JP3878261B2 - 故障判定装置、流量制御装置、および内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

故障判定装置、流量制御装置、および内燃機関の燃料噴射装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、複数のコイルを有する電磁石装置を含む故障判定対象物の故障を判定する故障判定装置、ならびにこの電磁石装置を有する流量制御装置および内燃機関の燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から車両の内燃機関には、アイドル状態のときの回転数を制御するために、スロットル弁とは別に流量制御弁が設けられる。流量制御弁は、内燃機関に吸入空気を導入する吸入管路において、スロットル弁を迂回するように設けられる迂回管路内に取付けられ、迂回管路の空気流量を増減させることによって、内燃機関に供給される吸入空気量を調整する。このアイドル制御のための流量制御弁には、たとえばロータリアイドルスピードコントロール(以後、「R−ISC」と略称する)と称される弁がある。
【0003】
R−ISC弁は、弁体として側面に切欠きを有する円柱を用い、この弁体を側面に平行な中心軸線回りに角変位させることで、弁体の設置場所での補助管路の断面積、すなわち弁開度を変更する。この弁体を角変位させるための駆動装置として、一対のコイルを有する電磁石装置が用いられる。駆動装置は、この一対のコイルを後述する手法で相互に励磁させることで、所望の弁開度を維持する。
【0004】
現在、内燃機関のアイドル回転数制御手法において、上述の流量制御弁を介在する迂回管路の空気流量の増大化が求められている。たとえば現在の流量制御弁の単位時間当たりの流量は約2000ccであるが、この単位時間当たりの流量を約3000cc〜5000ccに増大させることが求められる。迂回管路の空気流量が増加するほど、迂回管路の弁開度の変動が内燃機関の吸入空気量に及ぼす影響が大きくなる。たとえば上述の駆動装置に異常が生じるとき、流量制御弁の弁開度の調整ができなくなる。この場合に迂回管路の空気流量が大きいと、全吸入空気量内の迂回管路からの吸入空気の割合が大きいので、吸入空気量が所望量以上に増加、または所望量未満に減少することが考えられる。これによって、内燃機関の回転数がアイドル回転数以上に増加すること、または回転数がアイドル回転数未満に低下して内燃機関が停止するような不都合が生じる。したがって、流量制御弁の流量増加に伴い、駆動回路に、上述の不都合を防止するためのフェールセーフ機能を付加させることが求められる。
【0005】
図11は、第1の従来技術である上述の流量制御弁およびの駆動装置を含む流量制御装置1の電気的構成を説明するための回路図である。図12は、図11の流量制御装置1における故障検出手法を説明するための波形図である。図11と図12とを併せて説明する。
【0006】
コイルL1,L2は、その一方端子が電源ラインと接続され、他方端子が制御用のトランジスタT1,T2をそれぞれ介して接地ラインと接続される。コイルL1,L2は駆動装置の電磁石装置を構成する部品であり、各コイルL1,L2が個別に励磁するとき、流量制御弁の弁体3を、流量制御弁の弁開度を増加および減少する方向にそれぞれ角変位させる。
【0007】
トランジスタT1,T2のゲート端子には、処理回路5から、図12(1),(2)に表す第1および第2制御信号がそれぞれ与えられる。第1および第2制御信号は、デューティ比が等しく、位相が相互に逆転した矩形パルス信号である。トランジスタT1,T2は、各制御信号の信号レベルがハイレベルのとき電流が通過可能なオン状態となり、ローレベルのとき電流を遮断するオフ状態となる。第1および第2制御信号は矩形パルス信号であるので、信号レベルはデューティ比に応じてハイレベルとローレベルとを交互に保つ。
【0008】
このとき処理回路5は、コイルL1,L2の励磁/消磁動作の制御に関する回路、図11ではコイルT1,T2およびコイルL1,L2をそれぞれ含む2つの電力供給経路に対してそれぞれ故障検出動作を行う。各電力供給経路の故障検出手法は同一であるので、電源ラインからコイルL1、トランジスタT1を経て接地ラインに至る電力供給経路を例として説明する。処理回路5は、まず、コイルL1とトランジスタT1との間の接続点P1に現れる電気信号の信号レベル変化を検出する。次いで、第1制御信号の1信号周期間に、接続点P1の電気信号の信号レベルが予め定める基準レベル以上のレベルから基準レベル未満のレベルに変化したか否かを検出する。この基準レベルは、たとえばコイルL1励磁時の電気信号の信号レベルが13Vであるとき、2.5Vに設定される。
【0009】
電力供給経路に断線および短絡であるような故障がないとき、トランジスタT1のオンおよびオフ状態に応じて、電力供給経路に電力が供給および遮断される。このときの接続点P1の電気信号の信号レベルは、図12(3)に表すように、第1制御信号と同期して、ハイレベルとローレベルとに交互に切換わる。トランジスタT1が故障してオフ状態を保つとき、電力供給経路の電力が供給されないので、上述の信号レベルは常に基準レベル未満のローレベルを保つ。
【0010】
これらのことから、処理回路5は、第1制御信号の或る信号周期W1内で、この電気信号の信号レベルが基準レベルを横切って変化したか否かを検出し、変化がないときに故障があると判定する。たとえば電気信号の信号レベルは、電力供給経路に故障がないときだけ、第1制御信号の矩形パルスの立下がり時刻t1に上述のレベル切換えが生じるので、処理回路5は、この切換えを検出して、故障の有無を判定する。
【0011】
上述の流量制御装置1では、駆動装置を小型化するために、コイルL1,L2の鉄芯を共通の鉄棒で構成することがある。このとき、コイルL1,L2間の相互インダクタンスが極めて高い。この構造の流量制御装置1では、トランジスタT1がオフ状態を保つように故障する場合であってコイルL2が正常作動するとき、コイルL1,L2間の相互誘導によってコイルL1に誘導電流が生じるので、接続点P1の電気信号にレベル変化が生じる。このレベル変化は、図12(4)に表すように、第2制御信号のパルスの立下がりおよび立上がり、すなわち第1制御信号のパルスの立上がりおよび立下がりに同期して急激にレベルが増大および減少し、その後緩やかにレベルが減少または増大する。このとき、コイルL1,L2の相互インダクタンスが大きいために、その信号レベルが前述の基準レベルを下回ることがある。このレベルの切換えは、たとえばコイルL2への第2制御信号に同期して、第2制御信号の矩形パルスの立上がり時刻、すなわち第1制御信号のパルスの立下がり時刻t1に発生する。このように、コイルL1,L2間の相互インダクタンスが大きい場合、異常動作中の接続点P1の電気信号が、正常動作中の接続点P1の電気信号と類似の挙動を示す。
【0012】
ゆえに、上述の故障判定手法で故障の有無の判定を行うとき、処理回路5は時刻t1のレベル切換えを検出して、故障無しと判定する。このように、コイルL1,L2の相互誘導が極めて大きいとき、この流量制御装置のトランジスタT1,T2の故障を上述の故障判定手法で判定することは困難である。
【0013】
本件出願人は、複数のコイルを含む電磁石装置の故障判定のための第2の従来技術として、特開平3−118486号公開公報に開示される故障検出装置を提案している。この装置では、電源ラインと接地ラインとの間に並列接続される複数のコイルを含むソレノイド負荷の断線および短絡を検出する。このために装置は、ソレノイド負荷への電力供給開始タイミングから、全コイルの接地ライン側の端子に現れる電気信号の信号レベルが所定の電圧に至るタイミングまでの時間を計時する。このソレノイド負荷では、前記電気信号のレベルは経時変化して緩やかに増加し、正常動作時と異常動作時とに計時される時間が異なるので、計時された時間と正常動作時の計時時間である基準時間とを比較して、コイルの断線および短絡の有無を検出する。
【0014】
上述の相互インダクタンスの大きい流量制御装置1では、装置1に故障が生じるときでも、第1および第2制御信号のレベル切換えタイミングで電気信号のレベルが瞬時に変化するので、電気信号のレベルが所定の電圧に至るまでの時間は、正常動作時と異常動作時とで一致する。したがって、本公報の装置で上述の流量制御装置1の故障の有無を検出することは困難である。
【0015】
また、上述の問題を解決するための第3従来技術として、特開平6−146978号公開公報に開示されるアイドル制御弁異常検出装置が挙げられる。この装置では、上述の流量制御装置1と同一構造のアイドル制御弁の異常動作を検出する。このため、該装置は、一対のコイルの接地ライン側の各端子に現れる電気信号を微分して、電気信号のパルスの立上がりおよび立下がりだけを検出し、これら立上がりおよび立下がりの有無をフリップフロップ回路を用いて検出する。
【0016】
前述したように、一対のコイルを有する装置において、一対のコイルの相互インダクタンスが大きい場合に前記端子よりも電力供給経路の下流側で断線が生じるときには、前述の図12(4)に示すように電気信号が周期的に急激なレベル変化をする。この装置はコイル間の相互誘導を考慮していないので、このときの電気信号のレベルの変化点をパルスの立上がりおよび立下がりとして検出する。したがって、本公報の装置で上述の流量制御弁の駆動装置の故障の有無を検出することは困難である。
【0017】
【発明が解決するべき課題】
本発明の目的は、相互インダクタンスが大きい一対のコイルを有する電磁石装置を含む故障判定対象物の故障の有無および故障箇所を判定することができる故障判定装置、ならびに、このような電磁石装置を含む燃料噴射装置および流量制御装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、磁気結合した一対の第1および第2コイルを有する電磁石装置と、
第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段とを含む故障判定対象物の断線故障を判定する故障判定装置であって
第1コイルと第1スイッチング手段との接続点における電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ比較信号を生成する比較手段と、
比較手段からの出力に応答し、第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む電力供給経路の断線故障を判定する故障判定手段とを含み、
前記故障判定手段は、
前記第1制御信号の信号レベルの変化タイミングから、比較信号が一方レベルまたは他方レベルを保つ継続時間を計時する計時手段と、
計時手段で計時される継続時間が、第1制御信号によって第1スイッチング手段が導通状態または遮断状態に保たれる保持時間と一致するとき、断線故障がないと判定し、継続時間が保持時間と一致しないとき、断線故障があると判定する判定手段とを含むことを特徴とする故障判定装置である。
本発明に従えば、電磁石装置が有する一対のコイルは、信号発生手段からの第1および第2制御信号を用いたデューティ制御によって個別的に励磁または消磁される。各コイルは、各コイルと個別的に直列接続されるスイッチング手段を各制御信号の信号レベルに対応して導通または遮断させることで、各コイルへの電力供給の有無が切換えられて、励磁と消磁とを経時的に交互に繰返す。これによって、各コイルの或る期間の磁場の強さの平均値を、各制御信号のデューティ比に対応して任意に変更することができる
【0019】
障判定手段は、上述の比較手段からの比較信号の継続時間と第1スイッチング手段の保持時間とを比較して、故障の有無を判定する。比較信号の一方および他方レベルは、図4の波形図ではハイレベルおよびローレベルにそれぞれ対応する。この比較信号の一方または他方レベルの継続時間は、電気信号の信号レベルが弁別レベル未満および以上のレベルである期間を示し、比較信号のレベル変化タイミングは、電気信号の信号レベルが弁別レベル以上から弁別レベル未満に、またはその逆に変化する変化タイミングを示す。
電力供給経路断線故障(以下、「断線故障」を単に「故障」という場合がある)がないとき、電気信号は第1スイッチング手段の状態変化に1対1で対応して、第1および第2レベルのいずれかを保つ。ゆえに、比較信号は、第1制御信号の変化タイミングと同期して、第1および他方レベルのいずれかに切換わり、次の変化タイミングまでそのレベルを保つ。これによって、継続時間と保持時間とが一致する。
前記接続点よりも第1コイル側の経路に故障があるとき、電気信号は第1および第2レベルのいずれかを常に保つので、比較信号も一方および他方レベルのいずれかを保ち、継続時間は0か無限大のいずれかになる。この時間の観測期間が第1制御信号の信号周期の1周期分の時間よりも長いとき、第1スイッチング手段の導通および遮断状態は交互に切換えられるので、保持時間は0より大きく観測期間よりも短い有限の時間である。したがって、継続時間と保持時間とは一致しない。
前記接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に障がある場合、相互インダクタンスが小さいときには、信号レベルの変化量が小さいので、常に弁別レベル未満または以上のレベルを保つ。このときの比較信号は、第1コイル側の経路に故障があるときの比較信号と同一である。前記場合で相互インダクタンスが大きいとき、信号レベルの変化量が大きく電気信号の信号レベルは弁別レベル以上または未満に変動するので、比較信号が第1および第2タイミングで一方および他方レベルに切換わる。このときの継続時間は、これら第1および第2タイミング間の時間である。この継続時間は、少なくとも第2タイミングが第1制御信号のレベル変化タイミングと一致しないので、第1および第2スイッチング手段の保持時間とは無関係になる。したがって、継続時間と保持時間とは一致しない。
これらのことから、継続時間と保持時間とを比較することによって、故障の有無を判定することができることがわかる。
【0020】
また本発明は、前記判定手段は、前記継続時間が保持時間と一致しない場合であって継続時間が予め定める時間未満のとき、前記接続点よりも第1コイル側の経路に断線故障があると判定し、前記継続時間が保持時間と一致しない場合であって継続時間が前記予め定める時間以上のとき、前記接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に断線故障があると判定し、
前記予め定める時間は、前記接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に断線故障があるときの継続時間未満であって前記接続点よりも第1コイル側の経路に断線故障があるときの継続時間以上になるように設定されることを特徴とする。
本発明に従えば、前記判定手段は、故障があると判定されるとき、継続時間の絶対的長さに応じて、電力供給経路の故障箇所を判定する。特に第1コイル側の経路に故障があるとき、継続時間は0か観察期間と一致するかのいずれかになり、第1スイッチング手段側の経路に故障があるときの継続時間よりも充分に短いまたは長い。ゆえに、第1コイル側の経路の故障時の継続時間だけを検出するように予め定める閾の時間を定め、この時間を基準に継続時間の長さを判定することによって、電力供給経路の故障箇所を判定することができる。
【0021】
また本発明は、磁気結合した一対の第1および第2コイルを有する電磁石装置と、
第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段とを含む故障判定対象物の断線故障を判定する故障判定装置であって、
第1コイルと第1スイッチング手段との接続点における電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ比較信号を生成する比較手段と、
比較手段からの出力に応答し、第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む電力供給経路の断線故障を判定する故障判定手段とを含み、
前記故障判定手段は、
前記第1制御信号によって第1スイッチング手段が導通状態および遮断状態のいずれか一方状態からいずれか他方状態に切換えられるタイミングから第1制御信号のデューティ比に対応して定められる遡航時間だけ遡る時点から計時される予め定める判定期間内の比較信号のレベル変化の有無を検出する検出手段と、
検出手段の出力に応答し、レベル変化があるとき断線故障がないと判定し、レベル変化がないとき断線故障があると判定する判定手段とを含み、
前記遡航時間は、前記判定期間の開始タイミングが、前記接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に断線故障があるときの比較信号のレベル変化のタイミングよりも時間軸上で遅くなるように設定されることを特徴とする故障判定装置である
本発明に従えば、前記故障判定手段は、矩形パルス信号である第1制御信号のレベル変化タイミングを含む判定期間内に、上述の比較手段からの比較信号のレベル変化の有無を検出することによって、電力供給経路の故障の有無を判定する
電力供給経路に故障がないとき、比較信号の信号レベルは、第1制御信号の変化タイミングと同期して切換わり、次の変化タイミングまでそのレベルを保つ。これによって、第1制御信号のレベル変化と同期して第1スイッチング手段が導通状態および遮断状態のいずれか一方状態からいずれか他方状態に切換わるとき、同時に比較信号の信号レベルが一方レベルから他方レベルに切換わる。
1コイル側の経路に故障があるとき、比較信号は一方および他方レベルのいずれかを保ち、レベルの切換えはない。1スイッチング手段側の経路に障がある場合、相互インダクタンスが小さいときには、比較信号は、第1コイル側の経路に故障があるときの比較信号と同一であるので、レベルの切換えはない。前記場合で相互インダクタンスが大きいときには、たとえば比較信号が第1タイミングで他方レベルから一方レベルに切換わり、第2タイミングで一方レベルから他方レベルに切換わる。この第2タイミングは、第1スイッチング手段の状態が切換わるタイミングとは一致しない。
このことから、第1制御信号の上述のタイミングを含み、比較信号の上述の第2タイミング以後の時点を上述の遡る時点として計時されるような判定期間内には、電力供給経路に故障がないときだけ、比較信号のレベル変化が生じることがわかる。これによって、前記判定期間内の比較信号のレベル変化の有無を検出することによって、電力供給経路の故障の有無を判定することができる。
【0022】
また本発明は、磁気結合した一対の第1および第2コイルを有する電磁石装置と、
第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段とを含む故障判定対象物の断線故障を判定する故障判定装置であって、
第1コイルと第1スイッチング手段との接続点における電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ比較信号を生成する比較手段と、
比較手段からの出力に応答し、第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む電力供給経路の断線故障を判定する故障判定手段とを含み、
前記故障判定手段は、
予め定める検査期間、前記第1スイッチング手段を導通状態に保つ強制手段と、
検査期間内の比較信号のレベル変化の有無を検出する検出手段と、
検出手段の出力に応答し、レベル変化がないとき、前記接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に断線故障がないと判定し、レベル変化があるとき、前記接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に断線故障があると判定する判定手段とを含むことを特徴とする故障判定装置である
