JP3877063B2 - 小屋組の増築施工法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、寄棟造りの住宅の増築時の増築工事に関し、既存住宅の小屋組を全面解体することなく増築部の小屋組を施工する小屋組の増築施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
寄棟造りの既存住宅の桁面の全面に増築すると、増築後では増築前と比べて、棟高さが高くなったり棟方向が変わったりして、小屋組架構全体が変わることが多い((図1参照))。
【0003】
このような場合には、新しい小屋組に対応させて、既存小屋組の既存部材に別の部材を継ぎ足すか、既存部材を撤去して新規部材に交換するかして、既存小屋組の架構を変更する必要が生じる。このため、従来は、既存小屋組を全面的に解体して、新しい小屋組に施工し直していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、既存小屋組を全面的に解体して、新しい小屋組に施工し直すので、多くの時間と労力を要し、施工期間が長くなるだけでなく、作業性が悪いという問題点があった。
【0005】
また、小屋組の各構成部材が鋼等の金属からなる場合には、溶接により既存部材に別の部材を継ぎ足すことは可能であるが、作業性が悪いだけでなく、顧客が既存の住宅内で従来通り生活を営むことを考慮すると、十分な安全性を確保することが困難であるという問題点があった。
【0006】
更に、既存小屋組を全面解体することにより、多量の産業廃棄物が発生し、これを運搬して処理するために、費用がかかるという問題点があった。
【0007】
更にまた、前述のように、多くの場合は、増築工事中であっても顧客が既存の住宅内で生活を営むため、短期間で増築工事を終了することが望ましいが、施工期間の長期化に伴い顧客に不便を強いる期間が長くなり、顧客の負担が大きくなるという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、寄棟造りの既存住宅の桁面の全面に増築する際の増築工事において、施工の省力化、コストダウン及び廃棄物の削減を図る小屋組の増築施工法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するためになされた本発明の請求項1に記載の小屋組の増築施工法、寄棟造りの既存住宅の桁面の全面に増築する際の増築工事における小屋組の施工法であって、既存大棟の端部下の垂直部材の上端部に設置された隅頂部母屋受けに設置される隅頂部母屋受け接続部と該隅頂部母屋受け接続部の一端縁から既存隅木梁の立上り角度と略等しい角度で立ち上がる隅木梁接続部とを有する隅木梁延長金具を用い、前記隅木梁接続部に新規隅木梁の一端部を接続し、前記隅頂部母屋受けに前記隅頂部母屋受け接続部を固定して、前記新規隅木梁の一端部を前記既存隅木梁の延長上に設置することにより、既存大棟の端部から新規大棟の端部に向って隅木梁を延長し、既存大棟の中間部下の垂直部材の頂部に設置される平部と、前記垂直部材の上端部に設置された頂部母屋受けに設置される頂部母屋受け接続部と、該母屋受け接続部の一側中央部から既存登り梁の立上り角度と略等しい立上り角度で立り上がる登り梁接続部とを有する登り梁延長金具を用い、前記新規登り梁の一端部を前記登り梁接続部に接続し、前記平部を前記垂直部材の頂部に固定し、前記頂部母屋受け接続部を前記頂部母屋受けに固定することにより、前記新規登り梁の一端部を前記既存登り梁の延長上に設置するとともに、下端部に増築部側の既存登り梁に設置される登り梁束接続金具と上端部に前記新規登り梁に接続する新規登り梁接続部とを有する新規登り梁束を用い、前記登り梁束接続金具を前記既存の登り梁に固定し、前記新規登り梁接続部を前記新規の登り梁に接続して、前記新規登り梁束を前記新規登り梁と前記増築側の既存登り梁との間に鉛直に立設させることにより、既存大棟の中間部の登り梁を新規大棟の端部に向って延長することを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載の小屋組の増築施工法は、請求項1に記載の小屋組の増築施工法において、既存住宅と増築部の境界に位置する既存隅木梁に設置された母屋受け金具に設置される母屋受け接続部と該母屋受け接続部と略90°をなす母屋接続部とを有する母屋延長金具を用い、前記母屋受け金具に前記母屋受け接続部を固定し、増築部の新規母屋を前記母屋受け金具に設置された既存母屋の延長上に設置することにより、既存住宅の増築部側の母屋の設置方向を略90°変更して、前記増築部の新規母屋を前記既存母屋と略同一面に配置することを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載の小屋組の増築施工法は、小屋組のトラスの一端側から斜め下方にトラス軒先部が延設された住宅の桁側面への増築工事で、既存住宅の桁側面の軒先に沿って軒先梁を新たに追加する軒先梁設置工法であって、既存住宅の前記軒先梁を追加する桁側面のトラス軒先部の軒先側部を切除し、相隣接するトラスの軒先側の端部に、突設された軒先梁接続部を相対向させて軒先梁設置金具をそれぞれ配設し、相対向するこれら軒先梁接続部に、軒先梁の両端部を接続することを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載の小屋組の増築施工法は、小屋組のトラスの一端側から斜め下方にトラス軒先部が延設された住宅の桁側面への増築工事で、既存住宅の桁側面の軒先に沿って軒先梁を新たに追加する軒先梁設置工法であって、既存住宅の前記軒先梁を追加する桁側面のトラス軒先部を切除し、相隣接するトラスの軒先側の端部に、前記トラスのウエブを跨ぐウエブ跨ぎ部と、該ウエブ跨ぎ部から直角方向に突設された軒先梁接続部とを有する軒先梁設置金具を前記軒先梁接続部を相対向させてそれぞれ配設し、相対向するこれら軒先梁接続部に、軒先梁の両端部を接続することを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
第1に、図1に示すように、既存隅木梁1を新規大棟の端部まで延長する。この既存隅木梁1の延長は、図2に示すように、既存大棟の端部下の垂直部材である既存寄棟束2の上端部3に設けられた隅頂部母屋受け4に新規隅木梁100の一端部101を隅木梁延長金具102を用いて接続することにより行う。
【0014】
既存隅木梁1は、図3に示すように、2本のC型鋼5をボルト締めで締結し、開口部が互い外側を向き、かつ、所望の間隔の隙間を確保したものであって、既存大棟の端部から既存軒先の出隅に向って45°の方向へ持ち出すように設けられる(図1参照)ことにより定まる立上り角度θで、既存寄棟束2の上端部3に設置された梁接続金具6に接続している。
【0015】
既存寄棟束2は、図3に示すように、既存隅木梁1と同様に、開口部が外側を向くように2本のC型鋼5をボルト締めで締結したものであって、上端部3に隅頂部母屋受け4及び梁接続金具6が、下端部に登り梁束接続金具がそれぞれ設けられている。
【0016】
隅頂部母屋受け4は、図3に示すように、断面略L字形の金具であって、母屋を受ける受け部7には母屋を隅頂部母屋受け4に固定するための貫通孔7aが穿設されている。
【0017】
新規隅木梁100は、図4に示すように、既存隅木梁1と同様の構成であって、両端部に一対の貫通孔100aが穿設されている。
【0018】
隅木梁延長金具102は、図4に示すように、貫通孔103aが穿設された隅頂部母屋受け接続部103と、隅頂部母屋受け接続部103の一端縁104から折れ曲がって既存隅木梁1の立上り角度θと略等しい立上り角度(以下、「立上り角度θ」という。)で立ち上がり、端部に貫通孔105aが穿設された隅木梁接続部105とを有している。
【0019】
隅頂部母屋受け接続部103は、図3又は図5に示すように、その高さは隅頂部母屋受け4の受け部7の高さと略等しく、その長さは隅頂部母屋受け4の受け部7の長さより長くして、隅頂部母屋受け接続部103を隅頂部母屋受け4の受け部7にあてがったときに隅頂部母屋受け接続部103の一端縁104が既存隅木梁1の長軸線Lの延長上に位置する長さとする(図6参照)。貫通孔103aは、隅頂部母屋受け接続部103を隅頂部母屋受け4の受け部7にあてがったときに該受け部7の貫通孔7aと略一致する位置に穿設されている。
【0020】
