JP3877441B2 - ポリウレタン溶液およびポリウレタン成形物 - Google Patents

ポリウレタン溶液およびポリウレタン成形物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリウレタン溶液、およびポリウレタン成形物の製造方法に関する。詳しくは、水酸基性活性水素を2個有する分子量250〜4000の直鎖状分子ジオール(以下、ポリオキシアルキレンジオールと称する)、鎖延長剤、有機ジイソシアナートの反応を行うことによって、物性の優れたポリウレタン成形物を安価に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、実質的に橋かけ構造を有しないポリウレタン成形物(以下、ポリウレタンと称する)から弾性繊維、弾性フィルム、エラストマー状の各種成形品、人工皮革の表面膜や各種塗料などの表面被覆物、含浸剤などに優れたゴム状弾性を有する種々の物品が製造されている。また、これらの物品は、天然ゴムと比べて機械強度が大きく、更に耐久性にも優れているという特徴をもっている。このポリウレタンは、有機ジイソシアナートと比較的高分子のジオール、鎖延長剤とを極性溶媒中、或いは無溶剤中において反応させることにより製造され、その後、溶媒を除去すること、あるいは融解することにより成形物が製造されている。
【0003】
従来、これらのポリウレタン製造に用いられるポリオキシアルキレンジオールとしては、一般的な製造法ではカチオン重合で製造されるポリテトラメチレングリコールが用いられているが、これらのポリオキシアルキレンジオールは、カチオン重合で製造されるため分子量分布が比較的広く、物性が向上しないという欠点がある。そこで、分子量分布が広いという欠点を改善するために蒸留等の精製工程を行うことが一般的に行われている。即ち、このポリテトラメチレングリコールは原料、製造工程、精製工程にコストがかかり、結果として比較的高価な化学原料となっている。
【0004】
一方、比較的分子量分布が揃っており、安価な化学原料としてアニオン重合で製造されるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコールが知られているが、一般的な製造法では、アルカリ金属水酸化物が触媒として用いられている。
一般的には、上記の触媒の存在下に、通常用いる開始剤とアルキレンオキシド化合物として最も広く使用されているプロピレンオキシドを用いる場合、KOH触媒ではポリオキシアルキレンポリオールの分子量の増加と共に分子片末端に不飽和基を有するモノオールが副生成物として生成することが知られている。このモノオールは、主反応により生成するポリオキシアルキレンポリオールと比較して低分子量であるため、ポリオキシアルキレンポリオールの分子量分布を大幅に広げ、平均官能基数を低下させる、という欠点を持っている。
従って、モノオール含有量の高いポリオキシアルキレンポリオールを使用した場合、ヒステリシスの増大、硬度の低下、伸長性の低下等、諸物性の低下を招く原因となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この不飽和基を有する水酸基性官能基を1個しか有しないモノオールの生成量は、ポリオールの分子量が増加すると共に増大し、ポリウレタン製造に用いられる程度の水酸基価においては無視出来ない程度の量に増大し、結果としてポリマーの分子量が大きくならず、物性を低下させる要因となっている。特に水酸基価60以下のポリオールにおいては、副生物として前記不飽和モノオールを含んでおり、これらは上記したように、ポリウレタンの物性、即ち、引張強度、伸び、弾性率等を低下させる要因となっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題点を改良すべく鋭意研究した結果、ポリアルキレンジオールとして、水酸基価OHV(mgKOH/g)が5〜60であり、且つ総不飽和度USV(meq/g)が下記式(3)[化13]
【0007】
【化13】
USV≦1.2/OHV (3)
を満足するポリオキシアルキレンジオールを使用することにより、その原料であるポリオキシアルキレンジオールの不飽和モノオールの含有量を低減させることによって、得られるポリウレタンの物性を向上しうることを見い出した。
さらに、本発明者らは、ポリオキシアルキレンジオールとして、ホスファゼニウム化合物の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させて製造されたポリオキシアルキレンジオールを含有するものであると、原料中のポリオキシアルキレンジオールの不飽和モノオールの含有量を低減させることができるので、得られるポリウレタンの物性を向上しうることを見い出し、さらにコストを低減させることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、以下の(1)〜(8)を提供するものである。
(1) 水酸基性活性水素を2個有する分子量250〜4000の直鎖状分子、鎖延長剤、有機ジイソシアナートを極性溶媒中で反応させて得られるポリウレタン溶液であって、該水酸基性活性水素を2個有する分子量250〜4000の直鎖状分子が、下記一般式(1)[化14]、又は一般式(2)[化15]
【0009】
【化14】
Figure 0003877441
【0010】
【化15】
Figure 0003877441
(但し、一般式(1)中のa、b、およびcまたは一般式(2)中のd、e、fおよびgはそれぞれ0または3以下の正の整数であるが、全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の、炭素原子数1ないし10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。xはホスファゼニウムカチオンの数を表し、Zx-は活性水素化合物のx価のアニオンを表す。)
で表されるホスファゼニウム化合物の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させて製造するポリオキシアルキレンジオールを必須成分として含有することを特徴とするポリウレタン溶液。
【0011】
(2) 水酸基性活性水素を2個有する分子量250〜4000の直鎖状分子、鎖延長剤、有機ジイソシアナートを極性溶媒中で反応させて得られるポリウレタン溶液であって、該水酸基性活性水素を2個有する分子量250〜4000の直鎖状分子が、水酸基価OHV(mgKOH/g)が5〜60であり、且つ総不飽和度USV(meq/g)が下記式(3)[化16]
【0012】
【化16】
USV≦1.2/OHV (3)
を満足するポリオキシアルキレンジオールを必須成分として含有することを特徴とするポリウレタン溶液。
【0013】
(3) 水酸基性活性水素を2個有する分子量250〜4000の直鎖状分子、鎖延長剤、有機ジイソシアナートを極性溶媒中で反応させて得られるポリウレタン溶液であって、該水酸基性活性水素を2個有する分子量250〜4000の直鎖状分子が、下記一般式(1)[化17]、又は一般式(2)[化18]
【0014】
【化17】
Figure 0003877441
【0015】
【化18】
Figure 0003877441
