JP3879075B2 - 蛇行細管ヒートパイプの製造方法 - Google Patents

蛇行細管ヒートパイプの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は蛇行細管ヒートパイプの製造方法に関するもので、特に基盤プレートの平面上に蛇行細管ヒートパイプが外接して一体化形成されたプレートヒートパイプにおける、プレート平面と蛇行細管ヒートパイプの外接一体化形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
基盤プレートの平面上に蛇行細管ヒートパイプが外接して一体化形成されたプレートヒートパイプの製造方法としては基盤プレートの平面上に別工程で構成した蛇行細管コンテナをろう接し後に作動液を封入封止して製造する方法がある。この方法の場合は、同一平面上で細管コンテナを蛇行せしめた構造にする必要がある。薄肉細管を同一平面上で蛇行せしめるには、ターン部に於ける変形や座屈を防ぐ為に十分な曲率半径を必要とし、細管コンテナを高密度に整列接着することが不可能で、高性能を発揮せしめることは出来なかった。また所謂半田接着の如き軟ろうに依る低温接着の場合は接着強度が弱く、繰り返し熱入力や温度変化の激しいヒートパイプとしての適用は不適当であった。また硬ろうに依る高温接着の場合は接着強度は十分であるがろう接に依るプレートの歪み変形が甚だしく、実用的ではなかった。実用的な製造方法としては基盤プレートを厚肉化し、真空炉中にてろう接する以外には手段がなかった。このようであるから高性能が得られないにも拘らず製造には費用が嵩み更に薄形軽量化が困難であり、最近の業界での要望には不適当で、実用に供することが困難であった。
【0003】
プレートの平面上に比較的容易且つ低コストで、ヒートパイプを形成する方法として裏凹型エンボス成型による方法がある。プレートの平面と、その表面上に裏凹型エンボス加工が施された薄肉金属プレートの凹面側平面とを接合一体化せしめ、プレートの平面とエンボス凹面とにより半円形断面の突起トンネル構造体を一体化形成し、この構造体のトンネル空間をコンテナとして作動液を封入封止してヒートパイプとする製造方法である。その製造方法には各種の方法があるが、その中で最も容易且つ低コストな製造方法として一般に知られている方法として所謂ロールボンド法がある。
【0004】
図13及び図14によりロールボンド法に依るヒートパイプのプレート表面上の一体化形成について説明する。図13はロールボンド法による製造方法のエンボス加工の準備工程を完了した裏凹型エンボス加工前の素材の状態を示す断面図である。12は基盤金属プレート、13は裏凹型エンボス加工が施される薄肉金属プレートであり、何れも展延性に冨み組成加工の容易な金属素材からなる。それらはロール圧延工程を経てその際の強力な加圧力に依り圧接接合され一体化されてある。14は接合面を示してある。この接合面には予め塗布された接合防止剤に依り所定のパターンの非接合部11が残置されてある。
【0005】
図14はロールボンド法による製造方法の裏凹型エンボス加工完了後の状態を示す。図13の非接合部に高圧流体を圧入することに依り薄肉金属プレート13は塑性拡管されてトンネル状エンボス13−1が形成されてある。基盤金属プレート12は十分な厚さがあるから塑性変形することなくプレートのまま残されてある。裏凹型エンボス13−1の裏面の凹面と基盤プレート12はトンネル空間15を形成している。トンネル空間15の断面形状は半円形状であり、その両端の角部には自ら楔状突起空間15−1が形成される。このトンネル空間15をコンテナとして、脱気の上所定の作動液の所定量を封入封止することに依りトンネル空間15は基盤プレート12の表面に一体化形成されたヒートパイプとなる。この場合楔状突起空間15−1は高性能のウイックとして作動する。
【0006】
この様にして構成された基盤プレート12の表面上のヒートパイプは基盤プレート12に軽量低コストのプレートヒートパイプとしての機能を付与する。
この従来技術を適用し、図12における基盤プレート12に予め塗布される接合防止剤の塗布パターンを精細化せしめ、非接合部11のパターンを、目標とする蛇行細管ヒートパイプに対応する蛇行パターンとすることに依り、基盤プレート12の表面上に目標とする蛇行細管ヒートパイプを容易に且つ低コストで形成し、基盤プレートを軽量低コストの蛇行細管プレートヒートパイプとして構成することが出来る。然しこのロールボンド法により形成された蛇行細管プレートヒートパイプは蛇行細管トンネルの蛇行パターンの精細化が不可能であり、それに起因して蛇行細管ヒートパイプとしての機能を充分に発揮せしめることが不可能であり、その改善が強く要望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
蛇行細管ヒートパイプとしての完全な機能を発揮せしめるための必要条件としては、(1)そのトンネル空間の相当直径が3mm以下であること、(2)蛇行ターン数が十分に多数であること、でありそれらの条件が十分に満足したとき初めてその性能の姿勢依存性がなくなり、如何なる保持姿勢でも良好に作動する蛇行細管ヒートパイプとしての機能のすべてが発揮されるものであった。
【0008】
