JP3879271B2 - 放射性廃棄物の処理方法及びその処理装置 - Google Patents

放射性廃棄物の処理方法及びその処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は放射性元素およびまたは核燃料物質を含む廃棄物の処理方法およびその装置に係わり、特にプルトニウム(Pu),ネプツニウム(Np),ウラン(U)を廃棄物から除去するとともに回収するの好適な廃棄物処理方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エム・フレイッシュマン,デエー・プレッチャー,エー・ラフィキー,「硝酸内での白金電極での1価銀/2価銀の動力学」ジャーナル オブ アプライド エレクトロケミストリイ,1(1971)1〜7頁〔M. Fleischman, D.Pletcher,A. Rafinski, The kinetics of the silver(I)/silver(II) couple at a platinum electrode in perchloric and nitric acids, Journal of Applied Electrochemistry, 1(1971)1−7〕において1価銀イオン(以下、Ag+ と表す)を含む硝酸水溶液の白金電極による電解での酸化数2の銀のイオン(2価銀イオンでありAg2+と記す)の生成と、電解槽内または外部の反応容器内における電解液中のAg2+と無機物質及び有機物質との酸化反応について記述している。
【0003】
この酸化反応を核燃料物質酸化物の溶解に適用した方法は、特開昭58−176133号公報に示されており、Ce,Ag,CoまたはAmの少なくとも1種を含んで硝酸水溶液に溶解する化合物からなる酸化剤の濃度を、電解的に再生することで一定に保ち、PuO2 および/またはNpO2 を硝酸溶液に溶解して回収するものである。上記酸化反応を核燃料物質酸化物の溶解に適用した別の方法は、特公平5−45000号公報に示されており、2−8mol/L の硝酸に溶解性のAg2+の化合物を添加した硝酸溶液に廃棄物を接触させ、Ag2+の効果によりPuを硝酸溶液に溶解させるものである。この特公平5−45000号公報に記載された方法は、Puを酸化するためのAg2+を連続的に再生するために、電解を用いている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開昭58−176133号公報は、溶解したPuO2 およびNpO2 を硝酸溶液から回収することについては言及していない。特公平5−45000号公報は、溶解された核燃料物質及びAg2+を含む硝酸溶液を溶解槽から取り出し、トリブチル燐酸等を用いた溶媒抽出により溶解した核燃料物質を硝酸溶液から抽出している。特公平5−45000号公報には記載されていないが、溶媒中に抽出された核燃料物質は、水を用いた逆抽出によりその水中に移行し、水から回収される。この水は、放射性廃棄物として処理される。硝酸溶液及び溶媒は再利用される。このような核燃料物質の回収方法は放射性廃棄物量が多くなる。また、溶媒抽出を効率良く行うためには硝酸溶液中のAg2+をAg+ に予め還元しなければならない。この還元処理のための装置を別に設ける必要があり、溶媒抽出及び逆抽出を行うための大がかりな設備が必要となる。
【0005】
特開平4−147097 号公報は、U及びPuの少なくとも1種を含む溶液から、陰イオン交換体を用いてU及びPuの少なくとも1種を分離することを記載する。特開平7−55992号公報は、Pu及びNpを含む硝酸溶液内のPu及びNpの原子価調整を行い、その後、これらのPu及びNpを陰イオン交換樹脂を用いて除去することを記載する。
【0006】
これらの溶液中の核燃料物質をイオン交換体で除去するという技術を、前述した溶媒抽出の替りに適用することが考えられる。すなわち、特公平5−45000号公報に記載されたように、溶解された核燃料物質及びAg2+を含む硝酸溶液を溶解槽から取り出し、その後、この硝酸溶液を陰イオン交換体に導く。この場合には、特公平5−45000号公報における核燃料物質の回収に伴う問題を解消できる。しかし、上記したAg2+が陰イオン交換体に吸着して陰イオン交換体の寿命が短くなるという問題が生じることが、新たに判明した。
【0007】
本発明の目的は、使用済イオン交換物質の量を低減できる、2価銀イオンを含む電解液を用いた放射性廃棄物の処理方法及びその処理装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する第1発明の特徴は、2価銀イオンを含む電解液とU,Pu及びNpのいずれか1つ以上の元素とを接触させて前記2価銀イオンの作用により1つ以上の前記元素を前記電解液に溶解させ、電解により、前記溶解された元素を含む前記電解液中の前記2価銀イオンを1価銀イオンに還元し、溶解された前記元素及び前記1価銀イオンを含む前記電解液から、イオン交換物質を用いて前記元素を除去することにある。
【0009】
上記目的を達成する第2発明の特徴は、前記2価銀イオンを生成する陽極室を有する電解槽の陰極室に、前記元素と接触された電解液を供給し、この電解液に含まれる前記2価銀イオンの前記1価銀イオンへの還元を、その陰極室内で行うことにある。
【0010】
上記目的を達成する第3発明の特徴は、反応槽内で2価銀イオンを含む電解液とU,Pu及びNpのいずれか1つ以上の元素とを接触させて前記2価銀イオンの作用により1つ以上の前記元素を前記電解液に溶解させ、電解槽の陰極が設置された陰極室内で、前記溶解された元素を含む前記電解液中の前記2価銀イオンを1価銀イオンに還元し、前記陰極室から排出された前記電解液から、イオン交換物質を用いて前記元素を除去し、前記電解槽の陽極が設置された陽極室内で、前記電解液に含まれる前記1価銀イオンから前記2価銀イオンを生成することにある。
【0011】
上記目的を達成する第4発明の特徴は、前記反応槽内で前記元素の溶解を行う前の前処理運転が、前記反応槽から吐出された前記電解液を、前記陰極室を通さずに2価銀イオン生成手段に導く工程と、この2価銀イオン生成手段から2価銀イオンを含む前記電解液を、前記反応槽に導く工程とを含み、前記前処理運転は前記電解液内の2価銀イオンの濃度が設定値に達したときに終了し、前記前処理運転の終了後に、請求項3記載の放射性廃棄物の処理方法が実行されることにある。