本発明に従えば、前記故障判定手段は、検査期間の間だけ第1スイッチング手段を強制的に導通状態に保ち、その間の比較信号の挙動を請求項と同一手法で判定することで、第1スイッチング手段側の経路の故障の有無を判定する。この故障判定手法は、第1コイルに故障がないことを前提条件とする。またこの検査期間は、図9の波形図では検査期間W30に相当する
検査期間内で第1スイッチング手段を導通状態に保つと仮定するときで第1スイッチング手段側の経路に故障がないとき、比較信号は、第1スイッチング手段の挙動と同期するので、一方レベルを保ち、レベル変化はない。このときの比較信号の波形図を図9(4)に示す。第1スイッチング手段側の経路に故障がある場合で相互インダクタンスがあるとき、電気信号は相互誘導の誘導電流によって変動する。この場合で相互インダクタンスが充分に大きいときには、比較信号にはレベル変化が生じる。この比較信号の波形図を図9(6)に示す。
このように、検査期間内の比較信号のレベル変化の有無は、第1スイッチング手段側の経路に故障があるときとないときとで異なる。これによって、上述の手法で第1スイッチング手段側の経路の故障を検出することができる。
【0023】
また本発明は、磁気結合した一対の第1および第2コイルを有する電磁石装置と、
第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段とを含む故障判定対象物の断線故障を判定する故障判定装置であって、
第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む電力供給経路の断線故障を判定する故障判定手段を含み、
前記故障判定手段は、
予め定める検査期間、前記第1スイッチング手段を導通状態に保つ強制手段と、
検査期間内に、第1コイルと第1スイッチング手段との接続点における電気信号の信号レベルが予め定める弁別レベル以上を常に保つとき、電力供給経路に断線故障がないと判定し、検査期間内に前記電気信号の信号レベルが前記弁別レベル未満になる期間が存在するとき、電力供給経路に断線故障があると判定する判定手段とを含むことを特徴とする故障判定装置である。
本発明に従えば、前記故障判定手段は、検査期間の間だけ第1スイッチング手段を強制的に導通状態に保ち、その間の電気信号の挙動を判定することで、電力供給経路の故障の有無を判定する。検査期間は、図9の波形図では検査期間W30に相当する。
たとえば、検査期間内で第1スイッチング手段を導通状態に保つと仮定する場合、電力供給経路に故障がないとき、電気信号のレベル変化は第1スイッチング手段の挙動と同期するので、導通状態に対応する第1レベルを常に保つ。このときの電気信号の波形図を図9(3)に示す。電力供給経路に故障があるとき、電気信号の信号レベル弁別レベル未満になる期間が存在する。この電気信号の波形図を図9(5)に示す。
このように、検査期間内の電気信号の挙動は、電力供給経路に故障があるときとないときとで異なる。これによって、上述の手法で電力供給経路の故障を検出することができる。またこの手法では、比較信号を生成する必要がなく、そのための手段を削除することもできるので、装置の構造が容易になる。
【0024】
また本発明は、前記故障判定手段は、前記検査期間内に前記接続点の電気信号の信号レベルが前記弁別レベル以下の予め定めるもう1つの弁別レベル未満を常に保つとき、前記接続点よりも第1コイル側の経路に断線故障があると判定し、前記検査期間内に前記もう1つの弁別レベル以上になる期間が存在するとき、前記接続点よりも第1コイル側の経路に断線故障がないと判定する断線判定手段をさらに含むことを特徴とする。
本発明に従えば、故障判定手段は、上述の検査期間の間に、断線判定手段を用いて、第1コイル側の経路の故障をさらに判定する。第1コイル側の経路に故障があるときは、第1スイッチング手段の遮断状態時に対応する第2レベルを常に保つ。この第2レベルは、弁別レベル以下のレベルである。第1スイッチング手段側の経路に故障がある場合で相互インダクタンスが小さいときには、電気信号は第1コイル側の経路の故障時とほぼ同一の挙動を示す。この点に考慮して、上述のもう1つの弁別レベルを第2レベルよりも大きく弁別レベル以下のレベルに設定することによって、第1コイル側の経路の故障の有無を正確に判定する事ができる。
【0025】
また本発明は、予め定める流体が通過する流体経路に介在される弁体を有する弁手段と、
弁手段の弁開度を表す指示信号を出力する開度決定手段と、
磁気結合した一対の第1および第2コイルであって、第1コイルは弁開度が増加する方向に弁体を変位させ、第2コイルは弁開度が減少する方向に弁体を変位させる電磁石装置と、
第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
開度決定手段からの指示信号に応答し、弁開度に対応するデューティ比が相互に定められる第1および第2制御信号であって、第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段と、
第1コイルと第1スイッチング手段との第1接続点における第1電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第1比較信号を生成する第1比較手段と、
第1比較手段からの出力に応答し、第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む第1電力供給経路の断線故障を判定する第1故障判定手段と、
第2コイルと第2スイッチング手段との第2接続点における第2電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第2比較信号を生成する第2比較手段と、
第2比較手段からの出力に応答し、第2コイルおよび第2スイッチング手段を含む第2電力供給経路の断線故障を判定する第2故障判定手段とを含み、
前記第1故障判定手段は、
前記第1制御信号の信号レベルの変化タイミングから、第1比較信号が一方レベルまたは他方レベルを保つ継続時間を計時する計時手段と、
計時手段で計時される継続時間が、第1制御信号によって第1スイッチング手段が導通状態または遮断状態に保たれる保持時間と一致するとき、断線故障がないと判定し、継続時間が保持時間と一致しないとき、断線故障があると判定する判定手段とを含み、
前記第2故障判定手段は、
前記第2制御信号の信号レベルの変化タイミングから、第2比較信号が一方レベルまたは他方レベルを保つ継続時間を計時する計時手段と、
計時手段で計時される継続時間が、第2制御信号によって第2スイッチング手段が導通状態または遮断状態に保たれる保持時間と一致するとき、断線故障がないと判定し、継続時間が保持時間と一致しないとき、断線故障があると判定する判定手段とを含むことを特徴とする流量制御装置である。
本発明に従えば、予め定める流体の流量を制御するための弁手段を含む流量制御装置では、磁気結合した一対のコイルを含む電磁石装置を用いて弁体を変位させる。この弁手段の弁開度は、各コイルのスイッチング手段を開度決定手段からの指示信号が表す弁開度に対応するデューティ比の制御信号でデューティ制御することによって、所望の弁開度に調整することができる。
この電磁石装置の第1および第2コイル、ならびに第1および第2スイッチング手段を含み、各コイルの励磁と消磁とを切換えるための第1電力供給経路および第2電力供給経路には、第1および第2比較手段ならびに第1および第2故障判定手段がそれぞれ取付けられる。これによって、たとえば第1および第2コイル間の相互インダクタンスが大きいときでも、請求項1で説明したような動作で、第1電力供給経路および第2電力供給経路の故障の有無を判定することができる。
また本発明は、予め定める流体が通過する流体経路に介在される弁体を有する弁手段と、
弁手段の弁開度を表す指示信号を出力する開度決定手段と、
磁気結合した一対の第1および第2コイルであって、第1コイルは弁開度が増加する方向に弁体を変位させ、第2コイルは弁開度が減少する方向に弁体を変位させる電磁石装置と、
第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
開度決定手段からの指示信号に応答し、弁開度に対応するデューティ比が相互に定められる第1および第2制御信号であって、第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段と、
第1コイルと第1スイッチング手段との第1接続点における第1電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第1比較信号を生成する第1比較手段と、
第1比較手段からの出力に応答し、第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む第1電力供給経路の断線故障を判定する第1故障判定手段と、
第2コイルと第2スイッチング手段との第2接続点における第2電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第2比較信号を生成する第2比較手段と、
第2比較手段からの出力に応答し、第2コイルおよび第2スイッチング手段を含む第2電力供給経路の断線故障を判定する第2故障判定手段とを含み、
前記第1故障判定手段は、
前記第1制御信号によって第1スイッチング手段が導通状態および遮断状態のいずれか一方状態からいずれか他方状態に切換えられるタイミングから第1制御信号のデューティ比に対応して定められる遡航時間だけ遡る時点から計時される予め定める判定期間内の第1比較信号のレベル変化の有無を検出する検出手段と、
検出手段の出力に応答し、レベル変化があるとき断線故障がないと判定し、レベル変化がないとき断線故障があると判定する判定手段とを含み、
前記遡航時間は、前記判定期間の開始タイミングが、前記第1接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に断線故障があるときの第1比較信号のレベル変化のタイミングよりも時間軸上で遅くなるように設定され、
前記第2故障判定手段は、
前記第2制御信号によって第2スイッチング手段が導通状態および遮断状態のいずれか一方状態からいずれか他方状態に切換えられるタイミングから第2制御信号のデューティ比に対応して定められる遡航時間だけ遡る時点から計時される予め定める判定期間内の第2比較信号のレベル変化の有無を検出する検出手段と、
検出手段の出力に応答し、レベル変化があるとき断線故障がないと判定し、レベル変化がないとき断線故障があると判定する判定手段とを含み、
前記遡航時間は、前記判定期間の開始タイミングが、前記第2接続点よりも第2スイッチング手段側の経路に断線故障があるときの第2比較信号のレベル変化のタイミングよりも時間軸上で遅くなるように設定されることを特徴とする流量制御装置である。
本発明に従えば、電磁石装置の第1および第2コイル、ならびに第1および第2スイッチング手段を含み、各コイルの励磁と消磁とを切換えるための第1電力供給経路および第2電力供給経路には、第1および第2比較手段ならびに第1および第2故障判定手段がそれぞれ取付けられる。これによって、たとえば第1および第2コイル間の相互インダクタンスが大きいときでも、請求項3で説明したような動作で、第1電力供給経路および第2電力供給経路の故障の有無を判定することができる。
また本発明は、予め定める流体が通過する流体経路に介在される弁体を有する弁手段と、
弁手段の弁開度を表す指示信号を出力する開度決定手段と、
磁気結合した一対の第1および第2コイルであって、第1コイルは弁開度が増加する方向に弁体を変位させ、第2コイルは弁開度が減少する方向に弁体を変位させる電磁石装置と、
第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
開度決定手段からの指示信号に応答し、弁開度に対応するデューティ比が相互に定められる第1および第2制御信号であって、第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段と、
第1コイルと第1スイッチング手段との第1接続点における第1電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第1比較信号を生成する第1比較手段と、
第1比較手段からの出力に応答し、第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む第1電力供給経路の断線故障を判定する第1故障判定手段と、
第2コイルと第2スイッチング手段との第2接続点における第2電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第2比較信号を生成する第2比較手段と、
第2比較手段からの出力に応答し、第2コイルおよび第2スイッチング手段を含む第2電力供給経路の断線故障を判定する第2故障判定手段とを含み、
前記第1故障判定手段は、
予め定める検査期間、前記第1スイッチング手段を導通状態に保つ強制手段と、
検査期間内の第1比較信号のレベル変化の有無を検出する検出手段と、
検出手段の出力に応答し、レベル変化がないとき、前記第1接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に断線故障がないと判定し、レベル変化があるとき、前記第1接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に断線故障があると判定する判定手段とを含み、
前記第2故障判定手段は、
予め定める検査期間、前記第2スイッチング手段を導通状態に保つ強制手段と、
検査期間内の第2比較信号のレベル変化の有無を検出する検出手段と、
検出手段の出力に応答し、レベル変化がないとき、前記第2接続点よりも第2スイッチング手段側の経路に断線故障がないと判定し、レベル変化があるとき、前記第2接続点よりも第2スイッチング手段側の経路に断線故障があると判定する判定手段とを含むことを特徴とする流量制御装置である。
本発明に従えば、電磁石装置の第1および第2コイル、ならびに第1および第2スイッチング手段を含み、各コイルの励磁と消磁とを切換えるための第1電力供給経路および第2電力供給経路には、第1および第2比較手段ならびに第1および第2故障判定手段がそれぞれ取付けられる。これによって、たとえば第1および第2コイル間の相互インダクタンスが大きいときでも、請求項4で説明したような動作で、第1電力供給経路の第1スイッチング手段側の経路の故障の有無および第2電力供給経路の第2スイッチング手段側の経路の故障の有無を判定することができる。
また本発明は、予め定める流体が通過する流体経路に介在される弁体を有する弁手段と、
弁手段の弁開度を表す指示信号を出力する開度決定手段と、
磁気結合した一対の第1および第2コイルであって、第1コイルは弁開度が増加する方向に弁体を変位させ、第2コイルは弁開度が減少する方向に弁体を変位させる電磁石装置と、
第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
開度決定手段からの指示信号に応答し、弁開度に対応するデューティ比が相互に定められる第1および第2制御信号であって、第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段と、
第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む第1電力供給経路の断線故障を判定する第1故障判定手段と、
第2コイルおよび第2スイッチング手段を含む第2電力供給経路の断線故障を判定する第2故障判定手段とを含み、
前記第1故障判定手段は、
予め定める検査期間、前記第1スイッチング手段を導通状態に保つ強制手段と、
検査期間内に、第1コイルと第1スイッチング手段との第1接続点における第1電気信号の信号レベルが予め定める弁別レベル以上を常に保つとき、第1電力供給経路に断線故障がないと判定し、検査期間内に前記第1電気信号の信号レベルが前記弁別レベル未満になる期間が存在するとき、第1電力供給経路に断線故障があると判定する判定手段とを含み、
前記第2故障判定手段は、
予め定める検査期間、前記第2スイッチング手段を導通状態に保つ強制手段と、
検査期間内に、第2コイルと第2スイッチング手段との第2接続点における第2電気信号の信号レベルが予め定める弁別レベル以上を常に保つとき、第2電力供給経路に断線故障がないと判定し、検査期間内に前記第2電気信号の信号レベルが前記弁別レベル未満になる期間が存在するとき、第2電力供給経路に断線故障があると判定する判定手段とを含むことを特徴とする流量制御装置である。
本発明に従えば、電磁石装置の第1および第2コイル、ならびに第1および第2スイッチング手段を含み、各コイルの励磁と消磁とを切換えるための第1電力供給経路および第2電力供給経路には、第1および第2故障判定手段がそれぞれ取付けられる。これによって、たとえば第1および第2コイル間の相互インダクタンスが大きいときでも、請求項5で説明したような動作で、第1電力供給経路の故障の有無および第2電力供給経路の故障の有無を判定することができる。
【0026】
また本発明は、前記流体は、内燃機関に供給される吸入空気であり、
前記流体経路は、内燃機関に空気を供給するための吸入管路に付随し、吸入管路のうちスロットル弁の取付位置を迂回する迂回管路であることを特徴とする。
本発明に従えば、上述の流量制御装置は、たとえば内燃機関の上述の迂回管路に取り付けられ、いわゆるアイドル状態での内燃機関の回転数制御のための吸入空気の流量制御弁として用いられる。この流量制御装置が車両に搭載されるとき、流量制御装置の設置場所が狭いために、電磁石装置の小型化が求められ、そのために第1および第2コイルを巻回する芯材を連続した一本の棒材で実現することが多い。このために、第1および第2コイル間の相互インダクタンスが大きくなりやすい。このために、上述の流量制御装置では、一方のコイルを含む回路だけに上述の故障が生じ、他方のコイルを含む回路が正常作動するときには、上述の相互誘導に起因する起電力によって、一方の接続点の電気信号が変動する可能性が大きい。従来技術の装置では、この電気信号のレベルが比較手段の比較レベルを横切るか否かだけを判定していたので、相互インダクタンスが大きいときに故障を検出することが困難であったが、本発明の装置では、相互インダクタンスが大きいときでも、故障を判定することができる。
【0027】
また本発明は、前記第1および第2電力供給経路の少なくとも一方に断線故障があることを表示する表示手段と、
前記第1および第2故障判定手段の少なくとも一方で断線故障ありと判定されるとき、表示手段によって断線故障があることを表示し、さらに前記第2故障判定手段によって断線故障ありと判定されるとき、内燃機関のトルクを減少させる内燃機関制御手段とをさらに有することを特徴とする。
本発明に従えば、上述の流量制御装置では、電磁石装置の第1および第2コイル、ならびに第1および第2スイッチング手段に関して、上述の故障があるときには、いわゆるフェールセーフ動作を行う。
具体的には、第2コイルおよび第2スイッチング手段を含む第2電力供給経路に上述の故障があるとき、第1コイルだけが弁体を変位させるので、流量制御弁の弁開度は開度決定手段で決定される所望弁開度よりも大きくなる。この流量制御装置が、たとえば車両用内燃機関のアイドル状態の制御のための流量制御弁の制御装置であるとき、上述の状態が継続されると、内燃機関の回転数がアイドル回転数以上に増大して内燃機関に吹上がりであるような不都合が生じる。このため、内燃機関制御手段は、たとえば内燃機関の混合気への点火時期を遅角方向にずらして、内燃機関のトルクを減少させるとともに、故障があることを表示手段を用いて運転者に提示する。