隅木梁接続部105は、図4に示すように、その長さ等は特に限定されるものではないが、その厚さは新規隅木梁100の2本のC型鋼5の隙間と略等しくしている。2個の貫通孔105aはその中心を結ぶ線が水平方向に対して立上り角度θをなし、その間隔が新規隅木梁100の一対の貫通孔100aと略等しい間隔となる位置に穿設されている。また、平面視では、図5に示すように、隅頂部母屋受け接続部103と略135°の角度をなしている。これにより、図6に示すように、隅頂部母屋受け接続部103を既存寄棟束2の上端部3に固定すると、既存寄棟束2の中心から既存大棟方向に対して45°の軸線上に隅木梁接続部105が位置することとなる。
【0021】
以下、新規隅木梁100の一端部101の既存寄棟束2の上端部3への接続について説明する。まず、図4に示すように、新規隅木梁100を構成する2本のC型鋼5の間に隅木梁延長金具102の隅木梁接続部105を挿入して、新規隅木梁100の一端部101の貫通孔100aと隅木梁接続部105の貫通孔105aとをボルトナットから構成される締結具50で締結することにより、新規隅木梁100の一端部101を隅木梁延長金具102に接続する。
【0022】
そして、図5に示すように、増築部側の隅頂部母屋受け4の受け部7に隅木梁延長金具102の隅頂部母屋受け接続部103をあてがい、受け部7の貫通孔7aと隅頂部母屋受け接続部103の貫通孔103aとを締結具50で締結することにより、隅木梁延長金具102を増築部側の隅頂部母屋受け4に固定する。
【0023】
以上により、図2及び図3に示すように、新規隅木梁100の一端部101は既存寄棟束2の上端部3に接続されて、新規隅木梁100が既存隅木梁1の延長上に設置される、即ち、図1に示すように、既存隅木梁1が増築部側の新規大棟の端部に向って延長されたこととなる。
【0024】
なお、本実施の形態では、施工現場において新規隅木梁100の一端部101と隅木梁延長金具102の隅木梁接続部105とをボルト締めで接続したが、これに限定されるものではなく、予め工場において新規隅木梁100の一端部101と隅木梁延長金具102の隅木梁接続部105とを溶接で接続しておいてもよい。これにより、施工現場での作業を軽減することができる。
【0025】
また、本実施の形態では、既存の小屋組をトラス小屋組としているが、図7に示すように、既存の小屋組を和小屋組とした場合においても同様であって、隅木梁延長金具102用いて新規隅木梁100一端部101を既存寄棟束2の上端部3に接続する。
【0026】
第2に、図1に示すように、既存大棟の中間部に設置された既存登り梁(トラス)8を増築部側の新規大棟の端部に向って延長する。この既存登り梁(トラス)8の延長は、図8に示すように、既存大棟の中間部下の垂直部材である既存登り梁(トラス)真束9の上端部10に新規登り梁200の一端部201を登り梁延長金具202を用いて固定するとともに、増築部側の既存登り梁(トラス)11と新規登り梁200との間に新規登り梁束203を登り梁束接続金具204を用いて設置することにより行う。
【0027】
既存登り梁(トラス)8及び増築部側の既存登り梁(トラス)11は、図8に示すように、2本のC型鋼5をボルト締めで締結し、開口部が互い外側を向き、かつ、所望の間隔の隙間を確保したものであって、既存大棟から既存大梁の端部に向って斜め下方に下るように既存登り梁(トラス)真束9及び既存登り梁束12に支持されている。
【0028】
また、既存登り梁(トラス)真束9の上端部10には断面略L字型の頂部母屋受け13が、既存登り梁(トラス)8及び増築部側の既存登り梁(トラス)11の上面には断面略L字形の母屋受け14がそれぞれ設けられている。また、母屋を受ける受け部15、16には母屋を固定するための貫通孔15a、16aがそれぞれ穿設されている(図15又は図17参照)。
【0029】
新規登り梁200は、図8に示すように、既存登り梁(トラス)8及び増築部側の既存登り梁(トラス)11と同様の構成であって、所定の間隔をおいて登り梁延長金具202や新規登り梁束203に接続するための貫通孔200aが穿設されている(図17参照)。
【0030】
登り梁延長金具202は、図9に示すように、両端部に貫通孔205aが穿設された略長方形の頂部母屋受け接続部205と、両端部に貫通孔206aが穿設された略長方形の平部206と、頂部母屋受け接続部205の背側面中央部から水平方向に対して図8に示す大梁と既存登り梁(トラス)8とがなす角度αと略等しい立上り角度(以下、「立上り角度α」という。)で立ち上がり、頂部母屋受け接続部205と対向する端部に2個の貫通孔207aが穿設された登り梁接続部207と、頂部母屋受け接続部205と平部206とを繋ぐ補強部208とを有している。
【0031】
頂部母屋受け接続部205は、図10又は図11に示すように、その長さは頂部母屋受け13の受け部15の長さと略等しく、貫通孔205aは、頂部母屋受け接続部205を頂部母屋受け13の受け部15にあてがったときに頂部母屋受け13のの貫通孔15aと略一致する位置に穿設されている。
【0032】
平部206は、その長さは頂部母屋受け接続部205の長さと略等しく、貫通孔206aは、頂部母屋受け接続部205を頂部母屋受け13の受け部15にあてがったときに既存登り梁(トラス)真束9の頂部17に穿設された貫通孔17aと略一致する位置に穿設されている。
【0033】
登り梁接続部207は、その長さは特に限定されないが、その厚さは新規登り梁200の2本のC型鋼5の隙間と略等しく、2個の貫通孔207aは、その中心を結ぶ線が水平方向に対して立上り角度αをなし、その間隔が新規登り梁200の貫通孔200aと略等しい間隔となる位置に穿設されている。これにより、登り梁延長金具202を既存登り梁(トラス)真束9に固定すると、登り梁接続部207は既存登り梁(トラス)8の延長上に位置することとなる。
【0034】
補強部208は、その一端部が頂部母屋受け接続部205の端縁に、その下端部が平部206の端縁にそれぞれ固着されることにより、頂部母屋受け接続部205と平部206との間に隙間209を確保しながら頂部母屋受け接続部205と平部206とを繋いでいる。
【0035】
また、新規登り梁束203は、図12に示すように、既存登り梁束12と同様の構成であって、上端部には貫通孔210aが穿設された新規登り梁接続部210が、下端部には登り梁束接続金具204が設けられている。新規登り梁接続部210の2個の貫通孔210aは、その中心を結ぶ線が水平方向に対して立上り角度αをなし、その間隔が新規登り梁200の貫通孔200aと略等しい間隔となる位置に穿設されている(図17参照)。
【0036】
登り梁束接続金具204は、図12に示すように、略長方形の設置部211と、該設置部211の上面に設置部211の長手方向と略平行かつ幅方向の中央部に所定の立上り角度βをなして設置された登り梁束接続部212と、設置部211の下面に設置部211の長手方向と略平行かつ幅方向の中央部に略90°をなして突設され、設置部211と対向する端部に貫通孔213aが穿設された既存登り梁接続部213と、設置部211の一端から略90°をなして立ち上がり、その両端部に貫通孔214aが穿設された母屋受け接続部214と、設置部211の両側縁から略90°をなして立ち上がり、一端部に母屋受け接続部214の側縁をそれぞれ固着した補強部215とを有するものである。
【0037】
設置部211は、図13又は図14に示すように、増築部側の既存登り梁(トラス)11の上面に設置するものであり、その幅は母屋受け14の受け部16の幅と略等しく、その長さは母屋受け14の設置間隔より短い。また、母屋受け接続部214と対向する端部の下面に母屋受け14の厚さと略等しい厚さの不陸調節部216を設けている。
【0038】
登り梁束接続部212は、新規登り梁束203の下端部を登り梁束接続金具204に接続するためのものであり、その一側面中央部に登り梁束接続部212を補強するための補強リブ217を設けている。登り梁束接続部212の長さ方向の位置は、登り梁束接続金具204を増築部側の既存登り梁(トラス)11に設置したときに新規登り梁束203が既存登り梁束12の真上となる位置とする。また、立上り角度βを90°に図1に示す大梁11と既存登り梁(トラス)8とがなす角度αを足した角度として、登り梁束接続金具204を増築部側の既存登り梁(トラス)11に設置したときに、登り梁束接続部212を増築部側の既存登り梁(トラス)11に鉛直に立設させる。これにより、登り梁束接続金具204を増築部側の既存登り梁(トラス)11に固定するだけで、登り梁束接続部212に接続された新規の新規登り梁束203は、既存登り梁束12の真上に鉛直に立設することとなる。
【0039】
なお、本実施の形態では、新規登り梁束203と登り梁束接続部212との接続は溶接により行うが、これに限定されるものではなく、図示はしないが、新規登り梁束203の下端部及び登り梁束接続部212の上端部に貫通孔をそれぞれ穿設して、ボルト締めで新規登り梁束203を登り梁束接続部212に接続することにより行ってもよい。