【0012】
上記目的を達成する第5発明の特徴は、前記2価銀イオン生成手段が前記陽極室であることにある。
【0013】
上記目的を達成する第6発明の特徴は、2価銀イオンを含む電解液とU,Pu及びNpのいずれか1つ以上の元素とを接触させて前記2価銀イオンの作用により1つ以上の前記元素を前記電解液に溶解させる反応槽と、前記反応槽から吐出された前記電解液中の前記2価銀イオンを、電解により、1価銀イオンに還元する陰極室を有する電解槽と、前記陰極室から吐出された前記電解液に含まれる前記元素を除去するイオン交換物質を充填したイオン交換物質充填槽とを備え、前記電解槽は、前記イオン交換物質充填槽から吐出された前記電解液に含まれる前記1価銀イオンを、電解により、前記2価銀イオンに変換する陽極室を有し、前記陽極室から吐出された前記電解液を前記反応槽に導くことにある。
【0014】
上記目的を達成する第7発明の特徴は、2価銀イオンを含む電解液とU,Pu及びNpのいずれか1つ以上の元素とを接触させて前記2価銀イオンの作用により1つ以上の前記元素を前記電解液に溶解させる反応槽と、陰極が設置されて、前記電解液中の前記2価銀イオンを1価銀イオンに還元する陰極室、及び陽極が設置されて、前記電解液に含まれる前記1価銀イオンから前記2価銀イオンを生成する陽極室を有する電解槽と、前記陰極室から吐出された前記電解液に含まれる前記元素を除去するイオン交換物質を充填したイオン交換物質充填槽と、前記反応槽,前記陰極室,前記イオン交換物質充填槽,前記陽極室及び前記反応槽の順に前記電解液を循環させる手段とを備えたことにある。
【0015】
上記目的を達成する第8発明の特徴は、前記陽極を回転させる手段を備えることにある。
【0016】
上記目的を達成する第9発明の特徴は、2価銀イオンを含む電解液とU,Pu及びNpのいずれか1つ以上の元素とを接触させて前記2価銀イオンの作用により1つ以上の前記元素を前記電解液に溶解させる反応槽と、陰極が設置されて、前記電解液中の前記2価銀イオンを1価銀イオンに還元する陰極室、及び陽極が設置されて、前記電解液に含まれる前記1価銀イオンから前記2価銀イオンを生成する陽極室を有する電解槽と、前記陰極室から吐出された前記電解液に含まれる前記元素を除去するイオン交換物質を充填したイオン交換物質充填槽と、前記反応槽,前記第1バッファータンク,前記イオン交換物質充填槽,前記第2バッファータンク及び前記反応槽の順に前記電解液を循環させる電解液循環手段と、第1バッファータンクと、第2バッファータンクと、前記第1バッファータンクと前記陰極室との間で電解液を循環させる第1循環手段と、前記第2バッファータンクと前記陽極室との間で電解液を循環させる第2循環手段とを備えたことにある。
【0017】
上記目的を達成する第10発明の特徴は、主電解槽である前記電解槽以外に補助電解槽を設け、この補助電解槽は隔壁にて隔離された陽極室及び陰極室を有し、前記補助電解槽の前記陽極室が、前記イオン交換物質充填槽より下流側でかつ前記反応槽の上流側で、前記電解液の供給口及び排出口をそれぞれ前記電解液循環手段に連絡されていることにある。
【0018】
上記目的を達成する第11発明の特徴は、前記陰極室から吐出される前記電解液の2価銀イオン濃度及び亜硝酸濃度を測定する濃度モニタと、この濃度モニタで測定された2価銀イオン濃度が第1設定値よりも高いときに前記陰極に流す電流を増加させ、2価銀イオン濃度が第1設定値以下で測定された亜硝酸濃度が第2設定値よりも高いときに前記陰極に流す電流を減少させる制御手段とを備えたことにある。
【0019】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
本発明の好適な一実施例である放射性廃棄物処理装置を、図1を用いて説明する。本実施例は、反応槽1,主電解槽2,イオン交換塔3及び補助電解槽4を備える。主電解槽2は、隔壁5により仕切られた陽極室6及び陰極室7を備える。隔壁5はポーラスセラミックで形成される。陽極8が陽極室6内に、陰極9が陰極室7内に設けられる。補助電解槽4は、隔壁10にて仕切られた陽極室11及び陰極室12を有する。陽極13が陽極室11内に、陰極14が陰極室12内に設けられる。イオン交換塔3は内部にイオン交換体が充填されている。ポンプ70を有する配管72は反応槽1と三方弁22とに接続される。配管30は三方弁22と陰極室7とを接続する。配管31は三方弁22と陽極室11に接続される。イオン交換塔3は陰極室7と陽極室11を接続する配管73に設置される。陽極室11と陽極室6は配管74によって接続される。配管75は反応槽1と陽極室6を接続する。
【0020】
陽極室6,陰極室7,陽極室11及びイオン交換塔3は、Ag+ を含む硝酸溶液で満たされている。陰極室12は硝酸溶液で満たされている。電解液である硝酸溶液中の硝酸濃度は3mol/リットル〜8mol/リットルの範囲が好適である。以下、リットルはLで表す。硝酸溶液中のAg+ の濃度は、好ましくは、0.005 mol/L〜1mol/Lの範囲である。放射性廃棄物処理装置内での硝酸溶液の循環は、ポンプ70の駆動により行われる。陽極8及び陰極9の電極間に電圧を印加すると、電解により陽極室6内でAg+ がAg2+に酸化される。このAg2+を含む硝酸溶液が配管75により反応槽1に供給される。
【0021】
アクチニドリサイクルを行うMOX燃料集合体製造設備の換気設備に設けられているフィルタは、換気ガス中から難溶性酸化物であるPuO2,NpO2及びUO2 を除去する。寿命がきたこのフィルタ15は、取り外されて篭に入れられる。この篭は、反応槽1の蓋(図示せず)を開けて反応槽1内に入れられ、硝酸溶液に浸漬される。フィルタ15に付着しているPuO2,NpO2及びUO2 は、硝酸溶液中のAg2+の作用により、それぞれ、PuO2 2+,NpO2 2+及びUO2 2+ に酸化されて硝酸溶液に溶解される。三方弁22によって配管72と配管30が連絡されている。このため、PuO2 2+,NpO2 2+,UO2 2+ 及びAg2+を含む硝酸溶液が、反応槽1から陰極室7に送られる。PuO2 2+ ,NpO2 2+ 及びAg2+は、陽極8と陰極9の間に印加された電圧の作用により、それぞれ、Pu4+,NpO2 +及びAg+ に還元される。この還元反応に伴って、陰極室7内の硝酸の一部が還元されて亜硝酸及び酸化窒素が生成される。Pu4+,NpO2 +,UO2 2+,Ag+,亜硝酸及び酸化窒素を含む硝酸溶液が、陰極室7からイオン交換塔3に送られる。