然しロールボンド法に依る蛇行細管ヒートパイプには次の如き問題点が残されていた。(1)図13、図14における高圧流体による拡管方式により成形されるトンネル空間のパターンは精細化が困難で、蛇行細管ヒートパイプとしての機能を充分に発揮出来る程に高密度化することが不可能であること。蛇行細管ヒートパイプは一条の連続した蛇行トンネル空間で形成されてあり、その精細化とは極めて細い且つ極めて長いトンネル空間を高圧流体で拡管成形することを意味し、精細化すればする程流体圧を上昇せしめる必要があり、目標とする細管の材料及び管壁厚さによっては管が破裂する恐れがあり、流体圧による拡管成形法による裏凹型エンボス加工の精細化には自ら限界があるものであった。(2)図14においてはトンネル断面形状は半円形になっているが、実際上にはその断面形状は流体圧と管厚さ、及び管材質の展延性等のバランスで自ら定まり、円弧高さが充分に取れない場合のほうが多く、その為に蛇行細管ヒートパイプとしては作動液の管内圧力損失が大きく性能低下も大きかった。また円弧高さが充分に取れない場合には管内圧力損失を低下せしめる為円弧幅を充分に大きくする必要があり、このことも蛇行パターンの精細化の障害となり性能低下の原因となるものであった。
【0009】
この対策としての、基盤プレート平面上に裏凹型エンボス突起によるトンネル構造を成形する他の方法としては、プレス成形により薄肉金属プレートに予め蛇行細管ヒートパイプのパターンを裏凹型エンボス成形しておき、その凹面側平面を基盤プレートの平面上に接合する方法がある。然しこの場合は蛇行細管パターンの雌型雄型二種類のプレス金型を準備する必要があり、その場合はトンネル径1mm、トンネルピッチ2mm、蛇行ターン数最低50本の如き精細パターンにに対応する雌雄金型を製作する必要がある。このような雌雄の高精密金型の製作は極めて困難であり、その製作費用は50mm×100mmの面積で数百万円以上と極めて高価なものとなり、実用性に乏しいものであった。この事から業界で実用化されている裏凹型エンボス成形の蛇行細管ヒートパイプは、高性能化を犠牲にして、ロールボンド法成型によるもののみが採用されている。
本発明は上述の問題点を解決して、実用的コストで、基盤プレートの平面上に蛇行細管ヒートパイプを一体形成する事の可能な、蛇行細管プレートヒートパイプのプレス成型に依る製造方法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
問題を解決する為の手段としては金型の低価格化、パターン形成の容易化が基本であり、更に作業面からはプレス成型時に精細な雌雄金型の嵌合の困難さの解決が大きな問題点となる。これら点の解決の為の手段として以下の四工程を含む工程による製造方法を提案する。
【0011】
その四工程は以下の通りである。製作目標とする蛇行細管ヒートパイプの内径に等しい直径を有する強靭な連続する一条の金属細線を、同一平面上で所定の部分と所定の部分の間を往復蛇行するよう屈曲加工して、所定のパターンの金属細線の蛇行屈曲体を形成する第一の工程と、少なくともその片側のプレートは製作目標とする蛇行細管ヒートパイプ用素材であり且つ塑性加工の可能な素材で形成された薄肉金属プレートの一組の対プレートの間に、第一の工程完了後の金属細線の蛇行屈曲体を整列配置して挟持せしめ、この状態の対プレートにおける、塑性加工の可能な方の薄肉金属プレートの外側には、強靭な半硬質ゴム状弾性体、または所定の手段によりそれと同等の機能を与えてある軟質ゴム状弾性体、可塑性素材または粘弾性素材からなる厚肉プレートを配置して積層体を構成し、この積層体の両面から強力な圧力を加えてプレス成型を施し、塑性加工の可能な方の薄肉金属プレートを塑性変形せしめ、金属細線の蛇行屈曲体の形状及び蛇行パターンに倣った蛇行パターンの裏凹型エンボス加工を施す第二の工程と、第二の工程完了後の積層体を分解し、裏凹型エンボス加工が施された薄肉金属プレートを取り出し、薄肉金属プレートのエンボス凹面側の平面と平板状の基盤金属プレートの平面とを相互に所定の手段により気密に接合一体化せしめるか、裏凹型エンボス加工を施した二枚の薄肉金属プレートの凹面側平面を相互に所定の手段に依り接合一体化せしめるか、の何れかの手段により基盤プレート上の片面か両面に蛇行細管トンネル構造体が一体化形成且つ突起形成されたプレートを構成する第三の工程と上記トンネル構造体の空間内に所定の作動液の所定の量を封入封止して蛇行細管ヒートパイプとして構成する第四の工程。
【0012】
本発明は基本的には雄金型とゴム状弾性体との間に塑性加工の容易な薄肉プレートを挿入加圧して塑性加工を施して裏凹型エンボス加工を施す加工方法の応用であり、加工方法自体は公知の方法である。然し本発明の如く蛇行細管ヒートパイプの精細なパターンの雄金型を必要とする場合は、その製作には極めて高精密な研削技術を必要とし、極めて高い製作費用を必要とする事は不可避であり、このような蛇行細管ヒートパイプを平面上に一体化形成したプレートヒートパイプは実用化されたことはなかった。
【0013】
本発明においては蛇行細管ヒートパイプ一体化成型のために高い精度が要求されるのは蛇行細管トンネル構造体(以下裏凹型エンボス突起と略称する)の高さと幅及び裏凹型エンボス突起の蛇行ターン部の所定の幅内における裏凹型エンボス突起のターン本数であって、各個別の裏凹型エンボス突起間のピッチには精度が要求されない点、及び各裏凹型エンボス突起の直線度の精度もそれ程高い精度が要求されない点に着目した。
【0014】
即ち連続する一条の金属線材を蛇行屈曲成型し、製作目標とする蛇行細管ヒートパイプの蛇行パターンに等しいパターンの蛇行屈曲体を形成し、これを雄金型として適用する事に依り、製作費用が無視できる程に安価な金型を得ることが出来る本発明の発想を得たものである。この雄金型は設計時点において自由自在な屈曲パターンを形成出来るだけで無く、製作完了後、適用時点においてもそのパターンを自由に調整変更する事が可能な点、製作目標とするプレートヒートパイプの用途に応じて、または用途の変更に応じて所定の位置を部分的に避けた形状のパターンとしたり、パターン内における相対的パターン密度を自在に調整することが出来る等の点で、従来の雄金型より遥かに適用自由度の高い優れた機能を有するものとなる。この様にして成型コストを飛躍的に低減し、更に適用上の利便性を大きく向上させる全く新しい機能を付加する事が出来るなどの点から、更にまた従来の雄金型が総て基体の上に一体となり固定されていたのに対し、本発明の如き細線の屈曲体の雄金型は基体がなく浮遊状態であり、この様な雄金型は全く前例のない新規なものであり、これを適用する本発明に係る裏凹型エンボス成形方法も従来の成形方法とは全く異なった新規な製造方法であると云うことが出来る。以下図面によって各工程の詳細について説明する。
