JP3878700B2 - 感圧接着剤及び表面保護材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、初期接着性、及び初期接着力の維持性と耐候性に優れる感圧接着剤及びそれを用いた表面保護材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、イソブチン系ポリマーをベースポリマーとした感圧接着剤層を支持基材上に有する表面保護材が知られていた。かかる感圧接着剤層は、アクリル系や天然ゴム系やブチルゴム系等の他の感圧接着剤層に比べて日光の暴露下(耐候性)にても接着力の経時上昇が小さい特性(接着力維持性)を有しており、従って糊残りなく容易に再剥離できることが要求される表面保護材の形成に適している。
【0003】
しかしながら、イソブチン系ポリマーをベースポリマーとした感圧接着剤には、初期接着力を発現させにくい問題点があった。すなわち耐候性や接着力維持性の向上をはかると初期接着力が低下し、それらをバランスさせにくい問題点があった。かかる点に鑑みて、平均分子量の高いものと低いものを混合して前記のバランスを達成する試みもなされているが、満足できるバランス特性が得られていない現状である。
【0004】
【発明の技術的課題】
本発明は、耐候性と接着力維持性と初期接着力とが良好にバランスしたイソブチン系ポリマーの感圧接着剤を得て、糊残りなく容易に再剥離できる表面保護材を得ることを課題とする。
【0005】
【課題の解決手段】
本発明は、有機溶媒中でラジカル発生剤によりシャク解処理して数平均分子量が10万〜40万の処理体としてなるイソブチン系ポリマーをベースポリマーとすることを特徴とする感圧接着剤を提供するものである。
【0006】
【発明の効果】
イソブチン系ポリマーを有機溶媒中でラジカル発生剤によりシャク解処理して低分子量化したものをベースポリマーに用いることにより、最適な分子量分布が達成されているためか耐候性と接着力維持性を良好に維持し、かつ初期接着力にも優れてそれらが良好にバランスした感圧接着剤が得られ、糊残りなく容易に再剥離できる表面保護材を得ることができ、またシャク解処理液をそのまま感圧接着剤の調製に供しうる利点も有している。
【0007】
【発明の実施形態】
本発明の感圧接着剤は、有機溶媒中でラジカル発生剤によりシャク解処理して数平均分子量が10万〜40万の処理体としてなるイソブチン系ポリマーをベースポリマーに用いたものである。そのイソブチン系ポリマーとしては、例えばイソブチレンのホモポリマー、レギュラーブチルゴムや塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴムや部分架橋ブチルゴムの如きイソブチレンとイソプレンとのランダム共重合体、就中イソプレンの含有量が0.5〜3重量%のランダム共重合体、その加硫物や変性物、例えば水酸基やカルボキシル基、アミノ基やエポキシ基等の官能基を導入して変性したものなどがあげられる。耐候性の点よりはイソブチレンのホモポリマーが特に好ましい。
【0008】
耐候性と接着力維持性と初期接着力とのバランス等の点より好ましく用いうるイソブチン系ポリマーのシャク解処理体は、その重量平均分子量に基づいてシャク解処理前の90%以下、就中10〜80%に低分子量化したものであり、本発明においては数平均分子量10万〜40万にシャク解処理した処理体が用いられ、特に好ましく用いうるものは重量平均分子量30万〜70万、数平均分子量10万〜40万にシャク解処理したものである。
【0009】
従って、シャク解処理に供するイソブチン系ポリマーについては、前記に基づいて適宜に決定することができる。一般には有機溶媒による溶解性などの点より、重量平均分子量が250万以下、就中33万〜200万、特に35万〜150万のものが用いられる。数平均分子量については任意である。イソブチン系ポリマーは、その1種又は平均分子量等の異なる2種以上を用いうる。なおシャク解処理によるイソブチン系ポリマーの分子量変化は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィなどによる測定で容易に知ることができる。
【0010】
用いるイソブチン系ポリマーのシャク解体は、有機溶媒中でラジカル発生剤によりシャク解処理したものである。すなわち、イソプレン単位を含有しないポリイソブチレン等のイソブチン系ポリマーにおいてもシャク解剤に有機過酸化物を用いてそれを固体状のゴムに添加し、加圧ニーダやロールやバンバリーミキサ等で素練りする、天然ゴムやブチルゴムの如きイソプレン単位含有ゴムに準じた素練り方式でシャク解処理することは可能である。
