JP3876359B2 - 円弧状の間仕切ランナー - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の曲線間仕切壁の内部の下地材を構成する円弧状の間仕切ランナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
通常の直線状間仕切りは、直線状に延在する上ランナーを天井に固定し、また直線状に延在する下ランナーを床に固定し、これら上下のランナー間に間隔をおいて複数のスタッドを立て、上下のランナーに固定することにより間仕切りのフレームを作り、次に、スタッドに下地材や壁材を取り付けることで構成される。
曲線状の間仕切りの場合、上下のランナーを天井および床に固定した後の構成は、直線状間仕切りと同様であるが、上下のランナーは曲線状でなければならない。この曲線は、円弧の組み合わせであり、各建築物で違った円弧半径の要求がある。直線状間仕切りに使用する直線状間仕切ランナーは長方形薄鋼板を溝形鋼の形状に曲加工して製作した単純な形である。この直線状間仕切ランナーを要求半径の円弧に合わせて曲げることが出来れば問題がないのであるが、曲げようとすると、反りが生じる、しわがよる、または破断するといったことでこの曲げ加工は極めて困難である。また円弧状加工金型を製作してプレス加工することは、各建築物で違った円弧半径の要求があるので、コスト面で大変な問題がある。
【0003】
このようなことから、図6のように、三個の部材を製作して、溶接することで円弧状の間仕切ランナーを製作している。順を追って説明する。
金属板を大きい半径の側板部3を形成する幅と長さの長方形に打ち抜き、図6の(ロ)のようにランナーの大きい半径の側板部3の円弧半径に沿って鉢巻状に曲げ加工してランナーの大きい半径の側板部材3aとする。前記の側板部3を形成する幅というのは、図6の(ホ)D−D線断面図の側板部3(3a)の縦長さに相当する長さであり、側板部3を形成する長さというのは、一般的には当該工場に有る金属シートの最大幅に相当する長さである。
図8の(ハ)のように金属板を円弧状に打ち抜き加工してランナーの底板部材2aとする。
金属板を小さい半径の側板部4を形成する幅と長さの長方形に打ち抜き、図6の(二)のようにランナーの小さい半径の側板部4の円弧半径に沿って鉢巻状に曲げ加工してランナーの小さい半径の側板部材4aとする。前記の側板部4を形成する幅というのは、図6の(ホ)D−D線断面図の側板部4(4a)の縦長さに相当する長さであり、側板部4を形成する長さというのは、一般的には当該工場に有る金属シートの最大幅に相当する長さである。
この三つの部材を図6の(ホ)のようにコの字状に溶接10して、円弧状の間仕切ランナーを製作している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたような従来の円弧状の間仕切ランナーには、多くの問題点がある。以下に、その問題点を列記する。
【0005】
製品上の問題点を、従来の円弧状の間仕切ランナーを使用した床面側の施工例の断面図である図7を参考にしながら、説明する。
図7のようにランナーの大きい半径の側板部3およびランナーの小さい半径の側板部4は、間仕切スタッド12及び間仕切ボード13と止着部材11によって止着されている。これら二箇所の側板部と間仕切スタッドと間仕切ボードとは、一体をなしている。前後左右方向の力に対しても一体をなして作用する。
一方、ランナーの底板部2は止着部材11によって床に止着されている。
そして、前記の一体をなすものとランナーの底板部2とをつなぎ止めるものは、側板部3および側板部4の間の溶接のみである。止着部材11による止着が完全である場合、前後左右方向の力に対して、支えるところは、この溶接のみである。下地材として、最も重要な安全性がこの溶接の信頼性にかかっていることになる。溶接される各部材が薄板であること、溶接部分が線接触又は部分的には点接触になることから高度の溶接技術が要求され、作業性が悪いこと溶接作業の技能のレベルによって溶接の信頼性が左右される要素があって管理が大変である。作業性をよくするため、また溶接の信頼性を上げるために板厚を厚くすると製品が重くなる、材料コストが上がるなどの問題がある。
【0006】
製作上の問題では、図6の(ホ)のようにランナーの底板部材2aと二枚の側板部材3a、4aとを溶接して、底板部2、大きい半径の側板部3、小さい半径の側板部4を形成している。これら三部材の溶接が完了するまでは不安定であるため、各部材を固定する必要があり、保持用具が必要であるが、円弧半径が各建築物によって変わるため、一定の保持用具を作っておくことが出来ない。そのため、その都度、固定するための用具を準備しなければならないので、作業性が悪くコストアップになる。
また、溶接される各部材が薄板であること、溶接部分が線接触又は部分的には点接触になることから高度の溶接技術が要求され、作業性が悪くコストアップになること溶接作業の技能のレベルによって溶接の信頼性が左右される要素があって管理が大変であるといった問題がある。
【0007】
材料上の問題では、図8の(ハ)のようにランナーの底板部材2aを得るために、金属くず9が大量に発生し、コスト面で問題があり、環境面でも産業廃棄物の増加の問題がある。
【0008】
本発明は、このような従来の円弧状の間仕切ランナーが有していた問題点を解決しようというものであり、円弧状の間仕切ランナーの重量を重くすることなく、下地材としての信頼性を確保し、製作上では特別の金型を作らなくて汎用の機械設備によって製作が可能で作業性がよく管理が容易になる形態とし、材料上の問題である金属くずの発生を最小限に抑え、製作コストを最小に抑えた、下地材として安全で安心して使える円弧状の間仕切ランナーを実現することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そして、本発明は上記目的を達成するために、次のような手段を講じる。