【0022】
この硝酸溶液中のPu4+,NpO2 +及びUO2 2+ は、イオン交換塔3内の陰イオン交換体によって取り除かれる。イオン交換塔3から吐出された硝酸溶液は、陽極室11に導かれる。陽極13及び陰極14の電極間に電圧が印加されている。この電圧の作用により、硝酸溶液に含まれる亜硝酸及び酸化窒素が酸化されて硝酸に転換される。陽極室11から吐出された硝酸溶液は陽極室6に供給される。陽極室6内で、Ag+ は、電圧が印加された陽極8の作用によりAg2+に変換される。このAg2+を含む硝酸溶液が、反応槽1に送られる。
【0023】
硝酸溶液を、陽極室11を経由せずにイオン交換塔3から陽極室6に直接供給した場合には、硝酸溶液に含まれていた亜硝酸及び酸化窒素を酸化する反応が陽極室6内で生じる。このため、陽極室6内でのAg+ のAg2+への再生が妨害される。即ち、陽極室11は、陽極室6内でのAg2+の生成を妨害する反応を抑制する。
【0024】
U15gを含むフィルタ1.5kg を篭に入れて反応槽1内の容量10Lの硝酸溶液に浸漬した場合を例にとって、本実施例における具体的な処理を説明する。反応槽1から吐出される硝酸溶液の流量は30L/hである。反応槽1から吐出される硝酸溶液内のU濃度の時間変化が図2に示される。放射性廃棄物処理装置の運転初期では、Uの溶解に伴なって反応槽1内のU濃度が次第に増加する。しかし、運転開始から1時間経過後では、U15gが完全に溶解し、それ以降は反応槽1からの硝酸溶液の吐出、及び陽極室6からの硝酸溶液の供給により、反応槽1から吐出される硝酸溶液のU濃度が次第に低下する。そのU濃度は、運転開始から3.5時間後には0.00015g/Lに低下した。15gのウランが反応槽1内の10Lの硝酸溶液に溶解された場合では、U濃度は1.5g/L であるから、本実施例では反応槽1内のU濃度が1/10000に低減される。浸漬されたフィルタの含水率を1とすると、本実施例による処理後における、浸漬されたフィルタのU含有率は、0.00015g/kg 、即ち、0.15ppmである。本実施例において、U及びPu等が取り除かれたフィルタ残さは、篭の取り出しによって反応槽1外に取り出される。
【0025】
1.5g/L のUが付着されたフィルタを洗浄した場合、フィルタのU含有率が0.00015g/kg になるまで一回で洗浄するのに必要な洗浄液は、フィルタの含水率を1とすると、フィルタ重量の10000倍となる。フィルタの重量は1.5kg であるので、必要な洗浄液量は15トンとなる。また、一旦、フィルタ重量の100倍の水で洗浄した後に、この洗浄後に生じるフィルタ残さを再度100倍の水で洗浄した場合には、放射性廃液残さのU含有率は0.00015g/kgになる。しかし、必要な洗浄液量は300Lである。本実施例では、これらの洗浄廃液が発生せず、その洗浄廃液を処理して核燃料物質を回収する工程を省略することができる。
【0026】
次に、イオン交換塔3における硝酸溶液のU濃度分布を説明する。イオン交換塔3の横断面積は10平方cmで、その高さは120cmである。イオン交換塔3は、内部に60Lのイオン交換体を装荷しており、60Lの硝酸溶液を充填する。供給される硝酸溶液中のPu4+,NpO2 +及びUO2 2+ は、イオン交換塔3内で、陰イオン交換体によって硝酸溶液から取り除かれる。この反応は、以下のように表される。
【0027】
UO2 2++nHNO3+陰イオン交換体
→UO2(NO3)n(n-2)-( イオン 交換体中 )+nH+
平衡定数は、UO2 2+ にNpO2 +について約10、Pu4+につき約100である。即ち、硝酸溶液中のUO2 2+ とNpO2 +の濃度は、イオン交換体中の濃度の1/10になる。硝酸溶液中のPu4+の濃度は、イオン交換体中の濃度の1/1000になる。
【0028】
イオン交換塔3内のUの濃度分布が、図3に示される。運転開始後から1時間目のウラン濃度分布は、イオン交換塔3の入り口が最も高く、その出口に向かって減少する(特性16)。2時間目のウラン濃度分布は、イオン交換塔3の入口で低い(特性17)。これは、イオン交換塔3に供給される硝酸溶液のU濃度が1時間目以降で次第に減少するためである。特性18は3時間目の、特性19は4時間目のイオン交換塔3内における各U濃度分布である。運転時間の経過と共に、イオン交換塔3の出口側のU濃度が増加する。
【0029】
図4は、イオン交換塔3から吐出された硝酸溶液中のU濃度の時間変化を示している。吐出された硝酸溶液中のU濃度は、運転開始後の時間経過と共に増加する。しかし、そのU濃度は、運転開始後3.5時間で0.0001g/L以下である。従って、本実施例では運転が3.5 時間で停止されると、反応槽1及び陰極室7内のU濃度は0.00015g/L 以下に抑制される。また、陽極室11及び陽極室6内のU濃度は、0.0001g/L 以下に抑制される。これらのU濃度は、反応槽1内の硝酸溶液のみでUを溶解した場合の濃度1.5g/L の1/10000以下である。NpO2 +はUO2 2+ と同等のイオン交換特性を有し、
Pu4+はUO2 2+ よりもイオン交換体に吸収されやすいので、これらのイオン濃度も、反応槽1内の硝酸溶液のみで溶解反応を行った場合の1/10000以下に抑制される。
【0030】
以上のように本実施例によれば、イオン交換体によりU,Pu及びNpが除去されるので、反応槽1,陽極室6,陰極室7及び陽極室11内のU,Pu,Npの濃度が、従来の1/1000以下に抑制される。また、硝酸溶液は陰極室12に供給されない。この結果、放射性廃棄物処理装置内の硝酸溶液は繰り返し使用できる。本実施例は、硝酸溶液を再使用しない場合に比べて、銀回収工程を省略でき、かつ廃棄物処理系を小型化できる。また、本実施例は、使用後の硝酸溶液からU,Pu及びNpを回収する別の工程を必要としないので、廃棄物処理系を小型化できる。更に、U,Pu及びNpの各濃度が従来の1/1000以下に抑制されるため、廃棄物残さ(例えばフィルタ残さ)に含まれるU,Pu及びNpの量を従来の1/1000以下に抑制できる。
【0031】
本実施例は、硝酸溶液中のAg2+を陰極室7内でAg+ に還元するので、Ag2+がイオン交換塔3に導入されない。イオン交換塔3内の有機物を主成分とするイオン交換体は、Ag2+による劣化が抑制されるので、寿命が長くなる。このため、2次廃棄物である使用済のイオン交換体の発生量が低減される。