(但し、一般式(1)中のa、b、およびcまたは一般式(2)中のd、e、fおよびgはそれぞれ0または3以下の正の整数であるが、全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の、炭素原子数1ないし10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。xはホスファゼニウムカチオンの数を表し、Zx-は活性水素化合物のx価のアニオンを表す。)
で表されるホスファゼニウム化合物の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させて製造するポリオキシアルキレンジオールであり、該ポリオキシアルキレンジオールの水酸基価OHV(mgKOH/g)が5〜60であり、且つ総不飽和度USV(meq/g)が下記式(3)[化19]
【0016】
【化19】
USV≦1.2/OHV (3)
を満足するポリオキシアルキレンジオールを必須成分として含有することを特徴とするポリウレタン溶液。
【0017】
(4) (1)〜(3)のいずれかに記載のポリウレタン溶液から、極性溶媒を除去して得られるポリウレタン成形物。
【0018】
(5) 水酸基性活性水素を2個有する分子量250〜4000の直鎖状分子、鎖延長剤、有機ジイソシアナートを反応させて得られるポリウレタン弾性体であって、該水酸基性活性水素を2個有する分子量250〜4000の直鎖状分子が、下記一般式(1)[化20]、又は一般式(2)[化21]
【0019】
【化20】
Figure 0003877441
【0020】
【化21】
Figure 0003877441
(但し、一般式(1)中のa、b、およびcまたは一般式(2)中のd、e、fおよびgはそれぞれ0または3以下の正の整数であるが、全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の、炭素原子数1ないし10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。xはホスファゼニウムカチオンの数を表し、Zx-は活性水素化合物のx価のアニオンを表す。)
で表されるホスファゼニウム化合物の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させて製造するポリオキシアルキレンジオールを必須成分として含有することを特徴とするポリウレタン弾性体。
【0021】
(6) 水酸基性活性水素を2個有する分子量250〜4000の直鎖状分子、鎖延長剤、有機ジイソシアナートを反応させて得られるポリウレタン弾性体であって、該水酸基性活性水素を2個有する分子量250〜4000の直鎖状分子が、水酸基価OHV(mgKOH/g)が5〜60であり、且つ総不飽和度USV(meq/g)が下記式(3)[化22]
【0022】
【化22】
USV≦1.2/OHV (3)
を満足するポリオキシアルキレンジオールを必須成分として含有することを特徴とするポリウレタン弾性体。
【0023】
(7) 水酸基性活性水素を2個有する分子量250〜4000の直鎖状分子、鎖延長剤、有機ジイソシアナートを反応させて得られるポリウレタン弾性体であって、該水酸基性活性水素を2個有する分子量250〜4000の直鎖状分子が、下記一般式(1)[化23]、又は一般式(2)[化24]
【0024】
【化23】
Figure 0003877441
【0025】
【化24】
Figure 0003877441
(但し、一般式(1)中のa、b、およびcまたは一般式(2)中のd、e、fおよびgはそれぞれ0または3以下の正の整数であるが、全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の、炭素原子数1ないし10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。xはホスファゼニウムカチオンの数を表し、Zx-は活性水素化合物のx価のアニオンを表す。)
で表されるホスファゼニウム化合物の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させて製造するポリオキシアルキレンジオールであり、該ポリオキシアルキレンジオールの水酸基価OHV(mgKOH/g)が5〜60であり、且つ総不飽和度USV(meq/g)が下記式(3)[化25]
【0026】
【化25】
USV≦1.2/OHV (3)
を満足するポリオキシアルキレンジオールを必須成分として含有することを特徴とするポリウレタン弾性体。
【0027】
(8) (5)〜(7)のいずれかに記載のポリウレタン弾性体を、加熱・溶融し、成形して得られるポリウレタン成形物。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0029】
本発明方法において使用する有機ジイソシアナートは、通常、ポリウレタン化学で使用される有機ジイソシアナートを用いることができる。例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアナート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート、ナフチレンジイソシアナート、または、これらの混合物が挙げられる。好ましく用いられるのは、成形物の物性等の理由から、2,4’、2、2’−ジフェニルメタンジイソシアナートを含む4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート(以下MDIと称する)である。
なお、MDIは固形で入手しても良いし、溶融状態で入手して使用しても良いが溶融状態のMDIの方が溶解作業を省けるので好ましい。
【0030】
本発明方法において使用する水酸基性活性水素を2個有する分子量250〜4000の直鎖状分子としては、より具体的にはポリオキシアルキレンジオールであり、その分子量が250未満では弾性性能が悪く、4000を超えると不飽和基を有する水酸基性官能基を1個しか有しないモノオールの生成量が無視出来ない程度まで増えることから好ましくない。従って、特に以下に詳述するポリオキシアルキレンポリオールからなるジオールを含有することが必須である。
【0031】
即ち、一般式(1)、又は一般式(2)で表されるホスファゼニウム化合物の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させて製造するポリオキシアルキレンポリオールであるか、または該ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価OHV(mgKOH/g)が5〜60であり、且つ総不飽和度USV(meq/g)が下記式(3)[化26]を満足するポリオキシアルキレンポリオールである。
【0032】
【化26】
USV≦1.2/OHV (3)
ここで、ポリオキシアルキレンポリオール中の総不飽和度(C=C)とは、ポリオキシアルキレンポリオールを合成する際に、主としてプロピレンオキサイドの副反応により生成する分子末端に不飽和基を有するモノオール量の指標となるものである。上記モノオールは、主反応により生成するポリオキシアルキレンポリオールと比較して低分子量であるため、ポリオキシアルキレンポリオールの分子量分布を大幅に広げ、平均官能基数を低下させる。従って、モノオール含有量の高いポリオキシアルキレンポリオールを使用すると、ヒステリシスの増大、硬度の低下、伸長性の低下等、諸物性の低下を招く原因となる。従って、モノオール(C=C)は、できれば全くないことが好ましいが、可能な限り少量とする必要がある。
