JP3878752B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアモルファスシリコン光導電層からなる負帯電の感光体を搭載して、高速複写に適用したタンデム型電子写真方式画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
すでに製品化されているカラープリンタとしてはタンデム型電子写真方式の画像形成装置があるが、それに搭載する感光体は負帯電型のOPCにより構成している。そして、このOPC感光体の帯電能は−800V程度にまで高めることができるので、カラートナーの付着が容易となる(特開平4−287075号と特開平7−306624号参照)。
【0003】
一方、アモルファスシリコン感光体を使用して、高速複写に適用して、プロセススピード180mm/秒以上を達成した正帯電用の画像形成装置が提示されている(特許第2622966号参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記OPC感光体を搭載した画像形成装置を高速カラー印字に応用しようとすると、OPC感光体では磨耗性および耐久性に劣るために適していなかった。
【0005】
そこで、少なくとも黒色トナー像を使用する感光体に対し、OPC感光体に代えて、すでに製品化されているアモルファスシリコン感光体(以下、アモルファスシリコンをa−Siと略記する)を使用したが、OPC感光体と比べ帯電能や光感度が低く、いまだ満足し得る程度の印字性能が達成できなかった。以下、その理由を述べる。
【0006】
a−Si感光体は正帯電用に適しており、グロー放電分解法により導電性基板上にa−Si電荷注入阻止層とa−Si光導電層とを順次積層した層構成である。そして、a−Si電荷注入阻止層に周期律表第III a族元素をドーピングすることで電子に対するポテンシャル障壁が形成され、これにより、導電性基板からの電子の注入を防ぎ、正帯電用の電子写真感光体となりえた。
【0007】
他方、a−Si電荷注入阻止層に対し周期律表第III a族元素に代えて周期律表第Va族元素をドーピングすることでホールに対するポテンシャル障壁が形成され、これにより、導電性基板からのホールの注入を防ぐようにして、従来のOPC感光体に代わる負帯電用の電子写真感光体が期待されているが、いまだ実用化には至っていない。
【0008】
本発明者はこのように実用化されない課題について、種々検討をおこなったところ、既存の正帯電用の電子写真感光体に対し、周期律表第III a族元素(以下、III a族元素と略記する)の電荷注入阻止層へのドーピングを、周期律表第Va族元素(以下、Va族元素と略記する)に代えただけであるならば、負極性に帯電するが、正極性にも帯電することがわかった。
【0009】
そのため、このような電子写真感光体をプリンタ(画像形成装置)に搭載し、負帯電用トナーを使用して画像形成しようとすると、トナーを紙に転写した際に上記正帯電性に起因して、転写バイアス電圧を打ち消し、画像特性上劣化した。
【0010】
しかも、Va族元素をドーピングするために用いる代表的なガスであるホスフィン(PH3 )は毒性が強く、低濃度であっても人体に悪影響があり、そのため安全管理には細心の注意を払う必要があり、これに伴ってコストが増大するという課題もある。さらにこのようなドーピングガスを所要どおりに高い精度でもって使用し、これによって電子写真特性のバラツキを小さくするには、生産管理を相当に高める必要があり、その点でも生産コストが上昇していた。
【0011】
また、一般的に一つの画像形成装置に対して複数の感光体を配列したカラープリンタの場合には、お互いに光導電層が異なる感光体を配設すると、それぞれの性能差によって所要どおりの着色が得られないという課題もある。
【0012】
本発明者は上記事情に鑑みて鋭意研究に努めたところ、タンデム型電子写真方式のカラープリンタにおいて、画像形成要素に搭載される感光体をa−Si光導電層により構成し、さらにa−Si光導電層の赤外線吸収スペクトルにおいて波数2000cm-1での強度Iaと、波数2100cm-1での強度Ibとの関係を規定することで膜質を高めることで、プロセススピード200mm/秒以上が達成でき、その結果、優れた負帯電性とともに高速複写が得られ、さらにOPC感光体が搭載された画像形成要素を使用した場合にも、その間で帯電や感度特性の差が小さくなり、光感度を高めたことで、異種の感光体を搭載しても、カラープリンタとして十分に実用性がある画像形成装置となるを知見した。しかも、a−Si電荷注入阻止層にVa族元素をドーピングしないでも負極性に良好に帯電でき、これによってホスフィンガスなどを使用しないことで、生産コストを下げることができたことも見い出した。