【0032】
本実施例は、硝酸溶液を反応槽1から、Ag2+を生成する陽極室6を有する主電解槽2の陰極室7に供給するので、陰極室7内の硝酸濃度が硝酸の電気化学的な消費により低下する現象を抑制する。これは、陰極室7で生じる反応が主にAg2+をAg+ に還元する反応となるからである。しかし、反応槽1から流出する硝酸溶液中のAg2+量が核燃料物質の溶解反応、及びAg2+自体の自己分解反応により減少している関係上、陰極室7内での還元反応は、そのAg2+量の減少分だけ余剰の亜硝酸及び酸化窒素を生成する。この亜硝酸及び酸化窒素は、補助電解槽4の陽極室11での酸化反応により硝酸になる。このため、注入される酸素を用いた亜硝酸及び酸化窒素の酸化による硝酸生成手段の設置が、不要となり、補助電解槽4も小型なもので済む。更に、本実施例は、イオン交換塔3でU,Pu及びNpが除去されて陽極室6内でAg2+が生成されるので、反応槽1で硝酸溶液を再利用できる。
【0033】
本実施例は、前述のように硝酸溶液中の過剰の亜硝酸及び酸化窒素を、陽極室11で酸化して硝酸にするので、陽極室6内でのAg2+生成の阻害を回避できる。
【0034】
以上の説明は、フィルタ15に付着しているプルトニウム酸化物等の処理運転(通常の処理運転と称する)を示している。組立て後の放射性廃棄物処理装置、すなわち反応槽1,主電解槽2,イオン交換塔3及び補助電解槽4等内に注入される硝酸溶液(Ag+ を含む)にAg2+が含まれていないので、本実施例の装置の組み立て後、通常の処理運転が直ちに実行できない。組立て後の放射性廃棄物処理装置で初めて通常の処理運転を実行する前に、この放射性廃棄物処理装置で以下に述べる前処理運転が実行される。
【0035】
前処理運転は、三方弁22を遠隔操作して配管72と配管31を連絡し、補助電解槽4に通電しポンプ70を駆動することにより行われる。反応槽1内の硝酸溶液は、陰極室7及びイオン交換塔3を迂回して陽極室11に供給される。硝酸溶液中のAg+ は陽極室11内でAg2+に転換される。この硝酸溶液は、陽極室6,反応槽1及び陽極室11を循環し、Ag2+濃度を急速に増加させる。主電解槽2には通電していないので、陽極室11から吐出された硝酸溶液は、陽極室6内で変化しない。反応槽1内のAg2+濃度が設定値に達したとき、前処理運転を終了する。その後、三方弁22を遠隔操作して配管72と配管30を連絡する。プルトニウム酸化物等が付着したフィルタ15が主電解槽2内に装荷され、前述の通常の処理運転が実行される。
【0036】
本実施例によれば、前処理運転により短時間で反応槽1内の硝酸溶液中のAg2+濃度を設定値まで増加できる。なお、前処理運転におけるAg2+の生成を主電解槽2に通電して陽極室6で行った場合には、陰極室7内の硝酸溶液中に亜硝酸及び酸化窒素が蓄積される。この亜硝酸及び酸化窒素は、前述の通常処理運転時に陽極室11及び陽極室6を経由して反応槽1内に流入しAg2+を消耗させる。本実施例は、このような問題が生じない。
【0037】
本実施例は、プルトニウム酸化物等が付着したフィルタ15以外に、アクチニドリサイクルを行うMOX燃料集合体製造設備の構成物である、プルトニウム酸化物及びウラン酸化物等が付着した配管の処理にも適用できる。また、本実施例は、再処理施設の固体廃棄物(ハル,系統の配管,機器の廃材等)の処理にも適用できる。
【0038】
(実施例2)
本発明の他の実施例である放射性廃棄物処理装置を、図5を用いて説明する。本実施例は、実施例1と同様に、反応槽1,主電解槽2,イオン交換塔3及び補助電解槽4を備える。本実施例は、配管系の一部の接続状態、及びイオン交換塔3の配置が実施例1と異なる。すなわち、配管30Aが三方弁22と陰極室7を接続する。配管31Aが三方弁22と陽極室6を接続する。イオン交換塔3は陰極室7と陽極室6を接続する配管73Aに設置される。濃度モニタ20が配管73Aに、濃度モニタ21が配管75にそれぞれ設けられる。
【0039】
本実施例の前処理運転では、三方弁22が配管72と配管31Aを連絡する。更に、補助電解槽4には通電され、主電解槽2には通電されない。陽極室11内で、硝酸溶液中にAg2+が生成される。反応槽1内のAg2+濃度が設定値に達したとき、前処理運転が終了され、三方弁22の遠隔操作により配管72と配管30Aが連絡される。この状態で、PuO2,NpO2及びUO2 が付着した使用済のフイルタ15が実施例1と同様に反応槽1内の硝酸溶液に浸漬され、通常の処理運転が実行される。硝酸溶液中の硝酸濃度及びAg+ 濃度は、実施例1と同じ範囲にある。
【0040】
陽極室6内で、電解により硝酸溶液中のAg+ がAg2+に酸化される。フィルタ15に付着しているPuO2,NpO2及びUO2 は、反応槽1内でAg2+の作用により、それぞれ、PuO2 2+,NpO2 2+及びUO2 2+ に酸化され、硝酸溶液に溶解される。硝酸溶液は、反応槽1から陰極室7に送られる。PuO2 2+ ,NpO2 2+ 及びAg2+は、陰極室7内でPu4+,NpO2 +及びAg+ に還元される。陰極室7での還元作用が過剰であれば、硝酸が還元されて亜硝酸及び酸化窒素が生成される。濃度モニタ20は、陰極室7からイオン交換塔3に供給される硝酸溶液(Pu4+,NpO2 +,UO2 2+,Ag+,亜硝酸及び酸化窒素等を含む)をサンプリングし、この硝酸溶液中のAg2+濃度及び亜硝酸濃度を分析し、各濃度を測定する。制御装置55は、濃度モニタ20の計測値を入力し、Ag2+濃度が第1設定値より高いとき主電解槽2の電流を増加させる制御を行って陰極室7内のAg2+濃度を下げる。制御装置55は、Ag2+濃度が第1設定値より小さくてかつ亜硝酸濃度が第2設定値より高いとき、主電解槽2の電流を減少させる制御を行って、陰極室7内の亜硝酸及び酸化窒素の生成を抑制する。これらの制御により、陰極室7での電解反応が過不足なく行われる。
【0041】