【0010】
図1の(二)のように、ランナーの底板部2とランナーの側板部3とを切断することなく、一体のままL字状に曲げ加工した部品を一旦製作し、底板部2を重ねて、溶接する形態にする。
この形態にすることによって、底板部2と側板部3との結合強度の信頼性に係る問題は解決される。
図3の(ハ)のように底板部2Sの幅が狭いものも実施例として考えられるのであるが、底板部2Sと側板部4との結合強度の信頼性に係る問題は同様に解決される。
【0011】
図8の(イ)のように、ランナーの底板部2に、スリット5を列設して、上記のL字状に曲げ加工した金属板の底板部2を虹のような円弧状に曲げ加工し易い形態にする。
この形態にすることによって、直線状間仕切ランナーを要求半径の円弧に合わせて曲げようとすると、反りが生じる、しわがよる、または破断するといった円弧状の間仕切ランナーを製作しようとするときの基本的な問題は解決される。
側板部3を鉢巻のように円弧状に曲げ加工すると同時に、底板部2を虹のような円弧状が形成されるように、金型を用いることなく、一般の曲げ機械で曲げ加工することが可能になる。扇を開いて下に向けた形でも上に向けた形でも曲げ加工は可能であるが、上に向けた形である図1の(ロ)のような場合は、曲げ加工することによってスリット5の幅が狭められスリット5の一部が重なるという不都合が生じることが考えられるが、これはスリット幅を加減することで解決できる。一般には円弧状の間仕切ランナーに要求される円弧の半径は大きいことが多く、スリット5の幅をあまり広くする必要はないが、図3の(ロ)のように波形に打ち抜いた形にしてもよく、このような形にすればスリット5の部分が十分であるので一般の建築物での円弧の半径には殆ど対応できる。
スリットを列設しなくても底板部の幅が狭ければ、スリットを列設した場合と同様に、金型を用いることなく、一般の曲げ機械で曲げ加工することが可能であるので、図3のように二部品のうちの片方を図3の(ハ)の底板部2Sように幅が狭いものにした部品として、これを組み合わせることで図3の(イ)のような円弧状の間仕切ランナーを作ることができる。
【0012】
直線状間仕切ランナーを要求半径の円弧に合わせて曲げる製作方法のように一体の状態で加工して製作する形態でなく、また従来の円弧状の間仕切ランナーの製作方法のように三個の部材を作ってこれらを溶接で結合して製作する形態でなく、前記のような方法で二個の部品に加工した後で、これらの二個の部品を溶接で結合して製作する形態にする。
この形態にすることによって、溶接をするとき、二つの部材の各側板部の間に間仕切スタッドが入る間隔をあけて半径の中心が同一になる形に重ね合わせただけでも、三個の部品を重ねあわせるような不安定さがなく、固定用具も間隔をあけて、押さえるだけの簡単なものでよくなり、建築物が変わる毎に、特別な固定用具を作らなければならないという問題は解決する。
また、従来の円弧状の間仕切ランナーでは、溶接される各部材が薄板であること、溶接部分が線接触又は部分的には点接触になることから高度の溶接技術が要求され、作業性が悪くコストアップになること溶接作業の技能のレベルによって溶接の信頼性が左右される要素があって管理が大変であるといった問題があったがこの問題も解決する。
L字状に曲げ加工して、側板部3と底板部2を形成するL字形金属板を作成し、さらに、図1の(ロ)と(ハ)のように、側板部は建築仕様に合った半径の円弧に沿って鉢巻状に、底板部は、側板部の鉢巻状の円に沿って虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工したものを作り、図1の(イ)のように二つの部材の各側板部2の間に間仕切スタッドが入る間隔をあけて向かい合わせ、底板部2を重ねて、溶接10するような形態にする。そうすることで、面と面が重なった形であるので、この部分の溶接は、スポット溶接が有効であり、作業性も良く、管理も容易で、信頼性が確保できることになる。底板部2が重なる分は重量が増えるが、溶接の信頼性が確保できることから板厚を厚くする必要がなく、従来の円弧状の間仕切ランナーよりも重量が増えることなしに信頼性のある円弧状の間仕切ランナーが製作できる。
【0013】
長方形に打ち抜き加工した金属板をL字形に曲げ加工し、さらに円弧状に曲げ加工して溶接で製品化するといったことで、すべて長方形の形のみで打ち抜いて加工を進める形態にする。
この形態にすることによって、円弧状で打ちぬくことがなくなり、板取効率がよくなって、金属くずの発生が抑えられ、コスト面が改善され、環境面でも産業廃棄物の減少に貢献できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態について、図面を参照しながら説明する。
図8の(イ)のように、ランナーの底板部2にほぼ等しい幅とランナーの側板部3(4)の幅を加えた長さを短い辺とし、一般的には当該工場に有る金属シートの最大幅を長い辺とする長方形を打ち抜き加工する。長方形の長い辺の打ち抜き位置は打ち抜き加工線7である。打ち抜き加工の順番は特に限定するものではない。長方形の打ち抜き加工の前後に底板部2を形成する側にスリット5を打ち抜き加工する。
一個の円弧状の間仕切ランナーを作成するには、スリット加工した長方形の金属板を二枚使用する。一枚目は、スリット5を列設した側とその反対側との境を曲げ加工線8を折り目としてL字状に曲げ加工して、側板部3と底板部2を形成するL字形金属板を作成し、図1の(ロ)のように、側板部3は建築仕様に合った半径の円弧に沿って鉢巻状に、底板部2は、側板部3の鉢巻状の円に沿って虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工する。この曲げ加工は、スリット5を列設しているので、特殊な機械や金型は必要とせず、一般の曲げ機械で曲げ加工が出来る。二枚目は、一枚目と全く同じようにしてL字形金属板を作成し、図1の(ハ)のように、二枚目のL字形金属板の側板部4と一枚目のL字形金属板の側板部3が各底板部2を重ねると半径の中心が同一になる形とし、二枚目の側板部4は一枚目の側板部3の円弧の半径よりも間仕切スタッドが入る分だけ差をつけた半径の円弧に沿って鉢巻状に、底板部2は、側板部4の鉢巻状の円に沿って虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工する。曲げ加工した二個の部品を図1の(イ)のように、側板部3と側板部4と半径の中心が同一になる形に底板部2を重ね合わせ、側板部3と側板部4との間隔を間仕切スタッドの幅に固定して、溶接10する。溶接後の断面は、図1の(二)のA−A線断面図の通りである。
