JP3875884B2 - 磁気式車両検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路上を走行または停止している車両を検出して交通流量を測定する車両検出装置に係り、特に、地磁場のスカラ量を利用して検出精度の向上を図った磁気式車両検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両検出装置としては、例えば、以下に説明する▲1▼〜▲5▼の方式による車両検出装置を挙げることができる。
【0003】
▲1▼ループコイルを路面の浅い部分に埋設し、磁性体である車両が通過することによりループコイルのインダクタンスが変化する原理を利用したループコイル方式。▲2▼超音波の発信及び受信装置を、車体上方に路側より張り出すように設置し、超音波の反射状況の変化によって車両の有無を検出する超音波方式。▲3▼赤外線の発信及び受信装置を、車体上方に路側より張り出すように設置し、赤外線の反射状況の変化によって車両の有無を検出する赤外線方式。▲4▼マイクロ波の発信及び受信装置を、車体上方に路側より張り出すように設置し、マイクロ波の反射状況の変化によって車両の有無を検出するマイクロ波方式。▲5▼カメラなどで時間的な画像データの変化より車両の有無を検出する画像方式。
【0004】
【発明が解決しようとする課題 】
しかしながら、上述した▲1▼〜▲5▼の方式による車両検出装置には、以下のような問題がある。
【0005】
▲1▼のループコイル方式では、路面の比較的浅い部分にコイルを埋設しなければならないため、路面の削れや歪みによってケーブルが断線しやすい。また、アスファルトの再舗装時、ケーブルを埋設し直さなければならない。出力としてはインダクタンスの変化が与えられるため、車両がセンサであるループコイル上に停止あるいは道路が渋滞したときの検出が難しい。さらに、近くに磁性体があるときは、有効な出力を得られないことがある。単体センサでは車両の進行方向は特定できず、方向を知るためには2セットのセンサが必要となるが、相互干渉が発生するため、2つのセンサ間に一定の距離を必要とする。
【0006】
▲2▼の超音波方式では、車両の上面または側面から超音波を発信し、車両からの反射波を受信しなければならないため、景観を損ねる可能性がある。また、超音波は空気を媒質として伝播するため、強風、降雨、積雪などの天候状態によっては、車両を正しく検出できない場合がある。さらに、トンネルなどの空間的に閉じた個所では超音波の乱反射が起こり、車両を検出することが難しい。単体センサでは車両の進行方向は特定できず、方向を知るためには2セットのセンサが必要となるが、相互干渉が発生するため、2つのセンサ間に一定の距離を必要とする。
【0007】
▲3▼の赤外線方式では、車両の上面または側面から赤外線を発信し、車両からの反射波を受信しなければならないため、景観を損ねる可能性がある。また、強風、降雨、積雪などの天候状態によっては、車両を正しく検出できない場合がある。
【0008】
▲4▼のマイクロ波方式では、車両の上面または側面から赤外線を発信し、車両からの反射波を受信しなければならないため、景観を損ねる可能性がある。また、トンネルなどの空間的に閉じた個所では電波の乱反射が起こり、車両を検出することが難しい。電波法の規定により、出力できるマイクロ波の大きさには限界があり、高感度のセンサを得ることが難しい。さらに、マイクロ波の送受信装置は比較的高価なものとなってしまう。
【0009】