Pu4+,NpO2 +及びUO2 2+ を取り除かれてイオン交換塔3から吐出された硝酸溶液は、陽極室6に送られる。陽極室6内では、陰極室7内でAg2+の還元反応に使われた電流を利用して、Ag+ がAg2+に変換される。更に、硝酸溶液に含まれる亜硝酸及び酸化窒素は陽極室6内で酸化されて硝酸になる。陽極室6から陽極室11に供給される硝酸溶液は、Ag2+を含む。陽極室11での電解は溶解反応及びAg2+の自己分解によるAg2+の消耗補償のために行われる。濃度モニタ21は、陽極室11から吐出された硝酸溶液をサンプリングし、この硝酸溶液中のAg2+濃度を分析し、その濃度を測定する。制御装置56は、Ag2+濃度の測定値が第3設定値より高いとき補助電解槽4に供給する電流を減少する制御を行い、陽極室11内でのAg2+の生成を抑制する。制御装置56は、Ag2+濃度の測定値が第3設定値より小さいとき補助電解槽4に供給する電流を増加する制御を行い、陽極室11内でのAg2+の生成を促進させる。これらの制御により反応槽1に供給される硝酸溶液中のAg2+濃度が、第3設定値に保たれる。
【0042】
本実施例における反応槽1内のU濃度、及びイオン交換塔3内でU濃度の時間変化は、実施例1と同じである。このため、本実施例は、反応槽1及び陰極室7内のU濃度を0.00015g/L 以下に、陽極室6及び陽極室11内のU濃度を0.0001g/L 以下に抑制できる。このU濃度は、反応槽1内の硝酸溶液のみでUを溶解した場合の濃度1.5g/L の1/10000以下となる。
【0043】
NpO2 +はUO2 2+ と同等のイオン交換特性を持ち、Pu4+はUO2 2+ よりもイオン交換体に吸収されやすいので、これらのイオンの濃度も、反応槽1内の硝酸溶液のみで溶解反応を行った場合の1/10000以下に抑制される。
【0044】
本実施例によれば、イオン交換体による吸着により、反応槽1,陽極室6,陰極室7及び陽極室11のU,Pu,Npの濃度が従来の1/1000以下に抑制される。また、硝酸溶液は陰極室12に供給されない。この結果、放射性廃棄物処理装置内の硝酸溶液は繰り返し使用することができる。本実施例は、硝酸溶液を再使用しない場合に比べて、銀回収工程を省略でき、廃棄物処理系を小型化できる。本実施例は、硝酸溶液中のAg2+を陰極室7内でAg+ に還元するので、実施例1と同様に2次廃棄物である使用済のイオン交換体の発生量が低減される。本実施例は、反応槽1から硝酸溶液を陰極室7に供給するので、陰極室7内の硝酸濃度が硝酸の電気化学的な消費により低下する現象を抑制する。このため、実施例1と同様に、酸素を用いた亜硝酸及び酸化窒素の酸化による硝酸生成手段の設置が、不要となる。本実施例は、上記以外においても実施例1と同様の効果を生じる。
【0045】
本実施例は、実施例1で得られる効果以外に、以下の効果を生じる。本実施例によれば、陰極室7内の硝酸が電気化学的に消費されて亜硝酸及び酸化窒素が生成する現象は、制御装置55によって主電解槽2に供給される電流を制御することにより、抑制される。このため、本実施例は、過剰の亜硝酸及び酸化窒素が陽極室6に導入されてAg2+の生成が阻害される現象を回避できる。また、本実施例は、Ag2+の還元を主電解槽2で実施し、Ag2+の生成速度の調整を補助電解槽4で行うので、運転中の反応速度の変動に対応してAg2+の還元と生成を独立に調整できるという効果を得る。更に、主電解槽2の陽極室6内でAg2+が予備的に生成されるので、補助電解槽4の陽極室11内でのAg2+の生成に要する補助電解槽4での消費電力を節約できる。
【0046】
本実施例は、実施例1と同様に前処理運転により短時間で反応槽1内の硝酸溶液中のAg2+濃度を設定値まで増加できる。なお、前処理運転におけるAg2+の生成を実施例1と同様に陽極室12で行っていないので、前述の通常処理運転時に亜硝酸及び酸化窒素による反応槽1内でのAg2+の消耗を防止できる。
【0047】
実施例1及び2の主電解槽2を、図6に示す電解槽装置に置き換えることができる。この電解槽装置は、電解槽34,バッファタンク37及び38を備える。電解槽34は、電極固定型のフローセル式電解槽であって、隔壁10により仕切られた陽極室35及び陰極室36を有する。バッファタンク37は、循環ポンプ39を備えた循環管路57によって陽極室35に連絡される。バッファタンク38は、循環ポンプ40を備えた循環管路58によって陰極室36に連絡される。配管30及び73がバッファタンク38に接続される。配管74及び75がバッファタンク37に接続される。この配管接続は、実施例1において主電解槽2を電解槽装置に置き換えた場合の構成である。実施例2において、主電解槽2を電解槽装置に置き換えた場合には、図6の括弧内に示すように、配管30A及び73Aがバッファタンク38に接続される。実施例2の場合は、図示していないが、配管31Aがバッファタンク37に接続される。
【0048】
電解槽装置において、電圧が電解槽34内の陽極59と陰極60間に印加される。この状態で、バッファタンク38内の硝酸溶液が、循環ポンプ40の駆動により循環管路58を通って陰極室36との間を循環する。また、バッファタンク37内の硝酸溶液が、循環ポンプ39の駆動により循環管路57を通って陽極室35との間を循環する。やがて、電解槽34における電解作用により、バッファタンク37内の硝酸溶液中のAg2+濃度が次第に増加する。この硝酸溶液のAg2+濃度が設定濃度に達したとき、陽極室11内の硝酸溶液が配管74によりバッファタンク37に供給される。そして、Ag2+濃度が設定濃度に達した硝酸溶液がバッファタンク37から配管75に排出される。この排出によりバッファタンク37内の硝酸溶液のAg2+濃度が設定濃度よりも低下する場合は、循環ポンプ39の回転数増加により循環管路57内の循環流量を増加させ、陽極室35内でのAg2+生成速度を増加させる。逆に、前述の排出を行ってもバッファタンク37内の硝酸溶液のAg2+濃度が増加する場合には、循環ポンプ39の回転数を低下させて上記循環流量を減少させる。このため、陽極室35内でのAg2+生成速度が低下する。バッファタンク37から配管75への硝酸溶液の排出流量が設定排出流量より大きくなった場合には、循環ポンプ39の吐出流量を増加することにより、バッファタンク37内の硝酸溶液のAg2+濃度が設定濃度に保持される。上記排出流量を一定にしたまま、バッファタンク37内の硝酸溶液のAg2+濃度を増加または減少させたい場合には、循環ポンプ39の吐出流量を増加または減少させればよい。
【0049】
以上のように、図6の電解槽装置を用いることにより、循環ポンプ39の吐出流量を調整することで、バッファタンク37から配管75への排出流量とは独立に、陽極室35内の電極表面での硝酸溶液の流れを制御することができるので、排出される硝酸溶液の流量とこの硝酸溶液のAg2+濃度とを別々に制御できる。また、循環ポンプ40の吐出流量を調整することで、バッファタンク38から配管73への排出流量と、陰極室36内でのAg+ 生成量とを別々に制御できる。(実施例3)
