JP3875776B2 - 歯科用修復材料 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は歯科用修復材に関する。特に、透明性に優れ、天然歯の自然な色調と質感を有し、さらに機械的強度に優れた歯科用複合材料に関するものである。本発明でいう歯科用修復材とは、一般には歯科用コンポジットレジンと呼ばれている複合材料であって、歯牙充填修復材料、インレー、クラウン、ブリッジ等歯冠補綴材料、義歯材料、支台歯築盛用材料として利用される。
【0002】
【従来の技術】
無機フィラーと重合性単量体よりなる歯科用修復材料は、安価でかつ天然歯に近い色調が比較的容易に達成できることから急速に普及してきた。近年、当該技術分野では、該無機フィラーとして、粒径0.1μm以下の超微粒子無機フィラーが積極的に用いられるようになった。このような微細なフィラーを用いることにより、天然歯に近似した比較的高い透明性をもったコンポジットレジンが設計し易いほか、研磨滑沢性や機械的強度の向上を図ることができるといわれており、特開昭54−107189、特開昭57−82303、特表昭57−500150、特開昭59−101409、特開昭61−201090、特開昭61−148109、特公平6−67816等にその例を見ることができる。また、この目的のために通常用いられる超微粒子フィラーとしては、粒径範囲が0.1μm〜0.001μmのコロイドシリカが最も一般的である。
【0003】
さらに、コロイドシリカを主要構成成分とするコンポジットレジンの中でも、近年特に、コロイドシリカが有機樹脂に分散してなる有機無機複合フィラーがさらに添加されてなるコンポジットレジンは、MFR型と呼ばれている。MFR型コンポジットレジンは、ペーストの操作性、機械的強度、研磨滑沢性、透明性等の、歯科用修復材として望まれる諸性能が、比較的良好であるため、現在広く臨床に用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】
歯冠修復を目的とする歯科用コンポジットレジンにおいて、高い透明性は必須の要求特性である。一般に、無機フィラーと有機樹脂よりなるコンポジットレジンの透明性は、無機フィラーの屈折率と有機樹脂の屈折率との差に依存し、両者の屈折率が接近する程高い透明性が得られる。
ところが、コロイドシリカの屈折率は1.45程度であるのに対し、歯科用コンポジットレジンに通常よく用いられる多官能メタクリレートの硬化後の屈折率は1.50〜1.60の範囲内であるのが一般的である。このように、両者の屈折率差が大きいにもかかわらず、コロイドシリカを主成分とする歯科用コンポジットレジンにおいて高い透明性が得られるのは、コロイドシリカの粒子径が0.1μm以下と可視光線の波長(0.3〜0.7μm)より小さいため、コンポジットレジンに光が入射しても、内部でコロイドシリカにより可視光線が殆ど散乱されずにそのまま透過することが出来るためである。このことは、使用する多官能メタクリレートの屈折率の大小に殆ど依存せずに、高い透明性を容易に得ることを意味している。
【0005】
このように、コロイドシリカを含有するコンポジットレジンは、高い透明性が容易に得やすいと言われてきたが、一方で、特にエナメル質に相当する部分の修復に必要な、高い透明性を持ったコンポジットレジンを作成した場合、天然のエナメル質と同様な色調の再現が困難で、エナメル質と同様の質感を再現することができないという問題が従来より指摘されていた。
より具体的には、コンポジットレジンで作成された歯冠修復物を、口腔内で実際に観察すると、色調が全体的に青白く見えて周囲の天然歯と違和感を生じてしまう事がある。また、このような場合、例えば、青みを軽減するためにその補色である黄色系等の顔料を色調調整のために添加しても、これが回避できない。これは半透明なコンポジットレジン材料自体の光学的特性が天然歯と比較して何らかの点で異なっているためと推定される。
本発明は、天然歯に近い色調と質感を持つ歯科用修復材料を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
材料が半透明性である場合、その色調は、背景の色や、入射光線の角度、さらには観察者の見る方向によって微妙に異なってくる。本発明者は、これらの光学的性質と、コンポジットレジン硬化物で作成された歯冠修復物が口腔内に実際にセットされた場合の臨床上の見え方の相関を、天然歯のそれらと共に鋭意検討した。その結果、ある条件下で硬化物の色調を測定して色差空間で数値で表示した時、あるパラメーターに注目すると、臨床上好ましい見え方(天然歯と同じ様な色調と質感)とよく相関することを見いだした。