▲5▼の画像方式では、車両の上面または側面からカメラで撮影する必要があるため、景観を損ねる可能性がある。大量の画像データを瞬時に処理する必要があるため、高速な演算処理装置と複雑なアルゴリズムが必要であり、設備が高価なものになってしまう。高速で走行する車両の検出が難しく霧や降雪、降雨、カメラに付着する異物などによって車両を正しく検出できない場合がある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、景観を損なうことなく設置可能で、しかも天候や道路の環境の影響を受けずに、道路上を走行または停止している車両を高速に検出できる磁気式車両検出装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、道路地中または高架道路の裏面に複数個の磁気センサを、各磁気センサのセンシング軸が、車両の磁気重心近傍を通るように設置し、その複数個の磁気センサにより、道路上を車両が通過することによって変動する地磁場の磁束密度ベクトルとセンシング軸方向の単位ベクトルとのスカラ積である地磁場のスカラ量を検出し、そのスカラ量から各磁気センサでの磁束密度ベクトルを取り出し、その磁束密度ベクトルと各磁気センサの設置点の座標から車両の磁気重心である仮想磁荷点を求め、その仮想磁荷点の座標がどこにあるかによって車両の存在有無を判別し、車両の通過位置を検出する磁気式車両検出装置である。請求項2の発明は、車両が存在すると判断したとき、車両検出信号であるパルス信号を出力し、そのパルス信号のパルス幅に基づいて車両の停止状況を検出する請求項1記載の磁気式車両検出装置である。
【0012】
請求項3の発明は、複数個の磁気センサから出力される地磁場のスカラ量の大きさ及び方向の変化により、車両の通過位置及び進行方向を特定する請求項1または2記載の磁気式車両検出装置である。
【0013】
請求項4の発明は、複数個の磁気センサの設置間隔を、道路の車線間隔にほぼ一致させた請求項1〜3いずれかに記載の磁気式車両検出装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0015】
図1は、本発明の好適実施の形態である車両検出装置の概略図を示したものである。
【0016】
図1に示すように、高架道路10は、片側1車線10a,10bからなる対面通行道路である。一方の車線10a上を、車両11が紙面の裏表方向に走行しており、他方の車線10b上を、車両12が紙面の表裏方向に走行している。図1では、道路10の幅方向をx軸にとり、道路10の高さ方向をy軸にとり、道路10の走行方向をz軸にとっている。
【0017】
まず、このような高架道路10の交通流量を測定するために、本発明に係る車両検出装置に備えられる磁気センサの設置の一例を説明する。
【0018】
地球上には、比較的一様な地磁場が存在している。車両11,12のように磁性体を多く含んだ物体や、それ自体が着磁した物体の近辺では、地磁場が物体に集中するので、地磁場の磁束密度は方向及び大きさが変化する。車両11,12の場合、地磁場が集中する個所は、磁気重心11g,12gである。
【0019】
磁気センサ2a〜cは、地磁場の磁束密度ベクトルを検出するためのものであり、例えば、2軸のセンシング軸(感度軸)3a1,3a2〜3c1,3c2を備えたものを使用している。後述するように、磁気センサ2a〜cの出力は、地磁場の磁束密度ベクトルとセンシングベクトル(センシング軸方向の単位ベクトル)とのスカラ積である。よって、磁気センサ2a〜cは、高架道路10上を車両11,12が通過することによって変動する地磁場のスカラ量を検出する。図1では、センシング軸を点線矢印で表している。磁気センサ2a〜cとしては、例えば、光ファイバ型、ホール素子型、フラックスゲート型、磁気抵抗型、磁気インピーダンス型、SQUIDなどを使用することができる。
【0020】
各磁気センサ2a〜cは、高架道路10の裏面10rの幅方向に沿って、各磁気センサ2a〜cのセンシング軸3a1,3a2〜3c1,3c2が、センサ設置点を通常走行する車両11,12が通過する際、車両11,12の磁気重心11g,12g近傍を通るように設置されている。各磁気センサ2a〜cのセンシング軸3a1,3a2〜3c1,3c2は、鉛直線(y軸)とのなす角が、それぞれ+θ,−θとなるようにするとよい。
【0021】