本発明の他の実施例である放射性廃棄物処理装置を図7を用いて説明する。本実施例は、実施例1において、主電解槽2を主電解槽2Aに、補助電解槽4を補助電解槽4Aに替えたものである。
【0050】
主電解槽2Aは、隔壁5によって仕切られた陽極室6及び陰極室7を有する。陽極室6内に配置された陽極8Aは、回転装置28に連結された回転軸27、及び回転軸27に取り付けられた直径30cmの5個の円盤状電極26を有する。5個の円盤状電極26は3cm間隔に配置される。補助電解槽4Aは、陽極8Aと同じ構成の陽極13Aを陽極室11内に設置する。
【0051】
通常の処理運転時には、ポンプ70の駆動によって、硝酸溶液が実施例1と同様に放射性廃棄物処理装置内を循環する。すなわち、PuO2 2+,NpO2 2+,UO2 2+ 及びAg2+を含む硝酸溶液が、反応槽1から陰極室7に送られる。
【0052】
PuO2 2+,NpO2 2+及びAg2+は、陽極8Aと陰極9の間に印加された電圧の作用により、それぞれ、Pu4+,NpO2 +及びAg+ に還元される。陰極室7内で、亜硝酸及び酸化窒素が生成される。陰極室7から吐出された硝酸溶液中のPu4+,NpO2 +及びUO2 2+ は、イオン交換塔3で除去される。イオン交換塔3から吐出された硝酸溶液は、陽極13A及び陰極14に電圧が印加された陽極室11に導かれる。亜硝酸及び酸化窒素は陽極室11で硝酸に転換される。陽極室11から吐出された硝酸溶液中のAg+ は、電圧が印加された陽極8Aの作用により陽極室6内でAg2+に変換される。このAg2+を含む硝酸溶液が反応槽1に送られる。
【0053】
陽極8Aの作用を以下に詳細に説明する。陽極室6への硝酸溶液の供給流量はポンプ70の回転数調節によって制御される。陽極8Aは回転装置28によって回転される。円盤状電極26の回転によって生じる遠心力に起因して、円盤状電極26の表面に接触する硝酸溶液は、円盤状電極26の外周に向かって流れる。円盤状電極26の回転速度が大きいほど、円盤状電極26表面への硝酸溶液の供給量が増加し、Ag2+の生成量が増加する。上記外周に向かう硝酸溶液流の発生時における陽極8Aの限界電流密度(電流値を電極表面積で割った値)は、下記の式で与えられる。
【0054】
i/A=0.62nFCD2/3v−1/6x(2πN)1/2
ただし、iは限界電流、nは反応電子数、Fはファラデー定数、Aは電極表面積、Cは硝酸溶液中のAg+ 濃度、DはAg+ の拡散係数、vは陽極室内の硝酸溶液の動粘度、及びNは電極の回転速度である。
【0055】
Ag+ 濃度が0.1mol/Lである硝酸溶液の限界電流密度は、陽極8Aの回転速度が10rpm のとき、10mA/cm2 となる。1個の円盤状電極26の表面積は1400cm2 である。このため、陽極8Aの表面積は、約7000cm2 である。従って、陽極8Aの回転速度10rpm のときにAg2+の生成に使われる電流は70Aである。1Ahの電荷量は0.0373 ファラデーであるので、陽極8AによるAg2+生成速度は2.6mol/hである。陽極室6に流量26L/hで0.1 mol/L のAg+ 濃度を含む硝酸溶液が供給された場合、陽極室6から吐出される硝酸溶液のAg2+濃度は0.01mol/L(=0.26(mol/h)/26(L/h))である。硝酸溶液中のAg+ 濃度を変えた場合、限界電流密度はAg+ 濃度に比例するため、陽極室6出口におけるAg2+/Ag+ 濃度はAg+ 濃度の影響を受けない。即ち、流量26(L/h)で硝酸溶液を陽極室6に供給すると、供給されたAg+ の10%がAg2+に転換される。限界電流密度は陽極8Aの回転速度の平方根に比例する。このため、例えばAg+ のAg2+への転換比を30%にする場合には、陽極8Aの回転速度を9倍の90rpm とすればよい。逆に、その転換比を5%にする場合には、陽極8Aの回転速度を1/4倍の2.5rpmにすればよい。
【0056】
このように、本実施例によれば、陽極室6への硝酸溶液の供給流量を変更することなく陽極8Aの回転速度を変更するだけで、陽極室6から吐出される硝酸溶液のAg2+濃度を調整することができる。一方、反応槽1でのU等の溶解反応によるAg2+の消費が予想より早く、Ag2+濃度を保ったままAg2+の供給量を2倍にしたい場合には、ポンプ70回転数の増加によって陽極室6への硝酸溶液の供給量を2倍に増加させるとともに陽極8Aの回転速度を4倍にすればよい。以上のように、本実施例によれば、陽極室6からの硝酸溶液の吐出流量と、これに含まれるAg2+の濃度を独立に制御できる。従って、陽極室6内でのAg+ からAg2+への反応速度が、陽極室6への硝酸溶液の供給流量の影響を受けずに、調節可能である。反応槽1に供給される硝酸溶液のAg2+濃度が設定値に保持できる。また、Ag2+濃度を設定値に保ちながら反応槽1への硝酸溶液の供給流量を調整できるので、反応槽1内のAg2+消費量に釣り合う流量の硝酸溶液を反応槽1に送り、反応槽1内のAg2+濃度を調整できる。
【0057】
補助電解槽4Aへの硝酸溶液の供給流量は主電解槽1から吐出される硝酸溶液流量に等しいので、陽極室11では硝酸溶液の設定流量において過剰な亜硝酸及び酸化窒素を酸化する必要がある。陽極室11における酸化反応が過剰であると、主電解槽2Aに供給される硝酸溶液にAg2+が含まれる。このため、主電解槽2AにおいてAg2+生成速度の再調製が必要になる。また、陽極室11における酸化反応が不足すると、亜硝酸及び酸化窒素が陽極室6内に移行し、Ag2+の生成が妨害される。本実施例は、陽極13Aを設けた補助電解槽4Aを用いているので、陽極13Aの回転速度の制御によって、供給される硝酸溶液中の亜硝酸及び酸化窒素濃度にあわせて、過不足なく亜硝酸及び酸化窒素を酸化することができる。
【0058】
以上のように、本実施例によれば、反応槽1内のAg2+濃度を希望する値に調整することができる。本実施例によれば補助電解槽4Aにおいて過不足なく亜硝酸及び酸化窒素を酸化することができるので、主電解槽2Aでの電解速度の再調製が必要なくなる。更に、本実施例は実施例1と同じ効果も生じる。
【0059】
(実施例4)
