JP3877159B2 - 電磁超音波探触子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁超音波探触子に関し、特に、簡易な構成で、且つ、多岐に亘る種類や板厚の被探傷材を探傷可能な電磁超音波探触子に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属材料からなる被探傷材の表裏面及び内面に発生する傷は、品質保証の観点より、その製造工程(検査工程を含む)において検出し、除去等する必要がある。斯かる被探傷材の探傷方法の一つとして、板波超音波を用いて探傷する板波探傷方法が知られている。
【0003】
従来の板波探傷方法としては、圧電型探触子を用いる場合が多いが、当該探触子と被探傷材との間に介在させる接触媒質として水や油が必要となる。従って、これらの接触媒質を使用できない被探傷材には圧電型探触子を用いた板波探傷方法を適用することはできず、また、接触媒質の塗布のばらつきや、通板中の被探傷材の振動、被探傷材表面の粗さ等に起因して接触状態が安定せず、探傷が困難となる場合が生じていた。
【0004】
これに対し、接触媒質を必要とせず、探触子を被探傷材に接触させずに探傷可能である電磁超音波を用いた板波探傷方法が提案されている。
【0005】
図8は、電磁超音波を用いた板波探傷方法に使用する電磁超音波探触子の概略構成例を示す断面図である。図8に示すように、電磁超音波探触子1は、断面略コの字状に形成された励磁器11と、当該励磁器11の磁極間に配置された送受信コイル12とを備えている。励磁器11は、磁極を形成する断面略コの字状のヨーク111と、当該ヨーク111に巻回された磁化コイル112とを備えた電磁石とされている。斯かる構成を有する電磁超音波探触子1は、ケーブル113を介して磁化コイル112に通電することにより生じる被探傷材100表面に平行な磁界Mによる磁歪と、送受信コイル12に通電することにより生じる渦電流とによって被探傷材100に磁歪力を発生させ、当該磁歪力によって板波超音波を発生させる。発生した板波超音波は、被探傷材100を伝搬し、傷や被探傷材100のエッジによって反射され、当該反射波が送受信コイル12で検出され、電気信号に変換される。このように、電磁超音波を用いた板波探傷方法によれば、板波の振動源及び受信源が被探傷材100の表面にあるため、圧電型探触子を用いる場合と異なり、接触媒質は不要で且つ接触させる必要も無く、安定した探傷が可能であるという利点を有する。
【0006】
また、励磁器に永久磁石を用いたタイプの電磁超音波探触子も提案されている(例えば、特許文献1参照)。図9は、永久磁石を用いた電磁超音波探触子の概略構成例を示す断面図である。図9に示すように、このタイプの電磁超音波探触子2も、断面略コの字状に形成された励磁器21と、当該励磁器21の磁極間に配置された送受信コイル22とを備えている。ただし、このタイプの励磁器21は、磁極を形成する一対のヨーク211、212と、当該ヨーク211、212間に介挿された永久磁石213とを備えた構成とされている。斯かる構成を有する電磁超音波探触子2は、永久磁石213によって生じる被探傷材100表面に平行な磁界Mによる磁歪と、送受信コイル22に通電することにより生じる渦電流とによって被探傷材100に磁歪力を発生させ、当該磁歪力によって板波超音波を発生させるものである。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−160021号公報
【0008】
ここで、図8や図9に示す電磁超音波探触子によって被探傷材に生じる磁歪の特性は、被探傷材の種類や板厚に応じて変動する。図10は、電磁石を用いた電磁超音波探触子において、電磁石に通電する電流と被探傷材に生じる磁歪効果との関係の一例を示す図である。図10に示すように、電磁石に通電する電流値に応じて(つまり前述した被探傷材表面に平行な磁界の強さに応じて)、磁歪効果(磁歪量)が変化するが、当該変化特性が被探傷材の種類や板厚に応じて変動することになる。換言すれば、電磁超音波を発生させるべく最も大きな磁歪効果(図10に符号Aで示す領域)を得るためには、被探傷材の種類や板厚に応じて、磁界の強さ(励磁力)を調整する必要が生じることになる。