【0011】
しかし、前記の素練り方式でシャク解処理したイソブチン系ポリマーでは、目的とする耐候性と接着力維持性と初期接着力とのバランスを達成することができない。これは、素練り方式では有機過酸化物の分解物を介した水素引抜き反応で生じたラジカルで主鎖が切断された後、その主鎖切断で新たなラジカルが発生してそれが他の分子から水素を引抜く連鎖反応が生じ、分子量制御が困難で低分子量化が過度に進行して耐候性と接着力維持性と初期接着力とのバランス達成に必要な分子量分布が得られないことによると考えられる。
【0012】
上記した有機溶媒中でのラジカル発生剤によるシャク解処理において、有機溶媒としてはイソブチン系ポリマーを溶解しうる適宜なものを用いうる。またラジカル発生剤としても、例えば有機過酸化物やアゾ化合物等のラジカル系重合開始剤、その他、ラジカルを発生する有機や無機の化合物、有機金属化合物、金属錯体などの適宜な化合物を用いうる。
【0013】
ちなみに一般に用いられる有機溶媒の例としては、n−ヘキサンやイソヘキサン、n−ヘプタンやイソヘプタン、n−オクタンやイソオクタン、シクロヘキサンやメチルシクロヘキサン、メチルヘキサンやジメチルペンタン、ノナンやデカンの如き炭素数が5〜15の脂肪族系炭化水素類、トルエンやキシレン、エチルベンゼンやイソプロピルベンゼン、ジエチルベンゼンやトリエチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼンの如き炭素数が6〜12の芳香族系炭化水素類、ガソリンや石油エーテル、石油ベンジンやリグロイン、ミネラルスピリットや灯油の如き炭化水素混合物類、その他、アルコール類やケトン類やエーテル類などがあげられる。
【0014】
有機溶媒は、1種又は2種以上を用いることができる。好ましく用いうる有機溶媒は、その成分の80重量%以上が脂肪族系炭化水素類からなるものであり、特にその脂肪族系炭化水素類が炭素数6〜8のものからなる溶媒が好ましい。
【0015】
一方、一般に用いられるラジカル発生剤の例としては、メチルエチルケトンパーオキシドやアセチルアセトンパーオキシドの如きケトンパーオキシド類、1,1−ビス(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサンや2,2−ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタンの如きパーオキシケタール類、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシドやクメンヒドロパーオキシドの如きヒドロパーオキシド類、α,α'−ビス(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンやジクミルパーオキシドの如きジアルキルパーオキシド類、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシドや(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、オクタノイルパーオキシドやラウロイルパーオキシド、ステアロイルパーオキシドやスクシニックアシッドパーオキシド、m-トルオイルベンゾイルパーオキシドやベンゾイルパーオキシド、ジプロピオニルパーオキシドやジアセチルパーオキシドの如きジアシルパーオキシド類、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネートやジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートやジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネートの如きパーオキシジカーボネート類、t-ブチルパーオキシイソブチレートや1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−ヘキサネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエートやt-ブチルパーオキシビバレートの如きパーオキシエステルなどの有機過酸化物があげられる。
【0016】