【0040】
既存登り梁接続部213は、登り梁束接続金具204を増築部側の既存登り梁(トラス)11に設置するためのものであり、その厚さは増築部側の既存登り梁(トラス)11の2本のC型鋼5の隙間と略等しくし、その長さはC型鋼5のウェブの長さより長くしている。
【0041】
母屋受け接続部214は、母屋受け14の受け部16に固定されて登り梁束接続金具204を増築部側の既存登り梁(トラス)11に固定するものであり、その幅は母屋受け14の受け部16の幅と略等しく、その高さは母屋受け14の受け部16の高さと略等しくしている。貫通孔214aは、設置部211を増築部側の既存登り梁(トラス)11の上面に置いたときに、母屋受け14の受け部16の貫通孔16aと略一致する位置に穿設されている。
【0042】
補強部215は、登り梁束接続金具204の補強を図るものであり、設置部211の母屋受け接続部214の方の下隅角部に水がたまらないように、該下隅角部と接する縁辺の一部分を切り欠いて水抜き部218を設けている。
【0043】
以下、新規登り梁200の端部201の既存登り梁(トラス)真束9の上端部10への接続について説明する。まず、図15に示すように、新規登り梁200を構成する2本のC型鋼5の間に登り梁延長金具202の登り梁接続部207を挿入して、新規登り梁200の一端部201の貫通孔200aと登り梁延長金具202の登り梁接続部207の貫通孔207aとをボルトナットで構成される締結具50で締結することにより、新規登り梁200の一一端部201を登り梁延長金具202に接続する。
【0044】
そして、増築部側の頂部母屋受け13を登り梁延長金具202の隙間209に嵌め入れ、増築部側の頂部母屋受け13の受け部15に登り梁延長金具202の頂部母屋受け接続部205をあてがい、受け部15の貫通孔15aと頂部母屋受け接続部205の貫通孔205aとを締結具50で締結し、既存登り梁(トラス)真束9の頂部17に登り梁延長金具202の平部206を載置し、頂部17の貫通孔17aと平部206の貫通孔206aとを締結具50で締結することにより、登り梁延長金具202を増築部側の頂部母屋受け13及び既存登り梁(トラス)真束9の頂部17に固定する。これにより、図10及び図11に示すように、新規登り梁200の一端部201が既存登り梁(トラス)真束9の上端部10に接続され、既存登り梁(トラス)8の延長上に位置することとなる。
【0045】
次に、新規登り梁束203の増築部側の既存登り梁(トラス)11への設置について説明する。まず、図16に示すように、増築部側の既存登り梁(トラス)11の2本のC型鋼5の間に登り梁束接続金具204の既存登り梁接続部213を挿入し、登り梁束接続金具204の設置部211を増築部側の既存登り梁(トラス)11の上面に載置し、増築部側の既存登り梁(トラス)11の下面から突出した既存登り梁接続部213の突出部分の両側に一方に貫通孔219aが穿設された2枚の折れ形のプレート219をそれぞれあてがい、各プレート219の貫通孔219aと既存登り梁接続部213の貫通孔213aとを締結具50で締結することにより登り梁束接続金具204を増築部側の既存登り梁(トラス)11の上面に設置する。
【0046】
また、図17に示すように、登り梁束接続金具204の母屋受け接続部214を既存登り梁束12近傍の母屋受け14の受け部16にあてがい、母屋受け接続部214の貫通孔214aと受け部16の貫通孔16aとを締結具50で締結して母屋受け接続部214を母屋受け14に固定することにより、登り梁束接続金具204を増築部側の既存登り梁(トラス)11の上面に固定する。これにより、図13及び図14に示すように、登り梁束接続金具204は、増築部側の既存登り梁(トラス)11に固定される。
【0047】
そして、図17に示すように、新規登り梁接続部210を新規登り梁200の2本のC型鋼5の間に挿入し、新規登り梁200の貫通孔200aと新規登り梁接続部210の貫通孔210aとを締結具(図示せず)で締結することにより、新規登り梁接続部210を新規登り梁200に接続する。これにより、図13に示すように、新規登り梁束203は、既存登り梁束12の真上に鉛直に立設する。
【0048】
以上により、図8に示すように、新規登り梁束203は増築部側の既存登り梁(トラス)11と新規登り梁200との間に鉛直に立設して新規登り梁200を支持するので、新規登り梁200が立上り角度αで既存登り梁(トラス)8の延長上に設置される、即ち、図1に示すように、既存登り梁(トラス)8が増築部側の新規大棟の端部に向って延長されたこととなる。
【0049】
なお、図18に示すように、設計の都合上、新規登り梁束203を既存登り梁束12の真上からずらせて設ける場合には、設置部211の他端部に母屋受け接続部214が設けられた登り梁束接続金具220を用い、該登り梁束接続金具220の母屋受け接続部214を母屋受け14に固定することにより、新規登り梁束203を増築部側の既存登り梁(トラス)11に設置する。
【0050】
更に、本実施の形態では、新規登り梁束203を1本のC型鋼5としたが、既存登り梁束12と同様に2本のC型鋼5とすることも可能である。この場合の登り梁束接続金具230は、図19に示すように、設置部211の長さは母屋受け14の設置間隔と略等しく、設置部211の両端に母屋受け接続部214が設けられている。
【0051】
登り梁束接続金具230と増築部側の既存登り梁(トラス)11との接続は、図20に示すように、2個の母屋受け14の間に、登り梁束接続金具230を嵌め入れ、各母屋受け14の受け部16と各母屋受け接続部214とを締結具50で締結することにより行う。なお、新規登り梁束203と登り梁束接続金具230との接続は、新規登り梁束203の下端部及び登り梁束接続部212の上端部に貫通孔をそれぞれ穿設して、これらの貫通孔を締結具50で締結することにより行う。
【0052】
更にまた、本発明の実施の形態では、既存住宅の小屋組をトラス小屋組としているが、図21に示すように、既存の小屋組を和小屋組とした場合においても同様であって、登り梁延長金具5を用いて新規登り梁200の一一端部201を既存登り梁(トラス)真束9の上端部10に接続し、登り梁束接続金具204を用いて新規登り梁束203を増築部側の既存登り梁(トラス)11と新規登り梁200間に鉛直に立設させる。
【0053】
第3に、図8に示すように、新規寄棟束250を増築部側の既存登り梁(トラス)11に鉛直に立設させる。この新規寄棟束250の立設は、登り梁束接続金具204を用いて増築部側の既存登り梁(トラス)11に設置された母屋受け14に新規寄棟束250の下端部を固定することにより行う。
【0054】
新規寄棟束250は、図3に示す既存寄棟束2と同様の構成であって、開口部が外側を向くように2本のC型鋼5をボルト締めで締結したものであって、上端部には頂部母屋受け13及び梁接続金具251が、下端部には登り梁束接続金具204がそれぞれ設けられている。
【0055】
新規寄棟束250の梁接続金具251に新規隅木梁100の他端部及び新規登り梁200の他端部を接続する。この接続は、前述と同様の手順により行い、即ち、新規隅木梁100を構成する2本のC型鋼5の間に梁接続金具251の隅木梁接続部を挿入して、新規隅木梁100の他端部と梁接続金具251とをボルト締めすることにより、新規隅木梁100の他端部を梁接続金具251に接続するとともに、新規登り梁200を構成する2本のC型鋼5の間に梁接続金具251の登り梁接続部挿入して、新規登り梁200と梁接続金具251とをボルト締めすることにより行う(図8参照)。
【0056】
以上により、図1に示すように、新規隅木梁100は既存寄棟束11と新規寄棟束250との間に設置され、新規登り梁200は既存登り梁(トラス)真束9と新規寄棟束250との間に設置されて、既存隅木梁10及び既存登り梁(トラス)8は増築後の小屋組に対応して増築部側へそれぞれ延長される。
【0057】
第4に、図22に示すように、既存住宅の増築部側の母屋の設置方向を略90°変更して増築部の新規母屋を既存住宅の既存母屋と略同一面に配置する。まず、増築部の新規軒先母屋400を既存住宅の既存軒先母屋18と略同一面に配置する。具体的には、図23に示すように、既存住宅と増築部の境界に位置する既存隅木梁19の軒先部に設けられた既存軒先梁20(図示せず)の先端に設置された軒先母屋受け金具21に軒先母屋延長金具401を固定し、該軒先母屋受け金具401に新規軒先母屋400の端部402を接続することにより、新規軒先母屋400を既存軒先母屋18の延長上に設置する。なお、本各実施の形態に示す既存隅木梁19及び既存軒先梁20は、図3に示す既存隅木梁1と同様の構成であって、2本のC型鋼をボルト締めで締結したものであって、既存大棟の端部から軒先の出隅に向って45°の方向へ持ち出すように設けられている(図22参照)。