【0009】
図8に示すような電磁石を用いた電磁超音波探触子の場合には、図11に示すように、電磁石に通電する電流値を適宜変更することによって、磁界の強さを調整し、被探傷材の種類や板厚に応じた大きな磁歪効果を得ることが可能である。なお、図11では、被探傷材を熱延鋼板(透磁率が約500H/m)とした場合の磁束密度を縦軸にプロットしている。
【0010】
しかしながら、電磁石を用いた電磁超音波探触子の場合には、電磁石の磁化コイルに通電するための専用電源が必要である。特に、板厚の大きい被探傷材を探傷する場合には、磁化コイルに大電流を通電するか、或いは、電磁石を大型化する必要が生じる。前者の場合、発熱による磁化コイルの焼損を回避するべく、冷却設備を設置しなければならないという問題がある。また、後者の場合、電磁石が大型化するため、電磁超音波探触子のハンドリング性が悪くなるという問題がある。以上のように、電磁石を用いた電磁超音波探触子には、装置構成が複雑となったり大型化するといった問題がある。
【0011】
一方、図9に示すような永久磁石を用いた電磁超音波探触子の場合、電磁石と同等の励磁力を有すると共に、磁化コイル通電用の専用電源等も不要であり、比較的簡易な構成とすることができるという利点を有する。
【0012】
しかしながら、永久磁石には既に所定の磁力が着磁されており、当該磁力が消失することはないものの、励磁力を調整することができないため、電磁超音波を発生させるために必要な磁歪量を得るには、被探傷材の種類や板厚に応じて、それぞれ別個の電磁超音波探触子を用意しなければならず、利用性が悪くコストも掛かるという問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、斯かる従来技術の問題点を解決するべくなされたものであり、簡易な構成で、且つ、多岐に亘る種類や板厚の被探傷材を探傷可能な電磁超音波探触子を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するべく、本発明は、請求項1に記載の如く、断面略コの字状に形成された励磁器と、当該励磁器の磁極間に配置された送受信コイルとを備え、磁歪力によって超音波を発生させる電磁超音波探触子であって、前記励磁器は、前記磁極を形成するための一対のヨークと、当該ヨーク間に介挿された永久磁石とを備え、当該永久磁石の回転または位置の移動により、前記磁極に対向配置される被探傷材に施される励磁力を調整できるように構成されていることを特徴とする電磁超音波探触子を提供するものである。
【0015】
請求項1に係る発明によれば、励磁器に永久磁石を用い、磁歪力によって超音波を発生させるため、電磁石を用いる場合のように磁化コイル通電用の専用電源等も不要であり、比較的簡易な構成とすることができる。また、永久磁石の回転または位置変更により、励磁器が励磁力を調整できるように構成されているため、被探傷材の種類や板厚に応じて大きな磁歪効果が得られるように励磁力を調整することにより、1つの電磁超音波探触子で多岐に亘る種類や板厚の被探傷材を探傷可能である。
【0016】
好ましくは、請求項2に記載の如く、前記永久磁石は、当該永久磁石内の磁界の方向と前記ヨークの前記永久磁石に対向する部分に形成される磁界の方向とのなす角度を設定可能とするべく、前記ヨークに対して回転可能に構成される。
【0017】