また2,2'−アゾビスイソブチロニトリルや2,2'−ジクロロ−2,2'−アゾビスプロパン、1,1'−アゾ(メチルエチル)ジアセテートや2,2'−アゾイソブタン、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)や2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)や4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸ジメチル)、3,5−ジヒドロキシメチルフェニルアゾ−2−メチルマロノジニトリルや2,2'−アゾビス(2−メチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)や2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)や1,1'−アゾビス(シクロヘキサンニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)や2,2'−アゾビス(2−プロピルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(1−クロロフェニルエタン)や1,1'−アゾビス(1−フェニルエタン)、1,1'−アゾビスクメンや4−ニトロフェニルアゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフェニルメタンやフェニルアゾトリフェニルメタン、4−ニトロフェニルアゾトリフェニルメタンや1,1'−アゾビス(1,2−ジフェニルエタン)、ポリ(テトラエチレングリコール−2,2'−アゾビスイソブチレート)やジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]の如きアゾ系化合物なども一般に用いられるラジカル発生剤の例としてあげられる。
【0017】
さらに、1,4−ビス(ペンタメチレン)−2−テトラゼンや1,4−ジメトキシカルボニル−1,4−ジフェニル−2−テトラゼン、ベンゼンスルホニルアジドなどの有機化合物も一般に用いられるラジカル発生剤の例としてあげられる。
【0018】
分子量制御等の点より好ましく用いうるラジカル発生剤は、オクタノイルパーオキシドやラウロイルパーオキシド、ステアロイルパーオキシドやスクシニックアシッドパーオキシド、m-トルオイルベンゾイルパーオキシドやベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類の如く、ベンゼン中における10時間半減期温度が60℃以上のもの、特に70℃以上のものであり、就中ベンゾイルパーオキシドが好ましい。
【0019】
ラジカル発生剤による有機溶媒中でのシャク解処理は、液相反応であることより固体状ゴムの素練り方式による固相反応に比べて、シャク解剤の配合などの処理作業が容易で、処理に要するエネルギーも少なく、低分量化が緩慢に進行して平均分子量の制御も容易である。またシャク解処理液をそのまま感圧接着剤の調製に供しうる利点なども有している。
【0020】
シャク解処理は、ラジカル重合によるポリマーの合成に準じて、ラジカル発生剤が分解する温度で溶液を撹拌する方式などにより行うことができる。処理溶液の濃度は、溶液粘度等に応じて適宜に決定しうるが、一般には5〜70重量%、就中10〜50重量%、特に15〜40重量%のイソブチン系ポリマー濃度とされる。
【0021】
またラジカル発生剤の使用量は、シャク解処理速度等に応じて適宜に決定しうるが、一般にはイソブチン系ポリマー100重量部あたり、0.01〜20重量部、就中0.05〜10重量部、特に0.1〜5重量部の使用量とされる。ラジカル発生剤の種類や使用量、シャク解処理の温度や時間などを制御することにより、得られるイソブチン系ポリマーシャク解体の平均分子量を調節することができる。
【0022】
イソブチン系ポリマーの平均分子量は、接着性や耐熱性、耐候性などと関係し、従って本発明においては目的とする特性を達成する点より当該シャク解処理にて数平均分子量を10万〜40万に調節する。シャク解処理時における処理容器中の雰囲気は、窒素ガス等の不活性ガスや空気などによる適宜な雰囲気とすることができる。
【0023】
シャク解処理に際しては、ラジカル発生剤の分解速度制御剤等を添加することもできる。ちなみに分解速度の促進には、各種の還元剤やアミン化合物、例えばN,N−ジメチルアニリンやトリエチルアミン、トリブチルアミンなどの添加が有効である。
【0024】
感圧接着剤は、当該シャク解処理にて数平均分子量を10万〜40万に調節してなるイソブチン系ポリマーのシャク解体をベースポリマーに用いて、必要に応じ顔料や充填剤、老化防止剤や紫外線吸収剤などの感圧接着剤で公知の適宜な添加剤を配合して得ることができる。また感圧接着剤の調製に際しては、平均分子量の調節等による接着特性の制御などを目的に、上記したイソブチレンホモポリマーやイソブチレン・イソプレンランダム共重合体、その加硫物や変性物等の未シャク解物を併用することもできる。その場合、耐候性の点よりはイソブチレンホモポリマーの併用が特に好ましい。