より詳細に言えば、磁気センサ2a,2bは、磁気センサ2aのセンシング軸3a2の延長線と、磁気センサ2bのセンシング軸3b1の延長線とが、センサ2a,2b間上の道路10を通常走行する車両11が通過する際、車両11の磁気重心11g近傍を通るようにして設置されている。また、磁気センサ2b,2cは、磁気センサ2bのセンシング軸3b2の延長線と、磁気センサ2cのセンシング軸3c1の延長線とが、センサ2b,2c間上の道路10を通常走行する車両12が通過する際、車両12の磁気重心12g近傍を通るようにして設置されている。
【0022】
各磁気センサ2a〜cの設置間隔Lは、高架道路10の車線10a,10bの幅とほぼ同じ間隔となるようにしている。車両によっては磁気重心の位置が上下方向に若干ずれたり、また、車線の中心からずれた走行で左右方向に若干ずれる場合もあるが、センサ出力はそれほど変化しない。
【0023】
図1では、各磁気センサ2a〜cが受ける地磁場の磁束密度ベクトルを、それぞれのセンサ2a〜cから車両11,12に向かう太い実線で表している。車両の大きさは数m以上で、センサは数cmであるので、地磁気を歪ませる磁性体はセンシングを行うセンサよりは十分大きいと考えてよい。
【0024】
さて、本発明に係る磁気式車両検出装置1は、上述した磁気センサ2a〜cと、センサ出力信号a〜cから各センサ2a〜cでの磁束密度ベクトルを取り出すセンサスカラ処理部4と、処理出力信号dと各センサ2a〜cの設置点の座標から車両の磁気重心である仮想磁荷点を求めると共に、車両の磁気重心の仮想磁荷を求める仮想磁荷点・仮想磁荷算出部5と、算出出力信号eから仮想磁荷点の座標がどこにあるかによって車両の存在有無を判別し、車両の通過位置を特定すると共に、仮想磁荷量を比較し、隣接車線の影響がないかを判断する車両存在・車両位置判定部6とを備えている。
【0025】
車両存在・車両位置判定部6は、交通流量を測定したい車線に車両が存在するとき、車両検出信号であるパルス信号fを出力する。判定部6から出力されたパルス信号fを、例えば、カウンタを備えた表示手段に入力すれば、センサを通過する車両の台数などを表示手段で表示することができる。また、判定部6は、道路が順調に流れている場合は、短いパルス幅のパルス信号を出力し、センサ上に車両が停止している場合や道路が渋滞している場合には、長いパルス幅のパルス信号を出力する。
【0026】
本実施の形態の作用を説明する。
【0027】
図2は、本発明に係る磁気式車両検出装置1の動作を説明する図である。図2では、説明の便宜上、2車線の道路ではなく、n車線の道路に本発明を適用した例で説明する。
【0028】
図2に示すように、高架道路の横断面をxy平面にとり、センサを設置する座標をP0(0,0)、P1(L,0)…Pn(nL,0)としてn+1点(n:自然数)のセンシングポイントを設けている。Lは車線幅を目安とするセンサの設置間隔である。原点を基準として、0≦x≦Lを第1車線と決めると、第i車線は(i−1)L≦x≦iLの領域となる。
【0029】
図2では、第i車線の仮想磁荷点をQi(xy平面)、第i車線の仮想磁荷をmi(単位:Wb)、点Piに設置した磁気センサのセンシングベクトル(単位ベクトル)をeiu,eiv、車両存在時に点Piに設置した磁気センサが受ける地磁場の磁束密度ベクトルをBib、車両存在時に点P(i−1)に設置した磁気センサが受ける地磁場の磁束密度ベクトルをB(i−1)a、点Piに設置した磁気センサの一方のセンシング軸がx軸となす角(センサ設置角)をθu、点Piに設置した磁気センサの他方のセンシング軸がy軸となす角(センサ設置角)をθvとしている。磁気センサの出力は、地磁場のスカラ量であり、地磁場の磁束密度ベクトルとセンシングベクトルとのスカラ積である。センサ設置角θu,θvは、例えば、約45度にしている。
【0030】
図2を図1と対応させれば、図2の第i車線が、図1の車線10aに相当する。また、図2の点P(i−1)、Piに設置した磁気センサが、図1の磁気センサ2a、2bにそれぞれ相当する。図2のセンシングベクトルe(i−1)v,e(i−1)u、eiv,eiuが、図1のセンシング軸3a1,3a2、3b1,3b2にそれぞれ相当する。