また、第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む第1電力供給経路に上述の故障があるとき、第2コイルだけが弁体を変位させるので、流量制御弁の弁開度は開度決定手段で決定される所望弁開度よりも小さくなる。このために、内燃機関の作動状態はトルクが減少する方向に自然に変化するので、内燃機関制御手段は、故障があることだけを表示手段によって運転者に提示する。
れによって、上述の流量制御装置が車両用内燃機関の流量制御弁に用いられるとき、電磁石装置を含む第1および第2電力供給経路の故障によって、内燃機関の吹上がりであるような不都合が生じることを防止することができる。
【0028】
また本発明は、内燃機関に燃料を供給するために弁体が変位する燃料噴射弁と、
燃料噴射弁からの燃料流量を表す指示信号を導出する燃料噴射量決定手段と、
磁気結合した一対の第1および第2コイルであって、第1コイルは弁開度が増加する方向に弁体を変位させ、第2コイルは弁開度が減少する方向に弁体を変位させる電磁石装置と、
第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
燃料噴射量決定手段からの指示信号に応答し、燃料流量に対応する弁開度に対応するデューティ比が相互に定められる第1および第2制御信号であって、第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段と、
第1コイルと第1スイッチング手段との第1接続点における第1電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第1比較信号を生成する第1比較手段と、
第1比較手段からの出力に応答し、第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む第1電力供給経路の断線故障を判定する第1故障判定手段と、
第2コイルと第2スイッチング手段との第2接続点における第2電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第2比較信号を生成する第2比較手段と、
第2比較手段からの出力に応答し、第2コイルおよび第2スイッチング手段を含む第2電力供給経路の断線故障を判定する第2故障判定手段とを含み、
前記第1故障判定手段は、
前記第1制御信号の信号レベルの変化タイミングから、第1比較信号が一方レベルまたは他方レベルを保つ継続時間を計時する計時手段と、
計時手段で計時される継続時間が、第1制御信号によって第1スイッチング手段が導通状態または遮断状態に保たれる保持時間と一致するとき、断線故障がないと判定し、継続時間が保持時間と一致しないとき、断線故障があると判定する判定手段とを含み、
前記第2故障判定手段は、
前記第2制御信号の信号レベルの変化タイミングから、第2比較信号が一方レベルまたは他方レベルを保つ継続時間を計時する計時手段と、
計時手段で計時される継続時間が、第2制御信号によって第2スイッチング手段が導通状態または遮断状態に保たれる保持時間と一致するとき、断線故障がないと判定し、継続時間が保持時間と一致しないとき、断線故障があると判定する判定手段とを含むことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置である。
本発明に従えば、内燃機関の燃料噴射弁を含む燃料噴射装置では、磁気結合した一対のコイルを含む電磁石装置を用いて弁体を変位させる。この燃料噴射弁の弁開度は、各コイルのスイッチング手段を内燃機関に供給すべき燃料噴射量に応じたデューティ比の制御信号でデューティ制御することによって、内燃機関の作動状態に対応する所望弁開度に調整することができる。この電磁石装置の第1および第2コイル、ならびに第1および第2スイッチング手段を含み、各コイルの励磁と消磁とを切換えるための第1電力供給経路および第2電力供給経路には、第1および第2比較手段ならびに第1および第2故障判定手段がそれぞれ取付けられる。これによって、請求項1で説明したような動作で、第1電力供給経路および第2電力供給経路の故障の有無を判定することができる。
この燃料噴射装置を含む内燃機関が車両に搭載されるときには、燃料噴射装置の設置場所が狭いために、電磁石装置の小型化が求められ、そのために第1および第2コイルを巻回する芯材を連続した一本の棒材で実現することが多い。このために、第1および第2コイル間の相互インダクタンスが大きくなる。したがって、一方のコイルを含む電力供給経路だけに上述の故障が生じ、他方のコイルを含む電力供給経路が正常作動するときには、上述の相互誘導に起因する起電力によって、一方の接続点の電気信号が変動する。従来技術の装置では、この電気信号のレベルが比較手段の比較レベルを横切るか否かだけを判定していたので、相互インダクタンスが大きいときに故障を検出することが困難であったが、本発明の装置では、請求項1で説明したように、相互インダクタンスが大きいときでも、故障を判定することができる。
また本発明は、内燃機関に燃料を供給するために弁体が変位する燃料噴射弁と、
燃料噴射弁からの燃料流量を表す指示信号を導出する燃料噴射量決定手段と、
磁気結合した一対の第1および第2コイルであって、第1コイルは弁開度が増加する方向に弁体を変位させ、第2コイルは弁開度が減少する方向に弁体を変位させる電磁石装置と、
第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
燃料噴射量決定手段からの指示信号に応答し、燃料流量に対応する弁開度に対応するデューティ比が相互に定められる第1および第2制御信号であって、第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段と、
第1コイルと第1スイッチング手段との第1接続点における第1電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第1比較信号を生成する第1比較手段と、
第1比較手段からの出力に応答し、第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む第1電力供給経路の断線故障を判定する第1故障判定手段と、
第2コイルと第2スイッチング手段との第2接続点における第2電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第2比較信号を生成する第2比較手段と、
第2比較手段からの出力に応答し、第2コイルおよび第2スイッチング手段を含む第2電力供給経路の断線故障を判定する第2故障判定手段とを含み、
前記第1故障判定手段は、
前記第1制御信号によって第1スイッチング手段が導通状態および遮断状態のいずれか一方状態からいずれか他方状態に切換えられるタイミングから第1制御信号のデューティ比に対応して定められる遡航時間だけ遡る時点から計時される予め定める判定期間内の第1比較信号のレベル変化の有無を検出する検出手段と、
検出手段の出力に応答し、レベル変化があるとき断線故障がないと判定し、レベル変化がないとき断線故障があると判定する判定手段とを含み、
前記遡航時間は、前記判定期間の開始タイミングが、前記第1接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に断線故障があるときの第1比較信号のレベル変化のタイミングよりも時間軸上で遅くなるように設定され、
前記第2故障判定手段は、
前記第2制御信号によって第2スイッチング手段が導通状態および遮断状態のいずれか一方状態からいずれか他方状態に切換えられるタイミングから第2制御信号のデューティ比に対応して定められる遡航時間だけ遡る時点から計時される予め定める判定期間内の第2比較信号のレベル変化の有無を検出する検出手段と、
検出手段の出力に応答し、レベル変化があるとき断線故障がないと判定し、レベル変化がないとき断線故障があると判定する判定手段とを含み、
前記遡航時間は、前記判定期間の開始タイミングが、前記第2接続点よりも第2スイッチング手段側の経路に断線故障があるときの第2比較信号のレベル変化のタイミングよりも時間軸上で遅くなるように設定されることを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置である。
本発明に従えば、電磁石装置の第1および第2コイル、ならびに第1および第2スイッチング手段を含み、各コイルの励磁と消磁とを切換えるための第1電力供給経路および第2電力供給経路には、第1および第2比較手段ならびに第1および第2故障判定手段がそれぞれ取付けられる。これによって、たとえば第1および第2コイル間の相互インダクタンスが大きいときでも、請求項3で説明したような動作で、第1電力供給経路および第2電力供給経路の故障の有無を判定することができる。
また本発明は、内燃機関に燃料を供給するために弁体が変位する燃料噴射弁と、
燃料噴射弁からの燃料流量を表す指示信号を導出する燃料噴射量決定手段と、
磁気結合した一対の第1および第2コイルであって、第1コイルは弁開度が増加する方向に弁体を変位させ、第2コイルは弁開度が減少する方向に弁体を変位させる電磁石装置と、
第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
燃料噴射量決定手段からの指示信号に応答し、燃料流量に対応する弁開度に対応するデューティ比が相互に定められる第1および第2制御信号であって、第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段と、
第1コイルと第1スイッチング手段との第1接続点における第1電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第1比較信号を生成する第1比較手段と、
第1比較手段からの出力に応答し、第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む第1電力供給経路の断線故障を判定する第1故障判定手段と、
第2コイルと第2スイッチング手段との第2接続点における第2電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第2比較信号を生成する第2比較手段と、
第2比較手段からの出力に応答し、第2コイルおよび第2スイッチング手段を含む第2電力供給経路の断線故障を判定する第2故障判定手段とを含み、
前記第1故障判定手段は、
予め定める検査期間、前記第1スイッチング手段を導通状態に保つ強制手段と、
検査期間内の第1比較信号のレベル変化の有無を検出する検出手段と、
検出手段の出力に応答し、レベル変化がないとき、前記第1接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に断線故障がないと判定し、レベル変化があるとき、前記第1接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に断線故障があると判定する判定手段とを含み、
前記第2故障判定手段は、
予め定める検査期間、前記第2スイッチング手段を導通状態に保つ強制手段と、
検査期間内の第2比較信号のレベル変化の有無を検出する検出手段と、
検出手段の出力に応答し、レベル変化がないとき、前記第2接続点よりも第2スイッチング手段側の経路に断線故障がないと判定し、レベル変化があるとき、前記第2接続点よりも第2スイッチング手段側の経路に断線故障があると判定する判定手段とを含むことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置である。
本発明に従えば、電磁石装置の第1および第2コイル、ならびに第1および第2スイッチング手段を含み、各コイルの励磁と消磁とを切換えるための第1電力供給経路および第2電力供給経路には、第1および第2比較手段ならびに第1および第2故障判定手段がそれぞれ取付けられる。これによって、たとえば第1および第2コイル間の相互インダクタンスが大きいときでも、請求項4で説明したような動作で、第1電力供給経路の第1スイッチング手段側の経路の故障の有無および第2電力供給経路の第2スイッチング手段側の経路の故障の有無を判定することができる。
また本発明は、内燃機関に燃料を供給するために弁体が変位する燃料噴射弁と、
燃料噴射弁からの燃料流量を表す指示信号を導出する燃料噴射量決定手段と、
磁気結合した一対の第1および第2コイルであって、第1コイルは弁開度が増加する方向に弁体を変位させ、第2コイルは弁開度が減少する方向に弁体を変位させる電磁石装置と、
第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
燃料噴射量決定手段からの指示信号に応答し、燃料流量に対応する弁開度に対応するデューティ比が相互に定められる第1および第2制御信号であって、第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段と、
第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む第1電力供給経路の断線故障を判定する第1故障判定手段と、
第2コイルおよび第2スイッチング手段を含む第2電力供給経路の断線故障を判定する第2故障判定手段とを含み、
前記第1故障判定手段は、
予め定める検査期間、前記第1スイッチング手段を導通状態に保つ強制手段と、
検査期間内に、第1コイルと第1スイッチング手段との第1接続点における第1電気信号の信号レベルが予め定める弁別レベル以上を常に保つとき、第1電力供給経路に断線故障がないと判定し、検査期間内に前記第1電気信号の信号レベルが前記弁別レベル未満になる期間が存在するとき、第1電力供給経路に断線故障があると判定する判定手段とを含み、
前記第2故障判定手段は、
予め定める検査期間、前記第2スイッチング手段を導通状態に保つ強制手段と、
検査期間内に、第2コイルと第2スイッチング手段との第2接続点における第2電気信号の信号レベルが予め定める弁別レベル以上を常に保つとき、第2電力供給経路に断線故障がないと判定し、検査期間内に前記第2電気信号の信号レベルが前記弁別レベル未満になる期間が存在するとき、第2電力供給経路に断線故障があると判定する判定手段とを含むことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置である。
本発明に従えば、電磁石装置の第1および第2コイル、ならびに第1および第2スイッチング手段を含み、各コイルの励磁と消磁とを切換えるための第1電力供給経路および第2電力供給経路には、第1および第2故障判定手段がそれぞれ取付けられる。これによって、たとえば第1および第2コイル間の相互インダクタンスが大きいときでも、請求項5で説明したような動作で、第1電力供給経路の故障の有無および第2電力供給経路の故障の有無を判定することができる。
【0029】
【発明の詳細な説明】
図1は、本発明の第1実施形態である故障判定装置を含む流量制御装置11の電気的構成を示すブロック図である。流量制御装置11は、内燃機関24のアイドル状態を維持するときに、内燃機関24への吸入空気量を調整するための装置である。この内燃機関24は、たとえば車両に搭載される。流量制御装置11は、流量制御弁13、電磁石装置17、切換回路19,20、信号生成回路22、NOT回路26、比較回路27,29、および故障判定回路28,30を含んで構成される。
【0030】
流量制御弁13は、内燃機関24に吸入空気を供給するための吸入管路101に付随する迂回管路14に介在される。この迂回管路14は吸入管路101内のスロットル弁102の空気流れ上流側と下流側との部分をバイパスするように、吸入管路101に取付けられる。図1では、空気流れの方向を矢符105で示す。流量制御弁13の弁体15は、この迂回管路14内部に設置される。吸入管路101内で、スロットル弁102の空気流れ下流側の迂回管路14の取付位置14aと内燃機関24のシリンダの吸入弁との間の部分には、燃料噴射弁103が取付けられる。内燃機関24は、吸入管路101および迂回管路14を通過した吸入空気と燃料噴射弁103から噴射される燃料とが吸入管路101の燃料噴射弁103の取付位置近傍で混合されて生成される混合気体を、そのシリンダの燃焼室内部に導入し、燃焼させる。
【0031】
流量制御弁13は、内燃機関24にアイドル状態を保たせるために吸入管路101のスロットル弁102が全閉と称されるような最小弁開度を保つとき、内燃機関24の作動状態の微小な変化に応じて、迂回管路15を通過する吸入空気の流量を変化させる。また、内燃機関24が車両が走行する状態であるような有負荷の駆動状態を保つとき、流量制御弁13は完全に閉鎖され、内燃機関24への吸入空気量はアクセルペダル107に連動して動作するスロットル弁102だけによって制御される。スロットル弁102の弁開度は、たとえばアクセルペダル107の踏込み量に対応する。流量制御弁13の具体的構造および動作は後述する。
【0032】
電磁石装置17は、コイルL11,L12をそれぞれ含む一対の電磁ソレノイドを少なくとも1つ有する。コイルL11,L12は、単一の鉄芯に巻回されて磁気結合しており、コイルL11,L12間の相互インダクタンスが大きい。コイルL11を含む電磁ソレノイドは、流量制御弁13の弁開度が増大する方向に、弁体15を変位させる。コイルL12を含む電磁ソレノイドは、流量制御弁13の弁開度が減少する方向に、弁体15を変位させる。電磁石装置17の詳細な構造および動作は後述する。
【0033】
コイルL11,L12の一方端子は、電圧+Bの電力が供給される電源ライン18に個別的に接続される。コイルL11,L12の他方端子は、それぞれ切換回路19,20を介して、接地される。コイルL11と切換回路19とは、後述の第1回路を形成し、コイルL12と切換回路20とは、後述の第2回路を形成する。切換回路19,20は、制御回路21内の信号生成回路22によって、それぞれ後述するように制御される。制御回路21は、以後説明する複数の回路を含み、たとえばマイクロコンピュータで実現される。制御回路21内部の複数の回路は、マイクロコンピュータでの演算処理によってそれぞれ実現される仮想的な回路である。また制御回路21は、複数の実在回路を個別的に含む電気回路で実現されてもよい。
【0034】
信号生成回路22には、流量制御弁13の所望弁開度を表す指示信号が、内燃機関制御回路25から与えられる。内燃機関制御回路25は、複数の開度決定手段と、内燃機関制御手段とを兼ね備える。流量制御弁13の所望弁開度は、内燃機関制御回路25において、内燃機関24の作動状態に対応して定められる。具体的には、内燃機関制御回路25は、たとえば複数のセンサを用いて内燃機関24の現在の作動状態、たとえば回転数を計測し、計測された回転数と予め定めるアイドル状態での回転数との差を減少させるように、所望弁開度を定める。図面では、内燃機関24を「E/G」、内燃機関制御回路25を「E/G制御」と表す。
【0035】
信号生成回路22は、流量制御弁13の所望弁開度に対応するデューティ比の矩形パルス信号であるような、後述の第1制御信号を生成する。第1制御信号は、切換スイッチSW1を介して切換回路19に与えられる。またNOT回路26は、切換スイッチSW1よりも信号流れ上流側の信号伝達経路から第1制御信号を導入し、第1制御信号の位相を反転させて、第2制御信号を生成する。第2制御信号は、切換スイッチSW2を介して、切換回路20に与えられる。切換スイッチSW1,SW2は、後述の第3故障判定動作を実施する場合を除いて、常に導通状態に保たれる。
【0036】