本発明の他の実施例である放射性廃棄物処理装置を図8を用いて説明する。本実施例は、実施例2において、主電解槽2を主電解槽2Aに、補助電解槽4を補助電解槽4Aに替えたものである。主電解槽2A及び補助電解槽4Aの構成は、実施例3と同じである。しかし、制御装置55及び56による制御が異なる。
【0060】
濃度モニタ20によるAg2+濃度の測定値が第1設定値よりも高いとき、制御装置55は主電解槽2Aの電流を増加して陰極室7内のAg2+濃度を下げる。濃度モニタ20によるAg2+濃度の測定値が第1設定値よりも低くかつ亜硝酸濃度の測定値が第2設定値よりも高いとき、主電解槽2Aの電流を減少させて、陰極室7内での亜硝酸及び酸化窒素の生成を抑制する。この制御により、陰極室7内での電解反応を過不足なく行うことができる。
【0061】
ところが、陰極室7に供給される電流値は陽極室6に供給される電流値に等しい。陰極室7内のAg2+濃度減少割合が大きくなるほど、主電解槽2Aへの印加電圧が大きくなる。このため、陽極室6に供給される電流がある値よりも大きくなると、陽極室6では水が電気分解されて酸素を生成する反応が生じ、Ag2+の生成が十分に行われなくなる。しかしながら、本実施例は、濃度モニタ20によるAg2+濃度の測定値が主電解槽2Aへの印加電圧の増大により陽極室6で水の電気分解が生じる第4設定値以上になったとき、制御装置55が回転装置28を制御して陽極8Aの回転速度を増加させる。第4設定値は第1設定値よりも大きい。このような陽極8Aの回転速度増加により、陽極室6内でのAg2+の生成速度を増加できる。このため、陽極室6内での水の電気分解が防止できる。以上のような制御装置55の制御により、陽極室6内でのAg2+の生成速度を増加できると共に陰極室7内でのAg2+の還元速度も増加できる。すなわち、本実施例は、陰極室7内での電解反応を過不足なく行うことができ、かつ陽極室6内でのAg2+の生成を効率よく行うことができる。
【0062】
陽極室11での電解は、実施例2のように制御装置56によって溶解反応およびAg2+の自己分解によるAg2+の消耗を補償する分だけ行われる。しかし、実施例2では制御装置56が補助電解槽4Aへの電流を制御するのに対して、本実施例では制御装置56は陽極13Aの回転速度を制御する。すなわち、この制御により反応槽1に供給される硝酸溶液のAg2+濃度を設定値に保持できる。
【0063】
以上のように、本実施例によれば、陰極室7において過不足なくAg2+の還元を行い、かつ陽極室6においてAg2+の再生を効率よく行うことができる。本実施例は補助電解槽4Aでの電解速度の調製が容易に行える。また、本実施例は実施例2で得られる効果も生じる。
【0064】
【発明の効果】
第1発明によれば、U,Pu及びNpのいずれか1つ以上の溶解された元素を含む電解液中のAg2+をAg+ に還元し、この電解液から、イオン交換物質を用いてその元素を除去するので、イオン交換物質によるAg2+の除去量を著しく低減できる。このため、イオン交換物質の寿命が延びて使用済イオン交換物質の発生量が著しく減少し、放射性廃棄物量が減少する。
【0065】
第2発明によれば、電解液に含まれるAg2+のAg+ への還元が、Ag2+を生成する陽極室を有する電解槽の陰極室で行われるので、陰極室内で電解液に含まれる酸が電気化学的に消費されることによる酸濃度の低下を抑制できる。酸として硝酸を用いた場合には、陰極室で発生する亜硝酸及び酸化窒素の量が著しく低減され、亜硝酸及び酸化窒素を硝酸に戻す設備を小型化できる。場合によってはその設備を省略できる。
【0066】
第3発明,第6発明及び第7発明の各発明によれば、電解槽の陰極が設置された陰極室内で、U,Pu及びNpのいずれか1つ以上の溶解された元素を含む電解液中のAg2+をAg+ に還元し、陰極室から排出された電解液から、イオン交換物質を用いて上記元素を除去し、電解槽の陽極が設置された陽極室内で、電解液に含まれるAg+ をAg2+に酸化させるので、第1発明及び第2発明の効果を生じる。
【0067】
第4発明によれば、反応槽内で上記元素の溶解を行う前の前処理運転が、反応槽から吐出された電解液を、陰極室を通さずに2価銀イオン生成手段に導く工程と、この2価銀イオン生成手段からAg2+を含む電解液を、反応槽に導く工程とを含んでいるので、前処理運転により反応槽内のAg2+を設定値まで短時間に増加でき、上記元素の溶解を早期に行うことができる。
【0068】
第5発明によれば、2価銀イオン生成手段が上記陽極室であるので、別に2価銀イオン生成手段を設ける必要がなく、システム構成を単純化できる。
【0069】
第8発明によれば、陽極を回転させる手段を備えているので、反応槽,陰極室,イオン交換物質充填槽,陽極室及び反応槽の順に循環する電解液の流量とは独立して、陽極の表面に沿って流れる電解液の流量を制御できる。このため、陽極室内でのAg2+の生成量を、電解液の循環流量の影響を受けずに容易に制御することができる。
【0070】
上記目的を達成する第9発明の特徴は、電解液循環手段とは別に第1循環手段及び第2循環手段とを備えているので、陽極室内でのAg2+の生成量、及び陰極室内でのAg+ の生成量を、電解液循環手段によって循環する電解液の流量の影響を受けずに容易に制御することができる。
【0071】
第10発明によれば、主電解槽である電解槽以外に補助電解槽を設けているので、再利用される電解液にから亜硝酸及び酸化窒素を取り除くことができる。
【0072】
第11発明によれば、濃度モニタで測定されたAg2+濃度が第1設定値よりも高いときに陰極に流す電流を増加させ、Ag2+濃度が第1設定値以下で測定された亜硝酸濃度が第2設定値よりも高いときに陰極に流す電流を減少させる制御手段を備えているので、過剰の亜硝酸が陽極室に導入されることを抑制できる。このため、陽極室においてAg2+の生成が阻害されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である放射性廃棄物処理装置の構成図である。
【図2】図1の装置の運転時間の経過に伴う、反応槽から吐出された硝酸溶液中のウラン濃度の変化を示す特性図である。
【図3】図1のイオン交換塔内における硝酸溶液の位置とこの硝酸溶液中のウラン濃度との関係を示す特性図である。
【図4】図1の装置の運転時間の経過に伴う、イオン交換塔から吐出された硝酸溶液中のウラン濃度の変化を示す特性図である。