【0031】
磁束密度ベクトルを検出するための磁気センサを高架道路面裏側に複数個設置した場合、車両が通過すると、センサの検出する地磁場のスカラ量は、そのセンシング軸の方向とセンサの位置に応じて変化する。複数点における、xy平面内での磁束密度ベクトルの変化を検出することにより、車両の有無、通過、位置を検出することができる。
【0032】
高架道路の幅方向に沿って、車両通常走行時の磁気重心方向に、隣り合う磁気センサのセンシング軸がほぼ一致するように設置し、これを、道路幅方向に多点化することで、すべての車線での車両の検出を精度良く行うことができる。
【0033】
より詳細には、第i車線を走行する車両がセンサ設置点を通過すると、車両の磁気重心近傍では、地磁場の磁束密度ベクトルが変動しているので、点P(i−1)および点Piに設置した磁気センサ(各センシングベクトルは1次独立とする)がxy平面内の磁束密度ベクトルを受ける。
【0034】
点P(i−1)に設置したセンサは、磁束密度ベクトルB(i−1)aを受け、磁束密度ベクトルB(i−1)aとセンシングベクトルe(i−1)uとのスカラ積(地磁場のスカラ量)を、センサ出力信号としてセンサスカラ処理部に出力する。一方、点Piに設置したセンサは、磁束密度ベクトルBibを受け、磁束密度ベクトルBibとセンシングベクトルeivとのスカラ積(地磁場のスカラ量)を、センサ出力信号としてセンサスカラ処理部に出力する。
【0035】
センサスカラ処理部は、これらセンサ出力信号から各センサにおけるxy平面内の磁束密度ベクトルB(i−1)a,Bibを取り出し、処理出力信号として仮想磁荷点・仮想磁荷算出部に出力する。
【0036】
仮想磁荷点・仮想磁荷算出部は、まず、磁束密度ベクトルB(i−1)a,BibとセンサポイントP(i−1)、Piの座標から、xy平面内におけるそれぞれの直線D(i−1)a,Dibの式を計算する。得られた2つの直線D(i−1)a,Dibの交点から、車両の磁気重心である仮想磁荷点Qiを求める。
【0037】
次に、仮想磁荷点・仮想磁荷算出部は、幾何学的に線分P(i−1)Qiと線分PiQiの長さを求める。2つの線分P(i−1)Qiと線分PiQiの長さと、それぞれの点における磁束密度ベクトルB(i−1)a,Bibの大きさとから、磁気のクーロンの法則を用いて、車両の磁気重心の仮想磁荷mia,mibを求める。通常走行する車両は、道路の各車線からはみ出すことがないと見なせるので、2つの仮想磁荷mia,mibはほぼ等しく、図2では単にmiで表している。
【0038】
以下同様にして、n個(車線数に相当:0≦i≦n)の仮想磁荷点Qiおよび仮想磁荷mia、mibが求められる。仮想磁荷点・仮想磁荷算出部は、これらn個の仮想磁荷点Qiおよび仮想磁荷mia、mibを、算出出力信号として車両存在・車両位置判定部に出力する。
【0039】
車両存在・車両位置判定部は、仮想磁荷点Qiが第i車線のyの正の領域にある場合、第i車線に車両が存在すると判断し、仮想磁荷点Qiを車両の通過位置として特定すると共に、車両検出信号であるパルス信号を出力する。判定部から出力されたパルス信号を、例えば、カウンタを備えた表示手段に入力すれば、センサを通過する車両の台数などを表示手段で表示することができる。判定部は、道路が順調に流れている場合は、短いパルス幅のパルス信号を出力し、センサ上に車両が停止している場合や道路が渋滞している場合には、長いパルス幅のパルス信号を出力するので、パルス信号を時間で監視すれば、道路の交通流量を測定することができる。
【0040】
車両存在・車両位置判定部は、仮想磁荷点Qiがyの負の領域にある場合、あるいは車両の高さよりの著しく高い(yの値が大きい)場合、第i車線には車両が存在しないと判断する。特に、平行磁場の場合(車両が存在せず、地磁場のみの場合)、仮想磁荷点を求めるための直線が平行となり、交点は存在しない。
【0041】