【0025】
本発明の感圧接着剤は、種々の目的に用いうるが、その良好な初期接着性による接着作業の容易性、接着力の経時変化が小さいことによる良好な剥離作業性、日光等で劣化しにくい良好な耐候性による糊残りのない剥離性などの接着特性より表面保護材の形成に特に有利に用いうる。
【0026】
本発明の表面保護材は、当該シャク解処理にて数平均分子量を10万〜40万に調節してなるイソブチン系ポリマーのシャク解体をベースポリマーとする感圧接着剤からなる層を支持基材上に有するものであるが、その形成は例えば、感圧接着剤の溶媒混合液や熱溶融液を支持基材に塗布する方法、セパレータ上に形成した感圧接着剤層を移着する方法などの公知の接着シートの形成方法に準じて行うことができる。
【0027】
感圧接着剤層の厚さは適宜に決定してよく、一般には200μm以下、就中1〜50μmとされる。感圧接着剤層は必要に応じて、実用に供されるまでの間、セパレータなどを仮着して保護される。
【0028】
表面保護材における支持基材としては、適宜なものを用いてよく、一般にはプラスチックフィルムや多孔質フィルム、紙や不織布、織布や金属箔、発泡シートなどが用いられる。好ましくは、ポリプロピレンやポリエチレン、それらのブレンド物等からなるポリオレフィン系フィルムやポリ塩化ビニルからなるフィルムなどである。
【0029】
支持基材の厚さは5〜300μm、就中10〜100μmが一般的であるが、これに限定されない。支持基材には感圧接着剤層との密着力の向上等を目的に、必要に応じてコロナ処理や下塗処理などを施すことができる。また巻戻し容易な巻回体の形成などを目的に、例えばシリコーン系や長鎖アルキル系やフッ素系等の適宜な剥離剤からなるコート層を基材背面に設けることもできる。さらにスリップ剤や帯電防止剤、酸化防止剤などの適宜な添加剤を配合することもできる。
【0030】
本発明の表面保護材は、各種の塗膜を有する塗装板や化粧板、研磨表面等を有する各種の金属板やアルミサッシ、ネームプレートや樹脂板などの種々の被着体の損傷防止や日焼防止、汚染防止や薬害防止等を目的とした表面保護などに好ましく用いられる。特に、耐候性に優れることから屋外等での保管や移送等を伴う用途などに好ましく用いうる。
【0031】
【実施例】
実施例1
ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算の重量平均分子量(以下同じ)が80万のポリイソブチレン100部(重量部、以下同じ)をn−ヘプタン400部と共に反応釜に入れて撹拌下、85℃の内浴温度で溶液としたのち、内浴温度の維持下に1気圧の空気雰囲気中でベンゾイルパーオキシド75重量%・水25重量%の混合物(日本油脂社製、ナイパーBW)1.2部を添加し、15時間撹拌してシャク解処理し、重量平均分子量50万、数平均分子量30万のポリイソブチレンシャク解物を含有する溶液を得た。
【0032】
なお前記のゲルパーミエーションクロマトグラフィは、4本のカラム(東ソ社製、TSK gel G2000H HR、G3000H HR、G4000H HR、及びGMH−H HR)を直列に接続して使用し、溶離液にテトラヒドロフランを用いて流速1ml/分、温度40℃、サンプル濃度0.1重量%テトラヒドロフラン溶液、サンプル注入量500μlの条件で行い、検出器には示差屈折計を用いた。
【0033】
次に、前記の溶液をポリプロピレン/ポリエチレン(重量比:1/9)からなる厚さ40μmのフィルムに塗布し、80℃で3分間乾燥処理して厚さ10μmの感圧接着剤層を有する表面保護材を得た。
【0034】
実施例2
重量平均分子量が80万のポリイソブチレン60部と重量平均分子量が65万のポリイソブチレン40部をn−ヘプタン300部とn−オクタン200部と共に反応釜に入れて撹拌下、80℃の内浴温度で溶液とした後、内浴温度の維持下に1気圧の窒素雰囲気中でm−トルオイルベンゾイルパーオキシド40重量%・トルエン60重量%の混合物(日本油脂社製、ナイパーBMT−T40)4.0部を添加して15時間撹拌してシャク解処理し、重量平均分子量38万、数平均分子量23万のポリイソブチレンシャク解物を含有する溶液を得、それを用いて実施例1に準じ表面保護材を得た。
【0035】
実施例3