請求項2に係る発明によれば、ヨークに対して永久磁石を回転させることにより、永久磁石内の磁界の方向と、ヨークの前記永久磁石に対向する部分に形成される磁界の方向とのなす角度を任意に設定可能である。ここで、永久磁石内の磁界の方向と、ヨークの前記永久磁石に対向する部分に形成される磁界の方向とが一致している(従来の永久磁石を用いた電磁超音波探触子に相当する)場合には、永久磁石によって生じた磁力は損失することなく、被探傷材に対する励磁力として作用する。これに対し、永久磁石内の磁界の方向と、ヨークの前記永久磁石に対向する部分に形成される磁界の方向とを傾斜させた場合には、永久磁石とこれに対向するヨークとの間で磁界が乱れるため、永久磁石によって生じた磁力は損失し、被探傷材に対する励磁力が低下することになる。当該励磁力の低下は、永久磁石の傾斜角度に依存するため、被探傷材の種類や板厚に応じて当該傾斜角度を調整し、被探傷材に施す励磁力を調整することにより、多岐に亘る種類や板厚の被探傷材について大きな磁歪効果を得ることが可能である。
【0018】
或いは、請求項3に記載の如く、前記励磁器は、前記被探傷材に対して進退可能に構成してもよい。
【0019】
請求項3に係る発明によれば、被探傷材に対して、励磁器を進退させる(ヨークと永久磁石とを一体として進退させる)ことにより、被探傷材に施す励磁力を調整することが可能である。つまり、ヨークと永久磁石とが被探傷材に対して最も近い位置にある状態(ヨークによって形成される磁極が被探傷材に当接する状態)では、被探傷材に施される励磁力は最大となる一方、被探傷材から離間するに従って、磁路長が長くなるため、励磁力は低下することになる。従って、被探傷材の種類や板厚に応じて、被探傷材に対して励磁器を進退させてその位置を調整することにより、多岐に亘る種類や板厚の被探傷材について大きな磁歪効果を得ることが可能である。
【0020】
また、請求項4に記載の如く、前記永久磁石は、前記ヨークに対して、前記永久磁石内の磁界の方向に略垂直な方向に移動可能に構成してもよい。
【0021】
請求項4に係る発明によれば、ヨークに対して永久磁石を当該永久磁石内の磁界の方向に略垂直な方向に移動させることにより、永久磁石内の磁界の中心方向と、ヨークの前記永久磁石に対向する部分の中心線との位置ずれを任意に設定可能である。ここで、永久磁石内の磁界の方向と、ヨークの前記永久磁石に対向する部分の中心線とが一致している(従来の永久磁石を用いた電磁超音波探触子に相当する)場合には、永久磁石によって生じた磁力は損失することなく、被探傷材に対する励磁力として作用する。これに対し、永久磁石内の磁界の方向と、ヨークの前記永久磁石に対向する部分の中心線とをずらした場合には、永久磁石とこれに対向するヨークとの間で磁界が乱れるため、永久磁石によって生じた磁力は損失し、被探傷材に対する励磁力が低下することになる。当該励磁力の低下は、永久磁石の前記ずれ量に依存するため、被探傷材の種類や板厚に応じて当該ずれ量を調整し、被探傷材に施す励磁力を調整することにより、多岐に亘る種類や板厚の被探傷材について大きな磁歪効果を得ることが可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
【0023】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電磁超音波探触子の機能を説明するための説明図である。図1に示すように、本実施形態に係る電磁超音波探触子3は、断面略コの字状に形成された励磁器31と、当該励磁器31の磁極間に配置された送受信コイル32とを備えている。
【0024】
励磁器31は、磁極を形成するための一対のヨーク311、312と、当該ヨーク311、312間に介挿された永久磁石313(本実施形態では、希土類永久磁石)とを備え、前記磁極に対向配置される被探傷材100に施される励磁力を調整できるように構成されている。このように、本実施形態に係る電磁超音波探触子3は、励磁器31に永久磁石313を用いるため、電磁石を用いる場合のように磁化コイル通電用の専用電源等も不要であり、比較的簡易な構成とすることができる。また、励磁器31が励磁力を調整できるように構成されているため、被探傷材100の種類や板厚に応じて大きな磁歪効果が得られるように励磁力を調整することにより、1つの電磁超音波探触子3で多岐に亘る種類や板厚の被探傷材を探傷可能である。
【0025】
より具体的に説明すれば、本実施形態に係る電磁超音波探触子3は、永久磁石313が、ヨーク311、312に対して回転可能に構成されており、これにより、被探傷材100に施される励磁力を調整可能である。
