JP3876699B2 - 搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、検査対象ICを検査位置まで搬送し、搬送した検査対象ICをサーボモータで移動して圧接部材に圧接し、検査対象ICとテスタを電気的に接続する搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2は従来における搬送装置の構成例を示した図である。
図2で、コンタクトヘッド10には検査対象となるIC11が装着されている。スライダ部材12はコンタクトヘッド10と連結している。リニアガイド13はスライダ部材12を上下方向(A−A方向)に移動自在に保持する。コンタクトヘッド10は複数個設けられている。
【0003】
サーボモータ14の動力はプーリ15とベルト16を介してボールねじ17に伝達される。移動部材18はボールねじ17の回転により上下方向に移動する。連結部材19は移動部材18とスライダ部材13とを連結する。この連結により、移動部材18の上下移動に伴ってコンタクトヘッド10も上下移動する。
上述したコンタクトヘッド10から連結部材19よりなる部分は、移動機構(図示せず)により2次元方向に移動して検査位置に位置決めされる。
【0004】
ソケット20は検査位置に配置されている。ソケット20は接触ピンを有し、この接触ピンにIC11の端子が圧接され、接触ピンと端子が電気的に接続される。ソケット20の接触ピンはテスタ(図示せず)と接続されている。これによって、IC11はテスタと接続される。テスタはIC11に既知の信号を与え、これに対するIC11の出力をもとに良否判定をする。検査後のICを良否結果に応じて分類収納する。
【0005】
ドライバ21は、位置指令値とセンサ22で検出したサーボモータ14の回転位置をもとにサーボモータ14の回転位置をフィードバック制御する。サーボモータ14を位置制御することによってコンタクトヘッド10の上下方向の位置を制御し、IC11の端子をソケット20の接触ピンに押し当てる。
【0006】
図3は検査対象のICとソケットの接触状態を示した説明図である。
図3で、ソケット20に設けられた接触ピン201は、ばね202により外へ突き出る方向に押されている。検査対象のIC11の端子111は例えばBGA(Ball Grid Array)である。
コンタクトヘッド10を2次元方向へ移動して検査位置に位置決めし、検査位置でコンタクトヘッドを下降すると、端子111は接触ピン201に当たる。サーボモータ14を位置制御し、コンタクトヘッド10を上下方向に位置制御することによって、端子111と接触ピン201の接触圧を決めている。端子111が接触ピン201をΔxだけ押し込むと、接触圧F=k・Δx(k:ばね202のばね定数)になる。Δxを制御することで接触圧を調整する。
【0007】
ソケットが高周波対応できるようにするためには、ICの端子とテスター基板23との距離を短くする必要がある。このために、接触ピン201のばねを除き、ばねを介さないでICの端子をテスター基板23に接触させることがあった。この場合、ソケットがリジットな構成になるため、コンタクトヘッドを位置制御するだけでは、ICとソケットの接触圧を制御できない。このため、接触圧が過大になることがあった。
【0008】
ソケットが高周波対応できるようにするためにICの端子とテスター基板23との距離を短くするのは次の理由による。
ICとテスタとの間の信号伝達経路が長くなると、経路のインダクタンスLが大きくなる。LのインピーダンスはZ=j・2πfL(fは周波数、jは虚数単位)で与えられるため、経路のインダクタンスLが大きくなり、信号が高周波になると周波数fが大きくなり、LのインピーダンスZが大きくなる。これにより、信号伝達経路が長くて信号が高周波のときはLのインピーダンスZが信号に対して悪影響を与える。これを防ぐために、ICの端子とテスター基板23との距離を短くしてLが小さくなるようにする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、サーボモータの出力トルクを制限することによってICの端子とソケットの間の接触圧を制限し、ソケットが高周波対応できるようにするためにリジットな構成になってもICとソケットの間で適正なコンタクトを実現できる搬送装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は次のとおりの構成になった搬送装置である。
【0011】
(1)検査対象ICを検査位置まで搬送し、搬送した検査対象ICをサーボモータで移動してソケットに圧接し、検査対象ICとテスタを電気的に接続する搬送装置において、
前記サーボモータのコイルに流す電流にリミットをかけることにより、サーボモータの出力トルクを制限するリミット手段と、
前記リミット手段に対して、オンにする指令またはオフにする指令を与えるコントローラと、
を有し、前記ソケットが当接部にばねを持たないリジットな構成になっているときは、前記コントローラにより前記リミット手段にオン指令を与え、前記サーボモータの出力トルクにリミットをかけることを特徴とする搬送装置。
【0012】
(2)前記サーボモータのコイルに流す電流を制御する電流制御ループを有し、前記リミット手段は電流制御ループに与えるトルク指令値にリミットをかけることを特徴とする(1)記載の搬送装置。
【0013】
(3)前記コントローラは、前記リミット手段にリミット値を設定することを特徴とする(1)記載の搬送装置。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明を詳しく説明する。
図1は本発明の一実施例を示す構成図である。図1で前出の図と同一のものは同一符合を付ける。
ドライバ30はサーボモータ14を駆動する。コントローラ50はドライバ30を制御する。コントローラ50は例えばシーケンサである。
【0017】
ドライバ30で、減算器31は、コントローラ50から与えられた位置指令値とセンサ22から与えられた検出位置の偏差をとる。位置制御手段32は減算器31でとった偏差をもとにサーボモータ14の回転位置をフィードバック制御するための制御信号を出力する。変換回路33はセンサ22の位置検出信号を速度検出信号に変換する。変換回路33は位置検出信号の時間的変化から速度検出信号を生成する。変換回路33は例えばF/V変換器である。