より具体的には、同じ透明性でも、背景の環境によって色調が異なって見えること、さらにこの差異が大きいほど前述の問題点が顕著になってくることが判明した。
さらに、このような見え方をするコンポジットレジンについて、その材質や組成の面から鋭意検討したところ、コロイドシリカの粒径と、重合性単量体の屈折率とコロイドシリカの屈折率の関係をコントロールすることにより、天然歯と同じ色調と質感が達成されること見出し本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち本発明は、コロイドシリカ(A)、有機無機複合フィラー(B)、重合性単量体(C)及び重合開始剤(D)を構成要素とする歯科用修復材料において、(a)該コロイドシリカ(A)は平均粒径0.005〜0.04μmで、該コロイドシリカ(A)全体に占める粒径0.05μm以上の粒子の頻度割合が30%以下のコロイドシリカであり、該コロイドシリカ(A)の屈折率(n1)と重合性単量体(C)が硬化後のポリマーの屈折率(n2)との間に以下の関係式:
0 ≦ n2−n1 ≦ 0.10
が成立し、さらに、該コロイドシリカ(A)の配合重量(Wf)と該重合性単量体(C)の配合重量(Wm)の間に以下の関係式:
1/5 ≦ Wf/Wm ≦ 4
が成立し、(b)該有機無機複合フィラー(B)が、平均粒径が0.005〜0.04μmであり、かつ粒径0.05μm以上の粒子の頻度割合が30%以下であるコロイドシリカ(B1)が重合性単量体(B2)の硬化物である有機樹脂中に分散して存在する構造を有する、平均粒径1〜50μm、かつ、粒径範囲1〜200μmの有機無機複合フィラーであって、かつ該コロイドシリカ(B1)の屈折率(n1´)と配合量(Wf´)、および、これと組み合わせて使用する重合性単量体(B2)の硬化後の屈折率(n2´)と配合量(Wm´)との間に、以下の関係式:
0 ≦ n2´−n1´ ≦ 0.10
1/5 ≦ Wf´/Wm´ ≦ 4
が成立するように調整して製造された有機無機複合フィラーであり、かつ、(c)硬化後の厚さ1mm板の成型物の色調を、JIS−Z8729に定めた方法により、該成型物の背後に標準白板と標準黒板を置いてそれぞれ測定して、標準白板を成型物の背後に置いて測定された測色値を(L*W,a*W,b*W )、標準黒板を成型物の背後に置いて測定された測色値を(L*B,a*B,b*B )〔ここで、L*,a*,b*はそれぞれ、JIS−Z8729に定めたL*a*b*表色系における、クロマティネス指数(a*,b*)と明度指数(L*)をそれぞれ表す〕で表したとき、以下の関係式:
0 ≦ Δb*= b*W − b*B ≦ 20
ΔL* = L*W − L*B ≧ 25
が成立することを特徴とする歯科用修復材料である。
【0008】
物体の色調を数値で表現する方法として、JIS−Z8729に定めたL*a*b*表色系がよく用いられている。ここでは、材料の色調は、クロマティネス指数(a*,b*)と明度指数(L*)を用いて、3次元座標空間の一つの座標点で表される。標準白板をコンポジットレジン硬化物サンプル(厚さ1mmの平板)の背後に置いて測定した時に得られた測色値を(L*W,a*W,b*W)、同様に標準黒板(または暗箱)を硬化物サンプルの背後に置いて測定した時に得られた測色値を(L*B,a*B,b*B )とした場合、それぞれの明度指数の差ΔL*(=L*W−L*B)は硬化物の透明性を示す尺度としてしばしば用いられる。ΔL*の値は0〜100の間で、値が大きいほど透明性が高い事を示す。本発明者らの検討によれば、エナメル質の部分を審美的に修復しようとする場合に必要な、コンポジットレジンの透明性(ΔL*)は25以上である。なお、測色値は、測定に用いる光源により若干異なることが知られているが、本発明においては、特に断りのない限り、JIS−Z8720に定めるところのD65標準光源を用い、測色視野2度で測定した場合の値である。
【0009】
従来のコロイドシリカを含有したコンポジットレジンでは、透明性が高くなるほど、白板と黒板を背景に置いて色度を測定した時のそれぞれのクロマティネス指数の差が大きくなり、特に、 b*W−b*Bの値(以下、Δb*とする)が顕著に大きくなる傾向があった。特に、コロイドシリカを多く含有するコンポジットレジンの場合ほど、この傾向が一層顕著である。