【0026】
つまり、本実施形態に係る励磁器31において、ヨーク311、312に対して永久磁石313を回転させることにより、永久磁石313内の磁界の方向(図1の直線m1の方向)と、ヨーク311、312の永久磁石313に対向する部分に形成される磁界の方向(図1の直線m2の方向)とのなす角度θを任意に設定可能である。ここで、永久磁石313内の磁界の方向と、ヨーク311、312の永久磁石に対向する部分に形成される磁界の方向とが一致している(すなわち、θ=0°)場合には、永久磁石313によって生じた磁力は損失することなく、被探傷材100に対する励磁力として作用する。これに対し、θ≠0°の場合には、永久磁石313とこれに対向するヨーク311、312との間で磁界が乱れるため、永久磁石313によって生じた磁力は損失し、被探傷材100に対する励磁力が低下することになる。当該励磁力の低下は、傾斜角度θに依存するため、被探傷材100の種類や板厚に応じて当該傾斜角度θを調整し、被探傷材100に施す励磁力を調整することができる。
【0027】
次に、以上に説明した機能(永久磁石313がヨーク311、312に対して回転可能)を実現するための電磁超音波探触子3の具体的構成例について説明する。図2は、本実施形態に係る電磁超音波探触子の概略構成を示す一部断面図である。図2に示すように、電磁超音波探触子3を構成する一対のヨーク311、312と永久磁石313とを備えた励磁器31は、側面に車輪331が取り付けられた筐体33内に配置されている(送受信コイル32も筐体33内に配置されているが図示は省略する)。
【0028】
また、電磁超音波探触子3は、永久磁石313の回転中心に取り付けられ、筐体33外(図2の紙面手前側)まで延在する回転軸34と、筐体33外で回転軸34にそれぞれ取り付けられたギア35及びレバー36を備えている。斯かる構成において、レバー36を図2の矢符Aの方向に倒すと、回転軸34に取り付けられたギア35及び永久磁石313も、回転軸34と共に矢符Aの方向に回転することになる。
【0029】
ここで、電磁超音波探触子3は、永久磁石313を所定の回転位置に静止させるべく、ギア35と係合する係止部材36を備えている。係止部材36は、上下方向に昇降可能に構成されており、前述のように永久磁石313及びギア35を回転中には、当該ギア35と干渉しない位置としておき、永久磁石313の回転位置を決定した後に降下させてギア35に係合させれば、永久磁石313を当該回転位置に静止させることができる。また、電磁超音波探触子3は、ギア34と筐体33の底面との間に取り付けられ、図2に示す状態において、ギア34に対して矢符Bの方向に付勢力を施すバネ部材37を備えている。永久磁石313の磁力を強力とした場合、永久磁石313がヨーク311、312に吸引される力(図2の矢符Aの方向に働く力)も強力となるが、ギア34がバネ部材37によって反対方向(図2の矢符Bの方向)に引っ張られるため、ギア34に係合した係止部材36に過度の力が加わることなく、安定した状態でギア34、ひいては永久磁石313を静止させることができる。
【0030】
以上に説明した構成により、永久磁石313はヨーク311、312に対して回転可能となるが、本実施形態に係る電磁超音波探触子3は、図2に示す構成に限るものではなく、永久磁石313をヨーク311、312に対して回転可能とし得る限りにおいて、種々の構成を採用可能である。
【0031】
図3は、本実施形態に係る電磁超音波探触子と、電磁石を用いた従来の電磁超音波探触子とについて、磁極間に生じる磁界の強さを調整した結果例を示す図であり、(a)は本実施形態に係る電磁超音波探触子についての永久磁石の傾斜角と磁界の強さとの関係を、(b)は従来の電磁超音波探触子についての電磁石に通電する電流値と磁界の強さとの関係をそれぞれ示す。なお、図3では、被探傷材100を熱延鋼板(透磁率が約500H/m)とした場合の磁束密度を縦軸にプロットすると共に、各磁界の強さで探傷可能な被探傷材100の板厚もプロットしている。