減算器34は、速度指令値として与えられた位置制御手段32の出力と変換回路33の検出速度の偏差をとる。速度制御手段35は減算器34でとった偏差をもとにサーボモータ14の回転速度をフィードバック制御するための制御信号を出力する。
【0018】
リミット手段36は、コントローラ50によりリミット値が設定され、速度制御手段35へ出力するトルク指令値を設定されたリミット値に制限する。リミット値は上限を定めるリミット値でも下限を定めるリミット値であってもよい。コントローラ50がリミット手段36にオン指令を与えたときは、リミット手段36はリミットをかける動作を行い、オフ指令を与えたときはリミットを解除する。
【0019】
駆動回路37はサーボモータ14を駆動する。駆動回路37は、例えばブリッジ型のインバータ回路である。電流検出回路38はサーボモータ14のコイルに流れる電流(コイル電流とする)を検出する。
減算器39は、トルク指令値として与えられたリミット手段36の出力と電流検出回路38で検出したコイル電流の偏差をとる。電流制御手段40は減算器39でとった偏差をもとにサーボモータ14のコイル電流をフィードバック制御するための制御信号を出力する。この制御信号は、例えばパルス幅変調信号である。パルス幅変調信号で駆動回路37(ブリッジ型のインバータ回路)にあるトランジスタ素子を駆動することによってコイル電流を制御する。
駆動回路37、電流検出回路38、減算器39及び電流制御手段40により電流制御ループを構成している。
【0020】
図1の装置で、リミット手段36にオン指令が与えられているときは、リミット手段36は速度制御手段35が出力したトルク指令値にリミットをかける。このため、電流制御ループに与えられるトルク指令値はリミット値を超えない範囲に制限される。これによって、サーボモータ14が出力トルクにリミットがかけられる。
【0021】
図1の装置では、ソケットが高周波用ソケットのように当接部にばねを持たないリジットな構成になっているときは、コントローラ50によりリミット手段36にオン指令を与え、モータの出力トルクにリミットをかけるモードに設定する。サーボモータ14の回転駆動によりコンタクトヘッド10を下降し、IC11をソケット20に押し当てる。このとき、サーボモータ14の出力トルクにリミットがかけられているため、IC11をソケット20に押し付ける力は制限される。
つまり、サーボモータ14の出力トルクのリミット値を設定することにより、コンタクトヘッド10の押し付け力を制御する。これによって、ソケットがリジットな構成になっても、ICの端子やソケットが損傷することがない。
IC11をソケット20に押し当てる前にリミット値を予め算出し、リミット手段36に設定する。
【0022】
従来装置のように位置制御だけでICをリジットなソケットに押し付けると、モータの回転位置が目標位置まで達しないときは、モータが最大トルクを発生するまでICをソケットに押し付ける。このため、ICやソケットが損傷されることがある。
これに対して本発明の装置ではトルクのリミット手段を設けたため、モータの回転位置が目標位置まで達しないときでも、モータの出力トルクがリミット値に達したところで、出力トルクが頭打ちになる。このため、ICやソケットが損傷されることを防止できる。
【0023】
なお、実施例はICをソケットに押し付ける場合について説明したが、ソケット以外の圧接部材、例えばテストボード等に押し付けてもよい。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば次の効果が得られる。
【0025】
請求項1及び請求項2記載の発明では、サーボモータの出力トルクを制限することによって、ICの端子とソケットの間の接触圧を制限している。このため、ソケットが高周波対応できるようにするためにばねを持たないリジットな構成になっても、ICとソケットの間で適正なコンタクトを実現できる。また、位置制御手段を持ったドライバにトルクのリミット手段を付加するだけの簡単な改良でICとソケットの間で適正なコンタクトを実現できる。
また、コントローラはリミット手段に対して、オンにする指令またはオフにする指令を与えるため、ソケットがリジットな構成になっているかどうかに応じて接触圧にリミットをかけたりリミットを解除したりすることができる。
【0026】
請求項記載の発明では、コントローラはリミット手段にリミット値を設定するため、ソケットの種類に応じて接触圧のリミット値を変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】従来における搬送装置の構成例を示した図である。
【図3】検査対象のICとソケットの接触状態を示した説明図である。
【符号の説明】
11 IC
14 サーボモータ
22 センサ
30 ドライバ
36 リミット手段
40 電流制御手段
50 コントローラ

Claims (3)

  1. 検査対象ICを検査位置まで搬送し、搬送した検査対象ICをサーボモータで移動してソケットに圧接し、検査対象ICとテスタを電気的に接続する搬送装置において、
    前記サーボモータのコイルに流す電流にリミットをかけることにより、サーボモータの出力トルクを制限するリミット手段と、
    前記リミット手段に対して、オンにする指令またはオフにする指令を与えるコントローラと、
    を有し、前記ソケットが当接部にばねを持たないリジットな構成になっているときは、前記コントローラにより前記リミット手段にオン指令を与え、前記サーボモータの出力トルクにリミットをかけることを特徴とする搬送装置。
  2. 前記サーボモータのコイルに流す電流を制御する電流制御ループを有し、前記リミット手段は電流制御ループに与えるトルク指令値にリミットをかけることを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
  3. 前記コントローラは、前記リミット手段にリミット値を設定することを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
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