JP3876747B2 - スピーカーシステム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカーシステムに関する。より詳細には、本発明は、筐体を構成するそれぞれの板から発せられる音の影響が排除され、きわめて優れた音質を有するスピーカーシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
通常のスピーカーシステムは、筐体に取り付けられたスピーカーユニットに音楽信号を印加することにより音を再生する。このとき、印加された音楽信号によりスピーカーユニットが駆動されると、スピーカーユニットの駆動の反作用により、筐体を構成する各面(筐体を構成するそれぞれの板)から音が放射される。筐体を構成するそれぞれの板は、板を構成する材料、板の幅・厚み等に依存して特定の固有振動数で共振するので、それぞれの板が特有の音色を有する。
【0003】
したがって、音楽信号がスピーカーユニットに印加される場合には、スピーカーユニットから再生音が放射されるだけでなく、筐体を構成するそれぞれの板からも異なる音色を有する音が放射される。板から放射される音はレベルが低いものであるが、すべての板から異なる音色を有する音が放射されることにより、スピーカーシステム全体の再生音質が低下してしまう。
【0004】
以上のように、筐体を構成するそれぞれの板から発せられる音の影響が排除され、優れた音質を有するスピーカーシステムが強く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、筐体を構成するそれぞれの板から発せられる音の影響が排除され、きわめて優れた音質を有するスピーカーシステムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のスピーカーシステムは、筐体と、該筐体に取り付けられたスピーカーユニットとを有し、該筐体を構成する6つの面から任意に選択した2つの面のピッチ周波数の比が、協和音とみなされる周波数比に相当する。
【0007】
好ましい実施形態においては、上記任意に選択した2つの面のピッチ周波数の比は、楽器音響学における1度、長3度、4度、5度、長6度および8度から選択される協和音とみなされる周波数比に相当する。
【0008】
本発明によれば、筐体を構成する6つの面から任意に選択した2つの面のピッチ周波数の比が協和音の周波数比に相当するよう筐体を設計することにより、各面から発せられる音の影響が排除されるので、きわめて優れた音質を有するスピーカーシステムが得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は、本発明の好ましい実施形態によるスピーカーシステムを説明するための概略断面図である。このスピーカーシステム100は、筐体1と、筐体1に取り付けられたスピーカーユニット2とを有する。筐体1は任意の適切な材料から構成され得る。スピーカーユニット2もまた、任意の適切な仕様で構成され得る。
【0010】
本発明によれば、筐体1を構成する6つの面から任意に選択した2つの面のピッチ周波数の比が、協和音とみなされる周波数比に相当する。ここで、「面のピッチ周波数」とは、それぞれの面(筐体1を構成するそれぞれの板)がスピーカーユニット2の駆動の反作用により振動する際に、当該それぞれの面から発せられる音色を決定づける周波数をいう。すなわち、筐体1を構成する面が振動する場合には、それぞれの面は特有の周波数スペクトルを有するが、当該スペクトルは特定の周波数に大きなピークを有し、このピークが面の音色を実質的に決定づけることになる。このピークに相当する周波数をピッチ周波数という。なお、実用的には、底板は床面に接して配置されるので、底板の面から発せられる音については無視することができる。さらに、スピーカーシステムの筐体の左右の側板は、通常、同一の材質・同一の形状で構成されることにより、左右の側板から発せられる音の周波数比は実質的に1となるので、ほとんどの場合には左右の側板のピッチ周波数比は考慮しなくてよい。従って、実質的には、フロントバッフル(前面を構成する板)、天板(上面を構成する板)、裏板(後面を構成する板)および一方の側板から任意に選択した2つの面のピッチ周波数の比が、協和音とみなされる周波数比に相当すればよい。さらに、1つまたは複数のスピーカーユニットの占有面積がフロントバッフルの約1/3以上を占めるようなブックシェルフ型スピーカーの場合には、フロントバッフルの面積に対するスピーカーユニットの面積比が大きくなり、結果としてフロントバッフルの影響が小さくなる。したがって、このようなスピーカーシステムにおいては、天板、裏板および一方の側板から任意に選択した2つの面のピッチ周波数の比が、協和音とみなされる周波数比に相当すればよい。
【0011】