【0058】
既存軒先母屋18は、図24に示すように、先端を所定の形状に形成した長尺の木角材であり、端部を既存軒先梁20の先端に設けられた軒先母屋受け金具21にボルトナットから構成される締結具50で締結して固定されることにより既存軒先梁20に設置されている(図1参照)。
【0059】
軒先母屋受け金具21は、図24に示すように、中央部で略90°の角度をなして折れ曲がり、両端部に貫通孔22aが穿設された山形プレート22と、該山形プレート22の折曲部23の入隅に一方の縁辺が固着された略長方形の接続プレート24とを有している。軒先母屋受け金具21の既存軒先梁20への固定は、接続プレート24の他方を既存軒先梁20の先端から、既存軒先梁20の2本のC型鋼の間に挿入し、接続プレート24の他方を既存軒先梁20の先端にボルト締めで固定することにより行う。
【0060】
既存軒先母屋18の軒先母屋受け金具21への固定は、図23に示すように、既存軒先母屋18の先端と増築部側の既存軒先母屋25の先端とが略合致するように、軒先母屋受け金具21の山形プレート22の両外側面に既存軒先母屋18の端部と増築部側の既存軒先母屋25の端部とをそれぞれあてがい、締結具50で締結して固定することにより行う。これにより、既存軒先母屋18と増築部側の既存軒先母屋25とが同一面に、かつ、略90°の角度をなして既存軒先梁20の先端部に配置される。
【0061】
新規軒先母屋400は、図24に示す既存軒先母屋18と同様に、先端を所定の形状に形成した長尺の木角材であって、端部402には貫通孔402aが穿設されている(図26参照)。
【0062】
軒先母屋延長金具401は、図24に示すように、両端部に貫通孔403a、404aが穿設された1枚のプレートを中央部で捻るようにして略90°の角度をなすように折り曲げて形成し、その一方を軒先母屋受け接続部403、その他方を軒先母屋接続部404としたものである。
【0063】
軒先母屋延長金具401の軒先母屋受け金具21への固定は、図25に示すように、軒先母屋受け金具21の山形プレート22の増築部側の側面に軒先母屋延長金具401の軒先母屋受け接続部403の側面を軒先母屋受け金具21の折曲部23と軒先母屋延長金具401の折曲部405とが略合致するようにあてがい、軒先母屋受け金具21の山形プレート22の貫通孔22aと軒先母屋延長金具401の軒先母屋受け接続部403の貫通孔403aとを締結具50で締結することにより行う。これにより、図25に示すように、軒先母屋延長金具401の軒先母屋接続部404と軒先母屋受け金具21の山形プレート22の既存軒先母屋18側の側面とが略同一面に、かつ、一直線上に配置される。
【0064】
新規軒先母屋400の端部402の軒先母屋延長金具401への接続は、図26に示すように、軒先母屋延長金具401を軒先母屋受け金具21に固定した後、既存軒先母屋18の先端と新規軒先母屋400の先端とが略合致するように、軒先母屋延長金具401の軒先母屋接続部404に新規軒先母屋400の端部402をあてがい、該新規軒先母屋400の端部402の貫通孔402aと軒先母屋延長金具401の軒先母屋接続部404の貫通孔404aとを締結具50で締結することにより行う。これにより、図23に示すように、新規軒先母屋400が既存軒先母屋18の延長上に設置される。
【0065】
以上により、図22に示すように、既存住宅の増築部側の母屋の設置方向が略90°変更されて、新規軒先母屋400が既存軒先母屋18と同一面に配置される、即ち、既存軒先母屋18が増築部側へ延長されたこととなる。
【0066】
次に、図22に示すように、増築部の新規第1母屋410を既存住宅の既存第1母屋26と同一面に配置する。具体的には、図27に示すように、既存軒先梁20の既存隅木梁100(図示せず)の方の端部に設置された第1母屋受け金具27に第1母屋延長金具411を固定し、該第1母屋延長金具411に新規第1母屋410の端部412を接続することにより、新規第1母屋410を既存第1母屋26の延長上に設置することにより行う。新規第1母屋410は、長尺の木角材であって、端部412には貫通孔412aが穿設されている(図31参照)。
【0067】
既存第1母屋26は、既存軒先母屋18と同様の構成であって、図27に示すように、端部を既存軒先梁20の所定位置に設けられた第1母屋受け金具27に締結具50で締結して固定されることにより、既存軒先母屋18の1段上に設置されている(図22参照)。
【0068】
第1母屋受け金具27は、図28に示すように、斜辺が長辺に対して略45°の角度をなす略台形の平部28と、該平部28の長辺から略90°の角度をなして上向きに立ち上がり、端部に貫通孔29aが穿設された第1母屋受け部29とを有している。第1母屋受け金具27の既存軒先梁20への固定は溶接により行われ、2個の第1母屋受け金具27は、各第1母屋受け部29が既存軒先梁20の長軸線Lに対して対称となるように、即ち、第1母屋受け部29どうしが略90°の角度をなすように、既存軒先梁20の両側面に設けられている。
【0069】
既存第1母屋26の第1母屋受け金具27への固定は、図27に示すように、既存第1母屋26の先端を既存軒先梁20の増築部側面に当接させ、既存第1母屋26の端部を第1母屋受け金具27の平部28に載置し、第1母屋受け金具27の第1母屋受け部29に締結具50で締結することにより行う。これにより、既存第1母屋26と増築部側の既存第1母屋30とが同一面に、かつ、略90°の角度をなして既存軒先梁20に配置される。
【0070】
第1母屋延長金具411は、図29に示すように、斜辺が長辺に対して略45°の角度をなす略台形の蓋部413と、該蓋部413の短辺から略90°の角度をなして下向きに垂れ下がり、下隅角部に貫通孔414aが穿設された第1母屋受け接続部414とを有する第1母屋受け接続部材415と、斜辺が長辺に対して略45°の角度をなす略台形の底部416と、該底部416の短辺から略90°の角度をなして上向きに立ち上がり、上隅角部に貫通孔417aが穿設された第1母屋接続部417とを有する第1母屋接続部材418と、略長方形の添え部419と、蓋部413の斜辺と対向する縁辺及び第1母屋受け接続部414の縁辺に固着された略長方形の補強部420とを有しており、添え部419の表面に底部416の斜辺及び第1母屋接続部417の縁辺及び蓋部413の斜辺を固着することにより形成したものである。
【0071】
第1母屋延長金具411の増築部側の第1母屋受け金具27への固定は、図30に示すように、第1母屋延長金具411の第1母屋受け接続部材415を第1母屋受け金具27の第1母屋受け部29に上方から被せて、第1母屋受け金具27の第1母屋受け部29の平部28側面に第1母屋延長金具411の第1母屋受け接続部材415の第1母屋受け接続部414をあてがうとともに、既存軒先梁20の増築部側面に第1母屋延長金具411の添え部419の裏面をあてがい、第1母屋受け金具27の第1母屋受け部29に第1母屋延長金具411の第1母屋受け接続部414を締結具で締結して固定することにより行う。
【0072】
このとき、第1母屋延長金具411の第1母屋受け接続部材415の折曲部の長さを、第1母屋受け金具27の第1母屋受け部29の上縁辺と略等しくしておくと、第1母屋延長金具411を第1母屋受け金具27に固定したときに、第1母屋延長金具411の第1母屋受け接続部材415が、既存軒先梁20と第1母屋延長金具411の補強部420とで挟まれた状態となるので、第1母屋延長金具411を第1母屋受け金具27に安定良く設置することができる(図31参照)。
【0073】
これにより、図31に示すように、第1母屋延長金具411の第1母屋接続部材418の折曲部421は、既存第1母屋26の方の第1母屋受け金具27の折曲部31と略同一面に、かつ、その延長線上に配置される。
【0074】
新規第1母屋410の端部412の第1母屋延長金具411への接続は、図31に示すように、第1母屋延長金具411を第1母屋受け金具27に固定した後、第1母屋延長金具411の第1母屋接続部材418に新規第1母屋410の端部412を載置し、該新規第1母屋410の端部412の貫通孔412aと第1母屋延長金具411の第1母屋接続部417の貫通孔417aとを締結具50で締結することにより行う。これにより、図27に示すように、新規第1母屋410が既存第1母屋26の延長上に設置される。
【0075】