【0015】
図1、図2及び図3、図4は本発明に係るかプレートヒートパイプ製造方法の基本的な製造方法の各工程の説明図である。第一の工程は金属細線の蛇行屈曲体を形成する工程であり、図1は雄金型に相当する金属細線の蛇行屈曲体1の構造を示す平面説明図である。金属細線の蛇行屈曲体1には製作目標とする蛇行細管ヒートパイプの細管内径に等しい外径が与えられてある。金属素材としては多数回のプレス成形に耐えられる強靭な材料で、かつ目標とする蛇行パターンに必要なターン部1−2の曲率半径に屈曲せしめることの可能な屈曲加工性を有する素材が選択される。然し同一パターンで多数のプレートヒートパイプの成形が予定される場合はパターンの変形を防ぐため蛇行屈曲体1には熱処理をする場合もあるから、熱処理により硬化し且つ必要な弾性を与えることの可能な金属素材であることが望ましい。
【0016】
パターンの全体の構成は多数のターン部1−2の群とその間を往復蛇行して連結する連結部1−1の群からなっている。このパターンは蛇行細管ヒートパイプを構成する為のパターンであるから、ターン部1−2、連結部1−1の数は夫々20ターン、20本以上であることが望ましく、姿勢依存性の少ない蛇行細管ヒートパイプを構成する為は40ターン、40本以上であることが望ましい。図1では図面簡略化の為半数だけが示されてある。姿勢依存性の少なさが要求されず、ボトムヒートモードでのみ適用される蛇行細管ヒートパイプを構成する場合は10ターン、10本以下であっても良い。これは蛇行細管ヒートパイプ作動の基本特性から要求される構造である。
【0017】
図の蛇行屈曲体1のパターンでは細線の両端がろう接部1−3で連結されてループを形成しているがこれはループ型蛇行細管ヒートパイプを構成する為のパターンであることに因るもので、非ループ型蛇行細管ヒートパイプを構成する為のパターンでは両端は解放された状態になる。1−4の部分は作動液注入部の細管トンネルを形成する為のパターンである。図の蛇行屈曲体1のパターンでは連結部1−1の群はすべて平行並列になっているが、これは必ずしも平行並列に限定することを意味するものではない。例えばプレートヒートパイプの取り付けネジ部の如く蛇行細管が避けるべき部分はそれに対応して迂回して蛇行屈曲せしめて形成される。
【0018】
図2は本発明の第2の工程の断面説明図である。第二の工程は第一の工程で形成した、雄金型に相当する、金属細線の蛇行屈曲体1を比較的強靭に形成された基盤金属プレート2とエンボス加工の対象となる塑性加工の可能な薄肉金属プレート3との間に挟持し、薄肉金属プレート3の上には、雌金型に相当する、強靭な半硬質ゴム状弾性体の厚肉プレート7を載せて、それらの全体を加圧プレスの加圧プレート8−1、8−2にて加圧加工し、薄肉金属プレート3を塑性変形せしめ、蛇行屈曲体1の金属細線の断面形状及び蛇行パターンに倣った裏凹型エンボス突起を形成せしめる工程である。図2は加圧加工直前の状態を示してある。
図において厚肉プレート7として強靭な半硬質ゴム状弾性体を適用するのは繰り返しプレス作業に耐えて復元性を保持することの可能な材料を意味するもので、他の素材と構成材料を組み合わせて同様な効果を発揮するものであれば如何なる素材を使用しても良い。
また基盤金属プレート2に裏凹型エンボス加工を施さない場合はこの基盤金属プレート2の配置は省略し第3の工程の接合作業に際しては別途に準備した基盤金属プレート2と接合しても良い。然し図の如く裏凹型エンボス加工を施さない基盤金属プレート2も対プレートとして同時にプレス加工を施すことにより対プレート2、3はプレスにより必然的に発生する期待されない微妙な塑性変形においても相互間で完全に合致するから接合作業が正確かつ容易になるメリットがある。
【0019】
図3及び図4は何れも第3の工程完了後の状態を示す断面説明図である。図3は第3の工程の接合が裏凹形エンボス加工を施した薄肉金属プレート3のエンボス凹面側の平面と平板状の基盤金属プレート2の平面とを相互に所定の手段により気密に接合一体化せしめる工程ある場合を示し、図4は第3の工程の接合が裏凹型エンボス加工を施した二枚の薄肉金属プレート3と33の凹面側平面を相互に所定の手段に依り接合一体化せしめる工程である場合を示す。
【0020】
図3は第2の工程によりエンボス突起3−1の群をプレス成型した薄肉金属プレート3の凹面側平面と基盤金属プレート2の平面とは相互に気密に接合してある。この接合によりトンネル空間5が形成され、更に楔状突起空間5−1が自ら形成される。この楔状突起空間5−1は第四の工程においてトンネル空間5内に作動液を封入した後にウイックとしての役目をするものであり、作動液量が少ない場合に性能上重要な機能を発揮する。その役目を失わせない為には、接合手段として溶接によるフィレットの形成が少ない手段を適用することが望ましい。通常のろう接や溶接では多くの金属溶融液により多量のフィレットが形成し、楔状突起空間5−1は消失し、作動液の封入された蛇行トンネル空間は単純な蛇行細管トンネルヒートパイプと化してしまうことになる。十分な楔状突起空間5−1が形成される接合手段としては拡散接合がある。また圧接接合や超音波接合はフィレットの形成を少なくすることが出来る。この場合の接合は必ずしもフィレットを形成しない接合に限定するものではない。楔状突起空間5−1にウィックの役目を与える必要のないプレートヒートパイプを構成する場合は接合手段は如何なる接合手段であっても良い。