「協和音」とは、音響学的には、6以下の2つの整数の商に等しい周波数比、あるいは当該周波数比に2の整数乗を乗じまたは2の整数乗で除した比率を有する2つの音をいう。従って、「協和音とみなされる周波数比」とは、周波数比を平均律の音程に置き換えたときに協和する音程とみなされる周波数比、すなわち、受聴者が協和音として許容可能な周波数比の範囲をいう。例えば、ピアノの鍵盤で「ド」の音を叩いたときに、本来の「ド」の音として聞こえる場合には、この音の周波数は、協和音の周波数比を構成する。一方、ピアノの鍵盤で「ド」の音を叩いたときに、調律が悪くて本来の「ド」の音からは少しずれても、受聴者にはいまだ「ド」の音として聞こえる場合がある。本発明においては、このようなずれは許容範囲であり、このような音の周波数は、協和する音程とみなされる周波数比を構成する。
【0012】
より具体的な周波数比の範囲について、下記表1を用いて説明する。表1は、1オクターブ内の周波数比を示している。ピアノの鍵盤でいえば、1度が「ド」を表し、オクターブ(8度)が高い「ド」を表す。楽器音響学においては、1度、長3度、4度、5度、長6度および8度が1オクターブ内の協和音である。そして、このような協和音は、それぞれ固有の許容範囲を有し、当該許容範囲が本発明における「協和音とみなされる周波数比」である。もちろん、本発明における「協和音とみなされる周波数比」は1オクターブ内に限られるものではなく、楽器音響学における任意の協和音およびその許容範囲をすべて包含する。なお、このような協和音の周波数比と許容範囲の関係は音響学の当業者には周知であり、「音響心理学」(梅本堯夫著、誠信書房)をはじめとする多数の教科書に記載されているので、これ以上の詳細な説明はそれらを参考として援用する。
【0013】
【表1】
【0014】
このような周波数比を実現する手段としては、目的に応じて、任意の適切な手段が採用され得る。例えば、筐体を構成する少なくとも1つの板に溝を形成することにより所望の周波数比を実現することができる。溝を設けることにより、各板面周辺のコンプライアンスが上がり、その結果、板面の基本共振周波数を下げる効果があるからである。溝を形成する板、溝を形成する位置、溝の幅、溝の深さ、溝の数等は、目的に応じて適宜設定され得る。例えば、図1に例示した実施形態は、各面の所望のピッチ周波数に近づけるためにそれぞれの溝の深さおよび幅を異なるように設定した実施形態である。具体的には、本実施形態においては、筐体を構成する板のうち、フロントバッフル、天板および裏板に、それぞれ2本ずつ(板の端部近傍に)溝が形成されている。さらに、フロントバッフルに形成された溝は、他の2つの板に形成された溝よりも広い幅を有する。
【0015】
あるいは、異なる厚みを有する板で筐体を構成することにより、所望の周波数比を実現することができる。板厚を厚くすることにより、板の基本共振周波数が上がるので、ピッチ周波数を高くしたい場合に有効な手段である。目的に応じて、1枚だけ分厚い板を用いてもよく、1枚だけ薄い板を用いてもよく、すべてが異なる厚みを有する板を用いてもよく、複数の異なる厚みを有する板を適宜組み合わせて用いてもよい。板の厚みもまた、目的に応じて適宜設定され得る。例えば、図2に例示した実施形態においては、天板のみを分厚くしている。
【0016】
あるいは、筐体を構成する少なくとも1つの板に別体の板状体を取り付けることにより、所望の周波数比を実現することができる。板状体が取り付けられる板、取り付ける板状体の数、大きさ、厚み等は、目的に応じて適宜設定され得る。例えば、図3に例示した実施形態においては、裏板に板状体が貼り付けられている。板状体は筐体を構成する板に接着剤で貼り付けてもよく、機械的に固着してもよく、板状凸部を設けるようにして筐体を構成する板を成形してもよい。
【0017】
あるいは、筐体を構成する少なくとも1つの板に凹部を形成することにより、所望の周波数比を実現することができる。凹部を形成することにより、基本共振周波数が下がるので、ピッチ周波数を低くしたい場合に有効な手段である。凹部が形成される板、形成される凹部の数、大きさ、深さ等は、目的に応じて適宜設定され得る。例えば、図4に例示した実施形態においては、天板に凹部が形成されている。
【0018】