本発明の特徴は、まず第一に、Δb*値が、色調や質感と大きく相関していることを見出した点にある。
即ち、同じ透明性をもつコンポジットレジンでも、Δb*が大きいものほどそれと天然歯特有の色調や質感との乖離が大きくなり不適当で、Δb*が小さいものほど天然歯と同様の質感を持つようになり好ましいことを見出した。具体的には、Δb*が20以下であることが、本発明の目的とする天然歯に類似した十分な審美性を得るためには必須である。
ちなみに、審美性に優れた歯冠修復材料として広く認識されている市販のポーセレンにおいては、このΔb*値は10以下であることを認めた。
【0010】
コロイドシリカを配合したコンポジットレジンを調製するに当たり、このような特性を持たせるためには、コロイドシリカの平均粒径が0.005〜0.04μmの範囲内にあり、該コロイドシリカ全体に占める0.05μm以上の粒子の頻度割合が、個数基準分布で30%以下のコロイドシリカを用いることが必要である。0.05μm以上の粒子の頻度割合が30%以上になると、コンポジットレジンのΔb*値が急速に大きくなり、本発明の目的とする良好な色調が得られない。このように、コンポジットレジンに配合するコロイドシリカ(A)の粒子径と色調との間に相関を見出した点が、本発明の第二の特徴である。
【0011】
前述のように、コロイドシリカの粒子径は0.1μm以下で、可視光線の波長より小さいため、該可視光線に対しては原理的に殆ど透明であるにもかかわらず、このように、コロイドシリカが配合されたコンポジットレジンの硬化物の色調に影響を与える理由は現時点では定かではない。
ここで、本発明に言う、Δb*値の表す意味について、説明を加える。一般に、色度空間座標では、測定されたb*値が正の値であるとその硬化物は黄色で、反対に負の値をしめすと、青色であることを示す。無論それぞれの値が0より離れる程その色あいが濃くなることを意味する。そして、本発明で言うように、同じ硬化物サンプルでも白板と黒板を背景に置いて測定した結果、それぞれのクロマティネス指数が異なって測定されるということは、背景の色が異なると色調が変わって見えることを意味する。
【0012】
コロイドシリカが配合された透明性の高いコンポジットレジンの硬化物の色調を測定すると、標準白板をサンプルの背後に置いて測定した場合のb*値と、標準黒板を同じサンプルの背後に置いて測定した場合のb*値は一致せず、前者の場合のb*値(b* W)は正の値で、後者の場合のb*値( b* B)は負の値になることが多い。そして、透明性が高くなるほど両者の差Δb*値は大きくなる傾向があった。従来のコロイドシリカを含有する透明性の高いコンポジットレジンでは、Δb*が非常に大きかった。即ち、例えば、b* Wの値が10で、b* Bの値が−15であったとすると、白板を背後に置いて観察した場合は黄色く見え、同じサンプルを黒板を背後に置いた場合は青く見えることを意味する。このように、硬化物の置かれた環境の違いにより色調が正反対なまでに異なって見えることは、審美的な歯冠修復にとってマイナスであることは容易に理解される。
【0013】
ところで、コンポジットレジンを所望の色調に調整するためには、顔料を添加する手法が一般的であった。例えば、黄色い色調を所望する場合には黄色の顔料が添加され、その結果、硬化物の色調において、b*値が大きくなる。ここで例えば今、負の値であったb* Bの値を0に近づけて、黒板を背景に置いた場合に青く見える現象を押さえようとすると黄色い顔料を添加すればよいと考えられるかもしれない。しかし、この方法では、確かに黒板を背後において測定したb* Bの値は上昇し、青さは軽減されるが、同時に、同じサンプルを白板を背後において測定したb* W 値も、殆ど同じ幅で上昇し、本発明で着目しているΔb*の値は変化しない。即ち、コンポジットレジンのΔb*の大きさは、材料自体の特性によって決まり、透明性を一定に保ったままでは、顔料の添加では決して調整出来ないことが判明した。本発明者は、透明性の高い歯科用コンポジットレジンを用いて、歯冠部分の中でも透明性が高い部位を修復する際には、同じ透明性でも、Δb*が小さいほど審美性が向上することを見出した。
【0014】