【0021】
図4は第2の工程により裏凹型エンボス突起3−1及び33−1の群をプレス成型した薄肉金属プレート3及び33の夫々の凹面側平面を相互に気密に接合してある。この場合は裏凹型エンボス突起3−1及び33−1のトンネル構造により形成されるトンネル空間5の断面積は図4の例の2倍に大きくなる。即ちヒートパイプとして構成の後の作動液封入可能量も倍増され熱量輸送量も倍増する。図3の場合と図4の場合は片面が平面であるか、両面共に裏凹型エンボス突起面であるかの相違により完成品の実装態様が異なったものとなる。
【0022】
第四の工程は図3、図4における蛇行細管トンネル構造体(裏凹型エンボス突起)3−1、33−1のトンネル空間5内に所定の作動液の所定の量を封入封止して蛇行細管ヒートパイプとして構成し、プレートヒートパイプを完成せしめる工程である。この場合トンネル空間5の内壁面は所定の作動液に対して適合性の良好な金属素材である必要がある。従って基盤金属プレート2及び薄肉金属プレート3の構成素材は所定の作動液に対して適合性の良好な金属素材を用いて実施するか、少なくもトンネル空間5の内壁面に相当する面には所定の作動液に対して適合性の良好な金属素材の薄膜被覆またはメッキを施して実施する必要がある。
【0023】
【作用】
ロールボンド法によるプレートヒートパイプより精細なパターンで且つより高性能な蛇行細管ヒートパイプをその平面上に一体化形成したプレートヒートパイプを得ることが出来る。また必要な金型は費用を無視出来る程低価格で形成出来るから完成品プレートヒートパイプも極めて低価格で製作出来る。更にロールボンド法によるプレートヒートパイプはその素材がアルミニウムまたはアルミニウム合金に限定され、従って作動液もおのずから限定されるものであったが、本発明においては金属素材が限定されないので、従って適用可能な作動液の範囲が広く、適用温度領域も広く、ロールボンド法によるプレートヒートパイプより利用価値が高いものとなる。
【0024】
【実施例】
上述の四工程を含んでなされる本発明の製造方法はあくまでも基本的な製造方法であって、完成プレートヒートパイプの用途に対応して求められる機能及び詳細構造が異なり、本発明の実施に当たっては夫々に各種の手段、方法が付加されて実施される。以下各種の実施例につき、付加すべき手段方法を含めて例示説明する。
【0025】
[第一実施例]
図5は本発明の第一実施例の説明図であり、第二の工程のプレス加工実施直前の状態を示す断面図である。図において金属細線の蛇行屈曲体1を挟持せしめる対プレート3、33は何れも製作目標とする蛇行細管ヒートパイプ用素材で形成された塑性加工の可能な薄肉金属プレートであり、裏凹型エンボス加工に際して介在せしめる半硬質ゴム状弾性体等の厚肉プレート7は、対プレートの外側両面上の夫々に各一枚を配置し、これらを介在せしめてプレス成型を実施することを特徴としている。
【0026】
このような第一実施例の製造方法は一回の製造で二枚の薄肉金属プレート3及び33に裏凹型エンボス加工を施すことが可能であるから製造能率を向上せしめることが出来る。また一回の製造で同時に成型された二枚の薄肉金属プレート3及び33を組み合わせて接合し、一枚の両面裏凹型エンボス型のプレートヒートパイプを構成する場合は両面の裏凹型エンボスパターンが正確に一致するだけでなく、プレス作業で必然的に発生する期待されない微妙な塑性変形までも完全に合致するから接合作業がより良好且つ正確に実施出来るメリットがある。またこの製造方法で形成された薄肉金属プレート3及び33を夫々に別途に用意した二枚の基盤プレート2の平面と接合してプレートヒートパイプを構成する場合はそのトンネル構造の空間の断面積は基本的製造方法による場合の二分の一になるから、製作目標とする蛇行細径ヒートパイプが自ら精細化される利点がある。然しこの場合夫々の封入作動液量が減少するから、設計時点で最大熱輸送量の低下を考慮して設計する必要があることは云うまでもない。
【0027】
[第二実施例]
図6及び図7は夫々本発明の第二実施例の断面説明図である。図6は裏凹型エンボス加工を薄肉金属プレート3のみに実施する例であり、図7は裏凹型エンボス加工を薄肉金属プレート3及び33に同時加工する例である。本発明に係る製造方法を実施する場合、その第二の工程においては薄肉金属プレート3または33の弾性によるスプリングバックや展延性の不足によって、また半硬質ゴム状弾性体7の加圧力伝達の不足等に因って裏凹型エンボス突起3−1または33−1の形状の形成が不十分であったり、裏凹型エンボス突起3−1または33−1にクラックが発生したりすることがある。第二実施例はそれらの対策を構じた実施例である。
【0028】
第一の工程完了後の金属細線の蛇行屈曲体1を雄金型とし、強靭な半硬質ゴム状弾性体の厚肉プレート7を雌型として薄肉金属プレート3、33にプレス成型を施し、製作目標とする蛇行細管ヒートパイプに倣った蛇行パターンの裏凹型エンボス突起3−1、33−1の成形加工を施す第二の工程において、この製造工程を更にa工程とb工程とに分割して実施するものとする。即ち積層体の両面から強力な圧力を加えてプレス成型を施すに際し、先ずa工程にて塑性加工の可能な方の薄肉金属プレート3、33に、目標とする裏凹型エンボス加工高さの1/2以下程度の予備的なプレス成形加工を施すものとし、この予備成形加工により金属細線の蛇行屈曲体1の蛇行パターンの金属細線の蛇行ピッチ間隙に裏凸型細溝10の群を形成せしめ、b工程にてこの裏凸型細溝10の群の夫々の溝に内接するよう所定の直径と所定の長さの細径ロッド9を添載し、半硬質ゴム状弾性体7と薄肉金属プレート3、33との間に挟持せしめて、その状態のままで、仕上げのプレス成形加工を施すことを特徴とする。
【0029】