上記の実施形態は、目的に応じて適宜選択され得、また、適宜組み合わせられ得る。例えば、従来の通常の設計で組み立てたときに、各板面同士のピッチ周波数の比が協和音とみなされる周波数比に相当する条件に比べて、フロントバッフルのピッチ周波数が高すぎ、および、裏板のピッチ周波数が高すぎる場合を想定する。このような場合には、1つの手段として、フロントバッフルの周辺部に溝を設けてピッチ周波数を低くし、かつ、裏板を薄くしてピッチ周波数を高くすることにより、所望の周波数比(協和音とみなされる周波数比)を実現することができる。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、筐体を構成する6つの面から任意に選択した2つの面のピッチ周波数の比が協和音の周波数比に相当するよう筐体を設計することにより、各面から発せられる音が相互に影響して生じる不快な放射音を心地よい放射音へと改善し、きわめて優れた音質を有するスピーカーシステムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるスピーカーシステムを説明するための概略断面図である。
【図2】本発明の別の実施形態によるスピーカーシステムを説明するための概略断面図である。
【図3】本発明のさらに別の実施形態によるスピーカーシステムを説明するための概略断面図である。
【図4】本発明のさらに別の実施形態によるスピーカーシステムを説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
1 筐体
2 スピーカーユニット
100 スピーカーシステム
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカーシステムに関する。より詳細には、本発明は、筐体を構成するそれぞれの板から発せられる音の影響が排除され、きわめて優れた音質を有するスピーカーシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
通常のスピーカーシステムは、筐体に取り付けられたスピーカーユニットに音楽信号を印加することにより音を再生する。このとき、印加された音楽信号によりスピーカーユニットが駆動されると、スピーカーユニットの駆動の反作用により、筐体を構成する各面(筐体を構成するそれぞれの板)から音が放射される。筐体を構成するそれぞれの板は、板を構成する材料、板の幅・厚み等に依存して特定の固有振動数で共振するので、それぞれの板が特有の音色を有する。
【0003】
したがって、音楽信号がスピーカーユニットに印加される場合には、スピーカーユニットから再生音が放射されるだけでなく、筐体を構成するそれぞれの板からも異なる音色を有する音が放射される。板から放射される音はレベルが低いものであるが、すべての板から異なる音色を有する音が放射されることにより、スピーカーシステム全体の再生音質が低下してしまう。
【0004】
以上のように、筐体を構成するそれぞれの板から発せられる音の影響が排除され、優れた音質を有するスピーカーシステムが強く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、筐体を構成するそれぞれの板から発せられる音の影響が排除され、きわめて優れた音質を有するスピーカーシステムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のスピーカーシステムは、筐体と、該筐体に取り付けられたスピーカーユニットとを有し、該筐体を構成する6つの面から任意に選択した2つの面のピッチ周波数の比が、協和音とみなされる周波数比に相当する。
【0007】
好ましい実施形態においては、上記任意に選択した2つの面のピッチ周波数の比は、楽器音響学における1度、長3度、4度、5度、長6度および8度から選択される協和音とみなされる周波数比に相当する。
【0008】
本発明によれば、筐体を構成する6つの面から任意に選択した2つの面のピッチ周波数の比が協和音の周波数比に相当するよう筐体を設計することにより、各面から発せられる音の影響が排除されるので、きわめて優れた音質を有するスピーカーシステムが得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は、本発明の好ましい実施形態によるスピーカーシステムを説明するための概略断面図である。このスピーカーシステム100は、筐体1と、筐体1に取り付けられたスピーカーユニット2とを有する。筐体1は任意の適切な材料から構成され得る。スピーカーユニット2もまた、任意の適切な仕様で構成され得る。
【0010】
本発明によれば、筐体1を構成する6つの面から任意に選択した2つの面のピッチ周波数の比が、協和音とみなされる周波数比に相当する。ここで、「面のピッチ周波数」とは、それぞれの面(筐体1を構成するそれぞれの板)がスピーカーユニット2の駆動の反作用により振動する際に、当該それぞれの面から発せられる音色を決定づける周波数をいう。すなわち、筐体1を構成する面が振動する場合には、それぞれの面は特有の周波数スペクトルを有するが、当該スペクトルは特定の周波数に大きなピークを有し、このピークが面の音色を実質的に決定づけることになる。このピークに相当する周波数をピッチ周波数という。なお、実用的には、底板は床面に接して配置されるので、底板の面から発せられる音については無視することができる。