【0013】
したがって本発明は上記知見により完成されたものであり、その目的は高速カラー印字に適した負帯電用の画像形成装置を提供することにある。
【0014】
また、本発明の他の目的はホスフィンガスなどを使用しないことで、生産コストを下げることができた画像形成装置を提供することにある。
【0015】
本発明のさらに他の目的は耐久性を高めたことで長期信頼性の画像形成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明のタンデム型電子写真方式の画像形成装置は、感光体と、該感光体の表面に負電荷を付与する帯電手段と、感光体の帯電領域に対し光照射する露光手段とから成り、これら帯電手段と露光手段とにより感光体の表面に静電潜像を形成するとともに、該静電潜像に対応した着色トナー像を感光体の表面に形成する現像手段と、該着色トナー像を被転写材に転写する転写手段と、該転写後に感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段と、該転写後に残余静電潜像を除去する除電手段とを配設した画像形成要素を複数配列して成り、少なくとも一つの画像形成要素に搭載される感光体は、赤外線吸収スペクトルにおいて波数2000cm− 1での強度Iaと、波数2100cm− 1での強度Ibとが0.22≦Ib/(Ia+Ib)≦0.35の関係式を満たすアモルファスシリコン光導電層と、周期律表13族元素及び周期律表15族元素をノンドープとしたアモルファスシリコン電荷注入阻止層とを少なくとも有しており、プロセススピードを200mm/秒以上にしたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
感光体の構成
図2は本発明の黒色トナー像を形成する画像形成要素に係る感光体1の層構成であり、導電性の基板2の上にa−Siなどからなる感光層3を真空蒸着法、活性反応蒸着法、イオンプレーテイング法、RFスパッタリング法、DCスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、DCマグネトロンスパッタリング法、熱CVD法、プラズマCVD法などで成膜形成している。この感光層3はたとえば電荷注入阻止層4、光導電層5および表面保護層6とを順次積層してなる。
【0018】
上記基板2は銅、黄銅、SUS、Al、Niなどの金属導電体からなり、あるいはガラス、セラミックなどの絶縁体の表面に導電性薄膜を被覆したものなどがある。この基板2はシート状、ベルト状もしくはウェブ状可とう性導電シートでもよく、このようなシートにはSUS、Al、Niなどの金属シート、あるいはポリエステル、ナイロン、ポリイミドなどの高分子樹脂フィルムの上にAl、Niなどの金属もしくは酸化スズ、インジウム・スズ・オキサイド(ITO)などの透明導電性材料や有機導電性材料を蒸着などにより被覆して導電処理したものを用いる。
【0019】
電荷注入阻止層4については、a−Siに対し価電子制御用不純物としての13族元素および/または15族元素をドーピングせず、そして、このようなノンドープであっても、光導電層5の赤外線吸収スペクトルにおける波数2000cm− 1での強度Iaと、波数2100cm− 1での強度Ibとを0.22≦Ib/(Ia+Ib)≦0.35の関係式を満たすように設定することで、優れた負帯電能が得られた。
【0020】
すなわち、本発明においては、ノンドープのa−Siは成膜中に形成される結合ネットワークの構造的欠陥に起因し、弱いn型を示すので、フォスフィン(PH3 )ガスなどを用いてPをドーピングしなくとも、光導電層5の膜質を規定することで優れた負帯電能が得られることは予想外の効果であった。
【0021】
