遊技台と、
同遊技台に対して開閉可能に支持され同遊技面の前方に配置される扉枠と、
前記扉枠の背面であって、前記遊技台の遊技面よりも下方に配置され遊技者の発射装置の操作に基づいてパチンコ球を遊技面に向かって発射させる発射機構とを備え、
同発射機構によって発射されたパチンコ球に基づいて前記遊技面における所定の遊技動作を実行させるようにしたパチンコ遊技機において、
前記同扉枠には単独で前記遊技台に対して開閉可能に支持され同遊技台方向から供給されるパチンコ球を貯留するパチンコ球受け皿が形成された受け皿扉枠が併設され、前記発射機構によるパチンコ球の発射準備位置を同受け皿扉枠の最下端よりも更に下方に配置させたことを特徴とするパチンコ遊技機。 - 前記前記発射機構による発射位置は正視状態で外部に露出しないように前記遊技台の内部に収納されることを特徴とする請求項1又は2に記載のパチンコ遊技機。
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