本発明で用いられるコロイドシリカ(A)としては、デグサ社の商品名アエロジルに代表される噴霧熱分解法によって得られる粒子径の小さいシリカや、湿式法で得られるシリカゾル、ゾルゲル法で得られる単分散シリカ等があげられる。前述の粒子径の範囲を満足させるため、粒子径の異なる数種のコロイドシリカを混合して配合することもできる。また、分級により大きな粒径の粒子を除いてから配合することもできる。特に、平均粒径が0.02〜0.04μmのコロイドシリカを用いると高い機械的強度を達成する上で好都合である。なお、コロイドシリカの粒子径は、レーザー回折式、動的光散乱等の、この領域の粉体の粒度分布の測定方法として一般に知られている方法により測定出来る。また、電子顕微鏡観察より粒子のサイズを直接測定する方法や、BET比表面積の測定値から換算する方法も有用である。
【0015】
これらのコロイドシリカ(A)においては、機械的強度や配合量を向上させるため、シランカップリング剤などの表面処理剤で予め表面処理を施してから使用することが望ましい。かかる表面処理剤としては、例えば、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、クロロトリメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−ウレノイドプロピルトリメトキシシラン、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチルトリメトキシシラン、11−(メタ)アクリロイルオキシウンデシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザンがあげられる。この他に各種のチタン系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤なども好適に使用できる。
【0016】
本発明の歯科用修復材において用いられる重合性単量体(C)については、公知のものが何ら制限無く用いられるが、通常、歯科用(メタ)アクリレート系モノマー(メタクリレートおよびアクリレートを意味する)が好適である。かかる(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン(Bis−GMAと称することがある)、2,2−ビス[(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル]プロパン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート1モルと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート2モルとの付加物、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート1モルとグリセリンジ(メタ)アクリレート2モルとの付加物、10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジエンホスフェート、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、4−[2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニル]フタル酸、4−[2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニル]フタル酸無水物等があげられる。
【0017】
本発明において、これらの重合性単量体(C)は、単独または数種混合した組成物として用いられるが、その硬化後のポリマー(n2)の屈折率と、コロイドシリカ(A)の屈折率(n1)との間には、
0 ≦ n2−n1 ≦ 0.10
の関係を満たすように組成を選択しなければならない。例えば、コロイドシリカの屈折率(n1)は通常1.45前後であるため、硬化後の屈折率が1.55以下になるように、必要に応じては数種のモノマーを選択し混合して使用する。本発明の歯科用修復材料において、コロイドシリカ(A)の屈折率と重合性単量体(C)の硬化後のポリマーの屈折率の差が大きくなるほどΔb*の値が上昇し、その差が0.10以上になると、Δb*を20以下に押さえることが困難である。
【0018】
さらに、重合性単量体(C)に対してコロイドシリカ(A)の配合量が多いほど、コンポジットレジンの機械的強度や耐摩耗性が優れ、好ましいが、本発明においては、該コロイドシリカの配合重量(Wf)と該重合性単量体の配合重量(Wm)の間に以下の関係式:
1/5 ≦ Wf/Wm ≦ 4
が成立することが必要である。Wf/Wmが4より大きいと、粘度の上昇が著しくコロイドシリカ(A)をモノマー中に練り込むのが困難である。また、この値が1/5より小さいと、機械的強度が十分なレベルに達しない。
【0019】
本発明の歯科用修復材料においては、コロイドシリカ(B1)を有機樹脂中に分散してなる、平均粒径1〜50μm、かつ、粒径範囲1〜200μmの有機無機複合フィラー(B)がさらに添加される。この種の有機無機複合フィラー(B)は、通常、コロイドシリカ(B1)と重合性単量体(B2)を一旦混練後、重合硬化した後、粉砕して得られる。この種の有機無機複合フィラー(B)の添加により、機械的強度や耐摩耗性、ペーストの操作性に優れる歯科用修復材となる。
【0020】
本発明で用いられる有機無機複合フィラー(B)について、以下説明する。該有機無機複合フィラー(B)に用いられるコロイドシリカ(B1)の平均粒径と粒度分布、さらに、重合性単量体(B2)の屈折率と配合量に関し、本発明の歯科用修復材で与えられる関係、即ち、有機無機複合フィラー(B)を製造する際、使用するコロイドシリカ(B1)の平均粒径が0.005〜0.04μm、粒径0.05μm以上の粒子の頻度割合が30%以下で、該コロイドシリカ(B1)の屈折率(n1´)と配合量(Wf´)、および、これと組み合わせて使用する重合性単量体(B2)の硬化後の屈折率(n2´)と配合量(Wm´)との間に、以下の関係式:
0 ≦ n2´−n1´ ≦ 0.10
1/5 ≦ Wf´/Wm´ ≦ 4
が成立するように調整して製造された有機無機複合フィラー(B)を用いることにより、本発明の目的とする天然歯と同様の色調と質感を得ることができる。なお、該有機無機複合フィラー(B)に用いる重合性単量体(B2)は、先に述べた本発明の歯科用修復材に用いる重合性単量体(C)と同様な(メタ)アクリレート系モノマーが好適に用いられる。特に、両者を同じモノマー組成とすると、透明性や機械的強度にさらに優れるので、一層好ましい。かかる有機無機複合フィラー(B)の配合量は、重合性単量体(C)100重量部に対し、50ないし500重量部である。
【0021】
本発明の歯科用修復材においては、さらに、平均粒径0.1〜10μm、粒径範囲0.1〜50μmの相対的に粗い無機フィラーをさらに配合することが出来る。このような無機フィラーの添加により、修復材の機械的強度がなお一層向上する。かかる無機フィラーとしては、例えば、シリカや、シリカを主成分とするガラス(バリウムボロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムボロアルミノシリケートガラス、リチウムアルミノシリケートガラス、ホウ珪酸ガラス等)が好適に用いられる。このような無機フィラーの配合量は、通常、重合性単量体(C)100重量部に対し、10ないし500重量部であり、より好ましくは20〜200重量部である。特に、前述の有機無機複合フィラー(B)と併せて配合することによって機械的強度や研磨滑沢性が高い次元でバランスした良好な修復材が得られる。なお、上記のように、コロイドシリカ(A)よりも相対的に粒径の大きな無機フィラーを添加すると、該無機フィラーの屈折率と重合性単量体(C)の屈折率(n2)との差が大きくなるほど、さらに、該無機フィラーの添加量が多くなるほど、修復材料の透明性が低下する。従って、これらの点を適切に調整して、得られた修復材料の透明性(ΔL*)が25以下にならないようにする事が必要であるが、当該領域の技術者であればこの調整は容易である。
【0022】
本発明の歯科用修復材において用いられる重合開始剤(D)としては、公知の開始剤がなんら制限なく用いられる。例えば、加熱重合を行う場合は、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が好適に用いられる。また、常温重合を行う場合には、ベンゾイルパーオキサイド/ジメチルアニリン系、クメンヒドロパーオキサイド/チオ尿素系、有機スルフィン酸(またはその塩)/アミン/過酸化物系等の酸化還元系等が好適に用いられる。
【0023】