施工の一例を図2によって説明する。図2は天井に取り付ける上ランナーと床面に取り付ける下ランナーのうちの下ランナー取り付け部の施工例を示している。
円弧状の間仕切ランナー1は、底板部2が床14に止着材11によって止着される。間仕切スタッド12および間仕切ボード13は円弧状の間仕切ランナー1の側板部3、側板部4に止着材11によって止着される。ランナーの底板部2とランナー1の側板部3、側板部4は一体であるので、間仕切スタッド12、間仕切ボード13がしっかりと床14に止着されたことになり、安全で安心な円弧状の間仕切ランナーの役割を果たすことができる。前記の止着材11は、ビス、釘、ボルト、リベットなどを使用することができる。またコンクリート床の場合は、コンクリート専用の釘を使用することができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例の一つについて、図面を参照しながら説明する。分かり易くするため、第一の部品と第二の部品というように分けて説明する。
図8の(ロ)のように、ランナーの側板部3の幅とランナーの底板部2の幅にほぼ等しい高低幅と振幅が等しい波形を形成するようにして、その波の高い点を連ねる部分の幅を加えた幅を短い辺とし、一般的には当該工場に有る金属シートの最大幅を長い辺とする長方形を打ち抜き加工した金属板を作成する。この金属板を波形を列設した側とその反対側との境を曲げ加工線8としてL字状に曲げ加工して、側板部3と底板部2を形成するL字形金属板を作成し、図3の(ロ)のように、側板部3は建築仕様に合った半径の円弧に沿って鉢巻状に、底板部2は、側板部3の鉢巻状の円に沿って虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工する。この曲げ加工は、波形を列設しているので、特殊な機械や金型は必要とせず、一般の曲げ機械で曲げ加工が出来る。この円弧状曲げ加工までした部品を第一の部品とする。各建築物で円弧状の間仕切ランナーの半径は違うものの、一建築物では、同一半径の円弧状の間仕切ランナーが複数使用されるので、この実施例のように波型の板取をすると図8の(ロ)のように一対の打ち抜き金属板6が同時に取れ、隙間がないので、金属板材を最高に効率よく使用できる。
第二の部品を作るために、側板部4の幅と第一の部品の底板部2とスポット溶接が出来て、かつ、虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工が可能な短い幅の底板部2Sの幅を加えた長さを短い辺とし、一般的には当該工場に有る金属シートの最大幅を長い辺とする長方形を打ち抜き加工した金属板を作成する。この金属板を側板部4を形成する部分と底板部2Sを形成する部分とを境にしてL字状に曲げ加工して、側板部4と底板部2Sを形成するL字形金属板を作成し、図3の(ハ)のように、第二の部品の底板部2と第一の部品の底板部2Sを重ねると第二の部品の側板部4の半径の中心と第一の部品の側板部3の半径の中心が同一になる形とし、第二の部品の側板部4の円弧の半径は、第一の部品の側板部3の円弧の半径よりも間仕切スタッドが入る分だけ差をつけた半径の円弧に沿って鉢巻状に、底板部2は、側板部4の鉢巻状の円に沿って虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工する。これを第二の部品とする
曲げ加工した二個の部品を図3の(イ)のように、側板部3と側板部4が半径の中心が同一になる形に底板部2と側板部2Sを重ね合わせ、側板部3と側板部4との間隔を間仕切スタッドの幅に固定して、溶接10する。図3の(二)のように、溶接後の断面は、図3の(二)のB−B線断面図の通りである。
施工の一例を図4、図5によって説明する。
円弧状の間仕切ランナー1は、底板部2が床14に止着材11によって止着される。間仕切スタッドおよび間仕切ボードは円弧状の間仕切ランナー1の側板部3に止着材11によって止着される。ランナーの底板部2とランナー1の側板部3は一体であるので、間仕切スタッド、間仕切ボードがしっかりと床14に止着されたことになり、安全で安心な円弧状の間仕切ランナーの役割を果たすことができる。前記の止着材11は、ビス、釘、ボルト、リベットなどを使用することができる。またコンクリート床の場合は、コンクリート専用の釘を使用することができる。
図4、図5は、建築物の柱として使われたH鋼の周りに化粧用間仕切ボードを取り付ける例であって、天井に取り付ける上ランナーと床面に取り付ける下ランナーのうちの下ランナー取り付け部の施工例を示している。円弧状の間仕切ランナーの円弧の半径は、大きい場合が多いが、この実施例は、円弧の半径が小さい方の例である。
波形による円弧状の間仕切ランナーとスリット5による円弧状の間仕切ランナーがあるが、その使用法は、特に限定するものではなく、適宜使い分けることができる。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、二つの部材を製作し、これらをスポット溶接する形態の円弧状の間仕切ランナーは、重量を重くすることなく、下地材としての信頼性が確保できる。この形態の円弧状の間仕切ランナーを製作するには、特別の金型を作らなくて汎用の機械設備によって製作が可能であり、作業性がよく管理が容易である。この形態の円弧状の間仕切ランナーは、材料上の問題である金属くずの発生を最小限に抑え環境面でも産業廃棄物の減少に貢献でき、製作コストを最小に抑えた、下地材として安全で安心して使える円弧状の間仕切ランナーである。