比較回路27は、コイルL11と切換回路19との間の第1接続点P11から後述の第1電気信号を導入し、第1電気信号の信号レベルと予め定める弁別レベルVrefとをレベル弁別して、弁別結果を表す第1比較信号を生成する。制御回路21内の故障判定回路28は、第1制御信号および第1比較信号を導入して、後述の故障判定手法によって、第1回路の故障の有無、および故障の発生箇所を判定する。また比較回路29は、コイルL12と切換回路20との間の第2接続点P12から第2電気信号を導入し、第2電気信号の信号レベルと、前述の弁別レベルVrefとをレベル弁別して、弁別結果を表す第2比較信号を生成する。制御回路21内の故障判定回路30は、第2制御信号および第2比較信号を導入して、後述の故障判定手法によって、第2回路の故障の有無、および故障の発生箇所を判定する。故障判定回路28,30にそれぞれ導入される第1および第2制御信号は、それぞれ切換スイッチSW1,SW2よりも信号流れ上流側の信号伝達経路から分岐した経路を介して導入される。故障判定回路28,29の判定結果は、内燃機関制御回路25に与えられる。
【0037】
内燃機関制御回路25は、故障判定回路28,30の少なくとも一方で故障が判定されるとき、内燃機関24に対して後述のフェールセーフ動作を実施する。このフェールセーフ動作では、たとえば、内燃機関24のトルクを減少させる。
【0038】
コイルL12、切換回路20、比較回路29、および故障判定回路30の詳細な構造および挙動は、コイルL11、切換回路19、比較回路27、および故障判定回路28の詳細な構造および挙動とそれぞれ同一である。ゆえに以後、コイルL11および回路19,27,28を例として説明し、コイルL12,回路20,29,30の詳細な説明は省略する。
【0039】
以下に、コイルL11に関する各回路19,27,28の詳細な電気的構造を説明する。
【0040】
切換回路19は、抵抗R1〜R3、トランジスタT11、およびダイオードD1を含んで構成される。トランジスタT11は、MOS形FETで実現される。コイルL11の他方端子は、抵抗R1を介して、トランジスタT11のソース端子と直列接続される。第1接続点P11は、コイルL11と抵抗R1との間の接続点である。トランジスタT11のドレイン端子は接地される。トランジスタT11のゲート端子は、抵抗R2を介して、制御回路21内の切換スイッチSW1と直列接続される。抵抗R3は、抵抗R2の切換スイッチSW1側の端子と、電圧VCCの電力が供給される電源ライン41との間に介在される。ダイオードD1は、その順方向電流入力側の一方端子がトランジスタT11のソース端子と接続され、順方向電流出力側の他方端子が電圧+Bの電源ライン18に接続される。
【0041】
トランジスタT11は、ゲート端子に与えられる後述の第1制御信号の信号レベルがローレベルのときに電流が通過可能なオン状態になり、ハイレベルのときに電流を遮断するオフ状態になる。また,電源ライン18,41にそれぞれ供給される電力の電圧+B,VCCは、トランジスタT11のソース端子の電圧レベルが、トランジスタT11がオフ状態のときよりもオン状態のときの方が大きくなるように設定される。
【0042】
比較回路27は、導線43,抵抗R4〜R6、および比較器44を含んで構成される。導線43は、一方端が第1接続点P11と接続され、他方端が抵抗R4を介して接地される。抵抗R5,R6は直列接続されて、電圧VRの電力が供給される電源ライン45と接地ラインとの間に介在される。比較器44はたとえばオペアンプで実現される。比較器44の反転入力端子は、導線43と抵抗R4との間の接続点P13に接続される。比較器44の非反転入力端子は、抵抗R5,R6間の接続点P14と接続される。電源ライン45の電圧VR、および抵抗R5,R6の各抵抗値は、接続点P14の電圧レベルが予め定める弁別レベルVrefとなるように、電源ライン45と接地ラインとの間の電圧を分圧するような値にそれぞれ設定される。
【0043】
比較器44は第1電気信号の信号レベルと弁別レベルVrefとを比較して、比較結果を表す後述の第1比較信号を出力する。第1比較信号は、たとえば矩形パルス信号であり、第1電気信号の信号レベルが弁別レベルVref以上であるときにローレベルを保ち、信号レベルが弁別レベルVref未満であるときにハイレベルを保つ。
【0044】
故障判定回路29は制御回路21の内部回路であり、タイマ46、ラッチ検出回路47、断線判定回路48、および判定回路49を含む。これら回路46〜49は、実在の回路で実現されてもよく、マイクロコンピュータの演算処理で実現される仮想的な回路であってもよい。
【0045】
タイマ46には、比較回路27の比較器44から第1比較信号が与えられる。タイマ46は、第1比較信号の信号レベルがハイレベルを保つ継続時間、またはローレベルを保つ継続時間の少なくとも一方の時間を計時して、計時した継続時間を表す継続時間信号を導出する。
【0046】
ラッチ検出回路47は、たとえばRSフリップフロップ回路で実現され、R端子に比較回路27の比較器44から第1比較信号が与えられる。また、ラッチ検出回路47のS端子には、判定回路49から後述のリセット信号が与えられる。ラッチ検出回路47は、第1比較信号のパルスの立下がりを検出して、Q端子からパルスの立下がりの有無を表す後述のラッチ検出信号を導出する。
【0047】
断線判定回路48には、比較回路27の比較器44から第1比較信号が与えられ、第1比較信号が後述の検査期間W30の間常にローレベルを保つか否かを判定して、判定結果を表す断線検出信号を導出する。また断線判定回路48は、第1接続点P11から直接第1比較信号を導入し、後述の検査期間W30内の第1電気信号の信号レベルをレベル弁別して、弁別結果を表す断線検出信号を導出する構造であってもよい。
【0048】
判定回路49には、タイマ46からの継続時間信号、ラッチ検出回路47のQ端子からのラッチ検出信号、および断線判定回路48からの断線検出信号がそれぞれ与えられる。さらに判定回路49には、信号生成回路22から、第1制御信号が与えられる。判定回路49は、これら複数の信号に基づいて、後述の故障判定動作を行い、その判定結果を内燃機関制御回路25に導出する。
【0049】
図2は、流量制御弁13を含む迂回管路15の部分外観図である。迂回管路15は、第1管路51の一方端部が第2管路52の側面に接続されて開口したT字状の管路であり、管路の交点に流量制御弁13が形成される。第1管路51の他方端部53は、内燃機関の吸入管路のうち、スロットル弁の取付位置よりも空気流れ上流側に開口するように、吸入管路に取付けられる。第2管路52の一方端部54は、内燃機関の吸入管路のうち、スロットル弁の取付位置よりも空気流れ下流側に開口するように、吸入管路に取付けられる。
【0050】
流量制御弁13の弁体15は、第1管路51の一方端部の内径とほぼ同一の外径の略円筒状の部材であり、その側面には、円筒の中心軸線に平行に形成されてかつ一部が連結するような2つの切欠きを有する。弁体15は、その円筒の中心軸線が第1管路の一方端部の開口部の中心軸線と一致するように取付けられ、円筒の中心軸線を回転中心として角変位可能である。第1管路51の内部空間は、弁体15の一方の切欠きと第1管路51の一方端部の内壁との間の空間によって、第2管路の弁体15よりも一方端部54側の部分56の内部空間と導通する。また、第2管路の弁体15よりも他方端部55側の部分57の内部空間は、弁体15の他方の切欠きと第1管路51の一方端部の内壁との間の空間によって、第2管路の部分56の内部空間と導通する。
【0051】
この弁体15が、第1管路51内で角変位することによって、弁体15の2つの切欠きの向きが変位するので、切欠きと第1管路51の一方端部との間の空間の中心軸線に垂直な断面積が変化する。これによって、第1管路51から部分56に流入する吸入空気の流量、および部分56から部分57に流入する吸入空気の流量が、断面積の増減に対応して増減する。これによって、第2管路52の一方および他方端部54,55から導出する吸入空気の流量が変化する。
【0052】
図3は、電磁石装置17の詳細な構造を表す図である。電磁石装置17は、コイルL11,L12の他に、変位部材61、ばね部材62,63、固定部材64,65、芯部材66、棒状部材67およびクランク装置を含む。棒状の変位部材61はその長手方向両端部にばね部材62,63が取付けられ、電磁石装置17の筺体であるような固定部材64,65間にばね部材62,63を介して設置される。一対のコイルL11,L12は1組または複数組準備され、各一対のコイルL11,L12毎に芯部材66に巻回される。各一対のコイルL11,L12は、各コイルL11,L12が変位部材61の一方および他方端部近傍であって、変位部材61の中心軸線を中心とする同心円上にそれぞれ配置され、かつ各芯部材66が変位部材61の長手方向と平行になるように設置される。変位部材61の長手方向中心部の側面には、棒状部材67が角変位可能に取付けられる。この棒状部材は、クランク装置に接続される。このクランク装置が、流量制御弁13の弁体15を角変位させる。
【0053】
コイルL11,L12が個別的に励磁されるとき、変位部材61は矢符69,70で示すように、変位部材61の長手方向に沿う方向で固定部材64,65に近付く向きにそれぞれ変位される。これらコイルL11,L12を第1および第2制御信号を用いる後述の手法でデューティ制御すると、第1および第2制御信号のデューティ比に対応して、固定部材64,65間の変位部材61の長手方向に沿う軸線上での変位部材61の位置が定められる。この変位部材61の平行運動は、棒状部材67を介してクランク装置に伝達され、クランク装置内で回転運動に変換されて、弁体15に伝達される。これによって、変位部材61の平行移動量に対応した角変位量、すなわちデューティ比に対応した角変位量だけ、弁体15が角変位される。
【0054】
以下に、流量制御装置11の正常作動時の各回路の動作、および異常作動時の各回路の動作をそれぞれ説明する。
【0055】
前述のように、第2回路、比較回路29,および故障判定回路30の挙動は、第1回路、比較回路27,および故障判定回路28の挙動と類似し、第1および第2制御信号にそれぞれ対応する動作に代わって、第2および第1制御信号にそれぞれ対応して動作する点だけが異なり、他の点は同一である。ゆえに、以下の説明では、第2回路が正常作動する場合の第1回路の挙動だけを表し、第1回路が正常作動する場合の第2回路の挙動の説明は省略する。
【0056】
図4は、流量制御装置11において、制御回路21、第1回路および比較回路27から導出される各信号を表す波形図である。
【0057】
図4(1)は、信号生成装置22から導出される第1制御信号を表す波形図である。第1制御信号は、信号周期W11の矩形パルス信号であり、図4(1)に示す波形を周期的に繰返す。単一の信号周期W11内では、第1制御信号の信号レベルは、時刻t11でローレベルからハイレベルに切換わり、時刻t11から時刻t12までハイレベルを保ち、時刻t12でハイレベルからローレベルに切換わり、時刻t12から時刻t13までローレベルを保つ。或る信号周期W11の最終の時刻t13と次の信号周期W11の最初の時刻t11とは一致する。単一信号周期W11内で、信号レベルがハイレベルを保つ保持時間W12と信号レベルがローレベルを保つ保持時間W13との比率、すなわちデューティ比は、内燃機関24の作動状態によって定められ、たとえば単一の信号周期W11毎に変更される。
【0058】
図4(2)は、NOT回路26から導出される第2制御信号を表す波形図である。第2制御信号は流量制御装置11の同一作動時に導出される第1制御信号と比較して、信号周期およびレベル変化タイミングが等しく、位相だけが逆転する。ゆえに、第2制御信号の単一信号周期W11内で、信号レベルがローレベルを保つ保持時間W14と信号レベルがハイレベルを保つ保持時間W15とは、第1制御信号の保持時間W12,W13とそれぞれ一致する。
【0059】
コイルL11および切換回路19を含む前述の第1回路の挙動は、第1回路内の故障の有無、および故障があるときの故障箇所に対応して異なる。まず、第1回路に故障がないとき、すなわち正常作動時の挙動を以下に説明する。
【0060】
正常作動時では、上述の第1制御信号は、切換回路19内で、抵抗R2,R3を含む回路を介してトランジスタT11のゲート端子に与えられる。トランジスタT11は、前述したように、第1制御信号がハイレベルのときにオフ状態になり、ローレベルのときにオン状態になる。流量制御装置11に故障がない場合、トランジスタT11がオン状態のときコイルL11が励磁し、オフ状態のときコイルL11が消磁される。
【0061】
具体的には、トランジスタT11がオン状態のとき、電源ライン18からコイルL11、抵抗R1、およびトランジスタT11を介して接地ラインに至る電力供給経路に、電圧レベル+Bの電力が供給され、コイルL11が励磁する。このとき、接続点P11の電圧レベルは、コイルL11のインダクタンスと抵抗R1の抵抗値とで規定されるレベルVLを保つ。逆に、トランジスタT11がオフ状態のとき、上述の電力供給経路がトランジスタT11の部分で遮断される。これによって、電源ライン+Bから電力供給経路への電力供給が遮断されて該経路に電流が流れないので、コイルL11は消磁される。このとき接続点P11の電圧レベルは、予め定めるレベルVHに規定される。レベルVHは、電源ライン18の印加電圧+BとダイオードD1の順方向電圧とでトランジスタT11のソース端子に規定される電圧レベルを、抵抗R1,R4で分圧したレベルである。抵抗R1,R4の抵抗値は、たとえば、レベルVLが0V、レベルVHが13Vとなるように、予め定められる。前述の第1電気信号は、このようなトランジスタT11の状態の切換えに対応して変化する第1接続点P11の電圧レベルの経時変化を表す信号である。
【0062】
図4(3)は、第1および第2回路の正常作動時であって図4(1)の第1制御信号が切換回路19に与えられるときに、第1接続点P11に現れる第1電気信号を表す波形図である。正常作動時の第1電気信号は、第1制御信号と同期した信号であって、第1制御信号と比較すると、信号周期および信号レベルの切換タイミングが一致し、位相およびレベルの値が異なる。第1電気信号の信号レベルは、単一の信号周期間W11内で、時刻t11から時刻t12までレベルVLを保ち、時刻t12で信号レベルが切換わり、時刻t12から時刻t13までレベルVHを保つ。レベルVL,VHがそれぞれ継続される継続時間は、第1制御信号の保持時間W12,W13とそれぞれ等しい。このような第1電気信号が、第1接続点P11から比較回路27の比較器44に与えられる。
【0063】
比較器44では、上述の第1電気信号の信号レベルを、接続点P14の弁別レベルVrefでレベル弁別して、レベル弁別結果を表す第1比較信号を生成して導出する。弁別レベルVrefは、第1電気信号の2値のレベルVH,VLの間のレベルであって、レベルVH,VL間の中点よりもレベルVLに近いレベルに設定され、たとえば2.5Vである。第1比較信号は2値の矩形パルス信号であり、第1電気信号の信号レベルが弁別レベルVref未満のとき、ハイレベルを保ち、信号レベルが弁別レベルVref以上のときローレベルを保つ。
【0064】
図4(4)は、第1および第2回路の正常作動時に上述の図4(3)の第1電気信号が与えられるときの比較回路27からの第1比較信号を表す波形図である。正常作動時の第1比較信号は、第1制御信号と同期した信号であって、信号周期、信号レベルの切換タイミング、および位相が全て第1制御信号と一致する。ゆえに、第1比較信号でハイレベルおよびローレベルをそれぞれ保つ継続時間W18,W19は、第1制御信号の保持時間W12,W13とそれぞれ同一である。この第1比較信号は、比較器44から故障判定回路38のタイマ46、ラッチ検出回路47、および断線検出回路48にそれぞれ与えられ、後述の故障判定手法に用いられる。
【0065】
次いで、第1回路に故障がありかつ第2回路が正常作動するとき、すなわち第1回路の異常作動時における第1回路の挙動を説明する。
【0066】
本実施の形態では、第1回路の故障は、第1回路の断線故障(以下、「断線故障」を単に「故障」という場合がある)を意味する。第1回路の故障には、大別して、第1接続点よりもコイルP11側の経路の故障と、第1接続点よりも切換回路19側の経路の故障とがある
【0067】
まず、切換回路19側の経路の故障時の第1回路および比較回路27の詳細な挙動を以下に説明する。
【0069】
切換回路19側の経路の故障は、具体的には、トランジスタT11のソース端子およびドレイン端子、ならびに抵抗Rの断線である。以下、切換回路19側の経路の故障を、切換回路19の断線故障という。このような故障があるとき、トランジスタT11の状態が第1制御信号の信号レベルに対応して作動しても、断線の生じた点で電力が遮断されるので、第1回路全体では、トランジスタT11をオフ状態に固定した場合と等価になる。この状態でコイルL12を含む第2回路が作動停止するとき、第1電気信号は常にレベルVLを保つ筈である。
【0070】
前記状態でコイルL12を含む第2回路が正常作動するとき、コイルL11には、コイルL12の励磁および消磁動作の切換えに応答して、コイルL12からの磁場を打消す磁場を発生させるような誘導電流、すなわち相互誘導に起因する誘導電流が発生し、第1回路内を誘導電流が流れる。第1接続点P11とコイルL11との間の経路には断線が生じていないので、第1接続点P11の電圧レベルは相互誘導に起因する起電力によって変動する。これによって、第1電気信号にレベル変化が生じる。このレベル変化の変化量は、コイルL11,L12の相互インダクタンスが大きいほど大きい。本実施例では、コイルL11,L12の相互インダクタンスに起因する第1電気信号の信号レベルの変化量は、最大でレベルVHであり、最小でレベルVLであるとする。
【0071】
図4(5)は、上述の切換回路19に上述の断線故障が生じる場合であって、図4(2)の第2制御信号が切換回路20に与えられて第2回路が正常作動するときに、第1接続点P11に現れる第1電気信号を表す波形図である。
【0072】
このときの第1電気信号は、信号周期だけが第1および第2制御信号と等しい。第1電気信号の信号レベルは、時刻t1でレベルVLに瞬時に低下し、時刻t11から時刻t12までの間にレベルVLから時間経過に比例して徐々に増加し、レベルVc1に至る。さらに、時刻t12でレベルVc1からレベルVHに瞬時に増加し、時刻t12から時刻t13までの間にレベルVHから時間経過に比例して徐々に減少し、時刻t13でレベルVc2に至る。レベルVc1,Vc2は、レベルVL,VH間のレベルであって、弁別レベルVrefよりもそれぞれ大きい。
【0073】
このように、切換回路19の断線故障時には、第1電気信号は、第2制御信号のレベル切換タイミング、すなわち第1制御信号のレベル切換タイミングt11〜t13に急激にレベル変化し、第1および第2制御信号がそれぞれハイレベルまたはローレベルをそれぞれ保持する保持時間W12,W13;W14,W15間にも、緩やかにレベル変化する。このため、第1電気信号の信号レベルは、時刻t11で弁別レベルVref以上のレベルから弁別レベルVref未満のレベルに低下し、保持期間W12,W14内であって時刻t12以前の時刻t14で、弁別レベルVref未満のレベルから弁別レベルVref以上のレベルに増加する。以後、或る信号レベルが弁別レベルVref未満のレベルから弁別レベルVref以上のレベルに増加すること、または或る信号レベルがで弁別レベルVref以上のレベルから弁別レベルVref未満のレベルに低下することを、「信号レベルが弁別レベルを横切る」と称する。
【0074】