【0033】
上記したポリオキシアルキレンポリオールは、例えば特公昭44−551号公報に記載されているようなZn3[Co(CN)62の如き金属シアン化物錯体、特開平7−278289号公報に記載されているような水酸化セシウム、或いはホスファゼニウム化合物等を触媒に用いて、活性水素化合物にアルキレンオキシドを付加させて得られる。
【0034】
特に、ホスファゼニウム化合物を触媒として使用した場合には、ポリウレタンエラストマーの物性等に悪影響を与える金属成分等が、生成したポリオキシアルキレンポリオール中に残存しない為、より好ましい。尚、通常用いられているKOH等の触媒を用いた場合には、総不飽和度が高くなる為、好ましくない。
【0035】
ここで、本発明において使用するホスファゼニウム化合物を触媒に用いて得られるポリオキシアルキレンポリオールとは、一般式(1)、又は一般式(2)で表されるホスファゼニウム化合物の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させて製造するポリオールである。
【0036】
本発明における該ホスファゼニウム化合物とは、下記一般式(1)[化27]、又は一般式(2)[化28]で表される構造を有するホスファゼニウムカチオンと活性水素化合物アニオンとの塩であり、該ホスファゼニウムカチオンはその電荷が中心の燐原子上に極在する極限構造式で代表しているが、これ以外に無数の極限構造式が描かれ、実際にはその電荷は全体に非極在化している。
【0037】
【化27】
Figure 0003877441
【0038】
【化28】
Figure 0003877441
(但し、一般式(1)中のa、b、およびcまたは一般式(2)中のd、e、fおよびgはそれぞれ0または3以下の正の整数であるが、全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の、炭素原子数1ないし10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。xはホスファゼニウムカチオンの数を表し、Zx-は活性水素化合物のx価のアニオンを表す。)
【0039】
一般式(1)で表されるホスファゼニウム化合物中のa、bおよびcは、それぞれ0又は3以下の正の整数であり、好ましくは0又は2以下の正の整数である。より好ましくは、a、bおよびcの順序に関わらず、(2、1、1)、(1、1、1)、(0、1、1)又は(0、0、1)の組み合わせの中の数である。一般式(2)で表されるホスファゼニウム化合物中のd、e、fおよびgは、それぞれ0または3以下の正の整数であり、好ましくは0又は2以下の正の整数である。より好ましくはd、e、fおよびgの順序に関わらず、(2、1、1、1)、(1、1、1、1)、(0、1、1、1)、(0、0、1、1)又は(0、0、0、1)の組み合わせの中の数である。さらに好ましくは、(1、1、1、1)、(0、1、1、1)、(0、0、1、1)又は(0、0、0、1)の組み合わせの中の数である。
【0040】
一般式(1)又は一般式(2)で表されるホスファゼニウム化合物中のRは同種又は異種の、炭素原子数1ないし10個の脂肪族又は芳香族の炭化水素基であり、具体的には、このRは、例えばメチル、エチル、ノルマル−プロピル、イソプロピル、アリル、ノルマル−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、2−ブテニル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、イソペンチル、tert−ペンチル、3−メチル−2−ブチル、ネオペンチル、ノルマル−ヘキシル、4−メチル−2−ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ヘプチル、3−ヘプチル、1−オクチル、2−オクチル、2−エチル−1−ヘキシル、1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル(通称、tert−オクチル)、ノニル、デシル、フェニル、4−トルイル、ベンジル、1−フェニルエチルまたは2−フェニルエチル等の脂肪族又は芳香族の炭化水素基から選ばれる。これらのうち、メチル、エチル、ノルマル−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、tert−ペンチルもしくは1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル等の炭素数1ないし10個の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
【0041】
又、一般式(1)又は一般式(2)で表されるホスファゼニウム化合物中の同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合の該窒素原子上の二価の基(R−R)は、炭素原子数4ないし6の主鎖を有する二価の炭化水素基であり(環は窒素原子を含んだ5ないし7員環となる)、例えばテトラメチレン、ペンタメチレン又はヘキサメチレン等であり、それらの主鎖にメチル又はエチル等のアルキル基が置換したものである。好ましくは、テトラメチレン又はペンタメチレンである。ホスファゼニウムカチオン中の、可能な全ての窒素原子についてこのような環構造をとっていても構わないし、一部であってもよい。
【0042】
一般式(1)又は一般式(2)で表されるホスファゼニウム化合物中のxは活性水素化合物の種類により一様ではないが、通常1ないし8であり、好ましくは1である。
【0043】
一般式(1)又は一般式(2)で表されるホスファゼニウム化合物は、例えば、一般式(1)又は一般式(2)中のホスファゼニウムカチオンと無機アニオンとの塩および活性水素化合物のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩を反応させる方法、又は一般式(1)又は一般式(2)中のホスファゼニウムカチオンと別種の活性水素化合物のアニオンとの塩および活性水素化合物を反応させる方法などにより得ることができる。
【0044】
又、一般式(1)で表されるホスファゼニウム化合物は、例えば下記一般式(4)[化29]
【0045】
【化29】
Figure 0003877441
(但し、式中、a、bおよびcはそれぞれ0または3以下の正の整数であるが、全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の、炭素原子数1ないし10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。)で表されるホスファゼン化合物と活性水素化合物を反応させることによっても合成できる。
【0046】
その他、一般式(1)又は一般式(2)で表されるホスファゼニウム化合物を得る方法であれば如何なる方法でも構わない。
【0047】