上述の如き第二実施例の適用に依り半硬質ゴム状弾性体7の加圧力は完全に細部まで伝達され加圧成型は完全になる。図6、図7はこの様な第二の工程のb工程完了の状態を示す説明図である。またこのa工程においては、裏凹型エンボス加工の加工度が高く、または薄肉金属プレート3、33の金属素材の展延性が不足する場合は、裏凹型エンボス突起3−1、33−1にクラックが発生することがあるから、この対策としてはa工程において薄肉金属プレート3、33に焼鈍工程を付加して実施する。
【0030】
[第三実施例]
本発明に係る製造方法を実施する場合、裏凹型エンボス加工を施した薄肉金属プレートのエンボス凹面側の平面と平板状の基盤金属プレートの平面とを相互に所定の手段により気密に接合一体化せしめるか、裏凹型エンボス加工を施した二枚の薄肉金属プレートの凹面側平面を相互に所定の手段に依り接合一体化せしめるか、の何れかの手段により基盤プレート面上の片面か両面に蛇行細管トンネル構造体を一体化形成し且つ突起形成したプレートを構成する第三の工程に於ける接合作業は、拡散接合を接合手段とする場合の如く、接合作業時には比較的大きな加圧を必要とする場合が多い。このような場合は蛇行細管トンネル構造体とトンネル空間が圧潰変形せしめられて目標とする性能の蛇行細管トンネルヒートパイプが得られなくなる恐れがある。図8、図9に例示する第三実施例はその対策を構じた実施例である。
【0031】
図8、図9は第三実施例を適用して実施する接合作業時の加圧状態を示す断面説明図であって、図8は基盤プレート2の平面と裏凹型エンボス突起3−1を形成した薄肉金属プレート3とを接合する場合、図9は裏凹型エンボス突起3−1、33−1を形成した薄肉金属プレート3、33の二枚を相互に接合する場合を示す。第二の工程にて金属細線の蛇行屈曲体の蛇行パターンに対応して形成した裏凹型エンボス突起3−1、33−1の、蛇行ピッチの間隙に裏凸型に自ら形成された細溝10の群の細溝の夫々に、所定の直径と所定の長さの細径ロッド9を内接挿入して、そのままの状態で薄肉金属プレート3と基盤金属プレート2、または二枚の薄肉金属プレート3、33を加圧しつつ相互に接合するものとし、その際の細径ロッド9の所定の直径は、細溝に挿入後の、細径ロッド9の頂部に於ける長手方向切線の、基盤金属プレート2の平面上の高さ、または薄肉金属プレート3、33相互の接合面4の平面上の高さが、裏凹型エンボス突起3−1、33−1の高さより低くならない直径で有ることを原則とし、接合手段は拡散接合、圧接接合、超音波接合等を含む溶融フィレット形成の少ない接合手段であることを特徴としている。
【0032】
このような製造方法は裏凹型エンボスのトンネル空間5を変形させることなく加圧接合作業を実施することを可能とし、完成した蛇行細管ヒートパイプの性能を保証することが出来る。 然し接合作業の際の細径ロッド9の所定の直径は、細径ロッド9の頂部に於ける長手方向切線の、基盤金属プレート2の平面上の高さ、または薄肉金属プレートの相互接合平面4の上の高さが裏凹型エンボス突起3−1、33−1の高さより低くならない直径で有ることとするのはあくまでも原則であり、接合作業において、裏凹型エンボス突起群の高さを均一化せしめる必要があったり、裏凹型エンボス突起の頂部を平坦化せしめる必要ある場合には細径ロッド9の基盤金属プレート2の平面上高さを裏凹型エンボス突起3−1の高さよりやや低くなるよう、細径ロッド9の直径を故意に細く設定して実施する場合もある。
【0033】
[第四実施例]
図10に例示する本発明の第四実施例は、第二の工程のプレス成型作業において、その上から加圧成型を施し薄肉金属プレート3に裏凹型エンボス加工を施す際に、雌型として薄肉金属プレート3の上に載せて実施する厚肉プレート7の素材は、所定の手段により強靭な半硬質ゴム状弾性体と同等の機能を与えてある軟質ゴム状弾性素材か、可塑性素材か、粘弾性素材であり、それに施される所定の手段は厚肉プレートの外周外縁を強靭な型枠21で囲い、弾性変形か塑性変形に因る外周全方位に向かう素材移動を制限する手段であることを特徴とする。
【0034】
本発明の如く雌金型の代替として半硬質ゴム状弾性体、またはそれと同等の機能を有する素材で形成した厚肉プレート7を使用する場合、薄肉金属プレート3と接触面における半硬質ゴム状弾性体の厚肉プレート7の総ての微小部分はプレス成型が目的とする雄金型の金属細線の表面に垂直な方向の変位だけでなく、薄肉金属プレート3の平面に添った全方位に向かう弾性変形に伴う変位または変位力が発生する。これは蛇行細径裏凹型エンボス突起の形状を不安定ならしめたり、甚だしい場合は薄肉金属プレート平面や裏凹型エンボス突起に亀裂を発生せしめたりすることがある。本実施例はこの現象を防ぐ為の対策を施した実施例であって、半硬質ゴム状弾性体またはその代替素材の厚肉プレート7の微小部分の変位または変位力を雄金型の金属細線の表面に垂直な方向のみに制限する手段として厚肉プレート7の全外周外縁を強靭な型枠21で囲った構造を採用してある。この実施に当たってはゴム状弾性体の厚肉プレート7の外周と型枠21の内壁面とは相互に加圧方向の滑りが必要であるから、この滑りを容易にする為の適切な滑剤を塗布して実施することが望ましい。また同様な理由から厚肉プレートの外周と型枠21の内壁面との間には適切な間隙が設けられてあることが望ましい。
【0035】
[第五実施例]
本発明の第五実施例は、第二の工程のプレス成型作業において、雌型としての強靭な半硬質ゴム状弾性体の代替として熱可塑性プラスチックの厚肉プレートを適用する場合の実施例である。実施態様は図10に示す如くであって厚肉プレート7の外周外縁を強靭な型枠21で囲い、熱可塑性プラスチックの粘弾性により厚肉プレート7の塑性変形及び弾性変形がその外周全方位に向かうのを阻止し、線材の蛇行屈曲体1の表面に垂直な方向のみに向かうよう制限して実施する。図において22は加圧プレート8−1に設けられた温度制御手段であって、熱伝導により熱可塑性プラスチックの厚肉プレート7の温度を制御するようになっている。熱可塑性プラスチッックの粘弾性には温度依存性があり、塑性加工を加える薄肉金属プレート3の厚さや材質に適した粘弾性を与えるには、プラスチックを必要とする粘弾性に対応する温度に保持する必要がある。22はその為の温度制御手段である。また図示していないが粘弾性は加圧速度によってもその塑性変形の程度が変化するからその制御を行うことが出来るようになっている。