【0032】
図3の(a)及び(b)を比較すれば分かるように、本実施形態に係る電磁超音波探触子3によれば、傾斜角θ、つまり、永久磁石313内の磁界の方向と、ヨーク311、312の永久磁石313に対向する部分に形成される磁界の方向とのなす角度を調整することにより、従来の電磁石を用いた電磁超音波探触子と同等に励磁力を調整することが可能であり、1つの電磁超音波探触子で広範囲に亘る板厚(図3の例では、0〜6mm)を有する被探傷材100の探傷が可能である。
【0033】
<第2の実施形態>
図4は、本発明の第2の実施形態に係る電磁超音波探触子の機能を説明するための説明図である。図4に示すように、本実施形態に係る電磁超音波探触子4も、断面略コの字状に形成された励磁器41と、当該励磁器41の磁極間に配置された送受信コイル42とを備えている。
【0034】
励磁器41は、磁極を形成するための一対のヨーク411、412と、当該ヨーク411、412間に介挿された永久磁石413(本実施形態では、希土類永久磁石)とを備え、前記磁極に対向配置される被探傷材100に施される励磁力を調整できるように構成されている。より具体的に説明すれば、本実施形態に係る電磁超音波探触子4は、励磁器41が被探傷材100に対して進退可能(図4の矢符Cの方向に昇降可能)に構成されており、これにより、被探傷材100に施される励磁力を調整可能である。
【0035】
つまり、本実施形態に係る励磁器41を被探傷材100に対して昇降させる(ヨーク411、412と永久磁石413とを一体として昇降させる)ことにより、励磁器41が被探傷材100に対して最も近い位置にある状態(ヨーク411、412によって形成される磁極が被探傷材100に当接する状態であり、図4に示すH=0となる状態)では、被探傷材100に施される励磁力が最大となる一方、被探傷材100から離間する(Hが大きくなる)に従って、磁路長が長くなるため、励磁力は低下することになる。従って、被探傷材100の種類や板厚に応じて、被探傷材100に対して励磁器41を昇降させてその位置を調整することにより、多岐に亘る種類や板厚の被探傷材100について大きな磁歪効果を得ることが可能である。
【0036】
次に、以上に説明した機能(励磁器41が被探傷材100に対して昇降可能)を実現するための電磁超音波探触子4の具体的構成例について説明する。図5は、本実施形態に係る電磁超音波探触子の概略構成図であり、(a)は上部断面図を、(b)は側面図をそれぞれ示す。図5に示すように、電磁超音波探触子4を構成する一対のヨーク411、412と永久磁石413とを備えた励磁器41は、筐体43内に取り付けられている。
【0037】
また、電磁超音波探触子4は、筐体43の側方に配置された車輪44と、車輪44の回転軸441に取り付けられた側板45とを備えている。側板45は上下方向に延びる長孔451を備えており、当該長孔451に挿通されたボルトねじ46が筐体43の側面に設けられたねじ孔431に螺合するように構成されている。斯かる構成において、ボルトねじ46の締め付けを緩め、長孔451に沿って上下方向にボルトねじ46を移動させると、当該ボルトねじ46に螺合する筐体43、ひいては、筐体43内に取り付けられた励磁器41が、側板45に対して上下に昇降することになる。これにより、回転軸441を介して側板45に取り付けられた車輪44に当接する被探傷材100(図4)と、励磁器41との距離Hを調整することができる。距離Hを調整した後(励磁力を調整した後)、励磁器41を上下方向の所定位置に静止させるには、当該位置においてボルトねじ46を側板45に締め付ければ良い。
【0038】
なお、本実施形態において、電磁超音波探触子4を構成する送受信コイル42(図4)は、筐体43内に取り付けられたバネ部材(図示せず)等によって下方に付勢されており、励磁器41の昇降に関わらず、被探傷材100(図4)と一定の距離を保つ位置(被探傷材100と当接する位置、或いは、側板45に設けられた所定の係止部材(図示せず)で係止する位置)に位置決めされている。従って、励磁器41を昇降させても送受信コイル43のリフトオフは変化せず、リフトオフ変動に伴う探傷精度の低下を招くおそれはない。