また、光重合を行う場合、例えば、α−ジケトン/還元剤、ケタール/還元剤、チオキサントン/還元剤等があげられる。α−ジケトンの例としては、カンファーキノン、ベンジル、2,3−ペンタンジオンなどが挙げられる。ケタールの例としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール等が挙げられる。チオキサントンの例としては、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。還元剤の例としては、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N,N−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕−N−メチルアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブトキシエチル、N−メチルジエタノールアミン等の三級アミン、ジメチルアミノベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒド等のアルデヒド類、2−メルカプトベンゾオキサゾール、デカンチオール、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、チオ安息香酸等のチオール基を有する化合物等を挙げることが出来る。さらにこれらの酸化還元系に、有機過酸化物を添加した系も好適に用いられる。また、紫外線照射による光重合を行う場合は、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール等が好適である。
【0024】
本発明の光重合開始剤として、各種のアシルホスフィンオキサイド化合物が特に好適に使用される。この種の光重合触媒を組み合わせて用いると、硬化物の機械的強度に優れるばかりでなく、硬化前のペースト状組成物の着色や硬化後の耐変着色性が少なく、審美性に優れたコンポジットレジンが得られ、一層好ましい。かかるアシルホスフィンオキサイドとしては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジ−(2,6−ジメチルフェニル)ホスホネートなどがあげられる。また、必要に応じて、これらアシルホスフィンオキサイドに加えて、上記の加熱重合触媒、可視光線重合触媒、紫外線重合触媒が更に添加されると、機械的強度や硬化深度がさらに優れ、より好ましい場合がある。これらの重合開始剤(D)の添加量は、重合性単量体(C)に対して0.01〜10重量%の範囲が好適である。
【0025】
本発明の歯科用修復材においては、必要に応じ、着色の目的でベンガラ、フタロシアニンブルー、各種アゾ系顔料等が添加されることがある。他に紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光顔料が添加されても良い。
【0026】
【実施例】
次に本発明を実施例により説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。なお、本発明において以下の諸量の測定は次の手順により行った。(1)硬化物の色度
ペースト状の歯科用修復材組成物を、直径25mmの穴の空いた厚さ1mmの金型に填入し、両側からガラス平板で圧接した。歯科用技工用光照射器(モリタ製、αライト2)で、5分間光照射を行って光重合を行い、硬化物を型から取り外して、厚さ1mmの色度測定用試験片を作成した。
色度の測定は、色差計(日本電色製、Σ90型、光源はD65光源、視野2度、測色範囲5mmφ)を用いて、JIS−Z8729に定めた方法により、該成型物の背後に標準白板と標準黒板を置いてそれぞれ測定した。標準白板を成型物の背後に置いて測定された測色値を(L*W,a*W,b*W )、標準黒板を成型物の背後に置いて測定された測色値を(L*B,a*B,b*B )〔ここで、L*,a*,b*はそれぞれ、JIS−Z8729に定めたL*a*b*表色系における、クロマティネス指数(a*,b*)と明度指数(L*)をそれぞれ表す〕として表した。
【0027】
(2)フィラーの粒度分布
コロイドシリカの粒度分布(個数頻度割合)は透過型電子顕微鏡写真に基づき、粒子径の範囲(0.05μm以上の粒子量)を評価した。また、平均粒径は、動的光散乱法により測定した。
【0028】
(3)屈折率
重合性単量体の硬化後のポリマーの屈折率は、単量体のみを予め硬化させ、硬化物を5×10×20mmの直方体に成形した試験片を作成し、アッベの屈折率計を用いてナトリウムランプのD線を光源として測定した。フィラーの屈折率は液浸法により測定した。