【0017】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の円弧状の間仕切ランナーの製作過程の要部を示し、(イ)は製作完了時点の平面図、(ロ)は側板部3を建築仕様に合った半径の円弧に沿って鉢巻状に、底板部2を、側板部3の鉢巻状の円に沿って虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工したときの平面図、(ハ)は側板部4を上記側板部3の円弧の半径よりも間仕切スタッド12が入る分だけ差をつけた半径の円弧に沿って鉢巻状に、底板部2は、側板部4の鉢巻状の円に沿って虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工したときの平面図、(ニ)は(イ)のA−A線断面図。
【図2】本発明の一実施形態の円弧状の間仕切ランナーの一施工状態の床面部分の断面図。
【図3】本発明の一実施例の円弧状の間仕切ランナーの製作過程の要部を示し、(イ)は製作完了時点の平面図、(ロ)は側板部3を建築仕様に合った半径の円弧に沿って鉢巻状に、底板部2を、側板部3の鉢巻状の円に沿って虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工したときの平面図、(ハ)は側板部4を上記側板部3の円弧の半径よりも間仕切スタッド12が入る分だけ差をつけた半径の円弧に沿って鉢巻状に、底板部2Sは、側板部4の鉢巻状の円に沿って虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工したときの平面図、(ニ)は(イ)のB−B線断面図。
【図4】建築物の柱として使われたH鋼の周りに化粧用間仕切ボードを取り付ける例であって、天井に取り付ける上ランナーと床面に取り付ける下ランナーのうちの下ランナー取り付け部の施工例の水平に断面して床面側を見た図。
【図5】図4のC−C線断面図。
【図6】従来の円弧状の間仕切ランナーの製作過程の要部を示し、(イ)は製作完了時点の平面図、(ロ)は金属板を側板部3を形成する幅と長さの長方形に打ち抜き、大きい半径の側板部3の円弧半径に沿って鉢巻状に曲げ加工した大きい円弧の側板部材の平面図、(ハ)は金属板を円弧状に打ち抜き加工したランナーの底板部材2aの平面図、(二)は金属板を側板部4を形成する幅と長さの長方形に打ち抜き、小さい半径の側板部4の円弧半径に沿って鉢巻状に曲げ加工した小さい半径の側板部材の平面図、(ホ)は(イ)のD−D線断面図。
【図7】従来の円弧状の間仕切ランナーの一施工状態の床面部分の断面図。
【図8】金属板を打ち抜く、板取を示す平面図を示し、(イ)は本発明の一実施形態の円弧状の間仕切ランナーの板取を示す平面図、(ロ)は本発明の一実施例の円弧状の間仕切ランナーの板取を示す平面図、(ハ)は従来の円弧状の間仕切ランナーの底板部材2aを打ち抜き加工するときの板取を示す平面図。
【符号の説明】
1 円弧状の間仕切ランナー
2 ランナーの底板部
2a ランナーの底板部材
3 ランナーの大きい半径の側板部
3a ランナーの大きい半径の側板部材
4 ランナーの小さい半径の側板部
4a ランナーの小さい半径の側板部材
5 スリット
6 金属板
7 打ち抜き加工線
8 曲げ加工線
9 金属くず
10 溶接
11 止着材
12 間仕切スタッド
13 間仕切ボード
14 床
15 H形鋼
32a 円弧状底板部を有するL字形金属部品
42a 円弧状底板部を有するL字形金属部品
32b 円弧状底板部を有するL字形金属部品
42b 円弧状底板部を有するL字形金属部品
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の曲線間仕切壁の内部の下地材を構成する円弧状の間仕切ランナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
通常の直線状間仕切りは、直線状に延在する上ランナーを天井に固定し、また直線状に延在する下ランナーを床に固定し、これら上下のランナー間に間隔をおいて複数のスタッドを立て、上下のランナーに固定することにより間仕切りのフレームを作り、次に、スタッドに下地材や壁材を取り付けることで構成される。
曲線状の間仕切りの場合、上下のランナーを天井および床に固定した後の構成は、直線状間仕切りと同様であるが、上下のランナーは曲線状でなければならない。この曲線は、円弧の組み合わせであり、各建築物で違った円弧半径の要求がある。直線状間仕切りに使用する直線状間仕切ランナーは長方形薄鋼板を溝形鋼の形状に曲加工して製作した単純な形である。この直線状間仕切ランナーを要求半径の円弧に合わせて曲げることが出来れば問題がないのであるが、曲げようとすると、反りが生じる、しわがよる、または破断するといったことでこの曲げ加工は極めて困難である。また円弧状加工金型を製作してプレス加工することは、各建築物で違った円弧半径の要求があるので、コスト面で大変な問題がある。
【0003】
このようなことから、図6のように、三個の部材を製作して、溶接することで円弧状の間仕切ランナーを製作している。順を追って説明する。
金属板を大きい半径の側板部3を形成する幅と長さの長方形に打ち抜き、図6の(ロ)のようにランナーの大きい半径の側板部3の円弧半径に沿って鉢巻状に曲げ加工してランナーの大きい半径の側板部材3aとする。前記の側板部3を形成する幅というのは、図6の(ホ)D−D線断面図の側板部3(3a)の縦長さに相当する長さであり、側板部3を形成する長さというのは、一般的には当該工場に有る金属シートの最大幅に相当する長さである。