本発明における活性水素化合物とは、酸素原子上に活性水素原子を有する化合物であり、例えば水であり、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、フェニル酢酸、ジヒドロ桂皮酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、パラメチル安息香酸または2−カルボキシナフタレン等の炭素数1ないし20個のカルボン酸であり、例えば蓚酸、マロン酸、こはく酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、イタコン酸、ブタンテトラカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸またはピロメリット酸等の炭素数2ないし20個の2ないし6個のカルボキシル基を有する多価カルボン酸類であり、例えばN,N−ジエチルカルバミン酸、N−カルボキシピロリドン、N−カルボキシアニリン、N,N’−ジカルボキシ−2,4−トルエンジアミン等のカルバミン酸類であり、例えばメタノール、エタノール、ノルマル−プロパノール、イソプロパノール、ノルマル−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、ノルマル−オクチルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、アリルアルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノール、ベンジルアルコール、1−フェニルエチルアルコール、トリフェニルカルビノールまたはシンナミルアルコール等の炭素数1ないし20個のアルコール類であり、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトールまたはジペンタエリスリトール等の炭素数2ないし20個の2ないし8個の水酸基を有する多価アルコール類であり、例えばグルコース、ソルビトール、デキストロース、フラクトースまたはシュクロース等の糖類またはその誘導体であり、例えばフェノール、2−ナフトール、2,6−ジヒドロキシナフタレンまたはビスフェノールA等の炭素数6ないし20個の1ないし3個の水酸基を有する芳香族化合物類であり、例えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはそれらのコポリマー等であって2ないし8個の末端を有しその末端に1ないし8個の水酸基を有するポリアルキレンオキシド類である。
【0048】
また更に、本発明における活性水素化合物とは、窒素原子上に活性水素原子を有する化合物であり、例えばメチルアミン、エチルアミン、ノルマル−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ノルマル−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、β-フェニルエチルアミン、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジンまたはp−トルイジン等の炭素数1ないし20個の脂肪族または芳香族一級アミン類であり、例えばジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、ジ−ノルマル−プロピルアミン、エチル−ノルマル−ブチルアミン、メチル−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルアニリンまたはジフェニルアミン等の炭素数2ないし20個の脂肪族または芳香族二級アミン類であり、例えばエチレンジアミン、ジ(2−アミノエチル)アミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、トリ(2−アミノエチル)アミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミンまたはジ(2−メチルアミノエチル)アミン等の炭素数2ないし20個の2ないし3個の一級もしくは二級アミノ基を有する多価アミン類であり、例えばピロリジン、ピペリジン、モルホリンまたは1,2,3,4−テトラヒドロキノリン等の炭素数4ないし20個の飽和環状二級アミン類であり、3−ピロリン、ピロール、インドール、カルバゾール、イミダゾール、ピラゾールまたはプリン等の炭素数4ないし20個の不飽和環状二級アミン類であり、例えばピペラジン、ピラジンまたは1,4,7−トリアザシクロノナン等の炭素数4ないし20個の2ないし3個の二級アミノ基を含む環状の多価アミン類であり、例えばアセトアミド、プロピオンアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチル安息香酸アミドまたはN−エチルステアリン酸アミド等の炭素数2ないし20個の無置換またはN−一置換の酸アミド類であり、例えば2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等の5ないし7員環の環状アミド類であり、例えばこはく酸イミド、マレイン酸イミドまたはフタルイミド等の炭素数4ないし10個のジカルボン酸のイミド類である。
【0049】
これらの活性水素化合物のうち、好ましくは、水であり、例えばメタノール、エタノール、ノルマル−プロパノール、イソプロパノール、ノルマル−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、ノルマル−オクチルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、アリルアルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノール、ベンジルアルコール、1−フェニルエチルアルコール、トリフェニルカルビノールまたはシンナミルアルコール等の炭素数1ないし20個のアルコール類であり、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトールまたはジペンタエリスリトール等の炭素数2ないし20個の2ないし8個の水酸基を有する多価アルコール類であり、例えばグルコース、ソルビトール、デキストロース、フラクトースまたはシュクロース等の糖類またはその誘導体であり、例えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはそれらのコポリマー等であって2ないし8個の末端を有しその末端に1ないし8個の水酸基を有する分子量100ないし50,000のポリアルキレンオキシド類であり、例えばエチレンジアミン、ジ(2−アミノエチル)アミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、トリ(2−アミノエチル)アミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミンまたはジ(2−メチルアミノエチル)アミン等の炭素数2ないし20個の2ないし3個の一級もしくは二級アミノ基を有する多価アミン類であり、例えばピロリジン、ピペリジン、モルホリンまたは1,2,3,4−テトラヒドロキノリン等の炭素数4ないし20個の飽和環状二級アミン類であり、例えばピペラジン、ピラジンまたは1,4,7−トリアザシクロノナン等の炭素数4ないし20個の2ないし3個の二級アミノ基を含む環状の多価アミン類である。
【0050】