また、車両存在・車両位置判定部は、仮想磁荷点Qiが第i車線以外の他の車線領域に位置し、仮想磁荷mia、mibが著しく異なる場合、他の車線からの影響を受けているので、仮想磁荷点Qiに隣接する仮想磁荷点Q(i−1)とQ(i+1)の座標が近くないか検証した上で、車両の存在有無を判断する。実際には、せいぜい隣接車線のみしか影響を受けない(磁束密度の大きさは対象磁荷からの距離の2乗に反比例して減少するため)と考えてよい。
【0042】
このように本発明によれば、道路の幅方向に沿って、ほぼ車両の磁気重心方向に2つのセンサが常に磁気監視を行うことにより、他の車線を通過する車両の磁気の影響を精度良く判別することができる。また、磁気によって検出を行うので、天候などに左右されず、安定した車両検出を行うことができる。
【0043】
また、これまでの磁気センサによる車両検出は、もっぱらセンサによって得られる地磁場のスカラ量を基にしたものであり、車両によってその磁気プロファイル(磁気履歴)が異なったり、センサの設置方法によって出力が変化したりして、車両の通過位置や存在の判定が難しいという問題があった。
【0044】
これに対して本発明においては、車両検出を決める要素は、地磁場のスカラ量を基にしたものではなく、平面内において得られる地磁場のベクトルを基にした直線の交点(仮想磁荷点)であり、他の車線の車両通過による磁気の変化の影響を受けない利点がある。したがって、車両の誤判定を防止することができ、車両の検出感度を向上させることができる。
【0045】
次に、第2の実施の形態を説明する。
【0046】
図3は、第2の実施の形態である磁気式車両検出装置を示す概略図である。
【0047】
図3に示すように、磁気式車両検出装置30は、図1で説明した磁気車両検出装置1のような2軸の磁気センサ2a〜cではなく、1軸の磁気センサ31a〜dを用いたものである。各磁気センサ31a〜dは、高架道路10の裏面10rの幅方向に沿って、各磁気センサ31a〜dのセンシング軸32a〜dが、センサ設置点を通常走行する車両11,12が通過する際、車両11,12の磁気重心11g,12g近傍を通るように設置されている。すなわち、各車線10a,10bごとに二個一組の磁気センサを設置している。磁気センサ31a,31cのセンシング軸32a,32cは、鉛直線(y軸)とのなす角が−θ3となるようにしており、磁気センサ31b,31dのセンシング軸32b,32dは、鉛直線(y軸)とのなす角が+θ3となるようにするとよい。
【0048】
より詳細に言えば、一組の磁気センサ31a,31bは、磁気センサ31aのセンシング軸32aの延長線と、磁気センサ31bのセンシング軸32bの延長線とが、センサ31a,31b間上の道路10を通常走行する車両11が通過する際、車両11の磁気重心11g近傍を通るようにして設置されている。また、もう一組の磁気センサ31c,31dは、磁気センサ31cのセンシング軸32cの延長線と、磁気センサ31dのセンシング軸32dの延長線とが、センサ31c,31d間上の道路10を通常走行する車両12が通過する際、車両12の磁気重心12g近傍を通るようにして設置されている。
【0049】
各組の磁気センサ31a,31bと磁気センサ31c,31dの設置間隔L3は、高架道路10の車線10a,10bの幅とほぼ同じ間隔となるようにしている。磁気式車両検出装置30のその他の構成は、図1で説明した磁気式車両検出装置1と同じ構成である。
【0050】
この磁気式車両検出装置30では、磁気式車両検出装置1と比べると、設置する磁気センサの数は多くなるが、各磁気センサ31a〜dが、地磁場のスカラ量をセンサ出力信号Aa〜Adとしてセンサスカラ処理部4にそれぞれ出力する(一つのセンサから一つのスカラ量を出力する)ので、センサスカラ処理部4における処理が簡単になるという利点がある。その他の作用効果は、磁気式車両検出装置1と同様である。
【0051】
上記実施の形態では、2次元の平面内でのみ言及した。磁気センサも1軸または2軸平面用のものを使用した。これら1軸または2軸の磁気センサを、3軸空間用の磁気センサに変更し、上述したのと同様な設置、例えば、磁気センサの3軸目のセンシング軸を道路の走行方向と平行となるように設置すれば、空間的に車両の位置を特定して把握することができる。したがって、車両の進行方向を特定したり、車両の速度を計測することが可能となる。