以上により、図22に示すように、既存住宅の増築部側の母屋の設置方向が略90°変更されて、新規第1母屋410が既存第1母屋26と同一面に配置される、即ち、既存第1母屋26が増築部側へ延長されたこととなる。
【0076】
次に、図22に示すように、増築部の新規第2母屋430を既存住宅の既存第2母屋32と同一面に配置する。具体的には、図32に示すように、既存隅木梁19と既存軒先梁20との接続部近傍に設置された第2母屋受け金具33に第2母屋延長金具431を固定し、該第2母屋延長金具431に新規第2母屋430の端部432を接続することにより、新規第2母屋430を既存第2母屋32の延長上に設置する。新規第2母屋430は、長尺の木角材であって、端部432には貫通孔432aが穿設されている(図36参照)。
【0077】
既存第2母屋32は、既存軒先母屋18及び既存第1母屋26と同様の構成であって、図32に示すように、端部を既存隅木梁19の既存軒先梁101との接続部近傍に設けられた第2母屋受け金具33に締結具50で締結して固定されることにより、既存軒先母屋18の2段上に設置されている(図22参照)。
【0078】
第2母屋受け金具33は、図33に示すように、互いに略90°をなす2つの縁辺を有する略六角形の平部34と、該各平部34の縁辺からそれぞれ略90°をなして上向きに立ち上がり、上端部に貫通孔35aが穿設された第2母屋受け部35とを有している。第2母屋受け金具33の既存隅木梁19への固定は溶接により行われ、第2母屋受け金具33の2個の第2母屋受け部35が互いに既存隅木梁19の長軸線Lに対して対称となるように既存隅木梁19の上面に設けられている。
【0079】
既存第2母屋32の第2母屋受け金具33への固定は、図32に示すように、、既存第2母屋32の先端と増築部側の既存第2母屋36の先端とが略合致するように、既存第2母屋32の端部及び増築部側の既存第2母屋36の端部をそれぞれ第2母屋受け金具33の平部34に載置するとともに、各第2母屋受け部35に締結具50で締結して固定することにより行う。これにより、既存第2母屋32と増築部側の既存第2母屋36とが同一面に、かつ、略90°の角度をなして既存隅木梁19に配置される。
【0080】
第2母屋延長金具431は、図34に示すように、第2の実施形態の第1母屋延長金具411と同様の構成であり、蓋部433と貫通孔434aが穿設された第2母屋受け接続部434とを有する第2母屋受け接続部材435と、底部436と貫通孔437aが穿設された第2母屋接続部437とを有する第2母屋接続部材438と、添え部439と、補強部440とを有しており、添え部439の表面に底部436の斜辺、第2母屋接続部437の縁辺及び蓋部433の斜辺を固着することにより形成したものである。
【0081】
第2母屋延長金具431の第2母屋受け金具33への固定においても、図35に示すように、第2の実施形態と同様であり、第2母屋延長金具431の第2母屋受け接続部材435を第2母屋受け金具33の第2母屋受け部35に上方から被せて、第2母屋受け金具33の第2母屋受け部35に第2母屋延長金具431の第2母屋受け接続部434を締結具(図示せず)で締結して固定することにより行う。
【0082】
このとき、第2母屋延長金具431の第2母屋受け接続部材435の折曲部の長さを、第2母屋延長金具431を第2母屋受け金具33に固定したときの添え部439から第2母屋受け部35の既存隅木梁19と対向する縁辺までの距離と略等しくしておくと、第2母屋延長金具431を第2母屋受け金具33に固定したときに、第2母屋延長金具431の第2母屋受け接続部材435が、第2母屋延長金具431の添え部439と補強部440とで挟まれた状態となるので、第2母屋延長金具431を第2母屋受け金具33に安定良く設置することができる(図36参照)。
【0083】
これにより、図36に示すように、第2母屋延長金具431の第2母屋接続部材438の折曲部441が既存第2母屋32の方の折曲部37と略同一面に、かつ、その延長線上に配置される。
【0084】
新規第2母屋430の端部432の第2母屋延長金具431への接続は、図36に示すように、第2母屋延長金具431を第2母屋受け金具33に固定した後、第2母屋延長金具431の第2母屋接続部材438に新規第2母屋430の端部432を載置し、該新規第2母屋430の端部432の貫通孔432aと第2母屋延長金具431の第2母屋接続部437の貫通孔437aとを締結具50で締結することにより行う。これにより、図32に示すように、新規第2母屋430が既存第2母屋32の延長上に設置される。
【0085】
以上により、図22に示すように、既存住宅の増築部側の母屋の設置方向が略90°変更されて、新規第2母屋430が既存第2母屋32と同一面に配置される、即ち、既存第2母屋32が増築部側へ延長されたこととなる。
【0086】
次に、図22に示すように、増築部の新規一般母屋450を既存住宅の既存一般母屋38と同一面に配置する。具体的には、図37に示すように、既存隅木梁19に設置された一般母屋受け金具39に一般母屋延長金具451を固定し、該一般母屋延長金具451に新規一般母屋450の端部452を接続することにより、新規一般母屋450を既存一般母屋38の延長上に設置する。なお、新規一般母屋450は、長尺の木角材であって、端部452には貫通孔452aが穿設されている(図41参照)。
【0087】
既存一般母屋38は、既存軒先母屋18、既存第1母屋26及び既存第2母屋32と同様の構成であって、図37に示すように、端部を既存隅木梁19に設けられた一般母屋受け金具39に締結具50で締結して固定されることにより、既存軒先母屋18の3段以上に設置されている(図22参照)。
【0088】
一般母屋受け金具39は、図38に示すように、第3の実施形態の第2母屋受け金具33と同様の構成であり、互いに略90°をなす2つの縁辺を有する略六角形の平部40と、該各平部40の縁辺からそれぞれ略90°をなして上向きに立ち上がり、上端部に貫通孔41aが穿設された一般母屋受け部41とを有している。一般母屋受け金具39の既存隅木梁19への固定は溶接により行われ、一般母屋受け金具39の2個の一般母屋受け部41が互いに既存隅木梁19の長軸線Lに対して対称となるように既存隅木梁19の上面に設けられている。
【0089】
既存一般母屋38の一般母屋受け金具39への固定も、図37に示すように、第3の実施形態と同様に、既存一般母屋38の端部及び増築部側の既存一般母屋42の端部をそれぞれ一般母屋受け金具39の平部40に載置するとともに、各一般母屋受け部41に締結具50で締結して固定することにより行う。これにより、既存一般母屋38と増築部側の既存一般母屋42とが同一面に、かつ、略90°の角度をなして既存隅木梁19に配置される。
【0090】
一般母屋延長金具451は、図39に示すように、斜辺が長辺に対して略45°の角度をなし、上隅角部に貫通孔453aが穿設された略台形の一般母屋受け接続部453と、略長方形状の底部454と、該底部454の長辺から略90°の角度をなして上向きに立ち上がり、上隅角部に貫通孔455aが穿設された斜辺が長辺に対して略45°の角度をなす略台形の一般母屋接続部455とを有する一般母屋接続部材456と、一般母屋受け接続部453の斜辺と対向する縁辺に固着された補強部457とを有しており、一般母屋受け接続部453の斜辺と一般母屋接続部455の斜辺とを略合致させて固着することにより形成したものである。
【0091】
一般母屋延長金具451の一般母屋受け金具39への固定は、図40に示すように、一般母屋受け金具39の増築部側の一般母屋受け部41の平部40側面に一般母屋延長金具451の一般母屋受け接続部453をあてがい、一般母屋受け金具39の一般母屋受け部41に一般母屋延長金具451の一般母屋受け接続部453を締結具(図示せず)で締結して固定することにより行う。
【0092】
このとき、一般母屋延長金具451の一般母屋受け接続部453の上縁辺の長さを、一般母屋延長金具451を一般母屋受け金具39に固定したときに、一般母屋受け接続部453の斜辺が既存一般母屋38の先端に当接する長さとしておくと、一般母屋延長金具451の補強部457に一般母屋受け金具39の一般母屋受け部41の既存隅木梁19と対向する縁辺が当接することとなり、一般母屋延長金具451の一般母屋受け接続部453が、既存一般母屋38と一般母屋延長金具451の補強部457とで挟まれた状態となるので、一般母屋延長金具451を一般母屋受け金具39に安定良く設置することができる(図41参照)。
【0093】
これにより、図41に示すように、一般母屋延長金具451の一般母屋接続部材456の折曲部458が一般母屋受け金具39の既存一般母屋38の方の折曲部43と略同一面に、かつ、その延長線上に配置される。