図4(6)は、切換回路19の断線故障時であって、図4(5)の第1電気信号が与えられたときに、比較回路19から導出される第1比較信号を表す波形図である。上述したように、第1電気信号の信号レベルは、時刻t11,14で弁別レベルを横切る。このため、第1比較信号の信号レベルは、時刻t11でローレベルからハイレベルに切換わり、時刻t11から時刻t14までハイレベルを保ち、時刻t14でハイレベルからローレベルに切換わり、時刻t14から時刻t12を経て時刻t13までローレベルを保つ。ゆえに、切換回路19の断線故障時の第1比較信号のハイレベルの継続時間W23は、正常作動時のハイレベルの継続時間W18よりも短い。また、切換回路19の断線故障時の第1比較信号のローレベルの継続時間W24は、正常作動時のローレベルの継続時間W19よりも長い。
【0075】
続いて、コイルL11側の経路の故障時の第1回路および比較回路27の詳細な挙動を以下に説明する。
【0076】
コイルL11側の経路故障は、具体的には、コイルL11内部の導線、コイルL11と電源ライン18との間の接続用導線、およびコイルL11と切換回路19の抵抗R1との間の接続用導線のうちのいずれかの断線である。以下、コイルL11側の経路の故障を、コイルL11の断線故障という。このような故障があるときには、図4(1)の第1制御信号に応じて切換回路19内のトランジスタT11が正常に作動しても、第1回路には電力が供給されない。また、コイルL11,L12間の相互誘導があるときでも、上述の導線が断線するので、第1接続点P11には誘導電流が流れない。
【0077】
このとき、第1接続点P11の電圧レベルは、トランジスタT11のソース端子の電圧レベルと抵抗R1,R4とによって規定される。したがって、コイルL11の断線故障時の第1接続点P11の第1電気信号は、図4(7)に示すように、単一の信号周期W11間常にレベルVLを保つ。ゆえに、コイルL11の断線故障時であって図4(7)の第1電位信号が与えられるとき、比較回路19から導出される第1比較信号は、図4(8)に示すように、単一の信号周期W11間常にハイレベルを保つ。
【0083】
以上のように、第1比較信号の信号レベルは、第1回路に故障がないときには第1制御信号と同期して変動し、故障があるときには同期しないことがわかる。また、第1回路の故障時には、比較回路27に相互誘導に起因する図4(5)の第1電気信号が与えられるときと、第1制御信号と同期しない図4(7)の第1電気信号が与えられるときとの2パターンがあることがわかる。
【0084】
流量制御装置11における第1回路および第2回路の故障判定動作を以下に詳細に説明する。
【0085】
上述の流量制御装置11の故障判定回路28,30は、上述の比較信号と制御信号との挙動の差異に基づいて、第1および第2回路の故障の有無ならびに故障箇所を個別的に判定する。具体的には、比較信号と制御信号とを比較して、両信号の信号レベルの変化パターンが一致するときには故障がないと判定し、一致しないときには故障があると判定する。また、第1回路および第2回路に故障があるとき、比較信号の挙動から、上述の故障箇所を判定する。この故障判定手法には、変化パターンを比較するパラメータおよび制御信号の挙動に応じて、以下の3種類の手法がある。また、第2回路に対する故障判定回路30の故障判定手法は、第1回路に対する故障判定回路28の故障判定手法とは類似の手法であり、第1比較信号と第1制御信号とを比較する代わりに、第2比較信号と第2制御信号とを比較する点が異なる。
【0086】
まず、タイマ46を用いる第1故障判定手法を以下に説明する。
【0087】
第1故障判定手法では、故障判定回路28,30は、制御信号と比較信号との信号レベルの変化パターンを比較するためのパラメータとして、第1および第2比較信号のハイレベルの継続時間Wa,Wbと第1および第2制御信号のハイレベルの保持時間W12,W15と用いる。また、第1および第2比較信号のローレベルの継続時間と第1および第2制御信号のローレベルの保持時間W13,W14とを用いるようにしてもよい。
【0088】
継続時間Wa,Wbは、タイマ46,62によってそれぞれ計時される。タイマ46,62は、具体的には、たとえば第1および第2比較信号のパルスの立上がりおよび立下がりを検出する検出手段を有し、検出手段がパルスの立上がりを検出すると継続時間Wa、Wbの計時動作を開始し、検出手段がパルスの立下がりを検出すると計時動作を停止する。このようにタイマ46,62は、第1および第2比較信号が少なくとも1つのパルスをそれぞれ有するときに、そのパルスのパルス幅である継続時間Wa,Wbを計時する。
【0089】
コイルL11と切換回路19とを含む第1回路を例とすると、第1回路および第2回路の正常作動時には、上述の図4(1),(4)から、継続時間Waは継続時間W18であって、継続時間Waと第1制御信号の保持時間W12とは一致することが解る。また、第2回路の正常作動時であって切換回路19の断線故障時には、図4(1),(6)から、継続時間Waは継続時間W23であって、継続時間Waと保持時間W12とは一致しないことが解る。さらにまた、コイルL11の断線故障時には、図4(1),(8)から、第1比較信号にパルスが存在しないことが解る。この場合、タイマ46の検出手段がパルスの立上がりおよび立下がりを検出しないので、タイマ46は時間を計時しない。このとき、継続時間Waは、タイマ46の初期値である0秒である。
【0090】
図5は、制御回路21の信号生成回路22および故障判定回路28で実施される第1回路の第1故障判定手法を説明するためのフローチャートである。
【0091】
内燃機関24のアイドル状態の保持動作が開始されると、ステップa1からステップa2に進む。ステップa2では、信号生成回路22は、内燃機関制御回路25から与えられる流量制御弁13の所望弁開度を参照して、所望弁開度に対応するデューティ比を演算して求める。
【0092】
次いでステップa3では、信号生成回路22は、求めたデューティ比で信号レベルが変化するような第1制御信号を生成して、切換回路19およびNOT回路26に与える。NOT回路26は、第1制御信号が与えられると、その位相を反転させて第2制御信号を生成し、切換回路20に与える。この第1および第2制御信号は、前述の図4(1),(2)に示すデューティ比の信号であるとする。これによって、上述のコイルL11,L12は、一方のコイルが励磁するときに他方のコイルが消磁されるような挙動を、励磁するコイルを交互に切換えて繰返す。このとき第1回路は、故障の有無に対応して図4(3),(5),(7)のいずれかの第1電気信号をそれぞれ比較回路27に導出する。比較回路27は、図4(4),(6),(8)のいずれかの第1比較信号を故障判定回路28のタイマ46に導出する。
【0093】
次いで、ステップa4では、故障判定回路28のタイマ46が、上述の手法で第1比較信号のハイレベルの継続時間Waを計時する。この継続時間Waは、継続時間信号として、判定回路49に与えられる。続いて、ステップa5では、判定回路49において、第1比較信号のハイレベルの継続時間Waが、第1制御信号のハイレベルの保持時間W12と一致するか否かが判定される。第1制御信号の保持時間W12は、第1制御信号から直接求められる。また、第1制御信号の保持時間W12は、ステップa2で信号生成回路22において演算される第1制御信号のデューティ比から求めてもよい。
【0094】
ステップa5では、継続時間Waが保持時間W12と一致するときだけ、ステップa5からステップa6に進み、上述の第1回路に故障がなく、正常作動中であると判定する。また継続時間Waが保持時間W12と一致しないとき、ステップa5からステップa7に進み、第1回路に故障があり、異常作動中であると判定する。ステップa6,a7では、判定回路49は、第1回路の故障の有無の判定結果を表す判定信号をそれぞれ生成して、内燃機関制御回路25に導出する。またステップa7では、判定回路49はいわゆるダイアグノーシス動作のための後述の故障箇所判定動作を実施してもよい。判定信号導出後、正常作動中であるときはステップa6からステップa2に戻り、故障判定動作を続行する。また異常作動中であるときには、ステップa7からステップa8に進み、で当該フローチャートの処理動作を終了する。
【0095】
上述の第1回路の故障箇所判定動作の手法を以下に説明する。この故障箇所判定手法は、前述の継続時間Waを用い、第1回路に対して個別的に実施される。前述したように、第1回路内の故障箇所が異なるとき、比較回路27からの第1比較信号の信号レベル変化の挙動が異なるので、ハイレベルの継続時間Waの値が異なる。具体的には、切換回路19の断線故障時には継続時間Waは時間W23であり、コイルL11の断線故障時には継続時間Waは時間0秒である。したがって、この継続時間Waの長さを判定することによって、継続時間Waから第1回路の故障箇所を判別することができる。
【0096】
図6は、上述の故障箇所判定手法を説明するためのフローチャートである。図5のフローチャートでステップa5からステップa7に至ると、ステップc1からステップc2に進む。
【0097】
ステップc2では、継続時間Waが切換回路19の断線故障時の継続時間W23未満であってコイルL11の断線故障時の継続時間以上の予め定める時間以上であるか否かが判定される。本実施形態では、具体的には、継続時間Waが時間0秒と一致するか否かが判定される。一致するときには、ステップc2からステップc3に進み、第1回路の故障がコイルL11の断線故障であると判定する。一致しないときはステップc2からステップc4に進み、第1回路の故障が切換回路19の断線故障であると判定する。ステップc3,c4では、判定した故障箇所を、たとえば判定回路49内に設けられるメモリにストアする。上述の判定動作が終了すると、ステップc3,c4からステップc5にそれぞれ進み、当該フローチャートの処理動作を終了する。
【0098】
これによって、第1回路に故障があるとき、その故障箇所をタイマ46からの比較信号の継続時間Waから判定することができる。またこれら故障箇所をメモリにストアしておくと、故障後に流量制御装置11を修理するとき、メモリのストア内容を読出すだけで故障箇所を知ることができる。ゆえに、修理時に再度流量制御装置11を作動させて故障箇所を判定する動作を省略することができるので、修理時の故障判定の手間がなくなる。
【0099】
第2回路の第1故障判定手法は、第1回路の第1故障判定手法と比較して、継続時間Waと保持時間W12とが継続時間Wbと保持時間W15とに置換えられる点だけが異なり、他の挙動は同一であるので、説明は省略する。また第2制御信号の保持時間W15は、判定回路63に導入される第2制御信号から直接求めても良く、また第1制御信号のローレベルの保持時間W13と同一であるので上述の第1制御信号のデューティ比から求めてもよい。さらに、第2回路の故障箇所判定手法もまた、第1回路の故障箇所判定手法とに比較して、継続時間Waと保持時間W12とが継続時間Wbと保持時間W15とに置換えられる点だけが異なり、他の挙動は同一であるので、説明は省略する。
【0100】
このような手法の第1回路および第2回路の第1故障判定動作が、制御回路21でたとえば並列して実施される。これによって、タイマ46,62を用いて、流量制御装置11の第1回路および第2回路の故障の有無を個別的に判定することができる。
【0101】
内燃機関制御回路25は、各判定回路49,63からの判定信号に応答して、流量制御装置11全体の故障の有無を判定する。両判定回路49,63からの判定信号が共に故障がないことを表すときだけ、上述の第1回路および第2回路の両方に故障がないので、内燃機関制御回路25は流量制御装置11が正常作動中であると判定する。流量制御装置11が正常作動するとき、流量制御弁13の弁開度は内燃機関制御回路25からの所望弁開度となるように制御される。このとき内燃機関制御回路25は、そのまま内燃機関24のアイドル状態の維持動作を続行する。
【0102】
逆に、各判定回路49,63からの判定信号のうち、少なくとも一方の判定信号が故障があることを示すときには、上述の第1回路および第2回路の少なくとも一方に故障があるので、内燃機関制御装置25は流量制御装置11が異常作動する可能性があると判定する。流量制御装置11が異常作動するとき、流量制御弁13の弁開度は、内燃機関制御回路25からの所望弁開度よりも増大または減少するので、内燃機関24がアイドル状態を維持することが困難になる。このときには、内燃機関制御回路25はフェールセーフ動作を実施して、内燃機関24のトルクが減少させる。
【0103】
流量制御装置11の異常作動時のフェールセーフ動作を以下に説明する。
【0104】
上述の内燃機関24は、流量制御装置11が故障するとき、第1および第2回路のいずれが故障するかによって、故障後の挙動が異なる。たとえば、流量制御弁13の弁体を弁開度を増加させる方向に変位させるコイルL11を含む第1回路回路が正常作動して、弁開度を減少させる方向に弁体15を変位させるコイルL12を含む第2回路だけが故障するとき、電磁石装置17は流量制御弁13の弁開度が増加する方向だけに弁体15を変位させる。ゆえに内燃機関24および流量制御装置11をそのまま作動させ続けると、流量制御弁13の弁開度が所望弁開度よりも増加し、たとえば流量制御弁13の予め定める最大弁開度になる。このとき、内燃機関24にオーバランと称される吹上がりが生じ、内燃機関24がアイドル状態を保つことができなくなることがある。また逆に、第1回路だけが故障して第2回路が正常作動するときは、電磁石装置17は流量制御弁13の弁開度が減少する方向だけに弁体15を変位させるので、そのまま作動させ続けると、流量制御弁13の弁開度が所望弁開度よりも減少し、たとえば流量制御弁の予め定める最小弁開度になる。このとき内燃機関24の回転数が順次減少し、停止することがある。これらのことから、内燃機関制御回路25は、流量制御装置11内の故障する回路に対応して、フェールセーフ動作を実施する。
【0105】
図7は、上述のフェールセーフ動作を説明するためのフローチャートである。内燃機関制御装置25における上述の流量制御装置11の故障判定動作内で、第1回路および第2回路のいずれかに故障があると判定されると、ステップb1からステップb2に進む。
【0106】
ステップb2では、第1回路および第2回路のうち、流量制御弁13の弁開度を減少させる方向に弁体15を変位させるコイルを含む回路、本実施形態では第2回路が故障しているか否かを判定する。この判定動作は、具体的には、上述の判定回路49,63からの判定信号に応答して、判定回路49,63のいずれからの判定信号が故障があることを表しているかを判定することで実施される。第2回路だけが故障するとき、および第1回路および第2回路の両方が故障するときにはステップb2からステップb3に進み、第1回路だけが故障するときにはステップb2からステップb4に進む。
【0107】
ステップb3では、内燃機関制御回路25は、内燃機関24のトルクが小さくなるように、内燃機関24の作動状態を制御する。具体的には、内燃機関制御回路25は、内燃機関24の現在の作動状態に拘わらず、内燃機関24内の混合気への点火時期をアイドル状態に対応する基本の点火時期から予め定める最大遅角値だけ遅角させる。これによって、内燃機関の24の回転数がアイドル状態に対応するアイドル回転数よりも低下し、トルクが減少する。したがって、内燃機関24は最終的に停止する。また内燃機関制御回路25は、たとえば車両のインストルメントパネルに設置されるような警告灯を点灯させて、流量制御装置11に故障があることを車両の乗車者に提示する。
【0108】
また、ステップb4では、内燃機関制御回路25は、上述の警告灯を点灯させて、流量制御装置11に故障があることを車両の乗車者に提示する。ステップb3,b4での処理動作が終了すると、ステップb3,b4からそれぞれステップb5に進み、当該フローチャートの処理動作を終了する。
【0109】
これによって、流量制御装置11の第2回路の故障時に、内燃機関24がアイドル状態を越えて作動することを防止することができる。したがって、内燃機関24の吹上がり、および車両の急発進であるような不都合が発生することを防止することができる。また、第1回路および第2回路のいずれの故障時にも、流量制御装置11に故障があることを乗車者に提示することができる。
【0110】
続いて、第2故障判定手法を以下に詳細に説明する。
【0111】
第2故障判定手法では、故障判定回路28,30は、制御信号と比較信号との信号レベルの変化パターンを比較するためのパラメータとして、単一信号周期W11内の第1および第2比較信号のパルスの立下がりおよび立上がりタイミングを用いる。
【0112】
コイルL11と切換回路19とを含む第1回路を例とすると、第1および第2回路の正常作動時には、図4(1),(4)に示すように、第1比較信号のパルスの立下がりタイミングは、第1制御信号のパルスの立下がりタイミングである時刻t12と一致する。また、第2回路が正常作動する場合であって切換回路19の断線故障時には、図4(1),(6)に示すように、第1比較信号のパルスの立下がりタイミングである時刻t14は、前述の時刻t12よりも早い。さらにまた、コイルL11の断線故障時には、図4(1),(8)に示すように、第1比較信号は常にハイレベルを保つので、パルスの立下がりが存在しない。このように、正常作動時と故障時とは、第1比較信号の信号レベルの変化タイミングが異なる。第2故障判定手法では、この変化タイミングの差異を、時刻t12近傍の判定期間W26内でのパルスの立下がりの有無から検出する。
【0113】
判定期間W26は、第1制御信号のパルス立下がりタイミングから遡航時間W27だけ遡ったタイミングである時刻t15から、信号周期W11の終了タイミングである時刻t13までの期間である。この遡航時間W27は、判定期間W26の開始タイミングである時刻t15が、切換回路27の断線故障時の第1比較信号のパルスの立下がりタイミングである時刻t14よりも時間軸上で遅くなるように設定される。
【0114】
この遡航時間W27は、たとえば第1制御信号のデューティ比に対応して、デューティ比を変更するたびに定められる。また遡航時間W27は、上述の条件を満たすように実験的に定められた固定の時間であってもよい。固定の遡航時間W27は、たとえば第1制御信号のデューティ比が最小のときに、上述の条件を満たすように決定される。このように固定の遡航時間W27を決定すると、デューティ比が最小のデューティ比よりも増加するときでも、時刻t15が時刻t14よりも時間軸上で遅いタイミングになる。以下の説明では、遡航時間W27は固定の時間であるとする。
【0115】
上述の第1比較信号のパルスの立下がりタイミングは、ラッチ検出回路47によって検出される。ラッチ検出回路47は前述したようにフリップフロップ回路で実現される。ラッチ検出回路47のQ端子からのラッチ検出信号は値0,1のいずれかを取る2値信号であり、初期状態では値0である。初期状態のラッチ検出回路47は、R端子に与えられる第1制御信号にパルスの立下がりがあると、回路47がセット状態になり、ラッチ検出信号の値は値1になる。ラッチ検出回路47の初期状態からセット状態への切換えは、後述の故障判定動作とは独立に、回路47の機械的動作として実施される。
【0116】
図8は、上述の第1回路の第2故障判定手法を説明するためのフローチャートである。
【0117】
内燃機関のアイドル状態の保持動作が開始されると、ラッチ検出回路47を初期状態に戻した後、ステップd1からステップd2に進む。ステップd2では、信号生成回路22は、第1制御信号のデューティ比を演算して求める。ステップd2の動作は、図5のフローチャートのステップa2での動作と同一である。次いで、ステップd3〜d7で、第1および第2制御信号の生成動作と、パルスの立下がりの検出動作とを疑似的に並列して実施する。第1および第2制御信号の生成動作は、図5のフローチャートのステップa3の動作と同一である。また、前述のラッチ検出回路47の初期状態からセット状態への切換動作は、ステップd3〜d7の処理動作の実施中に、該処理動作とは独立して実施される。
【0118】