さらに、スピーカーシステムの筐体の左右の側板は、通常、同一の材質・同一の形状で構成されることにより、左右の側板から発せられる音の周波数比は実質的に1となるので、ほとんどの場合には左右の側板のピッチ周波数比は考慮しなくてよい。従って、実質的には、フロントバッフル(前面を構成する板)、天板(上面を構成する板)、裏板(後面を構成する板)および一方の側板から任意に選択した2つの面のピッチ周波数の比が、協和音とみなされる周波数比に相当すればよい。さらに、1つまたは複数のスピーカーユニットの占有面積がフロントバッフルの約1/3以上を占めるようなブックシェルフ型スピーカーの場合には、フロントバッフルの面積に対するスピーカーユニットの面積比が大きくなり、結果としてフロントバッフルの影響が小さくなる。したがって、このようなスピーカーシステムにおいては、天板、裏板および一方の側板から任意に選択した2つの面のピッチ周波数の比が、協和音とみなされる周波数比に相当すればよい。
【0011】
「協和音」とは、音響学的には、6以下の2つの整数の商に等しい周波数比、あるいは当該周波数比に2の整数乗を乗じまたは2の整数乗で除した比率を有する2つの音をいう。従って、「協和音とみなされる周波数比」とは、周波数比を平均律の音程に置き換えたときに協和する音程とみなされる周波数比、すなわち、受聴者が協和音として許容可能な周波数比の範囲をいう。例えば、ピアノの鍵盤で「ド」の音を叩いたときに、本来の「ド」の音として聞こえる場合には、この音の周波数は、協和音の周波数比を構成する。一方、ピアノの鍵盤で「ド」の音を叩いたときに、調律が悪くて本来の「ド」の音からは少しずれても、受聴者にはいまだ「ド」の音として聞こえる場合がある。本発明においては、このようなずれは許容範囲であり、このような音の周波数は、協和する音程とみなされる周波数比を構成する。
【0012】
より具体的な周波数比の範囲について、下記表1を用いて説明する。表1は、1オクターブ内の周波数比を示している。ピアノの鍵盤でいえば、1度が「ド」を表し、オクターブ(8度)が高い「ド」を表す。楽器音響学においては、1度、長3度、4度、5度、長6度および8度が1オクターブ内の協和音である。そして、このような協和音は、それぞれ固有の許容範囲を有し、当該許容範囲が本発明における「協和音とみなされる周波数比」である。もちろん、本発明における「協和音とみなされる周波数比」は1オクターブ内に限られるものではなく、楽器音響学における任意の協和音およびその許容範囲をすべて包含する。なお、このような協和音の周波数比と許容範囲の関係は音響学の当業者には周知であり、「音響心理学」(梅本堯夫著、誠信書房)をはじめとする多数の教科書に記載されているので、これ以上の詳細な説明はそれらを参考として援用する。
【0013】
【表1】
【0014】
このような周波数比を実現する手段としては、目的に応じて、任意の適切な手段が採用され得る。例えば、筐体を構成する少なくとも1つの板に溝を形成することにより所望の周波数比を実現することができる。溝を設けることにより、各板面周辺のコンプライアンスが上がり、その結果、板面の基本共振周波数を下げる効果があるからである。溝を形成する板、溝を形成する位置、溝の幅、溝の深さ、溝の数等は、目的に応じて適宜設定され得る。例えば、図1に例示した実施形態は、各面の所望のピッチ周波数に近づけるためにそれぞれの溝の深さおよび幅を異なるように設定した実施形態である。具体的には、本実施形態においては、筐体を構成する板のうち、フロントバッフル、天板および裏板に、それぞれ2本ずつ(板の端部近傍に)溝が形成されている。さらに、フロントバッフルに形成された溝は、他の2つの板に形成された溝よりも広い幅を有する。
【0015】
あるいは、異なる厚みを有する板で筐体を構成することにより、所望の周波数比を実現することができる。板厚を厚くすることにより、板の基本共振周波数が上がるので、ピッチ周波数を高くしたい場合に有効な手段である。目的に応じて、1枚だけ分厚い板を用いてもよく、1枚だけ薄い板を用いてもよく、すべてが異なる厚みを有する板を用いてもよく、複数の異なる厚みを有する板を適宜組み合わせて用いてもよい。板の厚みもまた、目的に応じて適宜設定され得る。例えば、図2に例示した実施形態においては、天板のみを分厚くしている。
【0016】
あるいは、筐体を構成する少なくとも1つの板に別体の板状体を取り付けることにより、所望の周波数比を実現することができる。板状体が取り付けられる板、取り付ける板状体の数、大きさ、厚み等は、目的に応じて適宜設定され得る。例えば、図3に例示した実施形態においては、裏板に板状体が貼り付けられている。板状体は筐体を構成する板に接着剤で貼り付けてもよく、機械的に固着してもよく、板状凸部を設けるようにして筐体を構成する板を成形してもよい。
【0017】