【0029】
(4)圧縮強度
重合前のペースト状のコンポジットレジンを、直径4mm、高さ4mmの穴の空いた金型に填入し、両側からガラス平板で圧接した。歯科用技工用光照射器(モリタ製、αライト2)で、表裏各3分間づつ光照射を行って光重合を行い、硬化物を型から取り外して、円柱状試験片を作成した。該試験片を37℃水中で24時間浸漬し、その後、インストロン万能試験機を用い、クロスヘッドスピード2mm/分で圧縮強度を測定した。測定値は10個の試料の平均値である。
【0030】
(5)硬化物の審美性
上顎前歯中切歯用の前装冠作成用の金属フレーム上に、クラレ社製光重合型硬質レジン(商品名:セシード)を用い、所定の手順に従いオペーク、サービカル、デンチンのA3シェードに該当する各色調のコンポジットレジンを順次築盛し、光重合を行った。最後に、本発明で得られた歯科用修復材料ペーストを、エナメル用レジンとして歯冠最表層に築盛し、光重合を行った。所定の研磨と艶出しを行い、前装用歯冠補綴物を得た。該補綴物を目視で観察し、天然歯と同様の高い透明感と色調を有しているものを○、天然歯と比較して青白く、審美性に劣っているものを×とした。
【0031】
比較例1
トリエチレングリコールジメタクリレート(3Gと称する)25重量部、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート1モルと2−ヒドロキシエチルメタクリレート2モルの付加化合物(UDMAと称する)50重量部、2,2−ビス[4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン(Bis−GMAと称する)25重量部、カンファーキノン0.2重量部、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル0.4重量部を混合し、均一に溶解し、重合性単量体組成物を得た。該重合性単量体の硬化後の屈折率(n1)は1.529であった。一方、平均粒径0.03μmで、0.05μm以上の粒子量が8%のコロイドシリカ粉末(日本アエロジル製、アエロジル70、屈折率1.448)を、通法によりγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理を行った。該表面処理コロイドシリカ100重量部と該重合性単量体150重量部を混練しペースト状の歯科用修復材組成物を得た。該組成物の硬化物のΔL*は37.8、Δb*は9.2、硬化物の審美性は優れていた(○)。
【0032】
比較例2〜4
表1に記載のコロイドシリカと重合性単量体を用いて、他は比較例1と同じ方法で作成した歯科用修復材組成物に関し、同様に比較例1と同じ評価を行った結果を表1に示した。
【0033】
【表1】
【0034】
実施例1
ヘキサンジオールジメタクリレート(HDと称する)25重量部、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート1モルと2−ヒドロキシエチルメタクリレート2モルの付加化合物(UDMAと称する)75重量部、過酸化ベンゾイル0.5重量部を混合し、均一に溶解し、有機無機複合フィラー用の重合性単量体組成物を得た。該重合性単量体組成物の硬化後の屈折率は1.504であった。一方、平均粒径0.04μmで、0.05μm以上の粒子量が23%のコロイドシリカ粉末(日本アエロジル製、アエロジル50、屈折率1.448)を、常法によりγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理を行った。該表面処理コロイドシリカ100重量部と上記重合性単量体130重量部を混練しペースト状の組成物を得た。該組成物を減圧下、130℃で3時間加熱して重合させ、得られた硬化物をさらにボールミルで粉砕して、平均粒径15μm、粒径範囲1〜75μmの、有機無機複合フィラーを得た。さらに該有機無機複合フィラー100重量部に対し、1重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理を行い、表面処理有機無機複合フィラーを得た。
【0035】