【0036】
[第六実施例]
本発明の第六実施例は図2によって説明する。基本的製造方法で述べた通り、第二の工程を図2に例示の如く実施する場合は、基盤プレート2には裏凹型エンボス加工を施さないので基盤プレート2は省略することが出来る。然し薄肉金属プレート3の平面も、基盤金属プレート2の平面もも、プレス加工を受けた後には共に期待しない微妙な部分的塑性変形を受けており、図2の如く同時プレスが施される場合は、両平面はこの微妙な部分的塑性変形が完全に一致しており、次工程における接合作業が極めて容易になるメリットがある。従って本発明は多くの場合は両プレートは対プレートとして同時加工を施す様に実施する。第六実施例はこのことを前提とした対プレートに関する実施例である。第六実施例は図2において金属細線の蛇行屈曲体1を挟持せしめる、対プレート2、3の片側のププレート3は製作目標とする蛇行細管ヒートパイプ用素材であり即ち塑性加工の可能な薄肉金属プレートであり、他の片側のプレート2は反対側のプレート3に比較して塑性変形が生じ難い素材からなる薄肉金属プレートで形成されてある。対プレート2、3の加圧塑性が近似的な場合は、加圧成型によりプレート3に裏凹型エンボス突起のパターンが形成されるだけでなく、基盤プレート2にも同パターンの溝が形成され、この部分が薄肉脆弱になり、プレート3と接合されて形成される蛇行細管ヒートパイプが作動液の作動時の内圧に耐えられなくなる懸念があった。基盤金属プレート2を塑性変形を生じにくい素材で形成する本実施例の場合はこの様な危険を避けることが出来る。
【0037】
[第七実施例]
第七実施例も図2によって説明する。第七実施例は本発明の製造方法の第二の工程を図2に例示の如く実施し且つ基盤プレート2を省略して実施する場合の実施例である。基盤プレート2を省略して多数の薄肉金属プレート3に裏凹型エンボス加工を施す場合は、加圧プレート8−2の表面が金属細線の蛇行屈曲体1の圧痕により荒れて、薄肉金属プレート3の凹面側平面の平滑性が失われるに至る。これは次工程の別途準備するプレートとの接合作業を困難にしたり、不良品発生の原因となる。第七実施例では基盤プレート2に替えて、強靭な且つ塑性加工の極めて困難な素材のプレートを使用する。このプレートは加圧プレート8−2の代替として、多数回のプレス作業に耐えるだけでなく、その表面が荒れる前に交換することが容易であり、薄肉金属プレート3に良好な裏凹型エンボス加工を施すことを保証する。
【0038】
[第八実施例]
本発明の製造方法に適用する雄金型は金属細線の蛇行屈曲体であり、基体に固着されておらず浮遊状態になっている。長尺一条の細線が同一平面上で蛇行形成された蛇行屈曲体は極めて柔軟な弾性体になっているから、そのパターンは浮遊状態では不安定であり、その直線部は一応の整列状態にはあるものの、ピッチ不揃いで、平行度も保たれない状態にある。従って通常の状態では第二の工程におけるその装着時には、各直線部の位置決め、平行度及びピッチの調整、外郭形状の固定等が必要であり、整列配置に多くの時間を失うことになり、これは製造上大きな問題点となる。図11に例示の第八実施例及び図12に例示の第九実施例はその問題点を解決する。
【0039】
図11に例示の第八実施例は以下の構成の製造手段により実施する。蛇行屈曲体1は強磁性体金属を素材とする金属細線で形成する。蛇行屈曲体1を挟持せしめる、対プレートの片側の薄肉金属プレート3は製作目標とする蛇行細管ヒートパイプ用素材と同一な且つ塑性加工の可能な素材で形成する。対プレートの他の片側は、強靭な且つ塑性加工の困難な硬磁性金属素材からなる永久磁石かまたは、軟磁性金属素材からなる電磁石の何れかの厚肉プレート30とする。
【0040】
この様に構成した製造手段で実施する第八実施例においては蛇行屈曲体1を対プレート3、30の間に挟持せしめる際に、強磁性体金属を素材とする金属細線で形成された蛇行屈曲体1は磁石厚肉プレート30の上に載せたのみで、その平面に吸着されて浮遊状態を失い、磁石厚肉プレート30の上に固定される。その固定状態は磁石に依る吸着固定の特徴として、蛇行屈曲体1を形成する強磁性体細線の直線部の各1本づつは磁石厚肉プレート30の平面から引き離すことは困難であるが、他の直線部の位置に影響を与えることなく、平面上で夫々に滑らせて位置を変えることは容易である。このことから蛇行屈曲体1は厚肉プレート30の平面の上で迅速確実に且つ正確に整列配置せしめることが可能になる。
【0041】
この第八実施例で多数の薄肉金属プレート3に多数回の裏凹型エンボス加工を実施する場合は磁石厚肉プレート30の表面に多数の圧痕が残り表面が荒れる場合がある。その対策としては厚肉プレート30と蛇行屈曲体1との間に硬質強靭な素材からなる、交換容易な薄肉金属プレートをスペーサとして実施することが望ましい。
【0042】
[第九実施例]
図12に例示の第九実施例は一回の作業で二枚の薄肉金属プレートに裏凹型エンボス加工を施したり、一回の作業で両面に裏凹型エンボス突起を有するプレート用の対プレートの裏凹型エンボス加工を施したりする場合に、能率的準備作業を可能にする実施例を示す。図において金属細線の素材は強磁性体金属であり、それにより形成される蛇行屈曲体1を挟持せしめる、対プレートは共に製作目標とする蛇行細管ヒートパイプ用素材であり且つ塑性加工の可能な素材で形成した薄肉金属プレート3および33であり、それらの外側の夫々に配置される強靭なゴム状弾性体の厚肉プレート7−1及び7−2の少なくとも片側のプレート7−2はエンボス加工の可能な範囲で比較的薄肉に形成し、それらの全てに最外側から加圧力を加える二枚の加圧プレート8−1、8−2の比較的薄肉のゴム状弾性体を加圧する側の加圧プレート8−2とプレート7−2の間には永久磁石か電磁石の強力磁石体31を介在せしめて実施することを特徴とする。