【0039】
以上に説明した構成により、励磁器41は被探傷材100に対して昇降可能となるが、本実施形態に係る電磁超音波探触子4は、図5に示す構成に限るものではなく、励磁器41を被探傷材100に対して進退可能とし得る限りにおいて、種々の構成を採用可能である。
【0040】
<第3の実施形態>
図6は、本発明の第3の実施形態に係る電磁超音波探触子の機能を説明するための説明図である。図6に示すように、本実施形態に係る電磁超音波探触子5も、断面略コの字状に形成された励磁器51と、当該励磁器51の磁極間に配置された送受信コイル52とを備えている。
【0041】
励磁器51は、磁極を形成するための一対のヨーク511、512と、当該ヨーク511、512間に介挿された永久磁石513(本実施形態では、希土類永久磁石)とを備え、前記磁極に対向配置される被探傷材100に施される励磁力を調整できるように構成されている。より具体的に説明すれば、本実施形態に係る電磁超音波探触子5は、永久磁石513が、ヨーク511、512に対して、永久磁石513内の磁界の方向に略垂直な方向(図6の矢符Dの方向)に移動可能に構成されており、これにより、被探傷材100に施される励磁力を調整可能である。
【0042】
つまり、本実施形態に係る永久磁石513を当該永久磁石513内の磁界の方向に略垂直な方向に移動させることにより、永久磁石513内の磁界の中心方向(図6の直線mの方向)と、ヨーク511、512の永久磁石513に対向する部分の中心線(図6の直線c)との位置ずれを任意に設定可能である。ここで、永久磁石513内の磁界の方向と、ヨーク511、512の永久磁石513に対向する部分の中心線とが一致している(すなわち、図6のH=0)場合には、永久磁石513によって生じた磁力は損失することなく、被探傷材100に対する励磁力として作用する。これに対し、永久磁石513内の磁界の方向と、ヨーク511、512の永久磁石513に対向する部分の中心線とをずらした場合(H≠0)には、永久磁石513とこれに対向するヨーク511、512との間で磁界が乱れるため、永久磁石513によって生じた磁力は損失し、被探傷材100に対する励磁力が低下することになる。当該励磁力の低下は、永久磁石513のずれ量Hに依存するため、被探傷材100の種類や板厚に応じて当該ずれ量Hを調整し、被探傷材100に施す励磁力を調整することにより、多岐に亘る種類や板厚の被探傷材100について大きな磁歪効果を得ることが可能である。
【0043】
次に、以上に説明した機能(永久磁石513をヨーク511、512に対して永久磁石513内の磁界の方向に略垂直な方向に移動可能)を実現するための電磁超音波探触子5の具体的構成例について説明する。図7は、本実施形態に係る電磁超音波探触子の概略構成を示す断面図である。図7に示すように、電磁超音波探触子5を構成する一対のヨーク511、512と永久磁石513とを備えた励磁器51及び送受信コイル52は、側面に車輪531が取り付けられた筐体53内に配置されている。
【0044】
また、電磁超音波探触子5は、筐体53の上部内壁と永久磁石513の上面との間に配置されたスペーサ54を備えている。筐体53及びスペーサ54は、それぞれ貫通孔を有し、筐体53の上部外壁から前記貫通孔に挿通されたボルトねじ55が、永久磁石513の上部に設けられたねじ孔513Hに螺合するように構成されている。斯かる構成において、スペーサ54の高さを調整する(異なる高さのスペーサ54に置換する)ことにより、永久磁石513をヨーク511、512に対して永久磁石513内の磁界の方向に略垂直な方向に移動させることが可能である。
【0045】