具体的には、まず、時刻t11においてステップd3に進み、第1制御信号の生成動作として、信号生成回路22は導出中の第1制御信号の信号レベルをローレベルからハイレベルに切換える。これによって、NOT回路26からの第2制御信号の信号レベルが、ハイレベルからローレベルに切換えられる。以後図面では、第1制御信号を「S1」、第2制御信号を「S2」と表す。
【0119】
続いて、ステップd4で、立下がりの検出動作として、判定回路49内に備えられるタイマが、時刻t11から計時時間W28の計時を開始する。計時時間W28は、時刻t11から前述の判定期間W26の開始タイミングである時刻t15までの時間であり、第1制御信号のハイレベルの保持時間W12から前述の遡航時間W27を減算して得られる。時刻t15は、時刻t12から遡航時間W27だけ遡った時刻であるが、実際の第2故障判定動作時には、時刻t11から上述の計時時間W28を計時して求める。計時時間W28は、たとえば判定回路49において、第1制御信号のデューティ比から保持時間W12を求め、さらに保持時間W12から遡航時間W27を減算することによって求められる。計時時間W28の計時が終了し、時刻t15に至るとステップd5に進む。
【0120】
ステップd5では、判定回路49は、ラッチ検出回路47のS端子に、値1の2値信号であるようなリセット信号を与えて、ラッチ検出回路47を初期状態に戻す。たとえば第1回路の切換回路19の断線故障時には、既にラッチ検出回路47はセット状態であるが、時刻t15で初期状態に戻される。また、第1回路および第2回路の正常作動時ならびにコイルL11の断線故障時には、時刻t15でラッチ検出回路27は初期状態を保つので、そのまま初期状態を保たせる。時刻t15以後、第1回路および第2回路の正常作動時には、ラッチ検出回路47はたとえば時刻t12でセット状態に切換わる。
【0121】
続いて、時刻t12においてステップd6に進み、第1制御信号の導出動作として、信号生成回路22は導出中の第1制御信号の信号レベルをハイレベルからローレベルに切換える。これによって、NOT回路26からの第2制御信号の信号レベルがローレベルからハイレベルに切換えられる。さらに時刻t13においてステップd7に進み、信号生成回路22は導出中の第1制御信号の信号レベルをローレベルからハイレベルに切換える。これによってNOT回路26からの第2制御信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに切換えられる。これによって、ステップd3で開始された信号周期W11内の第1および第2制御信号の導出が終了し、次の信号周期W11の第1および第2制御信号の導出に移る。時刻t13以後、ステップd8に進む。
【0122】
ステップd8では、判定回路49において、ラッチ検出回路47が前述のセット状態であるか否かを判定する。この判定動作は、具体的に、ラッチ検出回路47のQ端子からのラッチ検出信号の値が値1であるか否かを判定することで実施される。時刻t15でラッチ検出回路47が一旦初期状態に戻されているので、時刻t13以後のステップd8の判定の時点では、判定期間W26内に第1制御信号にパルスの立下がりがあるときだけ、すなわち正常作動時だけ、ラッチ検出回路47がセットされる。
【0123】
判定回路49は、ラッチ検出回路47がセット状態であるときだけ、ステップd8からステップd9に進み、上述の第1回路に故障がなく正常作動中であるとと判定する。また、回路47がリセット状態であるときには、ステップd8からステップd10に進み、第1回路に故障があり、異常作動中であると判定する。ステップd9,d10では、判定回路49は、第1回路の故障の有無の判定結果を表す判定信号をそれぞれ生成して、内燃機関制御回路25に導出する。ステップd9,d10の各動作は、図5のフローチャートのステップa6,a7の動作と同一である。判定信号導出後、正常作動中であるときは、ラッチ検出回路48を初期状態に戻してステップd9からステップd2に戻り、故障判定動作を続行する。また異常作動中であるときには、ステップd10からステップd11に進み、で当該フローチャートの処理動作を終了する。この一連の判定動作によって、第1比較信号のパルスの立下がりタイミングから、第1回路の故障の有無を判定することができる。
【0124】
第2回路の第2故障判定手法は、第1回路の第2故障判定手法と類似する手法であり、ラッチ検出回路64が単一信号周期W11内で第2比較信号のパルスの立上がりを検出する点が異なり、他の挙動は等しいので、説明は省略する。
【0125】
このような手法の第2故障判定動作が、第1回路および第2回路それぞれに対して並列して個別的に実施される。内燃機関制御回路25には、故障判定回路28,30の各判定回路から判定信号が与えられる。内燃機関制御回路25は、各判定回路49,63からの判定信号に応答して、流量制御装置11の故障の有無を判定し、故障が第1回路および第2回路のいずれにあるか対応して、フェールセーフ動作を実施する。内燃機関制御回路25の流量制御装置11の故障判定動作およびフェールセーフ動作は、第1および第2回路に故障判定動作に上述の第1故障判定手法を用いたときの回路25の故障判定動作およびフェールセーフ動作と同一であるので、説明は省略する。
【0126】
このような動作によって、ラッチ検出回路47,64を用いて、流量制御装置の第1回路および第2回路の故障の有無を判定することができる。
【0127】
続いて、第3故障判定手法を以下に詳細に説明する。
【0128】
第3故障判定手法では、第1および第2制御信号のいずれか一方の導出を一時的に停止させて、そのときの第1および第2比較信号のいずれか一方の信号レベルの変化パターンと第1および第2制御信号のいずれか一方の信号レベルの変化パターンとを比較して、故障の有無を判定する。変化パターンを比較するためのパラメータには、第1および第2比較信号のパルスの立下がりタイミングを用いる。
【0129】
図9は、第3故障判定手法における流量制御装置の各回路の挙動を説明するための波形図である、図9の波形図の単一信号周期W11内の各信号の挙動は、図4の波形図に表す各信号の挙動と等しく、同一の点には同一の符号を付し、説明は省略する。また図9では複数の信号周期W11にわたって信号波形が表されるが、図9で表される複数周期間の第1および第2制御信号のデューティ比は、特に指定しない限り最初の周期と等しいものと仮定する。第3故障判定手法は、図9の波形図で4番目の信号周期W11間に実施される。
【0130】
第1回路に対して第3故障判定手法を用いる故障判定動作を実施するとき、第1制御信号は図9(2)に示すように、検査期間W30内で常にローレベルを保つ。検査期間W30は、本実施形態では信号周期W11と等しい。このとき、第2制御信号の信号レベルは、図9(1)に示すように、信号生成回路22で決定されるデューティ比の矩形パルス信号となるようにレベル変化する。
【0131】
第1回路が正常作動するとき、第1電気信号の信号レベルは第1制御信号の信号レベルに対応して変化するので、図9(3)に示すように、検査期間W30内で常にハイレベルを保つ。したがって、第1比較信号の信号レベルは、図9(4)に示すように、検査期間W30内で常にローレベルを保つ。また、切換回路19の断線故障時には、第1電気信号の信号レベルはコイルL11,L12の相互誘導に起因する誘導電流によって変動するので、第2制御信号の信号レベルに対応して、図9(5)の実線71に示すように、検査期間W30内で変動する。この検査期間W30内の第1電気信号の挙動は、図4(5)に示す切換回路19の断線故障時の第1電気信号の挙動と等しい。したがって、第1比較信号は、図9(6)の実線72に示すように、検査期間W30内に矩形パルスが発生するような信号である。さらに、コイルL11の断線故障時には、図9(5)の2点鎖線73に示すように、第1電気信号の信号レベルは常にローレベルを保つ。したがって、第1比較信号の信号レベルは、図9(6)の2点鎖線74に示すように、検査期間W30内で常にハイレベルを保つ。
【0132】
このように、検査期間W30内の第1比較信号の信号レベルの挙動は、正常作動時と故障時とで異なる。第3故障判定手法では、このレベル変化の挙動の差異を、検査期間W30内でのパルスの立下がりの有無と、検査期間W30内での第1比較信号の信号レベルから検出する。
【0133】
図10は、上述の第1回路の第3故障判定手法を説明するためのフローチャートである。図10のフローチャートは図8のフローチャートに類似のものであり、同一の動作を行うステップの詳細な説明は省略する。
【0134】
内燃機関24のアイドル状態の維持動作が開始されると、ステップe1からステップe2に進む。ステップe2では、信号生成回路22は、第1制御信号のデューティ比を演算して求める。ステップe2の詳細な動作は、図8のフローチャートのステップd2の動作と同一である。次いで、ステップe3では、ラッチ検出回路47に前述のリセット信号を与えて、ラッチ検出回路47を初期状態に戻す。ラッチ検出回路47の詳細な挙動は第2故障判定手法で説明した挙動と等しい。またステップe3の動作は、図8のステップd5の動作と等しい。
【0135】
ステップe4〜e6では、第1および第2制御信号の導出動作を行う。これらステップでは、信号生成回路22は第1制御信号を導出し続けるが、判定回路49は切換スイッチSW1を遮断状態に切換えるので、切換回路19には第1制御信号が与えられない。ゆえに、切換回路19のトランジスタT11は、常にオフ状態を保つ。また、第1制御信号はNOT回路26に与えられるので、第2制御信号が生成される。このとき判定回路63は切換スイッチSW2を導通状態に保つので、第2制御信号は切換回路20に与えられる。また上述の信号生成回路22およびNOT回路26の組合わせに代わって、第1および第2制御信号を個別に生成するレジスタであるような一対の信号発生回路を準備し、切換スイッチSW1,SW2の状態を切換えるかわりに、各信号発生回路からの信号生成動作を個別的に停止させるようにしてもよい。切換スイッチSW1と抵抗R2,R3と電源ライン41とは第1回路の強制手段を構成する。
【0136】
具体的には、まず、時刻t11においてステップe4に進み、信号生成回路22は導出中の第1制御信号の信号レベルをローレベルからハイレベルに切換える。同時に判定回路49は切換スイッチSW1を遮断状態とし、判定回路63は切換スイッチSW2を導通状態のまま保つ。これによって、切換回路20に与えられる第2制御信号の信号レベルは、ハイレベルからローレベルに切換られる。また切換スイッチSW1よりも信号流れ下流側の切換回路19に与えられる第1制御信号の信号レベルは、信号生成回路22からの第1制御信号の信号レベルに拘わらず、ローレベルに保たれる。
【0137】
続いて、時刻t12においてステップe5に進み、信号生成回路22は導出中の第1制御信号の信号レベルをハイレベルからローレベルに切換える。このとき、切換スイッチSW1,SW2は遮断状態および導通状態のままそれぞれ保たれるので、切換回路19に与えられる第1制御信号はローレベルを保ち、切換回路20に与えられる第2制御信号の信号レベルだけがローレベルからハイレベルに切換られる。
【0138】
続いて、時刻t13においてステップe6に進み、信号生成回路22は導出中の第1制御信号の信号レベルをローレベルからハイレベルに切換える。切換スイッチSW2は導通状体のまま保たれるので、NOT回路26からの第2制御信号がそのまま切換回路20に与えられる。また、ステップe6では、切換スイッチSW1が導通状態に切換えられるので、以後信号生成回路22からの第1制御信号が切換回路19に与えられる。これら一連の動作によって、図9(2),(1)に示すような検査期間W30内の第1および第2制御信号が導出される。
【0139】
次いで、ステップe7では、判定回路49において、ラッチ検出回路47が前述のセット状態であるか否かを判定する。この判定動作は、図8のフローチャートのステップd8の動作と同一である。第3故障判定手法では、ラッチ検出回路47が検査期間W30の開始前に一旦初期状態に戻されているので、ステップd8の判定の時点では、検査期間W30内に第1比較信号にパルスの立下がりがあるときだけ、すなわち切換回路19の断線故障時だけ、ラッチ検出回路47がセットされる。判定回路49は、ラッチ検出回路47がリセット状態であるときだけ、ステップe7からステップe8に進む。
【0140】
ステップe8では、判定回路49は、断線判定回路48において判定される第1比較信号の信号レベルのレベル弁別結果から、第1比較信号が検査期間W30内で常にローレベルを保つか否か、すなわち第1電気信号の信号レベルVが検査期間W30内で常に基準レベルVref未満であるか否かを判定する。
【0141】
断線判定回路48における上述の判定動作は、直接第1電気信号を導入して基準レベル以下の新たな弁別レベルに対して新たにレベル弁別する動作で実現されてもよく、比較回路27からの第1比較信号の信号レベルが、常にハイレベルを保つか否かを判定するようにしてもよい。前述したように、第1電気信号の信号レベルが最小レベルVLを常に保つとき、第1回路にはコイルL11の断線故障が生じている。ステップe8では、このコイルL11の断線故障を検出するために行われる。
【0142】
ステップe7でラッチ検出回路47がリセット状態であるときでかつステップe8で第1電気信号の信号レベルVが弁別レベルVref以上であるとき、ステップe9に進み、上述の第1回路に故障がなく正常作動中であるとと判定する。また、回路47がセット状態であるとき、または第1電気信号の信号レベルが弁別レベル未満であるときには、ステップe7,e8からそれぞれステップe10に進み、第1回路に故障があり、異常作動中であると判定する。ステップe9,e10では、判定回路49は、各回路の故障の有無の判定を表す判定信号を内燃機関制御回路25に導出する。ステップe9,e10の詳細な動作はステップed9,d10と同一である。
【0143】
判定信号導出後、正常作動中であるときは、ステップe9からステップe2に戻り、故障判定動作を続行する。また異常作動中であるときには、ステップe10からステップe11に進み、当該フローチャートの処理動作を終了する。この一連の判定動作によって、第1回路の故障の有無を判定することができる。
【0144】
第2回路の第2故障判定手法は、第1回路の第2故障判定手法と類似する手法であり、ステップe4〜e6の信号の導出動作で切換スイッチSW1,SW2が導通状態および遮断状態にそれぞれ保たれる点と、ラッチ検出回路64が単一信号周期W11内で第2比較信号のパルスの立上がりを検出する点が異なり、他の挙動は等しいので、説明は省略する。
【0145】
このような故障判定動作が、第1回路および第2回路のそれぞれに対して交互に実施される。第1回路の第3故障判定動作と第2回路の第3故障判定動作とは、予め定める時間間隔を空けて交互に実施される。この時間間隔は、第1および第2制御信号の制御回路21からの導出をそれぞれ停止させることによって、流量制御弁13自体の動作に影響が及ばない程度の時間間隔に設定される。この時間間隔は、たとえば、連続する2回の第1回路の第3故障判定動作間の時間間隔が、連続する第1および第2回路の各第3故障判定動作間の時間間隔の2倍となるように設定される。具体的には、或る回の第1回路の第3故障判定動作から次回の第1回路の第3故障判定動作までの時間間隔は、約20秒であり、或る回の第1回路の第3故障判定動作から続く回の第2回路の第3故障判定動作までの時間間隔は、約10秒である。
【0146】
内燃機関制御回路25には、各回の第3故障判定動作毎に、故障判定回路28,30のいずれか一方の各判定回路から判定信号が与えられる。内燃機関制御回路25は、各判定回路49,63からの判定信号に応答して、たとえば連続して与えられる両判定回路49,63からの判定信号が共に故障がないことを表すときだけ、流量制御装置11が正常作動中であると判定する。このとき、内燃機関制御回路25は、そのままアイドル状態の維持動作を続行する。
【0147】
また、判定回路49,63のいずれか一方から、故障があることを表す判定信号が与えられるとき、流量制御装置11が異常作動中であると判定する。このとき、内燃機関制御回路25は図7のフローチャートで示す動作と同一のフェールセーフ動作を実施する。これら動作を行うと、流量制御装置11の故障判定動作の処理動作を終了する。このような動作によって、ラッチ検出回路47,64を用いて、流量制御装置の第1回路および第2回路の故障の有無を判定することができる。
【0148】
また、この第3故障判定手法において、ステップe7のラッチ検出回路47を用いるパルスの立上がりの有無の検出に変わって、第1電気信号のレベル弁別手段を設け、検出期間W30内で第1比較信号の信号レベルが少なくとも1回弁別レベルVref以上になるか否かを判定することで行ってもよい。このとき、判定回路46は、少なくとも1回だけ第1電気信号の信号レベルが弁別レベルVref以上になるとき、ステップe10に進み、故障があり異常作動中であると判定する。この手法を用いると、切換回路19の断線故障とコイルL11の断線故障とを同時に検出することができる。
【0149】
本実施形態の流量制御装置11は、上述した第1〜第3故障判定手法のうちの少なくとも1つの手法を用いて、第1回路および第2回路の故障の有無を検出する。このため、故障判定回路28,30は、実施する故障判定手法に関連する回路だけを含み、実施しない故障判定手法の回路を削除してもよい。
【0150】
また、流量制御装置11は、それぞれ第1回路および第2回路のいずれか一方だけの故障の有無を判定するための構造を有していてもよい。そのとき、比較回路27,29と故障判定回路28,30とは、それぞれ故障を検出すべき回路に応じて、いずれか一方だけが準備される。たとえば、第1回路だけの故障の有無を判定する構造の流量制御装置では、比較回路27と故障判定回路28とが準備され、比較回路29と故障判定回路30とは削除される。また逆に、第2回路だけの故障の有無を判定する構造の流量制御装置では、比較回路29と故障判定回路30とが準備され、比較回路27と故障判定回路29とは削除されてもよい。
【0151】
さらにまた、本発明の電磁石装置17、ならびに、切換回路19,20、比較回路27,29および制御回路21を含む故障判定装置は、流量制御弁13以外の他の弁装置に取付けられてもよい。たとえば、前述した内燃機関24に燃料を供給するための燃料噴射弁103を含む燃料噴射装置に取付けられてもよい。
【0152】
燃料噴射装置の燃料噴射弁103は、たとえば図1で示すように内燃機関24への吸入管路101のうち、スロットル弁102よりも空気流れ下流側の部分に設けられる。この燃料噴射弁103の構造は、上述の流量制御弁13の構造と類似し、弁体が燃料槽と吸入管路101とを接続する燃料供給管路108内に設置される点が異なり、他の構造は等しい。また燃料噴射弁103は、内燃機関24のシリンダ内に直接燃料を供給する構造であってもよい。この弁体は上述の電磁石装置17によって、流量制御弁13の弁体15と同様に変位される。電磁石装置のコイルL11,L12を制御するための第1および第2制御信号のデューティ比は、内燃機関24に吸入される混合気体の空燃比が理想空燃比となるように、内燃機関24の現在の作動状態と理想の作動状態とによって決定される。コイルL11を含む第1回路とコイルL12を含む第2回路の故障判定動作は、上述の第1〜第3故障判定手法で実施される。
【0153】
この故障判定手法を用いることで、電磁石装置17の故障を容易に判定することができる。また、電磁石装置17の第1回路の故障によって、燃料が無制限に噴射されて空燃比が理想空燃比よりも大きくなることで、排気ガス内の一酸化炭素、窒素化合物、および炭化水素の含有量が増大して、排出管路内の触媒で除去しきれなくなることを未然に防止することができる。
【0155】
【発明の効果】