【0094】
新規一般母屋450の端部452の一般母屋延長金具451への接続は、図41に示すように、一般母屋延長金具451を一般母屋受け金具39に固定した後、一般母屋延長金具451の一般母屋接続部材456に新規一般母屋450の端部452を載置し、該新規一般母屋450の端部452の貫通孔452aと一般母屋延長金具451の一般母屋接続部455の貫通孔455aとを締結具50で締結することにより行う。これにより、図37に示すように、新規一般母屋450が既存一般母屋38の延長上に設置される。
【0095】
以上により、図22に示すように、既存住宅の増築部側の母屋の設置方向が略90°変更されて、新規一般母屋450が既存一般母屋38と同一面に配置される、即ち、既存一般母屋38が増築部側へ延長されたこととなる。
【0096】
第5に、図42に示すように、既存住宅の桁側面の軒先に沿って軒先梁を新たに追加する。この軒先梁の設置の第1の実施の形態は、既存住宅の桁側面の軒先に沿って、既存のトラス1000の両側方に軒先梁1001を設置し、且つ、増築部側に該軒先梁1001と略直交する方向へ直交梁1002を設置する必要がある場合の軒先梁設置工法であって、図43に示す手順で、トラス軒先部1003に前処理を施し、図46に示すような、ウエブ跨ぎ部500と、軒先梁接続部501と、直交梁接続部502と、底部503を有する軒先梁設置金具504を、相隣接するトラス1000の軒先側の端部に、軒先梁接続部501を相対向させてそれぞれ配設し、相対向する軒先梁接続部501に、軒先梁1001の両端部を接続することにより行うものである。以下、更に詳細に説明する。
【0097】
軒先梁設置金具504をトラス1000の軒先側の端部に設置する際には、トラス軒先部1003、及びトラス1000の軒先側の端部に設けられたプレート1004が邪魔となるため、それらを切除する前処理工程が必要となる。この前処理工程の手順を示すのが図43であり、各手順ごとの作業後の状態を表すのが図44、及び図45である。
【0098】
手順1では、トラス軒先部1003を切除している。これは、トラス軒先部1003を適宜に短くしておくことにより、後の作業を行い易くするためである。ここで、図44(a)は、この手順の作業前の状態を、図44(b)は作業後の状態を表している。尚、切断に用いる工具としては、例えばレシプロソー(不図示)を用いることができ、後述する切断作業についても同様である。
【0099】
手順2では、トラス1000の軒先側の端部に、軒先に面して設けられている断面略逆L字型のプレート1004を取り除くために、該プレート1004とトラス1000との接合面に沿うように、トラス軒先部1003と共に、鉛直方向に切断している。このとき、プレート1004とトラス1000との溶接部を避け、プレート1004とトラス1000との接合面より若干内側で切断すると切断し易い。ここで、図44(c)は、この手順の作業後の状態を表している。
【0100】
手順3では、トラス軒先部1003を、トラス1000のC型鋼1005先端部より若干軒先側において、トラス1000のウエブ1006に達するまで切断している。これは、軒先梁設置金具504を設置するのに邪魔となる部分を除去するためである。ここで、図44(d)は、この手順の作業後の状態を表している。
【0101】
手順4では、プレート1004の下部を軒先側から水平方向に切断することにより、プレート1004をトラス1000から切り離している。ここで、図45(a)は、この手順の作業後の状態を表している。
【0102】
手順5では、例えば、サンダー(不図示)等の工具を用いて研磨することにより、手順4においてトラス1000の下部に残ったプレート1004の残片を取り除いている。これにより、軒先梁設置金具504の該部位への納まりが良くなる、という利点がある。ここで、図44(b)は、この手順の作業後の状態を表している。
【0103】
手順6では、軒先側からトラス1000のウエブ1006の傾斜に沿って、手順3において切断した位置まで、トラス1000とトラス軒先部1003との接合面を切断し、トラス軒先部1003の軒先側部を除去している。ここで、図45(c)は、この手順の作業後の状態を表している。
【0104】
図46に示す軒先梁設置金具504の底部503から鉛直方向に立ちあがる、左右1対のウエブ跨ぎ部500は、トラス1000のウエブ1006の厚さよりも若干広い間隔をおいて略平行に配置されている。軒先梁設置金具504の設置に際しては、図47及び図48に示すように、ウエブ跨ぎ部500が、前述のような前処理を施したトラス1000のウエブ1006の軒先側の端部を跨ぐように軒先梁設置金具504をあてがい、トラス1000のウエブ1006の軒先側の端部が直交梁接続部502に達するまで軒先梁設置金具504を押し込むと共に、ウエブ跨ぎ部500に設けた貫通孔505、及び底部503に設けた貫通孔506において、ボルト締めでトラス1000、及び軸組1007に固定している。
【0105】
軒先梁設置金具504の両側部に突設された軒先梁接続部501は、ウエブ跨ぎ部500、及び底部503の双方と略90°の角度をなしており、図49に示すように、該軒先梁接続部501に、H型鋼である軒先梁1001のウエブ1008を当接させ、軒先梁接続部501に設けられた貫通孔507においてボルト締めで固定することにより、軒先梁1001を軒先に沿って設置している。
【0106】
直交梁接続部502は、ウエブ跨ぎ部500、及び底部503の双方と略90°の角度をなして設けられ、軒先側面が平坦面に形成されている。これにより、軒先梁設置金具504を設置したときに、該直交梁接続部502の平坦面が軒先に面し、図48、及び図49に示すように、この平坦面に、H型鋼である直交梁1002の一端部を、接合板1009を介して接合させ、直交梁接続部502に設けられた貫通孔508においてボルト締めで固定することにより、直交梁1002を容易に設置することができる。
【0107】
また、軒先側に葺き下ろし梁1010を設けて増築する場合も、既存住宅の桁側面の軒先に沿って、軒先梁1001の新たな設置が必要となる。この場合、トラス軒先部1003の前処理、軒先梁設置金具504の配設、及び軒先梁1001の設置については直交梁1002の設置の場合と同様の手順で行い、図50に示すように、直交梁接続部502に葺き下ろし梁1010の基部1011を接合させ、ボルト締めにより固定するとよい。
【0108】
次に、軒先梁の設置の第2の実施形態は、図42に示すように、既存住宅の桁側面の軒先に沿って、既存のトラス1000の一側方に軒先梁1001を設置し、且つ、増築部側に該軒先梁1001と直交する方向へ直交梁1002を設置する必要がある場合の軒先梁設置工法であって、第1の実施形態と同様の手順でトラス軒先部1003に前処理を施し、図51(a)に示すような、ウエブ跨ぎ部510と、軒先梁接続部511と、直交梁接続部512と、底部513を有する軒先梁設置金具514、又は、図51(b)に示すような、ウエブ跨ぎ部515と、軒先梁接続部516と、直交梁接続部517と、底部518を有する軒先梁設置金具519を、相隣接するトラス1000の軒先側の端部に、軒先梁接続部511、又は516を相対向させてそれぞれ配設し、相対向する軒先梁接続部511又は516に、軒先梁1001の両端部を接続することにより行うものである。以下、更に詳細に説明する。
【0109】
ウエブ跨ぎ部510、及びウエブ跨ぎ部515は、第1の実施形態の軒先梁設置金具504のウエブ跨ぎ部500と同様の形状を有しており、トラス1000の軒先側の端部への設置方法は第1の実施形態と同様である。
【0110】
軒先梁設置金具514の右側部に設けられた軒先梁接続部511は、ウエブ跨ぎ部510、及び底部513の双方と略90°の角度をなしており、図52に示すように、該軒先梁接続部511に、H型鋼である軒先梁1001のウエブ1008を当接させ、軒先梁接続部511に設けられた貫通孔520においてボルト締めで固定することにより、軒先に沿って軒先梁1001を設置している。また、軒先梁設置金具519は、その左側部に軒先梁接続部516を有しており、それ以外の構造、及び軒先梁1001の接続方法は軒先梁設置金具514と同様である。以上2つの軒先梁設置金具514と軒先梁設置金具519は、トラス1000と、新たに追加する軒先梁1001との位置関係に応じて使い分けるとよい。
【0111】
直交梁接続部512、及び直交梁接続部517は、第1の実施形態の軒先梁設置金具504の直交梁接続部502と同一の形状を有し、第1の実施形態と同様の手順により、直交梁1002、又は葺き下ろし梁1010を増築部側に設置することができる。
【0112】