以上に説明した構成により、永久磁石513はヨーク511、512に対して永久磁石513内の磁界の方向に略垂直な方向に移動可能となるが、本実施形態に係る電磁超音波探触子5は、図7に示す構成に限るものではない。例えば、ねじ孔513Hの代わりに、スペーサ54にボルトねじ55が螺合するねじ孔を形成し、スペーサ54と永久磁石513とは、接着剤により接着する構成(この場合には、高さ調整の際、スペーサと永久磁石とを一組として交換することになる)など、永久磁石513をヨーク511、512に対して永久磁石513内の磁界の方向に略垂直な方向に移動可能とし得る限りにおいて、種々の構成を採用可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る電磁超音波探触子によれば、励磁器に永久磁石を用いるため、電磁石を用いる場合のように磁化コイル通電用の専用電源等も不要であり、比較的簡易な構成とすることができる。また、励磁器が励磁力を調整できるように構成されているため、被探傷材の種類や板厚に応じて大きな磁歪効果が得られるように励磁力を調整することにより、1つの電磁超音波探触子で多岐に亘る種類や板厚の被探傷材を探傷できるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の第1の実施形態に係る電磁超音波探触子の機能を説明するための説明図である。
【図2】 図2は、本発明の第1の実施形態に係る電磁超音波探触子の概略構成を示す一部断面図である。
【図3】 図3は、本発明の第1の実施形態に係る電磁超音波探触子と、電磁石を用いた従来の電磁超音波探触子とについて、磁極間に生じる磁界の強さを調整した結果例を示す図である。
【図4】 図4は、本発明の第2の実施形態に係る電磁超音波探触子の機能を説明するための説明図である。
【図5】 図5は、本発明の第2の実施形態に係る電磁超音波探触子の概略構成図である。
【図6】 図6は、本発明の第3の実施形態に係る電磁超音波探触子の機能を説明するための説明図である。
【図7】 図7は、本発明の第3の実施形態に係る電磁超音波探触子の概略構成を示す断面図である。
【図8】 図8は、電磁石を用いた電磁超音波探触子の概略構成例を示す断面図である。
【図9】 図9は、永久磁石を用いた電磁超音波探触子の概略構成例を示す断面図である。
【図10】 図10は、電磁石を用いた電磁超音波探触子において、電磁石に通電する電流と被探傷材に生じる磁歪効果との関係の一例を示す図である。
【図11】 図11は、電磁石を用いた電磁超音波探触子において、電磁石に通電する電流と磁極間に発生する磁界の強さとの関係の一例を示す図である。
【符号の説明】
1,2,3,4,5…電磁超音波探触子
11,21,31,41,51…励磁器 12,22,32,42,52…送受信コイル
111,211,212,311,312,411,412,511,512…ヨーク
213,313,413,513…永久磁石
100…被探傷材

Claims (4)

  1. 断面略コの字状に形成された励磁器と、当該励磁器の磁極間に配置された送受信コイルとを備え、磁歪力によって超音波を発生させる電磁超音波探触子であって、
    前記励磁器は、前記磁極を形成するための一対のヨークと、当該ヨーク間に介挿された永久磁石とを備え、当該永久磁石の回転または位置変更により、前記磁極に対向配置される被探傷材に施される励磁力を調整できるように構成されていることを特徴とする電磁超音波探触子。
  2. 前記永久磁石は、当該永久磁石内の磁界の方向と前記ヨークの前記永久磁石に対向する部分に形成される磁界の方向とのなす角度を設定可能とするべく、前記ヨークに対して回転可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁超音波探触子。
  3. 前記励磁器は、前記被探傷材に対して進退可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁超音波探触子。
  4. 前記永久磁石は、前記ヨークに対して、前記永久磁石内の磁界の方向に略垂直な方向に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁超音波探触子。
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