これらの活性水素化合物のうち、より好ましくは、水であり、例えばメタノール、エタノール、ノルマル−プロパノール、イソプロパノール、ノルマル−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、ノルマル−オクチルアルコール等の炭素数1ないし10個のアルコール類であり、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、もしくはペンタエリスリトール等の炭素数2ないし10個の2ないし4個の水酸基を有する多価アルコール類であり、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドもしくはそれらのコポリマー等であって2ないし6個の末端を有しその末端に2ないし6個の水酸基を有する分子量100ないし10,000のポリアルキレンオキシド類であり、例えばN,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミンまたはジ(2−メチルアミノエチル)アミン等の炭素数2ないし20個の2ないし3個の二級アミノ基を有する多価アミン類であり、例えばピペラジン、ピラジンまたは1,4,7−トリアザシクロノナン等の炭素数4ないし20個の2ないし3個の二級アミノ基を含む環状の多価アミン類である。
【0051】
これらの活性水素化合物のうち、さらに好ましくは、水であり、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、もしくはペンタエリスリトール等の炭素数2ないし10個の2ないし4個の水酸基を有する多価アルコール類であり、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドもしくはそれらのコポリマー等であって2ないし6個の末端を有しその末端に2ないし6個の水酸基を有する分子量100ないし10,000のポリアルキレンオキシド類である。
【0052】
本発明におけるアルキレンオキシド化合物としては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルまたはフェニルグリシジルエーテル等のエポキシ化合物である。これらは2種以上を併用してもよい。併用する場合には、複数のアルキレンオキシド化合物を同時に併用する方法、順次に併用する方法または順次を繰り返して行なう方法などが取り得る。
これらのアルキレンオキシド化合物のうち、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシドまたはスチレンオキシドが好ましく、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドはより好ましい。
【0053】
アルキレンオキシド化合物の重合反応に供する、ホスファゼニウム化合物の使用量は、特に制限はないが、アルキレンオキシド化合物1モルに対して、通常1×10-15〜5×10-1モル、好ましくは1×10-7〜1×10-2モルの範囲である。
【0054】
また、重合反応の反応温度は、使用するアルキレンオキシド化合物やその他の成分の種類や量により一様ではないが、通常150℃以下であり、好ましくは10〜130℃、より好ましくは50〜120℃の範囲である。また反応時の圧力は、用いるアルキレンオキシド化合物やその他の成分の種類もしくは量または重合温度に依存して一様ではないが、通常重合反応時の圧力として30kg/cm2(絶対圧、以下同様)以下であり、好ましくは0.1〜15kg/cm2、より好ましくは1〜10kg/cm2の範囲である。
【0055】
本発明の方法においては、ポリオキシアルキレンジオールを使用することから、上記の合成に使用する開始剤のうち、酸素原子上に活性水素原子を有する活性水素化合物としては、例えば水であり、例えば蓚酸、マロン酸、こはく酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、イタコン酸酸、ブタンテトラカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸またはピロメリット酸等の炭素数2ないし20個の2ないし6個のカルボキシル基を有する多価カルボン酸類であり、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の2個の水酸基を有する多価アルコール類であり、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエステルグリコールまたはそれらのコポリマー等であって2個の末端を有しその末端に1ないし8個の水酸基を有するグリコール類であることが好ましい。
【0056】
また、本発明の方法においては、ポリオキシアルキレンジオールを使用することから、上記の合成に使用する開始剤のうち、窒素原子上に活性水素原子を有する活性水素化合物とは、例えばメチルアミン、エチルアミン、ノルマル−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ノルマル−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、β-フェニルエチルアミン、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジンまたはp−トルイジン等の炭素数1ないし20個の脂肪族または芳香族一級アミン類であることが好ましい。
【0057】
また、本発明において使用する水酸基性活性水素を2個有する分子量250〜4000の直鎖状分子としては、上記に説明したポリオキシアルキレンジオール以外のものとしては、例えば、ポリエーテルグリコール、ポリエステルグリコール、又はこれらの共重合体、混合物等が挙げられる。
適当なポリエーテルグリコールとしては、主なものはポリアルキレンエーテル、例えばポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等である。また、これらを製造する際に用いる単量体の混合物より製造されたランダム共重合体、製造方法を変えたブロック共重合体も用いることが出来る。
ポリエステルグリコールは公知のように、2塩基酸と低分子グリコールとの重縮合により得られる。2塩基酸としてはコハク酸、アジピン酸、スペリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、アゼライン酸等が用いられ、また、低分子グリコールとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール等が使用できる。
【0058】
本発明において使用する溶媒としては、ポリウレタン化学では公知のN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−ホルミルピペリジン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N−メチル−α−ピロリドン、N−メチル−α−ピペリドン、N−メチルカプロラクタム等のN置換アミド類、N−テトラメチルウレア、N−アセチル−α−ピロリドン、N−アセチル−α−ピペリドン、N−アセチルカプロラクタムなどのN置換ウレア類、N−テトラメチルチオウレアなどのN置換チオウレア類、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジイソプロピルスルホキシド、ジ−n−プロピルスルホキシド、ジイソブチルスルホキシド、ジ−n−ブチルスルホキシドなどのスルホキソド類、及び、ヘキサメチルホスホリルアミド、ヘキサエチルホスホリルアミドなどのN置換ホスホリルアミド類が挙げられる。