あるいは、筐体を構成する少なくとも1つの板に凹部を形成することにより、所望の周波数比を実現することができる。凹部を形成することにより、基本共振周波数が下がるので、ピッチ周波数を低くしたい場合に有効な手段である。凹部が形成される板、形成される凹部の数、大きさ、深さ等は、目的に応じて適宜設定され得る。例えば、図4に例示した実施形態においては、天板に凹部が形成されている。
【0018】
上記の実施形態は、目的に応じて適宜選択され得、また、適宜組み合わせられ得る。例えば、従来の通常の設計で組み立てたときに、各板面同士のピッチ周波数の比が協和音とみなされる周波数比に相当する条件に比べて、フロントバッフルのピッチ周波数が高すぎ、および、裏板のピッチ周波数が高すぎる場合を想定する。このような場合には、1つの手段として、フロントバッフルの周辺部に溝を設けてピッチ周波数を低くし、かつ、裏板を薄くしてピッチ周波数を高くすることにより、所望の周波数比(協和音とみなされる周波数比)を実現することができる。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、筐体を構成する6つの面から任意に選択した2つの面のピッチ周波数の比が協和音の周波数比に相当するよう筐体を設計することにより、各面から発せられる音が相互に影響して生じる不快な放射音を心地よい放射音へと改善し、きわめて優れた音質を有するスピーカーシステムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるスピーカーシステムを説明するための概略断面図である。
【図2】本発明の別の実施形態によるスピーカーシステムを説明するための概略断面図である。
【図3】本発明のさらに別の実施形態によるスピーカーシステムを説明するための概略断面図である。
【図4】本発明のさらに別の実施形態によるスピーカーシステムを説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
1 筐体
2 スピーカーユニット
100 スピーカーシステム
Claims (2)
- 筐体と、該筐体に取り付けられたスピーカーユニットとを有するスピーカーシステムであって、
該筐体を構成する6つの面から任意に選択した2つの面のピッチ周波数の比が、協和音とみなされる周波数比に相当する、スピーカーシステム。 - 前記任意に選択した2つの面のピッチ周波数の比が、楽器音響学における1度、長3度、4度、5度、長6度および8度から選択される協和音とみなされる周波数比に相当する、請求項1に記載のスピーカーシステム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002102490A JP3876747B2 (ja) | 2002-04-04 | 2002-04-04 | スピーカーシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002102490A JP3876747B2 (ja) | 2002-04-04 | 2002-04-04 | スピーカーシステム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003299169A JP2003299169A (ja) | 2003-10-17 |
JP3876747B2 true JP3876747B2 (ja) | 2007-02-07 |
Family
ID=29388951
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002102490A Expired - Fee Related JP3876747B2 (ja) | 2002-04-04 | 2002-04-04 | スピーカーシステム |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3876747B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
KR101650664B1 (ko) * | 2015-09-25 | 2016-09-05 | 정길선 | 진동 감소 수단을 구비한 콘형 스피커 |
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2002
- 2002-04-04 JP JP2002102490A patent/JP3876747B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JP2003299169A (ja) | 2003-10-17 |
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