【0052】
この例では、仮想磁荷点を求めるとき、空間内では直線が必ず交わる保証はなく、ねじれの関係にある場合がある。この場合、2つの直線間の距離が最小となる各直線上の点をそれぞれ求め、この2点の中点を仮想磁荷点とすれば、誤差を増やすことなく仮想磁荷点を求めることができる。
【0053】
また、本発明は道路の車線数に限定されないので、図1や図3で説明した2車線の道路ではなく、さらに多い車線に本発明を適用することもできる。この場合、図2で説明したように、道路の幅方向に沿って、その車線数だけセンシング系を増やしていけばよい。
【0054】
上記実施の形態では、磁気センサを高架道路の裏面に設置した例で説明したが、磁気センサを設置する場所は高架道路の裏面に限らず、例えば、道路地中に設置してもよいし、橋梁部であればその裏側に、また、ガントリー上であれば、車両の上方となるガントリーの渡し部に設置してもよい。
【0055】
本発明は、上述した高架道路のような片側1車線からなる対面通行道路だけではなく、同一方向に車両が走行する片側が複数車線からなる道路にも適用することができる。例えば、片側2車線あるいは片側3車線の高速道路や、高速道路の料金所付近の道路などである。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次のごとき優れた効果を発揮する。
【0057】
(1)道路の幅方向に沿って、ほぼ車両の磁気重心方向に2つのセンサが常に磁気監視を行うことにより、他の車線を通過する車両の磁気の影響を精度良く判別することができる。また、磁気によって検出を行うので、天候などに左右されず、安定した車両検出を行うことができる。
【0058】
(2)車両検出を決める要素は、地磁場のスカラ量を基にしたものではなく、地磁場のベクトルを基にしたものなので、他の車線の車両通過による磁気の変化の影響を受けない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施の形態を示す概略図である。
【図2】本発明に係る磁気式車両検出装置の動作を説明する図である。
【図3】第2の実施の形態を示す概略図である。
【符号の説明】
1 磁気式車両検出装置
2a〜c 磁気センサ
3a1,3a2〜3c1,3c2 センシング軸
4 センサスカラ処理部
5 仮想磁荷点・仮想磁荷算出部
6 車両存在・車両位置判定部
10 高架道路
10a,10b 車線
11,12 車両
11g,12g 磁気重心
Claims (4)
- 道路地中または高架道路の裏面に複数個の磁気センサを、各磁気センサのセンシング軸が、車両の磁気重心近傍を通るように設置し、その複数個の磁気センサにより、道路上を車両が通過することによって変動する地磁場の磁束密度ベクトルとセンシング軸方向の単位ベクトルとのスカラ積である地磁場のスカラ量を検出し、そのスカラ量から各磁気センサでの磁束密度ベクトルを取り出し、その磁束密度ベクトルと各磁気センサの設置点の座標から車両の磁気重心である仮想磁荷点を求め、その仮想磁荷点の座標がどこにあるかによって車両の存在有無を判別し、車両の通過位置を検出することを特徴とする磁気式車両検出装置。
- 車両が存在すると判断したとき、車両検出信号であるパルス信号を出力し、そのパルス信号のパルス幅に基づいて車両の停止状況を検出する請求項1記載の磁気式車両検出装置。
- 複数個の磁気センサから出力される地磁場のスカラ量の大きさ及び方向の変化により、車両の通過位置及び進行方向を特定する請求項1または2記載の磁気式車両検出装置。
- 複数個の磁気センサの設置間隔を、道路の車線間隔にほぼ一致させた請求項1〜3いずれかに記載の磁気式車両検出装置。
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