具体的には光導電層5をプラズマCVD法で成膜するに際し、印加する高周波電力の値を変えたり、成膜速度を変えることで、Si原子とH原子との結合状態である〔SiH結合〕と〔(SiH2 )n 結合〕の量比を規定できるが、それを赤外線吸収スペクトルであらわした場合に、波数2000cm-1での強度Iaと、波数2100cm-1での強度Ibとの関係を示すIR比をIb/(Ia+Ib)で表して、0.22≦IR比≦0.35、好適には0.25≦IR比≦0.34の関係式を満たすと優れた負帯電能が得られ、その上、OPC感光体が搭載された他の画像形成要素との間で帯電や感度特性の差が小さくなり、光感度が高められ、これによってプロセススピード200mm/秒以上の高速カラー印字に好適となった。さらに短波長可視光から近赤外光(長波長光)にわたって、すなわち波長ピーク520〜820nmの照射光に対し光感度が向上した。その結果、レーザー光、LEDなどにおいて幅広い波長ピークをもつさまざまな光源をプリンタに使用することができる。
【0022】
また、電荷注入阻止層4に酸素や窒素を含有させて、禁制帯幅を大きくし、これによって電荷注入阻止という機能上、障壁を高くすることができ、しかも、酸素を含有させることで基板との密着性が高められる。ただし、酸素のみではシランガスと反応して爆発を引き起こし易いので不活性な窒素も併存させるとよく、実際には一酸化窒素(NO)ガスなどを使用する。
【0023】
表面保護層6はa−Si、アモルファスシリコンカーバイド、アモルファスシリコンナイトライド、アモルファスシリコンオキサイド、セレン等を、グロー放電分解法、真空蒸着法、活性反応蒸着法、イオンプレーテイング法、RFスパッタリング法、DCスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、DCマグネトロンスパッタリング法、熱CVD法などで成膜形成する。また、有機材料を使用する場合には塗布などによって成膜形成する。
【0024】
以上のとおり、この感光体1によれば、光導電層5に関し上記のようにIR比を規定したことで膜質を高め、これによって優れた負帯電性とともにプロセススピード200mm/秒以上の高速カラー印字に好適となり、さらにOPC感光体が搭載された他の画像形成要素との間で帯電や感度特性の差が小さくなり、光感度を高めたことで、異種の感光体を搭載しても、カラープリンタとして十分に実用性がある画像形成装置となった。その上、a−Si電荷注入阻止層にVa族元素をドーピングしないでも負極性に良好に帯電でき、これによってホスフィンガスなどを使用しないことで、生産コストを下げることができた。
【0025】
画像形成装置の構成
図1は本発明の画像形成装置であって、まず図3に本発明に係るプリンタ様式の画像形成要素7の原理を示す。8は感光体であり、この感光体8の周面に負電荷を付与する帯電手段であるコロナ帯電器9と、その帯電後に光照射する露光手段であるLEDヘッド10と、トナー像を感光体8の表面に形成するためのトナー11を備えた現像手段である現像機12と、そのトナー像を被転写材13に転写する転写手段である転写器14と、その転写後に感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段15と、その転写後に残余静電潜像を除去する除電手段16とを配設した構成である。また、17は被転写材13に転写されたトナー像を熱もしくは圧力により固着するための定着器である。
【0026】
このカールソン法はつぎの▲1▼〜▲6▼の各プロセスを繰り返し経る。
▲1▼感光体8の周面をコロナ帯電器9により負帯電する。
▲2▼LEDヘッド10により画像を露光することにより感光体8の表面上に電位コントラストとしての静電潜像を形成する。
▲3▼この静電潜像を現像機12により現像する。この現像により着色トナーが静電潜像との静電引力により感光体表面に付着し、可視化する。
▲4▼感光体表面のトナー像を紙などの被転写材13の裏面よりトナーと逆極性の電界を加えて、静電転写し、これにより、画像を被転写材13の上に得る。
▲5▼感光体表面の残留トナーをクリーニング手段15により機械的に除去する。
▲6▼感光体表面を強い光で全面露光し、除電手段16により残余の静電潜像を除去する。
【0027】
つぎに図1の画像形成装置18において、7aはブラック用の画像形成要素(図中Kで表示する)、7bはイエロー用の画像形成要素(図中Yで表示する)、7cはシアン用の画像形成要素(図中Cで表示する)、7dはマゼンタ用の画像形成要素(図中Mで表示する)である。そして、画像形成要素7a(K)に上記感光体1を搭載し、他の各画像形成要素7b(Y)、7c(C)、7d(M)に公知のOPC感光体を搭載する。また、搬送ベルト19の上に被転写材13としての用紙を乗せて、それを矢印方向へ移動させる。