次に、軒先梁の設置の第3の実施形態は、図42に示すように、既存住宅の桁側面の軒先に沿って、既存のトラス1000の両側方に軒先梁1001を設置し、且つ、増築部側に軒先梁1001と直交する方向へ直交梁1002を設置する必要がない場合の軒先梁設置工法であって、図53に示すように、トラス軒先部1003に前処理を施した後、図54に示すような、傾斜部530と、補強板531を有する蓋部材532と、軒先梁接続部533と、傾斜部534と、ウエブ接合部535と、底部536を有する左右1対の羽根部材537とを具備する軒先梁設置金具538を、相隣接するトラス1000の軒先側の端部に、突設された軒先梁接続部533を相対向させてそれぞれ配設し、相対向するこれら軒先梁接続部533に、軒先梁1001の両端部を接続することにより行うものである。以下、更に詳細に説明する。
【0113】
本実施形態の場合、トラス軒先部1003に施す前処理として、図53に示すように、トラス軒先部1003を、軒先より若干増築部側の位置で切断し、軒先側部を除去している。これは、本実施形態では、増築部側に直交梁1002を設ける必要がないため、トラス軒先部1003が、増築部側に若干突出した状態で残っていても、邪魔とならないからである。もちろん、この場合、第1の実施形態の手順で前処理を施し、軒先梁設置金具504を設置しても構わないが、本実施形態のように、前処理を簡素化して、軒先梁設置金具538を用いた方が作業能率を向上できる、という利点がある。
【0114】
図54に示す羽根部材537は、その一側方に伸びる軒先梁接続部533を有し、該軒先梁接続部533は、底部536と、ウエブ接合部535の双方に略90°の角度をなしている。軒先梁1001の接続に際しては、軒先梁接続部533に、図55に示すように、H型鋼である軒先梁1001のウエブ1008を当接させ、軒先梁接続部533に設けられた貫通孔539において、ボルト締めで固定することにより、軒先梁1001を軒先に沿って設置している。
【0115】
蓋部材532は、羽根部材537各々をその上部において連結し、一体化する役割を果たしており、羽根部材537の、外部からの力の作用に対するぐらつき、脱落等を防止するために設けられている。また、図54に示すように、蓋部材532の構造上の弱さを補強するために、その内部に補強板531を設けている。
【0116】
羽根部材537の傾斜部534と、蓋部材532の傾斜部530は、その傾斜角を等しくしてあり、図57に示すように、双方を接合し、ボルト締めにより羽根部材537と蓋部材532を固定している。この傾斜角は、本実施形態の場合、トラス軒先部1003の傾斜角と等しくしている。これにより、羽根部材537を、トラス1000の軒先側の側部に納まり良く配置することが可能となっている。
【0117】
軒先梁設置金具538の設置に際しては、図56、及び図57に示すように、まず羽根部材537各々を、トラス1000の軒先側の端部に、底部536がトラス1000のフランジ1012と接合し、また、ウエブ接合部535がトラス1000のウエブ1006と接合するよう配設し、底部536に設けた貫通孔540においてボルト締めで固定する。次に、蓋部材532をトラス軒先部1003の上方から被せ、蓋部材532の傾斜部530各々を、羽根部材537各々の傾斜部534に接合させる。更に蓋部材532の傾斜部530に設けた貫通孔541と、羽根部材537各々の傾斜部534に設けた貫通孔542の位置を合わせた上で、ボルト締めで固定すればよい。
【0118】
尚、本実施形態では、桁側面の軒先に沿って、トラス1000の両側方に軒先梁1001を設置する場合について述べたが、トラス1000の一側方のみに軒先梁1001を設置する場合にも、同様の手順で軒先梁設置金具538を設置し、羽根部材537の軒先梁接続部533のいずれか一方を使用しない状態にしておくとよい。この場合、羽根部材537を一方しか設置しないと、蓋部材532が安定せず、ぐらつき、脱落等が発生する可能性があるため、羽根部材537は常に左右一対を揃えた状態で用いるのが好ましい。
【0119】
以上説明した3つの実施形態のいずれの場合についても、軒先梁1001の設置に際しては、図58に示すように、トラス1000―トラス1000間、トラス1000―隅木梁1013間、トラス1000―登り梁1014間、あるいは登り梁1014―隅木梁1013間のいずれの場所に設置するのかにより、また、トラス1000の軒先側の端部に設置する金具が、第1乃至3のいずれの実施形態のものなのかにより、軒先梁1001の長手方向寸法、及び端部の形状を適宜変更する必要がある。
【0120】
特に、軒先梁1001の一端側に既存の隅木梁1013がある場合には、軒先梁1001の隅木梁1013側の端部に隅木梁接続梁550を設けることにより、軒先梁1001が隅木梁1013に接触することを防止している。
【0121】
隅木梁接続梁550は、図59に示すように、垂直板551と、該垂直板551の上端縁に固定され、垂直板551と直交する上面板552と、垂直板551の下端縁に固定され、垂直板551と直交する底面板553と、該底面板553上に固定され、内部が空洞である略直方体形状を有する箱部554と、箱部554の内部に設けられた補強板555とを有しており、図61に示すように、上面板552、底面板553、及び垂直板551の端部が接合板1015を介して軒先梁1001に固定されると共に、箱部554の底面に設けた貫通孔556において、ボルト締めで軸組1007に固定されている。
【0122】
上面板552、及び垂直板551は、略長方形の平板の一部を斜めに切り落とした形状となっている。これにより、上面板552、及び垂直板551が、隅木梁接続梁550の斜め上方から斜め下方へと伸びる隅木梁1013と接触することを防止している。
【0123】
隅木梁1013と隅木梁接続梁550との接続部分において、増築部側に葺き下ろし梁1010を設けて増築する必要がある場合、図60に示すように、箱部554の増築部側側面に、葺き下ろし梁1010の基部1011を接合させ、箱部554の増築部側側面に設けた貫通孔557において、ボルト締めにより固定すればよい。また、葺き下ろし梁1010を接続しない場合には、箱部554の増築部側側面は平坦面である必要は無く、箱部554の形状は、中空の略直方体に限られず、他の形状であっても構わない。
【0124】
また、図58に示すように、軒先梁1001の一端部を登り梁1014に接続する必要がある場合には、既存の登り梁接続金具1016等を用いて接続すればよい。
【0125】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の小屋組の増築施工法によれば、既存住宅の小屋組を全面的に解体することなく、既存大棟の端部から新規大棟の端部に向って隅木梁を延長させ、既存大棟の中間部の登り梁を新規大棟の端部に向って延長させることができるという利点がある。
【0126】
また、既存の小屋組を全面的に解体しないので、施工期間を短縮することができるだけでなく、労力を削減しながら作業性を向上させることができるという利点がある。
【0127】
更に、各部材の接続を締結具で締結することにより行うので、作業性の向上を図ることができるだけでなく、溶接接合と比べて、十分な安全性を確保することができるという利点がある。
【0128】
更にまた、既存の小屋組を全面的に解体しないので、産業廃棄物の発生量を減少させることができるだけでなく、これを運搬して処理するための費用を削減することができるという利点がある。
【0129】
そして、施工期間の短縮化により顧客に不便を強いる期間が短くなり、顧客の負担を軽減させることができるという利点がある。
【0130】
請求項2に記載の小屋組の増築施工法によれば、請求項1の利点に加えて、既存住宅の既存母屋を全て撤去することなく、既存住宅の増築部側の母屋の設置方向を略90°変更して増築部の新規母屋を既存住宅の既存母屋と略同一面に配置することができるという利点がある。
【0131】
請求項3に記載の小屋組の増築施工法によれば、既存住宅の小屋組や軒裏等を全面的に解体することなく、容易に軒先梁を設置することができるという利点がある。
【0132】
また、既存住宅の小屋組や軒裏等の全面的な解体が不要となることで、省力化、及び施工期間の大幅な短縮を図ることができると共に、従来、産業廃棄物として処理していた、解体時に生じる不要なトラスが発生しなくなることで、処理に要するコストを削減することが可能となる。
【0133】
請求項4に記載の小屋組の増築施工法によれば、請求項3に記載の小屋組の増築施工法と同様に、既存住宅の小屋組や軒裏等を全面的に解体することなく、容易に軒先梁を設置することが可能となる。