【0059】
また、溶媒中の水分は有機ジイソシアナートと反応するため、蒸留あるいはモレキュラ−シ−ブズ等の脱水剤を用いて脱水、精製することが望ましい。
【0060】
本発明において使用する鎖延長剤は、イソシアナート基と反応できる第1級または第2級のアミノ基、水酸基を2個あるいはそれ以上有するものであれば良く、ジアミン、低分子ジオール、アルカノールアミン、トリオール、テトラオール等を用いる事ができる。また、分子量調節のための末端停止剤として、イソシナート基と反応出来る第1級又は第2級のアミノ基、水酸基を1個有するモノアミン、モノオールも併用・使用出来る。
ジアミンは、末端イソシアナートプレポリマーと鎖延長するものであり、分子中にイソシアナート基と反応できる1級または2級のアミノ基を2個有するものであれば良いが、鎖延長剤としては、例えば、エチレンジアミン、ヒドラジン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、N−メチルトリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、m−トリレンジアミン、p−トリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジアミン、ピペラジン、1,4−シクロヘキシルジアミンなどの無機あるいは有機のジアミン類が用いられる他、アミド基を分子中に2個有する化合物や尿素およびその誘導体も使用可能である。
モノアミンは、分子中にイソシアナート基と反応できるアミノ基を1個有するものであり、例えば、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ピペリジン、アニリンなどが使用できる。
低分子ジオールはイソシアナートと反応出来る1級または2級の水酸基を2個有するものであり、分子量が200以下の比較的低分子のものが用いられる。例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のポリウレタンで公知の化合物が挙げられる。
アルカノールアミンとしては例えば、エタノールアミン、プロパノールアミン、イソプロパノールアミン等が挙げられる。
【0061】
本発明におけるポリウレタンの製造方法としては、
1)極性溶媒中で、ポリオキシアルキレンジオールと有機ジイソシアナートのプレポリマーと、鎖延長剤とを反応させてポリウレタン溶液を製造し、その後、極性溶媒を蒸発させて得る2段合成法、
2)極性溶媒中で、有機ジイソシアナート、ポリオキシアルキレンジオール、鎖延長剤とを反応させてポリウレタン溶液を製造し、その後、極性溶媒を蒸発させて得る1段合成法、
3)ポリオキシアルキレンジオールと有機ジイソシアナートのプレポリマーと鎖延長剤を無溶媒で反応させ、ポリウレタン弾性体を製造した後にこれを加熱・溶融等により成形して得る無溶剤合成法、
が使用出来る。
【0062】
本発明における2段合成法のポリウレタン溶液の製造の第1工程としては、ポリオキシアルキレンジオールに対し当量比で過剰量の有機ジイソシアナートを反応させて末端イソシナートプレポリマーを製造する。
有機ジイソシアナートとポリオキシアルキレンジオールとの当量比は1.1〜2.4が好ましく、さらに好ましくは1.4〜2.0である。当量比が1.0、すなわち等当量の時はこの第1工程で分子量が実質上無限大になり、その後の製造が不可能になる恐れがあるので好ましくなく、また、当量比が2.4を超えると反応しない有機ジイソシアナートが末端イソシアナートプレポリマー中に大量に存在することからその後の鎖延長反応時に溶液が不透明になる、不溶成分が大量に生成する、粘度が急上昇して撹拌羽根に絡み付く等の事態を引き起こす原因になるため好ましくない。
【0063】
第1工程の装入順序は有機ジイソシアナートとポリオキシアルキレンジオールを一括あるいは反応が進行する時間よりも十分に短い時間であればどちらにどちらを装入して反応させてもかまわないが、有機ジイソシアナートをポリオキシアルキレンジオールに少量ずつ滴下、あるいは定量ポンプ等で連続装入する場合、あまり長い時間をかけて装入するとやはり分子量が実質上無限大になるため注意を要する。
第1工程の反応温度は好ましくは30〜120℃、さらに好ましくは50〜80℃であり、30℃より反応温度が低いと反応時間が延びてしまい、工業的に好ましくなく、また、120℃より反応温度が高いとアロハネート結合等が生成する等副反応が大量に起こり、粘度の上昇、ゲル化などを起こす原因となるため好ましくない。
【0064】
第2工程の鎖延長反応は、極性溶媒中に第1工程で得られた末端イソシアナートプレポリマーを溶解した末端イソシアナートプレポリマーの溶液に、イソシアナート基の当量より少ないイソシナート基と反応可能な2官能、あるいはそれ以上の官能基を有する化合物(以下、鎖延長剤と称する)、例えばジアミン溶液を装入して反応後、イソシナート基と反応可能な1官能性化合物(以下、末端停止剤と称する)、例えばモノアミンを装入して反応を終了させても良く、また、始めから鎖延長剤/末端停止剤混合溶液、例えばジアミン/モノアミン混合溶液を装入して反応させ、最後に末端停止剤溶液、例えばモノアミン溶液を装入して反応を終了させても良く、さらに、始めから過剰量の鎖延長剤/末端停止剤混合溶液、例えばジアミン/モノアミンの混合溶液を挿入して反応させても良い。また、逆に鎖延長剤、末端停止剤の溶液に末端イソシアナートプレポリマーを装入し、反応させても良い。なお、増粘が停止したら、加温しても良い。
【0065】
第2工程の反応温度は、鎖延長剤にジアミンを使用する際には、イソシアナート基とアミノ基の反応が速いため、室温以下、好ましくは15℃以下で反応を行うことが望ましい。必要があれば、氷冷等の措置を行っても良い。鎖延長剤に水酸基を2個以上有する化合物を使用する際には、10〜100℃、好ましくは30〜80℃で反応を行うことが望ましい。
【0066】
本発明方法における1段合成法は、ポリオキシアルキレンジオール、鎖延長剤、極性溶媒を混合した後、有機ジイソシアナートを滴下、あるいは一括で挿入して反応を行わせ、ポリウレタン溶液を製造する。この際、ポリオキシアルキレンジオール、水酸基性鎖延長剤の水酸基の当量の和と有機ジイソシアナートの当量の比は、1.1〜0.9が好ましく、ポリウレタンの分子量を考慮してさらに好ましくは1.03〜0.97である。
反応温度は、水酸基とイソシアナートの反応が温和に進行する温度であれば良いが、通常10〜100℃、好ましくは30〜100℃、より好ましくは50〜80℃で反応を行うことが望ましい。
【0067】
本発明方法における無溶媒合成法は、2段合成法の第1工程と同様に得られた末端イソシアナートプレポリマーと、鎖延長剤を反応器に装入し、撹拌を行いながら反応を行わせ製造する。反応器としては、回分式、連続式の反応器が使用出来る。反応温度は100〜300℃、好ましくは150〜250℃である。
【0068】
本発明の方法によれば、紡糸用原液、フィルムあるいは成型用の溶液等に好適に使用できるポリマー濃度10%〜60%のポリウレタン溶液を製造できる。