図8の(ハ)のように金属板を円弧状に打ち抜き加工してランナーの底板部材2aとする。
金属板を小さい半径の側板部4を形成する幅と長さの長方形に打ち抜き、図6の(二)のようにランナーの小さい半径の側板部4の円弧半径に沿って鉢巻状に曲げ加工してランナーの小さい半径の側板部材4aとする。前記の側板部4を形成する幅というのは、図6の(ホ)D−D線断面図の側板部4(4a)の縦長さに相当する長さであり、側板部4を形成する長さというのは、一般的には当該工場に有る金属シートの最大幅に相当する長さである。
この三つの部材を図6の(ホ)のようにコの字状に溶接10して、円弧状の間仕切ランナーを製作している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたような従来の円弧状の間仕切ランナーには、多くの問題点がある。以下に、その問題点を列記する。
【0005】
製品上の問題点を、従来の円弧状の間仕切ランナーを使用した床面側の施工例の断面図である図7を参考にしながら、説明する。
図7のようにランナーの大きい半径の側板部3およびランナーの小さい半径の側板部4は、間仕切スタッド12及び間仕切ボード13と止着部材11によって止着されている。これら二箇所の側板部と間仕切スタッドと間仕切ボードとは、一体をなしている。前後左右方向の力に対しても一体をなして作用する。
一方、ランナーの底板部2は止着部材11によって床に止着されている。
そして、前記の一体をなすものとランナーの底板部2とをつなぎ止めるものは、側板部3および側板部4の間の溶接のみである。止着部材11による止着が完全である場合、前後左右方向の力に対して、支えるところは、この溶接のみである。下地材として、最も重要な安全性がこの溶接の信頼性にかかっていることになる。溶接される各部材が薄板であること、溶接部分が線接触又は部分的には点接触になることから高度の溶接技術が要求され、作業性が悪いこと溶接作業の技能のレベルによって溶接の信頼性が左右される要素があって管理が大変である。作業性をよくするため、また溶接の信頼性を上げるために板厚を厚くすると製品が重くなる、材料コストが上がるなどの問題がある。
【0006】
製作上の問題では、図6の(ホ)のようにランナーの底板部材2aと二枚の側板部材3a、4aとを溶接して、底板部2、大きい半径の側板部3、小さい半径の側板部4を形成している。これら三部材の溶接が完了するまでは不安定であるため、各部材を固定する必要があり、保持用具が必要であるが、円弧半径が各建築物によって変わるため、一定の保持用具を作っておくことが出来ない。そのため、その都度、固定するための用具を準備しなければならないので、作業性が悪くコストアップになる。
また、溶接される各部材が薄板であること、溶接部分が線接触又は部分的には点接触になることから高度の溶接技術が要求され、作業性が悪くコストアップになること溶接作業の技能のレベルによって溶接の信頼性が左右される要素があって管理が大変であるといった問題がある。
【0007】
材料上の問題では、図8の(ハ)のようにランナーの底板部材2aを得るために、金属くず9が大量に発生し、コスト面で問題があり、環境面でも産業廃棄物の増加の問題がある。
【0008】
本発明は、このような従来の円弧状の間仕切ランナーが有していた問題点を解決しようというものであり、円弧状の間仕切ランナーの重量を重くすることなく、下地材としての信頼性を確保し、製作上では特別の金型を作らなくて汎用の機械設備によって製作が可能で作業性がよく管理が容易になる形態とし、材料上の問題である金属くずの発生を最小限に抑え、製作コストを最小に抑えた、下地材として安全で安心して使える円弧状の間仕切ランナーを実現することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そして、本発明は上記目的を達成するために、次のような手段を講じる。
【0010】
図1の(二)のように、ランナーの底板部2とランナーの側板部3とを切断することなく、一体のままL字状に曲げ加工した部品を一旦製作し、底板部2を重ねて、溶接する形態にする。
この形態にすることによって、底板部2と側板部3との結合強度の信頼性に係る問題は解決される。
図3の(ハ)のように底板部2Sの幅が狭いものも実施例として考えられるのであるが、底板部2Sと側板部4との結合強度の信頼性に係る問題は同様に解決される。
【0011】
図8の(イ)のように、ランナーの底板部2に、スリット5を列設して、上記のL字状に曲げ加工した金属板の底板部2を虹のような円弧状に曲げ加工し易い形態にする。
この形態にすることによって、直線状間仕切ランナーを要求半径の円弧に合わせて曲げようとすると、反りが生じる、しわがよる、または破断するといった円弧状の間仕切ランナーを製作しようとするときの基本的な問題は解決される。
側板部3を鉢巻のように円弧状に曲げ加工すると同時に、底板部2を虹のような円弧状が形成されるように、金型を用いることなく、一般の曲げ機械で曲げ加工することが可能になる。扇を開いて下に向けた形でも上に向けた形でも曲げ加工は可能であるが、上に向けた形である図1の(ロ)のような場合は、曲げ加工することによってスリット5の幅が狭められスリット5の一部が重なるという不都合が生じることが考えられるが、これはスリット幅を加減することで解決できる。一般には円弧状の間仕切ランナーに要求される円弧の半径は大きいことが多く、スリット5の幅をあまり広くする必要はないが、図3の(ロ)のように波形に打ち抜いた形にしてもよく、このような形にすればスリット5の部分が十分であるので一般の建築物での円弧の半径には殆ど対応できる。
スリットを列設しなくても底板部の幅が狭ければ、スリットを列設した場合と同様に、金型を用いることなく、一般の曲げ機械で曲げ加工することが可能であるので、図3のように二部品のうちの片方を図3の(ハ)の底板部2Sように幅が狭いものにした部品として、これを組み合わせることで図3の(イ)のような円弧状の間仕切ランナーを作ることができる。