発明によれば、故障判定手段は、電気信号のレベル弁別結果を表す比較信号のレベルの継続時間と、第1制御信号のレベル変化から算出可能な第1スイッチング手段の保持時間とを比較して、故障の有無を判定する。これによって、相互インタクダンスが大きい装置で、第1スイッチング手段側の経路に故障があるために、相互誘導の起電力によって電気信号のレベルが弁別レベル以上から未満に、またはその逆に変動するときでも、故障があると判定することができる。またこの故障判定手段は、比較信号の継続時間の計時手段と、第1制御信号からの保持時間の算出手段と、継続時間と保持時間との比較手段とを含むだけなので、回路構成が簡単であって実現が容易である。
【0156】
さらにまた本発明によれば、上述の故障判定手段は、継続時間の長さによって、装置の故障箇所が接続点よりも第1コイル側であるか第1スイッチング手段側であるかを判別することができる。これによって、継続時間を2種類の基準の時間とそれぞれ比較するだけで、故障の有無の判定と故障箇所の判別とを行うことができる。またこの故障箇所判別手法は、継続時間と基準の時間との比較だけで実施することができるので、上述の故障判定手段に付加して実現することが容易である。
【0157】
また本発明によれば、上述の故障判定手段は、電気信号の信号レベルの弁別結果を表す比較信号の所定のレベル変化が所定の判定期間内に生じたか否かを検出して、故障の有無を判定する。この判定期間の計時動作の開始時点は、第1スイッチング手段側の経路に故障が生じる場合で一対のコイル間の相互インダクタンスが大きいときに、比較信号に生じる所定のレベル変化が生じた時点以後に設定される。これによって、前述のときに、たとえば相互誘導の起電力によって電気信号のレベルが弁別レベル以上から未満に、またはその逆に変動するときでも、故障があると判定することができる。またこの故障判定手段は、判定期間の計時手段と、比較信号の所望のレベル変化の検出手段とだけで実現することができるので、回路構造が簡単であって実現が容易である。
【0158】
さらにまた本発明によれば、上述の故障判定手段は、所定の検査期間中に、第1スイッチング手段を導通状態に強制的に固定し、このときの上述の比較信号がレベル変化したか否かを検出することによって、故障の有無を判定する。この判定手法では、第1スイッチング手段側の経路に故障が生じるときだけ、比較信号の信号レベルが変化するので、このレベル変化から、故障があることを判定することができる。またこの故障判定手法は、制御信号の導出の停止手段と、判定期間の計時手段と、比較信号のレベル変化の有無の検出手段とだけで実現することができるので、回路構造が簡単であって実現が容易である。
【0159】
また本発明によれば、上述の故障判定手段は、所定の検査期間中に、第1スイッチング手段を導通状態に強制的に固定し、このときの上述の電気信号がレベル変化したか否かを検出することによって、故障の有無を判定する。この判定手法では、第1スイッチング手段側の経路に故障が生じるときだけ、電気信号の信号レベルが変化するので、このレベル変化から、故障があることを判定することができる。またこの故障判定手段は、制御信号の導出の停止手段と、判定期間の計時手段と、電気信号のレベル弁別手段とだけで実現することができるので、実現が容易である。さらに、この故障判定手法は、電気信号のレベルを直接判定するので、上述の故障判定装置から比較信号の生成回路を削除して、回路構造をさらに簡略化することができる。
【0160】
さらにまた本発明によれば、上述の故障判定手段は、検査期間中の上述の故障判定手法に加えて、第1コイル側の経路の故障判定動作を行う。これによって、上述したカ所の故障を全て検出する事ができる。また、第1コイル側の経路の故障判定手段は、比較信号のレベルをレベル弁別してもよく、また電気信号のレベルを直接判定してもよい。第1コイル側の経路の故障判定動作で電気信号のレベルを直接判定するときであって上述の電気信号を用いる第1スイッチング手段側の経路の故障判定動作と併用するとき、上述の故障判定装置から比較信号の生成回路を削除して、回路構造を簡略化することができる。
【0161】
また本発明によれば、一対のコイルを有する電磁石装置で弁体を変位させる構造の弁を含む流量制御装置および内燃機関の燃料噴射装置では、上述の故障判定装置を用いて、両コイルを含む回路の故障を個別的に検出する。これによって、特に車両用の内燃機関に付随するような流量制御弁および燃料噴射弁を含み、小型化のために両コイルの鉄芯を単一の棒材で実現する装置において、一方のコイルだけが故障して他方のコイルが正常作動するときに、確実に各コイルの故障を判定する事ができる。また、コイルの判定手法は上述の複数の手法のいずれかで実現され、、実現のために付加する回路数が少なく、また各回路の構造も簡単なので、装置全体の構造が簡略化される。
【0162】
さらにまた本発明によれば、上述の流量制御装置を車両の吸入空気量の制御に用いる場合、流量制御弁の弁開度を減少させる方向に弁体を変位させるコイルが故障するとき、トルクが減少するように内燃機関を制御する。これによって、上述のコイルが故障するときに、内燃機関の吹上がりであるような不都合が生じることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態である故障判定装置を含む流量制御装置11の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】流量制御弁13の外観を示す斜視図である。
【図3】電磁石装置17の具体的構造を示す模式図である。
【図4】流量制御装置11の制御回路21から出力される第1および第2制御信号、ならびに流量制御装置11の第1回路の正常動作時および故障時に、各回路から出力される第1電気信号および第1比較信号を表す波形図である。
【図5】流量制御装置の第1回路の第1故障判定手法を説明するためのフローチャートである。
【図6】流量制御装置の第1回路の故障箇所判定手法を説明するためのフローチャートである。
【図7】内燃機関制御装置24のフェールセーフ動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】流量制御装置の第1回路の第2故障判定手法を説明するためのフローチャートである。
【図9】流量制御装置の第1回路の第3故障判定動作において、流量制御装置11の制御回路21から出力される第2および第1制御信号、ならびに流量制御装置11の第1回路の正常動作時および故障時に、各回路から出力される第1電気信号および第1比較信号を表す波形図である。
【図10】流量制御装置の第1回路の第3故障判定手法を説明するためのフローチャートである。
【図11】第1の従来技術の電磁石装置の故障判定装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図12】故障判定装置1から出力される第1および第2制御信号を表す波形図、ならびに故障判定装置1の故障判定装置1から正常動作時および故障時に出力される第1電気信号を表す波形図である。
【符号の説明】
11 流量制御装置
13 流量制御弁
14 迂回管路
15 弁体
17 電磁石装置
19,20 切換回路
22 信号生成回路
26 NOT回路
27,29 比較回路
28,30 故障判定回路
46,62 タイマ
47,64 ラッチ検出回路
48,65 断線判定回路
49,63 判定回路
24 内燃機関
25 内燃機関制御回路
P11 第1接続点
P12 第2接続点
L11,L12 コイル

Claims (16)

  1. 磁気結合した一対の第1および第2コイルを有する電磁石装置と、
    第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
    第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
    第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段とを含む故障判定対象物の断線故障を判定する故障判定装置であって
    第1コイルと第1スイッチング手段との接続点における電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ比較信号を生成する比較手段と、
    比較手段からの出力に応答し、第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む電力供給経路の断線故障を判定する故障判定手段とを含み、
    前記故障判定手段は、
    前記第1制御信号の信号レベルの変化タイミングから、比較信号が一方レベルまたは他方レベルを保つ継続時間を計時する計時手段と、
    計時手段で計時される継続時間が、第1制御信号によって第1スイッチング手段が導通状態または遮断状態に保たれる保持時間と一致するとき、断線故障がないと判定し、継続時間が保持時間と一致しないとき、断線故障があると判定する判定手段とを含むことを特徴とする故障判定装置
  2. 前記判定手段は、前記継続時間が保持時間と一致しない場合であって継続時間が予め定める時間未満のとき、前記接続点よりも第1コイル側の経路に断線故障があると判定し、前記継続時間が保持時間と一致しない場合であって継続時間が前記予め定める時間以上のとき、前記接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に断線故障があると判定し、
    前記予め定める時間は、前記接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に断線故障があるときの継続時間未満であって前記接続点よりも第1コイル側の経路に断線故障があるときの継続時間以上になるように設定されることを特徴とする請求項1記載の故障判定装置
  3. 磁気結合した一対の第1および第2コイルを有する電磁石装置と、
    第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
    第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
    第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段とを含む故障判定対象物の断線故障を判定する故障判定装置であって、
    第1コイルと第1スイッチング手段との接続点における電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ比較信号を生成する比較手段と、
    比較手段からの出力に応答し、第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む電力供給経路の断線故障を判定する故障判定手段とを含み、
    前記故障判定手段は、
    前記第1制御信号によって第1スイッチング手段が導通状態および遮断状態のいずれか一方状態からいずれか他方状態に切換えられるタイミングから第1制御信号のデューティ比に対応して定められる遡航時間だけ遡る時点から計時される予め定める判定期間内の比較信号のレベル変化の有無を検出する検出手段と、
    検出手段の出力に応答し、レベル変化があるとき断線故障がないと判定し、レベル変化がないとき断線故障があると判定する判定手段とを含み、
    前記遡航時間は、前記判定期間の開始タイミングが、前記接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に断線故障があるときの比較信号のレベル変化のタイミングよりも時間軸上で遅くなるように設定されることを特徴とする故障判定装置
  4. 磁気結合した一対の第1および第2コイルを有する電磁石装置と、
    第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
    第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
    第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段とを含む故障判定対象物の断線故障を判定する故障判定装置であって、
    第1コイルと第1スイッチング手段との接続点における電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ比較信号を生成する比較手段と、
    比較手段からの出力に応答し、第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む電力供給経路の断線故障を判定する故障判定手段とを含み、
    前記故障判定手段は、
    予め定める検査期間、前記第1スイッチング手段を導通状態に保つ強制手段と、
    検査期間内の比較信号のレベル変化の有無を検出する検出手段と、
    検出手段の出力に応答し、レベル変化がないとき、前記接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に断線故障がないと判定し、レベル変化があるとき、前記接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に断線故障があると判定する判定手段とを含むことを特徴とする故障判定装置
  5. 磁気結合した一対の第1および第2コイルを有する電磁石装置と、
    第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
    第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
    第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段とを含む故障判定対象物の断線故障を判定する故障判定装置であって、
    第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む電力供給経路の断線故障を判定する故障判定手段を含み、
    前記故障判定手段は、
    予め定める検査期間、前記第1スイッチング手段を導通状態に保つ強制手段と、
    検査期間内に、第1コイルと第1スイッチング手段との接続点における電気信号の信号レベルが予め定める弁別レベル以上を常に保つとき、電力供給経路に断線故障がないと判定し、検査期間内に前記電気信号の信号レベルが前記弁別レベル未満になる期間が存在するとき、電力供給経路に断線故障があると判定する判定手段とを含むことを特徴とする故障判定装置。
  6. 前記故障判定手段は、前記検査期間内に前記接続点の電気信号の信号レベルが前記弁別レベル以下の予め定めるもう1つの弁別レベル未満を常に保つとき、前記接続点よりも第1コイル側の経路に断線故障があると判定し、前記検査期間内に前記もう1つの弁別レベル以上になる期間が存在するとき、前記接続点よりも第1コイル側の経路に断線故障がないと判定する断線判定手段をさらに含むことを特徴とする請求項4または5記載の故障判定装置。
  7. 予め定める流体が通過する流体経路に介在される弁体を有する弁手段と、
    弁手段の弁開度を表す指示信号を出力する開度決定手段と、
    磁気結合した一対の第1および第2コイルであって、第1コイルは弁開度が増加する方向に弁体を変位させ、第2コイルは弁開度が減少する方向に弁体を変位させる電磁石装置と、
    第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
    第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
    開度決定手段からの指示信号に応答し、弁開度に対応するデューティ比が相互に定められる第1および第2制御信号であって、第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段と、
    第1コイルと第1スイッチング手段との第1接続点における第1電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第1比較信号を生成する第1比較手段と、
    第1比較手段からの出力に応答し、第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む第1電力供給経路の断線故障を判定する第1故障判定手段と、
    第2コイルと第2スイッチング手段との第2接続点における第2電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第2比較信号を生成する第2比較手段と、
    第2比較手段からの出力に応答し、第2コイルおよび第2スイッチング手段を含む第2電力供給経路の断線故障を判定する第2故障判定手段とを含み、
    前記第1故障判定手段は、
    前記第1制御信号の信号レベルの変化タイミングから、第1比較信号が一方レベルまたは他方レベルを保つ継続時間を計時する計時手段と、
    計時手段で計時される継続時間が、第1制御信号によって第1スイッチング手段が導通状態または遮断状態に保たれる保持時間と一致するとき、断線故障がないと判定し、継続時間が保持時間と一致しないとき、断線故障があると判定する判定手段とを含み、
    前記第2故障判定手段は、
    前記第2制御信号の信号レベルの変化タイミングから、第2比較信号が一方レベルまたは他方レベルを保つ継続時間を計時する計時手段と、
    計時手段で計時される継続時間が、第2制御信号によって第2スイッチング手段が導通状態または遮断状態に保たれる保持時間と一致するとき、断線故障がないと判定し、継続時間が保持時間と一致しないとき、断線故障があると判定する判定手段とを含むことを特徴とする流量制御装置
  8. 予め定める流体が通過する流体経路に介在される弁体を有する弁手段と、
    弁手段の弁開度を表す指示信号を出力する開度決定手段と、
    磁気結合した一対の第1および第2コイルであって、第1コイルは弁開度が増加する方向に弁体を変位させ、第2コイルは弁開度が減少する方向に弁体を変位させる電磁石装置と、
    第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
    第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
    開度決定手段からの指示信号に応答し、弁開度に対応するデューティ比が相互に定められる第1および第2制御信号であって、第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段と、
    第1コイルと第1スイッチング手段との第1接続点における第1電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第1比較信号を生成する第1比較手段と、
    第1比較手段からの出力に応答し、第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む第1電力供給経路の断線故障を判定する第1故障判定手段と、
    第2コイルと第2スイッチング手段との第2接続点における第2電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第2比較信号を生成する第2比較手段と、
    第2比較手段からの出力に応答し、第2コイルおよび第2スイッチング手段を含む第2電力供給経路の断線故障を判定する第2故障判定手段とを含み、
    前記第1故障判定手段は、
    前記第1制御信号によって第1スイッチング手段が導通状態および遮断状態のいずれか一方状態からいずれか他方状態に切換えられるタイミングから第1制御信号のデューティ比に対応して定められる遡航時間だけ遡る時点から計時される予め定める判定期間内の第1比較信号のレベル変化の有無を検出する検出手段と、