【0043】
本実施例の構成の製造手段で実施する場合は、強力磁石体31の強力な磁束は半硬質ゴム状弾性体のプレート7−2及び薄肉金属プレート33を貫通して、蛇行屈曲体1の強磁性体金属細線を磁化せしめ、第八実施例と同等な作用効果を発揮し、エンボス加工の準備作業を容易ならしめる。
【0044】
本実施例の第九実施例を適用して製造した裏凹型エンボス突起の高さは、第八実施例を適用して製造した裏凹型エンボス突起の高さの二分の一となる。従ってこの裏凹型エンボス突起を有する薄肉金属プレート3および33を適用して第3の工程を実施して形成する蛇行細管トンネル構造のパターンは自ら第八実施例を適用して形成する場合より精細化されたものとなる。然しそのトンネル空間の相当直径も自ら小さいものとなるから、封入作動液量も二分お一となるので最終製品のプレートヒートパイプの姿勢依存性は改善されるが最大熱輸送量は若干低下する。
【0045】
【発明の効果】
本発明に係る、金属細線の蛇行屈曲体を浮遊型の雄金型とし、半硬質ゴム状弾性体を雌型として実施される、裏凹型エンボス突起を有する薄肉金属プレートを主たる構成要素とする、基盤金属プレートの平面上に一体化して突起形成される蛇行細管ヒートパイプの製造方法はプレートヒートパイプの製造コストを大幅に低減せしめることを可能にした。またこのように簡易な構造で蛇行細管ヒートパイプが一体化形成されたプレートヒートパイプを低コストで提供出来ることは近来の業界の機器軽量化低価格化の要望に応えるものであると信ぜられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に第一の工程に用いる金属細線の蛇行屈曲体の構造を示す説明図である。
【図2】本発明の製造方法における第二の工程の説明図である。また図2は第六実施例、及び第七実施例をも説明する。
【図3】本発明の製造方法における第三の工程の一例の完了状態を示す断面説明図である。
【図4】本発明の製造方法における第三の工程の他の一例の完了状態を示す断面説明図である。
【図5】本発明の製造方法の第一実施例の断面説明図である。
【図6】本発明の製造方法の第二実施例の一例の断面説明図である。
【図7】本発明の製造方法の第二実施例の他の一例の断面説明図である。
【図8】本発明の製造方法の第三実施例の一例の断面説明図である。
【図9】本発明の製造方法の第三実施例の他の一例の断面説明図である。
【図10】本発明の製造方法の第四実施例及び第五実施例の断面説明図である。
【図11】本発明の製造方法の第八実施例の断面説明図である。
【図12】本発明の製造方法の第九実施例の断面説明図である。
【図13】ロールボンド法の製造方法のエンボス加工前の素材の状態の説明図である。
【図14】ロールボンド法の製造方法のエンボス加工完了後の状態の説明図である。
【符号の説明】
1 金属細線の蛇行屈曲体
1−1 連結部
1−2 ターン部
1−3 ろう接部
1−4 作動液注入口相当部
2 基盤金属プレート
3 薄肉金属プレート
33 薄肉金属プレート
3−1 エンボス突起
33−1 エンボス突起
4 接合面
5 トンネル空間
5−1 楔状突起空間
7 半硬質ゴム状弾性体厚肉プレート
8−1 加圧プレート
8−2 加圧プレート
9 細径ロッド
10 裏凸型細溝
21 型枠
22 温度制御手段
30 永久磁石または電磁石の厚肉プレート
31 強力磁石体
11 非接合部
12 薄肉金属プレート
13 基盤金属プレート
13−1 トンネル状エンボス突起
14 接合面
15 トンネル空間
15−1 楔状突起空間

Claims (10)

  1. 基盤金属プレートの平面上に一体化して突起形成される蛇行細管ヒートパイプの製造方法であって、製作目標とする蛇行細管ヒートパイプの内径に等しい直径を有する強靭な連続する一条の金属細線を、同一平面上で所定の部分と所定の部分の間を往復蛇行するよう屈曲加工して、所定のパターンの金属細線の蛇行屈曲体を形成する第一の工程と、少なくともその片側のプレートは製作目標とする蛇行細管ヒートパイプ用素材で形成された塑性加工の可能な薄肉金属プレートである一組の対プレートの間に第一の工程完了後の金属細線の蛇行屈曲体を整列配置して挟持せしめ、この状態の対プレートにおける、塑性加工の可能な方の薄肉金属プレートの外側には、強靭な半硬質ゴム状弾性体、または所定の手段により強靭な半硬質ゴム状弾性体と同等の機能が与えてある軟質ゴム状弾性体か、可塑性素材かまたは粘弾性素材からなる厚肉プレートを配置して積層体を構成し、この積層体の外側両面から強力な圧力を加えてプレス成型を施し、塑性加工の可能な方の薄肉金属プレートを塑性変形せしめ、金属細線の蛇行屈曲体の形状及び蛇行パターンに倣った蛇行パターンの裏凹型エンボス加工を施す第二の工程と、第二の工程完了後の積層体を分解し、裏凹型エンボス加工が施された薄肉金属プレートを取り出し、薄肉金属プレートのエンボス凹面側の平面と平板状の基盤金属プレートの平面とを相互に所定の手段により気密に接合一体化せしめるか、裏凹形エンボス加工を施した二枚の薄肉金属プレートの凹面側平面を相互に所定の手段に依り接合一体化せしめるか、の何れかの手段により基盤プレート面上の片面か両面に蛇行細管トンネル構造体が一体化形成され且つ突起形成されたプレートを構成する第三の工程と上記トンネル構造体の空間内に所定の作動液の所定の量を封入封止して蛇行細管ヒートパイプとして構成する第四の工程との四工程を含む工程からなることを特徴とする蛇行細管ヒートパイプの製造方法。