【0134】
また、既存住宅の小屋組や軒裏等の全面的な解体が不要となることで、省力化、及び施工期間の大幅な短縮を図ることができると共に、従来、産業廃棄物として処理していた、解体時に生じる不要なトラスが発生しなくなることで、処理に要するコストを削減することが可能となる。
【0135】
即ち、本発明の小屋組の増築施工法によれば、施工の省力化、コストダウン及び廃棄物の削減を図ることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る小屋組全体の概略を示す平面図である。
【図2】新規隅木梁を含む小屋組を示す側面図である。
【図3】図2のA部分拡大図である。
【図4】隅木梁延長金具と新規隅木梁との接続手順を示す説明図である。
【図5】隅木梁延長金具の隅頂部母屋受けへの固定手順を示す平面図である。
【図6】図3の平面図である。
【図7】和小屋組での新規隅木梁を含む小屋組を示す側面図である。
【図8】新規登り梁を含む小屋組を示す側面図である。
【図9】登り梁延長金具を示す斜視図である。
【図10】図8のB部分拡大図である。
【図11】図10の平面図である。
【図12】新規登り梁束及び登り梁束接続金具を示す斜視図である。
【図13】図8のC部分拡大図である。
【図14】図13の平面図である。
【図15】登り梁延長金具の頂部母屋受けへの接続手順を示す説明図である。
【図16】図14のD部分における登り梁束接続金具の増築部側の既存登り梁への固定手順を示す説明図である。
【図17】登り梁束接続金具の増築部側の既存登り梁への固定手順を示す説明図である。
【図18】他の実施の形態の登り梁束接続金具を示す側面図である。
【図19】他の実施の形態の登り梁束接続金具を示す平面図である。
【図20】他の実施の形態の登り梁束接続金具を示す側面図である。
【図21】和小屋組での新規登り梁を含む小屋組を示す側面図である。
【図22】本発明の実施の形態に係る小屋組全体の概略を示す平面図である。
【図23】軒先母屋の実施形態を示す平面図である。
【図24】軒先母屋受け金具及び軒先母屋延長金具を示す斜視図である。
【図25】
軒先母屋延長金具の軒先母屋受け金具への固定手順を示す説明図である。
【図26】新規軒先母屋の軒先母屋延長金具への接続手順を示す説明図である。
【図27】第1母屋の実施形態を示す平面図である。
【図28】第1母屋受け金具を示す平面図である。
【図29】第1母屋延長金具を示す斜視図である。
【図30】第1母屋延長金具の第1母屋受け金具への固定手順を示す説明図である。
【図31】新規第1母屋の第1母屋延長金具への接続手順を示す説明図である。
【図32】第2母屋の実施形態を示す平面図である。
【図33】第2母屋受け金具を示す平面図である。
【図34】第2母屋延長金具を示す斜視図である。
【図35】第2母屋延長金具の第2母屋受け金具への固定手順を示す説明図である。
【図36】新規第2母屋の第2母屋延長金具への接続手順を示す説明図である。
【図37】一般母屋の実施形態を示す平面図である。
【図38】一般母屋受け金具を示す平面図である。
【図39】一般母屋延長金具を示す斜視図である。
【図40】一般母屋延長金具の一般母屋受け金具への固定手順を示す説明図である。
【図41】新規一般母屋の一般母屋延長金具への接続手順を示す説明図である。
【図42】本発明の実施の形態に係る小屋組全体の概略を示す平面図である。
【図43】トラス軒先部への前処理の流れを説明するための説明図である。
【図44】トラス軒先部への前処理を各手順ごとに説明するための説明図である。
【図45】トラス軒先部への前処理を各手順ごとに説明するための説明図である。
【図46】軒先梁設置金具の概略斜視図である。
【図47】軒先梁設置金具の設置方法を説明するための概略斜視図である。
【図48】軒先梁設置金具の設置状態を示す概略側面図である。
【図49】軒先梁設置金具と軒先梁の接続部分を示す概略平面図である。
【図50】軒先梁設置金具と葺き下ろし梁の接続部分を示す概略側面図である。
【図51】軒先梁設置金具の概略斜視図である。
【図52】軒先梁設置金具と軒先梁の接続部分を示す概略平面図である。
【図53】トラス軒先部への前処理を説明するための説明図である。
【図54】軒先梁設置金具の概略斜視図である。
【図55】軒先梁設置金具と軒先梁の接続部分を示す概略平面図である。
【図56】軒先梁設置金具の設置方法を説明するための概略斜視図である。
【図57】軒先梁設置金具の設置状態を示す概略側面図である。
【図58】トラス、隅木梁、及び登り梁と、軒先梁の接続部分について説明するための概略平面図である。
【図59】隅木梁接続梁の概略斜視図である。
【図60】隅木梁接合梁と葺き下ろし梁の接合部分を示す概略平面図である。
【図61】隅木梁接合梁と隅木梁の接合部分を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 既存隅木梁
8 既存登り梁
100 新規隅木梁
200 新規登り梁

Claims (4)

  1. 寄棟造りの既存住宅の桁面の全面に増築する際の増築工事における小屋組の施工法であって、
    既存大棟の端部下の垂直部材の上端部に設置された隅頂部母屋受けに設置される隅頂部母屋受け接続部と該隅頂部母屋受け接続部の一端縁から既存隅木梁の立上り角度と略等しい角度で立ち上がる隅木梁接続部とを有する隅木梁延長金具を用い、前記隅木梁接続部に新規隅木梁の一端部を接続し、前記隅頂部母屋受けに前記隅頂部母屋受け接続部を固定して、前記新規隅木梁の一端部を前記既存隅木梁の延長上に設置することにより、既存大棟の端部から新規大棟の端部に向って隅木梁を延長し、
    既存大棟の中間部下の垂直部材の頂部に設置される平部と、前記垂直部材の上端部に設置された頂部母屋受けに設置される頂部母屋受け接続部と、該母屋受け接続部の一側中央部から既存登り梁の立上り角度と略等しい立上り角度で立り上がる登り梁接続部とを有する登り梁延長金具を用い、前記新規登り梁の一端部を前記登り梁接続部に接続し、前記平部を前記垂直部材の頂部に固定し、前記頂部母屋受け接続部を前記頂部母屋受けに固定することにより、前記新規登り梁の一端部を前記既存登り梁の延長上に設置するとともに、下端部に増築部側の既存登り梁に設置される登り梁束接続金具と上端部に前記新規登り梁に接続する新規登り梁接続部とを有する新規登り梁束を用い、前記登り梁束接続金具を前記既存の登り梁に固定し、前記新規登り梁接続部を前記新規の登り梁に接続して、前記新規登り梁束を前記新規登り梁と前記増築側の既存登り梁との間に鉛直に立設させることにより、既存大棟の中間部の登り梁を新規大棟の端部に向って延長することを特徴とする小屋組の増築施工法。
  2. 既存住宅と増築部の境界に位置する既存隅木梁に設置された母屋受け金具に設置される母屋受け接続部と該母屋受け接続部と略90°をなす母屋接続部とを有する母屋延長金具を用い、前記母屋受け金具に前記母屋受け接続部を固定し、増築部の新規母屋を前記母屋受け金具に設置された既存母屋の延長上に設置することにより、既存住宅の増築部側の母屋の設置方向を略90°変更して、前記増築部の新規母屋を前記既存母屋と略同一面に配置することを特徴とする請求項1に記載の小屋組の増築施工法。
  3. 小屋組のトラスの一端側から斜め下方にトラス軒先部が延設された住宅の桁側面への増築工事で、既存住宅の桁側面の軒先に沿って軒先梁を新たに追加する軒先梁設置工法であって、既存住宅の前記軒先梁を追加する桁側面のトラス軒先部の軒先側部を切除し、相隣接するトラスの軒先側の端部に、突設された軒先梁接続部を相対向させて軒先梁設置金具をそれぞれ配設し、相対向するこれら軒先梁接続部に、軒先梁の両端部を接続することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の小屋組の増築施工法。
  4. 小屋組のトラスの一端側から斜め下方にトラス軒先部が延設された住宅の桁側面への増築工事で、既存住宅の桁側面の軒先に沿って軒先梁を新たに追加する軒先梁設置工法であって、既存住宅の前記軒先梁を追加する桁側面のトラス軒先部を切除し、相隣接するトラスの軒先側の端部に、前記トラスのウエブを跨ぐウエブ跨ぎ部と、該ウエブ跨ぎ部から直角方向に突設された軒先梁接続部とを有する軒先梁設置金具を前記軒先梁接続部を相対向させてそれぞれ配設し、相対向するこれら軒先梁接続部に、軒先梁の両端部を接続することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の小屋組の増築施工法。
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