【0028】
かくして上記構成の画像形成装置18によれば、画像形成要素7a(K)の感光体Aの帯電がOPC感光体と比べ、200V以下の帯電差となり、印字ムラが生じなくなり、鮮明なカラー画像が得られるカラー用の画像形成装置が提供できた。しかも、画像形成要素7a(K)の感光体Aの耐久性能を向上させたことで、プロセススピードが200mm/秒以上の高速カラー印字ができるとともに、カラー印字とモノクロ印字との間で使い分けしても、全体としての品質を長期間にわたって維持できた。
【0029】
また、画像形成装置18において、各画像形成要素7a(K)、7b(Y)、7c(C)、7d(M)のすべてに対しa−Si感光体1を搭載してもよく、これにより、各感光体に対しドラム電流を変える必要がなく、そのための回路設計が不要となった。しかも、帯電差がなくなり、さらに感度特性が同一となり、そのために各感光体における濃度差がなくなって、高速カラー印字に適している。
【0030】
【実施例】
(例1)
画像形成要素7a(K)の感光体1をつぎのように作製した。
純度99.9%のAlからなる円筒状の基板2(外径180mm、長さ372mm)の上にプラズマCVD法によって感光層3を成膜形成する。この感光層3は表1に示すとおりの成膜条件にて順次電荷注入阻止層4、光導電層5、表面保護層6とを積層した構成である。表面保護層6については、成膜開始から終了までのSiH4 とCH4 の流量を漸次変え、これに伴って成膜速度も変えている。
【0031】
【表1】
【0032】
他方のOPC感光体については、Alからなる円筒状の基板の上に下引層(中間層)と、膜厚1μm以下のキャリア発生層と、膜厚15〜40μmのキャリア輸送層とが順次積層されたものであって、下引層は水溶性もしくはアルコール可溶性の樹脂、熱硬化性や光硬化性樹脂で、キャリア発生層は樹脂バインダ中に微粒子の顔料が分散されたもので構成し、さらにキャリア輸送層は正孔移動度の大きな電子供与性を備えて、キャリア輸送材料を樹脂バインダ中に分散溶解した層である。
【0033】
そして、上記光導電層5を成膜するに当たって、表2に示すように高周波電力を変えることで、幾とおりものIR比〔Ib/(Ia+Ib)〕となし、それぞれの感光体を画像形成要素7に搭載し、さまざまな構成の画像形成装置18を作製した。
【0034】
【表2】
【0035】
印字品質は○と×に区分し、○印はプロセススピード200mm/秒において実用上支障のない優れた印字品質が得られた場合であり、×印は印字不良が認められた場合である。
【0036】
表2に示す結果から明らかなとおり、本発明の試料C〜試料Fではまったく印字不良が生じなくなり、優れた画像特性が得られた。ちなみに、これらの画像形成要素7a(K)の感光体Aの帯電が−620V前後であり、上記OPC感光体の帯電が−800Vであり、両者間の帯電差は約180Vであった。
【0037】
これに対し試料Aと試料Bでは高周波電力が低いので、成膜装置内で放電が均一に広がらず、とくに上下端付近での膜が薄くなり、これによって軸方向にわたって成膜ムラが生じ、両端部での膜の密着性に劣り、剥がれる場合もあった。また、試料Gでは全般的に薄い黒ベタが生じ、試料Hでは黒ベタがかすれるように発生していた。
【0038】
(例2)
つぎに本発明の試料C〜試料Fの各感光体を搭載した画像形成装置18を使用して、画像形成要素7a(K)に対しプロセススピード200mm/秒にて耐刷試験(50万枚)をおこなった。その結果、キズ等がまったく発生せず、良質な画質が得られた。これに対し画像形成要素7a(K)の感光体に従来のOPC感光体を使用した場合には感光体表面にキズが発生し、画質上白地に黒すじが発生していた。
【0039】
(例3)
本例においては、試料Cの感光体を搭載した画像形成装置18に対し、プロセススピードを変えることで、印字品質を評価したところ、表3に示すような結果が得られた。○印は濃度、かぶり、キズなどの点で画像品質が良好である場合であり、△印は暗減衰特性に関し帯電能が低下することで、かぶりが一部発生した場合であり、×印についてはさらに帯電能が低下し、全面にかぶりが発生し、十分な濃度が得られない場合である。
【0040】
【表3】
【0041】
表3の結果から明らかなとおり、プロセススピードを200mm/秒以上にまで高めることで印字濃度に優れ、キズやかぶりが発生しなくなり、良好な画像品質が得られた。
【0042】