  2. 金属細線の蛇行屈曲体を挟持せしめる、対プレートは何れも製作目標とする蛇行細管ヒートパイプ用素材で形成し且つ塑性加工の可能な素材で形成した薄肉金属プレートとし、裏凹形エンボス加工に際して介在せしめる半硬質ゴム状弾性体等の厚肉プレートは、その対プレートの外側両面上の夫々に各一枚を配置して、これらを介在せしめてプレス成型を実施することを特徴とする請求項1に記載の蛇行細管ヒートパイプの製造方法。
  3. 第二の工程は更にa工程とb工程とに分割して実施するものとし、積層体の両面から強力な圧力を加えてプレス成型を施すに際し、先ずa工程にて塑性加工の可能な方の薄肉金属プレートに製作目標とするエンボス加工高さの1/2以下程度の予備的なプレス成形加工と必要に応じては焼鈍加工をも施すものとし、この予備成形加工により金属細線の蛇行屈曲体の蛇行パターンの金属細線の蛇行ピッチ間隙に裏凸型の細溝群を形成せしめ、b工程にてこの細溝群の夫々の溝に内接するよう所定の直径と所定の長さの細径ロッドを添載し、半硬質ゴム状弾性体と薄肉金属プレートとの間に挟持せしめて、その状態のままで、仕上げのプレス成形加工を施すことを特徴とする請求項1に記載の蛇行細管ヒートパイプの製造方法。
  4. 第三の工程における薄肉金属プレートのエンボス凹面側の平面と平板状の基盤金属プレートの平面とを相互に所定の手段により気密に接合一体化せしめるか、裏凹形エンボス加工を施した二枚の薄肉金属プレートの凹面側平面を相互に所定の手段に依り接合一体化せしめるか、の何れかの手段により基盤プレート面上の片面か両面に蛇行細管トンネル構造体が一体化形成され且つ突起形成されたプレートを構成する第三の工程の作業に於ける接合作業は、第二の工程にて金属細線の蛇行屈曲体の蛇行パターンに対応して形成した裏凹型エンボス突起の、蛇行ピッチの間隙に裏凸型に形成された細溝群の細溝の夫々に、所定の直径と所定の長さの細径ロッドを内接挿入して、そのままの状態で薄肉金属プレートと基盤金属プレート、または二枚の薄肉金属プレート、を加圧しつつ相互に接合するものとし、その際の細径ロッドの所定の直径は、細溝に挿入後の、細径細線の頂部に於ける長手方向切線の、基盤金属プレートの平面上の高さが、原則的に裏凹型エンボス突起の高さより低くならない直径で有り、接合手段は拡散接合、圧接接合、超音波接合等を含む溶融フィレット形成の少ない接合手段であることを特徴とする請求項1に記載の蛇行細管ヒートパイプの製造方法。
  5. 第二の工程におけるプレス成型に依る裏凹型エンボス加工に際して介在せしめる厚肉プレートとしては軟質ゴム状弾性素材、粘弾性素材或は可塑性素材等の何れかとし、それらに施す所定の手段はその外周外縁を強靭な型枠で囲い、外周全方位に向かう弾性変形か塑性変形を制限する手段であることを特徴とする請求項1に記載の蛇行細管ヒートパイプの製造方法。
  6. 第二の工程におけるプレス成型に依る裏凹型エンボス加工に際して介在せしめる粘弾性素材としては熱可塑性プラスチックを適用し、その外周外縁を強靭な型枠で囲い、これにより厚肉プレートの外周全方位に向かう塑性変形と弾性変形を制限するとともに第二工程においては型枠をも含む積層体の全ての温度を所定の温度まで上昇せしめ熱可塑性プラスチックの粘弾性がプレス成型に適切な物性になるように制御する手段を併設し、かつ加圧プレートの加圧変位速度を適切に制御して実施することをその厚肉プレートに施す所定の手段としていることを特徴とする請求項1に記載の蛇行細管ヒートパイプの製造方法。
  7. 金属細線の蛇行屈曲体を挟持せしめる、対プレートの片側のプレートは製作目標とする蛇行細管ヒートパイプ用素材即ち塑性加工の可能な素材で形成した薄肉金属プレートとし、他の片側のプレートは反対側のプレートに比較して塑性変形が生じ難い素材で形成した薄肉金属プレートとし、第二の工程を含むそれ以降の工程はこの対プレートを用いて実施することを特徴とする請求項1に記載の蛇行細管ヒートパイプの製造方法。
  8. 金属細線の蛇行屈曲体を挟持せしめる、対プレートの片側は製作目標とする蛇行細管ヒートパイプ用素材で形成し且つ塑性加工の可能な素材で形成した薄肉金属プレートとし、他の片側は金属又は非金属の、強靭な且つ塑性加工の極めて困難な素材で形成してあるプレートとして、第二の工程を実施することを特徴とする請求項1に記載の蛇行細管ヒートパイプの製造方法。
  9. 金属細線の素材は強磁性体金属とし、その蛇行屈曲体を挟持せしめる、対プレートの片側は製作目標とする蛇行細管ヒートパイプ用素材であり且つ塑性加工の可能な素材で形成された薄肉金属プレートとし、他の片側は、強靭な且つ塑性加工の困難な硬磁性金属素材からなる永久磁石体かまたは、軟磁性金属素材からなる電磁石体の何れかで形成して第二の工程を実施することを特徴とする請求項1に記載の蛇行細管ヒートパイプの製造方法。
  10. 金属細線の素材は強磁性体金属とし、その蛇行屈曲体を挟持せしめる、対プレートは共に製作目標とする蛇行細管ヒートパイプ用素材であり且つ塑性加工の可能な素材で形成された薄肉金属プレートとし、それらの外側の夫々に配置する強靭な半硬質ゴム状弾性体の厚肉プレートの少なくとも片側は裏凹型エンボス加工の可能な範囲で比較的薄肉に形成し、それらの全てに最外側から加圧力を加える二枚の加圧プレートの、比較的薄肉の半硬質ゴム状弾性体を加圧する側の加圧プレートと上記比較的薄肉に形成した半硬質ゴム状弾性体の厚肉プレートとの間には、強力な永久磁石体か電磁石体のプレートを介在せしめて第二の工程を実施すること特徴とする請求項1に記載の蛇行細管ヒートパイプの製造方法。
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