【0012】
直線状間仕切ランナーを要求半径の円弧に合わせて曲げる製作方法のように一体の状態で加工して製作する形態でなく、また従来の円弧状の間仕切ランナーの製作方法のように三個の部材を作ってこれらを溶接で結合して製作する形態でなく、前記のような方法で二個の部品に加工した後で、これらの二個の部品を溶接で結合して製作する形態にする。
この形態にすることによって、溶接をするとき、二つの部材の各側板部の間に間仕切スタッドが入る間隔をあけて半径の中心が同一になる形に重ね合わせただけでも、三個の部品を重ねあわせるような不安定さがなく、固定用具も間隔をあけて、押さえるだけの簡単なものでよくなり、建築物が変わる毎に、特別な固定用具を作らなければならないという問題は解決する。
また、従来の円弧状の間仕切ランナーでは、溶接される各部材が薄板であること、溶接部分が線接触又は部分的には点接触になることから高度の溶接技術が要求され、作業性が悪くコストアップになること溶接作業の技能のレベルによって溶接の信頼性が左右される要素があって管理が大変であるといった問題があったがこの問題も解決する。
L字状に曲げ加工して、側板部3と底板部2を形成するL字形金属板を作成し、さらに、図1の(ロ)と(ハ)のように、側板部は建築仕様に合った半径の円弧に沿って鉢巻状に、底板部は、側板部の鉢巻状の円に沿って虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工したものを作り、図1の(イ)のように二つの部材の各側板部2の間に間仕切スタッドが入る間隔をあけて向かい合わせ、底板部2を重ねて、溶接10するような形態にする。そうすることで、面と面が重なった形であるので、この部分の溶接は、スポット溶接が有効であり、作業性も良く、管理も容易で、信頼性が確保できることになる。底板部2が重なる分は重量が増えるが、溶接の信頼性が確保できることから板厚を厚くする必要がなく、従来の円弧状の間仕切ランナーよりも重量が増えることなしに信頼性のある円弧状の間仕切ランナーが製作できる。
【0013】
長方形に打ち抜き加工した金属板をL字形に曲げ加工し、さらに円弧状に曲げ加工して溶接で製品化するといったことで、すべて長方形の形のみで打ち抜いて加工を進める形態にする。
この形態にすることによって、円弧状で打ちぬくことがなくなり、板取効率がよくなって、金属くずの発生が抑えられ、コスト面が改善され、環境面でも産業廃棄物の減少に貢献できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態について、図面を参照しながら説明する。
図8の(イ)のように、ランナーの底板部2にほぼ等しい幅とランナーの側板部3(4)の幅を加えた長さを短い辺とし、一般的には当該工場に有る金属シートの最大幅を長い辺とする長方形を打ち抜き加工する。長方形の長い辺の打ち抜き位置は打ち抜き加工線7である。打ち抜き加工の順番は特に限定するものではない。長方形の打ち抜き加工の前後に底板部2を形成する側にスリット5を打ち抜き加工する。
一個の円弧状の間仕切ランナーを作成するには、スリット加工した長方形の金属板を二枚使用する。一枚目は、スリット5を列設した側とその反対側との境を曲げ加工線8を折り目としてL字状に曲げ加工して、側板部3と底板部2を形成するL字形金属板を作成し、図1の(ロ)のように、側板部3は建築仕様に合った半径の円弧に沿って鉢巻状に、底板部2は、側板部3の鉢巻状の円に沿って虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工する。この曲げ加工は、スリット5を列設しているので、特殊な機械や金型は必要とせず、一般の曲げ機械で曲げ加工が出来る。二枚目は、一枚目と全く同じようにしてL字形金属板を作成し、図1の(ハ)のように、二枚目のL字形金属板の側板部4と一枚目のL字形金属板の側板部3が各底板部2を重ねると半径の中心が同一になる形とし、二枚目の側板部4は一枚目の側板部3の円弧の半径よりも間仕切スタッドが入る分だけ差をつけた半径の円弧に沿って鉢巻状に、底板部2は、側板部4の鉢巻状の円に沿って虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工する。曲げ加工した二個の部品を図1の(イ)のように、側板部3と側板部4と半径の中心が同一になる形に底板部2を重ね合わせ、側板部3と側板部4との間隔を間仕切スタッドの幅に固定して、溶接10する。溶接後の断面は、図1の(二)のA−A線断面図の通りである。
施工の一例を図2によって説明する。図2は天井に取り付ける上ランナーと床面に取り付ける下ランナーのうちの下ランナー取り付け部の施工例を示している。
円弧状の間仕切ランナー1は、底板部2が床14に止着材11によって止着される。間仕切スタッド12および間仕切ボード13は円弧状の間仕切ランナー1の側板部3、側板部4に止着材11によって止着される。ランナーの底板部2とランナー1の側板部3、側板部4は一体であるので、間仕切スタッド12、間仕切ボード13がしっかりと床14に止着されたことになり、安全で安心な円弧状の間仕切ランナーの役割を果たすことができる。前記の止着材11は、ビス、釘、ボルト、リベットなどを使用することができる。またコンクリート床の場合は、コンクリート専用の釘を使用することができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例の一つについて、図面を参照しながら説明する。分かり易くするため、第一の部品と第二の部品というように分けて説明する。