重量平均分子量が80万のポリイソブチレン100部をキシレン500部と共に反応釜に入れて撹拌下、130℃の内浴温度で溶液とした後、内浴温度の維持下に1気圧の窒素雰囲気中でジクミルパーオキシド3.0部を添加して15時間撹拌してシャク解処理し、重量平均分子量50万、数平均分子量30万のポリイソブチレンシャク解物を含有する溶液を得、それを用いて実施例1に準じ表面保護材を得た。
【0036】
比較例1
重量平均分子量が80万のポリイソブチレン100部をn−ヘプタン400部と共に反応釜に入れて撹拌下、85℃の内浴温度で溶液とした後、内浴温度の維持下に1気圧の空気雰囲気中でシャク解剤無添加で15時間撹拌して得た溶液を用いて実施例1に準じ表面保護材を得た。なお前記の処理では、重量平均分子量80万、数平均分子量45万のポリイソブチレンを含有する溶液が得られ、分子量に変化はなかった。
【0037】
比較例2
重量平均分子量が80万のポリイソブチレン500部をα,α'−ビス(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン1部と共に2本ロールを介して200℃で5分間ロール練りし、重量平均分子量15万、数平均分子量9万のポリイソブチレンシャク解物を得、それをヘプタンにて溶液として実施例1に準じ表面保護材を得た。なお前記のシャク解処理方式では、分子量の制御が困難であった。
【0038】
比較例3
重量平均分子量が80万のポリイソブチレン60部と重量平均分子量が9万のポリイソブチレン40部をトルエン500部に溶解させて、重量平均分子量52万、数平均分子量7万のポリイソブチレン溶液を得、それを用いて実施例1に準じ表面保護材を得た。
【0039】
評価試験
実施例、比較例で得た表面保護材をラミネータを介し70N/cmの圧着力、5m/分の速度でメラミン系塗装板に接着して下記の試験に供した。
接着力
接着30分経過後に剥離してその接着力(180度ピール、剥離速度0.3m/分)を測定し、それを初期値とした。一方、接着体をJIS D 2050に準拠してサンシャイン・カーボン・ウエザメータ(スガ試験機社製)に100時間投入し、23℃、65%RHの条件下に取出して3時間放置後、前記に準じて接着力を測定し、これを経時値とした。
【0040】
耐候性
接着体を屋外の固定台に固定して暴露し、30日又は90日経過後に表面保護材を剥離除去し、塗装面での糊残りやその他の汚染の有無を目視観察した。
【0041】
前記の結果を表1に示した。
【表1】
Figure 0003878700
【0042】
上記表の総合評価の不良評価において、比較例1は初期接着力に乏しいこと、比較例2,3は接着力の経時上昇が大きくて耐候性に乏しいことによる。再剥離を前提とする表面保護材では実用的に、接着力が初期及び経時を含めて1.5〜5.0N/20mm程度であることが好ましいが、実施例ではこの数値範囲を満足することがわかる。また表より、いずれの実施例も初期接着力に優れてその接着力が経時的に変化しにくく、耐候性に優れていることがわかる。
【0043】
なお比較例1より、シャク解剤が不存在では有機溶媒中にても分子量を低下処理できないこと、比較例2より固体状ゴムの素練りシャク解処理では分子量制御が困難なこと、比較例3よりシャク解体を用いない単なる平均分子量の調節では接着力を制御し得ても耐候性の向上が困難なことがわかる。一方、実施例より本発明方式によるシャク解体を用いることで良好な接着力と耐候性を維持しうることがわかるが、これはかかるシャク解方式によれば耐候性を低下させる低分子量体を含まない分子量分布が達成されて初期接着力も改善されることによるものと考えられる。

Claims (6)

  1. 有機溶媒中でラジカル発生剤によりシャク解処理して数平均分子量が10万〜40万の処理体としてなるイソブチン系ポリマーをベースポリマーとすることを特徴とする感圧接着剤。
  2. 請求項1において、イソブチン系ポリマーがシャク解処理前の90%以下の重量平均分子量を有するものである感圧接着剤。
  3. 請求項1又は2において、シャク解処理したイソブチン系ポリマーの重量平均分子量が30万〜70万である感圧接着剤。
  4. 請求項1〜3の一において、イソブチン系ポリマーがベンゼン中における10時間半減期温度が60℃以上のラジカル発生剤を用いてシャク解処理したものである感圧接着剤。
  5. 請求項において、ラジカル発生剤にベンゾイルパーオキシドを用いたものである感圧接着剤。
  6. 請求項1〜5の一に記載の感圧接着剤からなる層を支持基材上に有することを特徴とする表面保護材。
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