ここで、ポリマー濃度とは、ポリウレタン溶液から極性溶媒を除去して得られるポリマーの重量をポリウレタン溶液の重量で割った値であり、不揮発分とも呼ばれる。
【0069】
本発明の方法においては、公知の添加剤、たとえば、染料、顔料、酸化防止剤、つや消し剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等を必要に応じて得られたポリウレタン溶液に添加することも出来る。
【0070】
本発明の方法においてポリウレタン溶液より成形物を製造する際に溶媒を除去する方法としては、ポリウレタン溶液を水、あるいは水/有機溶剤混合系に入れ、溶解することにより溶媒を除去する方法でもよく、また、ポリウレタン溶液を高温中、真空中に入れ蒸発により溶媒を除去する方法でも良い。
【0071】
本発明の方法における成形物の形状は成形法により、フィルム、シート、糸状体等にすることができる。
【0072】
【実施例】
つぎに、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、これらの実施例は本発明を何等限定するものではない。例中特に断らない限りすべての部および比率は重量基準による。実施例及び比較例の結果は表1〜2に示した。
【0073】
実施例、比較例の物性測定は、下記の方法及び装置によって求めた。
▲1▼フィルムの物性測定:
フィルムの引っ張り強度、伸度は、25℃においてテンシロンにより測定した。(伸長速度は、毎分300mm毎分)
▲2▼応力緩和率:
応力緩和率は、以下の手順にしたがって算出する。試験片を300%伸長後、1分間放置し、ついで元の位置に戻して3分間放置する。これをくり返し、5回目の1分間放置後の応力と1回目の300%伸長時の応力の比を以下の計算式により計算する(JIS L−1096を応用した)。
【0074】
応力緩和率=100×(T−T’)/T
(T:1回目300%伸長時の応力、T’:5回目1分間放置後の応力)
【0075】
参考例1
攪拌装置、窒素導入管および温度計を装備した1Lのナスフラスコにジプロピレングリコール245.4g(1.83mol)を秤り取り、これにジメチルアミノトリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシド{[(Me2N)3P=N]3(Me2N)P+ OH-}を27.01g(0.043mol)加えた。これを100℃に加熱し、攪拌しながら、5mmHgに減圧し、更に乾燥窒素を流通させて反応で生成する水を除去した。過剰のジプロピレングリコールとその中に含まれるホスファゼニウム化合物であるジプロピレングリコールのモノ{ジメチルアミノトリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスホニウム}塩{[(Me2N)3P=N]3(Me2N)P+ Dpg-}の混合物を得た(Dpg-はジプロピレングリコールの1価のアニオンを表す)。
【0076】
この混合物全量を上記と同様の温度測定管、圧力計、攪拌装置およびアルキレンオキシド導入管を装備した2Lのオートクレーブに仕込んだ。その後反応器内を乾燥窒素で置換し、80℃に昇温して、プロピレンオキシド1050g(18.10mol)を反応時圧力3.8kg/cm2(絶対圧、以下同様)前後を保つように間欠的に供給しながら80℃で12時間反応させた。次いで同温度で10mmHgに減圧し、30分間この圧を保って、残留するプロピレンオキシドを除去した後、乾燥窒素で常圧に戻し、内容物を室温まで冷却した(第1段)。分子量を更に高める為に、その内容物を、上記と同様の温度測定管、圧力計、攪拌装置およびアルキレンオキシド導入管を装備した5Lのオートクレーブに移し、反応器内を乾燥窒素で置換し、80℃に昇温して、更にプロピレンオキシド2619g(45.16mol)を反応時圧力3.8kg/cm2前後を保つように間欠的に供給しながら80℃で24時間反応させた(第2段)。次いで同温度で30分間10mmHgに保った。その後、反応器内を乾燥窒素で置換して常圧に戻した。このようにして2段の反応で、プロピレンオキシドの重合体であるポリオキシプロピレンジオールを3769g得た。該ポリオールの水酸基価は55.9mgKOH/g、総不飽和度は0.005meq/gであった。
【0077】
参考例2
ポリオキシプロピレンジオールを重合する際に用いる触媒を水酸化カリウム20g用いた他は参考例1と同様にポリオキシプロピレンジオールを合成した。このものの水酸基価は55.9mgKOH/g、総不飽和度は0.150meq/gであった。
【0078】
実施例1
容積1リットルのガラス製反応器に参考例1で合成した水酸基価55.9mgKOH/gのポリオキシプロピレンジオール1177部と、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート(以下4,4’−MDIとする)95%と2,4−ジフェニルメタンジイソシアナート(以下2,4’−MDIとする)5%(ガスクロ面積比)からなる、酸分、加水分解性塩素の和が7ppmである有機ジイソシアナート(三井東圧化学(株)製)223部とをガラス製反応器に仕込んだ後、窒素気流下85℃で120分反応させ、末端イソシアナートプレポリマー(以下プレポリマーと称する)を製造した。反応後、トルクメ−タ−の付いている反応器にプレポリマー、N,N−ジメチルアセトアミド(以下DMAcと称する)1400部を装入して撹拌、溶解後、反応器を氷冷した。反応器の中に、あらかじめエチレンジアミン15.3部、ジエチルアミン4.1部、DMAc4180部を混合しておいた溶液を1分以内で加え、15℃以下で反応を行った。トルクメ−タ−の値が安定したら氷冷をやめ、添加剤として酸化防止剤のノクラックNS−30(大内新興化学工業(株)製)28.0部、T−328(チバガイギ−社製)9.8部を添加し、後反応として反応器の温度を50℃まで上昇させてて透明なポリウレタン溶液を得た。
反応後のポリマー濃度は20%であった。このポリウレタン溶液の合成直後の粘度は25℃で5800センチポイズ(cps/25℃)であった。色相はAPHAで10以下であった。さらに、25℃における経時変化を目視により測定したところ30日以上極度な増粘、白濁等がなく安定であった。
また、製造されたポリウレタン溶液をガラス板上にキャストした後、100℃で6時間乾燥を行い、厚さ100μmのフィルムを製造し、物性試験に供した。フィルムの物性は引っ張り強度が455kg毎平方センチメートル、伸度は590%、応力緩和率は25%で、充分に高物性であり、しかも、ヒステリシスロスの少ないフィルムであることが分かった。
【0079】
実施例2
トルクメーター付きの反応器に参考例1で合成した水酸基価55.9mgKOH/gのポリオキシプロピレンジオール800部と、1,4−ブタンジオール(東ソー(株)製)234部、DMAc(三菱ガス化学(株)製)3821部を装入し攪拌した。攪拌終了後、4,4’−MDI99.3%と2,4’−MDI0.7%からなる、MDI(三井東圧化学(株)製)642部を滴下して加え、60℃以下で反応を行った。IRによりイソシアナート基が残存しているかを確かめながら反応を行ったところ、MDI添加終了後から60℃で3時間を要して透明なポリウレタン溶液を得た。
反応後のポリマー濃度は30%であった。このポリウレタン溶液の製造直後の粘度は25℃で9200cpsであり、色相はAPHA10であった。