図8の(ロ)のように、ランナーの側板部3の幅とランナーの底板部2の幅にほぼ等しい高低幅と振幅が等しい波形を形成するようにして、その波の高い点を連ねる部分の幅を加えた幅を短い辺とし、一般的には当該工場に有る金属シートの最大幅を長い辺とする長方形を打ち抜き加工した金属板を作成する。この金属板を波形を列設した側とその反対側との境を曲げ加工線8としてL字状に曲げ加工して、側板部3と底板部2を形成するL字形金属板を作成し、図3の(ロ)のように、側板部3は建築仕様に合った半径の円弧に沿って鉢巻状に、底板部2は、側板部3の鉢巻状の円に沿って虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工する。この曲げ加工は、波形を列設しているので、特殊な機械や金型は必要とせず、一般の曲げ機械で曲げ加工が出来る。この円弧状曲げ加工までした部品を第一の部品とする。各建築物で円弧状の間仕切ランナーの半径は違うものの、一建築物では、同一半径の円弧状の間仕切ランナーが複数使用されるので、この実施例のように波型の板取をすると図8の(ロ)のように一対の打ち抜き金属板6が同時に取れ、隙間がないので、金属板材を最高に効率よく使用できる。
第二の部品を作るために、側板部4の幅と第一の部品の底板部2とスポット溶接が出来て、かつ、虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工が可能な短い幅の底板部2Sの幅を加えた長さを短い辺とし、一般的には当該工場に有る金属シートの最大幅を長い辺とする長方形を打ち抜き加工した金属板を作成する。この金属板を側板部4を形成する部分と底板部2Sを形成する部分とを境にしてL字状に曲げ加工して、側板部4と底板部2Sを形成するL字形金属板を作成し、図3の(ハ)のように、第二の部品の底板部2と第一の部品の底板部2Sを重ねると第二の部品の側板部4の半径の中心と第一の部品の側板部3の半径の中心が同一になる形とし、第二の部品の側板部4の円弧の半径は、第一の部品の側板部3の円弧の半径よりも間仕切スタッドが入る分だけ差をつけた半径の円弧に沿って鉢巻状に、底板部2は、側板部4の鉢巻状の円に沿って虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工する。これを第二の部品とする
曲げ加工した二個の部品を図3の(イ)のように、側板部3と側板部4が半径の中心が同一になる形に底板部2と側板部2Sを重ね合わせ、側板部3と側板部4との間隔を間仕切スタッドの幅に固定して、溶接10する。図3の(二)のように、溶接後の断面は、図3の(二)のB−B線断面図の通りである。
施工の一例を図4、図5によって説明する。
円弧状の間仕切ランナー1は、底板部2が床14に止着材11によって止着される。間仕切スタッドおよび間仕切ボードは円弧状の間仕切ランナー1の側板部3に止着材11によって止着される。ランナーの底板部2とランナー1の側板部3は一体であるので、間仕切スタッド、間仕切ボードがしっかりと床14に止着されたことになり、安全で安心な円弧状の間仕切ランナーの役割を果たすことができる。前記の止着材11は、ビス、釘、ボルト、リベットなどを使用することができる。またコンクリート床の場合は、コンクリート専用の釘を使用することができる。
図4、図5は、建築物の柱として使われたH鋼の周りに化粧用間仕切ボードを取り付ける例であって、天井に取り付ける上ランナーと床面に取り付ける下ランナーのうちの下ランナー取り付け部の施工例を示している。円弧状の間仕切ランナーの円弧の半径は、大きい場合が多いが、この実施例は、円弧の半径が小さい方の例である。
波形による円弧状の間仕切ランナーとスリット5による円弧状の間仕切ランナーがあるが、その使用法は、特に限定するものではなく、適宜使い分けることができる。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、二つの部材を製作し、これらをスポット溶接する形態の円弧状の間仕切ランナーは、重量を重くすることなく、下地材としての信頼性が確保できる。この形態の円弧状の間仕切ランナーを製作するには、特別の金型を作らなくて汎用の機械設備によって製作が可能であり、作業性がよく管理が容易である。この形態の円弧状の間仕切ランナーは、材料上の問題である金属くずの発生を最小限に抑え環境面でも産業廃棄物の減少に貢献でき、製作コストを最小に抑えた、下地材として安全で安心して使える円弧状の間仕切ランナーである。
【0017】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の円弧状の間仕切ランナーの製作過程の要部を示し、(イ)は製作完了時点の平面図、(ロ)は側板部3を建築仕様に合った半径の円弧に沿って鉢巻状に、底板部2を、側板部3の鉢巻状の円に沿って虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工したときの平面図、(ハ)は側板部4を上記側板部3の円弧の半径よりも間仕切スタッド12が入る分だけ差をつけた半径の円弧に沿って鉢巻状に、底板部2は、側板部4の鉢巻状の円に沿って虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工したときの平面図、(ニ)は(イ)のA−A線断面図。
【図2】本発明の一実施形態の円弧状の間仕切ランナーの一施工状態の床面部分の断面図。
【図3】本発明の一実施例の円弧状の間仕切ランナーの製作過程の要部を示し、(イ)は製作完了時点の平面図、(ロ)は側板部3を建築仕様に合った半径の円弧に沿って鉢巻状に、底板部2を、側板部3の鉢巻状の円に沿って虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工したときの平面図、(ハ)は側板部4を上記側板部3の円弧の半径よりも間仕切スタッド12が入る分だけ差をつけた半径の円弧に沿って鉢巻状に、底板部2Sは、側板部4の鉢巻状の円に沿って虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工したときの平面図、(ニ)は(イ)のB−B線断面図。