【図5】本発明の他の実施例である放射性廃棄物処理装置の構成図である。
【図6】本発明の電解槽の構成に係わる好適な一実施例を示す図である。
【図7】本発明の他の実施例である放射性廃棄物処理装置の構成図である。
【図8】本発明の他の実施例である放射性廃棄物処理装置の構成図である。
【符号の説明】
1…反応槽、2…主電解槽、3…イオン交換塔、4…補助電解槽、5,10…隔壁、6,11,35…陽極室、7,12,36…陰極室、8,8A,13,13A,59…陽極、9,14,60…陰極、15…フィルタ、20,21…濃度モニタ、22…三方弁、26…円盤状電極、27…回転軸、28…回転装置、37,38…バッファタンク、39,40…循環ポンプ、55,56…制御装置、70…ポンプ。

Claims (11)

  1. 2価銀イオンを含む電解液とU,Pu及びNpのいずれか1つ以上の元素とを接触させて前記2価銀イオンの作用により1つ以上の前記元素を前記電解液に溶解させ、電解により、前記溶解された元素を含む前記電解液中の前記2価銀イオンを1価銀イオンに還元し、溶解された前記元素及び前記1価銀イオンを含む前記電解液から、イオン交換物質を用いて前記元素を除去し、その後、前記電解液に含まれる前記1価銀イオンを、電解により、再利用する前記2価銀イオンに再生することを特徴とする放射性廃棄物の処理方法。
  2. 前記2価銀イオンを生成する陽極室を有する電解槽の陰極室に、前記元素と接触された電解液を供給し、この電解液に含まれる前記2価銀イオンの前記1価銀イオンへの還元を、その陰極室内で行う請求項1の放射性廃棄物の処理方法。
  3. 反応槽内で2価銀イオンを含む電解液とU,Pu及びNpのいずれか1つ以上の元素とを接触させて前記2価銀イオンの作用により1つ以上の前記元素を前記電解液に溶解させ、電解槽の陰極が設置された陰極室内で、前記溶解された元素を含む前記電解液中の前記2価銀イオンを1価銀イオンに還元し、前記陰極室から排出された前記電解液から、イオン交換物質を用いて前記元素を除去し、前記電解槽の陽極が設置された陽極室内で、前記電解液に含まれる前記1価銀イオンから前記2価銀イオンを生成し、前記陽極室内の前記電解液が前記反応槽に導かれることを特徴とする放射性廃棄物の処理方法。
  4. 前記反応槽内で前記元素の溶解を行う前の前処理運転が、前記反応槽から吐出された前記電解液を、前記陰極室を通さずに2価銀イオン生成手段に導く工程と、この2価銀イオン生成手段から2価銀イオンを含む前記電解液を、前記反応槽に導く工程とを含み、前記前処理運転は前記電解液内の2価銀イオンの濃度が設定値に達したときに終了し、前記前処理運転の終了後に、請求項3記載の放射性廃棄物の処理方法が実行されることを特徴とする放射性廃棄物の処理方法。
  5. 前記2価銀イオン生成手段が前記陽極室である請求項4の放射性廃棄物の処理方法。
  6. 2価銀イオンを含む電解液とU,Pu及びNpのいずれか1つ以上の元素とを接触させて前記2価銀イオンの作用により1つ以上の前記元素を前記電解液に溶解させる反応槽と、前記反応槽から吐出された前記電解液中の前記2価銀イオンを、電解により、1価銀イオンに還元する陰極室を有する電解槽と、前記陰極室から吐出された前記電解液に含まれる前記元素を除去するイオン交換物質を充填したイオン交換物質充填槽とを備え、
    前記電解槽は、前記イオン交換物質充填槽から吐出された前記電解液に含まれる前記1価銀イオンを、電解により、前記2価銀イオンに変換する陽極室を有し、前記陽極室から吐出された前記電解液を前記反応槽に導くことを特徴とする放射性廃棄物の処理装置。
  7. 2価銀イオンを含む電解液とU,Pu及びNpのいずれか1つ以上の元素とを接触させて前記2価銀イオンの作用により1つ以上の前記元素を前記電解液に溶解させる反応槽と、陰極が設置されて、前記電解液中の前記2価銀イオンを1価銀イオンに還元する陰極室、及び陽極が設置されて、前記電解液に含まれる前記1価銀イオンから前記2価銀イオンを生成する陽極室を有する電解槽と、前記陰極室から吐出された前記電解液に含まれる前記元素を除去するイオン交換物質を充填したイオン交換物質充填槽と、前記反応槽,前記陰極室,前記イオン交換物質充填槽,前記陽極室及び前記反応槽の順に前記電解液を循環させる手段とを備えたことを特徴とする放射性廃棄物の処理装置。
  8. 前記陽極を回転させる手段を備える請求項6の放射性廃棄物の処理装置。
  9. 2価銀イオンを含む電解液とU,Pu及びNpのいずれか1つ以上の元素とを接触させて前記2価銀イオンの作用により1つ以上の前記元素を前記電解液に溶解させる反応槽と、陰極が設置されて、前記電解液中の前記2価銀イオンを1価銀イオンに還元する陰極室、及び陽極が設置されて、前記電解液に含まれる前記1価銀イオンから前記2価銀イオンを生成する陽極室を有する電解槽と、第1バッファータンクと、第2バッファータンクと、前記第1バッファータンクから吐出された前記電解液に含まれる前記元素を除去するイオン交換物質を充填したイオン交換物質充填槽と、前記反応槽,前記第1バッファータンク,前記イオン交換物質充填槽,前記第2バッファータンク及び前記反応槽の順に前記電解液を循環させる電解液循環手段と、前記第1バッファータンク前記陰極室及び前記第1バッファータンクの順に前記電解液を循環させる第1循環手段と、前記第2バッファータンク前記陽極室及び前記第2バッファータンクの順に前記電解液を循環させる第2循環手段とを備えたことを特徴とする放射性廃棄物の処理装置。
  10. 主電解槽である前記電解槽以外に補助電解槽を設け、この補助電解槽は隔壁にて隔離された陽極室及び陰極室を有し、前記補助電解槽の前記陽極室が、前記イオン交換物質充填槽より下流側でかつ前記反応槽の上流側で、前記電解液の供給口及び排出口をそれぞれ前記電解液循環手段に連絡されている請求項7または請求項9の放射性廃棄物の処理装置。
  11. 前記陰極室から吐出される前記電解液の2価銀イオン濃度及び亜硝酸濃度を測定する濃度モニタと、この濃度モニタで測定された2価銀イオン濃度が第1設定値よりも高いときに前記陰極に流す電流を増加させ、2価銀イオン濃度が第1設定値以下で測定された亜硝酸濃度が第2設定値よりも高いときに前記陰極に流す電流を減少させる制御手段とを備えた請求項7または請求項9の放射性廃棄物の処理装置。
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