また、製造されたポリウレタン溶液をガラス板上にキャストした後、100℃で6時間乾燥を行い、厚さ100μmのフィルムを作製し、物性試験に供した。フィルムの物性は引っ張り強度が390kg毎平方センチメートル、伸度は420%、応力緩和率は32%であり、十分に高物性であった。
さらに、ポリウレタン溶液の安定性は、25℃において4週間後にもゲル化や濁り等は見られなかった。
【0080】
比較例1
参考例1で合成したポリオキシプロピレンジオールの代わりに参考例2で合成したポリオキシプロピレンジオールを使用した他は実施例1と同様にポリウレタン溶液を合成し、キャストフィルムの作成を行った。
このポリウレタン溶液の合成直後の粘度は25℃で2000センチポイズ(cps/25℃)であった。さらに、25℃における経時変化を目視により観察したところ7日後に白濁が観測された。
また、製造されたポリウレタン溶液をガラス板上にキャストした後、100℃で6時間乾燥を行い、厚さ100μmのフィルムを製造し、物性試験に供した。フィルムの物性は引っ張り強度が180kg毎平方センチメートル、伸度は750%、応力緩和率は46%であり、ポリウレタン成形物としては物性が低かった。
【0081】
比較例2
参考例1で合成したポリオキシプロピレンジオールの代わりに参考例2で合成したポリオキシプロピレンジオールを使用した他は実施例2と同様にポリウレタン溶液を合成し、キャストフィルムの作成を行った。
このポリウレタン溶液の合成直後の粘度は25℃で4200センチポイズ(cps/25℃)であった。さらに、25℃における経時変化を目視により観察したところ14日後に白濁が観測された。
また、製造されたポリウレタン溶液をガラス板上にキャストした後、100℃で6時間乾燥を行い、厚さ100μmのフィルムを作製し、物性試験に供した。フィルムの物性は引っ張り強度が180kg毎平方センチメートル、伸度は640%、応力緩和率は53%であり、低物性であった。
【0082】
実施例3
容積2リットルのガラス製反応器に参考例1で合成した水酸基価55.9mgKOH/gのポリオキシプロピレンジオール1000部と、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート(以下4,4’−MDIとする)95%と2,4−ジフェニルメタンジイソシアナート(以下2,4’−MDIとする)5%(ガスクロ面積比)からなる、酸分、加水分解性塩素の和が7ppmである有機ジイソシアナート(三井東圧化学(株)製)625部とをガラス製反応器に仕込んだ後、窒素気流下85℃で120分反応させ、末端イソシアナートプレポリマー(以下プレポリマーと称する)を製造した。製造したプレポリマーを室温まで冷却後、184部の1,4−ブタンジオールと混合し、2軸押出機に装入し、ジャケット温度250℃、製品温度220℃、滞留時間平均15分にて反応させ、ストランド状のポリウレタン弾性体を得た。
得られたポリウレタン弾性体の極限粘度は2.2であった。得られたポリウレタン弾性体を粉砕後、溶融して3mmのシートを作製し、物性試験を行った。物性は引っ張り強度が430kg毎平方センチメートル、伸度は380%、応力緩和率は26%であり、十分に高物性であった。
【0083】
比較例3
参考例1で合成したポリオキシプロピレンジオールの代わりに参考例2で合成したポリオキシプロピレンジオールを使用した他は実施例3と同様にポリウレタン弾性体を合成し、シートの作成を行った。このポリウレタン弾性体の極限粘度は1.6であり、物性は引っ張り強度が230kg毎平方センチメートル、伸度は420%、応力緩和率は43%であり、低物性であった。
【0084】
【表1】
Figure 0003877441
【0085】
【表2】
Figure 0003877441
【0086】
【発明の効果】
本発明に従えば、ホスファゼニウム化合物の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させて製造するポリオキシアルキレンジオール、または水酸基価OHV(mgKOH/g)が5〜60であり、且つ総不飽和度USV(meq/g)が式(3)USV≦1.2/OHVを満足するポリオキシアルキレンジオールを用いることにより安価な原料を用いてポリウレタン溶液及び弾性体を合成することが可能となる。さらに、得られたポリウレタン溶液は、透明で、かつ熱安定性、粘度安定性等の溶液安定性などの物性に優れる。
また、上記溶液から極性溶媒を除去して得られる成形物、あるいは弾性体を溶融し成形して得られる成形物は優れた物性を示すので、合成繊維やフィルムとして好適である。

Claims (3)

  1. 水酸基性活性水素を2個有する分子量250〜4000の直鎖状分子、鎖延長剤、有機ジイソシアナートを極性溶媒中で反応させて得られるポリウレタン溶液であって、該水酸基性活性水素を2個有する分子量250〜4000の直鎖状分子が、下記一般式(1)[化1]、又は一般式(2)[化2]
    Figure 0003877441
    Figure 0003877441
    (但し、一般式(1)中のa、b、およびcまたは一般式(2)中のd、e、fおよびgはそれぞれ0または3以下の正の整数であるが、全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の、炭素原子数1ないし10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。xはホスファゼニウムカチオンの数を表し、Zx-は活性水素化合物のx価のアニオンを表す。)で表されるホスファゼニウム化合物の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させて製造するポリオキシアルキレンジオールを必須成分として含有することを特徴とするポリウレタン溶液の製造方法
  2. 水酸基性活性水素を2個有する分子量250〜4000の直鎖状分子、鎖延長剤、有機ジイソシアナートを極性溶媒中で反応させて得られるポリウレタン溶液であって、該水酸基性活性水素を2個有する分子量250〜4000の直鎖状分子が、下記一般式(1)[化4]、又は一般式(2)[化5]
    Figure 0003877441
    Figure 0003877441
    (但し、一般式(1)中のa、b、およびcまたは一般式(2)中のd、e、fおよびgはそれぞれ0または3以下の正の整数であるが、全てが同時に0ではない。Rは同種または異種の、炭素原子数1ないし10個の炭化水素基であり、同一窒素原子上の2個のRが互いに結合して環構造を形成する場合もある。xはホスファゼニウムカチオンの数を表し、Zx-は活性水素化合物のx価のアニオンを表す。)で表されるホスファゼニウム化合物の存在下に、アルキレンオキシド化合物を重合させて製造するポリオキシアルキレンジオールであり、該ポリオキシアルキレンジオールの水酸基価OHV(mgKOH/g)が5〜60であり、且つ総不飽和度USV(meq/g)が下記式(3)[化6]
    【化6】
    USV≦1.2/OHV (3)
    を満足するポリオキシアルキレンジオールを必須成分として含有することを特徴とするポリウレタン溶液の製造方法
  3. 請求項1又は2に記載のポリウレタン溶液から、極性溶媒を除去して得られるポリウレタン成形物の製造方法
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