【図4】建築物の柱として使われたH鋼の周りに化粧用間仕切ボードを取り付ける例であって、天井に取り付ける上ランナーと床面に取り付ける下ランナーのうちの下ランナー取り付け部の施工例の水平に断面して床面側を見た図。
【図5】図4のC−C線断面図。
【図6】従来の円弧状の間仕切ランナーの製作過程の要部を示し、(イ)は製作完了時点の平面図、(ロ)は金属板を側板部3を形成する幅と長さの長方形に打ち抜き、大きい半径の側板部3の円弧半径に沿って鉢巻状に曲げ加工した大きい円弧の側板部材の平面図、(ハ)は金属板を円弧状に打ち抜き加工したランナーの底板部材2aの平面図、(二)は金属板を側板部4を形成する幅と長さの長方形に打ち抜き、小さい半径の側板部4の円弧半径に沿って鉢巻状に曲げ加工した小さい半径の側板部材の平面図、(ホ)は(イ)のD−D線断面図。
【図7】従来の円弧状の間仕切ランナーの一施工状態の床面部分の断面図。
【図8】金属板を打ち抜く、板取を示す平面図を示し、(イ)は本発明の一実施形態の円弧状の間仕切ランナーの板取を示す平面図、(ロ)は本発明の一実施例の円弧状の間仕切ランナーの板取を示す平面図、(ハ)は従来の円弧状の間仕切ランナーの底板部材2aを打ち抜き加工するときの板取を示す平面図。
【符号の説明】
1 円弧状の間仕切ランナー
2 ランナーの底板部
2a ランナーの底板部材
3 ランナーの大きい半径の側板部
3a ランナーの大きい半径の側板部材
4 ランナーの小さい半径の側板部
4a ランナーの小さい半径の側板部材
5 スリット
6 金属板
7 打ち抜き加工線
8 曲げ加工線
9 金属くず
10 溶接
11 止着材
12 間仕切スタッド
13 間仕切ボード
14 床
15 H形鋼
32a 円弧状底板部を有するL字形金属部品
42a 円弧状底板部を有するL字形金属部品
32b 円弧状底板部を有するL字形金属部品
42b 円弧状底板部を有するL字形金属部品
Claims (2)
- 第一の部品として、
第1段階、間仕切ランナー(1)の側板部(3(4))の幅と底板部(2)の幅にほぼ等しい幅を加えた長さを短い辺とし、間仕切ランナー(1)
の縦長さを長い辺とする長方形を打ち抜き加工して、この長方形の長い辺の底板部(2)が形成される側にスリット(5)を列設した金属板(6)を作成し、第2段階、打ち抜かれた金属板(6)のスリット(5)を列設した側とその反対側とを境にしてL字状に曲げ加工して、側板部(3)と底板部(2)を形成するL字形金属板を作成し、
第3段階、側板部(3)は建築仕様に合った半径の円弧に沿って鉢巻状に、底板部(2)は、側板部(3)の鉢巻状の円に沿って虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工した円弧状底板部を有するL字形金属部品(32a)を作り、
第二の部品として、
第1段階、第一の部品と同様に、抜き加工した金属板(6)を作成し、
第2段階、第一の部品と同様に、L字形金属板を作成し、
第3段階、第二の部品の側板部(4)と第一の部品の側板部(3)とは
各部品の底板部(2)を重ねると半径の中心が同一になる形とし、第二の部品の側板部(4)は第一の部品の側板部(3)の円弧の半径よりも間仕切スタッド(12)が入る分だけ差をつけた半径の円弧に沿って鉢巻状に、底板部(2)は、側板部(4)の鉢巻状の円に沿って虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工した円弧状底板部を有するL字形金属部品(42a)を作り、
第一の部品と第二の部品の一対のL字形金属部品を接合後の断面が「コ」の字状になるように底板部(2)で接合したことを特徴とする円弧状の間仕切ランナー。 - 第一の部品として、
第1段階、間仕切ランナー(1)の側板部(3)の底板部(2)の幅にほぼ等しい幅を加えた長さを短い辺とし、間仕切ランナー(1)の縦長さを長い辺とする長方形を打ち抜き加工して、この長方形の長い辺の底板部(2)が形成される側にスリット(5)を列設した金属板(6)を作成し、
第2段階、打ち抜かれた金属板(6)のスリット(5)を列設した側とその反対側とを境にしてL字状に曲げ加工して、側板部(3)と底板部(2)を形成するL字形金属板を作成し、
第3段階、側板部(3)は建築仕様に合った半径の円弧に沿って鉢巻状に、底板部(2)は、側板部(3)の鉢巻状の円に沿って虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工した円弧状底板部を有するL字形金属部品(32b)を作り、
第二の部品として、
第1段階、側板部(4)の幅と第一の部品の底板部(2)とスポット溶接ができる溶接しろがあって、かつ、虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工が可能な程度の狭い幅の底板部(2S)の幅を加えた長さを短い辺とし、間仕切ランナー(1)の縦長さを長い辺とする長方形を打ち抜き加工した長方形の金属板を作成し、
第2段階、打ち抜かれた金属板を側板部(4)と幅が狭い底板部(2S)とを形成する部分を境にしてL字状に曲げ加工して、側板部(4)と幅が狭い底板部(2S)を形成するL字形金属板を作成し、
第3段階、第二の部品の側板部(4)と第一の部品の側板部(3)とは
底板部(2)と幅が狭い底板部(2S)とを重ねると半径の中心が同一になる形とし、第二の部品の側板部(4)は第一の部品の側板部(3)の円弧の半径よりも間仕切スタッド(12)が入る分だけ差をつけた半径の円弧に沿って鉢巻状に、底板部(2)は、側板部(4)の鉢巻状の円に沿って虹のように円弧状が形成されるように曲げ加工した円弧状底板部を有するL字形金属部品(42b)を作り、第一の部品と第二の部品との一対のL字形金属部品を接合後の断面が「コ」の字状になるように円弧状部分で接合したことを特徴とする曲線形状の間仕切ランナー。
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