一方、ヘキサンジオールジメタクリレート25重量部、UDMA75重量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド0.2重量部、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル0.4重量部を混合し、均一に溶解し、重合性単量体組成物を得た。該重合性単量体の硬化後の屈折率は1.504であった。該重合性単量体100重量部、上記の表面処理コロイドシリカ70重量部、上記の表面処理有機無機複合フィラー325重量部を均一に混練し、歯科用修復材料ペーストを作成した。該修復材料の硬化後の色調を測定したところ、ΔL*=32、Δb*=15であり審美性に優れていた。また、圧縮強度は418MPaと優れていた。
【0036】
比較例5
実施例1において、コロイドシリカとして、アエロジル50のかわりに、日本アエロジル社製アエロジルOX−50(平均粒径0.04μm、0.05μm以上の粒子量が47%、屈折率1.448)を用いた以外、他は同じ手順で、歯科用修復材ペーストを作成した。該修復材料の硬化後の色調を測定したところ、ΔL*=31、Δb*=25であった。また、圧縮強度は350MPaであった。
【0037】
参考例1
上顎前歯中切歯用の前装冠作成用の金属フレーム上に、クラレ社製光重合型硬質レジン(商品名:セシード)を用い、オペーク、サービカル、デンチンの各色調のコンポジットレジンを順次築盛し、光重合を行った。最後に、実施例1で得られた歯科用修復材料ペーストを、エナメル用レジンとして築盛し、光重合を行った。所定の研磨と艶出しを行い、前装用歯冠補綴物を得た。該補綴物においては、天然歯と同様の透明感と色調を再現することが出来、審美性に優れていた。
【0038】
参考例2
エナメル用レジンとして、比較例5に記載の歯科用修復材料ペーストを用いた以外は、参考例 1と同じ手法で得た前装用補綴物を作成したところ、該補綴物の色調は、天然歯と比較して青白く、審美性に劣っていた。
【0039】
【発明の効果】
本発明により、天然歯に近い色調と質感を持つ透明性に優れた歯科用修復材料を提供する事が出来る。さらに、本発明の歯科用修復材は機械的強度や硬化物の耐変着色性にも優れている。
Claims (2)
- コロイドシリカ(A)、有機無機複合フィラー(B)、重合性単量体(C)及び重合開始剤(D)を構成要素とする歯科用修復材料において、(a)該コロイドシリカ(A)は平均粒径0.005〜0.04μmで、該コロイドシリカ(A)全体に占める粒径0.05μm以上の粒子の頻度割合が30%以下のコロイドシリカであり、該コロイドシリカ(A)の屈折率(n1)と、重合性単量体(C)が硬化後のポリマーの屈折率(n2)との間に、以下の関係式:
0 ≦ n2−n1 ≦ 0.10
が成立し、さらに、該コロイドシリカ(A)の配合重量(Wf)と該重合性単量体(C)の配合重量(Wm)の間に以下の関係式:
1/5 ≦ Wf/Wm ≦ 4
が成立し、(b)該有機無機複合フィラー(B)が、平均粒径が0.005〜0.04μmであり、かつ粒径0.05μm以上の粒子の頻度割合が30%以下であるコロイドシリカ(B1)が重合性単量体(B2)の硬化物である有機樹脂中に分散して存在する構造を有する、平均粒径1〜50μm、かつ、粒径範囲1〜200μmの有機無機複合フィラーであって、かつ該コロイドシリカ(B1)の屈折率(n1´)と配合量(Wf´)、および、これと組み合わせて使用する重合性単量体(B2)の硬化後の屈折率(n2´)と配合量(Wm´)との間に、以下の関係式:
0 ≦ n2´−n1´ ≦ 0.10
1/5 ≦ Wf´/Wm´ ≦ 4
が成立するように調整して製造された有機無機複合フィラーであり、かつ、(c)硬化後の厚さ1mm板の成型物の色調を、JIS−Z8729に定めた方法により、該成型物の背後に標準白板と標準黒板を置いてそれぞれ測定して、標準白板を成型物の背後に置いて測定された測色値を(L*W,a*W,b*W)、標準黒板を成型物の背後に置いて測定された測色値を(L*B,a*B,b*B)〔ここで、L*,a*,b*はそれぞれ、JIS−Z8729に定めたL*a*b*表色系における、クロマティネス指数(a*,b*)と明度指数(L*)をそれぞれ表す〕で表したとき、以下の関係式:
0 ≦ Δb*= b*W − b*B ≦ 20
ΔL* = L*W − L*B ≧ 25
が成立することを特徴とする歯科用修復材料。 - 重合開始剤が、アシルホスフィンオキサイドである請求項1に記載の歯科用修復材料。
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