また、試料D、試料E、試料Eのそれぞれの感光体を搭載した各画像形成装置18に対し、同様にプロセススピードを変えることで、印字品質を評価したところ、表3に示す結果と同じになった。
【0043】
(例4)
画像形成要素7a(K)、7b(Y)、7c(C)、7d(M)に搭載した各感光体のすべてを(例1)にて使用したa−Si感光体を用いた。これら各感光体にはすべてに試料Cを使用した場合、すべてに試料Dを使用した場合、さらに試料Eを使用した場合、さらに試料Fを使用した場合、というように変えることで、それぞれに対し(例3)と同様にプロセススピードを変えることで、印字品質を評価したところ、表3に示すような結果と同じになった。
【0044】
また、本例のようにすべてをa−Si感光体により構成すると、(例1)の画像形成装置と比べ、各感光体での帯電能および光感度特性に差がないことで、マシン設定(ドラム流れ込み電流および露光光量)が容易になり、しかも、各感光体間での濃度差がなくなることで、いっそう高速カラー印字に適するようになった。そして、プロセススピード200mm/秒にて耐刷試験(50万枚)をおこなったところ、カラー印字の枚数が増え、シアン、アゼンタ、イエローの各感光体の使用頻度が増えても、キズ等が発生しなくなり、長期間にわたって優れたカラー表示の印字ができ、良好な耐久性が得られた。
【0045】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更や改良等は何ら差し支えない。たとえば、この実施形態では露光手段としてLEDヘッドを用いたが、これに代えてレーザー光、ハロゲン光等を用いてもよい。
【0047】
また、本発明によれば、モノクロ印字に対する耐久性を高めることで、カラー印字との間で十分に使い分けができ、全体としての印字性能を長期間にわたって維持できた長期信頼性の画像形成装置が提供できた。
【0048】
さらにまた、本発明によれば、a−Si電荷注入阻止層に15族元素をドーピングしないでも負極性に良好に帯電でき、これによってホスフィンガスなどを使用しないことで、生産コストを下げることができた。
【0049】
また、すべてをa−Si感光体により構成すると、各感光体での帯電能および光感度特性に差がないことで、マシン設定が容易になり、これによって高品質かつ高耐久性とともに、低コスト化も達成できた。そして、カラー印字でもってシアン、アゼンタ、イエローの各感光体の使用頻度が増えても、長期間にわたって優れたカラー表示の印字ができ、良好な耐久性が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の概略図である。
【図2】発明の実施形態に係る感光体の層構成を示す一部断面図である。
【図3】本発明の画像形成要素の概略図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 基板
3 感光層
4 電荷注入阻止層
5 光導電層
6 表面保護層
7、7a、7b、7c、7d
画像形成要素
A、8 感光体
9 コロナ帯電器
10 LEDヘッド
11 トナー
12 現像機
13 被転写材
14 転写器
15 クリーニング手段
16 除電手段
18 画像形成装置
19 搬送ベルト
Claims (1)
- 感光体と、該感光体の表面に負電荷を付与する帯電手段と、感光体の帯電領域に対し光照射する露光手段とから成り、これら帯電手段と露光手段とにより感光体の表面に静電潜像を形成するとともに、該静電潜像に対応した着色トナー像を感光体の表面に形成する現像手段と、該着色トナー像を被転写材に転写する転写手段と、該転写後に感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段と、該転写後に残余静電潜像を除去する除電手段とを配設した画像形成要素を複数配列して成り、少なくとも一つの画像形成要素に搭載される感光体は、赤外線吸収スペクトルにおいて波数2000cm− 1での強度Iaと、波数2100cm− 1での強度Ibとが0.22≦Ib/(Ia+Ib)≦0.35の関係式を満たすアモルファスシリコン光導電層と、周期律表13族元素及び周期律表15族元素をノンドープとしたアモルファスシリコン電荷注入阻止層とを少なくとも有しており、プロセススピードを200mm/秒以上にしたことを特徴とするタンデム型電子写真方式の画像形成装置。
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