    検出手段の出力に応答し、レベル変化があるとき断線故障がないと判定し、レベル変化がないとき断線故障があると判定する判定手段とを含み、
    前記遡航時間は、前記判定期間の開始タイミングが、前記第1接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に断線故障があるときの第1比較信号のレベル変化のタイミングよりも時間軸上で遅くなるように設定され、
    前記第2故障判定手段は、
    前記第2制御信号によって第2スイッチング手段が導通状態および遮断状態のいずれか一方状態からいずれか他方状態に切換えられるタイミングから第2制御信号のデューティ比に対応して定められる遡航時間だけ遡る時点から計時される予め定める判定期間内の第2比較信号のレベル変化の有無を検出する検出手段と、
    検出手段の出力に応答し、レベル変化があるとき断線故障がないと判定し、レベル変化がないとき断線故障があると判定する判定手段とを含み、
    前記遡航時間は、前記判定期間の開始タイミングが、前記第2接続点よりも第2スイッチング手段側の経路に断線故障があるときの第2比較信号のレベル変化のタイミングよりも時間軸上で遅くなるように設定されることを特徴とする流量制御装置。
  9. 予め定める流体が通過する流体経路に介在される弁体を有する弁手段と、
    弁手段の弁開度を表す指示信号を出力する開度決定手段と、
    磁気結合した一対の第1および第2コイルであって、第1コイルは弁開度が増加する方向に弁体を変位させ、第2コイルは弁開度が減少する方向に弁体を変位させる電磁石装置 と、
    第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
    第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
    開度決定手段からの指示信号に応答し、弁開度に対応するデューティ比が相互に定められる第1および第2制御信号であって、第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段と、
    第1コイルと第1スイッチング手段との第1接続点における第1電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第1比較信号を生成する第1比較手段と、
    第1比較手段からの出力に応答し、第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む第1電力供給経路の断線故障を判定する第1故障判定手段と、
    第2コイルと第2スイッチング手段との第2接続点における第2電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第2比較信号を生成する第2比較手段と、
    第2比較手段からの出力に応答し、第2コイルおよび第2スイッチング手段を含む第2電力供給経路の断線故障を判定する第2故障判定手段とを含み、
    前記第1故障判定手段は、
    予め定める検査期間、前記第1スイッチング手段を導通状態に保つ強制手段と、
    検査期間内の第1比較信号のレベル変化の有無を検出する検出手段と、
    検出手段の出力に応答し、レベル変化がないとき、前記第1接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に断線故障がないと判定し、レベル変化があるとき、前記第1接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に断線故障があると判定する判定手段とを含み、
    前記第2故障判定手段は、
    予め定める検査期間、前記第2スイッチング手段を導通状態に保つ強制手段と、
    検査期間内の第2比較信号のレベル変化の有無を検出する検出手段と、
    検出手段の出力に応答し、レベル変化がないとき、前記第2接続点よりも第2スイッチング手段側の経路に断線故障がないと判定し、レベル変化があるとき、前記第2接続点よりも第2スイッチング手段側の経路に断線故障があると判定する判定手段とを含むことを特徴とする流量制御装置。
  10. 予め定める流体が通過する流体経路に介在される弁体を有する弁手段と、
    弁手段の弁開度を表す指示信号を出力する開度決定手段と、
    磁気結合した一対の第1および第2コイルであって、第1コイルは弁開度が増加する方向に弁体を変位させ、第2コイルは弁開度が減少する方向に弁体を変位させる電磁石装置と、
    第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
    第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
    開度決定手段からの指示信号に応答し、弁開度に対応するデューティ比が相互に定められる第1および第2制御信号であって、第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段と、
    第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む第1電力供給経路の断線故障を判定する第1故障判定手段と、
    第2コイルおよび第2スイッチング手段を含む第2電力供給経路の断線故障を判定する第2故障判定手段とを含み、
    前記第1故障判定手段は、
    予め定める検査期間、前記第1スイッチング手段を導通状態に保つ強制手段と、
    検査期間内に、第1コイルと第1スイッチング手段との第1接続点における第1電気信号の信号レベルが予め定める弁別レベル以上を常に保つとき、第1電力供給経路に断線故障がないと判定し、検査期間内に前記第1電気信号の信号レベルが前記弁別レベル未満になる期間が存在するとき、第1電力供給経路に断線故障があると判定する判定手段とを含み、
    前記第2故障判定手段は、
    予め定める検査期間、前記第2スイッチング手段を導通状態に保つ強制手段と、
    検査期間内に、第2コイルと第2スイッチング手段との第2接続点における第2電気信号の信号レベルが予め定める弁別レベル以上を常に保つとき、第2電力供給経路に断線故障がないと判定し、検査期間内に前記第2電気信号の信号レベルが前記弁別レベル未満になる期間が存在するとき、第2電力供給経路に断線故障があると判定する判定手段とを含むことを特徴とする流量制御装置。
  11. 前記流体は、内燃機関に供給される吸入空気であり、
    前記流体経路は、内燃機関に空気を供給するための吸入管路に付随し、吸入管路のうちスロットル弁の取付位置を迂回する迂回管路であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1つに記載の流量制御装置。
  12. 前記第1および第2電力供給経路の少なくとも一方に断線故障があることを表示する表示手段と、
    前記第1および第2故障判定手段の少なくとも一方で断線故障ありと判定されるとき、表示手段によって断線故障があることを表示し、さらに前記第2故障判定手段によって断線故障ありと判定されるとき、内燃機関のトルクを減少させる内燃機関制御手段とをさらに有することを特徴とする請求項11記載の流量制御装置。
  13. 内燃機関に燃料を供給するために弁体が変位する燃料噴射弁と、
    燃料噴射弁からの燃料流量を表す指示信号を導出する燃料噴射量決定手段と、
    磁気結合した一対の第1および第2コイルであって、第1コイルは弁開度が増加する方向に弁体を変位させ、第2コイルは弁開度が減少する方向に弁体を変位させる電磁石装置と、
    第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
    第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
    燃料噴射量決定手段からの指示信号に応答し、燃料流量に対応する弁開度に対応するデューティ比が相互に定められる第1および第2制御信号であって、第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段と、
    第1コイルと第1スイッチング手段との第1接続点における第1電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第1比較信号を生成する第1比較手段と、
    第1比較手段からの出力に応答し、第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む第1 電力供給経路の断線故障を判定する第1故障判定手段と、
    第2コイルと第2スイッチング手段との第2接続点における第2電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第2比較信号を生成する第2比較手段と、
    第2比較手段からの出力に応答し、第2コイルおよび第2スイッチング手段を含む第2電力供給経路の断線故障を判定する第2故障判定手段とを含み、
    前記第1故障判定手段は、
    前記第1制御信号の信号レベルの変化タイミングから、第1比較信号が一方レベルまたは他方レベルを保つ継続時間を計時する計時手段と、
    計時手段で計時される継続時間が、第1制御信号によって第1スイッチング手段が導通状態または遮断状態に保たれる保持時間と一致するとき、断線故障がないと判定し、継続時間が保持時間と一致しないとき、断線故障があると判定する判定手段とを含み、
    前記第2故障判定手段は、
    前記第2制御信号の信号レベルの変化タイミングから、第2比較信号が一方レベルまたは他方レベルを保つ継続時間を計時する計時手段と、
    計時手段で計時される継続時間が、第2制御信号によって第2スイッチング手段が導通状態または遮断状態に保たれる保持時間と一致するとき、断線故障がないと判定し、継続時間が保持時間と一致しないとき、断線故障があると判定する判定手段とを含むことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  14. 内燃機関に燃料を供給するために弁体が変位する燃料噴射弁と、
    燃料噴射弁からの燃料流量を表す指示信号を導出する燃料噴射量決定手段と、
    磁気結合した一対の第1および第2コイルであって、第1コイルは弁開度が増加する方向に弁体を変位させ、第2コイルは弁開度が減少する方向に弁体を変位させる電磁石装置と、
    第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
    第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
    燃料噴射量決定手段からの指示信号に応答し、燃料流量に対応する弁開度に対応するデューティ比が相互に定められる第1および第2制御信号であって、第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段と、
    第1コイルと第1スイッチング手段との第1接続点における第1電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第1比較信号を生成する第1比較手段と、
    第1比較手段からの出力に応答し、第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む第1電力供給経路の断線故障を判定する第1故障判定手段と、
    第2コイルと第2スイッチング手段との第2接続点における第2電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第2比較信号を生成する第2比較手段と、
    第2比較手段からの出力に応答し、第2コイルおよび第2スイッチング手段を含む第2電力供給経路の断線故障を判定する第2故障判定手段とを含み、
    前記第1故障判定手段は、
    前記第1制御信号によって第1スイッチング手段が導通状態および遮断状態のいずれか一方状態からいずれか他方状態に切換えられるタイミングから第1制御信号のデューティ比に対応して定められる遡航時間だけ遡る時点から計時される予め定める判定期間内の第1比較信号のレベル変化の有無を検出する検出手段と、
    検出手段の出力に応答し、レベル変化があるとき断線故障がないと判定し、レベル変化がないとき断線故障があると判定する判定手段とを含み、
    前記遡航時間は、前記判定期間の開始タイミングが、前記第1接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に断線故障があるときの第1比較信号のレベル変化のタイミングよりも時間軸上で遅くなるように設定され、
    前記第2故障判定手段は、
    前記第2制御信号によって第2スイッチング手段が導通状態および遮断状態のいずれか一方状態からいずれか他方状態に切換えられるタイミングから第2制御信号のデューティ比に対応して定められる遡航時間だけ遡る時点から計時される予め定める判定期間内の第2比較信号のレベル変化の有無を検出する検出手段と、
    検出手段の出力に応答し、レベル変化があるとき断線故障がないと判定し、レベル変化がないとき断線故障があると判定する判定手段とを含み、
    前記遡航時間は、前記判定期間の開始タイミングが、前記第2接続点よりも第2スイッチング手段側の経路に断線故障があるときの第2比較信号のレベル変化のタイミングよりも時間軸上で遅くなるように設定されることを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  15. 内燃機関に燃料を供給するために弁体が変位する燃料噴射弁と、
    燃料噴射弁からの燃料流量を表す指示信号を導出する燃料噴射量決定手段と、
    磁気結合した一対の第1および第2コイルであって、第1コイルは弁開度が増加する方向に弁体を変位させ、第2コイルは弁開度が減少する方向に弁体を変位させる電磁石装置と、
    第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
    第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
    燃料噴射量決定手段からの指示信号に応答し、燃料流量に対応する弁開度に対応するデューティ比が相互に定められる第1および第2制御信号であって、第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段と、
    第1コイルと第1スイッチング手段との第1接続点における第1電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第1比較信号を生成する第1比較手段と、
    第1比較手段からの出力に応答し、第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む第1電力供給経路の断線故障を判定する第1故障判定手段と、
    第2コイルと第2スイッチング手段との第2接続点における第2電気信号の信号レベルが、予め定める弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保ち、前記弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ第2比較信号を生成する第2比較手段と、
    第2比較手段からの出力に応答し、第2コイルおよび第2スイッチング手段を含む第2電力供給経路の断線故障を判定する第2故障判定手段とを含み、
    前記第1故障判定手段は、
    予め定める検査期間、前記第1スイッチング手段を導通状態に保つ強制手段と、
    検査期間内の第1比較信号のレベル変化の有無を検出する検出手段と、
    検出手段の出力に応答し、レベル変化がないとき、前記第1接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に断線故障がないと判定し、レベル変化があるとき、前記第1接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に断線故障があると判定する判定手段とを含み、
    前記第2故障判定手段は、
    予め定める検査期間、前記第2スイッチング手段を導通状態に保つ強制手段と、
    検査期間内の第2比較信号のレベル変化の有無を検出する検出手段と、
    検出手段の出力に応答し、レベル変化がないとき、前記第2接続点よりも第2スイッチング手段側の経路に断線故障がないと判定し、レベル変化があるとき、前記第2接続点よりも第2スイッチング手段側の経路に断線故障があると判定する判定手段とを含むことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  16. 内燃機関に燃料を供給するために弁体が変位する燃料噴射弁と、
    燃料噴射弁からの燃料流量を表す指示信号を導出する燃料噴射量決定手段と、
    磁気結合した一対の第1および第2コイルであって、第1コイルは弁開度が増加する方向に弁体を変位させ、第2コイルは弁開度が減少する方向に弁体を変位させる電磁石装置と、
    第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1スイッチング手段と、
    第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段と、
    燃料噴射量決定手段からの指示信号に応答し、燃料流量に対応する弁開度に対応するデューティ比が相互に定められる第1および第2制御信号であって、第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するように、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御する信号発生手段と、
    第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む第1電力供給経路の断線故障を判定する第1故障判定手段と、
    第2コイルおよび第2スイッチング手段を含む第2電力供給経路の断線故障を判定する第2故障判定手段とを含み、
    前記第1故障判定手段は、
    予め定める検査期間、前記第1スイッチング手段を導通状態に保つ強制手段と、
    検査期間内に、第1コイルと第1スイッチング手段との第1接続点における第1電気信号の信号レベルが予め定める弁別レベル以上を常に保つとき、第1電力供給経路に断線故障がないと判定し、検査期間内に前記第1電気信号の信号レベルが前記弁別レベル未満になる期間が存在するとき、第1電力供給経路に断線故障があると判定する判定手段とを含み、
    前記第2故障判定手段は、
    予め定める検査期間、前記第2スイッチング手段を導通状態に保つ強制手段と、
    検査期間内に、第2コイルと第2スイッチング手段との第2接続点における第2電気信号の信号レベルが予め定める弁別レベル以上を常に保つとき、第2電力供給経路に断線故障がないと判定し、検査期間内に前記第2電気信号の信号レベルが前記弁別レベル未満になる期間が存在するとき、第2電力供給経路に断線故障があると判定する判定手段とを含むことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
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